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【発明の名称】 車載電子制御装置
【発明者】 【氏名】中本 勝也

【氏名】橘田 光弘

【氏名】橋本 光司

【氏名】後閑 博

【要約】 【課題】運転開始時の制御定数の転送や運転中における多様なデ−タを自由に相互交信することができるシリアル通信手段を提供する。

【解決手段】外部ツ−ルから被制御車両対応の第一の制御プログラム及び制御定数が少なくとも書込まれる第一の不揮発メモリと演算処理用の第一のRAMメモリ及び第一の入出力ポ−トを備えたメインCPU、第二の制御プログラムが書込まれた第二の不揮発メモリと演算処理用の第二のRAMメモリ及び第二の入出力ポ−トを備えたサブCPU、被制御車両の運転中においてメインCPUとサブCPU間で相互にデ−タ交信を行う全二重双方向シリアル通信用直並列変換器を備え、被制御車両の運転開始時には第一の不揮発メモリに格納された制御定数の一部がシリアル通信用直並列変換器を介して第二のRAMメモリに転送され、サブCPUは第二の不揮発メモリの第二の制御プログラムの内容と、第二のRAMメモリに転送された制御定数の内容に応じて所定の演算を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源スイッチを介して車載バッテリから給電される車載電子制御装置であって、外部ツ−ルから被制御車両対応の第一の制御プログラム及び制御定数が少なくとも書込まれる第一の不揮発メモリと演算処理用の第一のRAMメモリ及び第一の入出力ポ−トを備えたメインCPU、第二の制御プログラムが書込まれた第二の不揮発メモリと演算処理用の第二のRAMメモリ及び第二の入出力ポ−トを備えたサブCPU、上記被制御車両の運転中において上記メインCPUと上記サブCPU間で相互にデ−タ交信を行う全二重双方向シリアル通信用直並列変換器を備え、上記被制御車両の運転開始時には上記第一の不揮発メモリに格納された制御定数の一部が上記シリアル通信用直並列変換器を介して上記第二のRAMメモリに転送され、上記サブCPUは上記第二の不揮発メモリの第二の制御プログラムの内容と、上記第二のRAMメモリに転送された制御定数の内容に応じて所定の演算を行うことを特徴とする車載電子制御装置。
【請求項2】 各CPU及びメモリに給電する第二の電源端子と、上記電源スイッチを介さず上記車載バッテリに接続され、少なくとも第二のRAMメモリに給電する第一の電源端子とを備え、上記電源スイッチが遮断されても、少なくとも上記第二のRAMメモリの内容は上記第一の電源端子から給電されることにより保持されることを特徴とする請求項1記載の車載電子制御装置。
【請求項3】 第三の不揮発メモリをさらに備え、電源スイッチの遮断時に第二のRAMメモリの内容は上記第三の不揮発メモリに退避され、上記電源スイッチの再投入時に上記第三の不揮発メモリから上記第二のRAMメモリに転送されることを特徴とする請求項1記載の車載電子制御装置。
【請求項4】 メインCPU及びサブCPUは、被制御車両の運転開始時において第一の不揮発メモリの内容が変更されている時に第一の不揮発メモリに格納された制御定数を上記サブCPUに送信する制御定数送信手段と、上記第一の不揮発メモリの内容が変更されていない場合に送信側CPUから受信側CPUに対してデ−タの送信を割込要求することができる直接要求手段と、この直接要求手段による割込要求は無いが上記送信側CPUから上記受信側CPUへの割込送信の必要が有る場合及び上記割込送信の必要が無くても上記受信側CPUから上記送信側CPUへのデータ要求が有る場合に送信データを不定期データとして送信する不定期デ−タ送信手段と、上記直接要求手段による割込要求、割込送信の必要及び上記受信側CPUから上記送信側CPUへのデータ要求の全てが無い場合に送信データを定期データとして周期的に送信する定期データ送信手段とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車載電子制御装置。
【請求項5】 メインCPUまたはサブCPU側の少なくとも一方のデ−タバスにはダイレクトメモリアクセスコントロ−ラが接続され、シリアル通信用直並列変換器を介して受信した送信デ−タが受信側CPUを介さないで受信側RAMメモリに格納されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車載電子制御装置。
【請求項6】 メインCPU及びサブCPUは、シリアル通信用直並列変換器による受信デ−タを受信側CPUでエラ−チェックするサムチェック手段と、このサムチェック手段が上記受信デ−タに誤りがあると判定した時に送信側CPUに対して上記受信データの再送を要求する再送要求手段と、上記送信側CPUから上記受信側CPUへの送信開始時刻と上記サムチェック手段からの上記受信データの確認回答受信時刻とが所定時間間隔であるか否かを判定するタイムアウトチェック手段とを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車載電子制御装置。
【請求項7】 メインCPUはサブCPUのウォッチドッグ信号及び通信のタイムアウトチェック結果を監視して、上記サブCPUの動作異常時にリセットパルス出力を発生して上記サブCPUを再起動するリセット出力手段を備えると共に、上記メインCPUのウォッチドッグ信号を監視して、動作異常時にリセットパルス出力を発生して上記メインCPUを再起動させるウォッチドッグタイマ回路を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車載電子制御装置。
