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【発明の名称】 画像表示システム、画像表示方法、及び記憶媒体、プログラム
【発明者】 【氏名】長谷川 勝英

【要約】 【課題】指示具の指示位置画像を指示具の影に隠れないようにすることができ、かつ操作を快適に行うことができる画像表示システムを提供する。

【解決手段】スクリーン5上に画像を表示する投影型画像表示装置2と、指示具4の位置に応じた位置座標を検出する座標検出器1とを備え、コンピュータ3は、指示具4の指示位置を示す指示位置画像を、座標検出器1が検出した位置座標に対して所定距離の位置座標に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムであって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示手段と、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出手段と、前記指示具の指示位置を示す指示位置画像を、前記検出手段が検出した位置座標に対して所定距離の位置座標に表示する表示制御手段と、を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】 前記所定距離を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】 前記変更手段は、スイッチであることを特徴とする請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項4】 前記スイッチは、前記指示具に複数設けられ、前記複数のスイッチの組合せにより前記所定距離の位置座標の方向が決定されることを特徴とする請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項5】 前記変更手段は、前記スクリーン上に表示された変更画面が前記指示具によって指示されることにより前記所定距離を変更することを特徴とする請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項6】 前記座標検出手段の検出領域は、前記スクリーン上の表示画像領域より少なくとも前記所定距離の最大設定値分広いことを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項7】 前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置座標に基づいて、前記所定距離を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項8】 前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置座標の画面の端からの距離に比例するよう前記所定距離を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項9】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムの制御方法であって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示工程と、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出工程と、前記指示具の指示位置を示す指示位置画像を、前記検出手段が検出した位置座標に対して所定距離の位置座標に表示する表示制御工程と、を備えることを特徴とする画像表示システムの制御方法。
【請求項10】 前記所定距離を変更する変更工程を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の画像表示システムの制御方法。
【請求項11】 前記変更工程は、スイッチによって前記所定距離を変更することを特徴とする請求項9に記載の画像表示システムの制御方法。
【請求項12】 前記スイッチは、前記指示具に複数設けられ、前記複数のスイッチの組合せにより前記所定距離の位置座標の方向が決定されることを特徴とする請求項11に記載の画像表示システム。
【請求項13】 前記変更工程は、前記スクリーン上に表示された変更画面が前記指示具によって指示されることにより前記所定距離を変更することを特徴とする請求項10に記載の画像表示システムの制御方法。
【請求項14】 前記座標検出工程の検出領域は、前記スクリーン上の表示画像領域より少なくとも前記所定距離の最大設定値分広いことを特徴とする請求項9に記載の画像表示システムの制御方法。
【請求項15】 前記表示制御工程は、前記検出手段が検出した位置座標に基づいて、前記所定距離を異ならせることを特徴とする請求項9に記載の画像表示システムの制御方法。
【請求項16】 前記表示制御工程は、前記検出手段が検出した位置座標の画面の端からの距離に比例するよう前記所定距離を制御することを特徴とする請求項9に記載の画像表示システムの制御方法。
