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【発明の名称】 利用者制限機能付き印刷装置
【発明者】 【氏名】林田 聡

【要約】 【課題】利用者制限付の印刷装置を利用する場合に、印刷装置利用の経済性や利便性が良い利用者制限機能付き印刷装置を提供する。

【解決手段】当該印刷装置の利用者の利用可否を決定する印刷可否識別子を付した印刷データを受け、印刷可の印刷データのみを印刷する機能を備えた利用者制限機能付きの印刷装置において、前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、該印刷否の識別子を付した印刷データをキャンセルするか、保存するかを切替えられるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 当該印刷装置の利用者の利用可否を決定する印刷可否識別子を付した印刷データを受け、印刷可の印刷データのみを印刷する機能を備えた利用者制限機能付きの印刷装置において、前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、該印刷否の識別子を付した印刷データをキャンセルするか、保存するかを切替えられるようにしたことを特徴とする利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項2】 前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、該印刷否の識別子を付した印刷データをキャンセルするか、保存するかを、前記印刷データに対して指定可能にしたことを特徴とする請求項1記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項3】 前記印刷データの印刷可否識別子が印刷可の場合に、該印刷データに対し、利用者制限や印刷枚数の条件設定を可能にしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項4】 当該印刷装置がコンピュータに対して接続してある場合に、該コンピュータから印刷装置に印刷データを送信する前に、該コンピュータからの利用は不可である旨の告知を該コンピュータに行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項5】 前記印刷装置は印刷データの印刷を実行したかしないかの履歴を残す履歴リストを備え、該履歴リストに、利用者制限により印刷が実行されなかった旨を載せることで、利用不可であることを利用者へ告知するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項6】 前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、エラーレポートを印刷し、利用不可であることを利用者へ告知するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項7】 請求項4乃至請求項6に記載の告知の場合に、印刷が不可能な理由を載せることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか1つに記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【請求項8】 請求項6または請求項7でエラーレポートを印刷する場合に、該エラーレポートに印刷制限を受けた印刷データのサムネイル画像を載せることを特徴とする請求項6または請求項7記載の利用者制限機能付き印刷装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、利用者制限機能付き印刷装置に関し、特に利用者制限のある印刷装置を利用する場合に、該印刷装置利用の経済性,利便性を良くした利用者制限機能付き印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コピー機,ファクシミリ,プリンタ等の印刷装置における多機能化やカラー化等(高付加機能と呼ぶ)の進展が目覚しい。この高付加機能を利用者(ユーザ)が利用すれば、例えば印刷用紙,インク等の消耗材のコストが上がってしまい、多数の印刷装置を導入している企業・職場等ではランニングコスト増が無視できない。そこで、企業等は高付加機能を利用する際には、個々の職員やグループに応じて利用者コードの入力やカードリーダーによる認証を行い、利用者の制限管理を実施することにより高付加機能化に伴うランニングコスト増を抑制する場合がある。