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【発明の名称】 暗号化ファイルシステム及び暗号化ファイル検索方法並びにコンピュータ可読記録媒体
【発明者】 【氏名】濱田 智弘

【要約】 【課題】暗号化された状態で部分一致検索が行える暗号化ファイルシステム及び暗号化ファイル検索方法を提供する。

【解決手段】登録装置1は、複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードを暗号化ファイル2に登録する。その際、登録装置1は、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化して結合することにより、キー項目全体の暗号化データを生成する。検索装置3は、検索条件として与えられた検索キーを単位文字毎に暗号化して結合した暗号化検索キーを用いて暗号化ファイル2に対して完全一致検索および部分一致検索を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードであって、キー項目の暗号化はキー項目のデータを単位文字毎に暗号化しそれを結合することによって行われているレコードを格納するファイルと、検索条件として与えられた検索キーを単位文字毎に暗号化して結合した暗号化検索キーを用いて前記ファイルを検索する検索装置とを備えた暗号化ファイルシステム。
【請求項2】 前記検索装置は、検索キーを単位文字に分解する分解手段と、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することにより暗号化検索キーを生成する暗号化手段とを含む請求項1記載の暗号化ファイルシステム。
【請求項3】 前記検索装置は、暗号化検索キーと完全一致または部分一致するキー項目を持つレコードを前記ファイルから検索する検索手段を含む請求項1または2記載の暗号化ファイルシステム。
【請求項4】 前記検索装置は、前記ファイルから検索したレコードを復号化して検索結果として出力する復号化手段を含む請求項3記載の暗号化ファイルシステム。
【請求項5】 複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードを前記ファイルに登録する装置であって、キー項目の暗号化は、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化して結合することにより行う登録装置を備えた請求項1、2、3または4記載の暗号化ファイルシステム。
【請求項6】 前記登録装置は、登録対象となるレコードのキー項目のデータを単位文字に分解する分解手段と、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することによりキー項目全体を暗号化する暗号化手段とを含む請求項5記載の暗号化ファイルシステム。
【請求項7】(a)複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードをファイルに登録するステップであって、キー項目の暗号化は、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化して結合することにより行うステップと、(b)検索条件として与えられた検索キーを単位文字毎に暗号化して結合した暗号化検索キーを用いて前記ファイルを検索するステップとを含む暗号化ファイル検索方法。
【請求項8】 前記ステップbは、検索キーを単位文字に分解するステップと、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することにより暗号化検索キーを生成するステップとを含む請求項7記載の暗号化ファイル検索方法。
【請求項9】 前記ステップbは、暗号化検索キーと完全一致または部分一致するキー項目を持つレコードを前記ファイルから検索するステップを含む請求項7または8記載の暗号化ファイル検索方法。
【請求項10】 前記ステップbは、前記ファイルから検索したレコードを復号化して検索結果として出力するステップを含む請求項9記載の暗号化ファイル検索方法。
【請求項11】 前記ステップaは、登録対象となるレコードのキー項目のデータを単位文字に分解するステップと、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することによりキー項目全体を暗号化するステップとを含む請求項7、8、9または10記載の暗号化ファイル検索方法。
