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【発明の名称】 カード検査装置
【発明者】 【氏名】千葉 郁夫

【要約】 【課題】本発明はカード検査装置に関し、カードの表裏両面から検査が確実にできるようにし、カードスロットとカード間の入出力信号に外来ノイズが侵入した場合でも外来ノイズの影響や信号の減衰による動作不良を防止する。

【解決手段】カード検査装置本体6Aと、第1回路部基板11と、検査対象カード5Aを装着可能な第2回路部基板12と、第1、第2回路部基板間に接続されたケーブル14を備え、ケーブル14は第1、第2回路部基板間での信号伝送に必要な導体を有すると共に、カード5Aを装着した第2回路部基板12側を裏返しても元に戻らない程度の柔軟性を有するケーブルで構成した。また、第1回路部基板11はカードスロット2Aへ装着可能なダミーカード13を有し、このダミーカード13はカードスロット2Aと第1回路部基板11の回路との間を電気的に接続するための端子及び配線を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】情報処理装置のカード型周辺機器として使用されるカードを検査するカード検査装置本体と、情報処理装置のカードスロットへ装着可能な第1回路部基板と、検査対象のカードを装着可能な第2回路部基板と、前記第1、第2回路部基板間に接続されたケーブルを備え、前記ケーブルは、第1、第2回路部基板の各回路部間での信号伝送に必要な導体を有すると共に、カードを装着した第2回路部基板側を裏返しても元に戻らない程度の柔軟性を有するケーブルで構成したことを特徴とするカード検査装置。
【請求項2】前記第1回路部基板は、情報処理装置のカードスロットへ装着可能なダミーカードを備えると共に、前記ダミーカードは、前記カードスロットへ装着した状態で、カードスロットと第1回路部基板の回路部との間を電気的に接続するために必要な端子及び配線を備えていることを特徴とする請求項1記載のカード検査装置。
【請求項3】前記第1、第2回路部基板の各回路部は、それぞれカードスロットとカード間の信号伝送を行うための差動型ラインドライバ及び差動型ラインレシーバを備え、前記第1回路部基板と第2回路部基板で、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバが対になって配置され、それらの間がケーブルにより接続されていることを特徴とする請求項1記載のカード検査装置。
【請求項4】前記差動型ラインドライバは、入力信号を正位相と180度反転させた逆位相の2種類の信号を出力する機能を備え、前記差動型ラインレシーバは、前記差動型ラインドライバから出力された2種類の信号を受信して、それらの信号の差を演算し、該演算結果に応じた論理レベルの信号を出力する機能を備えると共に、前記差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバ間のケーブルの差動型ラインレシーバ側に、該ケーブルの特性インピーダンスに合わせた終端抵抗が接続されていることを特徴とする請求項3記載のカード検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータ(以下、単に「PC」とも記す)等の各種情報処理装置のカード型周辺機器として使用される各種カード(例えば、LANカード、モデムカード、SCSIカード、ISDNカード、メモリカードと呼ばれているPCカードなど)を検査するためのカード検査装置に関する。なお、前記PCカードは、パーソナルコンピュータ用のカード型周辺機器の規格として定められたカードである。
【0002】
【従来の技術】従来例の説明図を図8に示す。以下、PCカード検査装置の従来例について説明する。図8において、1はPC本体、2はPC本体1に内蔵されているPCカードスロット、3はPCカード装着部、4はPCカード装着部3に固定したプリント基板、5は検査対象のPCカード、6はPCカード検査装置本体、7はPCカード5の測定用のプローブ(測定用電極)、8はプローブ7とPCカード検査装置本体6間を電気的に接続するケーブル(この例では2本)である。
【0003】従来のPCカード検査装置は、例えば、オシロスコープ、ディジタルアナライザ、或いはその他の測定器等で構成したPCカード検査装置本体6と、該PCカード検査装置本体6に対しケーブル8を介して接続された測定用の2個のプローブ7(一方はGND側として使用する)と、プリント基板4及びPCカード装着部3等で構成されている。
