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【発明の名称】 既存システム連携制御装置
【発明者】 【氏名】中島 孝浩

【氏名】川上 能徳

【氏名】根上 俊幸

【氏名】葛西 裕昭

【氏名】野坂 祥江

【氏名】斎藤 美佐

【要約】 【課題】企業や部門で各々独立に開発され運営されてきたシステムから、それらを連携させた統合システムを構築する際の統合化コスト、および、統合化した後の保守コストを可能な限り小さくすることが可能な既存システム連携制御装置を提供することを課題とする。

【解決手段】ユーザーサービス制御部20とフロー制御部10と、1つ以上の外部システム中継接続装置40とを備えて、これらの構成要素が汎用記法で記述された情報をやり取りすることにより複数の既存の情報処理システム50を連携させてより複雑な連携処理動作を行う複合情報処理システムを簡単に実現させることを可能とする既存システム連携制御装置1により上記課題を解決する。前記フロー制御部10は、与えられた処理要求に応えるための動作手順を定めた処理フローファイル15に従って動作する。処理要求、処理結果の汎用記法にタグ付き構造化言語を採用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ユーザーサービス制御部とフロー制御部と、1つ以上の外部システム中継接続装置とを備えて、既存の情報処理システムを連携させて動作させる既存システム連携制御装置であって、前記ユーザーサービス制御部は、利用者からの処理要求を汎用記法で記述された形式に変換して前記フロー制御部に渡すとともに、フロー制御部から汎用記法で記述された処理結果を受取り、これを利用者のクライアント装置に適合した形式に変換して利用者に返すものであり、前記フロー制御部は、汎用記法で記述された処理要求を解釈して、既存の情報処理システムと連絡するそれぞれの外部システム中継接続装置に必要な処理要求を適切な順序で発行し、それらの処理結果を受取り、必要なデータ変換を行いこれを集約して最終的に汎用記法で記述された処理結果を作成しユーザーサービス制御部に返すものであり、前記外部システム中継接続装置は、既存の情報処理システム毎に設計され用意されるものであって、汎用記法で記述された処理要求を受取り、これにしたがって担当する既存の情報処理システムに対して、そのシステムに依存する形式の処理要求を発行し、得られた結果を汎用記法で記述して前記フロー制御部に返すものであり、これらの構成要素が汎用記法で記述された情報をやり取りすることにより複数の既存の情報処理システムを連携させてより複雑な連携処理動作を行う複合情報処理システムを簡単に実現させることを可能とする既存システム連携制御装置。
【請求項2】 前記フロー制御部は、与えられた処理要求に応えるための動作手順を定めた処理フローファイルに従って動作するものであって、処理要求の種類に応じた複数の処理フローファイルを備えたものである請求項1に記載の既存システム連携制御装置。
【請求項3】 前記フロー制御部は、ユーザーサービス制御部から与えられた処理要求から適切な処理フローファイルを選択する処理フロー選択部と、選択された処理フローファイルを解釈して、必要な処理要求を発行し、あるいはデータ変換を実行し、得られた結果をユーザーサービス制御部に返す処理フロー実行部と、適切な外部システム中継接続装置を選択して、前記処理フロー実行部の発行した処理要求をそこへ転送するアダプタ制御部を備えるものである請求項2に記載の既存システム連携制御装置。
【請求項4】 前記ユーザーサービス制御部は、ユーザーからの処理要求を汎用記法で記述された処理要求に変換する処理要求変換部と、予め用意された処理結果変換規則を記述した処理結果変換ファイルの内容にしたがって、前記フロー制御部から返された処理結果をユーザーのクライアント装置に合わせたデータ形式に変換する処理結果変換部と、から構成されるものである請求項1に記載の既存システム連携制御装置。
【請求項5】 前記外部システム中継接続装置は、与えられた処理要求を、担当する既存システムに依存する処理要求に変換するための変換規則を定めた処理要求変換ファイルと、この既存システムより得られた処理結果を、汎用記法で記述するための変換規則を定めた結果変換ファイルとを備え、これらのファイルを参照して必要な変換を施して、既存システムとの中継接続を行うものである請求項1に記載の既存システム連携制御装置。
【請求項6】 前記既存システム連携制御装置が扱う処理要求、処理結果の汎用記法の記述および前記処理フローファイルの記述をタグ付きの構造化言語で行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の既存システム連携制御装置。
