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【発明の名称】 プリンタ及び印刷システム
【発明者】 【氏名】茂木 努

【要約】 【課題】通信モード等の通信条件に応じて適切なサンプリング回数を設定すること。

【解決手段】ECPモード又はコンパチビリティモードのいずれの通信モードで印刷データを受信するかを決定する(S12,S13)。比較的高速なECPモードで受信する場合には、ECPモード用のサンプリング回数をサンプリング部に設定して印刷データを受信する(S15,S16)。低速なコンパチビリティモードで印刷データを受信する場合は、コンパチビリティモード用のサンプリング回数に設定する(S18,S19)。これにより、ECPモードの高速性を活かしつつ、コンパチビリティモードの慎重度を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホストコンピュータから通信回線を介して入力された印刷データに基づいて印刷を行うプリンタにおいて、前記通信回線を介して前記印刷データを受信する受信手段と、予め設定された複数の通信条件のうちいずれの通信条件に該当するかを判定する条件判定手段と、前記条件判定手段により判定された通信条件に応じて、前記受信手段による受信データのサンプリング回数を設定する制御手段とを備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】 前記通信条件は、受信速度の異なる複数の受信モードからなり、前記制御手段は、前記各受信モードの受信速度に応じて、サンプリング回数を設定する請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】 前記制御手段は、高速な受信モードの場合は、低速な受信モードのサンプリング回数よりも相対的に少ないサンプリング回数を設定する請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】 前記通信条件は、印刷品質の異なる複数の印刷モードからなり、前記制御手段は、前記各印刷モードの印刷品質に応じて、サンプリング回数を設定する請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】 前記制御手段は、低品質な印刷モードの場合は、高品質な印刷モードのサンプリング回数よりも相対的に少ないサンプリング回数を設定する請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】 前記通信条件は、ホストコンピュータの種類からなり、前記制御手段は、前記各ホストコンピュータの種類に応じて、サンプリング回数を設定する請求項1に記載のプリンタ。
【請求項7】 前記通信条件は、内部インターフェースが使用されるか又は外部インターフェースが使用されるかのいずれかであり、前記制御手段は、前記内部インターフェースを介してデータが受信される場合は、前記外部インターフェースを介してデータを受信する際のサンプリング回数よりも相対的に少ないサンプリング回数を設定する請求項1に記載のプリンタ。
【請求項8】 前記各通信条件に応じたサンプリング回数が予め記憶された記憶手段を更に備える請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプリンタ。
【請求項9】 前記制御手段は、前記受信手段がデータを受信する際に、当該通信条件に応じたサンプリング回数を検出して設定する請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプリンタ。
【請求項10】 前記各通信条件に応じたサンプリング回数は前記ホストコンピュータから通知される請求項1〜請求項7のいずれかに記載のプリンタ。
【請求項11】 印刷データを生成するホストコンピュータと、該ホストコンピュータから通信回線を介して入力された印刷データに基づいて印刷を行うプリンタとを備えた印刷システムにおいて、予め設定された複数の通信条件の中から、前記通信回線を介して前記印刷データを送信する際の通信条件を設定する通信条件設定手段と、前記設定された通信条件に従って前記印刷データを受信する受信手段と、前記設定された通信条件に応じたサンプリング回数を検出する検出手段と、前記検出されたサンプリング回数を前記受信手段による受信データのサンプリング回数として設定する制御手段とを備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項12】 前記通信条件設定手段は、前記ホストコンピュータが備えている請求項11に記載の印刷システム。