【請求項8】 リセットパルス出力の発生を記憶すると共に、電源スイッチの遮断または再投入によってリセットされる記憶素子、この記憶素子の動作に応じて一部の負荷の駆動を停止する出力停止回路、上記記憶素子の動作に応じて動作異常の警報、表示を行う警報表示手段を備えていることを特徴とする請求項7記載の車載電子制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用エンジンの制御等に用いられる2個のCPU(マイクロプロセッサ)を内蔵した電子制御装置、特にシリアル通信機能を用いてメインCPUとサブCPU間で多数のデ−タを交信するのに適した改良された車載電子制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】全体制御を行うメインCPUと特定機能を対象とした制御を行うサブCPUと、両CPU間で各種のデ−タ交信を行うシリアル通信機能とを備えた車載電子制御装置は公知である。例えば、特開平10−89141号公報「エンジン制御装置」ではメインマイコン(メインCPU)のフラッシュメモリ(第一の不揮発メモリ)にサブマイコン(サブCPU)の制御デ−タ(制御定数)を記憶させ、制御開始時にシリアル通信でサブマイコンのRAMメモリに転送すると共に、上記フラッシュメモリのデ−タは外部書込み装置(外部ツ−ル)から書換えができるようにして、サブマイコンの制御デ−タを外部書込み装置から間接的に書込み設定することが提示されている。
【0003】一方、特開平5−128065号公報「デ−タ通信装置」では、マスタCPUとスレ−ブCPU間で通信用クロック信号とハンドシェ−ク信号を用いてデジタルデ−タを送信するエンジン制御装置が記載されており、上記デジタルデ−タはエンジン制御装置の運転中において発生する様々な制御情報としてとらえられている。その他、デ−タバスで接続された2個のCPUを用いたエンジン制御装置において、その動作監視に関するものとして、例えば特開平5−81222号公報「2CPUの動作監視方法」ではサブCPUの暴走監視はメインCPUで行うが、メインCPUの暴走監視はウォッチドッグタイマ回路によるハ−ドウエアで行うことが提示されている。上記の暴走監視では、異常発生時にCPUをリセットして再起動するものであるが、特開平8−339308号公報「デジタル処理装置」では、異常発生を記憶して通常リセットではCPUの再起動ができない完全停止状態とし、この完全停止状態は動作電源の再投入によって解除されることが提示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術において、特開平10−89141号公報にあっては運転開始時において、メインマイコンからサブマイコンへ制御定数を一括ダウンロ−ドすることを目的としてシリアル通信手段が用いられており、その他の限定された信号はサブマイコンからメインマイコンへ直接渡しされている。また、特開平5−128065号公報にあってはマスタCPUとスレ−ブCPU間で相互に多様なデ−タを相互交信するための自由度が無いという問題がある。更に、特開平5−81222号公報にあっては、CPUの暴走発生時に単にCPUを再起動しただけでは問題が残されることがある一方で、特開平8−339308号公報のようにCPUを完全停止してしまうことにも問題がある。
【0005】この発明の第一の目的は、機能分担されたメインCPUとサブCPUを備えた車載電子制御装置において、上記のような問題を改善して、運転開始時の制御定数の転送や運転中における多様なデ−タを自由に相互交信することができるシリアル通信手段を提供することである。この発明の第二の目的は、上記のような2個のCPUを備えた車載電子制御装置において、各CPUの暴走監視・通信異常監視を行って、安全な異常回復を行うための付加機能を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る車載電子制御装置は、電源スイッチを介して車載バッテリから給電される車載電子制御装置であって、外部ツ−ルから被制御車両対応の第一の制御プログラム及び制御定数が少なくとも書込まれる第一の不揮発メモリと演算処理用の第一のRAMメモリ及び第一の入出力ポ−トを備えたメインCPU、第二の制御プログラムが書込まれた第二の不揮発メモリと演算処理用の第二のRAMメモリ及び第二の入出力ポ−トを備えたサブCPU、被制御車両の運転中においてメインCPUとサブCPU間で相互にデ−タ交信を行う全二重双方向シリアル通信用直並列変換器を備え、被制御車両の運転開始時には第一の不揮発メモリに格納された制御定数の一部がシリアル通信用直並列変換器を介して第二のRAMメモリに転送され、サブCPUは第二の不揮発メモリの第二の制御プログラムの内容と、第二のRAMメモリに転送された制御定数の内容に応じて所定の演算を行うものである。
【0007】また、各CPU及びメモリに給電する第二の電源端子と、電源スイッチを介さず車載バッテリに接続され、少なくとも第二のRAMメモリに給電する第一の電源端子とを備え、電源スイッチが遮断されても、少なくとも第二のRAMメモリの内容は第一の電源端子から給電されることにより保持されるものである。
【0008】また、第三の不揮発メモリをさらに備え、電源スイッチの遮断時に第二のRAMメモリの内容は第三の不揮発メモリに退避され、電源スイッチの再投入時に第三の不揮発メモリから第二のRAMメモリに転送されるものである。
【0009】また、メインCPU及びサブCPUは、被制御車両の運転開始時において第一の不揮発メモリの内容が変更されている時に第一の不揮発メモリに格納された制御定数をサブCPUに送信する制御定数送信手段と、第一の不揮発メモリの内容が変更されていない場合に送信側CPUから受信側CPUに対してデ−タの送信を割込要求することができる直接要求手段と、この直接要求手段による割込要求は無いが送信側CPUから受信側CPUへの割込送信の必要が有る場合及び割込送信の必要が無くても受信側CPUから送信側CPUへのデータ要求が有る場合に送信データを不定期データとして送信する不定期デ−タ送信手段と、直接要求手段による割込要求、割込送信の必要及び受信側CPUから送信側CPUへのデータ要求の全てが無い場合に送信データを定期データとして周期的に送信する定期データ送信手段とを備えたものである。
【0010】また、メインCPUまたはサブCPU側の少なくとも一方のデ−タバスにはダイレクトメモリアクセスコントロ−ラが接続され、シリアル通信用直並列変換器を介して受信した送信デ−タが受信側CPUを介さないで受信側RAMメモリに格納されるものである。
