トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 位置検出装置及び位置検出方法
【発明者】 【氏名】福崎 康弘

【要約】 【課題】高速変調による外来光の影響除去をリニアイメージセンサで実現する。

【解決手段】光の発光、反射又は遮断をする位置指示器と、一つ又は複数の光源ユニットと、前記位置指示器からの光又は影の入射方向を検出する光学ユニットとを有する位置検出装置であって、該光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を所定のタイミングで保持する第一の信号保持素子群と、前記光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を別のタイミングで保持する第二の信号保持素子群と、前記第一の信号保持素子群と前記第二の信号保持素子群との信号の差の信号を、前記光検出素子群のそれぞれの素子に対応する形で、選択的に得るための信号選択素子とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光の発光、反射又は遮断をする位置指示器と、該位置指示器の可動領域を特定する位置検出領域と、前記位置指示器の該位置検出領域に接する付近又は該位置検出領域の周辺のいずれかに設けられた一つ又は複数の光源ユニットと、前記位置検出領域の周辺の2箇所に配置され前記位置指示器からの光又は影の入射方向を検出する光学ユニットと、該光学ユニットの出力に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算処理部とを有する位置検出装置であって、前記光学ユニットが、光学レンズと、複数の受光素子を直線状に配置した光検出素子群と、該光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を所定のタイミングで保持する第一の信号保持素子群と、前記光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を別のタイミングで保持する第二の信号保持素子群と、前記光検出素子群の出力を前記第一の信号保持素子群と該第二の信号保持素子群とのどちらかに選択的に接続する接続切替素子群と、前記第一の信号保持素子群と前記第二の信号保持素子群との出力信号の差を取り出す差動出力素子と、前記第一の信号保持素子群と前記第二の信号保持素子群との信号の差の信号を、前記光検出素子群のそれぞれの素子に対応する形で、選択的に得る信号選択素子とを有し、前記光源ユニットが、光源素子と、該光源素子の発光タイミングを前記接続切替素子群の切替タイミングと同期させる同期素子とを有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】 請求項1記載の位置検出装置において、前記演算処理部は、前記光学ユニットの差動出力素子からのアナログ信号をデジタル情報に変換するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータの出力値に基づいて演算処理を実行するデジタル演算回路とを有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項3】 請求項1記載の位置検出装置において、前記光学ユニットの第二の接続切替素子群は対応する受光素子の並んでいる順序に対応した順序で所定のタイミングで順次接続切替をし、前記演算処理部は、前記差動出力素子の出力レベルを所定の基準レベルで二値化するコンパレータ素子と、前記コンパレータ素子の基準レベルを設定する基準レベル設定素子と、前記コンパレータ素子の出力変化のタイミングを検出する時間検出回路を有し、位置指示器からの光又は影の角度情報を時間情報として出力することを特徴とする位置検出装置。
【請求項4】 光の発光、反射又は遮断をする位置指示器と、該位置指示器の可動領域を特定する位置検出領域と、前記位置指示器の該位置検出領域に接する付近又は該位置検出領域の周辺のいずれかに設けられ所定周期で点灯と消灯とを繰り返す一つ又は複数の光源ユニットと、直線状に配置した光検出素子群をもち前記位置検出領域の周辺の2箇所に配置され前記位置指示器からの光又は影の入射方向を検出する光学ユニットと、該光学ユニットの出力に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算処理部とを有する位置検出装置の位置検出方法であって、前記光源ユニットの点灯時と消灯時とにおける、前記光学ユニットの受光素子の検出信号をそれぞれ保持する受光信号保持ステップと、該受光信号保持ステップにて保持した信号の対応する点灯時及び消灯時の信号の差を取り出す差動出力取得ステップと、該差動出力取得ステップにて取得した信号に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算ステップと、を有する位置検出方法。