【請求項13】 前記検出手段は、前記ホストコンピュータが備えている請求項11または請求項12のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項14】 前記通信条件は、受信速度の異なる複数の受信モードからなり、前記制御手段は、前記各受信モードの受信速度に応じて、サンプリング回数を設定する請求項11〜請求項13のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項15】 前記通信条件は、印刷品質の異なる複数の印刷モードからなり、前記制御手段は、前記各印刷モードの印刷品質に応じて、サンプリング回数を設定する請求項11〜請求項13のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項16】 前記通信条件は、前記ホストコンピュータの種類からなり、前記制御手段は、前記各ホストコンピュータの種類に応じて、サンプリング回数を設定する請求項11〜請求項13のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項17】 前記通信条件は、前記プリンタの内部インターフェースが使用されるか又は外部インターフェースが使用されるかのいずれかであり、前記制御手段は、前記内部インターフェースを介してデータが受信される場合は、前記外部インターフェースを介してデータを受信する際のサンプリング回数よりも相対的に少ないサンプリング回数を設定する請求項11〜請求項13のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項18】 印刷制御を行うためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体において、印刷データを受信させる機能と、予め設定された複数の通信条件のうちいずれの通信条件に該当するかを判定させる機能と、前記条件判定手段により判定された通信条件に応じて、前記受信される印刷データのサンプリング回数を設定させる機能とを、コンピュータ上に実現させるためのコンピュータプログラムを該コンピュータが読取り及び理解可能な形態で記録したことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ及び印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータで作成された印刷データは、パラレル通信ポートやシリアル通信ポートを経由してプリンタに送信される。プリンタは、受信した印刷データに基づいて印刷用イメージデータを生成し、印刷を実行する。ここで、パラレル通信のモードとしては、IEEE1284で規定されているように、比較的高速なECPモードと低速なコンパチビリティモードとの2種類が知られている。
【0003】いずれの通信モードでデータを受信する場合も、プリンタは、データストローブ信号(/STB信号)の立上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで、データを例えば1バイトずつ取り込むようになっている。しかし、ノイズの影響によって受信データに誤りを生じる可能性があるため、一回の取り込みでデータを確定させず、通常は、複数回のサンプリングを行って受信データの値(信号レベル)を確定させるようになっている。即ち、サンプリングクロックのタイミングで常に行われている/STB信号のサンプリング毎に、受信データのレベル判定をそれぞれ行い、所定回数連続してHレベル(Highレベル)の信号を検出したときはHレベルの信号として確定させ、また、所定回数連続してLレベル(Lowレベル)の信号を検出したときはLレベルの信号として確定させるようになっている。
【0004】このようにして確定された受信データは、印刷イメージとして展開され、プリントエンジンにより印刷される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、/STB信号のサンプリングを所定回数行うことにより、スパイクノイズ等の影響を排して受信データを正確に取り込むことが可能となる。サンプリング回数を増加させるほどデータ受信の信頼性、即ち、慎重度が向上する傾向にあると言える。しかし、サンプリング回数を増加させると、信号レベルの確定に時間を要し、プリンタからの受信応答も遅くなるため、印刷データの受信時間が長くなり、ひいては印刷時間の遅れを招来することにもなる。
【0006】このように、データ受信時の慎重度と受信処理の速度とはトレードオフの関係に立っている。従来技術では、慎重度と受信処理速度とを比較考量して、サンプリング回数を単一に設定している。即ち、上述したパラレル通信モードの種類等を問わずに、予め設定された所定回数だけサンプリングを行い、信号レベルを確定させている。