【0011】また、メインCPU及びサブCPUは、シリアル通信用直並列変換器による受信デ−タを受信側CPUでエラ−チェックするサムチェック手段と、このサムチェック手段が受信デ−タに誤りがあると判定した時に送信側CPUに対して受信データの再送を要求する再送要求手段と、送信側CPUから受信側CPUへの送信開始時刻とサムチェック手段からの受信データの確認回答受信時刻とが所定時間間隔であるか否かを判定するタイムアウトチェック手段とを備えたものである。
【0012】また、メインCPUはサブCPUのウォッチドッグ信号及び通信のタイムアウトチェック結果を監視して、サブCPUの動作異常時にリセットパルス出力を発生してサブCPUを再起動するリセット出力手段を備えると共に、メインCPUのウォッチドッグ信号を監視して、動作異常時にリセットパルス出力を発生してメインCPUを再起動させるウォッチドッグタイマ回路を備えているものである。
【0013】また、リセットパルス出力の発生を記憶すると共に、電源スイッチの遮断または再投入によってリセットされる記憶素子、この記憶素子の動作に応じて一部の負荷の駆動を停止する出力停止回路、記憶素子の動作に応じて動作異常の警報、表示を行う警報表示手段を備えているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態による車載電子制御装置のブロック回路図を示す図1について説明する。図1において、1は後述のメインCPU10a、サブCPU10bによって構成された車載電子制御装置、2は第一電源端子2aを介して車載電子制御装置1に給電する例えばDC12V系の車載バッテリ、3は該車載バッテリと第二電源端子3a間に接続されたイグニションスイッチ等の電源スイッチであり、該電源スイッチはイグニションスイッチによって駆動される電磁リレ−の出力接点が用いられることもある。4a、4bはメインCPU10a側またはサブCPU10b側に供給される多数のON/OFF信号スイッチあるいはアナログ信号に対する第一・第二の入力端子群、5a、5bはメインCPU10a側またはサブCPU10b側から駆動される多数の車載負荷に対する第一・第二の出力端子群、6は製品出荷時或いは保守・点検時に接続端子6aを介して接続され、車載電子制御装置1に対して被制御車種に対応した制御プログラムや制御定数を書込むための外部ツ−ルである。
【0015】7は上記第一電源端子2a及び第二電源端子3aから給電され、DC5V、3.3V等の制御用定電圧を発生する電源ユニット、8は電源スイッチ3の投入時または遮断時に短時間パルスを発生するワンショットタイマであり、該ワンショットタイマの出力パルスによって後述の記憶素子24a、24bのリセット出力記憶がリセットされるようになっている。10aは全体制御機能を受持つメインCPUであり、該メインCPUは第一のデ−タバス30aを介して以下の各種デバイスに接続されている。11aは上記外部ツ−ル6から予め制御プログラムや制御定数等が書込まれているフラッシュメモリ等の第一の不揮発メモリ、12aは各種デ−タが読書きされる演算処理用の第一のRAMメモリ、13aはメインCPU10aが内部演算中であって第一のデ−タバス30aとの入出力処理を行っていないタイミングを検出して、後述の直並列変換器19aと第一のRAMメモリ12a間で直接的にデ−タの交信を行わせるダイレクト・メモリアクセス・コントロ−ラ(DMAC)であり、該DMACはメインCPU10aに依存せずに大量のデ−タを高速交信するのに適している。
【0016】14aは第一入力端子群4aからの入力信号を第一のデ−タバス30aに接続する第一の入力ポ−ト、15aは第一のデ−タバス30aから第一の出力端子群5aに対して制御出力を供給するための第一の出力ポ−ト、16aは一部の制御出力を停止するための第一の出力ゲ−トであり、該出力ゲ−トは後述の第一の記憶素子24aが動作している時に、特定の負荷に限って制御出力を停止するためのものである。17aは後述のシリアル通信の動作開始を指示するために、第一の割込制御手段18aを介してメインCPU10aに割込制御信号を供給する第一の割込間隔タイマ手段、19aは全二重シリアル通信用の直並列変換器であり、該直並列変換器は送信デ−タSD、受信デ−タRD、送信要求RS、送信可CS等の信号線によって相手側の直並列変換器19bとの間でシリアルデ−タの交信を行うものである。
【0017】20aはシリアルデ−タの送信を行ってから、相手側の受信確認が得られるまでの時間を計測する第一のデ−タ間隔タイマ手段、21は上記通信時間が所定値以上のタイムアウトである場合に作用し、サブCPU10bをリセットして再起動させるリセット出力手段、22aはメインCPU10aが正常に動作している時に所定周期のパルス列を発生する第一のウォッチドッグ信号、23は該ウォッチドッグ信号パルスの時間幅が所定値を超過した時にメインCPU10aに対してリセットパルス出力を供給してメインCPU10aを再起動させるウォッチドッグタイマ回路、24aは該ウォッチドッグタイマ回路がリセットパルス出力を発生したことを記憶する第一の記憶素子であり、上記ウォッチドッグタイマ回路はメインCPU10aの外部に設けられたハ−ドウエアとなっている。なお、メインCPU10aがリセットされて再起動されるまでの間は、図示しないハ−ドウエアによってメインCPU10a側の全ての制御出力が開放状態とされ、プルアップまたはプルダウン抵抗等によって安全側の動作を行うように構成されている。
【0018】25はサブCPU10bが発生するウォッチドッグ信号22bをメインCPU10aに供給するウォッチドッグ入力信号、26は該ウォッチドッグ入力信号のパルス時間幅が所定値を超過した時にリセット出力手段27を介してサブCPU10bに対してリセットパルス出力を供給し、サブCPU10bを再起動させるウォッチドッグ間隔タイマ手段である。なお、28aは上記第一の記憶素子24aがリセット出力を記憶している時に応動する警報・表示器、29は外部ツ−ル6と第一のデ−タバス30a間に接続されたツ−ルインタフェ−スである。
