| 【発明の名称】 |
遅延計算用負荷生成方法および記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】古茂田 道夫
【氏名】栗山 茂
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| 【要約】 |
【課題】論理回路の複数通りある論理パスにおいて負荷の一成分である寄生容量が異なるが、固定の負荷モデルに対して、論理パス毎のソースモデルを接続する形式となっているため、特に配線やゲート容量負荷の小さい領域では、この寄生容量の異なりにより遅延時間誤差が大きいという課題があった。
【解決手段】論理回路の出力ピンの寄生容量を負荷構成素子からなる負荷モデルと分離し、遅延時間の計算をする前記論理回路の論理パスに応じた前記寄生容量を前記負荷モデルに加算するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 PMOSトランジスタとNMOSトランジスタよりなる論理回路の遅延計算用負荷生成方法において、前記論理回路の出力ピンの寄生容量を負荷構成素子からなる負荷モデルと分離し、遅延計算する前記論理回路の論理パスに応じた前記寄生容量を前記負荷モデルに加算することを特徴とする遅延計算用負荷生成方法。 【請求項2】 寄生容量の1つの容量素子で表現することを特徴とする請求項1記載の遅延計算用負荷生成方法。 【請求項3】 寄生容量を複数のRC素子で表現することを特徴とする遅延計算用負荷生成方法。 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の遅延計算用負荷生成方法を実現するコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタにより構成された論理回路の遅延計算用負荷生成方法および記録媒体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図5から図7は従来の遅延計算での処理フローを示す図であり、図5はインバータであるNAND101とNAND102を配線103で接続した回路接続情報の抽出を示している。これ等の情報から負荷をRC素子で表した回路構成情報を図6に示すように作成する。ここで、2入力NAND101からなるソースモデル106を電源104と抵抗105とで表す。また、ゲート出力端からみたアドミッタンスが例えば3次の項まで一致するように、このNAND101の出力ピンの寄生容量Cdと、配線103のRC分布定数回路107およびNAND102の入力ピンの容量Cgとを決めて負荷構成素子108を構成する。 【0003】そして、この負荷構成素子108を、RC分布定数回路107の入力側容量と出力ピンの寄生容量Cdとを容量C2で表わすとともに、RC分布定数回路107の出力側容量と上記入力ピンの容量Cgとを容量C1で表わし、RC分布定数回路107の抵抗Rにより、図7に示すように、負荷モデル109を作成する。 【0004】上記負荷モデル109を構成する抵抗R、容量素子Cを有限のRC素子で近似する。ここでは、どのようなソースモデルを接続したとしても、図6の回路ネットワークを接続したときに得られるゲート出力端の電圧波形に対して、図7の回路を解析して得られる電圧波形が近似できているようにC素子2個、R素子1個のπ型モデルを構成する。 【0005】この近似方法については、先行技術文献Modeling the Driving−Point Characteristic of Resistive Interconnext for Accurate Delay Estimation(Proc.IEEE International Conference on Computer−Aiede−Design、1989年)に詳細に説明されているので、詳細な説明は省略するが、パターンに応じてアドミッタンスY(S)を下流側から計算して、ゲート出力端からみたアドミッタンスY(S)を求め(文献Fig.3、式(19)以降参照)、得られたアドミッタンスY(S)からR,C1,C2を決定する(文献式(14)〜(16)参照)。 【0006】このように構成した負荷モデル109に対して、ソースモデル106を接続して応答解析を行い遅延時間を決定する。ソースモデル106は電源104と抵抗105で表され、PMOS動作/NMOS動作条件(出力がRiseかFallか)、直列のNMOSのうち何れが動作するかの差などに起因する条件に応じた電源値/抵抗値を持つことになる。 【0007】次に動作について説明する。例えば図8に示すように2入力NAND回路101は、2つのPMOSトランジスタP1,P2と2つのNMOSトランジスタN1,N2とで構成し、Cd1,Cd2は出力ピンの寄生容量である。この構成において、入力端子Aの電位がLからHに変化(A→YのRiseの場合)すると、PMOSトランジスタP1がOFF、PMOSトランジスタP2がON、NMOSトランジスタN1がOFF、NMOSトランジスタN2がONとなる。 【0008】また、図9に示すように、入力端子Bの電位がLからHに変化(B→YのRiseの場合)すると、PMOSトランジスタP1がON、PMOSトランジスタP2がOFF、NMOSトランジスタN1がON、NMOSトランジスタN2がOFFとなる。 【0009】また、入力端子Aの電位がHからLに変化(A→YのFallの場合)と入力端子Bの電位がHからLに変化(B→YのFallの場合)を考えると、論理回路としての2入力NAND回路101には合計4通りの論理パスがあり、従来はこの論理パス毎の条件に対応するソースモデルを負荷モデルに接続して応答解析を行い遅延を決定している。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】従来の遅延計算用負荷生成方法は以上のように構成されているので、4通りある論理パスにおいて、論理パスによって出力ピンYより寄生容量Cd1のみが見えたり、Cd1+Cd2が見えたりして、負荷の一成分である寄生容量が異なる。このため、固定の負荷モデルに対して、論理パス毎のソースモデルを接続する従来形式では、寄生容量値に1つの値しか割り当てられていないので、特に配線やゲート容量負荷の小さい領域では、この寄生容量の異なりにより遅延解析誤差が大きく、遅延時間計算が高精度にできないという課題があった。 【0011】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、パス毎に変化する寄生容量部分を正確に表すこと、寄生容量素子のみで従来の解析手法を使用すること、複数RC素子で寄生回路を正確に表現することができる遅延計算用負荷生成方法を得ることを目的とする。 