【0007】しかし、高速なECPモードと低速なコンパチビリティモードのいずれの場合でも、同一回数のサンプリングを行うため、高速なECPモードの特徴を活かすことができない場合もあり得る。逆に、コンパチビリティモードの側に立てば、ECPモードとの妥協により設定されたサンプリング回数では、慎重度が十分とは言えない場合もあり得る。このように、従来技術では、種々の通信条件を何ら考慮することなく、固定された単一のサンプリング回数でデータを受信しているため、通信モードの特徴等を活かしてない可能性がある。
【0008】本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、通信条件に適したサンプリング回数を設定できるようにしたプリンタ及び印刷システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明に係るプリンタは下記の構成を備える。即ち、ホストコンピュータから通信回線を介して入力された印刷データに基づいて印刷を行うプリンタにおいて、前記通信回線を介して前記印刷データを受信する受信手段と、予め設定された複数の通信条件のうちいずれの通信条件に該当するかを判定する条件判定手段と、前記条件判定手段により判定された通信条件に応じて、前記受信手段による受信データのサンプリング回数を設定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】「ホストコンピュータ」としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯情報端末、デジタルカメラ、スキャナ、カードリーダ等の種々のものを挙げることができる。通信回線としては、パラレル通信ケーブル、シリアル通信ケーブル、空間伝送、有線伝送のように種々のものがあるが、パラレル通信の場合に本発明は特に有効であろう。ここで、「通信条件」とは、印刷データ(コマンドを含む)を伝送する際の条件、状態、態様を意味し、例えば、それぞれ受信速度の異なる受信モードが存在する場合にいずれの受信モードで受信されるか、印刷品質の異なる印刷モードが存在する場合にいずれの印刷モードで印刷データが生成されるか、複数種類のホストコンピュータから印刷データを受信可能な場合にどのような種類のホストコンピュータからデータを受信するか、さらには、内部インターフェースと外部インターフェースを備える場合にいずれのインターフェースが使用されるか等を挙げることができる。
【0011】各通信条件は予め設定されており、条件判定手段は、いずれの通信条件によりデータが受信されるかを判定する。制御手段は、判定された通信条件に応じて受信データのサンプリング回数を設定する。これにより、通信条件に適した回数で信号レベルのサンプリングを行うことができる。
【0012】例えば、高速な受信モードの場合は、低速な受信モードのサンプリング回数よりも相対的に少ないサンプリング回数を設定するようにすれば、ECPモードのような高速な通信モードの特徴を活かして印刷データを受信することができ、印刷処理時間をより短縮すること可能となる。また、低速な受信モードの場合は、相対的にサンプリング回数を増加させることにより、データ受信時の慎重度をより高めることも可能となる。
【0013】さらに、低品質な印刷モードの場合は、高品質な印刷モードのサンプリング回数よりも相対的に少ないサンプリング回数を設定するようにすれば、印刷品質をそれほど問わない仮印刷等をより高速に行うことができる。
【0014】一方、ホストコンピュータの種類に応じて、サンプリング回数を設定する場合は、以下の方法が考えられる。例えば、ホストコンピュータから取得されるメーカーコードに基づいて、プリンタとホストコンピュータのメーカー間の信頼が高い場合、典型的な例として、同一のメーカーが提供するプリンタとホストコンピュータ間で印刷データを伝送するような場合には、サンプリング回数を少なく設定することが可能であろう。細かな通信性能や特性まで考慮することが可能だからである。逆に、ホストコンピュータとプリンタのメーカーが相違する場合、特に、製品の信頼性が確認されていないメーカー製のホストコンピュータからデータを受信するような場合には、慎重度を向上させるべく、サンプリング回数を多めに設定することも可能である。特に、高価なカラーインクを用いて高画質印刷を行うような場合には、ノイズによる微少な品質低下を嫌うことがあるので、慎重度を高める方が好ましいことも考えられる。
