| 【発明の名称】 |
製品設計方法、製品設計装置および製品設計プログラムを格納する記憶媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】西川 哲人
【氏名】本脇 喜博
【氏名】米澤 敏夫
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| 【要約】 |
【課題】ユーザー満足度の高い最適な製品コンセプトを容易かつ迅速に決定して、市場競争力の高い製品を速やかに市場に提供する。
【解決手段】入力された要望情報を解析し(ステップS20)と、解析された要望情報に基づいて、記憶装置に予め記憶された、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から最も重み付けされた1つまたは複数の評価指標を選択し(ステップS40)と、選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する(ステップS50)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計方法であって、入力された要望情報を解析する解析ステップと、解析された前記要望情報に基づいて、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定ステップと、前記主要評価指標決定ステップにより選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価ステップとを含むことを特徴とする製品設計方法。 【請求項2】 対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計方法であって、ユーザーの要望が反映された要望情報に基づいて、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定ステップと、前記主要評価指標決定ステップにより選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価ステップとを含むことを特徴とする製品設計方法。 【請求項3】 前記解析ステップは、前記要望情報を、予め記憶装置に記憶された変換ルールを適用することにより、ユーザーが前記対象製品に対して所望する前記対象製品の使用状態を示す要求品質情報に変換し、前記主要評価指標決定ステップは、前記要求品質情報を用いて、前記評価指標に重み付けすることを特徴とする請求項1に記載の製品設計方法。 【請求項4】 前記解析ステップは、前記要望情報に、対象製品を使用する際の状況を示す場面情報を適用することにより、前記要求品質情報に変換することを特徴とする請求項1に記載の製品設計方法。 【請求項5】 前記主要評価指標決定ステップは、変換された前記要求品質情報と、前記評価指標との間の相関を示す配点を、前記評価指標ごとに算出することにより、前記評価指標の重み付けを行うことを特徴とする請求項3または4に記載の製品設計方法。 【請求項6】 上記製品設計方法は、さらに、前記要求品質情報と、前記評価情報とがなすマトリックステーブルを表示させるとともに、前記マトリックステーブルに対するユーザーの配点入力を待ち受ける配点入力ステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の製品設計方法。 【請求項7】 上記製品設計方法は、さらに、前記要望情報をユーザーに入力させる要望情報入力ステップを含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の製品設計方法。 【請求項8】 前記要望情報入力ステップは、前記製品またはこれを搭載する製品に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促すステップと、前記要望情報入出力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信するステップとを含むことを特徴とする請求項7に記載の製品設計方法。 【請求項9】 前記要望情報入力ステップは、さらに、前記要望情報を入力したユーザーを識別する識別情報を、前記要望情報と対応づけて記憶するステップと、前記識別情報に基づいて、製品化された前記要望情報の入力元ユーザーに対して、ユーザーにフィードバックすべきスコアを加算するステップとを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の製品設計方法。 【請求項10】 上記製品設計方法は、さらに、前記解析ステップにより変換された要求品質情報に重み付けを行う重み付けステップを含み、前記主要評価指標決定ステップは、重み付けされた前記要求品質情報を用いて、前記評価指標に重み付けすることを特徴とする請求項3ないし9のいずれか記載の製品設計方法。 【請求項11】 前記重み付けステップは、変換された前記要求品質情報に対してなされたユーザー入力された投票をカウントすることにより、重み付けを行うことを特徴とする請求項10に記載の製品設計方法。 【請求項12】 前記評価指標は、定量的に測定可能かつ製品提供者側が制御可能な指標であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか記載の製品設計方法。 【請求項13】 上記製品設計方法は、さらに、前記製品コンセプト評価ステップにより決定された製品の設計コンセプトに関連する設計コンセプト群から、各製品設計コンセプトを採用した場合の前記評価指標のスコアの増減を算出することにより、最も合計スコアの高い製品設計コンセプトを選択する製品コンセプト選択ステップを含むことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか記載の製品設計方法。 【請求項14】 前記主要評価指標決定ステップは、さらに、変換された要求品質情報と、予め記憶された前記評価指標との間の相関値を、各評価指標ごとに加算した第1のスコアを算出するステップと、各評価指標ごとに、ユーザーにより入力された、製品提供者と同等製品に関する他の製品提供者とのユーザーの満足度の差を算出するステップと、算出された満足度の差を示す数値に基づいて、重み付けされた第2のスコアを算出するステップとを含むことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか記載の製品設計方法。 【請求項15】 前記製品コンセプト評価ステップは、前記主要評価指標決定ステップにより選択された評価指標の達成を阻害する阻害要因を決定するステップと、前記阻害要因を解消する手段を、過去の製品設計設計コンセプトを蓄積する設計情報データベースを参照して求めるステップと、前記阻害要因の解消手段を、対象製品の設計設計コンセプトとして保存するステップとを含むことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか記載の製品設計方法。 【請求項16】 コンピュータを用いて、対象製品に関連するユーザーの要望情報を取得する製品設計支援方法であって、前記製品またはこれを搭載する機器に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促す入力ステップと、前記要望情報入力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信する送信ステップとを含むことを特徴とする製品設計支援方法。 【請求項17】 コンピュータを用いて、対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計装置であって、入力された要望情報を解析する解析部と、解析された前記要望情報に基づいて、記憶装置に予め記憶された、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定部と、前記評価指標決定部により選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価部とを具備することを特徴とする製品設計装置。 【請求項18】 前記解析部は、前記要望情報を、予め記憶装置に記憶された変換ルールを適用することにより、ユーザーが前記製品に対して所望する前記製品の使用状態を示す要求品質情報に変換し、前記主要評価指標決定部は、前記要求品質情報を用いて、前記評価指標に重み付けすることを特徴とする請求項17に記載の製品設計装置。 