【請求項5】 請求項4記載の位置検出方法であって、前記演算ステップはアナログ信号をデジタル化してそのデジタル信号に基づいてデジタル演算を実行するものであることを特徴とする位置検出方法。
【請求項6】 請求項4記載の位置検出方法であって、前記差動出力取得ステップにおける信号取得の順序が受光素子の並ぶ順序に従うものであり、前記演算ステップにおける処理は、前記差動出力取得ステップにて取得した出力レベルをコンパレータ素子により所定の基準レベルで二値化し、そのコンパレータ素子の出力変化のタイミングを時間検出回路により検出して、位置指示器からの角度情報を時間情報として出力するものであることを特徴とする位置検出方法。
【請求項7】 光の発光、反射又は遮断をする位置指示器と、該位置指示器の可動領域を特定する位置検出領域と、前記位置指示器の該位置検出領域に接する付近又は該位置検出領域の周辺のいずれかに設けられた一つ又は複数の光源ユニットと、前記位置検出領域の周辺の2箇所に配置され前記位置指示器からの光又は影の入射方向を検出する光学ユニットと、該光学ユニットの出力に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算処理部とを有する位置検出装置であって、前記光学ユニットが、光学レンズと、複数の受光素子を直線状に配置した光検出素子群と、該光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を所定のタイミングで反転する反転回路群と、該反転回路群の出力を積分する積分回路群と、該積分回路群の出力から所定の出力を選択する出力選択切替素子とを有し、前記光源ユニットが、光源素子と、該光源素子の発光タイミングを前記反転回路群の反転タイミングと同期させる同期素子とを有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項8】 請求項7記載の位置検出装置において、前記演算処理部は、前記光学ユニットの積分回路からのアナログ信号をデジタル情報に変換するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータの出力値に基づいて演算処理を実行するデジタル演算回路とを有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項9】 請求項7記載の位置検出装置において、前記光学ユニットの接続切替素子群は対応する受光素子の並んでいる順序に対応した順序で所定のタイミングで順次接続切替をし、前記演算処理部は、前記積分回路の出力レベルを所定の基準レベルで二値化するコンパレータ素子と、前記コンパレータ素子の基準レベルを設定する基準レベル設定素子と、前記コンパレータ素子の出力変化のタイミングを検出する時間検出回路を有し、位置指示器からの光又は影の角度情報を時間情報として出力することを特徴とする位置検出装置。
【請求項10】 請求項7記載の位置検出装置において、前記反転回路は、入力信号が正転アンプと反転アンプの両方に接続されており、その出力を切替えるように構成されていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項11】 請求項7記載の位置検出装置において前記反転回路は、入力信号を一時貯えるコンデンサと、そのコンデンサの出力への接続を反転する回路とからなることを特徴とする位置検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、光学式デジタイザに関する。特に、外来光の影響を少なくすることのできる光デジタイザに関する。
【0002】
【従来の技術】 光を用いて三角測量の原理で位置指示器の位置を検出する位置検出装置が知られている。このような装置では、位置検出領域の周辺に置かれた少なくとも二つの光学ユニットにおいて、位置指示器からの光又は影の入射方向を検出するようになっている。その光又は影の入射角度の検出のための受光素子の構成で分類すれば、たとえばポリゴンミラーを回転させるなどして、ビーム状の光の路をスキャンさせながら、単素子の受光素子で光を検出する方法と、複数の受光素子を1次元に配置したいわゆるリニアイメージセンサで、扇状の視野角を一度に得る方法の二つに大別される。
