| 【発明の名称】 |
制御システムの端末装置、記録媒体、および、制御システム |
| 【発明者】 |
【氏名】棚田 析
|
| 【要約】 |
【課題】ローカル制御システムから離れた場所に配された場合でも、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示可能で、しかも、表示画面を容易に編集可能な制御システムの端末装置および制御システムを実現する。
【解決手段】端末装置6aのプリプロセッサ74は、システム変数定義ファイルに基づいて、ローカル制御システムのデバイスに対応するタグ変数オブジェクトを作成する。さらに、リアルタイムデータ収集部75は、OPCクライアント61へ指示して、上記システム変数定義ファイルで定義されたOPCサーバからデバイスの状態を取得させ、タグ変数オブジェクトの現在値を示すプロパティに設定する。さらに、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、ピクチャ構成定義ファイルに基づいて、タグ変数オブジェクトの上記プロパティに応じた図形要素を、ブラウザ62の画面上に表示する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ローカル制御システムの制御対象となるデバイスの状態を取得可能なプロセスデータサーバとネットワークを介して通信可能な通信手段を有する制御システムの端末装置であって、上記デバイスおよび変数名の組み合わせ、並びに、当該デバイスの状態を取得可能なプロセスデータサーバへのアクセス手順を決定するためのアクセス情報がテキスト形式で記述された変数定義ファイルと、画面上に表示される図形要素および上記変数名の対応がテキスト形式で記述されたピクチャ構成定義ファイルとを格納するファイル記憶手段と、上記アクセス情報に基づいて、上記通信手段にプロセスデータサーバへアクセスさせて、上記変数定義ファイルに記述された各デバイスの状態を取得するデータ収集手段と、上記ピクチャ構成定義ファイルの各図形要素について、上記データ収集手段が取得したデバイスの状態のうち、当該図形要素に対応する変数名に組み合わされたデバイスの状態に応じた描画をブラウザ上で行う描画手段とを備えていることを特徴とする制御システムの端末装置。 【請求項2】請求項1記載の各手段として、コンピュータを動作させるプログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 【請求項3】プロパティの1つとしてデバイスの状態を含み、スクリプトエンジンにより各プロパティを参照可能で、しかも、上記各変数名に対応するオブジェクトを、上記変数定義ファイルに基づいて作成するプリプロセッサを備え、上記ファイル記憶手段には、上記スクリプトエンジンへ、予め定めるオブジェクトのプロパティを参照した結果に基づいて画面描画する動作を指示するスクリプト定義ファイルが格納されていることを特徴とする請求項1記載の制御システムの端末装置。 【請求項4】上記変数定義ファイルは、変数名およびデバイスに加えて、デバイスの状態のシミュレーション方法の組み合わせを記述可能であり、上記変数定義ファイルに記述された方法で、デバイスの状態をシミュレーションし、上記データ収集手段の代わりに、デバイスの状態として、シミュレーション結果を上記描画手段へ通知するシミュレーション手段を備えていることを特徴とする請求項1または3記載の制御システムの端末装置。 【請求項5】請求項1記載の端末装置と、上記ローカル制御システムに配され、予め格納される画面データに基づいて、上記デバイスの状態を取得し、取得結果に基づいて画面表示する制御用表示装置と、制御用表示装置の操作画面の構成を設計し、設計結果に基づいて、上記画面データを出力する作画装置とを備え、上記作画装置は、上記設計結果に基づいて、上記ピクチャ構成定義ファイルを出力するピクチャ構成定義ファイル出力手段を備えていることを特徴とする制御システム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ローカル制御システムから離れた場所に配された場合でも、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示可能で、しかも、表示画面を容易に編集可能な制御システムの端末装置および制御システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、プログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、PLCと略称する)は、例えば、ベルトコンベアー式の自動組付機など、種々のターゲットシステムを制御する制御装置として、広く使用されている。さらに、近年では、ターゲットシステムの複雑化に伴って、複数台のPLCを互いに連携させて使用することも行われている。また、各PLCからのデータの表示、あるいは、PLCへの制御指示は、当該PLCの近傍などに配される表示装置で行われるだけではなく、例えば、これらの表示装置から離れた場所に設置した制御用ホストコンピュータでも、表示あるいは操作できるように、制御システムを構築することもある。 【0003】具体的には、例えば、図14に示すように、従来の制御システム501では、PLC503が制御の中心として位置付けられており、各PLC503には、ターゲットシステム502のデバイス521と、表示および制御指示を行うプログラマブル表示器505とが接続されている。さらに、当該PLC503には、他のPLC503や制御用ホストコンピュータ507がシリアルケーブル504を介して接続されており、PLC503と制御用ホストコンピュータ507との間や各PLC503間における制御データの受け渡しは、PLC503の通信機能を利用して行われている。 【0004】上記構成において、プログラマブル表示器505は、画面データに基づいて、表示/制御している。当該画面データは、画面上の領域と、当該領域への表示や入力に対応するデバイスのアドレスとの対応関係を示すタグを組み合わせて構成されており、制御用ホストコンピュータ507の作画処理部572で作成された後、各プログラマブル表示器505に配信される。 【0005】一方、制御用ホストコンピュータ507の表示処理部571は、PLC503と通信して、ターゲットシステム502の状態を示すデータを受け取り、状態に応じて画面表示すると共に、ユーザの入力に応じて、PLC503へ制御データを送出し、制御データに応じて、ターゲットシステム502を制御させる。同様に、プログラマブル表示器505は、PLC503と通信しながら、ターゲットシステム502の状態を表示/制御する。 【0006】ここで、制御用ホストコンピュータ507は、プログラマブル表示器505と用途や設置場所が異なっているため、CPUやメモリマップなどのハードウェア構成と、オペレーティングシステムなどのソフトウェア構成との双方が異なっている。したがって、制御用ホストコンピュータ507の表示処理部571は、プログラマブル表示器505の画面データに基づいて表示/制御することができず、専用の表示画面を作画している。