【0015】一方、ホストコンピュータの機種毎に、サンプリング回数を設定することも可能である。上述のように、ホストコンピュータとしては、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、ディジタルカメラ、ディジタルビデオ、スキャナ、カードリーダー等の種々のものを想定できるが、各機種の特性に応じたサンプリング回数を設定することもできる。その機種が果たすべき主な目的に応じてサンプリング回数を設定することができる。例えば、数十万画素程度の比較的画素数の少ない安価なディジタルカメラ等の場合は、さほどの画質を要求されないため、サンプリング回数を落として処理速度の向上を図ることができる。また、印刷すべきデータがもともと少ないため、複数回のデータ送信が予め規定されているような場合は、サンプリング回数を低下させても支障は少ないであろう。具体的には、磁気カードやICカード等からユーザーの氏名等を読み出してチケット等を発行するシステムが考えられる。但し、画素数の少ないディジタルカメラ等の場合にサンプリング回数を低下させるのは一例であって、本発明はこれに限定されない。画素数が多い場合、印刷処理速度を優先させるべくサンプリング回数を低下させることも考えられる。ホストコンピュータの機種に応じて、より詳しくは、ホストコンピュータの機種の使用目的に応じて、サンプリング回数を可変に設定できる点に留意すべきである。
【0016】さらに、内部インターフェースを使用してデータを受信する場合は、通信経路が短くノイズ等の影響を受けにくいため、サンプリング回数を低下させても支障がないであろう。逆に、外部インターフェースを用いてデータを受信する場合は、サンプリング回数を高めて慎重度を増した方が安全であろう。ホストコンピュータの機種により、内部インターフェース又は外部インターフェースのいずれを用いるか予め定まる場合もあるであろう。
【0017】一方、ここで、シュミレーションや実機テスト等によって、各通信条件に応じたサンプリング回数を求めておき、これら各通信条件毎にそれぞれ定められたサンプリング回数をメモリ等の記憶手段に予め記憶させておくことができる。これにより、速やかにサンプリング回数を設定することができる。
【0018】あるいは、受信手段がデータを受信する際に、当該通信条件に応じたサンプリング回数を検出して設定することもできる。即ち、上記のように、各通信条件毎に予め固定されたサンプリング回数を読み出して設定するのではなく、実際の通信条件に応じて動的にサンプリング回数を可変設定することもできる。例えば、初期値のサンプリング回数を徐々に減じていき、信号レベルの読取りに誤りを生じる直前のサンプリング回数を現在使用可能な最小のサンプリング回数として用いることができる。
【0019】このようなサンプリング回数の設定は、プリンタ内部で行うこともできるし、ホストコンピュータからの通知によっても行うことができる。
【0020】本発明は、印刷システムとして把握することもできる。即ち、印刷データを生成するホストコンピュータと、該ホストコンピュータから通信回線を介して入力された印刷データに基づいて印刷を行うプリンタとを備えた印刷システムにおいて、予め設定された複数の通信条件の中から、前記通信回線を介して前記印刷データを送信する際の通信条件を設定する通信条件設定手段と、前記設定された通信条件に従って前記印刷データを受信する受信手段と、前記設定された通信条件に応じたサンプリング回数を検出する検出手段と、前記検出されたサンプリング回数を前記受信手段による受信データのサンプリング回数として設定する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】通信条件設定手段又は検出手段のいずれか又は双方を、ホストコンピュータ側に備えさせることができる。
【0022】また、本発明は、印刷システム、印刷制御用プログラムを記録した記録媒体として把握することも可能である。記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、コンパクトディスク(CD-ROM,CD-RAM等)、ディジタルビデオディスク(DVD-ROM,DVD-RAM等)、ハードディスク(HD)、メモリ、ICカード等を用いることができる。また、有線又は無線の通信回線を介してプログラムをダウンロードする等のように、伝送媒体を用いることもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0024】1.第1の実施の形態図1〜図5に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る印刷システムの要部を示すブロック図である。
【0025】例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯情報端末、ディジタルカメラ等として実現可能なホストコンピュータ1は、通信インターフェース(以下「I/F」)2と、印刷データ生成部3と、通信モード設定部4と、メーカーコード及び機種コードを記憶した記憶部5とを備えている。なお、記憶部5は、後述の実施例により好適に用いられる。