【請求項17】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムを実行可能とするコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示工程のプログラムコードと、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出工程のプログラムコードと、前記指示具の指示位置を示す指示位置画像を、前記検出手段が検出した位置座標に対して所定距離の位置座標に表示する表示制御工程のプログラムコードとを備えることを特徴とするコンピュータプログラムの記憶媒体。
【請求項18】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムを実行可能とするコンピュータプログラムであって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示工程のプログラムコードと、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出工程のプログラムコードと、前記指示具の指示位置を示す指示位置画像を、前記検出手段が検出した位置座標に対して所定距離の位置座標に表示する表示制御工程のプログラムコードとを備えることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムであって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示手段と、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出手段とを備え、前記指示具には複数の発光部が設けられ、当該複数の発光部の間に中空部あるいは透明部が設けられていることを特徴とする画像表示システム。
【請求項20】 前記検出手段は、前記発光部からの光量重心を前記指示具の位置に応じた位置座標として検出することを特徴とする請求項19に記載の画像表示システム。
【請求項21】 前記発光部は、光ファイバであり、前記検出手段は、前記光ファイバからのピーク位置を前記指示具の位置に応じた位置座標として検出することを特徴とする請求項19に記載の画像表示システム。
【請求項22】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムの制御方法であって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示工程と、複数の発光部の間に中空部あるいは透明部が設けられている前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出工程とを備えることを特徴とする画像表示システムの制御方法。
【請求項23】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムの制御方法を実行可能なプログラムの記憶媒体であって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示工程のプログラムコードと、複数の発光部が設けられ、当該複数の発光部の間に中空部あるいは透明部が設けられている前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出工程のプログラムコードとを備えることを特徴とする画像表示システムの制御方法を実行可能なプログラムの記憶媒体。
【請求項24】 スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムの制御方法を実行可能なプログラムであって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示工程のプログラムコードと、複数の発光部が設けられ、当該複数の発光部の間に中空部あるいは透明部が設けられている前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出工程のプログラムコードとを備えることを特徴とする画像表示システムの制御方法を実行可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プレゼンテーションや会議に用いられる投映型画像表示システムが存在する。これは、スクリーンである大型ディスプレイの画面に指示具によって直接座標を入力することにより、接続されたコンピュータを制御したり、文字や図形などを書き込むために用いられる。特に、この種の装置としては、ビデオカメラを投映型表示装置に組込んだものが知られている。これは、ビデオカメラで指示具の発光部を撮像し、その位置を検出して接続されたコンピュータ等に座標信号を送出する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、投映型ディスプレイの画面の明るさが改善され、明るく照明された環境においても十分使用できるようになり、また、コンピュータの普及が進んだため、需要が拡大されつつある。特に、コンピュータ画面を用いたプレゼンテーションや会議においては、画面を直接操作できる投映型画像表示システムは非常に便利なものである。加えて、この種のシステムにあるフロント投映型は可搬性があり、場所に応じて画面の大きさを変えて使える利点がある。