また、例えば、プログラマブル表示器505の表示内容など、上記専用の表示画面に表示される内容以外のものを確認するためには、プログラマブル表示器505の設置場所に出向いて確認している。 【0007】しかしながら、上記構成の制御システムは、基本的に閉じたシステムであり、例えば、遠隔地に配された汎用のコンピュータなどから、制御システムの状態を監視できないという問題を生じる。 【0008】上記課題を解決するために、本願の出願人は、先に出願した特願2000−077002号において、プログラマブル表示器の画面を示すデータを端末装置で表示可能な形式に変換し、インターネットを介して端末装置に配信する構成を開示した。 【0009】具体的には、図15に示すように、当該制御システム101のローカル制御システム103では、プログラマブル表示器114および制御用ホストコンピュータ116が、予め定められた共通プロトコルで通信するネットワーク115で接続されており、プログラマブル表示器114は、制御用ホストコンピュータ116や他のプログラマブル表示器114とPLC112とが通信する場合、PLC112の機種に固有の専用プロトコルでの通信と、共通プロトコルでの通信とを中継する。これにより、各プログラマブル表示器114や制御用ホストコンピュータ116は、他のプログラマブル表示器114と通信する際、他のプログラマブル表示器114に接続されたPLC112の機種に拘らず、共通プロトコルで通信できる。 【0010】さらに、上記制御用ホストコンピュータ116には、インターネット105に接続可能な公開サーバ部161が設けられており、端末装置107からアクセスされると、画面データに応じた動作を指示するアプレットが、公開サーバ部161によって、端末装置107に送信される。さらに、アプレットを実行する端末装置107は、制御用ホストコンピュータ116と通信して、ローカル制御システム103のデバイスの状態を受け取り表示する。 【0011】ここで、上記画面データは、プログラマブル表示器114が画面表示する際の動作を規定しており、上記端末装置107は、ローカル制御システム103内の各デバイスにアクセスする代わりに、公開サーバ部161からデバイスの状態を示すデータを受け取る。これにより、インターネット105を介して接続しているにも拘らず、端末装置107は、プログラマブル表示器114の表示画面と同一内容の画面を表示できる。また、端末装置107用の表示画面を新規に作成する必要がないので、遠隔地からローカル制御システム103の状態を表示できるにも拘わらず、画面設計の手間を大幅に削減できる。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成の制御システム101では、端末装置がローカル制御システム103の状態を表示するために、ローカル制御システム103の公開サーバ部161へアクセスして、アプレットを受け取る必要があり、インターネット105などのネットワークのトラフィックが増大するという問題を生じる。 【0013】また、他のローカル制御システム103のデバイスの状態を表示する場合や、同じローカル制御システム103であっても、他のデバイスの状態を表示するためには、これらのローカル制御システム103から、新たにアプレットを受け取っている。 【0014】したがって、あるローカル制御システム103のデバイスの状態を表示する際に、端末装置107のユーザがアプレットを修正して、ユーザの好みに合わせて画面構成を変更した場合、同様の変更を、他のデバイスの表示に反映させることができない。この結果、ユーザの好みに合わせて画面表示しようとすると、端末装置107における画面構成設定時の手間がかかる虞れがある。 【0015】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ローカル制御システムから離れた場所に配された場合でも、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示可能で、しかも、表示画面を容易に編集可能な制御システムの端末装置および制御システムを実現することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る制御システムの端末装置は、ローカル制御システムの制御対象となるデバイスの状態を取得可能なプロセスデータサーバとネットワークを介して通信可能な通信手段を有する制御システムの端末装置であって、上記課題を解決するために、上記デバイスおよび変数名の組み合わせ、並びに、当該デバイスの状態を取得可能なプロセスデータサーバへのアクセス手順を決定するためのアクセス情報がテキスト形式で記述された変数定義ファイルと、画面上に表示される図形要素および上記変数名の対応がテキスト形式で記述されたピクチャ構成定義ファイルとを格納するファイル記憶手段と、上記アクセス情報に基づいて、上記通信手段にプロセスデータサーバへアクセスさせて、上記変数定義ファイルに記述された各デバイスの状態を取得するデータ収集手段と、上記ピクチャ構成定義ファイルの各図形要素について、上記データ収集手段が取得したデバイスの状態のうち、当該図形要素に対応する変数名に組み合わされたデバイスの状態に応じた描画をブラウザ上で行う描画手段とを備えていることを特徴としている。 【0017】また、請求項2の発明に係る記録媒体は、請求項1記載の各手段として、コンピュータを動作させるプログラムが記録されており、当該プログラムをコンピュータが実行することで、当該コンピュータは、請求項1記載の端末装置として動作できる。なお、上記プログラムは、上記動作の全手順をCPUやバーチャルマシンなどの演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各動作の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。また、当該記録媒体には、他のプログラムも記録されていてもよい。 【0018】上記構成において、端末装置のファイル記憶手段には、予め変数定義ファイルとピクチャ構成定義ファイルとが格納されており、通信手段は、データ収集手段の指示に従って、変数定義ファイルのアクセス情報で決定されるプロセスデータサーバへアクセスし、各変数名に対応するデバイスの状態を取得する。さらに、描画手段は、ピクチャ構成定義ファイルに基づいて、各図形要素に対応する変数名を決定し、データ収集手段が取得したデバイスの状態のうち、当該変数名に応じたデバイスの状態を取得する。さらに、描画手段は、当該デバイスの状態に応じて図形要素をブラウザの画面に描画する。これにより、端末装置がインターネットなどの広域ネットワークを介してプロセスデータサーバに接続(通信)されている場合であっても、ブラウザの画面上には、デバイスの状態に応じた図形要素が表示され、ブラウザのユーザは、画面に基づいて、ローカル制御システムのデバイスの状態を把握できる。 【0019】ここで、上記構成では、変数定義ファイルが予め端末装置に格納されているので、特に、サーバにアクセスすることなく、プロセスデータサーバへのアクセス手順を決定でき、ネットワークのトラフィックを削減できる。