【0012】また、この発明は上記の遅延時間計算方法を容易に利用することができるように記録した記録媒体を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】この発明に係る遅延計算用負荷生成方法は、論理回路の出力ピンの寄生容量を負荷構成素子からなる負荷モデルと分離し、遅延計算する論理回路の論理パスに応じた寄生容量を負荷モデルに加算するものである。 【0014】この発明に係る遅延計算用負荷生成方法は、出力ピン寄生素子を容量の1素子で表現するものである。 【0015】この発明に係る遅延計算用負荷生成方法は、出力ピン寄生素子を複数のRC素子で表現するものである。 【0016】この発明に係る記録媒体は、上記のうちのいずれかに記載の遅延時間計算方法を実現するコンピュータプログラムを記録したものである。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。 実施の形態1.図1から図3はこの発明の実施の形態1における遅延計算の処理フローを示す図であり、インバータであるNAND1とNAND2を配線3で接続した回路接続情報の抽出を示している。そして、図2に示すように、NAND1からなるソースモデル6を電源4と抵抗5とで表し、このNAND1における出力ピンの寄生容量Cdは独立に表す。また、配線3であるRC分布定数回路7およびNAND2の入力ピンの容量Cgとで負荷構成素子8を表し、全体として回路構成情報の作成を行う。 【0018】ついで、上記負荷構成素子8におけるRC分布定数回路7の入力側容量を容量C2で表わすとともに、RC分布定数回路7の出力側容量と上記入力ピンの容量Cgとの合成容量を容量C1で表わし、RC分布定数回路7の抵抗Rにより、図3に示すように、出力ピンの寄生容量Cdを含まない負荷モデル9を作成する。この負荷モデル9の生成では、寄生素子部分を除く負荷構成素子8を、従来通りの負荷モデル9で近似する。そして、遅延計算においては、前記4通りの各論理パスに応じた出力ピンの寄生容量Cdとソースモデル6を与えて遅延時間の計算を行う。 【0019】以上のようにこの実施の形態1によれば、論理パス毎に応じた寄生容量の違いを正確に反映して遅延計算用負荷生成を行うことができ、遅延計算を高精度に行うことができる。また、寄生容量が容量のみで表されているので、寄生容量と負荷モデルを加算した(C2+Cd/R/C1)π型負荷と等価となり、従来通りの手法で遅延時間の計算を行うことができる。 【0020】この手法として、例えば先行文献には、Fig.7の左側の構成(この発明で解析したい回路構成と同じ)を、右側のような等価な容量応答に置き換えて遅延計算をするという方法が示されている。Ceffを得るための計算式は文献の式(12)〜(14)で、この先行文献中には記載がないが、一般的にはCeffと遅延値との対応表が準備されていて、遅延値を得ることができるという仕組みになっている。 【0021】実施の形態2.実施の形態1では、1つの寄生容量を対象としたが、複数のRCで構成される寄生容量回路を割り当てても良い。たとえば図4は、トランジスタ間を接続する配線の抵抗成分R1,R2を寄生容量として加味した例である。この場合は、すでに構成された負荷モデルを下流側、割り当てた寄生容量回路を上流側として、前記の先行技術文献に示された手法,つまり、【0022】(1)すでに構成された負荷モデルC1、C2、Rを使って、先行技術文献の(14)〜(16)式を使って、この負荷モデルに対応するアドミッタンスY(S)を逆算できる。 (2)アドミッタンスY(S)の式が逆算できれば、その上流側に想定している寄生素子回路があるから、前記で説明した要領で、ソースモデルの出力端から見たアドミッタンスY(S)を計算できる。 (3)(2)で求めたアドミッタンスY(S)に対応するπ型モデル((1)の負荷モデルとは異なる値となる。)を先行技術文献の(14)〜(16)式を使って決めることができる。 というものであって、ソースモデルに接続されるπ型負荷モデルを遅延計算時に生成する。 【0023】以上のようにこの実施の形態2によれば、より詳細に寄生容量部分をモデル化できるため、遅延時間の計算をより高精度に行うことができる。 【0024】実施の形態3.上記実施の形態1,2の遅延時間計算方法を実現するコンピュータプログラムを記録媒体に記録しておくもので、この記録内容を読み出すことにより、直ちにこの発明の遅延時間計算方法を実施することができる。 【0025】 【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、論理回路の出力ピンの寄生容量を負荷構成素子からなる負荷モデルと分離し、遅延計算する論理回路の論理パスに応じた寄生容量を負荷モデルに加算するように構成したので、論理パス毎に応じた寄生容量の違いを正確に反映して遅延計算用負荷生成を行うことができ、遅延計算を高精度に行うことができる。また、寄生容量が容量のみで表されているので、寄生素子と負荷モデルを加算したπ型負荷と等価となり、従来通りの手法で遅延時間の計算を行うことができるという効果がある。 【0026】この発明によれば、出力ピンの寄生容量を1つの容量素子で表現するように構成したので、従来通り遅延時間の計算ができるという効果がある。 【0027】この発明によれば、出力ピン寄生素子を複数のRC素子で表現するように構成したので、寄生容量部分をより詳細にモデル化でき、遅延時間の計算をより高精度に行うことができるという効果がある。 【0028】この発明によれば、上記の遅延計算用負荷生成方法を実現するコンピュータプログラムを記録媒体に記録したので、この記録媒体から記録内容を再生することにより、極めて容易にこの発明の遅延計算用負荷生成方法を利用することができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月27日(2000.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066474 【弁理士】 【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−108967(P2002−108967A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−294769(P2000−294769) |
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