【0019】10bは特定の制御機能を受持つサブCPUであり、該サブCPUは第二のデ−タバス30bを介して以下の各種デバイスに接続されている。11bは予めサブCPU10bの制御プログラムや固定の制御定数等が書込まれているマスクROM等の第二の不揮発メモリ、12bは各種デ−タが読書きされる演算処理用の第二のRAMメモリ、13bは必要に応じて設けられサブCPU10bが内部演算中であって第二のデ−タバス30bとの入出力処理を行っていないタイミングを検出して、後述の直並列変換器19bと第二のRAMメモリ12b間で直接的にデ−タの交信を行わせるダイレクト・メモリアクセス・コントロ−ラ(DMAC)であり、該DMACはサブCPU10bに依存せずに大量のデ−タを高速交信するのに適している。
【0020】14bは第二入力端子群4bからの入力信号を第二のデ−タバス30bに接続する第二の入力ポ−ト、15bは第二のデ−タバス30bから第二の出力端子群5bに対して制御出力を供給するための第二の出力ポ−ト、16bは一部の制御出力を停止するための第二の出力ゲ−トであり、該出力ゲ−トは後述の第二の記憶素子24bが動作している時に、特定の負荷に限って制御出力を停止するためのものである。17bは後述のシリアル通信の動作開始を指示するために、第二の割込制御手段18bを介してサブCPU10bに割込制御信号を供給する第二の割込間隔タイマ手段、19bは全二重シリアル通信用の直並列変換器であり、該直並列変換器は送信デ−タSD、受信デ−タRD、送信要求RS、送信可CS等の信号線によって相手側の直並列変換器19aとの間でシリアルデ−タの交信を行うものである。
【0021】20bはシリアルデ−タの送信を行ってから、相手側の受信確認が得られるまでの時間を計測する第二のデ−タ間隔タイマ手段、22bはサブCPU10bが正常に動作している時に所定周期のパルス列を発生する第二のウォッチドッグ信号、24bは上記リセット出力手段21や27がサブCPU10bにリセットパルスを供給したしたり、第二のデ−タ間隔タイマ20bがタイムアウトであったことを記憶する第二の記憶素子である。なお、サブCPU10bがリセットされて再起動されるまでの間は、図示しないハ−ドウエアによってサブCPU10b側の全ての制御出力が開放状態とされ、プルアップまたはプルダウン抵抗等によって安全側の動作を行うように構成されている。また、28bは上記第二の記憶素子24bがリセット出力を記憶している時に応動する警報・表示器、31は必要に応じて設けられるEE−PROM等の第三の不揮発メモリである。
【0022】図1のとおり構成されたこの発明の一実施の形態装置において、先ず図1によりその作用・動作の概要を説明する。ここで説明する車載電子制御装置1は例えば自動車用エンジンの制御装置であって、メインCPU10aに接続された第一の入力ポ−ト14aには例えばエンジンのクランク角センサ等の高速動作を行う信号入力が接続され、第一の出力ポ−ト15aにはエンジンの点火コイルや燃料噴射用電磁弁等の高速動作を行う負荷が接続されている。また、サブCPU10bに接続された第二の入力ポ−ト14bにはセレクタレバ−の位置センサや水温・排気ガスセンサなどの比較的低速動作を行う信号入力が接続され、第二の出力ポ−ト15bには変速機用電磁弁、空調機用電磁クラッチ等の低速動作を行う負荷が接続されている。
【0023】メインCPU10aは予め外部ツ−ル6から第一の不揮発メモリ11aに書込まれた制御プログラムや制御定数に基づいて動作し、第一・第二の入力ポ−ト14a・14bからの入力信号に応動して、第一・第二の出力ポ−ト15a・15bに制御出力を発生するが、上記制御プログラムや制御定数は被制御車種によって異なる内容のものとなっている。サブCPU10bは多数の入力信号に対するデジタルフィルタ機能や入出力信号の断線の有無をチェックする機能等の特定機能を分担しながら、第二の入力ポ−ト14bから入力された多数の入力信号のON/OFF状態やアナログ信号をデジタル化してメインCPU10aに供給したり、メインCPU10aの制御出力の一部を第二の出力ポ−ト15bを介して車載負荷に供給するようになっている。
【0024】サブCPU10bの制御プログラムや固定の制御定数は第二の不揮発メモリ11bに格納されていて、その内容は被制御車種によって変化することがない。但し、デジタルフィルタの定数等の一部の制御定数は第一の不揮発メモリ11aから第二のRAMメモリ12bに転送され、被制御車種に応じて変更することができるようになっている。また、第二の不揮発メモリ11bに格納される制御プログラムの一部は被制御車種によって選択使用ができるようになっていて、この選択情報も第一の不揮発メモリ11aから第二のRAMメモリ12bに転送され、サブCPU10bは第二のRAMメモリ12bの内容を参照しながら第二の不揮発メモリ11bの内容によって動作するようになっている。このように動作の基本となる制御プログラムが、予め第二の不揮発メモリ11bに格納されているので、第一の不揮発メモリ11aから第二のRAMメモリ12bへ転送されるデ−タが少なくなると共に、電源電圧の異常低下やノイズ等によって制御プログラムが消失するのを防止しているものである。
【0025】シリアル通信用の直並列変換器19a、19bは、例えばJIS−C6362で定められた伝送制御手順によって動作するものであって、直並列変換器19a、19bに内蔵された限られた容量のバッファメモリに所定のデ−タが格納されると第一・第二の割込制御手段18a、18bを介してメインCPU10aやサブCPU10bにデ−タの読出を促す等のミクロレベルの動作については説明を省略する。両CPU間でのマクロレベルでのデ−タの交信については図2、図3によって後述するが交信するべきデ−タの内容は次のとおりに分類される。
【0026】メインCPU→サブCPUへの送信デ−タAA:メインCPUが自発的に送信するデ−タAA1:外部ツ−ル6から第一の不揮発メモリ11aに制御プログラムや制御定数が書込まれたり、書換え変更が行われた時にサブCPU10bに必要とされる制御デ−タを一括して送信する。(運転開始時)