【0026】I/F2は、例えば、IEEE1284に規定されたECPモードやコンパチビリティモードにより、通信回線としてのパラレル通信ケーブルCNを介してプリンタ11と通信を行うものである。印刷データ生成部3は、文書作成ソフトウエア等のアプリケーションプログラムから渡されたデータに基づいて印刷データを生成するものである。通信モード設定部4は、ECPモード又はコンパチビリティモードのいずれでデータ送信を行うかを設定するものである。
【0027】プリンタ11は、プリンタコントローラ12、エンジン制御部20及びプリントエンジン21を備えて構成されている。プリンタコントローラ12は、後述するように、通信I/F13,サンプリング部14,受信部15,イメージ生成部16,出力バッファ17,通信モード制御部18及び記憶部19を含んで構成されている。
【0028】I/F13は、通信ケーブルCNを介してホストコンピュータ1と通信を行うものである。I/F13を介して受信されたデータは、サンプリング手段として表現可能なサンプリング部14によって所定回数だけサンプリングされ、その信号レベルが確定される。確定されたデータは、バッファを有する受信回路として形成された受信部15に受信され一時的に記憶される。受信部15に記憶された印刷データは、イメージ生成部16によって所定の印刷用イメージデータに変換され、出力バッファ17に展開される。エンジン制御部20は、出力バッファ17から転送された印刷用イメージデータに基づいてプリントエンジン21の駆動を制御することにより、所定の印刷を行う。ここで、本発明における「受信手段」は、I/F13,サンプリング部14及び受信部15によって構成することができる。
【0029】「制御手段」を実現する通信モード制御部18は、マイクロコンピュータシステムとして、あるいはハードウェアロジック回路として実現可能なもので、「通信条件」の一例としての通信モードに応じたサンプリング回数をサンプリング部14に設定するものである。RAM等の記憶部19には、各通信モードの種類毎にサンプリング回数が予め記憶されている。通信モード制御部18は、ホストコンピュータ1との交渉により定められた通信モードに従って、記憶部19から所定のサンプリング回数を読み出し、サンプリング部14にセットする。
【0030】次に、図2及び図3に基づいて、各通信モードにおけるサンプリング等を説明する。図2はコンパチビリティモードの場合を示し、図2(a)はサンプリング回数を「2」にセットした状態、図2(b)はサンプリング回数を「3」にセットした状態をそれぞれ示す。図中のDATAはホストコンピュータ1から送信されるデータ、/STBはホストコンピュータ1から送信されるストローブ信号、clkはサンプリングクロック、STBは確定したストローブ信号をそれぞれ示す。即ち、DATA,/STBはホストコンピュータ1側の信号を示し、clk以下はプリンタ11内の信号を示す。プリンタ11側のストローブ信号をSTBと表記するのは、説明の便宜のためである。ホストコンピュータ1はデータを送信した後、即ち、データの遷移状態が変化してから所定時間経過後に/STB信号を送出する。プリンタ11のサンプリング部14は、ホストコンピュータ1からの/STB信号を受信すると、/STB信号の立ち下がりエッジをトリガとして、所定回数(図2(a)の場合は2回)のクロックパルスが入力されるのを待つ。所定回数のサンプリングクロックパルスが入力された後、/STB信号の立上がりエッジから前記所定回数だけサンプリングクロックパルスが入力されるまでの間、プリンタ側のSTB信号を立ち上げてデータを受信する。従って、サンプリング回数を多くすると、データ受信時の慎重度は増すが、図2中のt1,t2として示すように、データが受信されるまでの時間が長くなる。
【0031】図3はECPモードの場合を示す図2と同様のタイムチャートである。なお、図3中では、ホストコンピュータ1からの/STB信号送出時期が早く、プリンタ側のストローブ信号STBの立上がりエッジをもってデータを受信する点で、図2の場合と相違する。これは通信規格の仕様により定まるものである。また、図2,図3は、サンプリング回数の変更による受信速度の遅れを示すためのものであり、図示されたサンプリング回数に本発明が限定されるものではない。
【0032】次に、図4及び図5を参照して本発明の作用を説明する。まず、図4は、ホストコンピュータ1側の処理を示すフローチャートである。以下の説明では、ステップをSと略記する。また、図中では、コンパチビリティモードを「コンパチモード」と略記している。
【0033】まず、印刷実行が指示されたか否かを判定し、印刷実行が指示された場合は、プリンタ11に対してECPモードでのデータ受信が可能であるかを問い合わせる(S1,S2)。そして、プリンタ11からの回答に基づいて、ECPモードでのデータ送信が可能な場合は、ECPモードに設定する(S3,S4)。一方、ECPモードでのデータ送信ができない場合は、コンパチビリティモードに設定する(S5)。このようにして通信モードを設定した後、印刷データが生成され、通信ケーブルCN等を介してデータが送信される(S6,S7)。