【0003】 リニアイメージセンサを用いる方式では、原理的に可動部をなくすことができるので、コンパクトかつ安価に装置を構成できるというメリットがある。また、順次読み出ししかできないリニアイメージセンサ(1次元CCD)のみならず、ランダムな順序で各受光素子の出力を読み出せるリニアイメージセンサがCMOSを用いて構成されるようになってきたので、この種の位置検出装置の設計の自由度が高まってきている。
【0004】 一方、単素子の受光素子を用いて、光ビームを回転させる方式の例は、「平成11年特許出願公開公報第85377号」などに示されている。このような方式では、受光素子が一つであるから、高速に信号を読み出すことが可能であり、光源の変調と同期してサンプリングすることによって、周囲光の影響を大幅に少なくすることができる。たとえば、位置指示器に設けた光源をスキャンレートより十分早い所定の周波数で点滅させ、受光素子からの信号を同期検波して、同じ周波数の信号のみを取り出せば、周囲の定常的な光の影響を著しく低減させることができる。単素子ではないが2素子のPSDを用いて、光の変調による周囲光の影響を減らすようにした例として「平成11年特許出願公開公報第85378号」がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 リニアイメージセンサは、複数の素子を多数配置しており、その出力を順次読み出すには時間がかかり、スキャンレートより高速な周波数で変調する方式は実現ができなかった。また、複数の受光素子を多数配列する関係で、それぞれの受光素子の受光面積が小さいので、単素子の受光素子に匹敵する感度を得るためには、時間積分を行う必要があった。そのために、たとえ、順次読み出しをランダム選択可能なCMOS型のリニアセンサであっても、やはり高速な周波数で変調を行う方式はできなかった。
【0006】 本発明は、斯かる課題を解決すべくなされたものである。本発明の目的は高速変調による外来光の影響除去をリニアイメージセンサで実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 斯かる課題を解決すべく、本発明に係る位置検出装置は、光の発光、反射又は遮断をする位置指示器と、該位置指示器の可動領域を特定する位置検出領域と、前記位置指示器の該位置検出領域に接する付近又は該位置検出領域の周辺のいずれかに設けられた一つ又は複数の光源ユニットと、前記位置検出領域の周辺の2箇所に配置され前記位置指示器からの光又は影の入射方向を検出する光学ユニットと、該光学ユニットの出力に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算処理部とを有する位置検出装置であって、前記光学ユニットが、光学レンズと、複数の受光素子を直線状に配置した光検出素子群と、該光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を所定のタイミングで保持する第一の信号保持素子群と、前記光検出素子群のそれぞれの受光素子の検出信号を別のタイミングで保持する第二の信号保持素子群と、前記光検出素子群の出力を前記第一の信号保持素子群と該第二の信号保持素子群とのどちらかに選択的に接続する接続切替素子群と、前記第一の信号保持素子群と前記第二の信号保持素子群との出力信号の差を取り出す差動出力素子と、前記第一の信号保持素子群と前記第二の信号保持素子群との信号の差の信号を、前記光検出素子群のそれぞれの素子に対応する形で、選択的に得る信号選択素子とを有し、前記光源ユニットが、光源素子と、該光源素子の発光タイミングを前記接続切替素子群の切替タイミングと同期させる同期素子とを有するものである。
【0008】 前記演算処理部は、前記光学ユニットの差動出力素子からのアナログ信号をデジタル情報に変換するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータの出力値に基づいて演算処理を実行するデジタル演算回路とを有するものとすることができる。
【0009】 あるいは、前記光学ユニットの第二の接続切替素子群は対応する受光素子の並んでいる順序に対応した順序で所定のタイミングで順次接続切替をし、前記演算処理部は、前記差動出力素子の出力レベルを所定の基準レベルで二値化するコンパレータ素子と、前記コンパレータ素子の基準レベルを設定する基準レベル設定素子と、前記コンパレータ素子の出力変化のタイミングを検出する時間検出回路を有し、位置指示器からの光又は影の角度情報を時間情報として出力するものとすることができる。