【請求項12】 コンピュータを、複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードを前記ファイルに登録する手段であって、キー項目の暗号化は、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化して結合することにより行う登録装置、検索条件として与えられた検索キーを単位文字毎に暗号化して結合した暗号化検索キーを用いて前記ファイルを検索する検索装置、として機能させるプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体。
【請求項13】 前記検索装置は、検索キーを単位文字に分解する分解手段と、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することにより暗号化検索キーを生成する暗号化手段とを含む請求項12記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項14】 前記検索装置は、暗号化検索キーと完全一致または部分一致するキー項目を持つレコードを前記ファイルから検索する検索手段を含む請求項12または13記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項15】 前記検索装置は、前記ファイルから検索したレコードを復号化して検索結果として出力する復号化手段を含む請求項14記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項16】 前記登録装置は、登録対象となるレコードのキー項目のデータを単位文字に分解する分解手段と、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することによりキー項目全体を暗号化する暗号化手段とを含む請求項15記載のコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデータを暗号化して格納する暗号化ファイルシステム及び暗号化ファイル検索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インターネットの普及に伴い、各種の情報がインターネット上で数多く提供されている。その反面、情報を提供する側としては、個人情報や企業情報等の提供すべきでない情報までもがインターネット上に漏れてしまう、或いは盗まれてしまうというセキュリティ面での危険性も有している。漏れた場合あるいは盗まれた場合に備えて、データベースのファイルを暗号化しておく技術がある。一方で、データベースのファイルの情報は、企業内の必要不可欠な人達へは提供する必要があり、暗号化ファイルに対する検索技術が必要となってくる。
【0003】暗号化ファイルに対する最も単純な検索手法は、暗号化ファイルの内容を全て復号化して同一構造の別のデータベースのファイルに格納し、そのファイルからデータの検索を行う手法である。以下、この手法を第1の従来技術と呼ぶ。
【0004】暗号化ファイルに対する別の検索手法が特開2000−11001号公報に記載されている。この従来手法では、平文で入力された検索キーワードを暗号化して暗号化ファイルを検索する。具体的には、予め暗号化された複数のファイルを復号化して、各ファイルに含まれるキーワードとそのキーワードが含まれていたファイル名との組を抽出し且つ各組中のキーワードを暗号化したインデックスを生成する。例えば「鈴木一郎」というキーワードが或るファイルAに含まれていた場合、「鈴木一郎」を暗号化したデータとファイルAの名前との組を生成する。暗号化されたデータは一般にランダムなデータ列となり、表記が困難なので、本明細書では便宜上、アルファベット文字列で表記する。例えば「鈴木一郎」は「zdsiukiio」に暗号化されたとする。次に、利用者から検索キーワードとして「鈴木一郎」が入力された場合、それを暗号化して「zdsiukiio」なる暗号化検索キーワードを生成し、インデックス中の暗号化キーワードと照合して、ファイルAの名前を抽出する。以下、この手法を第2の従来技術と呼ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来技術では、復号化したデータがデータベースに存在することになるため、セキュリティ面からみると危険性が伴ってしまう。
【0006】他方、第2の従来技術では暗号化された状態で検索を行うためファイルのデータの機密性は確保されるが、部分一致検索が行えないという課題がある。その理由は、或る長さの文字列全体を暗号化したデータ中には、その文字列の一部分を暗号化したデータは含まれないからである。例えば個人情報を検索する際に、個人を特定する氏名だけでなく、氏だけを検索キーに使う場合が考えられる。この場合、暗号化ファイルのキー項目が氏名である場合、従来手法では「氏名」全体を一括に暗号化して登録し、或る検索キーが入力された場合に検索キー全体を一括に暗号化した暗号化検索キーで検索を行う。しかし、前述したように例えば氏名「鈴木一郎」全体を一括に暗号化した「zdsiukiio」中には、氏「鈴木」だけを暗号化したデータは含まれないため、そのような部分一致検索は行えない。