また、変数定義ファイルとピクチャ構成定義ファイルとが分離されているので、例えば、機器構成が互いに同一の複数のラインの状態を表示する操作画面間や、監視項目が互いに同一のローカル制御システムの状態を表示する操作画面間など、同じ画面構成で互いに異なるデバイスの状態を表示する場合は、ピクチャ構成定義ファイルを変更することなく、変数定義ファイルのみを変更することで対応できる。さらに、両ファイルは、テキスト形式で、組み合わせや対応が記述されているので、多くのコンピュータで予めインストールされているテキストエディタで容易に編集できる。これらの結果、端末装置のみでも、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示する際の画面構成を変更しやすい制御システムを実現できる。 【0020】また、請求項3記載の制御システムの端末装置は、請求項1記載の発明の構成において、プロパティの1つとしてデバイスの状態を含み、スクリプトエンジンにより各プロパティを参照可能で、しかも、上記各変数名に対応するオブジェクトを、上記変数定義ファイルに基づいて作成するプリプロセッサを備え、上記ファイル記憶手段には、上記スクリプトエンジンへ、予め定めるオブジェクトのプロパティを参照した結果に基づいて画面描画する動作を指示するスクリプト定義ファイルが格納されていることを特徴としている。 【0021】なお、当該スクリプト定義ファイルも、上記プログラムと同様に、動作の全手順をスクリプトエンジンへ指示するコードであってもよいし、基本プログラムの呼び出しを指示するコードやポインタなどで、全手順の一部または全部を置き換えてもよい。 【0022】上記構成では、プリプロセッサが変数名に応じたオブジェクトを作成する。ここで、上記プリプロセッサは、スクリプトエンジンが各オブジェクトのプロパティを参照できるような形式のオブジェクトを作成する。したがって、スクリプト定義ファイルに、プロパティを参照し、画面描画する動作を記述することで、スクリプトエンジンは、オブジェクトのプロパティに応じて画面表示できる。これにより、例えば、描画手段がアニメーション用の図形要素を描画できない場合のように、上記ピクチャ構成定義ファイルを参照する描画手段が描画できない、複雑なデバイスの状態表示処理を、スクリプトエンジンに実行させることができ、画面の表現力を向上できる。なお、描画手段が描画可能な状態表示処理は、ピクチャ構成定義ファイルに変数名と図形要素との対応を記述することで、描画手段に処理させることができる。この結果、画面構成を変更しやすく、しかも、高い表現力で、デバイスの状態を表示できる端末装置を実現できる。 【0023】さらに、請求項4の発明に係る制御システムの端末装置は、請求項1または3記載の発明の構成において、上記変数定義ファイルは、変数名およびデバイスに加えて、デバイスの状態のシミュレーション方法の組み合わせを記述可能であり、上記変数定義ファイルに記述された方法で、デバイスの状態をシミュレーションし、上記データ収集手段の代わりに、デバイスの状態として、シミュレーション結果を上記描画手段へ通知するシミュレーション手段を備えていることを特徴としている。 【0024】上記構成では、シミュレーション手段が変数定義ファイルの記述に基づいてデバイスの状態を算出するので、上記プロセスデータサーバと通信できない場合であっても、端末装置のみで、シミュレーション結果に基づく、ローカル制御システムのデバイスの仮想的な状態を表示できる。 【0025】また、請求項5の発明に係る制御システムは、上記課題を解決するために、請求項1記載の端末装置と、上記ローカル制御システムに配され、予め格納される画面データに基づいて、上記デバイスの状態を取得し、取得結果に基づいて画面表示する制御用表示装置と、制御用表示装置の操作画面の構成を設計し、設計結果に基づいて、上記画面データを出力する作画装置とを備え、上記作画装置は、上記設計結果に基づいて、上記ピクチャ構成定義ファイルを出力するピクチャ構成定義ファイル出力手段を備えていることを特徴としている。なお、各図形要素に対応する変数名は、ピクチャ構成定義ファイル出力手段が自動的に作成してもよいし、変数定義ファイルなど、デバイスと変数名との対応を示すデータがあれば、それを参照して、変数名を指定してもよい。 【0026】上記構成では、ローカル制御システムの制御用表示装置の画面データを生成する作画装置が、ピクチャ構成定義ファイル出力手段を備えているので、制御用表示装置用の画面設計工程と、端末装置用の画面設計工程との少なくとも一部を共用できる。なお、両者の画面設計が同一であれば、画面設計工程の全てが共通になるが、一部が異なっている場合でも、残余の設計工程を共用できる。この結果、端末装置にて、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示できるにも拘わらず、当該端末装置用の画面を設計する際の手間を大幅に削減できる。 【0027】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、図2に示すように、本実施形態に係る制御システム1には、例えば、ローカル制御システム内の制御装置など、ターゲットシステム2のデバイス2aを制御する制御機器層3と、例えば、ローカル制御システム内のホストコンピュータなど、制御機器層3から受け取ったデバイス2aのデータに基づいて、ターゲットシステム2および制御機器層3全体を監視制御する監視制御層4と、例えば、インターネット5を介して監視制御層4に接続可能な端末装置6aや、複数のローカル制御システムを統括する本社のホストコンピュータ(図示せず)など、監視制御層4の上位層として、デバイス2aの状態を監視したり制御する管理監視層6とが設けられている。なお、上記ターゲットシステム2、制御機器層3および監視制御層4が特許請求の範囲に記載のローカル制御システムに対応し、インターネット5がネットワークに対応している。 【0028】上記制御機器層3は、制御装置として、例えば、ターゲットシステム2のデバイス2aを制御するプログラマブル・ロジック・コントローラ11と、HMI(Human Machine Interface )としてオペレータに操作されるパネルコンピュータ(制御用表示装置)12とをシリアルケーブルやネットワークケーブルなどのケーブルで互いに接続して構成されるフィールド機器13を、複数備えている。 【0029】一方、監視制御層4は、各フィールド機器13から、ターゲットシステム2のデバイス2aの状態を収集すると共に、上記管理監視層6に対して、OPC( OLE for Process Control)サーバとして動作して、デバイス2aの状態をリアルタイムに通知可能なサーバ装置4aを備えている。また、上記サーバ装置4aは、OPCクライアントとして動作する管理監視層6の機器から、デバイス2aの状態変更指示を受け取ると共に、当該指示に応じて各フィールド機器13を制御することで、デバイス2aの状態をリアルタイムに制御できる。