| 【発明の名称】 |
タッチ検出信号発生回路、座標入力装置およびタッチ検出信号発生方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩崎 光治
【氏名】長井 崇
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| 【要約】 |
【課題】タッチ検出信号を発生する電流出力回路の電流オフセットの変動を抑制してタッチの誤検出を防止することができるタッチ検出信号発生回路、座標入力装置およびタッチ検出信号発生方法を提供することにある。
【解決手段】この発明は、静電センサ部を電流出力アンプに接続したときの電流出力アンプの入力側容量をあらかじめ考慮してその分の容量を電流出力アンプの入力端子に付加した上で電流出力アンプのオフセットをキャンセルし、付加した容量を入力端子から切離して静電センサ部の電極スキャンを行いタッチの検出信号を得るものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の方向に配列された多数の電極を有する静電センサ部の前記電極をスキャンして電極対応に得られる電荷電流を受けて所定の電極にタッチしたことを示す検出信号を発生するタッチ検出信号発生回路において、前記静電センサ部に第1のスイッチ回路を介して接続され前記電荷電流を入力端子に受けて前記検出信号を出力電流として発生するアンプと、無信号入力時のこのアンプの出力端子を所定の基準レベルにしかつ実質的に前記出力電流がゼロになるようにしてこのアンプ出力のオフセットをキャンセルするオフセットキャンセル回路と、前記第1のスイッチ回路と前記アンプの前記入力端子との間に設けられ前記第1のスイッチ回路により前記静電センサ部が接続されたときの前記入力端子の入力容量に相当する容量を第2のスイッチ回路を介して前記アンプの入力端子に付加する容量付加回路とを備え、前記第1のスイッチ回路により前記静電センサ部と前記アンプとの接続が遮断されかつ前記第2のスイッチ回路により前記アンプの入力端子に前記入力容量に相当する容量が付加された状態で前記オフセットキャンセル回路が前記アンプ出力のオフセットをキャンセルすることを特徴とするタッチ検出信号発生回路。 【請求項2】前記第1のスイッチ回路は、ONすることで前記静電センサ部と前記アンプとを接続し、OFFすることで前記静電センサ部と前記アンプとの接続を遮断するものであり、前記容量付加回路は、前記入力容量に相当する容量のコンデンサを有し、前記第2のスイッチ回路は、一端が前記入力端子に接続され、他端に前記コンデンサが接続され、ONすることで前記アンプの入力端子に前記コンデンサを付加し、OFFすることで前記アンプの入力端子に接続された前記コンデンサを切り離すものである請求項1記載のタッチ検出信号発生回路。 【請求項3】前記コンデンサは、前記第2のスイッチ回路とグランドとの間に設けられ、前記オフセットキャンセル回路により前記アンプ出力のオフセットのキャンセルが行われた状態において、前記第2のスイッチ回路がOFFして前記コンデンサが前記入力端子から切り離されかつ前記第1のスイッチ回路がONすることにより前記静電センサ部と前記アンプとが接続されて前記電極のスキャンが行われる請求項2記載のタッチ検出信号発生回路。 【請求項4】前記第1のスイッチ回路は、2つのスイッチ回路からなり、前記アンプは、+位相の入力端子と−位相の入力端子を有し、スキャンされる前記電極は隣接する一対の電極を単位として行われ、この一対のそれぞれ電極により形成されるそれぞれのコンデンサからの電荷電流の一方が前記2つのスイッチ回路の一方を介して前記+位相の入力端子に入力され、前記コンデンサからの電荷電流の他方が前記2つのスイッチ回路の他方を介して前記−位相の入力端子に入力される請求項3記載のタッチ検出信号発生回路。 【請求項5】前記容量付加回路の前記コンデンサは、複数設けられ、これら複数のコンデンサの1以上を選択的に前記アンプの+位相の入力端子と−位相の入力端子とにそれぞれ付加する請求項4記載のタッチ検出信号発生回路。 