【0007】本発明はこのような従来の問題点を解決したもので、その目的は、暗号化された状態で部分一致検索が行える暗号化ファイルシステム及び暗号化ファイル検索方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の暗号化ファイルシステムは、複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードであって、キー項目の暗号化はキー項目のデータを単位文字毎に暗号化しそれを結合することによって行われているレコードを格納するファイルと、検索条件として与えられた検索キーを単位文字毎に暗号化して結合した暗号化検索キーを用いて前記ファイルを検索する検索装置とを備えている。
【0009】また、前記検索装置は、検索キーを単位文字に分解する分解手段、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することにより暗号化検索キーを生成する暗号化手段、暗号化検索キーと完全一致または部分一致するキー項目を持つレコードを前記ファイルから検索する検索手段、前記ファイルから検索したレコードを復号化して検索結果として出力する復号化手段を含んでいる。
【0010】また、本発明の暗号化ファイルシステムは、複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードを前記ファイルに登録する装置であって、キー項目の暗号化は、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化して結合することにより行う登録装置を備えている。また、この登録装置は、登録対象となるレコードのキー項目のデータを単位文字に分解する分解手段と、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することによりキー項目全体を暗号化する暗号化手段とを含んでいる。
【0011】また、本発明の暗号化ファイル検索方法は、(a)複数の項目のうち少なくとも検索する際のキーとなるキー項目を暗号化したレコードをファイルに登録するステップであって、キー項目の暗号化は、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化して結合することにより行うステップと、(b)検索条件として与えられた検索キーを単位文字毎に暗号化して結合した暗号化検索キーを用いて前記ファイルを検索するステップとを含んでいる。
【0012】また、前記ステップbは、検索キーを単位文字に分解するステップと、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することにより暗号化検索キーを生成するステップと、暗号化検索キーと完全一致または部分一致するキー項目を持つレコードを前記ファイルから検索するステップと、前記ファイルから検索したレコードを復号化して検索結果として出力するステップとを含んでいる。
【0013】また、前記ステップaは、登録対象となるレコードのキー項目のデータを単位文字に分解するステップと、分解して得られた個々の単位文字毎に暗号化して結合することによりキー項目全体を暗号化するステップとを含んでいる。
【0014】
【作用】本発明にあっては、ファイルに暗号化したレコードを登録する際、キー項目のデータを単位文字毎に暗号化し結合して登録しておく。そして、検索時には検索キーを単位文字毎に暗号化し結合した暗号化検索キーを用いてファイルを検索する。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】図1は本発明の暗号化ファイルシステムの一例を示すブロック図であり、登録装置1、暗号化ファイル2、検索装置3、登録端末4及び検索端末5で構成されている。
【0017】暗号化ファイル2は、図2に示すような複数の項目C0〜Cmを持つレコードR1〜Rnの集合で構成される。各レコードR1〜Rnは、例えば特定の個人に対応しており、その個人の各種の情報を保持している。例えば項目C1は氏名(漢字)、項目C2は氏名(カタカナ)、項目Cmは年収などを示す。他に、所属部署や役職など各種のデータが他の項目に格納されている。また、項目C0のレコード番号は当該レコードを一意に識別するレコード識別子である。各レコードR1〜Rnは、少なくとも検索する際のキーとなるキー項目が暗号化されている。ここでは、説明の便宜上、項目C1と項目C2がキー項目であり、キー項目以外の項目で暗号化されている項目は項目Cmだけを想定する。つまり、項目C0〜Cmのうち、項目C1、C2、Cmは暗号化されており、残りの項目C3〜Cm−1は暗号化されていないものとする。