【0004】しかしながら、フロント投映型の場合、指示具をスクリーンの前で操作するため、指示具や操作者の影ができて、カーソルが見えなくなってしまう問題があった。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、指示具の指示位置画像を指示具の影に隠れないようにすることができ、かつ操作を快適に行うことができる画像表示システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明による画像表示システムは以下の構成を備える。即ち、スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムであって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示手段と、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出手段と、前記指示具の指示位置を示す指示位置画像を、前記検出手段が検出した位置座標に対して所定距離の位置座標に表示する表示制御手段とを備える。
【0007】また、好ましくは、前記所定距離を変更する変更手段とを更に備える。
【0008】また、好ましくは、前記変更手段は、スイッチである。
【0009】また、好ましくは、前記スイッチは、前記指示具に複数設けられ、前記複数のスイッチの組合せにより前記所定距離の位置座標の方向が決定される。
【0010】また、好ましくは、前記変更手段は、前記スクリーン上に表示された変更画面が前記指示具によって指示されることにより前記所定距離を変更する。
【0011】また、好ましくは、前記座標検出手段の検出領域は、前記スクリーン上の表示画像領域より少なくとも前記所定距離の最大設定値分広い。
【0012】また、好ましくは、前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置座標に基づいて、前記所定距離を異ならせる。
【0013】また、好ましくは、前記表示制御手段は、前記検出手段が検出した位置座標の画面の端からの距離に比例するよう前記所定距離を制御する。
【0014】また、上記の目的を達成するための本発明による画像表示システムは以下の構成を備える。即ち、スクリーン上に指示具の位置に応じた画像を表示する画像表示システムであって、前記スクリーン上に画像を表示する投影型画像表示手段と、前記指示具の位置に応じた位置座標を検出する検出手段とを備え、前記指示具には複数の発光部が設けられ、当該複数の発光部の間に中空部あるいは透明部が設けられている。
【0015】また、好ましくは、前記検出手段は、前記発光部からの光量重心を前記指示具の位置に応じた位置座標として検出する。
【0016】また、好ましくは、前記発光部は、光ファイバであり、前記検出手段は、前記光ファイバからのピーク位置を前記指示具の位置に応じた位置座標として検出する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0018】(実施形態1)図1は実施形態1の画像表示システムの構成を示す図であり、図2は実施形態1の画像表示システムの機能構成を示す図である。
【0019】図1に示すように、画像表示システムは、投映型表示装置2と、画像が表示されるスクリーン5と、指示具4の先端に設けられた発光素子41の位置座標等を検出する座標検出器1と、コンピュータ3とからなる。そして、コンピュータ3が生成する画像信号が投映型表示装置2に入力され、一方で、座標検出器1が検出した発光素子41の位置座標や制御信号がコンピュータ3に入力されるよう接続されている。尚、座標検出器1は、投映型表示装置2と機械的に固定されている。また、投映型表示装置2はスクリーン5上に所定の位置、大きさで画像が投映されるよう位置調整して設置されている。
【0020】指示具4は、赤外LED等の発光素子41と、その発光を駆動制御する発光制御部42、複数の操作用スイッチ(SW)43とを内蔵している。発光制御部42は、操作用スイッチ43の状態により、発光のON(オン)/OFF(オフ)と、光を変調することによって、制御信号を重畳する発光制御を行う。
【0021】座標検出器1は、赤外ビデオカメラ部11と、この赤外ビデオカメラ部11の出力信号から座標演算を行う座標演算部14、指示具4からの制御信号を検出する受光素子12と制御信号検出部13、さらに座標と制御信号をコンピュータ3に送出し、あるいはコンピュータ3の指令により動作状態の切換えを行なうモード制御信号を受信する機能を有する通信制御部16とから構成されている。加えて、座標補正部15が設けられている。
【0022】このような構成により、発光素子41の座標位置及び指示具4の後述する各スイッチの状態に対応する制御信号とを検出して、コンピュータ3にその情報を通信するようにしている。
【0023】投映型表示装置2は、コンピュータ3からの画像信号が入力されると、その画像情報をスクリーン5に表示することができる。また、コンピュータ3は、画像信号にカーソル(指示位置画像)55Lを重畳する機能を有しており、座標検出器1からの座標と制御信号に応じてカーソル55Lの表示位置と形状を変化させたり、各種の処理を実行して表示画像を変化できるように構成されている。