【0034】図5は、プリンタ11側の処理を示すフローチャートである。まず、プリンタ11は、ホストコンピュータ1から何らかのデータを受信したか否かを監視している(S11)。通信モード問い合わせコマンドの場合、プリンタ11は受信可能な通信モードを確認する(S12)。ECPモードで受信可能な場合は、その旨をホストコンピュータ1に返信すると共に(S13,S14)、通信モードをECPモードに設定し(S15)、ECPモード用のサンプリング回数を記憶部19から読み出してサンプリング部14にセットする(S16)。
【0035】一方、ECPモードで受信できない場合は(S13:NO)、その旨をホストコンピュータ1に返信し(S17)、通信モードをコンパチビリティモードに設定すると共に(S18)、コンパチビリティモード用のサンプリング回数を記憶部19から読み出してサンプリング部14にセットする(S19)。
【0036】このように受信準備を整えた後、ホストコンピュータ1からの印刷データを受信して(S20)、印刷用イメージデータを生成し(S21)、印刷を実行する(S22)。ECPモード用のサンプリング回数Secpとコンパチビリティモード用のサンプリング回数Sconの間には、Secp<Sconの関係が成立するようになっている。
【0037】このように構成される本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
【0038】第1に、通信モードに応じてサンプリング回数を可変に設定するので、各通信モードの特徴を活かしつつ印刷時のデータ転送を行うことができる。即ち、高速なECPモードのサンプリング回数を少なく設定することにより、コンパチビリティモードと共用のサンプリング回数でサンプリングする場合よりもデータ受信速度を高めることができる。逆に、コンパチビリティモードの場合は、従来のようなECPモードの存在による制限を脱することができ、より多くのサンプリング回数を実現することができ、耐ノイズ性が向上する。
【0039】第2に、各通信モードに適したサンプリング回数は予め記憶部19に記憶されているため、サンプリング部14にサンプリング回数を速やかにセットすることができ、受信速度を高めることができる。
【0040】2.第2の実施の形態次に、図6,図7に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。以下の各実施の形態では、上述した構成要素と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。本実施の形態の特徴は、印刷モードに応じて適切なサンプリング回数を設定する点にある。以下、追加又は変更された新規のステップを中心に説明する。
【0041】図6は、ホストコンピュータ側の処理を示し、印刷実行が指示された場合は、高品質モードで印刷するか否かを判定する(S31)。高品質モード(高品質印刷モード)が指示されている場合は、プリンタ11に高品質モードである旨を通知し、通信モードをコンパチビリティモードに設定する(S32,S33)。一方、高品質モードが指示されていない場合は、高速モード(高速印刷モード)で印刷されるべき旨をプリンタ11に通知し、通信モードをECPモードに設定する(S34,S35)。
【0042】高品質モードの場合にコンパチビリティモードに設定するのは、ノイズ等によるデータの変化を防止して画質低下を防止するためである。高速モードの場合にECPモードを設定するのは、データ受信速度を高めて印刷時間を短縮するためである。なお、図6中では、高品質モードが指示されていない場合は、高速モードが指示されたものと判定されているが、説明の便宜上、高速モードが指示されているか否かを判定するステップを省略しているためである。図7においても同様である。
【0043】図7に示すように、プリンタ側の処理では、ホストコンピュータ1からの通知によって印刷モードを判定し(S41)、高品質モードの場合は、通信モードをコンパチビリティモードに設定すると共に、コンパチビリティモード用のサンプリング回数をセットする(S42,S43,S44)。一方、高品質モードでない場合は、高速モードと判定し、通信モードをECPモードに設定すると共に、ECPモード用のサンプリング回数をセットする(S45,S46)。
【0044】このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、印刷モードに適したサンプリング回数をセットすることができる。
【0045】3.第3の実施の形態図8は、本発明の第3の実施の形態を示すフローチャートであって、本実施の形態の特徴は、ホストコンピュータの種類に応じてサンプリング回数を設定する点にある。