【0010】 本発明に係る位置検出方法は、光の発光、反射又は遮断をする位置指示器と、該位置指示器の可動領域を特定する位置検出領域と、前記位置指示器の該位置検出領域に接する付近又は該位置検出領域の周辺のいずれかに設けられ所定周期で点灯と消灯とを繰り返す一つ又は複数の光源ユニットと、直線状に配置した光検出素子群をもち前記位置検出領域の周辺の2箇所に配置され前記位置指示器からの光又は影の入射方向を検出する光学ユニットと、該光学ユニットの出力に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算処理部とを有する位置検出装置の位置検出方法であって、前記光源ユニットの点灯時と消灯時とにおける、前記光学ユニットの受光素子の検出信号をそれぞれ保持する受光信号保持ステップと、該受光信号保持ステップにて保持した信号の対応する点灯時及び消灯時の信号の差を取り出す差動出力取得ステップと、該差動出力取得ステップにて取得した信号に基づいて前記位置指示器の指示位置を算出する演算ステップとを有する。
【0011】 前記演算ステップはアナログ信号をデジタル化してそのデジタル信号に基づいてデジタル演算を実行するものであることができる。
【0012】 又は前記受光信号保持ステップにおける保持の順序が受光素子の並ぶ順序に従うものであり、前記演算ステップにおける処理は、前記差動出力取得ステップにて取得した出力レベルをコンパレータ素子により所定の基準レベルで二値化し、そのコンパレータ素子の出力変化のタイミングを時間検出回路により検出して、位置指示器からの角度情報を時間情報として出力するものとできる。
【0013】 また、アナログメモリと差動増幅器の代わりに反転回路と積分回路とを用いることもできる。ここでは、信号を反転する回路を積分回路の前段に置いて、入力信号の極性を反転しながら、同じ時間づつ積分するようになす。これにより、強い定常的な外来光があっても、反転周波数を上げておいて、積分回数を増やせば、微弱な信号光も検出することができるようになるというメリットが生じる。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。図8は、本発明に係る位置検出装置の全体を示す概念図である。位置指示器20は、ここでは筆記具に似た形状をしており操作者が手に持って用いるものである。ペン先21には、再帰反射材が設けられ、受けた光をほぼ同じ方向に返す働きをする。位置検出領域31は、ほぼ平面状の板により構成され、操作者が位置指示器20を操作して位置指示(上位コンピュータへの座標入力)を行う際にはペン先21が位置検出領域31上をなぞるように沿って動くことになる。位置検出領域31の周辺には少なくとも2箇所に光学ユニット40が設けられる。実施形態にあっては位置検出領域31を長方形と見立てたときの二つの角の付近に、それぞれが位置検出領域31全体を見渡すような角度で配置されている。光学ユニット40は、受光部41、光学レンズ42を有しており、ペン先21から帰ってくる光は光学レンズ42を通して受光部41に導かれる。図示を省略したがたとえば発光ダイオードにより構成される投光部60が光学ユニット40の近傍にそれぞれ設けられ位置検出領域31を見渡すように光を発光する。
【0015】 図1は、アナログメモリとA/Dコンバータを用いた実施形態を示すブロック図である。図1では、位置検出領域31及び位置指示器20を描くのを省略してある。受光素子アレイ8は、複数の画素(画素1から画素nまで)を有する受光素子群であり、図8の受光部41を構成する部分のうち、位置指示器20からの光を最初に受ける素子群である。受光素子アレイ8のそれぞれの画素の出力は、スイッチにより切換えられそれぞれ二つのアナログメモリ35に保持される。その切替のタイミングはタイミングジェネレータ70により与えられ、同じタイミングで投光部60への投光素子電源65の投入が切替えられる。すなわち、点灯時の出力と消灯時の出力とをそれぞれ異なる素子に保持するように働く。アナログメモリ35の信号はさらにアナログスイッチを経て差動増幅器45に入力されて、それぞれの受光素子の画素が受けた光の強さを点灯時と消灯時とで受けたものの差を得るように働く。差動増幅器45の出力は、A/Dコンバータ50によりデジタル化されて、演算処理部80に送られる。演算処理部80では、位置指示器20の位置検出領域31における座標を算出(算出方法は後に図9を用いて詳述する。)し、インタフェース90を経て上位装置(たとえばパソコン)に送られる。