AA2:第二の出力ポ−ト15bに対する制御出力信号(運転中常時)
AA3:一部の制御定数を学習結果によって変更したり、運転中に変化したメインCPU10aのステ−タス情報等。(運転中の適時)
AA4:サブCPUに対する送信要求内容(運転中適時)
AB:サブCPUからの要求によって送信するデ−タAB1:第二のRAMメモリ12bに格納された制御定数にサムチェックエラ−が発生した時(運転開始時及び運転中の適時)
AB2:メインCPU10aのステ−タス情報等(運転中の適時)
【0027】サブCPU→メインCPUへの送信デ−タBB:サブCPUが自発的に送信するデ−タBB2:第二の入力ポ−ト14bに対する入力信号(運転中常時)
BB3:運転中に変化したサブCPU10bのステ−タス情報や入出力診断によるエラ−コ−ド情報等。(運転中の適時)
BB4:メインCPUに対する送信要求内容(運転中適時)や第二のRAMメモリ12bに格納された制御定数のエラ−チェックでエラ−があった時の制御定数送信要求(運転開始時)
BA:メインCPUからの要求によって送信するデ−タBA2:サブCPU10bのステ−タス情報等(運転中の適時)
なお、第二のRAMメモリ12bの内容は運転停止中であっても第一電源端子2aからの給電によって保持されているので、車載バッテリ2の異常電圧低下やバッテリ端子の開放等がなければ、一般にはメインCPU10aからサブCPU10bへの制御定数の転送は上記AA1モ−ドの一回のみで良いものである。また、運転開始時では電源スイッチ3が投入されてからエンジンが始動開始するまでの僅かの時間中は車載電子制御装置1がエンジン制御を行えなくても問題がなく、この間は各CPUは制御定数の転送に専念できる状態となっている。従って、メインCPU10aからサブCPU10bへのAA2モ−ドに対する送信デ−タが少なければ、第二のDMAC13bは不要である。
【0028】一方、メインCPU10aはウオッチドッグタイマ回路23によって暴走監視され、動作異常時は自動的にリセットされて再起動されるが、サブCPU10bの暴走監視はメインCPU10aによって行われ、動作異常時はリセット出力手段27によって自動的にリセットされて再起動されると共に、サブCPU10b側の通信異常(タイムアウト)に対してはリセット出力手段21によってサブCPU10bが自動的にリセットされて再起動される。これに対し、メインCPU10a側の通信異常(タイムアウト)に対しては、第二のデ−タ間隔タイマ20bによって第二の記憶素子24bが動作記憶するようになっていて、メインCPU10aのリセット・再起動処理は行わないものの、自己防衛として第二の出力ゲ−ト16bの一部を出力停止にしたり、第二の警報・表示器28bを作動させるようになっている。
【0029】各CPUがノイズ等によって暴走した場合には、リセットパルス出力によって自動的に再起動され、一般には運転手も気が付かないで回復するが、安全にかかわる高度機能や便利機能については出力停止回路である第一・第二の出力ゲ−ト16a・16bによって負荷の駆動が停止され、この状態は第一・第二の警報・表示器28a・28bによって運転手に警告される。このような出力停止状態は電源スイッチ3を遮断して車両の運転を停止しなければ回復しないので、運転手が認知でき保守点検を促すことができるように配慮されている。但し、異常発生時にあらゆる負荷の駆動を停止することはかえって危険なことであり、上記のような特定の出力のみに限定して出力停止が行われるものである。仮に出力停止を行う適切な負荷が無い時でも、警報・表示器28a、28bによって暴走発生や通信異常を認知することができるようになっている。
【0030】図2はメインCPU10aからサブCPU10bへのデ−タ送信に関する動作説明用フロ−チャ−トである。図2において、200aは図1における第一の割込間隔タイマ手段17aの動作に応動してメインCPU10aに対する割込みが発生したことにより活性化される動作開始工程、201aは第一の不揮発メモリ11aに対して制御プログラムや制御定数の書込みや書換え等のプログラム変更が行われた直後であるかどうかを記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程、202aは工程201aがプログラム変更直後であると判定した場合に作用し、第一の不揮発メモリ11aに書込まれているサブCPU10bの制御定数を送信する工程である。203aは工程201aがプログラム変更無しの時に作用し、相手CPUに対して何らかのデ−タ送信を直接要求するかどうかを記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程、204aは工程203aが送信要求有の時に作用し、送信要求デ−タのアドレス等の要求内容コマンドを送信する工程、205aは工程203aが送信要求無の時に作用し、相手CPUに対して割込みで送信したいデ−タがあるかどうかの必要性を記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程である。
【0031】206aは工程205aが割込送信必要有の時に作用し、不定期デ−タを送信する工程、207aは工程205aが必要性無の時に作用し、相手CPUから割込みでデ−タ送信を要求されているかどうかを記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程、208aは工程207aが被要求有の時に作用し被要求デ−タを送信する工程、209aは工程207aが被要求デ−タ無の時に作用して定期デ−タを送信する工程、210aは工程202a、204a、206a、208a、209a等でデ−タやコマンドが送信された時に作用し、図1における第一のデ−タ間隔タイマ20aを起動する工程である。なお、上記各種送信デ−タは送信デ−タの内容やフレ−ム構成を示したコマンドと送信デ−タのアドレスや該アドレスに格納するデ−タなどによって構成されている。一方、200bはサブCPU10b側の動作開始工程であり、該開始工程は図1における第二の直並列変換器19bと第二の割込制御手段18bの動作に応動して活性化される。
