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【発明の名称】 施工量管理システム
【発明者】 【氏名】影山 雅人

【要約】 【課題】土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムであって、各作業班における個々の生産性に対する評価を可能とした施工量管理システムを提供する。

【解決手段】施工量管理システム1は、各々の作業班G,G…に備えられ、各作業班G,G…における機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高を入力する携帯情報端末(入力手段)Tと、該携帯情報端末Tによって入力された各作業班G,G…における機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高に基づいて、各々の作業班G,G…における生産性を算出する中央コントローラCとを具備して成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、各々の作業班に備えられ、各作業班における機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された各作業班における機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高に基づいて、各々の作業班における生産性を算出する中央コントローラと、を具備して成ることを特徴とする施工量管理システム。
【請求項2】 前記入力手段は、無線通信手段を備えた携帯情報端末であることを特徴とする請求項1記載の施工量管理システム。
【請求項3】 前記中央コントローラにより算出される生産性は、単位施工出来高あたりの必要時間であることを特徴とする請求項1記載の施工量管理システム。
【請求項4】 前記中央コントローラにより算出される生産性は、単位施工出来高あたりの必要費用であることを特徴とする請求項1記載の施工量管理システム。
【請求項5】 前記中央コントローラにより算出される生産性は、単位施工出来高あたりの必要人員であることを特徴とする請求項1記載の施工量管理システム。
【請求項6】 前記入力手段によって、各作業班が行なう作業の難易度を入力するとともに、前記中央コントローラによって、各作業班が行なう作業を難易度に基づき分類し、各作業班毎の作業効率を難易度別に比較することを特徴とする請求項1記載の施工量管理システム。
【請求項7】 土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、各々の作業班に備えられ、各作業班における機械情報、人員名、作業時間、および施工出来高を、施工を行なう日毎に入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された各作業班における日毎の機械情報、人員名、作業時間、および施工出来高に基づいて、各々の人員における日毎の生産性を算出する中央コントローラと、を具備して成ることを特徴とする施工量管理システム。
【請求項8】 土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、各々の作業班に備えられ、各作業班における施工当日の予定作業量、および現時点における作業進捗情報を入力する入力手段と、過去の作業進捗情報に基づいて、施工当日の作業終了時刻を予想する中央コントローラと、前記中央コントローラによって予想された施工当日の作業終了時刻を表示する表示装置と、を具備して成ることを特徴とする土木施工の施工管理システム。
【請求項9】 土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、建設機械および各作業員に装着した位置計測装置と無線通信装置とによって、前記建設機械および各作業員の相対位置関係を計測し、少なくとも休息中であるか作業中であるかを含む作業状況を判定することを特徴とする土木施工の施工管理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、土木施工における施工量の管理は、施工に使用した機材、人員、燃料等の消耗品や資材の数量を纏めた日報に基づいて行われており、機材や人員等に用いた費用と施工出来高とに基づいて、単位出来高あたりの必要費用(歩掛)を受注プロジェクト毎に求めることで、受注毎の評価が可能となるとともに自社の実力を正確に把握でき、また赤字での受注を防止することが可能となる。
【0003】また、土木施工の管理方法としては、工事を構成する作業工程を荷卸しや仮設取付等の数分単位の作業に分解し、それぞれに必要な時間を測定して作業工程毎に歩掛を求める方法(特開平 10-8719)がある。