【0004】ところで、PCカード5の検査は、例えば、市場から製品に対するクレームが発生して返却されたPCカードや、製造過程で不良と判断されたPCカードなどについて、不具合のある部品等を特定するために行うものである。例えば、モデムカードの場合、オンフック、オフフック機能が正しく行われているかを確認するために、オンフック、オフフックを行うための信号が、どの部品迄は出ているとか、出ていないとかを確認するための検査を行う。
【0005】この場合、不良品の解析、故障箇所の特定などのために、温度、湿度等の環境を変えながらPCカードの機能、性能等に関しての検査、或いは検証(PCカードの種類により、検査、或いは検証の内容は異なる)も実施する。
【0006】このようなPCカード5の検査を行う場合、PCカード5の表面の被覆を除いた状態、又は、最初から被覆をしない状態で、電極や配線等の導体部分を露出させ、この露出した導体部分のうち、検査対象となっている部分に測定用のプローブ7(この例では、先端が尖ったもの)を接触(或いは固定)させる。
【0007】そして、PCの入力装置(キーボード、マウス等)を操作して検査に必要な制御情報等を入力し、PCカード5を動作状態にして、PCカード検査装置本体6により前記導体部分の電圧を測定したり、信号波形を観測したりする。従って、PCカード5を直接PCカードスロット2に挿入した状態では、PCカード5の前記露出した導体部分がPCカードスロット2内に入ってしまい必要な検査ができない。
【0008】そこで、従来のPCカード検査装置では、図8のように構成している。すなわち、PCカード装着部3は、検査対象のPCカード5を装着できるようしたものであり、PCカードスロット2内の端子構造と同じ構造になっている。また、プリント基板4の開放端側は、PCカードスロット2内に装着できる寸法に構成され、PCカード装着部3に装着されたPCカード5の該当する端子と、PCカードスロット2に設けた端子(又は、電極、コネクタ等)とを電気的に接続するのに必要な配線パターンが印刷形成されている。
【0009】そして、PCカード5をPCカード装着部3に装着し、プリント基板4の開放端をPCカードスロット2に装着した状態で、PCカード5の端子とPCカードスロット2内の端子とが電気的に接続されるようになる。すなわち、PCカード5をPCカードスロット2に装着した場合と同じ電気的接続が実現するようになっている。
【0010】この場合、PCカードスロット2の出口部分から、PCカード装着部3の先端部までの距離を、プリント基板4により延長(1例として、約110mmほど延長)させて使用できるようにしてある。しかし、PCカードスロット2からPCカード装着部3までを、プリント基板で延長したとしても、外来ノイズの影響、信号の減衰などにより、正常にPCカードが動作しないことが起こりうる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。すなわち、従来のPCカード検査装置は、PCカードスロット2からPCカード装着部3までをプリント基板4で約110mmほど延長させただけに止まっている。この場合、プリント基板4は、約1.2mm厚のプラスチック製である場合が多く、柔軟性がなく、折り曲げることができない。
【0012】そのため、動作時にPCカードの信号波形をPCカード検査装置(例えば、オシロスコープなど)で検査する場合、カード上面に実装された部品からの信号波形、電圧等の検査対象部の状態は確認できるが、PCカード下面に実装された部品からの信号波形を検査するには、あらかじめ測定箇所に線材を半田付けする、といった前処理が必要となる。しかし、多くの部品は小型化されており、半田付けを行うのは困難である。
【0013】また、PCカード動作時の温湿度に関する検査(温湿度試験)を行う場合には、恒温槽へPCカードを投入する必要があるが、投入にあたっては、PC(パーソナルコンピュータ)からPCカードまでを約1mほど引き延ばす必要があり、従来のPCカード検査装置においては、長さや柔軟性の面からPCカードのみを恒温槽に入れることは不可能である。従って、PCカード動作時の温湿度に関する検査は困難であった。
【0014】また、仮に、何らかの手段により、PCカードの位置をPCカードスロットから検査に必要な位置まで延長できたとしても、検査対象のPCカードは、PCに内蔵されたPCカードスロットから外部へ延長させた位置で検査を行うため、外来ノイズの影響や、信号の減衰などにより、正常にPCカードが動作しないことも起こりうる。