【0032】201bはメインCPU10aからの各種送信デ−タや送信コマンドをサブCPU10b側で受信する工程、202bは工程201bで受信した一連のデ−タの内容をチェックする判定工程、203bは工程202bで受信デ−タが異常である時に作用して、メインCPU10aに対する回答として再送要求を送信する工程、204bは工程202bで受信デ−タが正常である時に作用して、メインCPU10aに対する回答として正常受信であったことを送信する工程、205bは動作終了工程である。なお、工程203bや工程204bにおける確認回答情報の送信は、図3におけるサブCPU10b側の様々なデ−タ送信の合間で割込み送信されるものである。
【0033】メインCPU10a側の工程211aはサブCPU10b側からの確認回答を受信する工程、212aは工程210aで起動された第一のデ−タ間隔タイマ20aが所定時間を超過しているかどうかを判定する工程、213aは工程212aがタイムアウトであると判定した時に作用し、図1のリセット出力手段21によってサブCPU10bをリセットして再起動させる工程、214aは工程212aがタイムアウトで無い時に作用して、サブCPU10bからの確認回答を未受信であれば工程211aへ復帰し、確認回答を受信すれば工程215aへ移行する判定工程、215aは工程211aにおける確認回答の内容がデ−タ再送要求であれば工程201aへ復帰し、確認回答の内容が正常受信であれば工程216aに移行する判定工程である。
【0034】216aは一連の送信が完了したかどうかを格納した図示しないフラグの状態を判定する工程、217aは工程216aが送信完了判定である時に作用して、上記各種フラグをリセットする工程、218aは工程216aが送信完了で無い時に作用し、引続き送信するべきデ−タのアドレスを更新設定する工程、219aは工程213a、217a、218aに続いて動作し、工程210aで起動された第一のデ−タ間隔タイマ20aをリセットする工程、220aはこれに続く終了工程である。なお、202aは制御定数送信手段、202bはサムチェック手段、203bは再送要求手段、204aは直接要求手段、206aや208aは不定期デ−タ送信手段、209aは定期デ−タ送信手段、212aはタイムアウトチェック手段となるものである。
【0035】図3はサブCPU10bからメインCPU10aへのデ−タ送信に関する動作説明用フロ−チャ−トである。図3において、300bは図1における第二の割込間隔タイマ手段17bの動作に応動してサブCPU10bに対する割込みが発生したことにより活性化される動作開始工程、303bは相手CPUに対して何らかのデ−タ送信を直接要求するかどうかを記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程、304bは工程303bが送信要求有の時に作用し、送信要求デ−タのアドレス等の要求内容コマンドを送信する工程、305bは工程303bが送信要求無の時に作用し、相手CPUに対して割込みで送信したいデ−タがあるかどうかの必要性を記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程である。
【0036】306bは工程305bが割込送信必要有の時に作用し、不定期デ−タを送信する工程、307bは工程305bが必要性無の時に作用し、相手CPUから割込みでデ−タ送信を要求されているかどうかを記憶する図示しないフラグの状態を判定する工程、308bは工程307bが被要求有の時に作用し被要求デ−タを送信する工程、309bは工程307bが被要求デ−タ無の時に作用して定期デ−タを送信する工程、310bは工程304b、306b、308b、309b等でデ−タやコマンドが送信された時に作用し、図1における第二のデ-タ間隔タイマ20bを起動する工程である。なお、上記各種送信デ−タは送信デ−タの内容やフレ−ム構成を示したコマンドと送信デ−タのアドレスや該アドレスに格納するデ−タなどによって構成されている。一方、300aはメインCPU10a側の動作開始工程であり、該開始工程は図1における第一の直並列変換器19aと第一の割込制御手段18aの動作に応動して活性化される。
【0037】301aはサブCPU10bからの各種送信デ−タや送信コマンドをメインCPU10a側で受信する工程、302aは工程301aで受信した一連のデ−タの内容をチェックする判定工程、303aは工程302aで受信デ−タが異常である時に作用して、サブCPU10bに対する回答として再送要求を送信する工程、304aは工程302aで受信デ−タが正常である時に作用して、サブCPU10bに対する回答として正常受信であったことを送信する工程、305aは動作終了工程である。なお、工程303aや工程304aにおける確認回答情報の送信は、図2におけるメインCPU10a側の様々なデ−タ送信の合間で割込み送信されるものである。
【0038】サブCPU10b側の工程311bはメインCPU10a側からの確認回答を受信する工程、312bは工程310bで起動された第二のデ−タ間隔タイマ20bが所定時間を超過しているかどうかを判定する工程、313bは工程312bがタイムアウトであると判定した時に作用し、図1における第二の記憶素子24bを作動させる工程、314bは工程312bがタイムアウトで無い時に作用して、メインCPU10aからの確認回答を未受信であれば工程311bへ復帰し、確認回答を受信すれば工程315bへ移行する判定工程、315bは工程311bにおける確認回答の内容がデ−タ再送要求であれば工程303bへ復帰し、確認回答の内容が正常受信であれば工程316bに移行する判定工程である。