【0024】このように構成することで、指示具4によりスクリーン5上で文字情報や線画情報を入力し、その情報を投映型表示装置5で表示することにより、あたかも『紙と鉛筆』のような関係で情報の入出力を可能とする。それ以外にも、ボタン操作やアイコンの選択決定などの入力操作を自由に行えるように構成されている。
【0025】以下、実施形態1の投映型画像表示システムの詳細について具体的に説明する。
【0026】<指示具4の詳細説明>図3は実施形態1の指示具の概略構造図である。
【0027】図3に示すように、赤外光を放射する発光素子41と、その発光を駆動制御する発光制御部42、並びに実施形態1では4個の操作用スイッチ43A〜43Dとを内蔵している。発光制御部42は、4個の操作用スイッチ43A〜43Dの状態により、発光のON(オン)/OFF(オフ)と、光を変調することによって、制御信号を重畳した発光制御を行う。
【0028】ここで、指示具4の動作モードについて図4を用いて説明する。
【0029】図4は実施形態1の指示具の動作モードを示す図である。
【0030】スイッチA〜Dは、図3のスイッチ43A〜43Dに対応している。尚、図4中、「発光」とは発光信号(座標信号)に対応し、「ペンダウン」、「ペンボタン」とは制御信号に対応する。また、光の変調は、リモコン等で使用されよく知られているものと同様であるので、説明を省略する。
【0031】操作者は、指示具4を握ってスクリーン5の前でその先端を座標検出器1のほうに発光素子41を向ける。このとき、スイッチ43Aは親指が自然に触れる位置に配置されており、これを押すことによって、発光素子41が発光を開始して、座標検出器1が動作して所定の処理によって座標信号が出力され始めるが、この状態ではペンダウン及びペンボタンの制御信号はOFFの状態である。このため、スクリーン5上では、カーソルの動きやボタンのハイライト切換等による操作者への指示位置の明示のみが行われる。
【0032】また、人差し指及び中指が自然に触れる位置に配置されたスイッチ43C、43Dを押すことによって、図4に示すようにペンダウン及びペンボタンの制御信号が、発光信号に重畳された信号となる。即ち、スイッチ43Cを押すことによってペンダウンの状態となり、文字や線画の入力を開始したり、ボタンを選択決定する等の画面制御が実行できる。スイッチ43Dを押すことによって、ペンボタンの状態となり、メニューの呼出等の別機能に対応させることができる。これにより、操作者は、片手でスクリーン5上の任意の位置で、すばやく正確に文字や図形を描いたり、ボタンやメニューを選択したりすることによって、軽快な操作を実行することができる。
【0033】一方、スイッチ43Bは、スイッチ43Aと同様に操作者が親指で押せる位置にあり、このためスイッチ43Aと同時に押すことが困難な位置にある。これは、同時に押す必要がないためである。また、スイッチ43Aに比べてスイッチ43Bは、あまり頻繁に使用することがないので、むしろ容易には押せないようにしてあるほうが望ましい。このスイッチ43Bを押しながらスイッチ43C、43Dを押した場合は、図4に示すように、ペンダウン及びペンボタンの制御信号はOFFの状態で、LEFTあるいはRIGHTという信号が送信される。LEFTあるいはRIGHTという信号は座標検出器1からコンピュータに送出されずに、座標補正部15において出力座標に加減算されるオフセット値を変化させるよう作用するようになっている。
【0034】このような構成により、スクリーン5の前で、スイッチ43C、43Dを押すことで、図5に示したようにカーソルの位置を55L、55、55Rのように、変化させることができる。
【0035】この図では、オフセットゼロの位置である55のカーソルは、指示具の影40に一部が隠されているが、55Lあるいは55Rに変更することによって、カーソルが影40に隠れることがなくなり、操作が容易になることがわかる。また、操作者が画面の右側に立つか、左側に立つかにより、55L、55Rのいずれかのほうが、操作しやすい場合があることは明白である。このために、実施形態1では、いずれかを指示具4のスイッチ操作で簡便に切換えられるようにしている。
【0036】図14のフローチャートを用いて上記した左右各1種類のオフセットを切換える場合の座標補正部の処理の流れを示す。
【0037】図中、Xk、Ykは所定のオフセット量、Xm、Ymはオフセット変数で、直前の設定状態を保持しており、X、Yは座標値である。なお、座標系の原点は画面の左上とし、Xは右が+、Yは下が+とする。
【0038】制御信号検出部で制御信号が、座標演算部で有効な座標入力信号がともに検出されると、S1402で入力ありと判断する。S1403、S1404、S1405にて制御信号RIGHTの状態とLEFTの状態を調べる。RIGHTのみONの場合はS1406にてXmをXk、YmをYkに、LEFTのみONの場合はS1408にてXmを−Xk、YmをYkに変更する。両方ONの場合はS1407にてXm、Ymとも0にもどす。また両方OFFであれば、Xm、Ymは変更しない。このようにして設定されたXm、Ymを用いてS1409にて座標値X、Yに変更を加え、S1410にて通信制御部へ座標値を渡して出力を実行させる。