【請求項19】 前記主要評価指標決定部は、変換された前記要求品質情報と、前記評価指標との間の相関を示す配点を、前記評価指標ごとに算出することにより、前記評価指標の重み付けを行うことを特徴とする請求項18に記載の製品設計装置。 【請求項20】 上記製品設計装置は、さらに、前記要求品質情報と、前記評価情報とがなすマトリックステーブルを表示させるとともに、前記マトリックステーブルに対するユーザーの配点入力を待ち受ける入出力部を含むことを特徴とする請求項19に記載の製品設計装置。 【請求項21】 上記製品設計装置は、さらに、前記要望情報をユーザーに入力させる要望情報収集部を具備することを特徴とする請求項17ないし20のいずれか記載の製品設計装置。 【請求項22】 コンピュータを用いて、対象製品に関連するユーザーの要望情報をユーザー側で取得する製品設計端末装置であって、前記製品またはこれを搭載する製品側に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促す入力部と、前記要望情報入出力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信する送信部とを含むことを特徴とする製品設計端末装置。 【請求項23】 前記製品設計端末装置は、さらに、前記要望情報を入力したユーザーを識別する識別情報を、前記要望情報と対応づけて記憶する記憶部と、前記識別情報に基づいて、製品化された前記要望情報の入力元ユーザーに対して、ユーザーにフィードバックすべきスコアを加算するスコア算出部とを具備することを特徴とする請求項22に記載の製品設計端末装置。 【請求項24】 対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計処理をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記製品設計処理は、入力された要望情報を解析する解析処理と、解析された前記要望情報に基づいて、記憶装置に予め記憶された、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定処理と、前記主要評価指標決定処理により選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価部とを含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 【請求項25】 前記解析処理は、前記要望情報を、予め記憶装置に記憶された変換ルールを適用することにより、ユーザーが前記製品に対して所望する前記製品の使用状態を示す要求品質情報に変換し、前記主要評価指標決定処理は、前記要求品質情報を用いて、前記評価指標に重み付けすることを特徴とする請求項24に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 【請求項26】 前記主要評価指標決定処理は、変換された前記要求品質情報と、前記評価指標との間の相関を示す配点を、前記評価指標ごとに算出することにより、前記評価指標の重み付けを行うことを特徴とする請求項25に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 【請求項27】 上記製品設計処理は、さらに、前記要求品質情報と、前記評価情報とがなすマトリックステーブルを表示させるとともに、前記マトリックステーブルに対するユーザーの配点入力を待ち受ける配点入力処理を含むことを特徴とする請求項26に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 【請求項28】 上記製品設計処理は、さらに、前記要望情報をユーザーに入力させる要望情報入力処理を含むことを特徴とする請求項24ないし27のいずれか記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 【請求項29】 対象製品に関連するユーザーの要望情報をユーザー側で取得する製品設計端末処理をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記対象製品またはこれを搭載する製品側に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促す入力処理と、前記要望情報入出力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信する送信処理とを含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 【請求項30】 前記製品設計端末処理は、さらに、前記要望情報を入力したユーザーを識別する識別情報を、前記要望情報と対応づけて記憶する記憶処理と、前記識別情報に基づいて、製品化された前記要望情報の入力元ユーザーに対して、ユーザーにフィードバックすべきスコアを加算する加算処理とを含むことを特徴とする請求項29に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、製品設計方法、製品設計装置および製品設計プログラムを格納する記憶媒体に関する。特に、ユーザーの製品に対する多様な要望に基づいて、新たな製品の設計仕様を決定する製品企画および設計段階において、ユーザーの声に内包される対象製品に対する真の要望を適切に反映した、顧客満足度の高いすなわち市場競争力の高い製品設計コンセプトの製品またはサービスを迅速かつ容易に企画・開発し、速やかに市場に提供するための技術に関する。 【0002】 【従来の技術】新たな製品設計コンセプトを具現化する製品やサービスの企画・開発においては、一般に顧客あるいはエンドユーザー(以下、両者を併せて単に「ユーザー」と称する)から、インタビューやアンケートなどの形式により、生の声(Voice Of Customer:VOC)として製品に対する要望が聴取される。従来の製品設計においては、これらユーザーから聴取した要望であるVOCの内容をそのまま製品の設計コンセプト、設計仕様として実現した製品を開発し、他社に先んじて如何に早く市場に提供できるかが命題であった。VOCで述べられた内容の中で実現できない点は、顧客と交渉を行って調整する必要があるが、この点は当然他社と比較されることとなり、劣る部分は価格やサポートなどの面で補うしかない。ユーザーが満足する製品を速やかに市場に提供するために、聴取したVOCを実現するための設計・開発での努力は傾けるものの、実際にはユーザーがVOCで言及した性能に達することができない場合も少なくない。このため、製品販売の時期を逸してしまうことも多く、ヒット商品が生み出せない。 【0003】ここにおいて実現に向けて努力が傾注される製品の設計仕様は、ユーザーがVOCとして述べたとおりを内容とする。すなわち、ユーザーの声をそのまま製品の設計仕様に取込まなければ市場に提供する製品はユーザーに採用されず、ビジネスチャンスを逃すとされていた。このため、たとえ製品設計・開発のリスクが大きくても、競業他社に先んじるためには、ユーザーから聴取されたVOC自体を製品設計の拘束条件として製品設計を行い、この製品を実現するための技術にチャレンジをしていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の製品設計には、以下の解決すべき問題点があった。 【0005】従来製品の設計仕様にそのまま取り入れられるべきとされていたユーザーのVOCは、(1)特に部品の提供先のメーカー担当者や現行製品のヘビーユーザーなどの場合には、例えば「RISCの性能は200MHz以上欲しい」など具体的なインプリメントを想定して特定の数値で希望を述べるコメントや、「浮動小数点演算機能とPCI(Peripheral Component Interconnect)インターフェース機能が欲しい」などの現行製品の仕様に拘束されたコメントが多い。このため、これらVOCから得られる新たな製品の設計コンセプトは、現行製品の延長線上の製品コンセプトにとどまるものであって、固定的なインプリメンテーションの製品コンセプト、すなわち現行製品の仕様の枠内の製品コンセプトしか得ることができなかった。 