【0039】316bは一連の送信が完了したかどうかを格納した図示しないフラグの状態を判定する工程、317bは工程316bが送信完了判定である時に作用して、上記各種フラグをリセットする工程、318bは工程316bが送信完了で無い時に作用し、引続き送信するべきデ−タのアドレスを更新設定する工程、319bは工程313b、317b、318bに続続いて動作し、工程310bで起動された第二のデ−タ間隔タイマ20bをリセットする工程、320bはこれに続く終了工程である。なお、サブCPU10bは運転開始時に第二のRAMメモリ12b内の制御定数の内容をチェックして、これにエラ−があれば工程303bで割込要求を行い、工程304bで要求コマンドを送信する。その結果、図2の工程208aによって必要とする制御定数がメインCPU10aからサブCPU10bへ送信されることになる。以上の説明において、302aはサムチェック手段、303aは再送要求手段、304bは直接要求手段、306bや308bは不定期デ−タ送信手段、309bは定期デ−タ送信手段、312bはタイムアウトチェック手段となるものである。
【0040】以上の実施の形態においては、第二のデ−タ間隔タイマ20bによって、メインCPU10aの通信異常(タイムアウト)を検出した時、サブCPU10b側ではメインCPU10aから得られた情報が不確定であるため、自衛策として第二の記憶素子24bを作動させて第二の出力ゲ−ト16bによる一部の出力を停止したり、第二の警報・表示器28bを作動させているが、この時メインCPU10aをリセットして再起動させるようにしても良い。また、第一・第二の記憶素子24a・24bによって、それぞれの側の出力停止を行っているが、例えば第一の記憶素子24aの動作に応動して、第一の出力ゲ−ト16aを停止するだけでなく、第二の出力ゲ−ト16bも停止するように相互に関連のある出力を停止することもできる。更に、上記第一・第二の出力ゲ−ト16a・16bは、特定の車載負荷の駆動回路に設けられた電磁リレ−を遮断するようにしても良い。
【0041】また、以上の実施の形態では、ウォッチドッグ信号の異常や通信異常が一度発生するとこれを記憶して、出力停止や警報表示を行うようになっているが、これらの異常が複数回発生した時に出力停止や警報表示を行うようにするカウンタ回路を設けても良い。更に、第一・第二のRAMメモリ12a・12bは電源スイッチ3が遮断されて車両の運転を停止されても、第一電源端子2aから給電されてメモリ内容が保持されるようになっている。しかし、誤ってル−ムランプを点灯したままで長時間駐車して車載バッテリ2の電圧が異常低下したり、何らかの保守作業でバッテリ端子が外されるとRAMメモリの内容が消失する。
【0042】この場合、サブCPU10bで必要とされる制御定数は、運転開始時にデ−タ異常となってサブCPU10bからの要求によって第一の不揮発メモリ11aから第二のRAMメモリ12bへ転送されるが、メインCPU10aやサブCPU10b内の各種学習デ−タ等は回復することができない。その対策として、図1の電源スイッチ3の代わりに電源リレ−の出力接点を用い、該電源リレ−は電源スイッチの動作に応じて瞬時動作・遅延復帰させるようにしておけば、電源スイッチの遮断後も暫くは第二電源端子に電圧が供給されており、この間に例えば第二のRAMメモリ12bの内容をEE−PROM等の第三の不揮発メモリ31に退避し、運転再開時には第三の不揮発メモリ31から第二のRAMメモリ12bへ転送することができる。これは第一のRAMメモリ12a側でも同様であり、第一のデ−タバス30aに図示しない不揮発メモリを接続しておけば良い。
【0043】図2・図3で説明した実施の形態においては、メインCPU10a、サブCPU10bの両方で定期デ−タ送信手段209a、309bや自発的な不定期デ−タ送信手段206a、306bと受動的な不定期デ−タ送信手段208a、308bを備えているが、自発的な不定期送信デ−タはその内容の変化の有無に係わらず定期送信デ−タの一部として定期的に送信するようにしても良いし、相手CPUに対する直接要求は例えばメインCPU10aからサブCPU10bに対してのみ有効とするなどの様々な変形形態を用いることが可能である。また、メインCPU10aは運転開始時に必ず制御定数の送信を行うようにすることもできる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によれば、電源スイッチを介して車載バッテリから給電される車載電子制御装置であって、外部ツ−ルから被制御車両対応の第一の制御プログラム及び制御定数が少なくとも書込まれる第一の不揮発メモリと演算処理用の第一のRAMメモリ及び第一の入出力ポ−トを備えたメインCPU、第二の制御プログラムが書込まれた第二の不揮発メモリと演算処理用の第二のRAMメモリ及び第二の入出力ポ−トを備えたサブCPU、被制御車両の運転中においてメインCPUとサブCPU間で相互にデ−タ交信を行う全二重双方向シリアル通信用直並列変換器を備え、被制御車両の運転開始時には第一の不揮発メモリに格納された制御定数の一部がシリアル通信用直並列変換器を介して第二のRAMメモリに転送され、サブCPUは第二の不揮発メモリの第二の制御プログラムの内容と、第二のRAMメモリに転送された制御定数の内容に応じて所定の演算を行うので、全体制御を受持つメインCPUは被制御車両の車種対応で制御プログラムや制御定数の変更ができると共に、特定機能を受持つサブCPUも被制御車両の車種対応で制御定数の変更ができるため、制御装置全体の標準化が可能となるものであって、運転開始時は制御定数のみを転送すれば良いのでシリアル通信であっても短時間に運転可能状態となる効果がある。また、運転中にあってはシリアル通信によって各CPU相互に各種制御デ−タの交信を行っているので、確実に機能分担が行えると共に、相互交信のために各CPUの入出力ポ−トが増加しない効果がある。
【0045】また、請求項2記載の発明によれば、各CPU及びメモリに給電する第二の電源端子と、電源スイッチを介さず車載バッテリに接続され、少なくとも第二のRAMメモリに給電する第一の電源端子とを備え、電源スイッチが遮断されても、少なくとも第二のRAMメモリの内容は第一の電源端子から給電されることにより保持されるので、外部ツ−ルを用いて第一の不揮発メモリに対して制御プログラムや制御定数の新規書込や書換えが行われた直後の状態を除いて、通常は第二のRAMメモリに対する制御定数の転送は不要であり、駐車中に車載バッテリ端子の開放などが行われた時や車載バッテリの異常電圧低下などがあった時のみ、制御定数の異常を検出して再送すれば良いので制御定数の無駄な送信を行わなくても良いという効果がある。