【0016】 図1の構成で、受光素子アレイ8、アナログメモリ35、差動増幅器45までの部分は、二つの切替スイッチ群をも含めて一つのカスタマイズされた集積回路として設計することが望ましい。また、最終的に位置指示器の指示位置を求めるためには、同じく受光素子アレイ8、アナログメモリ35、差動増幅器45までの部分が2組必要だが、ここでは説明の簡素化のためにもう1組は図示しなかった。また、差動増幅器の前に切替え回路を置くのではなく、各アナログメモリのペア毎に差動増幅器をそれぞれ設けておいて、その出力を選択的に切替えるような構成も可能である。また、アナログメモリはいわゆるサンプルホールド回路であり、最も単純にはコンデンサのみで構成できる。
【0017】
【実施例】 次に、本発明の実施例について説明する。図2は、アナログメモリとコンパレータ、タイミングカウンタを用いた実施例を示すブロック図である。この実施例では、図1に示す実施形態と異なりA/Dコンバータを用いずに、安価な回路を構成することを狙っている。差動増幅回路45の出力値はコンパレータ55に入力される。ここで、前提となるのは、受光素子アレイ8の画素1から画素nまでの出力が順次出力され、コンパレータ55に入力されることである。そして、適当な基準電圧との大小比較をコンパレータ55が実行し、電圧値が等しくなった際に、その旨をタイミングカウンタ75に伝える。タイミングカウンタは、コンパレータ55からの信号を得るまでの時間をカウントすれば、その時間は位置指示器20の位置検出領域21上の位置(厳密には、図9における角度α、β)に応じたものであるから、二つの光学ユニットからの情報から位置指示器20の座標情報を得られる。この意味でコンパレータ55からタイミングカウンタ75への信号はタイミング測定信号であるといえる。なお、この図では、インタフェースと上位装置を描くのを省略してあるが、インタフェースを介して上位のコンピュータに座標情報を出力するのは図1に示す実施形態と同様である。
【0018】 図3は、積分保持素子とA/Dコンバータを用いた実施例を示すブロック図である。図1に示す実施形態と異なるのは、アナログメモリの代わりに積分保持素子を用いた点である。積分保持素子を使えば、受光素子からの信号を数回分加算(積分)していくことで、その分、微弱な信号を検出することも可能となる。なお、積分保持素子は、最も簡単には抵抗とコンデンサで構成することができる。
【0019】 図4は、積分保持素子とコンパレータ及びタイミングカウンタを用いた実施例を示すブロック図である。図2のアナログメモリを積分保持素子に代えたものである。他の点は、図2に示す実施例と同様である。
【0020】 図10は、アナログメモリと差動増幅器の代わりに反転回路と積分回路とを用いた実施例を示す回路図である。図2又は図4の差動増幅器を取り込んだ形で反転回路及び積分回路でその働きをも果たしている。したがって、図10では、差動増幅器が描かれていないのが大きな違いである。この実施例では、図2又は図4に対応するコンパレータとタイミングカウンタを用いた回路図を示したが、A/Dコンバータと演算処理回路を用いる実施例も同様に可能である。
【0021】 図10の反転回路37は後述するように、スイッチを含んでおり、その切替えタイミングは、タイミングジェネレータ70により与えられ、投光素子60に投光素子電源65が供給され点滅させるタイミングと同期させられるものである。他の点は、図2、図4に示した実施例と同様である。
【0022】 図5は、図10に示す反転回路37及び積分回路38の詳細を示す回路図である。図5に示すように、スイッチA、スイッチB、コンデンサ、積分回路を接続した回路により構成することができる。入力信号をコンデンサに一時貯えて、そのコンデンサの出力への接続を反転する回路とを有するものである。図6にスイッチA、スイッチBの働きを示すタイミングチャートを示す。図6は、反転回路37の二つのスイッチの働きを示すタイミングチャートである。図6に示すように、スイッチAはコンデンサへのチャージとディスチャージを行う動作を繰り返す。スイッチBは、正転と反転とをスイッチAの切替に同期して行う。スイッチBの切替周期はスイッチAの切替周期のたとえば2倍とする。そして、スイッチBの周期が投光素子の点滅周期と一致するものである。これにより画素素子からの出力値を外乱光を排除して、この積分回路の出力値として取り出すことができる。