【0018】登録装置1は暗号化ファイル2にレコードを登録する装置である。登録装置1は、登録するレコードのキー項目C1、C2の暗号化は、キー項目C1、C2のデータ全体を一括して暗号化するのではなく、キー項目C1、C2のデータを単位文字毎に暗号化し、それを結合することによって行う。
【0019】登録装置1は、図1に示されるように、登録対象となるレコードを外部から入力する入力部11と、入力されたレコード中のキー項目C1、C2のデータを単位文字に分解する分解部12と、入力されたレコード中の暗号化すべき項目C1、C2、Cmを暗号化する暗号化部13と、暗号化されたレコードを暗号化ファイル2に登録する登録部14とから構成される。ここで、暗号化部13は、暗号化すべき項目がキー項目C1、C2の場合、分解部12によって分解された単位文字毎に独立に暗号化を行い、その結果を連結することにより、当該キー項目C1、C2全体の暗号化データを生成する。また、暗号化すべき項目がキー項目以外の項目Cmの場合、当該キー項目Cm全体を一括して暗号化する。暗号化には任意の暗号手法を採用することができ、暗号化の鍵も公開鍵、共通鍵の任意の鍵を使用することができる。本実施例では、暗号鍵は登録部1に事前に設定されているものとする。
【0020】登録装置1は、パーソナルコンピュータやワークステーション・サーバ等のコンピュータを構成する中央処理装置、主記憶及び制御プログラムによって構成することができる。この場合、制御プログラムはCD−ROM、半導体メモリ、磁気ディスク等の機械読み取り可能な記録媒体6に記憶されており、登録装置1を構成するコンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に入力部11、分解部12、暗号化部13及び登録部14を実現する。
【0021】登録端末4は、暗号化ファイル2に登録するレコードを平文で作成して登録装置1にその登録を要求する際に利用者が使用する装置であり、表示装置41と入力装置42とを備えている。利用者は、表示装置41の画面上でレコードの内容を編集し、入力装置42からの指示でその登録を登録装置1に要求する。
【0022】検索端末5は、暗号化ファイル2に対する検索時に利用者が使用する装置であり、表示装置51と入力装置52とを備えている。利用者は、表示装置51の画面上で検索キーとなる文字列などの検索条件を編集し、入力装置52からの指示でその検索条件に基づく検索を検索装置3に要求する。
【0023】検索装置3は、利用者から入力された検索条件に合致するレコードを暗号化ファイル2から検索して利用者に提示する装置である。検索装置3は、利用者から入力された検索キーを暗号化した暗号化検索キーを使って暗号化ファイル2の検索を行う。その際、検索キー全体を一括して暗号化した暗号化検索キーを使うのではなく、検索キーを単位文字毎に暗号化し、それを結合した暗号化検索キーを使う。
【0024】検索装置3は、図1に示されるように、検索端末5とデータの授受を行う入出力部31と、入出力部31を通じて入力された検索条件中の検索キーを単位文字に分解する分解部32と、分解部32で分解された単位文字毎に独立に暗号化を行い、その結果を連結することにより暗号化検索キーを生成する暗号化部33と、暗号化部33で生成された暗号化検索キーを使って検索条件を満たすレコードを暗号化ファイル2から検索する検索部34と、検索部34で検索されたレコードを利用者に提示するために復号化する復号化部35とから構成される。ここで、暗号化部33では登録装置1がキー項目を暗号化した場合と同じ暗号手法で暗号化を行う。また、その暗号化に必要な暗号鍵は検索装置3に事前に設定されているものとする。同様に復号化部35で必要な復号鍵も検索装置3に事前に設定されているものとする。
【0025】検索装置3は、パーソナルコンピュータやワークステーション・サーバ等のコンピュータを構成する中央処理装置、主記憶及び制御プログラムによって構成することができる。この場合、制御プログラムはCD−ROM、半導体メモリ、磁気ディスク等の機械読み取り可能な記録媒体7に記憶されており、検索装置3を構成するコンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータ上に入出力部31、分解部32、暗号化部33、検索部34及び復号化部35を実現する。
【0026】次に、本実施例の暗号化ファイルシステムの動作を説明する。先ず、暗号化ファイル2へのレコード登録時の動作を説明する。