【請求項6】前記第2のスイッチ回路も2つのスイッチ回路からなり、前記容量付加回路の前記複数のコンデンサは、前記+位相の入力端子と前記−位相の入力端子に対応してそれぞれの前記入力容量に相当する容量の第1および第2のコンデンサであり、前記第2のスイッチ回路の一方のスイッチ回路を介して前記+位相の入力端子に前記第1のコンデンサが接続され、前記第2のスイッチ回路の他方のスイッチ回路を介して前記−位相の入力端子に前記第2のコンデンサが接続される請求項5記載のタッチ検出信号発生回路。 【請求項7】所定の方向に配列された多数の電極を有する静電センサ部の前記電極をスキャンして電極対応に得られる電荷電流を受けて所定の電極にタッチしたことを示す検出信号を発生してこれによりタッチされた電極位置を検出する座標入力装置において、前記電荷電流を入力端子に受けて前記検出信号を出力電流として発生するアンプと、ONすることで前記静電センサ部と前記アンプとを接続し、OFFすることで前記静電センサ部と前記アンプとの接続を遮断する第1のスイッチ回路と、無信号入力時のこのアンプの出力端子を所定の基準レベルにしかつ実質的に前記出力電流がゼロになるようにしてこのアンプ出力のオフセットをキャンセルするオフセットキャンセル回路と、第2のスイッチ回路を有し、前記第1のスイッチ回路と前記アンプの前記入力端子との間に設けられ前記静電センサ部が接続されたときの前記入力端子の入力容量に相当する容量をONになった前記第2のスイッチ回路を介して前記アンプの入力端子に付加する容量付加回路と、前記第1のスイッチ回路をOFFにし、前記第2のスイッチ回路をONにして前記オフセットキャンセル回路により前記アンプ出力のオフセットをキャンセルし、このオフセットがキャンセルされた状態で前記第2のスイッチをOFFにして前記第1のスイッチをONにして前記電極のスキャンの制御を行う制御回路を備えることを特徴とする座標入力装置。 【請求項8】前記容量付加回路は前記入力容量に相当する容量のコンデンサを有し、前記第2のスイッチは、一端が前記入力端子に接続され、他端が前記コンデンサの一端に接続され、前記コンデンサの他端が接地されている請求項7記載の座標入力装置。 【請求項9】前記第1のスイッチ回路は、2つのスイッチ回路からなり、前記アンプは、+位相の入力端子と−位相の入力端子を有し、スキャンされる前記電極は隣接する一対の電極を単位として行われ、この一対のそれぞれ電極により形成されるそれぞれのコンデンサからの電荷電流の一方が前記2つのスイッチ回路の一方を介して前記+位相の入力端子に入力され、前記コンデンサからの電荷電流の他方が前記2つのスイッチ回路の他方を介して前記−位相の入力端子に入力される請求項8記載の座標入力装置。 【請求項10】前記容量付加回路の前記コンデンサは、複数設けられ、前記容量付加回路は、制御信号に応じてこれら複数のコンデンサの1以上を選択的に付加するものであり、前記制御回路は、前記検出信号によりタッチの判定ができないときあるいはタッチ位置の検出ができないときに前記制御信号を発生して前記容量付加回路を制御して前記入力端子に付加する容量を他の容量にする制御を行う請求項9記載の座標入力装置。 【請求項11】格子状にX方向に配列された多数のX電極とY方向に格子状に配列された多数のY電極を具えた静電センサ部を有し、前記それぞれに隣接する一対の電極を単位としてスキャンして前記X電極および前記Y電極の各一対の電極対応に得られるスキャンの方向に沿っての検出信号のレベルの変化がタッチ位置を含めたその近傍で所定の基準レベルに対して上下に振れる2つのピークを持つ検出信号を得て前記X電極および前記Y電極それぞのタッチされた電極位置を検出する座標入力装置において、前記静電センサ部に第1のスイッチ回路を介して接続され前記電荷電流を入力端子に受けて前記検出信号を出力電流として発生するアンプと、無信号入力時のこのアンプの出力端子を所定の基準レベルにしかつ実質的に前記出力電流がゼロになるようにしてこのアンプ出力のオフセットをキャンセルするオフセットキャンセル回路と、前記第1のスイッチ回路と前記アンプの前記入力端子との間に設けられ前記第1のスイッチ回路により前記静電センサ部が接続されたときの前記入力端子の入力容量に相当する容量を第2のスイッチ回路を介して前記アンプの入力端子に付加する容量付加回路とを備え、前記第1のスイッチ回路をOFFに制御にして前記静電センサ部と前記アンプとの接続を切離して前記第2のスイッチ回路をONに制御して前記容量付加回路により前記入力容量に相当する容量を前記アンプの入力端子に付加して前記オフセットキャンセル回路により前記アンプ出力のオフセットをキャンセルし、前記第2のスイッチ回路をOFFに制御して前記入力容量に相当する容量を前記アンプの入力端子から切り離して前記第1のスイッチをONに制御して前記静電センサ部と前記アンプとを接続して前記電極のスキャンの制御を行う制御回路を備えることを特徴とする座標入力装置。 