上記デバイス2aの状態および状態変更指示は、制御対象となるデバイスと状態または指示との組み合わせを含むプロセスデータとして送受される。なお、制御対象となるデバイスは、状態を取得したり、制御(変更)できればよく、デバイス2a自体であってもよいし、例えば、PLC11やパネルコンピュータ12のメモリなど、制御機器層3に設けられた記憶装置の一領域を示していてもよい。さらに、上記デバイスは、タッチパネルやバーコードリーダ(図示せず)などの入力装置から手動で入力されたデータが格納されたメモリであってもよい。 【0030】上記サーバ装置4aは、各フィールド機器13と通信してプロセスデータを送受するために、例えば、WindowsCE(登録商標)をOS(Operating System)として採用したパネルコンピュータ12と、それに接続されたPLC11とからなるフィールド機器13など、OPCサーバとして動作可能なフィールド機器13と通信するためのOPCクライアント41と、外部との通信プロトコルとして、PLC11の機種に固有の専用のプロトコルを採用したフィールド機器13と通信するためのI/Oドライバ42とを備えている。なお、フィールド機器13のうち、PLC11がサーバ装置4aと通信してもよいが、パネルコンピュータ12は、HMIとして動作するために、演算能力や記憶容量などの資源に余裕があるように設定する必要がある。したがって、HMI処理用の資源と通信処理用の資源とを共用し、制御機器層3全体の演算能力や記憶容量を削減するために、パネルコンピュータ12がサーバ装置4aと通信する方が好ましい。 【0031】さらに、サーバ装置4aには、例えば、高機能グラフィックモニタソフトであるSCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)などからなり、上記OPCクライアント41やI/Oドライバ42で取得したプロセスデータに基づいて、サーバ装置4aの画面上にデバイスの状態を表示すると共に、サーバ装置4aのユーザの操作に応じて、デバイスの制御を指示するプロセスデータを上記両部材41・42に送信させる表示/操作処理部43と、サーバ装置4aが送受するプロセスデータをデバイスに対応付けて一時格納するプロセス・データベース44と、上記管理監視層6と通信するOPCサーバ(プロセスデータサーバ)45とが設けられている。また、上記表示/操作処理部43・プロセス・データベース44・OPCサーバ45間には、例えば、WSH(Windows ScriptingHost)などから実現されるシステム制御部46が設けられており、表示/操作処理部43やOPCサーバ45からのプロセスデータをプロセス・データベース44に格納すると共に、表示/操作処理部43やOPCサーバ45からの指示に応じてプロセス・データベース44からプロセスデータを読み出すことができる。 【0032】これにより、サーバ装置4aは、ローカル制御システム内で、当該システム内の各デバイスの状態を表示または制御できると共に、管理監視層6との間で、各デバイスに関連するプロセスデータを送受できる。 【0033】一方、本実施形態に係る端末装置6aは、図1に示すように、インターネット5を介して、管理監視層6のOPCサーバ45と通信してプロセスデータを送受するOPCクライアント61と、種々のファイルを閲覧するためのブラウザ62と、種々のファイルを格納するファイル記憶部(ファイル記憶手段)63と、テキストエディタ64とを備えている。本実施形態では、上記ブラウザ62およびテキストエディタ64は、多くのコンピュータに予めインストールされた汎用のソフトウェアで実現されており、上記ファイル記憶部63は、通常のコンピュータがシステムファイルや作業用のファイルなどを記憶するために設けられた記憶部を用いている。 【0034】上記ブラウザ62は、例えば、INTERNET EXPLORER(登録商標)などの汎用のブラウザソフトによって実現されており、図示しないマウスやキーボードなどの入力装置による端末装置6aへの操作を受け付け、図示しないディスプレイへの表示処理を行う入出力処理部71と、例えば、Java(登録商標)スクリプトやVisualBasic(登録商標)スクリプトなど、スクリプト言語の処理系としてのスクリプトエンジン72とが設けられている。また、当該ブラウザ62は、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などのプロトコルで任意のサーバ装置からHTML( HyperText Markup Language)文書などの文書を受け取り、閲覧することもできる。 【0035】ここで、本実施形態に係る上記ファイル記憶部63は、デバイスに応じたタグ変数オブジェクトを含むシステム変数オブジェクトを作成し、該オブジェクトの内容を更新するための情報がテキスト形式で記述されたシステム変数定義ファイルを格納するシステム変数定義ファイル記憶部63aと、デバイスの状態を表示し操作する画面を定義する情報がテキスト形式で記述されたピクチャ構成定義ファイルが格納されるピクチャ構成定義ファイル記憶部63bとを備えている。さらに、ファイル記憶部63には、上記スクリプト言語で記述されたスクリプト定義ファイルを格納するスクリプト定義ファイル記憶部63cが設けられており、上記ピクチャ構成定義ファイルやシステム変数定義ファイルで指定できないシステム変数オブジェクトへのアクセスや画面描画などを、当該スクリプト定義ファイルによって上記スクリプトエンジン72へ指示できる。 【0036】また、本実施形態に係るブラウザ62は、例えば、COM/DCOM(Component Object Model / Distributed Component Object Model )など、予め定められた手順で上記スクリプトエンジン72からアクセス可能なオブジェクトとして、上記各システム変数オブジェクトを保持するオブジェクト保持部73と、上記システム変数定義ファイルを参照して、オブジェクト保持部73にシステム変数オブジェクトを生成するプリプロセッサ74と、上記システム変数定義ファイルに基づいて上記OPCクライアント61に監視制御層4のOPCサーバ45と通信させ、タグ変数オブジェクトの内容を更新するリアルタイムデータ収集部(データ収集手段)75と、上記システム変数定義ファイルで指定されたタグ変数オブジェクトについて、当該ファイルで指定された算出方法で内容を更新するシミュレーションデータ発生部(シミュレーション手段)76とを備えている。 【0037】さらに、ブラウザ62には、上記ピクチャ構成定義ファイルの指示に従ってシステム変数オブジェクトを参照し、当該オブジェクトの内容に応じて入出力処理部71へ画面表示させると共に、ピクチャ構成定義ファイルに基づき、入出力処理部71への操作に応じてシステム変数オブジェクトを変更するグラフィカルWebクライアントプロセッサ(描画手段)77が設けられている。 【0038】また、詳細は、後述するように、上記システム変数定義ファイルおよびピクチャ構成定義ファイルは、予め定められた構文に従って記述されたテキストファイルであり、スクリプト定義ファイルは、スクリプト言語で記述されたテキストファイルなので、端末装置6aのテキストエディタ64で変更できる。 