【請求項7】 前記既存システム連携制御装置が扱う処理要求、処理結果の汎用記法の記述および前記処理フローファイルの記述をXMLで行い、各種の変換ファイル中の変換手順の記述をXSLTで行うことを特徴とする請求項6に記載の既存システム連携制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】独立に開発された複数の情報処理システムを連携させるシステム制御技術またはそのような技術を用いた装置に関する。
【0002】
【従来技術】各々独立に開発されたシステム間の連携を行う為には、従来は、システムどうしで対話を行う為のフォーマットを独自に取り決め、システム毎にその取り決めに従ったプログラムの修正及び追加を行っていた。従来単一の企業や単一の業務ごとにシステムが構築され運用されている。近年、業務形態の変化やネットワークの普及などにより、企業間や業務間で既存のシステムを連携して新しいサービスを提供する機会が増えている。従来こうしたシステム間連携を実現するにあたっては、システム毎に処理要求やデータの授受の方法を独自に決めて開発し、その後の拡張や変更はあまり考慮されることがなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のシステム連携手法では、独自の交換データのフォーマットを用いることと、その交換データフォーマットに合わせたプログラム修正を施すことから、新たに連携を行うシステムを追加したい場合やそのシステム間の処理の流れを変更したい場合には、全てのシステムのプログラムの修正が発生するなど、開発時間及びコストが膨大にかかっていた。
【0004】本発明はこのような従来技術の問題点を考慮して考案されたものであって、企業や部門で各々独立に設計され開発され運用されてきたシステムから、それらを連携させた統合システムを構築する際の統合化コスト、および、統合化した後の保守コストを可能な限り小さくすることを可能とする既存システム連携制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、ユーザーサービス制御部とフロー制御部と、1つ以上の外部システム中継接続装置とを備えて、既存の情報処理システムを連携させて動作させる既存システム連携制御装置であって、前記ユーザーサービス制御部は、利用者からの処理要求を汎用記法で記述された形式に変換して前記フロー制御部に渡すとともに、フロー制御部から汎用記法で記述された処理結果を受取り、これを利用者のクライアント装置に適合した形式に変換して利用者に返すものであり、前記フロー制御部は、汎用記法で記述された処理要求を解釈して、既存の情報処理システムと連絡するそれぞれの外部システム中継接続装置に必要な処理要求令を適切な順序で発行し、それらの処理結果を受取り、必要なデータ変換を行いこれを集約して最終的に汎用記法で記述された処理結果を作成しユーザーサービス制御部に返すものであり、前記外部システム中継接続装置は、既存の情報処理システム毎に設計され用意されるものであって、汎用記法で記述された処理要求を受取り、これにしたがって担当する既存の情報処理システムに対して、そのシステムに依存する形式の処理要求を発行し、得られた結果を汎用記法で記述して前記フロー制御部に返すものであり、これらの構成要素が汎用記法で記述された情報をやり取りすることにより複数の既存の情報処理システムを連携させてより複雑な連携処理動作を行う複合情報処理システムを簡単に実現させることを可能とする既存システム連携制御装置により上記課題を解決することを要旨とする。
【0006】本発明の好ましい実施態様の一つは、前記フロー制御部は、与えられた処理要求に応えるための動作手順を定めた処理フローファイルに従って動作するものであって、処理要求の種類に応じた複数の処理フローファイルを備えた既存システム連携制御装置である。処理フローを実行するエンジン部分と処理フローの手順を記述する処理フローファイルを分離する事により、処理フローの変更に柔軟に対応できるようになる。また、処理フローファイルの記述方法に一定の規則が必要となることにより、結果的に既存情報処理システムの連携動作を統一的に記述することが可能となる。
【0007】前記実施態様を実現するため、より具体的には、前記フロー制御部は、ユーザーサービス制御部から与えられた処理要求から適切な処理フローファイルを選択する処理フロー選択部と、選択された処理フローファイルを解釈して、必要な処理要求を発行し、あるいはデータ変換を実行し、得られた結果をユーザーサービス制御部に返す処理フロー実行部と、適切な外部システム中継接続装置を選択して、前記処理フロー実行部の発行した処理要求をそこへ転送するアダプタ制御部を備えるように構成することが望ましい。