【0004】また、ビルやアパート等の建築分野には、携帯電話機等の携帯端末を用いた管理方法として、複数の建設現場の作業を機種毎に階層化して分類し、予定情報と実績情報を携帯端末から入力し、管理コンピュータによって各建設現場の進捗状況を比較する方法(特開平 11-265407)や、作業者毎に扱き持たせて進捗データを新規に送信する一方、進捗データと工程データとを比較し、各作業者の工程の順番を入れ替え調整して指示し直す方法(特開平 10-273974)等がある。
【0005】ここで、ビルやアパート等の建築現場では、例えば電気配線業者、ガス配管業者、クロス貼り業者のように、複数の専門業者が順番に出入りしながら建物を仕上げて行くため、専門業者が施工現場に到着したときに先の業者の作業が終了している必要があり、工事進捗の管理者は先に現場で作業している業者の進捗を見ながら次の業者への手配を行なう必要があるため、上述した管理方法は建築現場を管理する上において極めて有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】生産管理において、生産現場における作業単位の現時点での生産性の計測が第一歩となる。それにより、各作業単位の生産性の比較、問題を改善した場合の効果を計測することができる。逆に言うと、現時点での生産性を計測しないで、生産現場の改善を進めることはできない。
【0007】道路工事や下水道工事等、各種土木施工の施工現場においては、作業班単位で工事を実施することが通例であるが、上述した従来の管理方法においては、土木施工のプロジェクト毎における生産性を管理しているため、各作業班における個々の生産性に対する評価を行うことが困難であった。
【0008】つまり、道路工事なら道路工事全体としての生産性の把握は行っていても、道路工事を担当する個々の作業班毎の生産性の把握は行われておらず、個々の作業班に対する改善、例えば操作性の向上した建設機械を使用した場合の、従来の建設機械と比較した生産性に対する評価は行われることがなかった。
【0009】また、建築現場の工程管理システムは、先工程の作業班の作業終了を次工程の作業班へより効率良く伝達することを目的としており、各作業班の作業量、作業難易度、担当者数等を基にして各作業班の生産性を把握し、改善を進める用途には利用されていなかった。
【0010】本発明は上記実状に鑑み、土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムであって、各作業班における個々の生産性に対する評価を可能とした施工量管理システムの提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および効果】上記目的を達成するべく、請求項1の発明に関わる施工量管理システムは、土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、各々の作業班に備えられて各作業班における機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された各作業班における機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高に基づいて、各々の作業班における生産性を算出する中央コントローラとを具備して成ることを特徴としている。上記構成によれば、中央コントローラにおいて各作業班の生産性が算出されるので、各作業班における生産性を相互に比較検討することにより、各作業班における個々の生産性に対する評価が可能となる。
【0012】請求項2の発明に関わる施工量管理システムは、請求項1の発明に関わる施工量管理システムにおいて、前記入力手段が無線通信手段を備えた携帯情報端末であることを特徴としている。上記構成によれば、入力手段として無線通信手段を備えた携帯情報端末を用いたことで、システム構成の簡易化や低コスト化を達成し得るとともに、上記携帯情報端末を出力手段として用いることにより、各作業班における生産性を施工現場毎にリアルタイムで知ることが可能となる。作業班毎における生産性のリアルタイムでの把握は、各作業班の問題点の発見や、その時々に発生した問題点の発見に効果を発揮し、さらに作業班相互の競争意識の醸成も相俟って、自社の実力を向上させることに大きく貢献する。
【0013】請求項3の発明に関わる施工量管理システムは、請求項1の発明に関わる施工量管理システムにおいて、前記中央コントローラにより算出される生産性が、単位施工出来高あたりの必要時間であることを特徴としている。上記構成によれば、中央コントローラで算出される各作業班の生産性を、単位施工出来高あたりの必要時間としたことで、各作業班における個々の生産性を多角的に評価することが可能となる。