【0039】このような動作により、RIGHTで右上に、LEFTで左上に、同時に押すと元の位置に戻すという切替えができ、その設定をその後の動作中継続させられる。
【0040】尚、このオフセット値の変化量は、上記の説明のように左右各一種類でも十分効果があるが、可変にしてもよいことはいうまでもない。その場合、各スイッチの操作を繰り返すことにより徐々に変化するようにして微妙な変更が可能である。
【0041】図15のフローチャートを用いてオフセット量を徐々に変化させる場合の座標補正部の処理の流れを示す。
【0042】図中、Xkは所定の最大オフセット量、X0は一回当たりのオフセット可変量、Xm、Ymはオフセット変数で、直前の設定状態を保持しており、X、Yは座標値である。図14と異なるのは、S1503〜S1505にて制御信号RIGHTの状態とLEFTの状態を調べた後の処理のみであるので、その部分のみ説明する。
【0043】RIGHTのみONの場合はS1506にてXmをX0だけ大きくし、S1509にてXmがXk以下となるように最大値を制限した上でYmはXmの絶対値と等しくする。LEFTのみONの場合はS1507にてXmをX0だけ小さくし、S1510にてXmが−Xk以上となるように最小値を制限した上でYmはXmの絶対値と等しくする。両方ONの場合、両方OFFの場合は、図14と同様である。このようにして設定されたXm、Ymを用いてS1511にて座標値X、Yに変更を加え、S1512にて通信制御部への座標値をわたして、出力を実行させる。
【0044】このような動作により、RIGHTで左上から右上に、LEFTで逆に、徐々にオフセット量を可変することができる。このようにして調整した設定はその後の動作中継続させられ、同時押しによってリセットすることもできる。
【0045】また、指示具4に設けられたスイッチで変更するのでなく、座標検出器1側にスイッチやダイヤル等を設けてもほぼ同様の効果を得ることが可能である。更に、例えば、スイッチ43C、43Dの一回あたりの変化量を座標検出器1側のダイヤルで設定し、オフセット量の可変操作は指示具4のスイッチ43C,43Dで行なうようにすれば、さらに便利である。
【0046】続いて、図2を用いて、座標検出器1の内部構成の各構成要素の詳細動作について説明する。
【0047】<座標検出器1の詳細説明>この座標検出器1には、光強度変調信号を受信する受光素子12と、光の到来方向を検出するビデオカメラ11とが設けられており、指示具4に内蔵された発光素子41からの光をそれぞれ受光する。
【0048】<制御信号検出部13の動作説明>受光素子12の出力信号から制御信号検出部13が制御信号を検出する動作は、広く実用されている赤外線リモートコントローラと同様のものであり、外乱に強く十分高速に制御信号を受信できる。受信された制御信号は、座標補正部15に送られるようになっている。
【0049】<座標演算部14の動作説明>実施形態1の赤外ビデオカメラ部11の有効画面領域51は、図5に示すようにスクリーン5上の画像表示全域より若干広くなっており、この有効画面領域51内で発光させられた発光素子41の光は、その出力信号上にピーク信号として現れる。まず、始めに、投映画像の四隅で順次発光素子41を発光させて、その時の赤外ビデオカメラ部11の出力信号のピーク位置から、座標を計算するための基準となるデータを座標演算部14に記憶させる。これにより、任意の発光素子41の位置座標を赤外ビデオカメラ部11の出力信号からピーク位置を検出することで、位置座標を演算できるようになる。
【0050】<座標補正部15の動作説明>このようにして得られた位置座標は、座標補正部15に送られ、オフセット値を加減算された後、制御信号検出部13から送出された制御信号とともに、通信制御部16を介してコンピュータ3に送信される。この座標補正部15は、制御信号のうちLEFTとRIGHTの信号により、オフセット量を変化させ、他の制御信号はそのまま通信制御部16に送るよう動作する。このようにすることで、上述の指示具4のスイッチ操作によって、表示画像内のカーソルやボタンを操作したり、カーソル位置を55L,55,55Rと変化させることが可能になる。
【0051】尚、上述のようにオフセット量の変更を座標検出器1に設けたスイッチやダイアルで行なう場合は、これらを制御信号の代わりに座標補正部15が検出して動作すればよいことはいうまでもない。
【0052】また、赤外ビデオカメラ部11の有効画面領域51は、表示画像に対して、ほぼオフセット量の最大設定値分大きくされている。これによりオフセットを行なっても画面内に操作不能な領域ができることがなくなる効果がある。
【0053】以上説明したように、実施形態1によれば、指示具によりスクリーン上の影にカーソルが隠れることがなく、快適に操作が行なえ、操作者の好みによりオフセット量を可変できるので、使い勝手のよい投映型画像表示システムを実現することができる。
【0054】(実施形態2)実施形態2では、図6A、図6Bに示すように、画面内の位置、即ち、座標によって、オフセット量を変化させる。つまり、オフセット量が一定値に加えて、縦方向は画面の下辺からの、横方向は画面右辺からの距離に比例して漸増するものである。これにより、赤外ビデオカメラ11の有効画面領域51を一定値分だけ大きくすれば十分であるので、赤外ビデオカメラ部11の光学系や解像度の点で有利である。
