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【発明の名称】 設計支援システム
【発明者】 【氏名】中島 洋

【氏名】伊藤 洋文

【氏名】大久保 泰

【要約】 【課題】他の設計ファイルに含まれる図形要素データを参照可能な設計支援システムにおいて、参照の対象を容易に特定でき、設計効率を向上させ、利便性を高めることのできる設計支援システムを提供する。

【解決手段】参照の対象となった図形要素データの要素IDが変更または失われた場合に、CPU11が、図形要素データに対して設計者が付した名称や、図形要素データそのものまたは作業指示データの一致するものまたは類似度の高いものを検索して、参照の対象となった図形要素データを特定する設計支援システムである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 IDにより識別される、少なくとも一つの作業手順データ部分からなる一連の作業手順データと、各作業手順データ部分に基づいて形成される図形要素データとからなる設計ファイル、を管理する手段と、基準となる設計ファイルから他の設計ファイルに含まれる図形要素データへの参照を設定する際に、当該参照される図形要素データに対応する作業手順データ部分を特定情報として、当該作業手順データ部分を識別するIDにより、前記基準となる設計ファイルに関連づけて記録する手段と、当該基準となる設計ファイルにおける参照を更新する際に、対応する各作業手順データ部分を検索するために、前記特定情報に記録されるIDをキーとして、他の設計ファイル内の対応作業手順データ部分を検索する第1検索手段と、前記第1検索手段により対応する作業手順データ部分が検索されなかったときに、特定情報の作業手順データ部分、または図形要素データと、他の設計ファイルの内容との比較を行い、当該比較の結果に基づき、対応する作業手順データ部分を検索する第2検索手段と、を含むことを特徴とする設計支援システム。
【請求項2】 請求項1に記載の設計支援システムにおいて、前記特定情報は、参照の対象となる図形要素データの処理結果としての図形データであることを特徴とする設計支援システム。
【請求項3】 請求項1に記載の設計支援システムにおいて、前記特定情報は、作業手順データの入力パターンであることを特徴とする設計支援システム。
【請求項4】 請求項1に記載の設計支援システムにおいて、前記特定データは、参照の対象となる図形要素データの処理結果としての図形データと、作業手順データの入力パターンとであり、前記第2検索手段は、特定情報としての図形データをキーとして参照の対象となる作業手順データを検索し、それにより作業手順データが検索されないときには、作業手順データそのものをキーとして参照の対象となる作業手順データを検索することを特徴とする設計支援システム。
【請求項5】 請求項2または4に記載の設計支援システムにおいて、前記図形データには、各図形要素データに対し、作図者が設定した名称を含み、前記第2検索手段は、特定情報としての図形データをキーとして参照の対象となる図形要素データを検索する際には、当該作図者が設定した名称を比較して検索を行うことを特徴とする設計支援システム。
【請求項6】 IDにより識別される、少なくとも一つの作業手順データ部分からなる一連の作業手順データと、各作業手順データ部分に基づいて形成される図形要素データとからなる設計ファイル、を管理する工程と、基準となる設計ファイルから他の設計ファイルに含まれる図形要素データへの参照を設定する際に、当該参照される図形要素データに対応する作業手順データ部分を特定情報として、当該作業手順データ部分を識別するIDにより、前記基準となる設計ファイルに関連づけて記録する工程と、当該基準となる設計ファイルにおける参照を更新する際に、対応する各作業手順データ部分を検索するために、前記特定情報に記録されるIDをキーとして、他の設計ファイル内の対応作業手順データ部分を検索する第1検索工程と、前記第1検索工程により対応する作業手順データ部分が検索されなかったときに、特定情報の作業手順データ部分、または図形要素データと、他の設計ファイルの内容との比較を行い、当該比較の結果に基づき、対応する作業手順データ部分を検索する第2検索工程と、を含むことを特徴とする設計支援方法。