【0006】あるいは、(2)特にエンドユーザーの場合には、例えば「きれいな印字がよい」など、将来の理想を述べる極めて抽象的なレベルのVOCに終始するコメントが多く、これら抽象的なVOCを、特定の製品仕様に結びつく製品の設計コンセプトのレベルに効率よく取り込むことができなかった。 【0007】さらに、上述したように、ユーザーに出向き、あるいはユーザーを招いてインタビューやアンケートなどの形式でVOCを聴取すると、ユーザーは回答の際に構えてしまい、製品に対する真の要望をうまく引き出すことができなかった。 【0008】このように、従来の製品企画においては、聴取したユーザーのVOCの内容そのままでは、適切に製品コンセプトが得られず、さらに、これらVOCの内容をそのまま製品コンセプトに反映してもユーザーが真に満足する仕様の製品を得ることは非常に困難であった。したがって、新製品の企画、開発に係るコストは上昇し、さらには市場競争力を持つヒット製品を迅速に市場に提供することが非常に困難であった。 【0009】本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、(1)ユーザーの対象製品に対する要望を正確に取り込み、これら要望を適切に反映した、ユーザー満足度の高い最適な製品コンセプトを、容易かつ迅速に決定することのできる新製品の製品設計方法、製品設計装置および製品設計プログラムを格納する記憶媒体を提供することにある。 【0010】また、本発明の他の目的は、(2)ユーザーの対象製品に対する要望をVOCとして取得する際に、ユーザーの対象製品の使用に際しての率直な意見、感想をVOCとして収集する点にある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明においては、多数の製品コンセプト群中の各製品コンセプトをユーザーの要望の達成度を尺度として定量的に評価するための評価指標を導入し、この評価指標のうちユーザーからの評価により重み付けされた評価指標を用いて製品コンセプトを決定する。すなわち、この重み付けされた評価指標(以下、主要評価指標と称する)を最大化する、あるいは最小化する製品の設計コンセプトを、ユーザーに最も受容度の高いベストな製品設計コンセプトとして選択し、当該製品コンセプトによる製品仕様の製品を設計、開発する点を特徴とする。これにより、多数の製品仕様のパターンのうち、ユーザーの声を正確に取り込み、最初からポイント(範囲)を絞り込んで製品の設計コンセプトが選択できるとともに、現行製品の仕様に拘束されない、自由度の高い製品コンセプトが迅速かつ容易に得られる。 【0012】本発明のある特徴によれば、対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計方法であって、入力された要望情報を解析する解析ステップと、解析された前記要望情報に基づいて、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定ステップと、前記主要評価指標決定ステップにより選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価ステップとを含むことを特徴とする製品設計方法が提供される。 【0013】本発明の他の特徴によれば、対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計方法であって、ユーザーの要望が反映された要望情報に基づいて、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定ステップと、前記主要評価指標決定ステップにより選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価ステップとを含むことを特徴とする製品設計方法が提供される。 【0014】本発明の他の特徴によれば、前記解析ステップは、前記要望情報を、予め記憶装置に記憶された変換ルールを適用することにより、ユーザーが前記対象製品に対して所望する前記対象製品の使用状態を示す要求品質情報に変換し、前記主要評価指標決定ステップは、前記要求品質情報を用いて、前記評価指標に重み付けする。 【0015】本発明の他の特徴によれば、前記解析ステップは、前記要望情報に、対象製品を使用する際の状況を示す場面情報を適用することにより、前記要求品質情報に変換する。 【0016】本発明の他の特徴によれば、前記主要評価指標決定ステップは、変換された前記要求品質情報と、前記評価指標との間の相関を示す配点を、前記評価指標ごとに算出することにより、前記評価指標の重み付けを行う。 【0017】本発明の他の特徴によれば、上記製品設計方法は、さらに、前記要求品質情報と、前記評価情報とがなすマトリックステーブルを表示させるとともに、前記マトリックステーブルに対するユーザーの配点入力を待ち受ける配点入力ステップを含む。 【0018】本発明の他の特徴によれば、上記製品設計方法は、さらに、前記要望情報をユーザーに入力させる要望情報入力ステップを含む。 【0019】本発明の他の特徴によれば、前記要望情報入力ステップは、前記製品またはこれを搭載する製品に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促すステップと、前記要望情報入出力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信するステップとを含む。 【0020】本発明の他の特徴によれば、前記要望情報入力ステップは、さらに、前記要望情報を入力したユーザーを識別する識別情報を、前記要望情報と対応づけて記憶するステップと、前記識別情報に基づいて、製品化された前記要望情報の入力元ユーザーに対して、ユーザーにフィードバックすべきスコアを加算するステップとを含む。 【0021】本発明の他の特徴によれば、上記製品設計方法は、さらに、前記解析ステップにより変換された要求品質情報に重み付けを行う重み付けステップを含み、前記主要評価指標決定ステップは、重み付けされた前記要求品質情報を用いて、前記評価指標に重み付けする。 【0022】本発明の他の特徴によれば、前記重み付けステップは、変換された前記要求品質情報に対してなされたユーザー入力された投票をカウントすることにより、重み付けを行う。 【0023】本発明の他の特徴によれば、前記評価指標は、定量的に測定可能かつ製品提供者側が制御可能な指標である。 【0024】本発明の他の特徴によれば、上記製品設計方法は、さらに、前記製品コンセプト評価ステップにより決定された製品の設計コンセプトに関連する設計コンセプト群から、各製品設計コンセプトを採用した場合の前記評価指標のスコアの増減を算出することにより、最も合計スコアの高い製品設計コンセプトを選択する製品コンセプト選択ステップを含む。 【0025】本発明の他の特徴によれば、前記主要評価指標決定ステップは、さらに、変換された要求品質情報と、予め記憶された前記評価指標との間の相関値を、各評価指標ごとに加算した第1のスコアを算出するステップと、各評価指標ごとに、ユーザーにより入力された、製品提供者と同等製品に関する他の製品提供者とのユーザーの満足度の差を算出するステップと、算出された満足度の差を示す数値に基づいて、重み付けされた第2のスコアを算出するステップとを含む。 【0026】本発明の他の特徴によれば、前記製品コンセプト評価ステップは、前記主要評価指標決定ステップにより選択された評価指標の達成を阻害する阻害要因を決定するステップと、前記阻害要因を解消する手段を、過去の製品設計設計コンセプトを蓄積する設計情報データベースを参照して求めるステップと、前記阻害要因の解消手段を、対象製品の設計設計コンセプトとして保存するステップとを含む。 【0027】本発明の他の特徴によれば、コンピュータを用いて、対象製品に関連するユーザーの要望情報を取得する製品設計支援方法であって、前記製品またはこれを搭載する機器に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促す入力ステップと、前記要望情報入力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信する送信ステップとを含むことを特徴とする製品設計支援方法が提供される。 