【0055】図16のフローチャートを用いて、オフセット量を画面内の位置に応じて変化させる場合の座標補正部の処理の流れを説明する。
【0056】図中、Xk、Ykは所定のオフセット量、Xm、Ymはオフセット変数で、直前の設定状態を保持しており、X、Yは座標値である。また、f1(X)、f2(X)、g(Y)は、右オフセット、左オフセット、Y方向オフセットを画面内の位置に応じて変化させるための関数である。Xm、Ymを制御信号RIGHTの状態とLEFTの状態により変化させるところまでは図14と同様である。図14と異なるのは、S1609以降なので、その部分のみ説明する。
【0057】S1609、S1610にてXmの符号により場合分けして処理する。Xmが正の場合はS1611にてXにXm×f1(X)を加える。f1(X)は、X=0(画面の左側)からX=XMAX(画面の右側)に近づくにしたがって、漸増し、最大値が1であるような関数である。たとえば、f1(X)=X/XMAXとすると、画面の左辺からの距離に比例してオフセット量が増加し、画面の右辺近傍では最大値Xmだけオフセットすることになる。この関数は他にも種々考えられ、適当なものを採用することができる。また、Yについても同様にYm×g(Y)を差し引く。g(Y)はY=0(画面の上辺)からY=YMAX(画面の下辺)に近づくにしたがって漸減し、やはり最大値は1であるような関数である。たとえば、g(Y)=1−Y/YMAXとすると、画面の下辺からの距離に比例してオフセット量が増加し、画面の上辺近傍では最大値Ymだけオフセットすることになる。
【0058】Xmが負の場合はS1612にてXにXm×f2(X)を加える。f2(X)は正の場合と逆にX=0からX=XMAXに近づくにしたがって、漸減し、最大値が1であるような関数とすればよい。たとえば、f2(X)=1−X/XMAXとすると、画面の右辺からの距離に比例してオフセット量が増加し、画面の左辺近傍では最大値Xmだけオフセットすることになる。YについてはXmが正の場合と同様である。
【0059】なお、Xmが0の場合は、X、Yともそのまま座標出力され、オフセットを行なわないようになっている。このようにして、S1613にて通信制御部へ補正された座標値X、Yをわたして、出力を実行させる。
【0060】このような動作により、RIGHTで右上に、LEFTで左上にオフセットされる量を、画面内の位置に応じて変化させることができる。
【0061】なお、オフセット量を徐々に変化させる図15の場合についても、S1511の処理の代りに、図16のS1609以降の処理を行なうことで適用できることはいうまでもない。
【0062】このように、画面内の位置によってオフセット量を変化させる方法としては、多くの方法があり、本発明はそれらを含むものである。要は、有効画面領域51をあまり大きくせずに全画面にわたる入力とオフセットによるカーソル隠れ防止ができればよい。
【0063】(実施形態3)図7に示すように、座標検出器1には、図2における座標補正部15を設けず、オフセットの制御信号をそのままコンピュータ3に送出し、コンピュータ3内の座標信号および制御信号を処理するドライバーソフトウェアが座標補正を行なうようにしたものである。このようにしてもなんら不都合はない。
【0064】図17、図18、図19を用いてカーソル位置のオフセットをコンピュータ3が有するドライバーソフトウェアで制御する場合を説明する。
【0065】図17は、スクリーン5に表示されたドライバーソフトウェアの制御画面の例であり、オフセットを行なうかどうかを図に示すOn、Offボタンで切りかえるものである。この例ではオフセットは一定距離で一定方向のみであるが、距離や方向を可変にしても構わない。表示画面上でOnが指示された場合、ペンドライバーはOnを認識し、座標検出器1から送られてくる座標にペンドライバーが一定のオフセットを加えてカーソルを表示し、Offの場合はそのまま表示するようになっている。
【0066】図18は、図17に示すドライバーソフトウェアの制御画面を用いてカーソル位置のオフセットを制御する流れを示すフローチャートである。まず、STOPになったか判定し(S1801)、STOPの場合はペンドライバーが終了する。STOPでなければ次に座標検出器からの入力があるか判定し(S1802)、入力がなければ戻る。入力があった場合、OFFSETがONかOFFかを判定する(S1803)。ONの場合、座標検出器1から送られてくる座標値X,Yからオフセット量であるXm、Ymを引いた値を(S1804)、Offの場合は座標検出器1から送られてくる座標値を、表示コンピュータのシステムソフトウェアに出力する。
【0067】また、図19はオフセット方向が6方向選択できる場合の制御画面の例である。図の状態では黒く表示されている左上方向にカーソルが移動することになる。
【0068】なお、ペンドライバー側の制御と座標検出器側でのオフセットを両方行なうことも可能であることはいうまでもない。