【請求項7】 IDにより識別される、少なくとも一つの作業手順データ部分からなる一連の作業手順データと、各作業手順データ部分に基づいて形成される図形要素データとからなる設計ファイル、を管理するモジュールと、基準となる設計ファイルから他の設計ファイルに含まれる図形要素データへの参照を設定する際に、当該参照される図形要素データに対応する作業手順データ部分を特定情報として、当該作業手順データ部分を識別するIDにより、前記基準となる設計ファイルに関連づけて記録するモジュールと、当該基準となる設計ファイルにおける参照を更新する際に、対応する各作業手順データ部分を検索するために、前記特定情報に記録されるIDをキーとして、他の設計ファイル内の対応作業手順データ部分を検索する第1検索モジュールと、前記第1検索工程により対応する作業手順データ部分が検索されなかったときに、特定情報の作業手順データ部分、または図形要素データと、他の設計ファイルの内容との比較を行い、当該比較の結果に基づき、対応する作業手順データ部分を検索する第2検索モジュールと、を含む設計支援プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータにより実行される設計支援システム、いわゆるCADシステムに係り、特にデータ管理の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】CAD(computer aided design)では、プリミティブと呼ばれる基本的な図形要素を組み合わせたり、プリミティブやその組み合わせに所定処理を行ったりして図形をモデリングすることが通常行われている。具体的に立方体の一辺を曲面状に丸めた形状を作成する場合、立方体プリミティブに対し、その一辺に対する丸め処理を行って図形を作成したり、同じ図形であっても、例えば1/4円を押し出し処理(平行移動体作成)して作成したりする。
【0003】従来、CADシステムとして、プリミティブの生成や配置、処理等の作図手順を履歴データとして記録するとともに、この履歴データによって作成される複数の図形要素のデータ(図形要素データ)を対応付けて設計ファイルとして記録管理する、いわゆる「パラメトリックCAD」が知られている。尚、以下の説明では、複数の図形要素データを組み合わせた全体としての図形のデータ(図形データ)と称する。
【0004】また、複数の図形の要素を各々別個のファイルとして記録し、ベースとなるファイル(基準設計ファイル)に各要素の設計ファイルを関連づけておき、設計時に関連づけられた各要素の設計ファイルを基準設計ファイルから参照させることで、各要素ごとに設計者を振り分けるなど、設計管理を容易にすることができるようになっている。このように、図形データは、複数の図形要素データが含まれている。
【0005】この場合に、各設計ファイル内の参照の対象となる履歴データやそれにより形成される図形要素データには、ID番号が設定され、参照時にこのID番号をキーとして履歴データや図形要素データを検索、特定するシステムが広く用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のCADシステムでは、例えば他の種類のCADシステムに適合するように設計ファイルの変換を行ったときや、設計ファイル保存時の負荷軽減のための最適化処理等のために、このID番号が変更または抹消されてしまう場合があり、このために履歴データや図形要素データの参照ができなくなって、再度参照の設定を行わなければならず、特に図形データが数多くの図形要素データからなるときには、設計効率が低下し、利便性が低い。
【0007】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、設計効率を向上させ、利便性を高めることができる設計支援システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための本発明は、設計支援システムにおいて、IDにより識別される、少なくとも一つの作業手順データ部分からなる一連の作業手順データと、各作業手順データ部分に基づいて形成される図形要素データとからなる設計ファイル、を管理する手段と、基準となる設計ファイルから他の設計ファイルに含まれる図形要素データへの参照を設定する際に、当該参照される図形要素データに対応する作業手順データ部分を特定情報として、当該作業手順データ部分を識別するIDにより、前記基準となる設計ファイルに関連づけて記録する手段と、当該基準となる設計ファイルにおける参照を更新する際に、対応する各作業手順データ部分を検索するために、前記特定情報に記録されるIDをキーとして、他の設計ファイル内の対応作業手順データ部分を検索する第1検索手段と、前記第1検索手段により対応する作業手順データ部分が検索されなかったときに、特定情報の作業手順データ部分、または図形要素データと、他の設計ファイルの内容との比較を行い、当該比較の結果に基づき、対応する作業手順データ部分を検索する第2検索手段と、を含むことを特徴としている。これにより、IDが変更または抹消されたときにも、図形データ自体や、設計時に入力されたデータの比較によって参照の対象となる作業手順データを検索して参照の設定を行うことができ、設計効率を向上させて、利便性を高めることができる。
【0009】また、前記特定情報は、参照の対象となる図形要素データの処理結果としての図形データまたは、作業手順データの入力パターンであることが好ましい。