【0046】即ち、ホストコンピュータ1は、印刷データ送信前に、メーカーコード及び種別コードをプリンタ11に送信する。メーカーコードとは、製造者を識別するための情報であり、ここで、種別コードとは、ホストコンピュータがパーソナルコンピュータ、ディジタルカメラ、スキャナ等のいずれに分類されるかを示す情報である。さらに、例えば、製造年月日、バージョン、機種名等の情報をメーカーコード又は種別コードの一部として、あるいはメーカーコード又は種別コードとは別体のものとしてプリンタ11に送信することもできる。
【0047】プリンタ11側では、受信したメーカーコード及び種別コードに基づいてホストコンピュータの種類を判別し(S61)、ホストコンピュータの種類に応じたサンプリング回数を決定してセットする(S62,S63)。
【0048】このように構成される本実施の形態によれば、ホストコンピュータの種類に応じてサンプリング回数をセットすることができる。
【0049】4.第4の実施の形態図9は、サンプリング回数を動的に決定するための処理を示す。まず、初期値Snをセットしてデータを受信し(S71,S72)、受信が正常に行われたか否かを診断する(S73)。正常な受信が行われた場合には、サンプリング回数を1だけデクリメントし(S74)、S72に戻って次のデータを受信する。このように、データ受信状態を監視しながらサンプリング回数を徐々に減じていき、やがて、データ受信に誤りが発生すると、受信エラー発生前のサンプリング回数を最小のサンプリング回数として検出する(S75)。なお、データ受信にエラーが生じたか否かは、プリンタから見て既知のデータを受信させることにより判別させることができる。
【0050】このように構成される本実施の形態によれば、サンプリング回数の設定に時間を要するものの、実際の通信状態に即したサンプリング回数を設定することができる。従って、例えば、ホストコンピュータ1からのデータ伝送に信頼をもてない場合や、ホストコンピュータの種類がプリンタ11側に未登録の場合等でも、適切なサンプリング回数を設定することができる。
【0051】5.具体例図10は、サンプリング部14にサンプリング回数を可変に設定するための具体的構造を示す回路図である。図10(a)に示すように、各記憶回路31に異なるサンプリング回数をそれぞれ記憶させておき、検出又は読み出されたサンプリング回数の指示信号によって、選択回路32が所定のサンプリング回数を記憶した記憶回路を選択することができる。
【0052】また、図10(b)に示すように、最大のサンプリング回数に応じた数だけフリップフロップ41を多段に縦続接続し、指定されたサンプリング回数に応じたフリップフロップ41の出力をセレクタ43により選択させる構成を採用するここともできる。なお、同一値判定回路42は、各フリップフロップ41の出力信号レベルが同一であるか否かを確認するためのものである。
【0053】なお、当業者であれば、前記各実施の形態に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。特に、フローチャートは要部を概略的に示しているため、ステップの追加、変更、削除、入れ替え等を行うことができるであろう。また、内部インターフェースを用いる場合と外部インターフェースを用いる場合とでサンプリング回数を変更する場合は、例えば、図7中のS41を「使用するインターフェースを判定」、S42を「外部インターフェースか?」に変更すればよい。これにより、比較的安定した通信が見込まれる内部インターフェース使用時には、サンプリング回数が少なく設定される高速なECPモードにより通信を行うことができ、ノイズ等の影響を受けやすい外部インターフェース使用時には、サンプリング回数が多く設定されるコンパチビリティモードにより通信を行うことができる。従って、前記各実施の形態と同様に、高速なECPモードの特徴を活かしつつ、コンパチビリティモードの慎重度を高くすることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係るプリンタ及び印刷システムによれば、通信条件に応じたサンプリング回数を設定することができる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成12年10月2日(2000.10.2)
【代理人】 【識別番号】100095371
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 輝之 (外1名)
【公開番号】 特開2002−108577(P2002−108577A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−302643(P2000−302643)