【0008】本発明の好ましい実施態様の一つは、前記ユーザーサービス制御部は、ユーザーからの処理要求を汎用記法で記述された処理要求に変換する処理要求変換部と、予め用意された処理結果変換規則を記述した処理結果変換ファイルの内容にしたがって、前記フロー制御部から返された処理結果をユーザーのクライアント装置に合わせたデータ形式に変換する処理結果変換部と、から構成されるようにした既存システム連携制御装置である。変換規則を処理結果変換ファイルの形で、変換処理ロジックから分離させることで、様々なユーザークライアント装置への対応を柔軟に実現させる事が可能となる。
【0009】本発明の好ましい実施態様の一つは、前記外部システム中継接続装置は、与えられた処理要求を、担当する既存システムに依存する処理要求に変換するための変換規則を定めた処理要求変換ファイルと、この既存システムより得られた処理結果を、汎用記法で記述するための変換規則を定めた結果変換ファイルとを備え、これらのファイルを参照して必要な変換を施して、既存システムとの中継接続を行うように構成した既存システム連携制御装置である。変換規則を処理要求変換ファイルおよび結果変換ファイルの形で、変換処理ロジックから分離させることで、様々な既存情報処理システムへの対応を柔軟に実現させる事が可能となる。
【0010】本願発明の既存システム連携制御装置が扱う処理要求、処理結果の汎用記法の記述および前記処理フローファイルの記述は、タグ付きの構造化言語で行うことが望ましい。処理要求や処理結果の表現は、一般に、何らかの構造を持っているからである。また、各種の変換規則を記述しやすいからである。特に、タグ付け構造化文書記述言語の標準の一つであるXML(eXtensible Markup Language)を用いることができる。XMLは、WWWブラウザなどのインターネット技術と親和性が高いので、本発明の既存システム連携制御装置ではXMLを用いることがより好ましい。
【0011】構造化データ表現としてXMLを用いる場合には、各種変換規則を表すファイルは、XML文書のスタイル記述言語であるXSL(eXtensible Stylesheet Language)のサブセットであるXSLT(XLS Translator)で記述すると都合がよい。XSLTは、XML文書の文書構造の変換処理を記述する言語である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明に係る既存システム連携制御装置の実施形態を説明してゆく。図1は、本発明に係る既存システム連携制御装置1の全体構成図である。既存システム連携制御装置1は、ユーザーからの処理要求を受付け、既存の情報処理システム50a、50b、‥を連携させて処理を実行し、その結果をユーザーに返答する。そのために、既存の情報処理システム50と連絡する外部システム中継接続装置40a、40b、‥、複数の既存情報処理システムを連携させるロジックを実行するフロー制御部10、ユーザーとのインターフェースを担うユーザーサービス制御部20を備える。
【0013】20はユーザーサービス制御部であって、遠隔地のコンピュータ8や既存システム連携制御装置1に備えられたグラフィカルユーザーインターフェース(以下GUI)手段30から受付けた利用者からの処理要求を、構造化データで記述された処理要求に変換してフロー制御部10に伝えるとともに、フロー制御部10が得た処理結果をユーザー端末装置である遠隔地のコンピュータ8やローカルのGUI手段30に伝える働きをする。尚51、52はそれぞれローカルのグラフィックディスプレイとキーボードマウス等の入力装置である。
【0014】ユーザー端末装置は、コンピュータに限られるものではなく、既存システム連携制御装置1とデータ通信ネットワーク9を構成することができる携帯電話端末であってもよい。ユーザサービス制御部と端末装置との間の処理要求のデータの受渡しに必要な通信手段としては、インターネットをはじめとして、様々なネットワーク環境の利用が考えられる【0015】外部システム中継接続装置(以下アダプタと記載)40は、それぞれ独立に開発され稼動している既存のアプリケーションシステム50a、50b、…、例えば、特定のデータベースデータを利用するアプリケーションや、特定の業務処理を実行するアプリケーションなどのうちのどれかに対応しており、フロー制御部10から受付けた動作命令にしたがって担当するアプリケーションシステムを駆動し、結果を汎用記法の表現にしてフロー制御部10に返す。アダプタ40と対応する既存のアプリケーションシステムとは、同一のコンピュータ上に存在することもあるし、一つのローカルエリアネットワーク上の異なるコンピュータ上に存在することもある。