【0010】さらに、前記第2検索手段は、特定情報としての図形データをキーとして参照の対象となる作業手順データを検索し、それにより作業手順データが検索されないときには、作業手順データの入力パターンをキーとして参照の対象となる作業手順データを検索することも好ましい。
【0011】さらに、図形データが、各図形要素データに対し、作図者が設定した名称を含むときには、第2検索手段は、特定情報としての図形データをキーとして参照の対象となる作業手順データを検索する際には、当該作図者が設定した名称を比較して検索を行うことが好ましい。
【0012】また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、設計支援方法であって、IDにより識別される、少なくとも一つの作業手順データ部分からなる一連の作業手順データと、各作業手順データ部分に基づいて形成される図形要素データとからなる設計ファイル、を管理する工程と、基準となる設計ファイルから他の設計ファイルに含まれる図形要素データへの参照を設定する際に、当該参照される図形要素データに対応する作業手順データ部分を特定情報として、当該作業手順データ部分を識別するIDにより、前記基準となる設計ファイルに関連づけて記録する工程と、当該基準となる設計ファイルにおける参照を更新する際に、対応する各作業手順データ部分を検索するために、前記特定情報に記録されるIDをキーとして、他の設計ファイル内の対応作業手順データ部分を検索する第1検索工程と、前記第1検索工程により対応する作業手順データ部分が検索されなかったときに、特定情報の作業手順データ部分、または図形要素データと、他の設計ファイルの内容との比較を行い、当該比較の結果に基づき、対応する作業手順データ部分を検索する第2検索工程と、を含むことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る設計支援システムは、図1に示すように、CPU11と、記憶部12と、ハードディスク13と、表示制御部14と、入力操作部15と、リムーバブルドライブ16とから基本的に構成されている。このCPU11が、設計ファイルを管理する手段と、IDを基準となる設計ファイル内に記録する手段と、特定情報を記録する手段と、第1検索手段と、第2検索手段とに相当する。
【0014】CPU11は、入力操作部15から入力される作図指示に基づき、その作図指示が行われたときの作業面(作業視点)と、入力される作図指示を順番に作業手順データとして記録する。また、CPU11は、それとともに、当該作図指示により作図される図形要素データを作成し、作業手順データと、この図形要素データとを関連づけて設計ファイルのファイルとして記憶部12に記録する。この作業手順データは具体的には図2に示すようなものとなる。すなわち、図形作成時には、各図形要素データに対応する作業手順データ部分ごとに要素IDが割り当てられ、作業面の変更などの作業環境の指定に関する指示なども同様に記録されている。さらに、この作業手順データには、設計者が各図形要素データにより生成されるべき図形に名称を付した場合(例えば「円柱1」等の名称を付した場合)には、当該名称を図形要素データに含めて記録する。
【0015】CPU11はまた、作図指示の一部として、ハードディスク13に格納された別の設計ファイルに含まれる図形要素データを参照する指示を受けると、この参照の指示を作業手順データとして取り込むとともに、当該参照される図形要素データを特定情報として記録する。このとき、CPU11は、参照の対象となる図形要素データの要素IDに加えて、設計者が付した名称、当該図形要素データそのもの、または図形要素データに対応する作業手順データの少なくともいずれかをこの特定情報に含めることも好ましい。尚、特定情報は、ハードディスク13に基準となる設計ファイル(基準となる設計ファイル、以下「基準設計ファイル」と称する)とは別のファイルとして記録することが好ましい。これは、特定情報内に含まれる全ての図形要素データが参照されるとは限らないからである。つまり、特定情報内に複数の図形要素データが含まれ、これらの各図形要素データを作成するための作業手順データ部分が含まれているときに、全ての作業手順データ部分が基準設計ファイル内で利用されるとは限らないため、別ファイルとして記録する方が効率がよいのである。しかし、このような効率に配慮する必要がない場合や全ての作業手順データ部分が参照されているような場合には、特定情報を基準設計ファイルに含めて記録してもよい。
【0016】さらにこのCPU11は、この参照指示を含む基準設計ファイルを更新する指示の入力を受けると、当該基準設計ファイルに含まれる作業手順データを再処理して各図形要素データを再現し、全体的な図形データを再構成する。ここで作業手順データ中で他の設計ファイルに含まれている作業手順データを参照しているときに、当該参照されている作業手順データに基づく作図の再実行を指示するコマンド(置換コマンド)が入力されると、当該作業手順データを検索する処理を行い、検索した作図指示に従って、図形要素データを再現して、図形データを作り直す。