【0028】本発明の他の特徴によれば、コンピュータを用いて、対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計装置であって、入力された要望情報を解析する解析部と、解析された前記要望情報に基づいて、記憶装置に予め記憶された、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定部と、前記評価指標決定部により選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価部とを具備することを特徴とする製品設計装置が提供される。 【0029】本発明の他の特徴によれば、コンピュータを用いて、対象製品に関連するユーザーの要望情報をユーザー側で取得する製品設計端末装置であって、前記製品またはこれを搭載する製品側に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促す入力部と、前記要望情報入出力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信する送信部とを含むことを特徴とする製品設計端末装置が提供される。 【0030】本発明の他の特徴によれば、対象製品に関連するユーザーの要望情報から、前記対象製品に対して所望される製品の設計コンセプトを導出する製品設計処理をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記製品設計処理は、入力された要望情報を解析する解析処理と、解析された前記要望情報に基づいて、記憶装置に予め記憶された、前記要望情報に内包されるユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定する尺度である評価指標に対して重み付けし、重み付けされた複数の評価指標から主要とされる評価指標を選択する主要評価指標決定処理と、前記主要評価指標決定処理により選択された評価指標を最大化または最小化する1つまたは複数の製品の設計コンセプトを決定する製品コンセプト評価部とを含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。 【0031】本発明の他の特徴によれば、対象製品に関連するユーザーの要望情報をユーザー側で取得する製品設計端末処理をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記対象製品またはこれを搭載する製品側に設けられた要望情報入出力部を介して、ユーザーに前記製品に関する前記要望情報の入力を促す入力処理と、前記要望情報入出力部を介してユーザーから入力された前記要望情報をサーバーに送信する送信処理とを含むことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。 【0032】 【発明の実施の形態】第1の実施形態以下、図1乃至図11を参照して、本発明の実施形態に係る製品設計方法、製品設計装置および製品設計プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を詳細に説明する。 【0033】第1の実施形態は、ユーザーの対象製品に対する要望を内容とするVOCを分析し、顧客が対象製品により得られる潜在的利益と感じるところの真の要望を抽出し、この真の要望に対してユーザーに重み付けさせ、さらにこの重み付けされた真の要望と相関の高い評価指標(主要評価指標)を用いて製品コンセプトを決定する機能を提供する。 【0034】図1は、本発明の第1の実施形態に係る製品設計装置の機能構成を示すブロック図である。 【0035】尚、本明細書において、製品とは、有体物である製品とともに、無体であるサービスをも含む概念である。 【0036】図1に示すように、第1の実施形態に係る製品設計装置100は、VOC収集部10と、ユーザー情報データベース10aと、VOCデータベース10bと、要求品質生成部20と、要求品質生成ルール20aと、要求品質データベース20bと、主要評価指標決定部30と、評価指標データベース30bと、製品コンセプト評価部40と、設計情報データベース40bと、入出力部50とを具備する。 【0037】VOC収集部10は、ユーザーからの対象製品に対する要望を記述する(生の声を記述する)VOCを収集して要求品質生成部20に受け渡すとともに、VOCデータベース10bに蓄積し、さらにVOC収集の際にVOCを入力したユーザーの識別情報や対象製品を使用する状況を示す場面情報などを、ユーザー属性情報としてユーザー情報データベース10aに保存する。尚、このVOCはユーザーの発話を音声情報として保存するか、あるいは発話内容を記述した言語情報として保存した情報である。 【0038】要求品質生成部20は、VOC収集部10から受け渡されたVOCを、要求品質生成ルール20aを適用することにより、要求品質に変換して要求品質データベース20bに保存する。この要求品質とは、単なる数値目標を述べたものや所望する機能を述べたものなど、多様な抽象度で記述されるユーザーのVOCから、後述する所定のルールである要求品質生成ルール20aを適用することにより、ユーザーが対象製品に対して所望する製品の使用状態を示す情報であって、真に利益と認識する要望に関する情報である。例えば、レーザービームプリンターを対象製品とする場合には、上記のVOC「RISCの性能は200MHz以上欲しい」、「浮動小数点演算機能とPCIインターフェース機能が欲しい」は、要求品質「高速にフォント(字体)が描画できる」に変換される。 【0039】主要評価指標決定部30は、予め対象製品、あるいは対象製品群ごとに評価指標データベース30bに記憶された評価指標群のそれぞれと、要求品質生成部20により生成された要求品質との相関に基づく配点を算出して各評価指標に重み付けをし、対象製品においてユーザーが最も製品評価の尺度として重視する評価指標を決定する。ここにおける評価指標は、ユーザーの対象製品に対する潜在的利益の達成度を定量的に測定可能な尺度であって、数値により定量的に評価可能な指標であることが望ましい。例えば、レーザービームプリンターの場合は、秒あたりのフォントのドット描画速度を示す「Dot/Sec」が主要評価指標の一例となる。尚、評価指標のそれぞれと相関を配点されるべき要求品質は、あらかじめユーザーにアンケート等により評価させることにより重み付けしてからスコア算出に用いられてもよい。 【0040】製品コンセプト評価部40は、設計情報データベース40bに記憶されている過去の設計情報(製品コンセプト群およびこれに対応する製品設計仕様群)を参照して、主要評価指標決定部30により決定された主要評価指標を最大化、あるいは最小化する製品コンセプトを選択する。 【0041】入出力部50は、各種の入出力デバイスを介して、例えば、要求品質群と評価指標群との間の相関を評価する際に、設計者に対して入力画面を提供し、入力された情報を主要評価指標決定部30に受け渡す。他方、図5の入出力部50bあるいは50cは、ユーザーのVOCの入力を促し、入力されたVOCを製品設計装置100に送信するとともに、必要に応じてユーザーの評価点を製品設計装置100に入力する。 【0042】次に、本発明の第1の実施形態に係る製品設計方法の処理手順について説明する。 【0043】図2は、本発明の第1の実施形態に係る製品設計方法の概略の処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 【0044】まず、VOC収集部10において、VOC収集に最も適したユーザーは誰であるかが決定され、顧客あるいはエンドユーザーなどの決定された範囲のユーザーからVOCを収集する(ステップS10)。 【0045】要求品質生成部20において、この収集されたVOCを分析し、VOCに内包されるユーザーの真の要求は何か、最終的にユーザーが対象製品で利益と感じるものは何か、をユーザーの要望が反映された要望情報、すなわち要求品質として抽出する(ステップS20)。 【0046】要求品質生成部20あるいは主要評価指標決定部30において、複数の、例えば10〜15項目程度の要求品質がVOCから抽出できた後に、これら要求品質を例えば入出力部50を介してのアンケート手法により、どの要求品質の重要度が高く、どの要求品質の重要度が低いのかについて、ユーザーに重要度のランク付けを入力させる(ステップS30)。 