【0069】また、実施形態1、2で述べたLEFTとRIGHTの制御信号をそのままコンピュータ3に送出し、コンピュータ3内の座標信号および制御信号を処理するドライバーソフトウェアが座標補正を行なうようにしてもなんら不都合はない。
【0070】以上説明したように、実施形態1〜3によれば、指示具の先端部に対して、所定距離離れた位置の座標を用いてカーソル表示を行なうことにより、カーソルが指示具の影に隠れてしまわないようにすることができる。また、当該所定距離は変更可能であり、この変更を指示具のスイッチでこの距離の変更を行なえる。これにより、カーソルが指示具の影に隠れないだけでなく、投映画像の大きさや操作者の好みに応じた扱いが可能となる。
【0071】(実施形態4)図8は実施形態4の画像表示システムの概観構成を示す図である。
【0072】尚、実施形態1の画像表示システムと同一の構成要素については、同一の参照番号を付加し、その詳細については省略する。また、機能構成ついては、実施形態3の図7と同様であるので、その詳細については省略する。
【0073】指示具4は、赤外LED等の3個の発光素子41を有し、3個の発光素子41は同一の信号で発光させられる。この構成により、発光素子41の座標位置、及び指示具4の後述する各スイッチの状態に対応する制御信号とを検出して、コンピュータ3にその情報を通信するようにしている。
【0074】投映型表示装置2は、コンピュータ3からの画像信号が入力されると、その画像情報をスクリーン5に表示することができる。また、コンピュータ3は、画像信号にカーソル55を重畳する機能を有しており、座標検出器1からの座標と制御信号に応じてカーソル55の表示位置と形状を変化させたり、各種の処理を実行して表示画像を変化できるように構成されている。
【0075】以下、実施形態4の投影型画像表示システムの詳細について具体的に説明する。
【0076】<指示具4の詳細説明>図9は実施形態4の指示具の概略構成図である。
【0077】図9に示すように、赤外光を放射する3つの発光素子41と、その発光を駆動制御する発光制御部42、並びに実施形態4では3個の操作用スイッチ43A〜43Cとを内蔵している。これら3個の発光素子41は、円周上に並べられ、この円の内側は可能な限り大きな孔が空けられている。発光制御部42は、3個の操作用スイッチ43A〜43Cの状態により、発光のON(オン)/OFF(オフ)と、光を変調することによって、制御信号を重畳した発光制御を行う。
【0078】ここで、指示具4の動作モードについて図10を用いて説明する。
【0079】図10は実施形態4の指示具の動作モードを示す図である。
【0080】スイッチA〜Cは、図9のスイッチ43A〜43Cに対応している。尚、図10中、「発光」とは発光信号(座標信号)に対応し、「ペンダウン」、「ペンボタン」とは制御信号に対応する。また、光の変調は、リモコン等で使用されよく知られているものと同様であるので、説明を省略する。
【0081】操作者は、指示具4を握ってスクリーン5の前でその先端を座標検出器1のほうに発光素子41を向ける。このとき、スイッチ43Aは親指が自然に触れる位置に配置されている。尚、スクリーン5の右側に立って操作するか、左側に立って操作するかにより、発光素子41の向きが反対になってしまうので、先端部を回転可能にして切り替えられるようにしてもよい。このスイッチ43Aを押すことによって、発光素子41が発光を開始して、座標検出器1が動作して所定の処理によって座標信号が出力され始めるが、この状態ではペンダウン及びペンボタンの制御信号はOFFの状態である。このため、スクリーン5上では、カーソルの動きやボタンのハイライト切換等による操作者への指示位置の明示のみが行われる。
【0082】また、人差し指及び中指が自然に触れる位置に配置されたスイッチ43B、43Cを押すことによって、図10に示すようにペンダウン及びペンボタンの制御信号が、発光信号に重畳された信号となる。即ち、スイッチ43Bを押すことによってペンダウンの状態となり、文字や線画の入力を開始したり、ボタンを選択決定するなどの画面制御が実行できる。スイッチ43Cを押すことによってペンボタンの状態となり、メニューの呼出等の別機能に対応させることができる。これにより、操作者は、片手でスクリーン5上の任意の位置で、すばやく正確に文字や図形を描いたり、ボタンやメニューを選択したりすることによって、軽快に操作することができる。
【0083】<座標演算部14の動作説明>実施形態4の赤外ビデオカメラ11の有効画面領域は、実施形態1と同様にスクリーン5上の画像全域より若干広く範囲を検出できるように設定されている。この領域内で発光させられた発光素子41の光は、図11(a)に示すように、その出力信号上に山形の信号として現れる。まず、始めに、投映画像の四隅に指示具4の先端部を置いて順次3個の発光素子41を発光させて、その時の赤外ビデオカメラ部11の出力信号の山形の光量重心位置から、座標を計算するための基準となるデータを座標演算部14に記憶させる。これにより、任意の発光素子41の位置座標を赤外ビデオカメラ部11の出力信号から山形の光量重心位置を検出することで演算できるようになる。