【0014】請求項4の発明に関わる施工量管理システムは、請求項1の発明に関わる施工量管理システムにおいて、前記中央コントローラにより算出される生産性が、単位施工出来高あたりの必要費用であることを特徴としている。上記構成によれば、中央コントローラで算出される各作業班の生産性を、単位施工出来高あたりの必要費用としたことで、各作業班における個々の生産性を多角的に評価することが可能となる。
【0015】請求項5の発明に関わる施工量管理システムは、請求項1の発明に関わる施工量管理システムにおいて、前記中央コントローラにより算出される生産性が、単位施工出来高あたりの必要人員であることを特徴としている。上記構成によれば、中央コントローラで算出される各作業班の生産性を、単位施工出来高あたりの必要人員としたことで、各作業班における個々の生産性を多角的に評価することが可能となる。
【0016】請求項6の発明に関わる施工量管理システムは、請求項1の発明に関わる施工量管理システムにおいて、前記入力装置によって各作業班が行なう作業の難易度を入力するとともに、前記中央コントローラにより各作業班が行なう作業を難易度に基づき分類して各作業班毎の作業効率を難易度別に比較することを特徴としている。上記構成によれば、各作業班毎の作業効率を難易度別に比較することで、土質や生産対象物が日々変化する現場の状況に応じた生産性の比較が可能となり、各作業班における得意分野、不得意分野を明確に知ることができる。これにより、問題点の早期発見と現状の作業に対するフィードバックが可能となり、得意工事への優先的なシフトや、不得意分野に対する教育等、各々の作業班に対する有効な対策を講じることが可能となる。
【0017】請求項7の発明に関わる施工量管理システムは、土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、各々の作業班に備えられて各作業班における機械情報、人員名、作業時間、および施工出来高を施工を行なう日毎に入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された各作業班における日毎の機械情報、人員名、作業時間、および施工出来高に基づいて、各々の人員における日毎の生産性を算出する中央コントローラとを具備して成ることを特徴としている。上記構成によれば、中央コントローラにおいて人員の生産性を算出することにより、作業班を構成している個々の作業員に対する評価が可能となるとともに、作業員に対する評価を作業班に対する評価にフィードバックさせることが可能となる。
【0018】請求項8の発明に関わる施工量管理システムは、土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、各々の作業班に備えられて各作業班における施工当日の予定作業量、および現時点における作業進捗情報を入力する入力手段と、過去の作業進捗情報に基づいて施工当日の作業終了時刻を予想する中央コントローラと、前記中央コントローラによって予想された施工当日の作業終了時刻を表示する表示装置とを具備して成ることを特徴としている。上記構成によれば、作業班を構成する作業員が、表示装置に表示される予想作業終了時刻を見て意識することは、各作業員におけるモラールアップに繋がることとなる。
【0019】請求項9の発明に関わる施工量管理システムは、土木施工を複数の作業班によって行なう場合の施工量管理システムにおいて、建設機械および各作業員に装着した位置計測装置と無線通信装置とによって、前記建設機械および各作業員の相対位置関係を計測し、少なくとも休息中であるか作業中であるかを含む作業状況を判定することを特徴としている。上記構成によれば、作業中における作業の進捗を、例えば各作業班の班長による入力操作を要することなく、自動的に作業の進捗が管理されることとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。図1〜図3は、本発明に関わる施工量管理システムの一実施例を示しており、図2に示す如く複数の施工現場F,F…においては、それぞれ複数の作業員h,h…から構成された作業班Gによって作業が行われている。
【0021】なお、各施工現場F,F…に配車されたブルドーザ等の建設機械E,E…は、通信衛星Scおよび衛星地球局Sa等から成る衛星通信手段を介して、基地局Aと相互通信可能に接続されており、テレマネージメントシステムによって管理されている。
【0022】ここで、複数の施工現場F,F…は、互いに近接している場合もあるし、遠隔地の場合もある。また、複数の作業班G,G…が、1つの施工現場Fにおいて作業を行っている場合もある。
【0023】さらに、作業班Gとは、必ずしも複数の作業員h,h…から構成されるものではなく、例えば1人の作業員のみでも1つの作業班Gを構成し得ることは言うまでもない。
【0024】各々の作業班Gにおける班長は、PDA(パーソナル・データ・アシスタンス)を採用した、入力手段としての携帯情報端末T(図1参照)を所持している。