【0047】主要評価指標決定部30において、製品コンセプトを定量的に測定するための尺度である評価指標を評価し、ステップS30で重み付けされた要求品質との相関(関連)の強さから、どの評価指標が対象製品において重要であるかを、例えばQFD(Quality Function Deployment)手法を応用したマトリックステーブルなどを用いて評価する。ここで重要だとされた評価指標が主要評価指標とされる(ステップS40)。 【0048】第1の実施形態における製品設計のコンセプト決定では、この主要評価指標を如何に追求(すなわち最大化あるいは最小化)するかがポイントとなる。製品コンセプト評価部40においてVOCおよび要求品質を反映した主要評価指標で測定されるべき、複数の製品コンセプトを生成し、これら複数の製品コンセプトを主要評価指標により評価する(ステップS50)。ここで生成された製品コンセプトは、例えば価格、技術水準、開発期間その他の要素により分析され、製品化される設計仕様が決定される(ステップS60)。 【0049】具体的な設計は、ここで選択された製品コンセプトに基づいて進められる。上記ステップS10〜S60のプロセスにより製品設計、開発をすることにより、必ずしもユーザーの述べたVOCのとおりの製品設計仕様でなくとも、ユーザーのVOCに内包されるユーザーの真の要望を反映した、より少ないコストで自由度の高い、かつユーザーの満足度の高い製品コンセプトが、主要評価指標を用いた定量的評価により生成できる。 【0050】図3は、VOC収集部10が行うVOC収集処理の詳細処理手順を示すフローチャートである。 【0051】図3に示すように、VOC収集ステップS10では、まず、VOCのエントリーポイントをユーザー側に出力する(ステップS101)。このエントリーポイントとは、対象製品に設けられた、ユーザーのVOCを収集する入力手段である。仕様決定までのプロセスにおけるポイントは、如何にユーザーの対象製品に対する真の要望をVOCとして収集できるか、効果的なアンケート調査ができるかという点にある。第1の実施形態においては、ユーザーが対象製品あるいは部品である対象製品を搭載した機器製品を使用する際に、すなわち当該製品商品に対する意見を持ったときにこの意見をVOCとして取り込めるエントリーポイントを提供する。 【0052】具体的には、VOCを取り込む入り口(すなわち、エントリーポイント)をユーザーの側にある対象製品あるいは対象製品を搭載する機器上に設け、ユーザーがその製品を使っているときに持った意見を直ぐその場で、対象製品あるいは近接する機器のエントリーポイントからユーザー自身に入力させる(ステップS103)。 【0053】例えば、ユーザーが家電製品に用いられる半導体部品を使って製品を開発している顧客(例えば供給される部品を組み込んだ家電製品を提供するメーカの開発担当者)であれば、通常パーソナルコンピュータを使って設計を進めている。このため、半導体部品を使った場面では設計用のパーソナルコンピュータが手元にあるため、半導体部品メーカが提供するホームページに直ぐアクセスできる。この場合には、図5の50bに示すように、メーカホームページにVOCの入り口を設け、開発段階で生じる半導体部品への要求を思ったときにその場で入力できるようにする。 【0054】あるいは対象製品が最終製品の場合、インターネットアクセス機能を持つ電化製品や携帯情報端末機器であれば、図5の50cに示すように、これら電化製品、例えばテレビや電話などにVOCの入り口を設け、これら電化製品を使っているときに感じたコメントをその場で入力できるようにしてもよい。 【0055】これら入力されたVOCは、対象製品中の送信機能を用いて製品提供者などの保有するサーバー側に送信され、VOCデータベース10bに蓄積される。 【0056】同時に、VOCを登録したユーザーを一意に識別するための情報やユーザーのカテゴリー(例えば、年齢層、家族構成など)を示す情報(以下、「ユーザー識別情報」と称する)や、入力されたVOCに対応する製品の種別や製品を使用している場面を示す情報(以下、「場面情報」と称する)をユーザー自身の入力あるいは事前登録された情報から収集する(ステップS105)。これら収集されたユーザー識別情報および場面情報などは、製品提供者などの保有するサーバー側に送信され、ユーザー情報データベース10aに保存される。この保存されたユーザー識別情報や場面情報は、VOCデータベース10bに蓄積されるVOCと対応づけられて記憶される。 【0057】他方、メーカー側では、VOC入力を実行したユーザーのユーザー識別情報を上記のように登録しておき、後に、当該VOCを使って製品がリリースされた場合に、あるいはリリースされた製品をそのユーザーが採用してくれたときには、何らかの利益を還元することで、VOCの入力に動機づけを与えるとともに製品の拡販を促進することができる。この利益還元を行うための情報として、これら収集されたVOCに開示されたユーザーの製品に対する要望に基づいて、これら要望を採用して製品が製品化され、市場に提供された場合には、製品化に結びついたVOCを入力したユーザーのユーザー識別情報中にその関連に応じたスコアを加算してもよい(ステップS107)。また、リリースされた製品をこのユーザーが採用した場合には、これらのスコアにさらにスコアを加算してもよい。 【0058】このユーザーごとに加算されたスコアに応じて、ユーザーに例えば製品化された製品を無償あるいは割引価格で提供するなど、特別なメリットを付与してもよい。これらメリットを付与することにより、客のVOCインプットの動機付けを与えるとともに、当該ユーザーにVOCが反映されたことを認知させることができる。 【0059】尚、図3において説明したユーザーのVOC収集手法は、後述する、各要求品質について、ユーザーがどのような重要度を認識しているか、また、各社製品に対してそれぞれどの程度の満足度を持っているか、製品コンセプト決定部40で決定された製品コンセプト群に対してユーザーにどの程度の受容度があるか、などに関するアンケート調査にも、容易に適用することができる。 【0060】思ったその場で製品を使用しているユーザーにVOC等を入力させることができるため、従来のインタビューやアンケート回答など特別な場での回答よりも真のVOCに近い回答を得ることができる。 【0061】また、例えば部品供給メーカは、通常エンドユーザーからVOCを収集することをせず、顧客であるセット品メーカ(最終製品メーカ)からVOCを聴取するが、上記の手法によれば、エンドユーザーを含めた幅広いユーザーのVOCをリアルタイムで収集することができる。 【0062】図4は、要求品質生成部20が行う要求品質生成処理の詳細処理手順を示すフローチャートである。 【0063】VOCデータベース10bに蓄積されたVOCは、要求品質生成部20に入力される(ステップS201)。すでに、VOCには、上記の製品を使用する際の場面情報がユーザー属性情報の一部として対応づけられているが、このときこの場面情報をVOCに対応づけてもよい(ステップS203)。 【0064】次に、要求品質生成ルール20aをVOCに適用してこれを変換する(ステップS205)。上記のように、多くの場合、VOCは対象製品の現状の仕様に拘束されているため、ユーザーが対象製品に対して真に利益とするものは何なのか、をVOCの表現そのままでは十分に把握できないことが多い。このため、このVOCに要求品質生成ルールを適用することにより、最終的にユーザーの感じる、対象製品に対して利益と感ずる項目を抽出する。 【0065】この要求品質生成ルールは、例えば以下のルールからなる。 【0066】a. 説明文ではなく、簡潔な表現で文章を記述する。 【0067】b. 1つの文章に2つ以上の要求を含まない。 【0068】c. VOCにおける各フレーズは独立であり、互いに依存しない。 【0069】d. 抽象化された表現を同程度の詳細レベルで具体的に表現にする。 【0070】e. 可能な限りユーザ側の用語で真の要求を表現する。 【0071】f. 肯定的な表現で記述する。 【0072】g. 仕様や解決策ではなく、顧客にとっての効果(Benefit)を記述する。 【0073】h. 希望的表現でなく状態を表現する(例えば、「何々して欲しい」ではなく、「である」等と表現)。 【0074】i. 対象を明確にする。 【0075】j. チームの理解(コンセンサス)を図る。 【0076】k. 名詞+修飾語+動詞で表現する。 【0077】尚、これらの要求品質生成ルールとして、例えば「QFD(Quality FunctionDeployment)ガイドブック 品質機能展開の原理とその応用」(大藤 正、小野道照、永井一志著、(財)日本規格協会)に記載されている要求品質ガイドラインを用いることができる。 