【0015】本発明は、このような従来の課題を解決し、PCカードのような検査対象カードの表裏両面からの情報を用いた検査が簡単、かつ確実に実施できるようにすると共に、カードスロットとカード間の入出力信号に外来ノイズが侵入した場合でも、外来ノイズの影響や信号の減衰による動作不良が起こらないようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
【0017】(1) :情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)のカード型周辺機器として使用されるカード(例えば、PCカード)を検査するカード検査装置本体と、情報処理装置のカードスロット(例えば、PCカードスロット)へ装着可能な第1回路部基板と、検査対象のカードを装着可能な第2回路部基板と、第1、第2回路部基板間に接続されたケーブルを備え、前記ケーブルは、第1、第2回路部基板の各回路部間での信号伝送に必要な導体を有すると共に、カードを装着した第2回路部基板側を裏返しても元に戻らない程度の柔軟性を有するケーブルで構成した。
【0018】(2) :前記(1) のカード検査装置において、第1回路部基板は、情報処理装置のカードスロットへ装着可能なダミーカードを備えると共に、ダミーカードは、カードスロットへ装着した状態で、カードスロットと第1回路部基板の回路部との間を電気的に接続するために必要な端子及び配線を備えている。
【0019】(3) :前記(1) のカード検査装置において、第1、第2回路部基板の各回路部は、それぞれカードスロットとカード間の信号伝送を行うための差動型ラインドライバ及び差動型ラインレシーバを備え、第1回路部基板と第2回路部基板で、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバが対になって配置され、それらの間がケーブルにより接続されている。
【0020】(4) :前記(3) のカード検査装置において、差動型ラインドライバは、入力信号を正位相と180度反転させた逆位相の2種類の信号を出力する機能を備え、差動型ラインレシーバは、差動型ラインドライバから出力された2種類の信号を受信して、それらの信号の差を演算し、該演算結果に応じた論理レベルの信号を出力する機能を備えると共に、前記差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバ間のケーブルの差動型ラインレシーバ側に、該ケーブルの特性インピーダンスに合わせた終端抵抗が接続されている。
【0021】(作用)前記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づいて説明する。
【0022】カード検査装置でカード5Aを検査する場合には、第1回路部基板11に設けたダミーカード13を、情報処理装置のカードスロット2Aに装着すると共に、第2回路部基板12に設けたPCカード装着部3に検査対象のカード5Aを装着し、第1回路部基板11と第2回路部基板12に電源を供給する。この状態で、情報処理装置の入力装置から検査に必要な制御情報を入力し、カード5Aを動作状態にし、プローブ7をカード5Aの検査対象の導体部分に接触(或いは固定)させて検査を行う。
【0023】この検査では、カード5Aの動作状態に応じて変化する検査対象部分の電圧を測定したり、その部分の信号波形を観測する。すなわち、前記電圧や信号波形が予期した状態となっているか否か、などの検査結果によりカード5Aの状態を検査する。この検査において、■:前記(1) では、情報処理装置のカードスロット2Aへ装着可能な第1の回路部基板11と、検査対象のカード5Aを装着可能な第2回路部基板12との間を、カード5Aを装着した第2回路部基板12側を裏返しても元に戻らない程度の柔軟性を有するケーブル14で接続している。
【0024】そのため、カード5Aを装着した第2回路部基板12側をひねって裏返すことが容易にでき、その状態を確実に維持できる。これによって、例えば、カード5Aの動作をカード検査装置本体6Aにより解析し検査する場合には、カード5Aの上面だけでなく、カード5Aの下面に実装された部品からの信号波形などを容易に確認し、解析することができる。
【0025】■:前記(2) では、第1回路部基板11はカードスロット2Aへ装着可能なダミーカード13を備え、このダミーカード13はカードスロット2Aへ装着した状態で、カードスロット2Aと第1回路部基板11との間を電気的に接続するために必要な端子及び配線を備えている。