【0025】この携帯情報端末Tは、GPS衛星Sg(図1参照)を用いたグローバル・ポジショニング・システムによる位置計測装置と、通信衛星Sc(図1参照)を用いた衛星通信による無線通信装置(無線通信手段)とを備え、この無線通信装置によって基地局Aとの相互通信が可能である。
【0026】ここで、入力手段としては、上述したPDA等の携帯情報端末に限定されるものではなく、例えば複数の携帯電話基地局からの距離に基づいて位置を特定する位置計測装置と、携帯電話通信を用いた無線通信装置とを備えて成る携帯電話機等、様々な情報端末を入力手段として採用することが可能である。
【0027】なお、同一(1台)の携帯情報端末Tを、複数の作業班G,G…における複数の班長が共用することも可能である。この場合、班長以外の作業員h,h…は、各作業班Gの班長に所属させても良いし、各作業班Gにおいて1/3(作業班の数)のように配分して所属させても良い。
【0028】一方、図1および図3に示す如く、基地局Aは、後述の如く携帯情報端末Tから入力される、各作業班Gの機械情報、人員情報、作業時間、および施工出来高等を記憶するデータベースDを備えている。
【0029】また、基地局Aは、上記データベースDに記憶されたデータに基づいて、各作業班Gにおける生産性を算出するための中央コントローラCを備えている。
【0030】さらに、基地局Aは、建設機械Eとの間で各種の情報を授受するためのメールサーバAsを備えている。
【0031】ここで、基地局Aに設置されたデータベース(リレーショナルデータベース)Dは、図4に示す如く担当者データDa、利用機械データDb、機械稼働記憶データDc、班別作業データDd、工事記憶データDe、工事工程データDf、工事種別データDg、および工事難易度データDh等によって構成されている。
【0032】また、上記データベースDは、工事種別や難易度を新たに定義できるテーブルを持っており、選択した工事種別に応じて、後述の如く入力する工事難易度、単位、出来高名等の種類が変化し、また作業時において入力する作業工程の細目が工事種別に応じて変化する。
【0033】なお、上記データベースDに保存された各種データは、例えば従来からの工程管理ソフトにおける入力データとする等、様々な形での利用が可能である。
【0034】図5は、施工当日の作業開始時において、携帯情報端末Tに表示される入力画面I1であり、各作業班Gにおける班長は、この入力画面I1において、工事種別i1、人員情報i2、利用機械(機械情報)i3を、予め設定された選択肢から選択して入力する。
【0035】ここで、人員情報i2としては、班長名および各担当者の名前(あるいはID)を入力することで、各作業員の個人情報と併せて作業班Gを構成する作業員の人数が入力されることとなる。
【0036】入力画面I1から入力された各情報(i1〜i3)は、携帯情報端末Tから基地局Aへ送信され、該基地局AのデータベースDに保存される。
【0037】入力画面I1への入力が完了すると、携帯情報端末Tには、先に入力した工事種別i1に対応した、図6に示す如き入力画面I2が表示される。
【0038】この入力画面I2は、基地局AのデータベースDから選択された、工事種別に対応した入力項目に応じて作成され、基地局Aから携帯情報端末Tに送られて表示されたものである。すなわち、入力画面I1で入力した工事種別i1により、入力画面I2以降における入力の項目が変化することとなる。
【0039】なお、上述した入力画面I1および入力画面I2と、後述する入力画面および出力画面は、何れも図3に示す如く基地局AのデータベースDに記憶されているデータに基づいて、ASP(アクティブ・サーバ・ページ)等の技術により動的に作成されるものである。
【0040】図6の入力画面I2では、工事種別i1の他に、工事難易度i4と、作業予定量(施工出来高)i5が入力され、これらの情報i4,i5は、携帯情報端末Tから基地局Aへ送信され、該基地局AのデータベースDに保存される。
【0041】ここで、入力画面I2における工事難易度i4の分類、および作業予定量i5の単位は、予めデータベース化されており、工事種別に基づいて変化する。
【0042】例えば、例示した下水道工事の場合、作業予定量i5の単位は長さ(m)あるいは下水管の本数であるし、また個別配管工事の場合、作業予定量i5の単位は箇所となる。
【0043】また、例示した下水道工事の場合、工事難易度i4の分類は掘削深さおよび出水量であるが、工事種別によってはコンクリート厚さ、および岩盤の硬さ等の分類となる。
【0044】上述した工事難易度に基づいて、各工事種別はランク分け(層別)されており、工事種別のランクに基づいて歩掛けを計算することによって、施工現場の状況によって大きく変わる生産性を、作業状況に応じて適正に比較検討することが可能となる。