一方、例えば複数のコンピュータ(パソコン)を、ネットワークを介して1台のプリンタに接続し、プリンタを共用する場合もある(ネットワーク・プリンタと呼ぶ)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリンタの利用者制限管理を行う場合、印刷データの受付後、利用可否の認証をプリンタが判断する場合があり、認証OKの場合は印刷を実行するが、認証NGの場合にそのデータを破棄してしまうことがある。これでは、利用者は印刷をするために再度の手順が必要であり、利便性に問題がある。また、コストの高い機能のみを制限しようとすると、高付加機能プリンタに加えて高付加機能を持たない別のプリンタ(低付加機能プリンタ)を用意する必要があり、職場等に多種のプリンタが同時混在することになり、プリンタを効率よく管理する面から好ましくない。
【0004】更に、利用者制限をされたコピー機,ファクシミリを利用する場合は、利用者はコピー機等の設置場所に出向いて利用者コード等を入力後、認証OKを得てからコピー等を行うのが一般的である。従って、コピー機等の利用権限を持たない利用者はコピー機等の前で利用不可であることを知ることが可能である。しかし、ネットワーク・プリンタが利用者制限管理されていると、装置(プリンタ)の操作部に利用権限なしが表示されるので、自身の席に居るコンピュータの利用者は、自身が権限のないことを知ることができない。
【0005】そこで本発明の課題は、利用者制限のある印刷装置を利用する場合に、印刷装置利用の利便性が良く、高付加機能と低不可機能の装置を混在させずに済み、ネットワークに共用印刷装置が接続されている場合に該装置の設置場所に出向かないでも利用権限の有無を知ることが可能な利用者制限機能付き印刷装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために請求項1の発明は、当該印刷装置の利用者の利用可否を決定する印刷可否識別子を付した印刷データを受け、印刷可の印刷データのみを印刷する機能を備えた利用者制限機能付きの印刷装置において、前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、該印刷否の識別子を付した印刷データをキャンセルするか、保存するかを切替えられるようにしたことを特徴とする。このようにすれば、利用者制限により印刷が印刷否であっても、キャンセルか保存かを切替えられるので、キャンセルされる場合でも、データを保存しておけば、後に例えば認証を受け、印刷することが可能となる。即ち、再度コンピュータで印刷出力の処理を行わずに済ませることができる。
【0007】また、請求項2では、前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、該印刷否の識別子を付した印刷データをキャンセルするか、保存するかを、前記印刷データに対して指定可能にしたことを特徴とする。このようにすれば、利用者制限により印刷が印刷否であっても、キャンセルか保存かを利用者の意図に応じて切替えられるので、キャンセルされる場合でも、データを保存しておけば、後に例えば認証を受け、印刷することが可能となる。即ち、再度コンピュータで印刷出力の処理を行わずに済ませることができる。
【0008】また、請求項3では、前記印刷データの印刷可否識別子が印刷可の場合に、該印刷データに対し、利用者制限や印刷枚数の条件設定を可能にしたことを特徴とする。このようにすれば、特定の機能を制限することで、プリンタの利用コストを抑えることができる。
【0009】また、請求項4では、当該印刷装置がコンピュータに対して接続してある場合に、該コンピュータから印刷装置に印刷データを送信する前に、該コンピュータからの利用は不可である旨の告知を該コンピュータに行うことを特徴とする。このようにすれば、ジョブ(印刷データ)が利用者制限により印刷されなかったことを利用者に告知することができ、利用者は例えばコンピュータを設置した席(自分の席)に居ながらにして、印刷不可能の理由を知ることができる。
【0010】また、請求項5では、前記印刷装置は印刷データの印刷を実行したかしないかの履歴を残す履歴リストを備え、該履歴リストに、利用者制限により印刷が実行されなかった旨を載せることで、利用不可であることを利用者へ告知するようにしたことを特徴とする。このようにすれば、ジョブ(印刷データ)が利用者制限により印刷されなかったことを利用者に告知することにより、どのジョブが印刷されなかったかを容易に知ることができる【0011】また、請求項6では、前記印刷データの印刷可否識別子が印刷否の場合に、エラーレポートを印刷し、利用不可であることを利用者へ告知するようにしたことを特徴とする。このようにすれば、ジョブ(印刷データ)が利用者制限により印刷されなかったことを、エラーレポート形式で利用者に告知することができる。