【0026】従って、情報処理装置のカードスロット2Aにダミーカードを装着すれば、情報処理装置のカードスロット2A内の端子と、第1回路部基板11の端子との間を電気的に接続することができる。そのため、検査対象のカード5Aをカードスロット2Aから所定距離だけ延長した状態で、カードスロット2Aとの電気的な接続を行い必要な検査を行うことが可能になる。
【0027】■:前記(3) では、第1、第2回路部基板11、12の各回路部は、それぞれカードスロット2Aとカード5A間の信号伝送を行うための差動型ラインドライバ及び差動型ラインレシーバを備え、第1回路部基板11と第2回路部基板12で、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバが対になって配置され、それらの間がケーブル14により接続されている。
【0028】そのため、カードスロット2Aとカード5A間の入出力信号に外来ノイズが侵入した場合でも、外来ノイズの影響や信号の減衰による動作不良が起こらないようにすることが可能となる。
【0029】■:前記(4) では、差動型ラインドライバは、入力信号を正位相と180度反転させた逆位相の2種類の信号を出力する機能を備え、差動型ラインレシーバは、差動型ラインドライバから出力された2種類の信号を受信して、それらの信号の差を演算し、該演算結果に応じた論理レベルの信号を出力する機能を備えると共に、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバ間のケーブル14の差動型ラインレシーバ側に、該ケーブル14の特性インピーダンスに合わせた終端抵抗が接続されている。
【0030】そのため、カードスロット2Aとカード5A間の入出力信号に外来ノイズが侵入した場合でも、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバにより、外来ノイズを打ち消し、正常な信号に補正することができる。従って、外来ノイズの影響や信号の減衰による動作不良を防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する例はPCカード検査装置の例であり、パーソナルコンピュータを、単に「PC」とも記す。
【0032】§1:PCカード検査装置の説明(1) :PCカード検査装置全体の構成の説明PCカード検査装置のブロック図を図2に示す。このPCカード検査装置は、PCのカード型周辺機器の規格として定められたPCカード5を検査対象として検査を行うカード検査装置の例であって、PCカード5の検査を行うためのPCカード検査装置本体6と、PC本体1のPCカードスロット2へ装着可能な第1回路部基板11と、PCカード5を装着可能な第2回路部基板12と、第1、第2回路部基板間に接続されたケーブル14(フラットケーブル、或いは、通常の断面が円形等のケーブル)を備え、ケーブル14は、第1、第2回路部基板11、12の各回路部間での信号伝送に必要な導体(複数の導体)を有すると共に、PCカード5を装着した第2回路部基板12側を裏返しても元に戻らない程度の柔軟性を有するケーブルで構成した。このケーブルは、例えば、塩化ビニール樹脂(PVC)や、ポリエチレン樹脂(PE)等で導体を被覆している。
【0033】また、第1回路部基板11は、PCカードスロット2へ装着可能なダミーカード13を備えると共に、ダミーカード13は、PCカードスロット2へ装着した状態で、PC本体1側のPCカードスロット2内に設けた端子(或いはコネクタ)と、第1回路部基板11の回路1の端子との間を電気的に接続するために必要な端子及び配線を備えている。
【0034】更に、第1、第2回路部基板11、12は、それぞれPCカードスロット2とPCカード5間の信号伝送を行うための差動型ラインドライバ及び差動型ラインレシーバを備え、第1回路部基板11と第2回路部基板12で、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバが対になって配置され、それらの間がケーブル14により接続されている。
【0035】すなわち、第1回路部基板11には、差動型ラインドライバ、差動型ラインレシーバ、信号切替回路等を含む回路部(以下、この回路を「回路1」と記す)を搭載しており、第2回路部基板12にも、差動型ラインドライバ、差動型ラインレシーバ、信号切替回路等を含む回路部(以下、この回路を「回路2」と記す)を搭載している(詳細は後述する)。