【0023】 図7は、反転回路の他の構成例を示す回路図である。図7に示すように画素素子の出力を正転アンプと反転アンプの双方に接続し、それらの出力値を切換えて積分回路に渡すことによっても反転回路を構成できる。このスイッチの切替は投光素子の点滅の切替の周期と同期される。
【0024】 以上、実施形態及び実施例を通じて受光部(光学ユニット)の近傍に投光部(光源ユニット)を有し、位置指示器は、光を反射するタイプの光学デジタイザについて説明した。光学デジタイザの方式としては、位置指示器が光を発光するタイプ(光源ユニットを位置指示器に持つもの)や、位置指示器が光を遮断するタイプ(光源ユニットを位置検出領域の対辺側に持つもの)がある。それらの他のタイプについても、本発明は適用が可能なものである。
【0025】 位置指示器が光源ユニットを有するタイプに関して、位置指示器がケーブルで接続されていれば光源と受光部の同期をとるのは簡単であるが、位置指示器の接続ケーブルを省いてコードレスとするためには、スイッチの同期をとるための構成がさらに必要となる。たとえば、受光部の近傍(或いは通常の受光素子アレイのうちの一つを兼用させて用いて)に位置指示器からの光の点滅タイミングを検出する目的の受光素子を設けて、検出したタイミングで、受光部側の切替スイッチのタイミングを同期させることができる。
【0026】 位置指示器が光を遮断するタイプの装置では、位置検出領域を長方形と見立てたときの対辺側に発光ダイオードアレイなどの光源を設けることとなるが、その光源の点滅タイミングを受光部に同期させるように構成することとなる。
【0027】 このように、本発明は、光源ユニットが受光部の近傍にあるのか、位置指示器側にあるのか、位置検出領域の対辺側に設けるのかを問わず、いずれの場合でも適用可能であるので、光を発光する部分を光源ユニットと上位概念を用いて表現してある。
【0028】 図9に三角測量の原理により位置指示器の位置座標を計算する方法を示す。受光部により位置指示器を検出した時の角度α及びβを計測する。二つの受光部間の距離をLとすると、以下の式(1)、式(2)の関係が成り立つ。
Y = X・tanα ・・・(1)
Y = (L−X)・tanβ ・・・(2)
但し、X、Yは位置指示器の指示位置座標を表す。これらの式を用いて、Xを求めると、以下の式(3)の関係が成り立つ。
X = (L・tanβ)/(tanα + tanβ) ・・・(3)
これら式(1)及び式(3)を用いることで、角度α及びβが検出できれば位置検出面における位置指示器の位置座標(X,Y)を算出することができる。
【0029】 ここに示したのは、それぞれの光ユニットから位置指示器を見た時の角度情報をXY座標系に変換する方法である。通常は位置検出装置内に演算装置を設けて、この座標変換を行うように構成されることが多い。しかしながら、このような単純な座標変換は、位置検出装置の接続されているホストコンピュータ内部の処理で計算することも可能である。特に最近の大部分のパーソナルコンピュータのように高速に浮動小数点演算のできる演算装置を有するコンピュータの場合は、そのコンピュータで処理した方が、処理が非常に簡単になる。本発明で示した構成のうち、特に演算処理装置を位置検出装置内部に設けずに、タイミング情報で取り出す場合などは、ハードウェアのみで、角度情報が取り出せるので、上位装置にあたるパソコンにおいて、この座表計算処理を行わせたほうが、全体でのコストパフォーマンスが向上することも考えられる。そこで、本実施例、特に図2及び図4に示す実施例の説明においては、座標変換の処理を行う演算装置を位置検出装置の一部としては、あえて記述することはしなかった。
【0030】 図1から図4までに示した実施例では、信号選択回路で選択された信号を一つの差動出力素子(差動出力アンプ45)に接続するようになしているが、差動出力素子をそれぞれの受光素子毎に複数設けて、その複数の出力の中の一つを選択して出力する構成でも実現は可能である。
【0031】
【発明の効果】 リニアイメージセンサを用いた光デジタイザにおいて、高速変調により外来光を排除することを実現した。
【0032】これにより外乱ノイズに強いローコスト光デジタイザを構成できる。
【出願人】 【識別番号】399035087
【氏名又は名称】株式会社 ニューコム
【出願日】 平成12年9月28日(2000.9.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−108554(P2002−108554A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−295488(P2000−295488)