【0017】このCPU11の図形要素データの検索処理において、まず、特定情報内の作業手順データ部分のうち、基準設計データで参照されているものの要素IDを特定する。そして、この特定した要素IDをキーとして、新たに参照の対象となった他の設計ファイルから対応する作業手順データ部分を検索する。これにより検索処理の対象を絞って、効率を高めるためである。ここで、他の設計ファイルで対応する要素IDが変更または失われていた場合には、特定情報に基づいて参照の対象となる作業手順データを検索する。すなわちCPU11は、置換コマンドの入力を受けると、まずその参照の対象となっている要素IDにより対応する作業手順データを検索し、要素IDによって作業手順データが検索できないときには、図3に示す処理を開始して、まず設計者が付した名称が一致している図形要素データがあるか否かを検索する(S1)。ここで、名称の一致する図形要素データがなければ(Noならば)、記録されている図形要素データそのものまたは作業手順データに対応するものがあるか否かを検索する(S2)。この処理S2においては、例えば作業手順データに含まれるコマンド(「円柱作成」等のプリミティブを指定するコマンドや、「フィレット」、「ブーリアン演算」等の指示コマンド等)と、そのパラメータ(座標や、「差分」、「積」などの演算指示等)とを比較し、または図形要素データ(その形状データや位置、座標など)そのものを比較して、一致しているものを検索することになる。
【0018】CPU11は、この処理S2において、一致するものがなければ(Noならば)、記録されている図形要素データそのものまたは作業手順データの類似度を調べ、類似度が高いものを検索する(S3)。ここで類似度とは、例えば作業手順データのパラメータの差や、図形要素データの位置の差や座標の差等をいい、このような差により類似度を定義した場合には、その差が最も小さいものを類似度が高いものとして検索することになる。なお、処理S3においては、事前に設定したしきい値よりも類似度が低い場合に(例えばパラメータの差が所定のしきい値より小さい場合に)のみ、類似するものが検索されたとして取り扱うことも好適である。
【0019】そして処理S3において、類似度が高いものが検索されなかったときには(Noならば)、そのまま処理を終了する。なお、ここでCPU11は、置換対象が見つからなかったことを表すメッセージを表示制御部14に対して表示することも好適である。
【0020】一方、処理S1、処理S2、または処理S3において一致するものまたは類似度の高いものが検索された場合には(それぞれYesの場合には)、当該検索された作業手順データを新たに特定情報として記録して、これに基づいて図形要素データを形成し、全体的な図形データを作り直す(S4)。そして、CPU11は、検索の処理を終了する。
【0021】記憶部12は、このCPU11のワークメモリとして動作している。ハードディスク13は、CPU11からの指示に基づき、設計ファイルをファイルとして記憶・管理するとともに、設計ファイルを読み出して、CPU11に出力する。また、このハードディスク13は、CPU11によって実行されるプログラムを蓄積している。表示制御部14は、ディスプレイ等であり、CPU11からの指示に基づいて図形データや、作業指示データの表示を行う。入力操作部15は、キーボードやマウス等であり、CPU11は、これらから指示の入力を受けるようになっている。リムーバブルドライブ16は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体からプログラムを読み出す。この場合にCPU11は、この読み出されたプログラムを、ハードディスク13にインストールする処理を行うことになる。
【0022】尚、ここまでの説明においては処理S2または処理S3において比較されるデータは、図形要素をなすデータとして説明したが、このようなデータには、例えば図形要素を作図する際に事前に準備する補助線の作図指示等、その前後のデータを含めて比較する。さらに、例えば円柱であれば、円柱作成コマンドと、半径、長さのパラメータを指定するほかにも、例えば円柱作成コマンドに対し、円と、当該円の押し出しの指示というように、複数の作成の方式(入力パターン)があるので、この入力パターンが一致するか否かも処理S2または処理S3での比較の基準となる。
【0023】次に、本実施の形態の設計支援システムの動作について説明する。まず、円柱の設計ファイル(図4(A))と、これを参照して、円柱と立方体とからなる図形を表す基準設計ファイル(図4(B))とがハードディスク13に格納されているとして説明する。円柱の設計ファイルには、要素ID=1として、「円作成」コマンドと、そのパラメータとしての半径が指定された後、さらに「平行移動体作成」コマンドと、そのパラメータとしての移動長さの指定がなされ、これらが作業指示データとして含まれるとともに、これにより作成される図形要素のデータ(円柱形状)が対応付けられている。ここで、図形要素データは、ソリッドモデルであり、広く知られた境界表現等で表現されるデータであるが、図4においては便宜上、その形状をそのまま記載している。また、ここでは特定情報が基準設計ファイル内に記録される場合について例示する。