【0036】この場合、第1回路部基板11と、第2回路部基板12は、それぞれ、厚み約1.2mmのプリント基板を用いて構成する。また、第1回路部基板11と第2回路部基板12に電源を供給するため、外付けの電源部15を備えている。
【0037】なお、PCカード検査装置本体6には、ケーブル8を介して2個のブローブ7が接続されている。このプローブ7は、表面の被覆を無くしたPCカード(導体部分が露出した状態のPCカード)5に対し、測定対象の導体部分にプローブ7を接触(或いは固定)し、該当する部分の電圧等を測定したり、信号波形を観測できるようになっている。
【0038】(2) :第1、第2回路部基板の構成の説明第1、第2回路部基板のブロック図を図3に示す。図3において、回路1は第1回路部基板11上の回路、回路2は第2回路部基板12上の回路であり、PCカードスロット2→回路1→ケーブル14→回路2→PCカード装着部3→PCカード5の順で転送されるデータを「単方向データ1」、PCカード5→PCカード装着部3→回路2→ケーブル14→回路1→PCカードスロット2の順で転送されるデータを「単方向データ2」、PCカードスロット2とPCカード5の間で双方向に転送されるデータを「双方向データ」としてある。
【0039】この場合、単方向データ1と単方向データ2は信号系(或いは制御系)のデータであり、双方向データは、本来の転送データ(例えば、メモリから読み出されたデータ等)である。前記回路1、回路2にはそれぞれ、差動型ラインドライバ(以下、単に「ラインドライバ」とも記す)、差動型ラインレシーバ(以下、単に「ラインレシーバ」とも記す)、信号切替回路等が搭載されており、前記データの種類に応じて、回路1と回路2とで対応させてある。
【0040】例えば、単方向データ1の転送を行うために、回路1のラインドライバと回路2のラインレシーバを対応させ、単方向データ2の転送を行うために、回路2のラインドライバと回路1のラインレシーバを対応させてある。また、双方向データの転送を行うために、回路1のラインドライバ、ラインレシーバ、及び信号切替回路の組と、回路2のラインドライバ、ラインレシーバ、及び信号切替回路の組を対応させている。
【0041】このようにすれば、単方向データ1は、PCカードスロット2側(PC本体側)→回路1のラインドライバ→ケーブル14→回路2のラインレシーバ→PCカード装着部3→PCカード5の順で転送される。また、単方向データ2は、PCカード5→PCカード装着部3→回路2のラインドライバ→ケーブル14→回路1のラインレシーバ→PCカードスロット2の順で転送される。
【0042】更に、双方向データは、信号切替回路によりデータの転送方向に応じてラインドライバとラインレシーバの切替えが行われ、データの転送が行われる。すなわち、PCカードスロット2側からPCカード5側へのデータ転送時には、PCカードスロット2側(PC本体側)→回路1のラインドライバ→回路1の信号切替回路→ケーブル14→回路2の信号切替回路→回路2のラインレシーバ→PCカード装着部3→PCカード5の順でデータ転送が行われる。
【0043】また、PCカード5からPCカードスロット側へのデータ転送時には、PCカード5→PCカード装着部3→回路2のラインドライバ→回路2の信号切替回路→回路1の信号切替回路→ケーブル14→回路1のラインレシーバ→PCカードスロット2の順にデータ転送が行われる。
【0044】前記回路1、2において、信号切替回路は、例えば、2入力のANDゲートで構成され、例えば、単方向データ1の伝送線(それぞれ複数の伝送線を有する)の中から、所定の2本の伝送線を選び、その伝送線の信号を前記ANDゲートの2入力として用いる。この例では、所定の2本の伝送線の信号を回路2で受信した信号と、この信号を回路1へ戻したものを、ANDゲートの2入力として用いている。
【0045】そして、単方向データ1の伝送路の信号レベルの変化により、前記ANDゲートの出力レベルが変化し、これにより信号切替回路でラインドライバとラインレシーバの切り替えが行われるようになっている。なお、信号切替回路では、ANDゲートの2入力が共にローレベルの時は、何れか一方側に切り替えられており、ANDゲートの2入力が共にハイレベルとなった時、ラインドライバとラインレシーバの切り替えが行われるようになっている。
【0046】§2:PCカード検査時の説明PCカード検査装置でPCカード5を検査する場合には、第1回路部基板11に設けたダミーカード13を、PC本体1に設けたPCカードスロット2に装着すると共に、第2回路部基板12に設けたPCカード装着部3にPCカード5を装着し、電源部15より、第1回路部基板11と第2回路部基板12に電源を供給する。なお、PC本体1とPCカード検査装置本体6は、それぞれ独立した電源を備えており、商用電源から電源を供給する。