【0027】登録者は、先ず登録端末4を操作して、暗号化ファイル2へ登録するレコードの内容を表示装置41の画面上で編集する。図3に表示装置41に表示される登録画面411の一例を示す。登録画面411において、入力欄411−1〜411−mは登録対象となるレコードの項目C1、項目C2、…、項目Cmの内容を入力する欄である。利用者は入力装置42から各入力欄411−1〜411−mにそれぞれデータを入力していく。図示の例では、項目C1の入力欄411−1に漢字4文字からなる「鈴木一郎」が、項目C2の入力欄411−2にカタカナ7文字からなる「スズキイチロウ」が、項目Cmの入力欄411−mに10進数7桁の数値が、それぞれ入力されている。図示は省略しているが、項目C3〜項目Cm−1に対応する入力欄にもデータを入力する。登録ボタン412は、編集し終えたレコードの登録を登録装置1に指示するボタンである。この登録ボタン412によって登録が指示されると、登録装置1は図4に示す処理を開始する。
【0028】先ず登録装置1の入力部11は、登録端末4の登録画面411上の入力欄411−1〜411−mに設定されたデータを、登録対象レコードの項目C1〜Cmの値として入力する(S1)。次に分解部12は、キー項目となる項目C1、C2毎に、そのデータを単位文字に分解する(S2)。キー項目以外の項目のデータはこのような分解処理は行わない。
【0029】図5(a)に、項目C1のデータ「鈴木一郎」と、項目C2のデータ「スズキイチロウ」を、単位文字に分解した結果を示す。このようにキー項目のデータは、登録画面411に表示されている1文字を単位に分解される。ここでは、日本語を例に挙げたが、外国語の場合も同様であり、例えば英語の「Henry」は図5(b)に示すようにアルファベット文字の1文字単位に分解される。また、ドイツ語のウムラウトのような特殊な文字も同様に、図5(c)に例示するように1つの単位文字として抽出される。
【0030】次に暗号化部13は、登録対象レコードの項目C1〜Cmのうち、暗号化すべき項目C1、C2、Cmをそれぞれ暗号化する(S3)。その際、キー項目C1、C2については、分解された単位文字毎に独立に暗号化を行い、暗号化されたデータを元の単位文字の並びと同じ順に結合することで、全体の暗号化データを生成する。他方、キー項目以外の項目のデータは、それ全体を一括して暗号化する。
【0031】図6に単位文字に分解された「スズキイチロウ」を例にキー項目の暗号化の様子を示す。先ず、同図(a)に示すように、各単位文字毎に独立に暗号化し、各単位文字毎の暗号化データB、r、g、e、a、¥、4を生成する。次に、同図(b)に示すように、暗号化データを結合し、「スズキイチロウ」全体の暗号化データ「Brgea¥4」を生成する。なお、各暗号化データB、r、g、e、a、¥、4はそれぞれ1単位の暗号化データであり、ランダムなデータ列である。そのデータ長は暗号化方式に依存し、可変長または固定長となる。1単位の暗号化データの先頭部分には暗号化データの開始を示す所定のビット列が置かれ、最後尾部分には暗号化データの終了を示す所定のビット列が置かれる。
【0032】次に登録部14は、暗号化部13によって暗号化すべき項目C1、C2、Cmが暗号化され且つそれ以外の項目C3〜Cm−1は暗号化されていない状態の登録対象レコードに対し、暗号化ファイル2中で一意となる項目C0のレコード番号を付加して、暗号化ファイル2に登録する(S4)。
【0033】次に暗号化ファイル2を検索する際の動作を説明する。検索者は、検索端末5を操作して、先ず検索条件を入力する。図7に表示装置51に表示される検索画面511の一例を示す。この検索画面511は、カタカナ表記で氏名、または氏だけ、または名だけを項目C2の検索キーに指定し、完全一致検索または部分一致検索を要求するための検索画面の例であり、氏の入力欄512及び名の入力欄513と、検索ボタン514とが設けられている。検索者は、入力装置52から入力欄512、513に検索キーとする任意のデータをカタカナで入力していく。図示の例では、氏の入力欄512に「スズキ」を入力し、名の入力欄513は空白にしている。これは検索者が部分一致検索を要求していることに相当する。勿論、名の入力欄513にもデータを入力しても良い。その場合には完全一致検索を要求していることになる。また、名の入力欄513だけにデータを設定した部分一致検索も可能である。
【0034】検索者が検索キーの設定を終え、検索ボタン514によって検索を指示すると、検索装置3は図8に示す処理を開始する。
【0035】先ず検索装置3の入出力部31は、検索端末5の表示装置51の検索画面511から検索キーなどの検索条件を入力する(S11)。図7の検索画面511による検索では、項目C2の検索キーとして指定された氏の入力欄512の「スズキ」と、名の入力欄513の値「空値」とを検索条件として入力する。次に、分解部32は、入力された検索キーを単位文字に分解する(S12)。ここでも、登録装置1の分解部12と同様に、検索画面411に表示されている1文字を単位に分解する。従って、「スズキ」は「ス」、「ズ」、「キ」に分解される。