【0024】また、この円柱の設計ファイルを参照して円柱及び立方体からなる図形を表す設計ファイルには、要素ID=1の図形要素を参照する参照コマンドと、その参照の対象となっている作業指示データからなる特定情報と、要素ID=nとして立方体を作成するコマンドと、この立方体の頂点の座標と長さ等のパラメータとが作業指示データとして含まれている。そして、これにより形成される図形要素データが関連づけられている。尚、図4(B)では参照により取り込まれた円柱の図形要素データとこの立方体の図形要素データとが組み合わされた図形データが作業指示データとともに格納されている状態が図示されている。
【0025】ここで、図4(A)のファイルを他のファイルフォーマットに変換して作業する等の操作により、作業指示データに含まれている要素IDが変動したり、あるいは失われたりすることがある。例えば他のファイルフォーマットにて「円作成」コマンドを「四角形作成」コマンドに変更し、これによって、もとの円柱形状を「四角形作成」及び「平行移動体作成」による直方体形状に変更したとする。この場合には図4(A)の設計ファイルが、例えば図4(C)の設計ファイルのように、要素IDが失われて、作業指示データとして「四角形作成」及び「平行移動体作成」のコマンドと、それらのパラメータとが含まれ、直方体形状の図形要素データが関連づけられた状態となる。尚、円作成における半径のパラメータと、四角形作成における辺の長さのパラメータとは同じ値のままであるとし、かつ平行移動体作成コマンドに対する長さのパラメータには、変更がないものとする。
【0026】この状態で設計者が図4(B)の基準設計ファイルを処理している際に置換コマンドを実行すると、CPU11は、要素ID=1に対応する図形要素データを取り込もうとするが、要素IDが失われているので、図3に示した参照の対象を検索する処理を開始する。CPU11は、まず設計者が付した名称があるか否かを調べる。ここでは、作業指示データに名称の設定作業がないため、図形要素に付した名称がない。そこでCPU11は、作業指示データまたは図形要素データそのものを参照して、一致するものがあるか否かを検索する。ここでは、作業指示が円柱から直方体に変更されているため、一致するものがない。そのためCPU11は、さらに類似度の高い作業指示データまたは図形要素データを検索する。すると、移動体作成に対するパラメータの値が一致し、ほぼ同じサイズの二次元形状作成からこれを移動して柱状体を作成する手続きからなる類似度の高い作業指示データ(図4(C)の作業指示データ)が検索され、これに基づいて図形要素データが再作成されて、全体的な図形データが作り直される。
【0027】このように、本実施の形態の設計支援システムによれば、CPU11の検索処理により参照の対象の特定を容易にすることができ、設計効率を向上させ、利便性を高めることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、IDにより識別される、少なくとも一つの作業手順データ部分からなる一連の作業手順データと、各作業手順データ部分に基づいて形成される図形要素データとからなる設計ファイル、を管理し、基準となる設計ファイルから他の設計ファイルに含まれる図形要素データへの参照を設定する際に、当該参照される図形要素データに対応する作業手順データ部分を特定情報として、当該作業手順データ部分を識別するIDにより、基準となる設計ファイルに関連づけて記録し、当該基準となる設計ファイルにおける参照を更新する際に、対応する各作業手順データ部分を検索するために、第1検索手段が特定情報に記録されるIDをキーとして、他の設計ファイル内の対応作業手順データ部分を検索し、この第1検索手段により対応する作業手順データ部分が検索されなかったときに、第2検索手段が特定情報の作業手順データ部分、または図形要素データと、他の設計ファイルの内容との比較を行い、当該比較の結果に基づき、対応する作業手順データ部分を検索する設計支援システムとしているので、参照の対象を容易に特定でき、設計効率を向上させ、利便性を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【識別番号】591030237
【氏名又は名称】日本ユニシス株式会社
【出願日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2002−108947(P2002−108947A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−299137(P2000−299137)