【0047】この状態で、PCの入力装置(キーボード、マウス等)から検査に必要な制御情報を入力し、検査対象のPCカード5を動作状態にし、プローブ7をPCカード5の検査対象の導体部分に接触(或いは固定)させて検査を行う。この検査において、PCカード5の表裏両面を使って検査を行う場合、先ず、PCカード5を装着した第2回路部基板12を表側(何れか一方側)にしてPCカード5の表面側から検査を行う。
【0048】続いて、PCカード5を装着した第2回路部基板12を人手によって引っ繰り返し、裏側(他方側)にして、PCカード5の裏面側から検査を行う。この場合、PCカード5を装着した第2回路部基板12を引っ繰り返しても、ケーブル14が柔軟性を有するため、PCカード5は元の位置へ戻ることなく、確実に検査を行うことが可能である。
【0049】この検査では、PCカード5の動作状態に応じて変化する検査対象部分の電圧を測定したり、その部分の信号波形を観測する。すなわち、前記電圧や信号波形が予期した状態となっているか否か、などの検査結果によりPCカード5の状態を検査する。なお、PCカードの種類により検査方法は異なる。
【0050】§3:PCカード検査時の詳細な機能等の説明ラインドライバ/レシーバの説明図を図4に示し、外来ノイズ低減機能の説明図を図5に示し、ラインドライバ/レシーバ(差動型ラインドライバ/差動型ラインレシーバ)不使用時の外来ノイズの影響説明図を図6に示し、終端抵抗使用時/不使用時の説明図を図7に示す。以下、図4〜図7に基づいて、PCカード検査時の詳細な機能等を説明する。
【0051】(1) :ラインドライバ/レシーバを使用する目的PCカード検査装置の構成を前記のようにし、回路1と回路2にラインドライバ及びラインレシーバを使用することで、外来ノイズの影響を低減し、信号の減衰による誤動作を防ぐことができる。図4のA図に示したように、回路1にラインドライバ(差動型ラインドライバ)を設けると共に、回路2にラインレシーバ(差動型ラインレシーバ)を設け、前記回路1のラインドライバと回路2のラインレシーバ間をケーブル(この例では、ケーブル長=1m)で接続する。そして、PCカードスロット2側から、電圧が5Vのパルス信号を入力した場合について、誤動作が防止できることを以下に説明する。
【0052】(2) :外来ノイズ除去による誤動作の防止図4のB図に示すように、ラインドライバは入力信号を正位相と、180度反転させた逆位相の2種類で出力する。これに対し、ラインレシーバは、これら2種類の信号を受信して、その電位差によってディジタル信号がハイレベル(論理1)か、ローレベル(論理0)かを出力する。
【0053】すなわち、差動型ラインドライバは、入力信号を正位相と180度反転させた逆位相の2種類の信号を出力する機能を備え、差動型ラインレシーバは、差動型ラインドライバから出力された2種類の信号を受信して、それらの信号の差を演算し、該演算結果に応じた論理レベルの信号を出力する機能を備えている。
【0054】なお、この例では、ラインドライバ、ラインレシーバは、米国のテキサスインスツルメンツ社製の製品(ラインドライバの製品番号は「AM26C31C」、ラインレシーバの製品番号は「AM26C32C」)を使用しており、前記ラインレシーバは、正位相側と逆位相側の電位差が0.2V以上であればハイレベル、−0.2V以下であればローレベルをそれぞれ出力する。
【0055】前記のように構成したので、図5に示すように、外来ノイズの影響でケーブル14にスパイクパルスが入り、一時的に正位相の電圧が0Vになり、逆位相側の電圧が−5Vになるといった影響が出たとしても、ラインレシーバ側の正位相側と逆位相側の電位差は、0V−(−5V)=+5Vであるので、ハイレベルが出力される。従って、外来ノイズの影響を低減、或いは防止することができる。
【0056】前記のように、2つの回路(回路1、回路2)間には、差動型ラインドライバ、差動型ラインレシーバを対にして使用しているので、外来ノイズの影響や信号の減衰等を低減することができる。
【0057】これによって、PCカードスロット2からケーブル14により、約1m程延ばしてPCカード5を装着しても、PCカード5の動作に支障のないことが実験により確認できている。また、ケーブル14により約1m程の引き延ばしが可能であれば、例えば、恒温槽にPCカード5を入れて、PCカード5の動作時の温湿度試験等を行うことも容易である。