【0046】また、請求項3記載の発明によれば、第三の不揮発メモリをさらに備え、電源スイッチの遮断時に第二のRAMメモリの内容は第三の不揮発メモリに退避され、電源スイッチの再投入時に第三の不揮発メモリから第二のRAMメモリに転送されるので、外部ツ−ルを用いて第一の不揮発メモリに対して制御プログラムや制御定数の新規書込や書換えが行われた直後の状態を除いて、通常は第二のRAMメモリに対する制御定数の転送は不要であり、駐車中に車載バッテリ端子の開放などが行われた時や車載バッテリの異常電圧低下などがあっても、制御定数の転送は不要であり制御定数の無駄な送信を行わなくても良いという効果がある。
【0047】また、請求項4記載の発明によれば、メインCPU及びサブCPUは、被制御車両の運転開始時において第一の不揮発メモリの内容が変更されている時に第一の不揮発メモリに格納された制御定数をサブCPUに送信する制御定数送信手段と、第一の不揮発メモリの内容が変更されていない場合に送信側CPUから受信側CPUに対してデ−タの送信を割込要求することができる直接要求手段と、この直接要求手段による割込要求は無いが送信側CPUから受信側CPUへの割込送信の必要が有る場合及び割込送信の必要が無くても受信側CPUから送信側CPUへのデータ要求が有る場合に送信データを不定期データとして送信する不定期デ−タ送信手段と、直接要求手段による割込要求、割込送信の必要及び受信側CPUから送信側CPUへのデータ要求の全てが無い場合に送信データを定期データとして周期的に送信する定期データ送信手段とを備えたので、常時は両CPU間で周期的に定期デ−タの交信を行っていて、例外的に発生する不定期デ−タの送信や被要求デ−タの送信を必要に応じて介在させるようにしたので、自由度が高く・効率的に必要デ−タの交信が行える効果がある。また、第一の不揮発メモリの内容に変更がない限り、通常は制御定数の転送は不要であり、電源スイッチの投入に即応して制御装置は運転可能状態となる効果がある。
【0048】また、請求項5記載の発明によれば、メインCPUまたはサブCPU側の少なくとも一方のデ−タバスにはダイレクトメモリアクセスコントロ−ラが接続され、シリアル通信用直並列変換器を介して受信した送信デ−タが受信側CPUを介さないで受信側RAMメモリに格納されるので、シリアル通信デ−タの受取側CPUが本来の車両制御プログラムを実行している間でも、デ−タバスを使用していない期間には自動的にシリアル通信デ−タを受取側のRAMメモリに格納することができ、手軽に高速通信が行える効果がある。
【0049】また、請求項6記載の発明によれば、メインCPU及びサブCPUは、シリアル通信用直並列変換器による受信デ−タを受信側CPUでエラ−チェックするサムチェック手段と、このサムチェック手段が受信デ−タに誤りがあると判定した時に送信側CPUに対して受信データの再送を要求する再送要求手段と、送信側CPUから受信側CPUへの送信開始時刻とサムチェック手段からの受信データの確認回答受信時刻とが所定時間間隔であるか否かを判定するタイムアウトチェック手段とを備えたので、受信デ−タに誤りがあれば再送要求手段によってこれを是正するが、相手CPUの異常状態にあってはタイムアウトチェック手段によってこれを認知することができるので、各CPUは誤った制御定数や制御デ−タに基づいた制御を行わないようにして安全性を確保できる効果がある。
【0050】また、請求項7記載の発明によれば、メインCPUはサブCPUのウォッチドッグ信号及び通信のタイムアウトチェック結果を監視して、サブCPUの動作異常時にリセットパルス出力を発生してサブCPUを再起動するリセット出力手段を備えると共に、メインCPUのウォッチドッグ信号を監視して、動作異常時にリセットパルス出力を発生してメインCPUを再起動させるウォッチドッグタイマ回路を備えているので、サブCPUはメインCPUによってウォッチドッグ信号による暴走監視とタイムアウトチェックによる通信異常監視が行われていて、異常時は直ちにサブCPUをリセットして再起動することになる。また、メインCPUはウォッチドッグタイマ回路よって暴走監視が行われ、異常時は直ちにメインCPUをリセットして再起動すると共に、サブCPUによるメインCPUの通信タイムアウトチェック結果が通信異常であればその原因がメインCPUの暴走による場合に限って暴走監視の結果としてメインCPUがリセットされて再起動されるようになっている。このようなリセット手段によって、車両の全体制御状態を知らないサブCPUによって、メインCPUのリセットを行わないようにして全体の安全性を向上すると共に、制御の分担を効果的に行えるようになる効果がある。
【0051】また、請求項8記載の発明によれば、リセットパルス出力の発生を記憶すると共に、電源スイッチの遮断または再投入によってリセットされる記憶素子、この記憶素子の動作に応じて一部の負荷の駆動を停止する出力停止回路、記憶素子の動作に応じて動作異常の警報、表示を行う警報表示手段を備えているので、CPUが暴走や通信異常によってリセットされ直ちに再起動して正常運転に回復したと見られる場合であっても、一部の制御出力は出力停止されるので安全性を損なうことが無く、警報・表示器によって運転手がこれを認知することができる。これがノイズ等による一時的な異常であれば電源スイッチを再投入することで正常復帰するが、度重なる異常動作が発生するようであれば保守点検を促す材料となって安全性を確保することができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2002−108835(P2002−108835A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−298351(P2000−298351)