【0078】また、このVOCから要求品質への変換処理においては、変換元であるVOCに、ステップS203で付与された場面情報を適用することで、ユーザーが実際に対象製品を使用する場面に応じて、なぜユーザーがVOCで記述された特定の機能が必要なのか、を推論する。この推論に基づき、ユーザーの真の要求である要求品質が得られる。 【0079】例えば、上記のように対象製品がレーザービームプリンタに用いるチップの場合、ユーザーが、「RISCの最大動作周波数を200MHzにして欲しい」というVOCを入力したとすると、なぜ当該ユーザーが200MHzのRISCを必要とするのかを、ユーザーがこのRISCを用いる場面(例えば書類の大量印刷)に応じて推論し、「フォントを高速に描画する」というユーザーが真に対象製品において必要とする品質(要求品質)を得る。 【0080】このようにVOCを変換して得られた要求品質は、対象製品ごとに、要求品質データベース20bに保存される(ステップS207)。 【0081】図6は、主要評価指標決定部30が行う主要評価指標決定処理の詳細処理手順を示すフローチャートである。 【0082】まず、評価指標データベース30bから、評価指標が読み込まれる(ステップS401)。ここでの評価指標とは、個々の要求品質の達成度を評価するための尺度となるものであって、客観的に計測可能な指標である。 【0083】この評価指標は、定量的な測定が可能な尺度であることが好ましい。具体的には、例えば味覚、スタイルなどの主観的評点より、五段階評価などの客観的評点が好ましく、さらに例えば平均応答時間などのように具体的数値による指標であることがより好ましい。 【0084】これら評価指標は、以下の基準に基づいて製品ごとあるいは製品群ごとに予め生成され、評価指標データベース401に格納されている。 【0085】a. 測定可能であること。 【0086】b. 製品提供側で制御可能であること。 【0087】c. どの方向への特性値の変更が顧客満足度の向上になるのかが予測かのうであること。(特性値が小さいほどよい、あるいは大きいほどよい等) d. 事前に対応可能であること。 【0088】e. 具体的解決策とは無関係であること。 【0089】f. 現実的尺度であること。 【0090】次に、読み込まれた評価指標と、要求品質生成部20により生成された要求品質との相関を示す配点を入力する(ステップS403)。この配点入力は、入出力部50を介して設計者に入力させてもよい。この相関を評価される要求品質は、ユーザーなどによる順位付けにより重み付けされていることが好ましい図2のステップS30)。この配点入力は、例えば上記「QFDガイドブック 品質機能展開の原理とその応用」などに記載されるQFD手法を実装したコンピュータ上で稼働するツールなどを用いて入出力部50を介して行うことができる。 【0091】図7は、レーザービームプリンター用のRISCチップを対象製品とする場合の、この重み付けされた各要求品質に対する各評価指標の配点入力をQFDツールで行う場合の表示画面の一例を示す図である。 【0092】図7に示すように、例えば各行に抽出された要求品質(例えば、「ソフト開発が容易である」、「高速に画像処理ができる」など)を1項目づつ記述し、さらにこれら要求品質のそれぞれに、ユーザーが評価する当該要求品質の重要度を出力する。各列には、対象製品に関する評価指標(例えば、はいパフォーマンスコア数、初期不良率、など)を記述する。それぞれの重み付けされた要求品質と評価指標とがなすマトリックスのそれぞれに、ブレーンストーミングなどの手法によりその相関についての配点を入力する。 【0093】配点入力を行った後、各評価指標についての合計スコアを算出する(ステップS405)。図7におけるスコア(素点)がこの合計スコアを示し、相対重みの数値が各評価指標の重みを示す。示された重みの数値が高い評価指標が、主要評価指標として決定される(ステップS407)。 【0094】より具体的には、上記のように、レーザービームプリンター用のRISCチップを対象製品とする場合、例えばユーザーのVOCは、「200MHzで動作する64bitRISCマイコンが欲しい」であるとすると、上記要求品質生成処理において、上記の要求品質生成ルール20aを適用し、場面情報を用いて推論することにより、要求品質「高速に画像処理ができる。」から主要評価指標「Dot/Sec」が導出されたと仮定する(図7において「Dot/Sec」のスコアは最大の107を示すことからこの「Dot/Sec」が主要評価指標となる)。「Dot/Sec」とは、RISCマイコン中の画像処理制御部がレーザエンジン部にドットの位置情報を送るスピードを示す。 【0095】ある要求品質を実現するための製品設計コンセプトは複数あるのが通常であって、この要求品質「高速にフォント描画ができる。」を高める製品コンセプトにも、いくつかの案が想定できる。例えば、(1)VOCで述べられた仕様のとおりRISCの動作周波数を200MHzに上げる、(2)動作周波数は40MHz程度の16bitRISCマイコンをコアとして使い、フォント描画処理は専用のハードウエアで行う、などの複数の製品コンセプトがある。上記の主要評価指標「Dot/Sec」をこれら複数の製品コンセプトを評価する際の尺度として用いると、任意のシミュレーションツールを用いて「Dot/Sec」を算出すると、後者の(2)の製品コンセプトの方が、チップサイズも小さくなるとともに、より高い値の「Dot/Sec」を実現できることになる。したがって、後述するようにこの主要評価指標「Dot/Sec」を最大化する製品コンセプトを採用すればよいことになる。 【0096】図8は、レーザービームプリンタのフォント描画処理に関わる機能の関連を示す図である。 【0097】レーザービームプリンタのエンドユーザが持っている要求品質の一つは、「印刷速度が速い」ことである。この要求品質を評価するための評価指標は、通常PPM(Page Per Minute)である。このため、レーザービームプリンタのメーカは、このPPMを高めた製品を開発することが目標となる。このPPMに影響を与えるブロックは、図8のレーザエンジン部701と画像処理制御部702である。 【0098】RISCチップを製造するメーカに対しては、このうち、RISCチップに係る画像処理制御部702の性能を向上させるための要求が要求品質として受け渡される。すなわち、「フォント描画処理を高速に処理できる」、「画像データを高速に処理できる」などの要求品質が与えられる。 【0099】このプリンターメーカを顧客とする場合に、図7に示すように、当該ユーザーの要求品質に最も強い正の相関を持つ主要評価指標は、上記の「Dot/Sec」となる。この「Dot/Sec」は、画像処理制御部702がレーザエンジン部701にドットの位置情報を送るスピードとなる。RISCは、画像処理制御部702で使われており、この主要評価指標「Dot/Sec」で現される性能に強く関係している。このため、この「Dot/Sec」を最大化する製品コンセプトを実現すればよいことがわかる。尚、例えば主要評価指標を「初期不良率」とする場合には、この「初期不良率」を最小化する製品コンセプトの実現が望まれる。 【0100】図9は、製品コンセプト評価部40が行う製品コンセプト評価処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。 【0101】まず、主要評価指標決定部30により決定された主要評価指標を達成するためのボトルネックとなる事項を認定する(ステップS501)。例えば、上記の主要評価指標「Dot/Sec」を向上させることを考える場合、現行製品はソフトウエアでフォント描画処理を行っているとすると、RISCの動作周波数を上げればある程度は「Dot/Sec」が上がってくる。しかし、ある程度周波数を上げていくと、今度はデータバスのスピードがボトルネックになってくる。 【0102】このボトルネックを解消する手段を抽出する(ステップS503)。例えば、データバスにおけるデータトラフィックがボトルネックとなる場合には、以下の解消手段が考え得る。 【0103】a. 動作周波数を向上させるb. データバス幅を拡張するc. データ転送速度を向上させるこれらの解決手段を達成できる製品コンセプトを生成する。 