【0058】なお、仮に、図6に示すように、前記のような差動型ラインドライバ、差動型ラインレシーバを使用していない場合は、外来ノイズの影響をまともに受けるため、出力信号は一時的にローレベルが出力されてしまい、誤動作の原因になり得る。
【0059】(3) :信号の減衰による影響の低減前記ラインレシーバ側には、信号伝送(或いは、信号伝達)による反射の影響を低減するために、図7のA図に示すように、前記差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバ間のケーブル14のラインレシーバ側に、該ケーブルの特性インピーダンスに合わせた終端抵抗が接続してある。このため、信号伝送による反射の影響が低減でき、より正常な出力信号が得られる。
【0060】なお、前記の説明では、PCカードを検査対象とした例について説明したが、本発明はこのような例に限らず、他の任意のカード型周辺機器や各種通信モジュール等についても同様に適用可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
【0062】(1) :請求項1では、情報処理装置のカードスロットへ装着可能な第1回路部基板と、検査対象のカードを装着可能な第2回路部基板との間を、カードを装着した第2回路部基板側を裏返しても元に戻らない程度の柔軟性を有するケーブルで接続している。
【0063】そのため、カードを装着した第2回路部基板側をひねって裏返すことが容易にでき、その状態を確実に維持できる。これによって、例えば、カードの動作をカード検査装置本体により解析し検査する場合には、カードの上面だけでなく、カードの下面に実装された部品からの信号波形などを容易に確認し、解析することができる。
【0064】(2) :請求項2では、第1回路部基板はカードスロットへ装着可能なダミーカードを備え、このダミーカードはカードスロットへ装着した状態で、カードスロットと第1回路部基板との間を電気的に接続するために必要な端子及び配線を備えている。
【0065】従って、情報処理装置のカードスロットにダミーカードを装着すれば、情報処理装置のカードスロット内の端子と、第1回路部基板の端子との間を電気的に接続することができる。そのため、検査対象のカードをカードスロットから所定距離だけ延長した状態で、カードスロットとの電気的な接続を行い必要な検査を行うことが可能になる。
【0066】(3) :請求項3では、第1、第2回路部基板の各回路部は、それぞれカードスロットとカード間の信号伝送を行うための差動型ラインドライバ及び差動型ラインレシーバを備え、第1回路部基板と第2回路部基板で、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバが対になって配置され、それらの間がケーブルにより接続されている。
【0067】そのため、カードスロットとカード間の入出力信号に外来ノイズが侵入した場合でも、外来ノイズの影響や信号の減衰による動作不良が起こらないようにすることが可能となる。
【0068】(4) :請求項4では、差動型ラインドライバは、入力信号を正位相と180度反転させた逆位相の2種類の信号を出力する機能を備え、差動型ラインレシーバは、差動型ラインドライバから出力された2種類の信号を受信して、それらの信号の差を演算し、該演算結果に応じた論理レベルの信号を出力する機能を備えると共に、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバ間のケーブルの差動型ラインレシーバ側に、該ケーブルの特性インピーダンスに合わせた終端抵抗が接続されている。
【0069】そのため、カードスロットとカード間の入出力信号に外来ノイズが侵入した場合でも、差動型ラインドライバと差動型ラインレシーバにより、外来ノイズを打ち消し、正常な信号に補正することができる。従って、外来ノイズの影響や信号の減衰による動作不良を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【出願日】 平成12年10月2日(2000.10.2)
【代理人】 【識別番号】100096530
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 辰夫 (外2名)
【公開番号】 特開2002−108644(P2002−108644A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−301710(P2000−301710)