【0012】また、請求項7では、請求項4乃至請求項6に記載の告知の場合に、印刷が不可能な理由を載せることを特徴とする。このようにすれば、ジョブが利用者制限により印刷されなかった理由を容易に知ることができ、利用者にとって親切な機能である。
【0013】また、請求項8では、請求項6または請求項7でエラーレポートを印刷する場合に、該エラーレポートに印刷制限を受けた印刷データのサムネイル画像を載せることを特徴とする。このようにすれば、サムネイル画像により、利用者はどのジョブが利用者制限により印刷されなかったかを容易に知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の「利用者制限機能付き印刷装置」を図示の実施の形態(利用者制限機能付きプリンタ)に基づいて説明する。
【0015】(1)本発明の機能ブロック図1は本発明の機能ブロック図である。図1に示すように、本発明の利用者制限機能付き印刷装置RIは、印刷装置全体の制御を行うシステム制御機能部11と、印刷装置の利用者が利用権限を持つか否かを認証する利用者認証管理機能部12と、印刷装置の操作部(操作パネル等)の制御を行う操作部制御機能部13と、印刷データ全体の制御を行う印刷制御機能部14と、パソコン等から到来した印刷データの各種処理を行う印刷データ処理記憶部15と、印刷用紙への印刷形式(例えば行数,1行当りの文字数)を設定する印刷設定機能部16と、印刷データを保存する制御を行うデータ保存制御機能部17とを備える。
【0016】次に各機能部の動作概要を説明する。印刷の通常動作時は、印刷データ処理機能部15にてコマンド解析処理されたデータが、印刷設定機能部16にて画像展開処理されて印刷が行われる。コマンド内の「印刷可否識別子」である利用者識別子や印刷条件は利用者認証管理機能部12にて印刷許可・不許可の判断が行われる。不許可でデータ保存の指定がある場合には、印刷データはデータ保存機能部17に渡される。
【0017】システム管理機能部11では、認証で不許可になった場合のジョブ履歴に不許可の情報が残される。またレポート印刷の指示を印刷制御機能部14に対して行う。操作部設定機能部13はメッセージの表示や保存された印刷データの印刷指示の受付を行う。利用者識別子が入力された場合は、利用者認証管理機能部12にて再度認証の判定が行われる。
【0018】(2)本実施の形態のハードウエア構成図2は、本実施の形態の利用者制限機能付きプリンタRPのプリンタ・コントローラ・ハードウェアの構成図である。ROM21はプログラム領域と、文字データ領域で構成され、RAM22はワーク用メモリとフレームメモリで構成される。ホストインターフェイス23は、パソコン等から到来するコンピュータカラー印刷データの受け取りや、認証情報の問い合せの受付や応答を行う。エンジンインターフェイス24は、CPU(コントローラ)25で展開した画像データを実際に印刷出力するためのインターフェイスである。操作パネルインターフェイス26は、操作部への表示や、キー操作の受付処理を行う。HDDインターフィス27は、データの保存に用いられる。
【0019】(3)本実施の形態の細部構成および動作説明先ず、以下に説明する各実施の形態に共通の動作を、図3に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図3に示すように、利用者制限機能付きプリンタはパソコン等からの印刷データを受信し(ステップS1)、印刷データに含まれる制御コマンド(利用者識別子や印刷条件等)の解析を行う(ステップS2)。制御コマンドの解析結果を認証テーブルに照合し(ステップS3)、その解析結果が認証テーブルに予め登録してある場合には、直ちに印刷データを出力(プリントアウト)する。
【0020】ステップS3で制御コマンドの解析結果が認証テーブルに登録してない場合には(認証NG)、認証NG時の処理モードの有無に応じて次の処理を行う。即ち、認証NG時の処理モードがない場合(ステップS5でNO)は受信した印刷データを破棄し(ステップS7)、該破棄した印刷データがあったことをジョブ履歴に記録する(ステップS8)。認証NG時の処理モードがある場合(ステップS5でYES)は受信した印刷データを保存し(ステップS6)、該保存した印刷データがあったことをジョブ履歴に記録する(ステップS8)。続いてエラーレポートの出力モードの有無に応じて処理を行い、該出力モードがあれば(ステップS9でYES)、エラーレポートを出力し(ステップS10)、該出力モードがなければ(ステップS9でNO)、一連の処理を終了する(ステップS11)。なお、ステップS3で認証テーブル照合結果がOK(認証OK)の場合は、印刷データの出力を行う(ステップS4)。