【0084】このようにして得られた位置座標は、制御信号検出部13から送出された制御信号とともに、コンピュータ3に送信される。このようにすることで、上述の指示具4のスイッチ操作によって、表示画像内のカーソルやボタンを操作することが可能になる。このとき、表示されるカーソル55の位置は、スクリーン5の四隅で基準となるデータを入力したときの発光素子41を画像に対して合わせた状態を再現することになるが、実施形態4では発光素子41は3個あり、これらの中間は中空になっているため、この中空部の中央を画像に合わせるのがもっとも自然である。このようにすれば、カーソルがこの中空部内に表示されるので、指示具4の影40に隠されることなく常にカーソル55をみながら快適に操作できる。
【0085】尚、この中空部を薄い透明部材で塞いで、十字線などの目印を設けることもできることは言うまでもない。このようにすると、カーソルと十字線が重なるため、文字を書く場合などのように細かい作業が容易になる場合もある。また、指示具4の先端部の強度を向上させる効果もある。透明部材とはいえ、透明度が100%ではないので、若干カーソル55がみにくくなる場合もあるので、使い分けが必要である。
【0086】また、赤外ビデオカメラ部11の解像度とピント調整状態及び発光素子41の発光点の大きさとその間の距離によっては、赤外ビデオカメラ部11の出力信号が図11(b)に示すように複数のピークに別れることがある。しかしながら、位置計算に重心を使用すれば、このような場合でも発光素子41の中間部の位置を求めることができるので不都合はない。
【0087】即ち、ピーク検出により位置を計算するような座標入力器では、精度が悪くなるおそれがあり、本発明には適当でないといえる。
【0088】尚、指示具4の姿勢は操作者の持ち方に影響されるので、発光素子41は拡散光源である必要がある。この拡散角度は広いほど姿勢の影響が軽減されるが、光強度がさがるため、適度な拡散角度を選択する必要がある。この拡散角度を変化させる方法としては、発光素子41として用いるLEDそのものの特性を選択する方法だけでなく、拡散板やレンズなどの光学素子を設けることも有効である。このように光学素子を追加した場合には、発光点の大きさが変化するので、上述のように赤外ビデオカメラ部11の出力信号の波形にも影響があるが、適当な方法を選択することで位置計算が行えることは明白である。
【0089】以上説明したように、実施形態4によれば、指示具4によるスクリーン5上の影にカーソル55が隠れることなく、快適に操作が行なえ、使い勝手のよい投映型画像表示システムを実現することができる。
【0090】(実施形態5)図12は指示具4の発光素子41として、光ファイバを用いて光源からの光を円周上にほぼ均一に並べて構成したものである。実施形態5の場合、円周上にほぼ均一に光が分布するため、赤外ビデオカメラ11の出力信号は滑らかな山形になる。この場合には、位置計算を重心ではなくピーク位置で検出することも可能である。
【0091】(実施形態6)図13は指示具4の発光素子41を2個としたものである。この場合、図11(c)のように2つの分離した波形が得られる可能性が高い。また、指示具4の姿勢によりこの二つの分離した波形のピーク間の距離が変化し、図11(a)のような波形が出力されることもある。しかしながら、このような場合でも重心位置はこの2つの発光点の中点であり、位置計算は支障なく行えることはいうまでもない。実施形態6では、使用するLEDが2個ですむ利点がある。
【0092】以上説明したように、実施形態4〜6によれば、指示具の先端部に複数の発光部を設け、それらの間に中空部ないしは透明部を設けることにより、カーソルが指示具の影に隠れてしまわないようにすることができる。また、座標を検出する方式として、重心計算を用いているので、発光部が離れていてもその中間の中空部ないしは透明部内の一定の位置を精度よく検出することが可能となる。
【0093】尚、上記実施形態1〜6では、座標検出器1としてビデオカメラを用いた例を述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の検出器、例えば電磁誘導方式や超音波方式などでも同様に適用可能である。さらには、光を用いる他の検出器、例えばラインセンサを用いるものやPSD(位置検出素子)を用いるものなどでも同様に適用可能である。
【0094】また、画像生成手段としてコンピュータ3を用いたが、ビデオ装置などでも本発明を適用可能であることはいうまでもない。座標信号を入力してこれに対応する画像信号を生成する装置であれば、本発明を適用可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、指示具の指示位置画像を指示具の影に隠れないようにすることができ、かつ操作を快適に行うことができる画像表示システムを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成13年5月16日(2001.5.16)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三 (外1名)
【公開番号】 特開2002−108562(P2002−108562A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2001−146486(P2001−146486)