【0016】図2は、ユーザーサービス制御部20の構造をさらに詳細に示した図である。ユーザーサービス制御部20は、処理要求変換部21と処理結果変換部22から構成され、処理結果変換部22は、変換索引ファイル23と適切に選択した処理結果変換ファイル24を参照して必要な変換処理を実行する。図4は、ユーザーサービス制御部20の行うユーザーサービス処理の流れを説明するフローチャートである。以下、図4にしたがってユーザーサービス制御部20の動作を説明する。
【0017】まず、ユーザサービス制御部は、個人の端末装置から送られて来る処理要求のデータを受け取る。端末装置から送られて来る処理要求のデータは、端末装置の仕様に依存した専用の記法によって記述されている。受け取った処理要求のデータは、処理要求変換部21に渡され、汎用記法の処理要求へ変換される(S21)。端末装置の仕様に依存した専用の記法で表現された処理要求のデータを、本装置に合わせた汎用記法に変換する。この専用記法から汎用記法に変換する機能は、端末装置の仕様に依存した形で実装される。
【0018】端末装置の操作画面のイメージと、そこから受けた専用記法による処理要求を処理要求変換部によって汎用記法の処理要求に変換した結果を、それぞれ図5の(a)、(b)に示す。処理要求の汎用記法による記述方法は特に規定はしないが、例えば、XMLの記法を用いた場合は、図5の(b)に示すような形での記述が考えられる。図5(a)は端末装置の画面上でユーザ(個人)が「商品分類が日用品」という条件で、商品を検索する際のイメージを表している。図5(b)は端末装置から受け取った専用記法による処理要求を、処理要求変換部21が汎用記法に変換した結果を表している。図中の「商品検索」とそれを囲むタグ部分は、「処理命令」といい、この処理要求が商品を検索するものであることをフロー制御部10に伝える。「日用品」とそれを囲むタグの部分は、検索条件が「商品分類が日用品」であることを、それぞれ表している。
【0019】ステップS21で生成した汎用記法による処理要求のデータを、後述のフロー制御部10に送る(S22)。フロー制御部10では、この処理要求に従って様々なデータ処理(ここでは条件に合致する商品の検索と、在庫情報の抽出)が行われ、その結果が、同じく汎用記法の形で、ユーザサービス制御部に返される。
【0020】ステップS21で送った処理要求の内容に従ってフロー制御部が行った処理の結果を、汎用記法の形で処理結果変換部22が受け取り、処理結果変換部22は、汎用記法で表現された処理結果を、端末装置に合わせた表現に変換する。そのためにまず、変換処理に適用する処理結果変換ファイル24を選択する(S23)。処理結果変換ファイル24の選択は、受け取った汎用記法の処理結果と、予め用意された変換索引ファイル23の内容に従って行われる。
【0021】図6に、汎用記法の処理結果と変換索引ファイル23の内容を示す。処理結果の汎用記法による記述方法は特に規定はしないが、例えば、XMLの記法を用いた場合は、図6の(b)に示すような形での記述が考えられる。変換索引ファイル23は、図6(a)に示すCSVファイルの形をとっており、ここには処理命令の文字列と、それに対応する処理結果変換ファイル24のファイル名が、記述されている。処理結果の汎用記法から専用記法へ変換は、この処理命令に対応した処理結果変換ファイルに従って行われる。
【0022】フロー制御部が返してくる処理結果は、図6(b)の部分に示すように、<request>〜</request>のユーザサービス制御部が送った汎用記法の処理要求に、<responce>〜</response>のフロー制御部側で行った処理の結果が追加された形になっている。フロー制御部側で追加した処理の結果の中の、<product id ="00001">〜</product>までが、検索条件に合致した商品1件分の情報を表しており、<name>〜</name>と<price>〜</price>が既存の情報処理システムの一つである商品情報データベースから取り出された商品名と価格を、<stocks>〜</stocks>が既存の情報処理システムの一つである在庫管理システムから取り出された、商品の在庫数を表している。
【0023】処理結果変換部22は、処理結果の中の処理命令を取出し、これをキーとして、処理結果に適用する処理結果変換ファイル24を選択する(S23)。
【0024】次に、処理結果変換部22は、ステップS23で選択した処理結果変換ファイル24を、フロー制御部10から受け取った汎用記法の処理結果に適用し、ユーザの端末の仕様に合わせた専用記法の処理結果に変換する(S24)。ここでは、ユーザの端末をWWW(World Wide Web)ブラウザ、専用記法をHTML(HyperText Markup Language)とした場合を想定して説明する。処理結果変換ファイル24の記述方法は特に規定はしないが、例えば、XSLTの記法を用いた場合は、図7に示すような形での記述が考えられる。図中の斜め↓部分が、汎用記法の処理結果の中のタグで囲まれた部分のテキストデータ(図6(b)の太字部分)を抽出することを表している。前頁の図6(b)の汎用記法の処理結果に対し、図7の処理結果変換ファイルに記述された変換ルールにしたがって、端末(WWWブラウザ)の専用記法(HTML)に変換した結果を図8に示す。図中の太字の部分が、結果変換ファイル(XSLT)の記述にしたがって、汎用記法(XML)の処理結果から抽出されたデータである。処理結果変換部で変換された図8の処理結果を、WWWブラウザで表示すると、図9のようになる。