【0039】なお、図1および図2に示す各部材61〜64・71〜77・41〜46は、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記憶手段に格納されたプログラムを実行し、タッチパネルや液晶表示装置などの入出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信回路を制御することによって実現される機能ブロックである。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体(例えば、CD−ROMなど)を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態に係るサーバ装置4aや端末装置6aを実現できる。特に、本実施形態では、上記各部材73〜77は、例えば、スクリプトエンジン72が上記ファイル記憶部63に格納されたスクリプトファイルを実行することで実現される機能ブロックとして実装されている。したがって、OPCクライアント61と、入出力処理部71およびスクリプトエンジン72を含むブラウザ62とファイル記憶部63とテキストエディタ64とを備えたコンピュータであれば、当該スクリプトファイルを実行させるだけで、端末装置6aとして動作できる。 【0040】上記構成では、リアルタイムデータ収集部75によりアクセスするOPCサーバ45を記述したシステム変数定義ファイルが、端末装置6aのシステム変数定義ファイル記憶部63aに予め格納されているので、端末装置6aは、特に、サーバにアクセスすることなく、OPCサーバ45へのアクセス手順を決定でき、インターネット5のトラフィックを削減できる。また、システム変数定義ファイルとピクチャ構成定義ファイルとが分離されているので、例えば、機器構成が互いに同一の複数のラインの状態を表示する操作画面間や、監視項目が互いに同一のローカル制御システムの状態を表示する操作画面間など、同じ画面構成で互いに異なるデバイスの状態を表示する場合は、ピクチャ構成定義ファイルを変更することなく、システム変数定義ファイルのみを変更することで対応できる。さらに、両ファイルは、テキスト形式で、組み合わせや対応が記述されているので、テキストエディタ64で容易に編集できる。これらの結果、端末装置6aのみでも、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示する際の画面構成を変更しやすい制御システムを実現できる。 【0041】より詳細に説明すると、上記システム変数定義ファイルは、図3に示すように、作成すべきシステム変数オブジェクトの種別を示す文字列と、システム変数オブジェクト名を示す文字列と、そのプロパティを示す文字列との組み合わせを列挙したものである。本実施形態では、例えば、オブジェクトの種別として、端末装置6aの動作全体に関連する共通変数(図中、"SYSTEM"で示す)と、画面中のベクターグラフィックスイメージを動的変数値により色変えする場合に参照されるカラーパレット("Color" )と、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77が実際に画面に表示するイメージを示すイメージ変数("Image" )と、画面情報を変化させるために保持するワーク変数("WK")と、デバイスに対応して設けられるタグ変数("TAG" )とが規定されている。 【0042】上記共通変数オブジェクト(種別が共通変数のシステム変数オブジェクト)には、例えば、図4に示すように、ユーザ名やシステム開始時あるいは背景色やカーソル形状などに加えて、シミュレーションの要否を設定するシミュレーションフラグと、OPCクライアント61と通信するOPCサーバ45を設定するOPCサーバのノード名およびサーバ名とが予め用意されており、これらの値は、図4に記載された変数名のうち、設定したい共通変数オブジェクトの変数名を、システム変数定義ファイル中の変数名として記述し、当該変数名に付随するプロパティとして、設定値を記述することで設定される。例えば、図3の例では、箇所P1により、OPCサーバとして、ノード名:サーバ名が、それぞれ"Computer1:OPC.DIGITAL" と"Computer2:OPC.OTHER" の2つのOPCサーバが規定されている。なお、この例では、箇所P1に記述された情報が特許請求の範囲に記載のアクセス情報に対応する。 【0043】また、本実施形態に係るグラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、例えば、現在の状況を報告したり、次の動作を示唆したり、選択しようとしている操作を説明するなど、ユーザの操作を補助する際、アニメーションキャラクタを使用でき、当該アニメーションキャラクタの選択や、キャラクタの名前設定および音声のプロパティを設定するための共通変数オブジェクトも用意されている。また、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、キャラクタの動作や発声する内容などを図示しないシナリオ定義ファイルを参照して決定できる。 【0044】一方、カラーパレットオブジェクトは、図3の箇所P2のように、色を示す文字列、または、色の成分(例えば、RGBの輝度など)により、カラーパレットオブジェクトに含まれる色を順次指定することで設定される。設定されたカラーオブジェクトは、図5に示すように、設定順(図の例では、緑、赤の順)にコレクションされ、後述するように、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77が動的変数値に応じて色変え表示する際に参照される。 【0045】また、本実施形態では、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77が画面表示する際に使用するイメージも、イメージ変数オブジェクトとして、メインメモリ(RAM)内のオブジェクト保持部73に保持される。これにより、イメージ表示がメモリからの読み出しとなるので、磁気記録媒体などのファイルからイメージを読み出す場合に比べて高速化できる。なお、本実施形態に係るシステム変数定義ファイルでは、図3中、箇所P3に示すように、例えば、GIF (Grafics Interchange Format)形式、bmp 形式(ビットマップ形式)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式あるいはPNG(Protable Network Graphics)形式などのイメージファイルのファイル名を、変数名と共に指定することで、プリプロセッサ74にイメージ変数オブジェクトの作成を指示する。なお、ファイル名にはパス名を含めてもよい。 