【0036】次に暗号化部33は、分解部32で分解された個々の単位文字毎に独立に暗号化を行い、暗号化されたデータを元の単位文字の並びと同じ順に結合することで、暗号化検索キーを生成する。図9に単位文字に分解された「スズキ」を例に暗号化検索キーの生成の様子を示す。先ず、同図(a)に示すように、各単位文字毎に独立に暗号化し、各単位文字毎の暗号化データB、r、gを生成する。次に、同図(b)に示すように、暗号化データを結合し、「スズキ」に対応する暗号化検索キー「Brg」を生成する(S13)。
【0037】次に検索部34は、暗号化部33で生成された暗号化検索キーを受け取り、検索キーが「Brg」であり、検索対象項目がC2であり、部分一致検索であるといった検索条件を解析する(S14)。そして、暗号化ファイル2に対して必要な検索を実行する(S15)。つまり、前述した例では、暗号化ファイル2の各レコードの中から、項目C2中に暗号化検索キー「Brg」を含むレコードを検索する。検索部34は、暗号化ファイル2から少なくとも1つのレコードの検索に成功した場合は(S16でYES)、取得したレコードを復号化部35に渡す。
【0038】復号化部35は、渡されたレコード中の暗号化された項目C1、C2、Cmを復号化する(S17)。このとき、キー項目C1、C2については、単位文字毎に暗号化されたデータ毎に復号化を行い、復号化したデータを結合して、キー項目全体の復号化データを生成する。また、キー項目C1、C2以外の暗号化されている項目Cmは項目全体を一括して復号化する。復号化部35は、復号化したレコードを検索結果として、入出力部31を通じて表示装置51に出力する(S18)。
【0039】他方、検索部34はレコードの検索に失敗した場合は(S16でNO)、該当レコード無しの検索結果を入出力部31を通じて表示装置51に出力する(S18)。
【0040】図10は検索装置3で検索処理を行っている様子を模式的に示す。また、比較の為に、キー項目を暗号化せずに記録したファイルに対して検索する従来手法と、キー項目全体を一括に暗号化して記録した暗号化ファイルに対して検索キー全体を一括に暗号化した暗号化検索キーで検索する従来手法の模式図を図11、図12にそれぞれ示す。
【0041】図11では、「スズキ」を検索キーに、暗号化されていないファイルを検索しており、部分一致検索は可能であるが、ファイルが暗号化されていない為、セキュリティ性に問題がある。図12では、「スズキ」全体を暗号化したデータ「3f4」で暗号化ファイルを検索しているが、暗号化ファイルのキー項目は全体を一括して暗号化しているため、部分一致検索が行えない。
【0042】これに対して本実施例では、図10に示されるように、「スズキ」を「ス」、「ズ」、「キ」に分解して個別に暗号化し、それを結合した「Brg」で暗号化ファイルを検索しており、暗号化ファイルのキー項目も同様に、単位文字毎に暗号化したものを結合した暗号化データとなっているので、部分一致検索が可能となる。
【0043】以上本発明の実施例について説明したが、本発明は以上の実施例にのみ限定されず、その他各種の付加変更が可能である。例えば、前記の実施例では、暗号化及び復号化に必要な鍵は暗号化ファイルシステム自体に予め設定されているものとしたが、暗号化ファイルシステムの外部で保持管理しておき、必要なときに暗号化ファイルシステムで利用する構成としたり、レコードの登録者やレコードの検索者がシステムに対して鍵を入力するよう構成しても良い。
【0044】また、暗号化ファイル2に登録するレコードは、登録者の操作する登録端末4から逐次入力するものとしたが、登録対象となるレコードを磁気ディスク装置等の記憶装置に記憶しておき、その記憶されたレコードを登録装置1が読み込んで登録処理を行うようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ファイルにはキー項目のデータを単位文字毎に暗号化し結合して登録しておき、検索時には検索キーを単位文字毎に暗号化し結合した暗号化検索キーを用いてファイルを検索するので、暗号化された状態で部分一致検索が可能になる。これにより、部分一致検索をファイルのセキュリティ性を確保しながら実施することができる。
【出願人】 【識別番号】000232092
【氏名又は名称】エヌイーシーソフト株式会社
【出願日】 平成12年9月27日(2000.9.27)
【代理人】 【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
【公開番号】 特開2002−108910(P2002−108910A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−294010(P2000−294010)