【0045】図7は、施工当日の作業が開始されたのち、携帯情報端末Tに表示される入力画面I3であり、工事種別に応じて定められる作業工程の細目(アスファルト引剥がしp1、掘削開始p2、管布設開始p3、埋戻し開始p4、仮舗装p5、後片付けp6)が表示されている。
【0046】図7は、施工当日の作業を開始した後の入力画面I3であり、該入力画面I3には、工事種別に対応した作業工程の細目が表示され、例示した下水道工事の場合には、アスファルト引剥がしp1、掘削開始p2、管布設開始p3、埋戻し開始p4、仮舗装p5、および後片付けp6から成る、作業工程の細目が表示されている。
【0047】作業中においては、各作業工程を開始する際に、入力画面I3の該当する作業工程をクリックする。これにより、各作業工程の開始時刻(前行程の終了時刻)が入力され、その時点における作業の進捗状況を示唆する時間情報が、携帯情報端末Tから基地局Aへ送信されてデータベースDに保存される。
【0048】また、図7に示す入力画面I3からは、作業を中断している時間とその理由を入力することができる。入力画面I3には、時間待ちa1、休憩a2、昼食a3等、作業の中断理由の細目が表示されており、これらの細目をクリックすることによって、作業の中断時間を入力することができる。なお、時間待ちa1の場合、その詳しい理由を予め設定した選択肢から選択して入力することができる。
【0049】入力画面I3から入力された、作業の中断時間とその理由に関する情報は、携帯情報端末Tから基地局Aへ送信されてデータベースDに保存される。また、上述した作業の中断時間とその理由に関する情報は、集計されて生産性向上のための有用な基礎資料とされる。
【0050】ところで、図1および図2に示した各々の建設機械Eは、図1に示した衛星通信手段(通信衛星Sc等)を介して、アワーメータによる自身の稼働情報を基地局Aに転送しており、該基地局AのデータベースDに記憶された建設機械Eの稼働情報は、上記衛星通信手段を介して携帯情報端末Tで参照することができる。
【0051】図8に示す携帯情報端末Tの入力画面I4には、施工当日における各作業工程の進捗状況を示すマップm1と、施工当日に使用された建設機械Eの稼働時間を示すマップm2と、建設機械(油圧ショベル)Eの吊り具を使用した時間を示すマップm3とが表示されている。
【0052】上記入力画面I4においては、マップm2およびマップm3を参照しながら、各作業工程の開始時間を変更することが可能である。これにより、作業中に入力画面I3(図7参照)における作業工程の細目をクリックし忘れ、作業工程の開始時刻を入力ミスしてしまった場合でも、ほぼ正確な作業工程の開始時間に訂正して再入力することが可能となる。
【0053】なお、上述の如く携帯情報端末Tでは、基地局AのデータベースDに記憶された建設機械Eの稼働情報を、衛星通信手段を介して参照するよう構成されているが、建設機械Eと携帯情報端末Tとを短距離情報通信規格を用いて相互に通信可能とし、携帯情報端末Tからの問い合わせによって、建設機械Eが記憶している稼働情報を携帯情報端末Tに転送するよう構成しても良い。
【0054】上述した如く、携帯情報端末Tから入力され、基地局AのデータベースDに記憶された各種データに基づいて、基地局Aの中央コントローラCでは、各作業班Gにおける生産性、具体的には「単位施工出来高あたりの必要時間」、「単位施工出来高あたりの必要費用」、および「単位施工出来高あたりの必要人員」等、様々な方面からの多角的な生産性が算出される。
【0055】上記中央コントローラにおいて算出れた各作業班Gの生産性は、携帯情報端末Tからの要求によって送信され、以下に示す如く携帯情報端末Tの表示画面において参照することができる。
【0056】なお、以下に例示する表示画面は、5つの作業班(山崎班、清原班、古田班、金本班、立浪班)の生産性を比較して表示したものである。
【0057】図9(a)の表示画面は、1ヶ月間における各作業班の生産性、詳しくは作業単位/日(1日=8H)の歩掛りを、下水道管布設、各戸枝管布設、人孔布設等の工事種別毎に比較した表である。
【0058】また、図9(b)の表示画面は、各作業班の生産性(本/日)を下水道管布設において比較したバーグラフであり、図9(c)の表示画面は、各作業班における生産性(本/日)の推移を下水道管布設において比較した折れ線グラフである。
【0059】図10(a)の表示画面は、1ヶ月間における各作業班の生産性、詳しくは費用/作業単位の歩掛りを、下水道管布設、各戸枝管布設、人孔布設等の工事種別毎に比較した表であり、図10(b)の表示画面は、1ヶ月間における各作業班の生産性(円/本)を下水道管布設において比較した棒グラフである。
【0060】図11(a)の表示画面は、路盤工(車道部)における各作業班の生産性、詳しくは作業量当たりの費用(円/m)を比較した棒グラフであり、図11(b)の表示画面は、路盤工(歩道部)における各作業班の生産性(円/m)を比較した棒グラフである。