【0046】さらに、本実施形態のシステム変数定義ファイルでは、図3中、箇所P4に示すように、Value として、ワーク変数オブジェクトのディスクリプションDESC、工業単位EU、現在値CV、レンジ上限RH、レンジ下限RL、小数点位置PNT、警報レンジ上限PH、警報レンジ下限PL、シミュレーション番号SIMおよび位相Phaseを、それぞれ示す文字列を所定のセパレータ(図中では、"," )で区切って順次記述することで指定できる。上記シミュレーション番号SIMは、図6に示すように、シミュレーションデータ発生部76がシミュレーションする際の算出式を指定するものであり、上述したシミュレーションフラグを"true"に設定することで有効になる。 【0047】また、図3中、箇所P5に示すように、Value として、タグ変数オブジェクトのディスクリプションDESC、工業単位EU、小数点位置PNT、OPCサーバ番号OPC、変数タイプTYPE、アイテム名ITEMおよびフィールド名FIELDをそれぞれ示す文字列を、所定のセパレータで区切って順次記述することで指定できる。上記OPCサーバ番号OPCは、図3中、共通変数オブジェクトとして設定したOPCサーバの番号(sOPCServerなどの[]内の数字)であり、アイテム名ITEMおよびフィールド名FIELDは、OPCクライアント61により状態の取得/制御指示されるデバイスを、当該OPCサーバ番号OPCで指定されたOPCサーバ45が特定するために使用する文字列である。 【0048】さらに、本実施形態では、デバイスの種別に応じた変数タイプTYPEを記述することで、プリプロセッサ74は、デバイスの種別に応じたプロパティを、タグ変数オブジェクトを設けることができる。本実施形態では、例えば、図7に示すように、変数タイプTYPEとして、アナログ入力機器(AI)、アナログ出力機器(AO)、パルス入力機器(PI)、デジタル入力機器(DI)あるいはデジタル出力機器(DO)のいずれかを記述可能であり、プリプロセッサ74は、各変数タイプTYPEが指定された場合、図中”○”で記載したプロパティ群を設定する。 【0049】例えば、図3の箇所P5の記述例によれば、タグ変数オブジェクトFI101の現在値の取得/制御方法が、番号0のOPCサーバ45(ノード名:サーバ名がComputer1:OPC.DIGITAL のサーバ)へ、アイテム名:フィールド名が、FI101:F_CVで特定されるデバイスのプロセスデータを送受するように設定されている。したがって、プリプロセッサ74が当該箇所P5に基づいてタグ変数オブジェクトFI101を生成すると、リアルタイムデータ収集部75は、上記シミュレーションフラグが"false" の場合、所定の周期で、上記OPCサーバ45へ上記プロセスデータを送受して、当該タグ変数オブジェクトFI101に対応するデバイスの状態を取得/制御する。なお、シミュレーションフラグが"true"の場合、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、各現在値に代えてシミュレーション値に基づいて画面表示するので、上記プロセスデータの送受は不要である。また、上記箇所P5では、変数タイプTYPEとして、”AI”(アナログ入力機器)が指定されているので、プリプロセッサ74は、タグ変数オブジェクトのプロパティとして、現在値のプロパティに加えて、工業単位やレンジ下限などのプロパティを設ける。これらのプロパティの値は、例えば、上記箇所P5で指定されたOPCサーバ45から、アイテム名およびフィールド名が、上記アイテム名、および、それぞれのプロパティ名によって特定されるプロセスデータを取得するなどして設定される。 【0050】一方、ピクチャ構成定義ファイルは、図8に示すように、描画コマンドを示す文字列と、そのプロパティのうち、オブジェクトを生成するための静的プロパティを示す文字列と、オブジェクトに関連し、リアルタイムに変化する動的プロパティを示す文字列との組み合わせを列挙したものである。 【0051】本実施形態では、例えば、図9に示す描画コマンドが用意されている。これらの描画コマンドは、文字列や数値あるいは線や円など、基本的な図形要素を形状で特定して描画するための基本コマンドと、バルブや棒グラフあるいはボタンなど、図形要素を、その意味で特定して描画するためのオブジェクトコマンドとに大別できる。これらの描画コマンドのうち、動的プロパティを付加可能な描画コマンドは、例えば、上述のワーク変数オブジェクトやタグ変数オブジェクトと関連付けることができ、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、これらのオブジェクトの値に応じて、文字や形状(グラフの長さ)や色などを変更できる。 【0052】例えば、図8の箇所P11で記述された描画コマンドは、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77に描画のための画面領域(スクリーン)を指示する基本コマンドであり、スクリーンのプロパティを示すValue として、エッジ表示タイプ、トップ位置、レフト位置、幅、高さ、エッジ色、背景色およびスクリプト指定を示す文字列を、所定のセパレータで区切って順次記述することで指定できる。ここで、各位置や長さに関連するプロパティの単位は、ピクセルである。また、エッジ表示タイプは、領域指定されたスクリーンのエッジの色によって、ボタンを押した状態(凹んで見える状態)や、ボタンを上げた状態(凸に見える状態)、あるいは、平面状(凸にも凹にも見えない状態)に表示させるものであり、例えば、1の場合は、平面状で、外枠をエッジ色で表示し、スクリーンを背景色で塗りつぶすことを示している。また、2の場合がボタンオンイメージ(凹状態)、3の場合がボタンオフイメージ(凸状態)を示しており、さらに、4の場合は、エッジ色を使って、ボタンオフ(凸状態)の表示を示している。また、トップ位置およびレフト位置は、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77が確保した画面領域全体(コンテナ領域)において、スクリーンの左上端の位置を、コンテナの座標系で示したものである。 【0053】上記描画コマンドで確保されたスクリーンは、ピクチャ構成定義ファイルの後の部分で、オブジェクトを描画する際に使用される。また、スクリーン内の座標系としては、スクリーン中心を原点(x=0、y=0)、右および下を、それぞれ正としたピクセル単位の座標系が使用される。なお、イメージや文字を配置する際に指定する原点座標は、イメージや文字の中央として指定される。当該スクリーンは、スクリプト定義ファイルやシナリオ定義ファイルなどに記述したオブジェクト移動コマンドを、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77に実行させることで、コンテナ領域中のどの位置にも移動させることができる。 【0054】一方、図8中、箇所P12に記述されたコマンドは、棒グラフを表示するためのオブジェクトコマンドであり、プロパティを示すValue として、棒グラフの向きD、原点座標(x,y)、幅、高さ、計器レンジ上限値RH、計器レンジ下限値RL、初期値、表示色、背景色、変数名および表示周期を示す文字列を、セパレータで区切って順次記述することで、図10に示す棒グラフの表示を、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77に指示できる。