【0104】同時に、上記の主要評価指標「Dot/Sec」の達成を、現行製品のようなソフトウエアによる解決だけでなく、ソフトウエアとハードウエアの両面からとらえ、ソフトウエアとハードウエアへの比重の置き方を多様なレベルで仮定することにより、多様な複数の製品コンセプトが生成できる。 【0105】この抽出されたボトルネックを解消できる製品コンセプトを、新規設計事項として設計情報データベース40bに追加保存する(ステップS505)。この製品データベース40bに蓄積され、共用される製品コンセプトは、次からの製品コンセプト生成で参照されてもよく、また必要に応じて一部変更されて再度記憶されてもよい。 【0106】次に、生成された複数の製品コンセプトを、上記の主要評価指標「Dot/Sec」を向上させるという観点から評価する(ステップS507)。 【0107】例えば、上記のステップS505で、例えば、(1)データバス幅を拡張するという案(図10(b))と、(2)フォント処理を専用のハードウエアで作り、RISCの負担を軽くすることにより、データバスのトラフィックも下げるという案(図10(c))を評価する。実際にソフトで実行するフォント処理は、RISCのジョブの7割程度を占めており、このフォント処理を除くとRISCの負担はかなり減る。この場合、ハイエンドの200MHzの64bit RISCの代わりにローエンドの40MHzの16bit RISCで足りる。 【0108】これら二つのコンセプトの比較において、案(1)はバス幅を広げるために、チップサイズが大きくなるという欠点がある。一方、案(2)は、新たなハードウエアを取込むことと、顧客であるレーザービームプリンタメーカに対してレーザービームプリンタの設計思想を変更してもらうことが必要となるが、チップサイズは小さくなる。RISCチップを提供する部品提供メーカが、フォント処理のハードウエアの技術をすでに持っていれば、既存技術の応用により案(2)の製品コンセプトを実現することができる。 【0109】ここで採用された案(2)の製品コンセプトは、一般に知られるコストワース分析等の手法を用いて検証すると、ワースに対するコストバランスが大きく改善され、トータルのコストも下げることができるものであることがわかる。 【0110】さらに、対象製品の長期製品企画を立案する場合は、上記で生成された複数のコンセプトのうち、次期製品として採用する製品コンセプトと、次世代戦略製品(長期戦略製品)として採用する製品コンセプトとをそれぞれ決定してもよい。 【0111】第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。 【0112】製品コンセプトを評価するための定量的尺度としての主要評価指標として、最もユーザーの要求品質を満たす指標を選択する。このため、製品の設計コンセプトをこの評価指標を最大化するコンセプトとすればよく、多数の製品仕様のパターンのうち、ユーザーの声を正確に取り込み、最初からポイント(範囲)を絞り込んで製品の設計コンセプトが選択できるとともに、現行製品の仕様に拘束されない、自由度の高い製品コンセプトが迅速かつ容易に得られる。 【0113】この製品設計コンセプトは最もユーザーの要望を満たす製品設計コンセプトであるため、市場競争力の高い製品の早期かつ安価な市場への提供が実現される。 【0114】また、ユーザーの対象製品に対するVOCを、ユーザーが対象製品を使用している際に使用している場所で収集するので、対象製品に対するユーザーの真の要望をより正確かつリアルタイムに収集することが可能となる。 【0115】第2の実施形態以下、図11乃至図20を参照して、本発明の第2の実施形態に係る製品設計方法、製品設計装置および製品設計プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記憶媒体を第1の実施形態と異なる点についてのみ、詳細に説明する。尚、第2の実施形態に係る製品設計装置の構成は、図1に示す第1の実施形態の構成と同様である。以下の説明において、第1の実施形態と同様の要素は、同一の符号を付してその説明を省略する。 【0116】第2の実施形態は、第1の実施形態に係る製品設計手法において、特に市場が成熟しており、かつすでにある程度高い市場シェアを保有している対象製品の場合に、競合他社から差別化するための評価指標を求め、この差別化された評価指標を用いて差別化された製品コンセプトを求める機能を提供する。 【0117】図11は、市場が成熟しており、かつすでにある程度高い市場シェアを保有している対象製品の一例であるTV(テレビジョン)用LSIとこのLSIが組み込まれるTVシステムとの関係を示す図である。成熟市場であるため、製品価格はもともと安く、価格競争で他社に勝るには限界がある。 【0118】この対象製品の場合、部品供給メーカは、各顧客(TVメーカー)ごとに異なる仕様の製品を供給する必要があるが、これらの多くの仕様を基本となるLSIにまとめて、派生品は最小限度に押さえる必要がある。図11において波線で囲まれた2つのチップ(信号処理LSIとマイコン)を、1つのパッケージに入れた製品の製品コンセプトの決定の場合を以下に説明する。パッケージ化される2つのチップ(信号処理LSIとマイコン)は、それぞれ多数の品種を持つため、この組み合わせは膨大な数になることが理解される。このため、この対象製品においては、ユーザーのVOCを反映しつつ、いかに製品コンセプトを絞り込むかが重要な課題となる。 【0119】図12は、本発明の第2の実施形態に係る製品設計処理の手順を示すフローチャートである。 【0120】VOC収集(ステップS10)、要求品質生成(ステップS20)および要求品質に対する順位付け(ステップS30)の各処理は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。 【0121】ユーザーへのアンケート結果などを用いて重み付けされた要求品質との相関値に基づいて、予め評価指標データベース30bに記憶された評価指標から、主要評価指標を決定する(ステップS40b)。 【0122】図13は、ステップ40bにおける第2の実施形態の主要評価指標決定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 【0123】まず、評価指標データベース30bから評価指標を読み込む(ステップS401b)。この読み込まれた評価指標のそれぞれに対して、ステップS30で重み付けされた要求品質との相関を示すスコアを、入出力部50を介して表示されるQFDツールを用いたマトリックステーブルなどに入力する(ステップS403b)。このスコアを各評価指標ごとに合計して第1のスコアを算出する(ステップS405b)。次に、ユーザー側の入出力部50b、50cを介して、ユーザーに、自社と他社とに対する満足度の相対スコアを入力させ、この相対スコアを用いて自社と他社との間の差分を算出する(ステップS407b)。この差分を第1のスコアに適用して第2のスコアを算出する(ステップS409b)。この第2のスコアが最大である評価指標を主要評価指標として決定する(ステップS411b)。 【0124】図14は、上記のQFDツールを用いて入出力部50を介して出力される、主要評価指標を求める場合の出力画面の一例を示す図である。重み付けされたユーザーの要求品質と評価指標のそれぞれの相関を評価することにより各評価指標の重みが算出される。しかしながら、特に成熟製品の場合には、要求品質から単純に各評価指標への関連づけを行うと、各評価指標の重みは近似する値のものが多く算出され、製品コンセプトを定量的に評価するための主要評価指標を絞り込むことが困難となる。 【0125】図15は、第2の実施形態における主要評価指標算出の手順の例を示す図である。第2の実施形態においては、各要求品質あるいは各評価指標について、主要なメーカー各社に対するユーザーの評価を入力する。例えば、要求品質の場合、一番目の要求品質(音質)ではA社の評価は2であって、B社の評価は3である。一方、二番面の要求品質(画質)ではA社の評価とB社の評価はともに4である。この他社との比較(ベンチマーキング)結果は、第1の実施形態におけるVOC収集処理と同様の手順で入出力部50b、50cを介してユーザーに入力させてもよい。 【0126】この他社との比較を用いて、ユーザーの真の要求をどの程度満たしているかを、他社との差で評価する。具体的には、この差分を数値に置き換え、この数値を各要求品質の重み(Customer Weight)に乗じて、新たな重みとして、再度各評価指標の重みを算出する。