【0061】ここで、図11(a),(b)の表示画面を比較すると、清原班は車道部の路盤工での生産性が高く、立浪班は歩道部の路盤工での生産性が高いことから、清原班は人力での作業が得意であり、立浪班は人力での作業が不得意であることが分析される。
【0062】図12(a)の表示画面は、路盤工における各作業班の生産性、詳しくは時間当たりの生産量(m/時)を比較した棒グラフであり、図12(b)の表示画面は、路盤工における各作業班の生産性、詳しくは作業量当たりの費用(円/m)を比較した棒グラフである。因みに、費用は人件費と機械損料の合計である。
【0063】ここで、図12(a),(b)の表示画面を比較すると、権藤班、金本班、および立浪班の3つの作業班が、時間当たりの生産量(m/時)と、作業量当たりの費用(円/m)とのバランスが良いことが解る。
【0064】また、図12(a),(b)の表示画面からは、古田班は時間当たりの生産量(m/時)は多いものの、作業量当たりの費用(円/m)の嵩んでいることが解る。 このことから、作業員が多いと判断された場合には、古田班を構成する作業員を減らす等の対策を採ることができる。
【0065】また、図12(a),(b)の表示画面から、作業員の路盤工に対する作業能力が劣ると判断された場合には、古田班の作業員に対して路盤工に関する教育や指導を行う、あるいは作業能力が優れている他の作業班との間で作業員を入れ替える等の対策を採ることができる。
【0066】さらに、図12(a),(b)の表示画面から、清原班は時間当たりの生産量(m/時)が少なく、また作業量当たりの費用(円/m)も著しく嵩んでいることが解る。このことから、清原班においては、作業員以外を原因とする問題点が存在するものと分析される。
【0067】図13(a)の表示画面は、下水道布設における各作業班の生産性、詳しくは時間利用割合/単位生産量(本)を、下水道布設における各作業工程毎に比較した表であり、図13(b)の表示画面は、1本の配管を布設するのに要する各工程の時間配分を、各作業班毎に比較したマップである。この表示画面においては、各作業班における時間の使い方を分析することができる。
【0068】図14の表示画面は、各作業班における待ち時間を、理由毎に累積したマップである。この表示画面からは、清原班における資材待ちの時間が長いことが解り、資材待ちの時間を重点的に管理する必要のあることが分析される。
【0069】これにより、特定の日の生産性が低かった理由が、渋滞による資材の搬入の遅れであった場合、渋滞状況を把握してから資材を出荷してもらう、あるいは現場サイドから確認を入れるといった対策を採ることが可能となる。
【0070】図15の表示画面は、下水道布設における各作業班の生産性、詳しくは費用/作業単位(本)の歩掛りを、出水量多、出水量中、出水量小、出水量無等、作業の難易度毎に比較した表である。
【0071】また、図16(a)の表示画面は、下水道布設における各作業班の生産性(円/本)を、掘削深さ 1.5〜 2.5m、出水量無の条件(難易度)において比較した棒グラフであり、一方、図16(b)の表示画面は、下水道布設における各作業班の生産性(円/本)を、掘削深さ 3.5〜 4.5m、出水量中の条件(難易度)において比較した棒グラフである。
【0072】図16(a),(b)の表示画面からは、各作業班における得意分野、不得意分野を明確に知ることができ、問題点の早期発見と現状の作業に対するフィードバックが可能となる。すなわち、得意工事への優先的なシフトや、不得意分野に対する教育等、各々の作業班に対する有効な対策を講じることが可能となる。
【0073】また、各作業班Gの班長が所持している携帯情報端末Tにおいては、図17に示す如き表示画面によって、各々の作業班Gにおける作業の進捗状況を、過去の同難易度の作業における進捗状況と比較して表示することができる。
【0074】図17に示した携帯情報端末Tの表示画面には、現在の作業の進捗状況を示すマップmaと、過去の同一の難易度の作業における進捗状況を示すマップmb,mcとが表示されている。
【0075】上記マップmaは、現時点までの各作業工程に要した時間を積み重ねて表したものである。また上記マップmb,mcは、当日の作業と同一難易度の過去の作業における各作業工程に要した時間の平均時間を積み重ねて表したものである。
【0076】ここで、過去の比較データとしては、自班のみの平均値に基づいたマップmbと、全社の作業班における平均値に基づいたマップmcとが表示されている。なお、選択スイッチにより、自社の全ての作業班あるいは自班の過去の最高効率のマップと、現在の作業の進捗状況を示すマップとを、比較表示することもできる。
【0077】また、過去の作業における進捗状況を示すマップmb,mcは、過去の実績作業量と当日の目標作業量とを比較し、当日の目標作業量に必要な作業時間に修正して表示されている。