棒グラフの向きは、1から4の数値で、上/左/下/右を指定するように規定されており、表示周期は、リフレッシュ周期をms単位で指定する。また、変数名は、システム変数定義ファイルで定義されたタグ変数オブジェクトまたはワーク変数オブジェクトを示す変数名の後に、所定の文字(例えば、"." )と、オブジェクトのプロパティを示す文字列とを付けたものである。図8の例では、変数として、"WK0.CV"が指定されているので、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、ワーク変数オブジェクトの現在値に応じた長さで、上向きの棒グラフを表示する。 【0055】また、図中、箇所P13に記述されたコマンドは、バルブを表示するためのオブジェクトコマンドであり、プロパティを示すValue として、バルブタイプ、原点座標(x,y)、幅、高さ、回転角(反時計回り、度単位)、縮小率、表示色、変数名および表示周期を示す文字列が、セパレータで区切って順次記述されている。変数名、表示周期、位置や大きさなどの指定は、棒グラフと同様であり、上記バルブタイプは、図11に示すように、例えば、1から4で指定され、表示されるバルブの形状を示している。また、図9に示すように、バルブオブジェクトの動的プロパティは、色替えとして反映されるので、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、上記箇所P13に基づいて画面表示する際、変数名(この場合は、タグ変数オブジェクトFI101の現在値)を、図3の箇所P2で定義されたカラーパレットに含まれる色の個数で割り、その余りが示す位置の色を使って、イメージを表示する。例えば、カラーパレットオブジェクトとして、図5のカラーパレットが設定されている場合、余りが0の場合、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、緑色の操作弁を表示し、1の場合、赤色の操作弁を表示する。 【0056】さらに、図8中の箇所P14には、例えば、背景画面などを描画するための描画コマンドが記述されている。同図では、背景画像を構成する線分を表示するための基本コマンド(Line) が例示されており、プロパティを示すValue として、開始座標(sx,sy)、終了座標(ex,ey)、線幅、線種、線の色およびライン表示を色替えするための変数名を示す文字列が、セパレータで区切って順次記述されている。なお、この例では、変数名が省略されており、線分は、一定の色で表示される。 【0057】これにより、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、図8に示すピクチャ構成定義ファイルに基づいて、図12に示すように、タグ変数オブジェクト(FI101 )の現在値に基づいて色が変わるバルブVと、ワーク変数オブジェクト(WK0 )の値に応じて周期的に伸張する棒グラフBとが配された画面を表示できる。 【0058】なお、上記では、表示の場合についてのみ説明したが、ピクチャ構成定義ファイル中に、例えば、図形要素および変数名の対応に代えて、画面中の特定の領域への操作などのイベントと変数名との対応を記述してもよい。この場合、グラフィカルWebクライアントプロセッサ77は、上記イベントが発生したとき、変数名が示すタグ変数オブジェクトの内容を、イベントに応じて変更する。さらに、リアルタイムデータ収集部75がOPCクライアント61へ指示して、タグ変数オブジェクトに対応するデバイスの状態変更を指示する。これにより、端末装置6aから、ローカル制御システムのデバイスの状態を制御できる。 【0059】ところで、上記システム変数定義ファイルおよびピクチャ構成定義ファイルなどのファイルは、例えば、端末装置6aにて、新規に作成してもよいが、例えば、図1に示すパネルコンピュータ12の画面を作画する作画装置があれば、当該作画装置にて、システム変数定義ファイルやピクチャ構成定義ファイルを作成し、端末装置6aで一部修正して利用する方が好ましい。 【0060】具体的には、例えば、図13に示すように、上記作画装置8は、図2に示す各OPCサーバ45にアクセス可能なOPCクライアント81に加えて、パネルコンピュータ12用の画面データファイル、ピクチャ構成定義ファイル、システム変数定義ファイルおよびスクリプト定義ファイルを、それぞれ格納する画面データファイル記憶部82、ピクチャ構成定義ファイル記憶部83、システム変数定義ファイル記憶部84およびスクリプト定義ファイル記憶部85を備えている。さらに、予め定められた図形要素を組み合わせて対話的に画面を設計する作画処理部86と、設計された画面を上記画面データファイルとして出力する画面データアクセス部87と、設計された画面を上記ピクチャ構成定義ファイルとして出力するピクチャ構成定義ファイルアクセス部(ピクチャ構成定義ファイル出力手段)88と、上記作画処理部86から参照され、画面上に配置可能な図形要素や、上記OPCサーバ45が取得可能なデバイスの一覧などが格納されるローカルデータベース89とが設けられている。 【0061】また、作画装置8には、上記OPCクライアント81を制御するOPCクライアント制御部90と、上記OPCサーバ45が取得可能なデバイスの一覧を上記OPCクライアント81から受け取ると共に、一覧を参照して、上記システム変数定義ファイルを作成したり、スクリプト定義ファイルを作成するデータベース開発環境91とが設けられている。 【0062】なお、上記作画装置8は、端末装置6aのファイル記憶部63に各ファイルを格納できれば、端末装置6a自体であってもよいし、例えば、サーバ装置4aやローカル制御システム内の他のコンピュータなど、端末装置6aへデータ伝送可能なコンピュータであってもよい。また、作画装置8の各部材81〜91も、上述した各部材61〜64・71〜77(図1参照)と同様、演算手段がプログラムを実行することで実現される機能ブロックである。 【0063】上記構成の作画処理部86は、例えば、画面上に配置可能な図形要素のパレットを選択可能に表示するなどして、作画装置8のユーザに、図形要素を選択して画面上に配するよう促す。また、作画処理部86は、既に配置された各図形要素を、作画装置8の画面上に表示して、これまでに設計した画面構成をユーザに提示する。さらに、作画処理部86は、例えば、図形要素のドラグや座標入力などを受け付け、各図形要素の配置を調整する。一方、作画処理部86は、デバイスの状態に応じて変化する図形要素について、当該図形要素に関連するデバイスを示すアドレスや名称を入力するように、ユーザに促す。これらの結果、ユーザは、作画処理部86を操作して、画面上の所望の位置に図形要素を配置すると共に、各図形要素とデバイスとを対応付けるだけで、画面を設計できる。 