【0021】■第1の実施の形態…請求項1に対応プリンタの初期設定として、認証NGのジョブの処理(ステップS5に対応)を以下のようなスイッチにより選択可能とする。
・ジョブキャンセルスイッチ:認証NGとなったジョブデータを全て破棄する(ステップS7に対応)。
・保存スイッチ:認証NGとなったジョブデータをHDD等に保存蓄積を行う(ステップS6に対応)。
【0022】この認証NGの場合、後に利用者が正しく認証処理を行うことで(再認証)、印刷を実行することを可能とする。例えば送信ジョブには利用者の認証コードがない場合には、ジョブデータは蓄積された操作部等より認証コードを入力することで、印刷を行うことができる。
【0023】■第2の実施の形態…請求項2に対応第2の実施の形態では、装置側の初期設定によりジョブ処理の選択を行ったが(ステップS5に対応)、印刷指示するドライバにて設定を可能とすることで、ジョブ毎に処理を選択することが可能となる。ジョブ制御コマンドには、認証NG時の処理方法が記述され、印刷データと一緒に送信される。印刷処理に時間がかかるジョブについて、認証結果によりデータが破棄されないよう、ユーザが指示をすることが可能となる。
【0024】■第3の実施の形態…請求項3に対応利用者制限機能付きプリンタRPは予め登録された認証テーブルを備え(ステップS3に対応)、利用者毎にどの条件のジョブを許可するかの設定を行う。データ受信時にジョブの印刷条件を解析し、条件に応じて利用者制限の認証を判断する。
【0025】以下は許可条件の例である。
モノクロ印刷:モノクロ印刷データの許可/不許可カラー印刷:カラー印刷データの許可/不許可ステープル印刷:ステープル指定ジョブの許可/不許可限度枚数印刷:ある期間内で許可された最大印刷枚数利用可能時間:データ受付時間による許可/不許可認証テーブルの例:図4に示す【0026】■第4の実施の形態…請求項4に対応プリンタがネットワークを介してコンピュータと接続されている場合には、コンピュータ側で印刷データの送信前に、プリンタ側とのハンドシェークにより事前に利用者権限の確認を行うことで、利用不可の場合にはデータ送信前に利用不可であることを認識することができる。この利用不可の旨をコンピュータに伝え、表示や音声で利用者に事前に通知する。従って、利用者は自分の席にいながらにしてプリンタの使用が可能か否かを知ることができ、利便性が向上する。処理の手順を図5に示す。
【0027】■第5の実施の形態…請求項5,7に対応図6は印刷データの印刷を実行したかしないかの履歴を残すジョブ履歴リストであり、それぞれのユーザの印刷状態を記録する。即ち、印刷中,印刷完了,利用者制限(カラー印刷不可,受付時間外)を記録するので、告知により利用者制限の対象の利用者は、制限理由を知ることができる。
【0028】■第6の実施の形態…請求項5,8に対応図6のジョブ履歴リストの表示により、プリンタ操作部およびコンピュータの画面上でジョブの状態を確認することができる。
【0029】■第7の実施の形態…請求項6,7,8に対応図7はエラーレポートの印刷結果例で、利用者制限で印刷が行われなかった旨と、制限を受けた理由、印刷物のサムネイル画像を載せた例である。
【0030】なお、前記実施の形態ではプリンタの場合を説明したが、コピー機、ファクシミリ、プリンタ機能,ファクシミリ機能,コピー機能等を併せ持つ複合機等の印刷機能を備えた印刷装置に、本発明を適用可能であるのは勿論である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以下の効果を発揮することができる。請求項1,2に対する作用効果利用者制限により印刷がキャンセルされる場合でも、データが保存されることで、再度コンピュータで印刷出力の処理を行わず、再認証により印刷を行うことができる。
【0032】請求項3に対する作用効果特定の機能を制限することで、プリンタの利用コストを抑えることができる。
【0033】請求項4,5,6に対する作用効果ジョブ(印刷データ)が利用者制限により印刷されなかったことを利用者に告知することができる。
【0034】請求項7に対する作用効果ジョブが利用者制限により印刷されなかった理由を容易に知ることができる。
【0035】請求項4,5,6,8に対する作用効果どのジョブが利用者制限により印刷されなかったかを容易に知ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−108583(P2002−108583A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−299920(P2000−299920)