【0025】図3は、フロー制御部10の構造をさらに詳細に示した図である。フロー制御部10は、ユーザーサービス制御部20からの処理要求を受け、適切な処理フローを選択する処理フロー選択部11と、適切に選択した処理フローファイル15に従い、必要に応じて構造変換ファイル16を参照して、連携処理ロジックを実行し、処理結果をユーザーサービス制御部20に返す処理フロー実行部12と、既存の情報処理システム用の各アダプタ40とのインターフェースをとるアダプタ制御部13とから構成される。
【0026】図10は、フロー制御部10の行うフロー制御処理の流れを説明するフローチャートである。以下、図10にしたがってフロー制御部10の動作を説明する。
【0027】まず、ユーザサービス制御部20からの汎用記法で記述された処理要求を受け取り、適切な処理フローファイル15を選択する(S11)。実際に処置要求を受け取るのは、フロー制御部の中の処理フロー選択部11である。処理フローの選択は、処理フロー索引ファイル14を参照して行われる。処理フロー索引ファイル14は、図11に示すように、処理命令の文字列と対応する処理フローファイルのファイル名が記述されている。処理フロー選択部11は、ユーザサービス制御部20から受け取った汎用記法の処理要求の中の処理命令(<instruction>と</instruction>で挟まれた文字列)の値と一致する処理命令に対応する処理フローファイルを選択する。
【0028】処理フローファイル15には、受け取った処理要求に対して、実際にどのような処理を行うかの手順が記述されている。処理フローファイル15は、処理命令の種類に対応して予め複数個用意されており、処理フロー索引ファイル14により、処理要求中に記述された処理命令の値をキーとして、実際の処理要求と関係付けられる。
【0029】処理フロー実行部12は、ステップS11で選択された処理フローファイル15と、汎用記法による処理要求を受け取り、選択された処理フローファイル15の中に記述された手順に従って受け取った処理要求に対する様々な処理を行う。実際には処理フローファイル15の内容にしたがって、次の1)〜3)のような処理を行う。
1)既存システムとの仲介を行うアダプタを制御するアダプタ制御部13(後述)に処理を依頼するために、新たな処理要求を生成し(S131)、これをアダプタ制御部13に渡す(S132)。
2)アダプタ制御部13から処理結果を受取り、受け取った処理結果から、さらに別の既存システムに対する処理要求を生成し(S131)、再びアダプタ制御部13に渡す(S132)。
3)必要に応じて、受け取った処理要求やアダプタ制御部13から受け取った処理結果などのマージや構造変換などの加工処理を施す(S133)。
【0030】処理フローファイルの記法は特に規定しないが、例えばXMLの記法を用いた場合は、図12のようになる。図12の処理フローの中の(1)〜(5)の各行が、実際に処理フロー実行部12で行われる処理の内容を記述した部分である。以下、各行に対応する処理の内容を順に説明する。尚、「商品情報DB」、「在庫管理システム」は、既存システム連携制御装置1が連携させる既存の情報処理システムである。
【0031】(1):「商品情報DB」への処理の依頼記述:<AdapterCtl name = "商品情報DB”request ="!REUEST" result ="prodlist.xml"/>‐この行では、本装置に接続されている既存システムの中の「商品情報DB」に、ユーザサービス制御部20から受け取った処理要求を渡し、商品情報の検索を依頼している。
‐実際には、この行の記述の内容が、アダプタ制御部13(後述)に渡され、そこで「商品情報DB」に接続されているアダプタが選択され、選択されたアダプタの中で処理要求が実行され、その処理結果が返ってくる。
‐「name = "商品情報DB"」の部分が、処理を行うアダプタを特定するための情報である。
‐「request ="!REUEST"」の「request =""」は、アダプタ制御部を経由して、アダプタに送られる処理要求を指定する記述で、通常は「""」の部分に処理要求を格納したファイルのファイル名が記述されるが、「"!REUEST"」と記述されていた場合は、アダプタ制御部13を経由して、アダプタに送られる処理要求が、フロー制御部が最初にユーザサービス制御部から受けとったものであることを表している。