例えば、一番目の要求品質(音質)ではA社とB社の評価の差分を加えて係数を2とするので、評価指標(S/N比)の新たな重みはこの係数を反映してより重み付けされた値(0.14)となる。この他社との評価の差を反映することにより、各評価指標の重要度に差が生ずる。一般に、ユーザーにはいくつもの選択肢(複数の他社製品)があるため、対象製品に対する要求は、絶対値ではなく競合状況により相対値となって出現しやすい。このように算出された評価指標を用いれば、ユーザーの真の要求に対して競合他社より抜きん出ている製品コンセプトを得ることが可能となる。 【0127】次に、図12に戻り、ステップS40bで決定された主要評価指標を用いて、製品コンセプトを評価する(ステップS50)。 【0128】第2の実施形態においては、この製品コンセプトの評価の際に、あるいはこれに続いて、製品コンセプトを選択する(ステップS55)。 【0129】評価指標を達成する手段である製品コンセプトには、いくつかの技術的可能性がある。特に、2つのチップを組み合わせて1つのLSIとする場合には、概略の製品設計コンセプトには多数の技術的選択肢(サブコンセプト)が生ずる。一般に、これら製品コンセプトは、ある主要評価指標は向上させる一方で、他の評価指標は低下させるという、トレードオフの関係をなすことが多い。第2の実施形態に係る製品コンセプト評価部40は、ステップS40bで決定された主要評価指標を全体的に向上させる技術的コンセプトを選択する。 【0130】図16は、第2の実施形態に係る製品コンセプト選択処理(ステップS55)の処理の詳細を示すフローチャートである。 【0131】まず、ステップS50で決定された主要評価指標を評価指標データベース30bから読み込む(ステップS551)。 【0132】対象製品で技術的観点あるいは期間的制約等を考慮して採用可能な製品コンセプト群に対して、各評価指標のスコアの増減を入力する(ステップS553)。 【0133】図17は、この読み込まれた主要評価指標を各行に記述し、各行にベースとなるコンセプトおよびその技術的選択肢となるコンセプトを記述したマトリックステーブルを用いるコンピュータ上で稼働するツールの入出力部50を介した入出力画面の一例を示す。 【0134】各評価指標に対して、ステップS50の評価により決定されたコンセプトをベースコンセプトとし、このベースコンセプトに対する技術的な選択肢を採用可能なサブコンセプトとして各列に配列する。 【0135】このマトリックスを用いて、各サブコンセプトを採用した場合に、各評価指標が向上するか、あるいは低下するかを定量的に(図17においては5段階で)評価した値を入力する。この入力されたスコアを各コンセプトについて加算し、各コンセプトの合計スコアを算出する(ステップS555)。図17のマトリックスの場合、総合点が144と最も高い太線枠内のサブコンセプトが最適な製品コンセプトであることが把握できる。この合計スコアの最も高いコンセプトを製品コンセプトとして選択する(ステップS557)。 【0136】図13に戻り、ステップS557で選択された製品コンセプトに基づき、製品仕様を決定する(ステップS60)。 【0137】図18は、図12のステップS55の製品コンセプト選択処理の結果の一例を示す。マイコンと信号処理LSIとの2つのチップ(図18(a))を1つのパッケージに搭載する製品(2イン1製品)として、ユーザーの満足度が最も高く、外部部品点数や組立を含む製造コストを最小化した仕様の製品(図18(b))が設計されている。 【0138】図19は、本発明の各実施形態に係る製品設計装置および製品設計システムのハードウエア構成を示すブロック図である。 【0139】本発明の各実施形態に係る製品設計装置100は、例えば、図19に示される構成を有する。すなわち、本発明の各実施形態に係る製品設計装置100は1つまたは複数のコンピュータシステム内に製品設計処理の各要素を内蔵することにより構成される。 【0140】図19に示すように、コンピュータシステムは、マイクロプロセッサのような中央演算処理装置110およびシステムバス112を介して相互に接続される他の多くのユニットからなる。このコンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ114と、リードオンリーメモリ116と、ハードディスク装置120などのような周辺装置をシステムバス112に接続するI/Oアダプタ118と、キーボード124,マウス126,スピーカ128、マイク132あるいはタッチスクリーン(図示せず)等のユーザーインターフェース装置をシステムバス112に接続するユーザーインターフェースアダプタ122と、通信ネットワークへこのコンピュータシステムを接続する通信アダプタ134と、表示装置138をシステムバス112に接続するディスプレーアダプタ136と、フロッピー(登録商標)ディスク114,光ディスク146および各種メモリカード148をそれぞれ駆動する外部ディスクドライバー142とを具備する。 【0141】これらフロッピーディスク114,光ディスク146および各種メモリカード148などに代表されるコンピュータ読み取り可能な各種の記憶媒体に、本発明の製品設計処理の各各機能を実行するための製品設計プログラムを格納し、外部ディスクドライバーを介してこれらの記憶媒体からの所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記憶媒体に格納された本発明の製品設計処理の各各機能を実行するための製品設計プログラムをコンピュータシステム内にインストールすることができる。これらのプログラムをランダムアクセスメモリ114にロードし、中央演算処理装置110で実行することにより、本発明の製品設計処理が実現される。 【0142】図20は、インターネットのようなネットワークに実装された本発明の実施形態の一例を示す。本発明に係る製品設計システムは、ネットワーク200を介してサーバー204に接続される複数のクライアントマシン202を含む。サーバー204に製品設計装置100を配置し、入出力部50b、50cをクライアント202に配置して、本発明に係る製品設計システムをネットワークに実装すれば、本発明を大規模に実施することができる。 【0143】第2の実施形態によれば、第1の実施形態のもたらす効果に加えて、以下の効果が得られる。 【0144】特に市場が成熟しており、かつすでにある程度高い市場シェアを保有している対象製品の場合に、ユーザーから入力される各メーカーの評価の差分を用いて重み付けされた評価指標のスコアを算出する。このため、競合他社から差別化するための評価指標を求め、この差別化された評価指標を用いて差別化された製品コンセプトを求めることができる。 【0145】また、主要評価指標を用いて決定されたベースコンセプトに対応する複数の具体的な技術的選択肢であるサブコンセプトに対して、各評価指標の増減を評価、集計して最適なサブコンセプトを選択する。このため、特に上記の2イン1製品のように、決定されたベースコンセプトを具現化するサブコンセプトが多数生じる場合に、定量的に最も高いユーザーの満足度を得ることのできるサブコンセプトの製品を開発することができる。 【0146】本発明の上記で説明された各実施形態は、本発明の要旨を限定するものではなく、本発明は、上記で説明された各実施形態以外にも多様な実施形態を包含するものである。 【0147】 【発明の効果】本発明に係る製品設計方法、製品設計装置および製品設計プログラムを格納する記憶媒体によれば、多数の製品仕様のパターンのうち、ユーザーの声を正確に取り込み、最初から範囲を絞り込んでかつ現行製品の仕様に拘束されない、自由度の高い製品の設計コンセプトが、定量的評価により迅速かつ容易に得られる。したがって、市場競争力の高い製品の早期かつ安価な市場への提供が実現される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成13年7月25日(2001.7.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−108946(P2002−108946A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−225079(P2001−225079) |
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