【0078】例えば、16.8mの下水道管の埋設に23分の引剥がし作業を必要とした過去の作業に対して、当日の作業目標が16mである場合には、過去の平均作業時間として23×16/16.8=21.9分が表示される。
【0079】因みに、過去の比較データにおける作業開始時間は、施工当日の作業開始時間と同一に設定してある。また、昼食等の固定的な休憩時間は、過去の平均開始時刻から過去の平均時間だけ取るように配慮されており、待ち時間等の非定常時間については、その平均値を作業の最後に纏めて表示している。
【0080】なお、図17に示した表示画面は、各作業班G(携帯情報端末T)のみならず、基地局Aとインターネット等の通信手段を介して接続されている現場事務所や施工業者の本社等においても閲覧することができ、施工現場における作業の進捗状況を様々な部署からも一目で把握することができる。
【0081】また、本発明に関わる施工料管理システム1は、作業の進捗状況に対して金銭的評価を行う機能を備えている。
【0082】ここで、先に例示した下水道工事の場合、過去の実績データに基づいて、必要作業員とその作業員に対する工賃の合計を、埋設管の距離で割ったものが埋設距離あたりの作業員に対する工賃となる。
【0083】これに施工当日の目標埋設距離を乗じ、施工当日の作業員数で割ることによって、自班の作業員に支払うべき平均理論工賃が求められる。
【0084】また、掘削等の土木工事においては、現時点での作業量に応じての理論工賃が表示される。
【0085】例えば、同レベルの難易度の1日あたりの平均作業量をA(m/日)、その作業に要した平均人員をB(人)、1日あたりの平均工賃をC(円/日/人)とすると、進捗量あたりの工賃はC×B/A(円/m)によって求められる。
【0086】すなわち、現時点における作業進捗量を Dm、作業員数をEとすると、現時点における1人あたりの理論工賃は、C×B/A×D/E(円/人)となる。
【0087】これら理論工賃の数値は、各作業員に支給する実際の給与に反映させても良いし、あるいは単に各作業員に対するインセンティブとして利用しても良い。
【0088】また、上述した如く携帯情報端末Tから入力された各種情報、および基地局AのデータベースDに予め保存されている各種情報に基づいて、作業班を構成する各作業員の生産性を算出することが可能である。
【0089】表1は、人員#1〜#3により構成された作業班に対する、日々の生産量、実生産時間、生産費、機械の費用(燃料費、レンタル料等)、人員#1〜#3の日当の関係を表している。
【0090】

表2は、人員#1における日々の生産量、実生産時間、生産量、および日当の関係とともに、1ヶ月間における実生産時間の合計、生産量の合計、および日当の合計を表している。
【0091】

ここで、作業員1人あたりの生産量が必要費用に比例すると仮定すると、作業員1人あたり(人員#1)の1日における生産量は、表2にも示したように次の式(1)によって表される。
【0092】
式(1) … Pm11=P1×Mm11/(ΣMck1+ΣMm11
なお、式(1)中のPm11は 5/1(日付)における人員#1の生産量、Mm11は人員#1の日当、ΣMck1+ΣMm11は作業班全体の生産費用である。
【0093】表2に示された、人員#1の日当の合計(Mm1)と、人員#1における生産量の合計(Pm1)とから、人員#1の歩掛(Mm1/Pm1)を算出することができる。
【0094】さらに、人員#1における生産量の合計(Pm1)と、人員#1における実生産時間の合計(Tm1)とから、人員#1の生産性(生産効率)を算出することができる。
【0095】このように、各作業員の生産性を算出することによって作業班を構成している個々の作業員に対する評価が可能となるとともに、作業員に対する評価を作業班に対する評価にフィードバックさせることが可能となる。
【0096】また、本発明に関わる施工量管理システム1では、施工当日の予定作業量と、現時点における作業の進捗程度と、同難易度の作業における過去の実績データとに基づいて、施工当日の作業終了時刻を予想することができる。
【0097】すなわち、既に完了した作業工程の終了時刻に、残りの各作業工程に必要とした過去の作業時間の平均時間を加算することにより、施工当日の作業終了時刻を予想することができる。
【0098】図2に示す如く、各施工現場F,F…には、予想された作業終了時刻を表示するための表示装置Bが設置されており、この表示装置Bに表示された作業終了時刻を各作業員h,h…が意識し、毎日の作業を効率的に進めて出来る限り早く帰宅することは、各作業員のモラールアップに繋がることとなる。
【0099】また、上述の如く予想された作業終了時刻は、複数の作業現場の進捗状況をリアルタイムで管理する上で、最も解り易い指標として利用することができる。