‐「result = "prodlist.xml"」の「result = ""」は、アダプタ制御部を経由して返ってくるアダプタによる処理結果を格納する先のファイルを指定する記述で、「""」の部分に記述されたファイル名で指定されたファイルに、アダプタによる処理結果が格納される。
‐この行の記述によってアダプタ制御部に送られる処理要求(!REUEST)と、アダプタ制御部から受け取る処理結果(prodlist.xml)の内容を、図13(a)、(b)に示す。
‐図13(a)の、アダプタ制御部に送られる処理要求(!REUEST)は、図5(b)のユーザサービス制御部が生成する処理要求と同様の内容である。
‐図13(b)の、アダプタ制御部から受け取る処理結果には、「日用品」という条件で、「商品情報DB」を検索した結果(商品名、価格)が格納されている。
【0032】(2):「在庫管理システム」に送る処理要求の生成記述:<Convert in="prodlist.xml" out = "reqstocks.xml" xslt="tostock.xsl"/>‐この行は、図13(b)の検索結果に含まれている商品の在庫情報を、本装置に接続されている既存システムの中の「在庫管理システム」に問い合わせるために、新たな処理要求を生成することを記述したものである。
‐行中の<Convert〜は、「xslt="・・"」で指定されるファイルに記述されたルールに従って、「in="・・"」で指定されるファイルを、「out = "・・"」で指定されるファイルに変換することを表している。
‐ここでは、先の(1)で得られた商品検索結果"prodlist.xml"を、XSLTファイル"tostock.xsl"の内容に従って変換した結果を、ファイル"reqstocks.xmlに格納することを意味している。
‐図14(a)、(b)に、変換ルールを記述したXSLTファイル"tostock.xsl"と、変換結果"reqstocks.xml"の内容を示す。
‐図14(b)に示すように、「商品情報DB」から受け取った商品情報(図13(b))が、図14(a)の変換ルールを適用することによって、「在庫管理システム」への在庫問い合わせのための処理要求に変換されている。
【0033】(3):「在庫管理システム」への処理の依頼記述:<AdapterCtl name = "在庫管理システム" request="reqstocks.xml"result = "stocklist.xml"/>‐この行では、本装置に接続されている既存システムの1つである「在庫管理システム」に、先の(2)で生成された在庫問い合わせのための処理要求を渡し、商品の在庫情報の取得を依頼している。
‐実際には、この行の記述の内容が、アダプタ制御部13(後述)に渡され、そこで既存システムに接続されているアダプタが選択され、選択されたアダプタの中で処理要求が実行され、その処理結果が返ってくる。
‐「name = "在庫管理システム"」の部分が、処理を行うアダプタを特定するための情報である。
‐「request ="reqstocks.xml"」の「request =""」は、アダプタ制御部13を経由して、アダプタに送られる処理要求を指定する記述で、「""」の部分にファイル名で指定されたファイルの内容が、アダプタ制御部13を経由してアダプタに送られる。
‐「result = "stocklist.xml"」の「result = ""」は、アダプタ制御部を経由して返ってくるアダプタによる処理結果を格納する先のファイルを指定する記述で、「""」の部分に記述されたファイル名で指定されたファイルに、アダプタによる処理結果が格納される。
‐この行の記述によってアダプタ制御部13から受け取る処理結果(stocklist.xml)の内容を、図15に示す。
【0034】(4):商品情報と在庫情報のマージ記述:<Marge in1= "prodlist.xml" in2 = "stocklist.xml" out = "marged.xml"unit = "product" key = "@id" />‐この行では、ユーザサービス制御部20に返すための、最終的な処理結果を生成するために、(2)で得られた「商品情報DB」の検索結果(図13(b))と、(3)で得られた「在庫管理システム」の在庫情報をひとつにまとめることを表している。
‐行中の<Marge〜は、「in1="・・"」と「in2="・・"」で指定されるファイルをひとつにまとめた結果を、、「out = "・・"」で指定されるファイルに格納することを意味している。
‐ここでは、商品情報を格納したファイル"prodlist.xml"と在庫情報を格納したファイル"stocklist.xml"をまとめた結果を、ファイル"marged.xml"に格納することを表している。