【0064】さらに、画面データアクセス部87は、設計された画面を、画面データの形式で画面データファイル記憶部82に格納すると共に、ピクチャ構成定義ファイルアクセス部88は、ピクチャ構成定義ファイルの形式でピクチャ構成定義ファイル記憶部83に格納する。また、各アクセス部87(88)は、必要に応じて、それぞれの記憶部82(83)から、設計された画面を読み出し、作画処理部86にさらに修正させることができる。 【0065】ここで、ピクチャ構成定義ファイルを生成する際、各図形要素に対応するデバイスを変数名で指定する必要があるが、上記ピクチャ構成定義ファイルアクセス部88は、システム変数定義ファイル記憶部84に格納されたシステム変数定義ファイルを参照して、各デバイスに対応する変数名を決定する。なお、システム変数定義ファイルが格納されていない場合は、ピクチャ構成定義ファイルアクセス部88が各デバイスに対応する変数名を自動的に作成し、上記システム変数定義ファイル中、デバイスと関連付けられていない変数名として格納してもよい。この場合、データベース開発環境91が、例えば、ユーザの指示などに基づいて、これらの変数名とデバイスとの対応を上記システム変数定義ファイルに記述する。 【0066】 【発明の効果】請求項1の発明に係る制御システムの端末装置は、以上のように、デバイスおよび変数名の組み合わせ、並びに、アクセス情報がテキスト形式で記述された変数定義ファイルと、図形要素および上記変数名の対応がテキスト形式で記述されたピクチャ構成定義ファイルとを格納するファイル記憶手段と、上記アクセス情報に基づいて、上記通信手段にプロセスデータサーバへアクセスさせて、上記変数定義ファイルに記述された各デバイスの状態を取得するデータ収集手段と、上記ピクチャ構成定義ファイルの各図形要素について、上記データ収集手段が取得したデバイスの状態のうち、当該図形要素に対応する変数名に組み合わされたデバイスの状態に応じた描画をブラウザ上で行う描画手段とを備えている構成である。 【0067】請求項2の発明に係る記録媒体は、以上のように、請求項1記載の各手段として、コンピュータを動作させるプログラムが記録された構成であり、当該プログラムをコンピュータが実行することで、当該コンピュータは、請求項1記載の端末装置として動作できる。 【0068】上記構成によれば、変数定義ファイルが予め端末装置に格納されているので、特に、サーバにアクセスすることなく、プロセスデータサーバへのアクセス手順を決定でき、ネットワークのトラフィックを削減できる。また、変数定義ファイルとピクチャ構成定義ファイルとが分離されているので、同じ画面構成で互いに異なるデバイスの状態を表示する場合は、ピクチャ構成定義ファイルを変更することなく、変数定義ファイルのみを変更することで対応できる。さらに、両ファイルは、テキスト形式で、組み合わせや対応が記述されているので、多くのコンピュータで予めインストールされているテキストエディタで容易に編集できる。これらの結果、端末装置のみでも、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示する際の画面構成を変更しやすい制御システムを実現できるという効果を奏する。 【0069】請求項3記載の制御システムの端末装置は、以上のように、請求項1記載の発明の構成において、プロパティの1つとしてデバイスの状態を含み、スクリプトエンジンにより各プロパティを参照可能で、しかも、上記各変数名に対応するオブジェクトを、上記変数定義ファイルに基づいて作成するプリプロセッサを備え、上記ファイル記憶手段には、上記スクリプトエンジンへ、予め定めるオブジェクトのプロパティを参照した結果に基づいて画面描画する動作を指示するスクリプト定義ファイルが格納されている構成である。 【0070】上記構成によれば、プリプロセッサが変数名に応じたオブジェクトを作成する。ここで、上記プリプロセッサは、スクリプトエンジンが各オブジェクトのプロパティを参照できるような形式のオブジェクトを作成する。したがって、スクリプト定義ファイルに、プロパティを参照し、画面描画する動作を記述することで、スクリプトエンジンは、オブジェクトのプロパティに応じて画面表示できる。これにより、例えば、描画手段がアニメーション用の図形要素を描画できない場合のように、上記ピクチャ構成定義ファイルを参照する描画手段が描画できない、複雑なデバイスの状態表示処理を、スクリプトエンジンに実行させることができ、画面の表現力を向上できる。なお、描画手段が描画可能な状態表示処理は、ピクチャ構成定義ファイルに変数名と図形要素との対応を記述することで、描画手段に処理させることができる。この結果、画面構成を変更しやすく、しかも、高い表現力で、デバイスの状態を表示できる端末装置を実現できるという効果を奏する。 【0071】請求項4の発明に係る制御システムの端末装置は、以上のように、請求項1または3記載の発明の構成において、上記変数定義ファイルに記述された方法で、デバイスの状態をシミュレーションし、上記データ収集手段の代わりに、デバイスの状態として、シミュレーション結果を上記描画手段へ通知するシミュレーション手段を備えている構成である。 【0072】上記構成では、シミュレーション手段が変数定義ファイルの記述に基づいてデバイスの状態を算出するので、上記プロセスデータサーバと通信できない場合であっても、端末装置のみで、シミュレーション結果に基づく、ローカル制御システムのデバイスの仮想的な状態を表示できるという効果を奏する。 【0073】請求項5の発明に係る制御システムは、以上のように、請求項1記載の端末装置と、上記ローカル制御システムに配され、予め格納される画面データに基づいて、上記デバイスの状態を取得し、取得結果に基づいて画面表示する制御用表示装置と、制御用表示装置の操作画面の構成を設計し、設計結果に基づいて、上記画面データを出力する作画装置とを備え、上記作画装置は、上記設計結果に基づいて、上記ピクチャ構成定義ファイルを出力するピクチャ構成定義ファイル出力手段を備えている構成である。 【0074】上記構成では、ローカル制御システムの制御用表示装置の画面データを生成する作画装置が、ピクチャ構成定義ファイル出力手段を備えているので、制御用表示装置用の画面設計工程と、端末装置用の画面設計工程との少なくとも一部を共用できる。この結果、端末装置にて、ローカル制御システムのデバイスの状態を表示できるにも拘わらず、当該端末装置用の画面を設計する際の手間を大幅に削減できるという効果を奏する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000134109 【氏名又は名称】株式会社デジタル
|
| 【出願日】 |
平成12年10月2日(2000.10.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080034 【弁理士】 【氏名又は名称】原 謙三
|
| 【公開番号】 |
特開2002−108600(P2002−108600A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−302758(P2000−302758) |
|