【0100】ここで、施工当日における作業終了時刻の予想と同様にして、各作業工程の終了時刻/開始時刻を予想することも可能であり、各作業工程の終了時刻/開始時刻の予想に基づいて、タイミング良く資材を配送することが可能となる。
【0101】例えば、水道工事の場合であれば、仮舗装工程に必要となるアスファルトを、いつ(時刻)配送すれば良いかを正確に把握することで、アスファルト配送トラックの効率的な運用が可能となる。また、アスファルトは製造から時間が経過すると硬化が始まるため、正確な作業工程のタイムテーブルを把握することは品質の向上に繋がることとなる。
【0102】ここで、作業終了時刻を予想する場合、過去の実績データとしては、可能な限り同条件(自班、同難易度、同人員構成)の作業実績の平均を用いることが望ましいが、過去において同条件の作業を実施していない場合もある。
【0103】そのような場合には、同難易度、自班、同人員構成の順に優先し、同条件にできるだけ近い実績情報を用いる。
【0104】また、整地作業のように、作業工程が明確に分類できない場合には、過去の時間あたりの作業量と、本日の作業予定量、現時点までの作業実績(作業進捗)によって予定終了時刻を求めることができる。なお、この例の整地作業の場合、土質や仕上がり精度によって難易度分類を行い、先の下水道工事と同様に、同難易度の作業の実績データが優先して利用される。
【0105】さらに、十分に過去のデータの蓄積がある場合には、単に作業終了時刻をモニタするだけではなく、人員や機材の入れ替えを行った場合の作業終了時刻を予想することも可能となる。
【0106】また、人員の配置や、使用機材を入れ替えた場合の、過去の実績データによる各施工現場における作業終了時刻を予想し、全体として残業の総量(残業手当の総量)を最小化する人員、機材の配置計画をコンピュータによって立案することができる。
【0107】この際、翌日の作業計画を立てても良いし、複数の施工現場間の距離と各機材または人員の移動速度に基づいて、現時点で人員の応援派遣/再配置を行った場合の作業終了時刻を予想することも可能である。
【0108】なお、図2に示した実施例においては、各施工現場Fに表示装置Bを設置しているが、複数の施工現場F,F…が互いに隣接しており、各施工現場Fにおける作業員h,h…からの視認が可能であれば、複数の施工現場F,F…について1基の表示装置Bを設置して済ませることも可能である。また、各作業班Gの班長が携帯している携帯情報端末Tに、予想された作業終了時刻を表示することも可能である。
【0109】また、各施工現場の進捗状況を管理する別の方法としては、各作業員の位置をモニタする方法がある。例えば、各作業員および建設機械に、GPS装置とBluetooth(商標)等の無線通信装置とを携帯/装着させることにより、建設機械から各作業員の位置を監視することができる。
【0110】これにより、例えば、1) 作業員が建設機械の近傍に存在し、建設機械が稼働している場合は、掘削(埋め戻し)作業中である。
2) 作業員が建設機械の近傍に存在し、建設機械が稼働していない場合は、管等の構造物の設置作業中である。
3) 作業員が建設機械から離れており、建設機械が稼働している場合は、休憩中である。
といった作業の状況を自動的に判別できる。
【0111】この作業の状況を、前日までの進捗状況と比較することによって、例えば下水道工事の場合、管の埋設が通常より早い/遅いといった、進捗を示す作業時間の情報を知ることができる。
【0112】また、個々の作業員が持つGPS装置と無線通信装置とにIDを記憶させ、この装置を携帯電話機のように各作業員固有のものであるとして運用すれば、作業班を構成する人員情報を得ることができる。
【0113】この各作業員および建設機械に携帯/装着させたGPS装置と無線通信装置とは、建設機械と作業員との干渉を回避するための安全装置にもなる。すなわち、建設機械のオペレータに他の作業員の位置を知らせることにより、建設機械の動作範囲内にオペレータが気付かずに他の作業員が入り込んでしまう事故や、オペレータが他の作業員の位置を誤認していた為に発生する事故を未然に防止することができる。このような用途のために、各作業員の位置と建設機械の位置との相対精度を確保するべく、各GPS装置においては、同一のGPS衛星を用いて距離計測を行うように相互通信を行っている。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【出願日】 平成12年10月2日(2000.10.2)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
【公開番号】 特開2002−108975(P2002−108975A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−302243(P2000−302243)