‐「unit = "・・" key = "・・"」は、2つのファイルをまとめる際に、ファイル中のデータをどのように突合せるかを指定するための記述で、ここでは2つのファイルの要素"product"同士を、属性"id"の値で突合せることを表している。
‐2つのファイル"prodlist.xml"と"stocklist.xml"をまとめた結果を格納したファイル"marged.xml"の内容を、図16に示す。
‐このファイル"marged.xml"が、最終的にユーザサービス制御部に返される処理結果となる(図6(b)と内容が同じである)。
【0035】(5):処理結果を返す記述:<Return result = "marged.xml" />‐この行では、「result xml = "・・"」で指定されたファイルの内容を、ユーザサービス制御部20に返すことを意味している。
‐したがってここでは、(4)で商品情報と在庫情報をひとつにまとめた結果を格納したファイル"marged.xml"の内容が、フロー制御部10の処理結果として、ユーザサービス制御部20に返される。
【0036】アダプタ制御部13の働きについて説明する。アダプタ制御部13は、処理フロー実行部12から受けた処理要求ステートメントから適切なアダプタ40を選択して、処理要求ステートメントを選択したアダプタに発行することである。処理フロー実行部12が発行した処理要求ステートメント、<AdapterCtl name = "アダプタ名" request="処理要求が格納されたファイル" result = "処理結果が格納されたファイル"/>から「name = "アダプタ名"」をキーとして、対応する既存システムに接続されているアダプタ40を選択する。アダプタの選択は、予め用意されたアダプタ索引ファイル17の中から、上記の処理フローの記述の中の「name = "アダプタ名"」に対応するアダプタのモジュール名を取得することによって行われる。アダプタ索引ファイル17の例を図17に示す、【0037】アダプタ40が処理した結果は、処理要求ステートメント<AdapterCtl name = "アダプタ名" request="処理要求が格納されたファイル" result = "処理結果が格納された"/>の中の、「result = "・・"」で指定されたファイルに、アダプタによって格納される。
【0038】処理結果を返す(S16)。処理フロー実行部が実行する処理フローの中の<Return result = "処理結果が格納されたファイル" />という記述に従って「result = "・・"」で指定されたファイルの内容を、ユーザサービス制御部20に返す。
【0039】次に、外部システム中継接続装置(アダプタ)40の詳細を説明する。図18はアダプタ40の詳細構成図である。アダプタ40は、処理要求変換実行部41、処理結果変換部42、XSLT処理エンジン13、処理要求変換ファイル46、結果変換ファイル47、変換索引ファイル48を備える。
【0040】処理要求変換実行部41は、汎用記法で記述された処理要求を、実際の既存の情報処理システムにアクセスするための専用要求に変換し、これを発行する。処理要求変換ファイル46は、その変換の際に用いられる変換手順を記載したファイルである。
【0041】処理結果変換部42は、既存の情報処理システムから受けた処理結果を汎用記法で記述されたアクセス結果に変換してフロー制御部10に返す。結果変換ファイル47は、その変換の際に用いられる変換手順を記載したファイルである。
【0042】この実施形態では、問合せ変換ファイル16および結果変換ファイル17はXSLTによって表記しているものとする。XSLT処理エンジン13は、XSLTの表記ルールを解釈するインタープリターであって、汎用記法で表記されたデータを、XSLTで記述された問合せ変換ファイル16および結果変換ファイル17にしたがって文書構造変換を行う。市販または無償で入手可能なXSLT処理ソフトウエアを利用して実現できる。
【0043】変換索引ファイル48は、フロー制御部10から発せられた汎用記法で記述された処理要求に対して適切な処理要求変換ファイル46、結果変換ファイル47を選択するために必要な索引表である。
【0044】図25は、アダプタ40が行う既存システム連絡処理の動作を説明するフローチャートである。以下、図25にしたがって、アダプタ40の動作を説明する。
【0045】まず、アダプタはフロー制御部から送られてくる、汎用記法による処理要求を受け取る。実際に処置要求を受け取るのは、アダプタ40の中の処理要求変換実行部41である。そして、変換索引ファイルを参照し、汎用記法の処理要求(図13(a)、図14(b))の中の処理命令の値に対応する処理要求変換ファイルを選択する(S41)。図19は、変換索引ファイルの一例を示したものである。図19に示すように、処理命令の文字列名と対応する処理要求変換ファイル及び、処理結果変換ファイル(後述)のファイル名が記述されている。処理要求変換ファイル(複数個)および処理結果変換ファイル(複数個)と変換索引ファイルは、各アダプタ(商品情報DB用、在庫管理システム用)ごとに、それぞれ用意される。
【0046】次に、ステップS41で受け取った汎用記法の処理要求を、選択した処理要求変換ファイルの内容にしたがって、アダプタ40が接続している既存システムに合わせた専用記法の処理要求に変換する(S42)。例えば、既存システムのひとつである「商品情報DB」がリレーショナルデータベースであると想定し、そこに格納されている、商品情報のテーブルが図20のような構造をしていた場合、「商品情報DB」に対する専用記法の処理要求は、このテーブルから必要な情報を取り出すための、SQL文になる。選択された処理要求変換ファイルには、汎用記法の処理要求(10頁の図13(a))を、このテーブルの構造に合わせたSQL文に変換するためのルールが記述されている。変換ルールの記述方法は特に規定しないが、例えばXSLTの記法を用いた場合は、図21に示すような形での記法が考えられる。前頁の処理要求変換ファイルの内容に従って、汎用記法の処理要求(10頁の図13(a))を変換すると、select 商品ID,商品名,価格from 商品テーブル where 分類 ='日用品'のかたちの、「商品情報DB」専用の処理要求であるSQL文に変換される。
【0047】上記ステップS42で生成された既存システム専用の記法による処理要求(SQL文)を実行する(S43)。前頁図20の商品情報テーブルに対してこのSQL文を実行すると、図22の結果が得られる。
【0048】アダプタ40は、アダプタに接続されている既存システムの処理結果を受取ると、ステップS41で行ったのと同様に、変換索引ファイル48を参照し、初めにフロー制御部10から受け取った処理要求の中の処理命令の値に対応する結果変換ファイル47を選択する(S44)。
【0049】ステップS44で選択した結果変換ファイル47には、図22に示す既存システム「商品情報DB」に依存した構造の処理結果を、汎用記法による処理結果に変換するためのルールが記述されている。変換ルールの記述方法は特に規定しないが、例えばXSLTの記法を用いた場合は、図23に示すような形での記法が考えられる。この処理結果変換ファイルの内容に従って、図22のSQL文の実行結果を汎用記法の実行結果表示に変換する(S45)。すると図24に示す汎用記法による処理結果が得られる。これを、フロー制御部10に返答する(S46)。ここで説明した、アダプタ40内での処理の流れは、既存システムのうちのひとつである「商品情報DB」(RDB)を例にしたものであるが、もうひとつの既存システムである在庫管理システムに接続されたアダプタ40内での処理の流れも同様である。
【0050】以上、詳しく説明した既存システム連携制御装置1によれば、連携処理フローの処理の流れが変更追加された場合は、処理フロー索引ファイル14、処理フローファイル15を変更追加するだけでよく、フロー制御部10の制御プログラムを書き換える必要はない。
【0051】また、既存システム連携制御装置1に接続される既存の情報処理システムの仕様が変更された場合は、その既存システムに接続されているアダプタ内で使用する変換索引ファイル48、処理要求変換ファイル46、結果変換ファイル47を変更追加するだけで対応でき、アダプタ40の制御プログラムを変更する必要はない。
【0052】また、既存システム連携制御装置1に接続される新たなユーザークライアント装置に対応する場合やのユーザーインターフェースが変更される場合は、ユーザーサービス制御部内の処理要求変換部21、処理結果変換ファイル24を変更するだけでよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明に係る既存システム連携制御装置1の構成をとることにより、既存の、それぞれ独立に設計され開発された情報処理装置を最小のコストで統合化して、より複雑な処理を行う複合情報処理システムとして稼動させることができる。しかも統合化したあとの機能追加や変更などに要する保守コストを可能な限り小さくするようにできる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成12年9月28日(2000.9.28)
【代理人】 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【公開番号】 特開2002−108632(P2002−108632A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−297138(P2000−297138)