【請求項12】所定の方向に配列された多数の電極を有する静電センサ部の前記電極をスキャンして電極対応に得られる電荷電流を受けて所定の電極にタッチしたことを示す検出信号を発生するタッチ検出信号発生方法において、前記静電センサ部に接続され前記電荷電流を入力端子に受けて前記検出信号を出力電流として発生するアンプと、無信号入力時のこのアンプの出力端子を所定の基準レベルにしかつ実質的に出力電流がゼロになるようにしてこのアンプ出力のオフセットをキャンセルするオフセットキャンセル回路とを有し、前記静電センサ部と前記アンプの前記入力端子との接続を遮断した後に、前記静電センサ部を前記入力端子に接続したときの前記電流出力アンプの入力側容量に相当する容量を前記入力端子に付加して前記オフセットキャンセル回路により前記アンプの出力のオフセットをキャンセルし、この後に前記付加した容量を前記入力端子から切離して前記静電センサ部と前記アンプの前記入力端子とを接続した後に、前記電極スキャンを行い前記検出信号を得ることを特徴とするタッチ検出信号発生方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、タッチ検出信号発生回路および座標入力装置に関し、詳しくは、格子状に配列された一対の電極を1対のコンデンサとしてスキャンすることで、指でタッチした電極近傍の検出信号として所定の基準レベルに対して上下に振れる2つのピークを持つタッチの検出信号を発生させ、この検出信号に基づいて電極のタッチ位置を検出する座標入力装置において、タッチ検出信号を発生する電流出力回路の電流オフセットの変動を低減しあるいは抑制してタッチの誤検出を防止することができるような座標入力装置、そのタッチ検出信号発生回路およびタッチ検出信号発生方法に関する。 【0002】 【従来の技術】コンピュータシステムで使用されるマウス、トラックボール、クイックポインタに代わるポインティングデバイスとして座標入力装置がある。この座標入力装置は、X,Y電極が多数格子状に配列された静電センサ部分を持ち、隣接する各一対の電極の容量差の検出によりタッチされた電極の位置の検出を行う。この座標入力装置は、タッチされた電極の位置を検出するために、通常、隣接する一対の電極を組(単位)として、X電極あるいはY電極のスキャンを行う。そして、この座標入力装置は、一対の電極により形成される2つのコンデンサの容量の差をそれぞれの電荷電流の差として電荷電流検出回路で検出することで、タッチの検出信号を得ている。 【0003】座標入力装置の静電センサ部分に配置されるX,Y電極の幅を指のタッチ幅より細いストライブ電極とすれば、タッチされている電極は、X,Y電極間の電気力線が指により遮られることでその容量が低下する。そのために、タッチされている電極の前後での一対の電極間の容量の差が変化する。この容量差は、タッチ位置の手前側では+側で増加していき、やがて減少して、指のタッチ位置(タッチした指の中央部分)でやがてゼロになり、タッチ位置から後になると−側で増加していき、やがて減少して再びゼロになるような特性を持つ検出信号になる。言い換えれば、電荷電流検出回路により得られるタッチ検出信号(タッチ信号)は、スキャン方向に沿ってのレベル変化が所定の基準レベルに対して上下に振れる2つのピークを持つ信号になる。 【0004】このようなタッチ検出信号は、電極対応に得られる電荷電流を受ける図2に示されるような回路において生成される。図2は、座標入力装置のタッチ検出信号を発生する電荷電流検出回路10を中心とするブロック図であり、11は、その静電センサ部(タッチ部)、12はマルチプレクサ、13は、パルス駆動回路であって、X側ドライブ回路とY側ドライブ回路とからなる。14は接続切換回路、15は差電流発生回路、16a,16b、16cはそれぞれスイッチ回路、17は積分回路、18はコントロール回路、19は、オフセットキャンセル回路である。なお、積分回路17は、積分用のコンデンサCSとこれに並列に接続されてこのコンデンサに充電された電荷をリセットするためのスイッチ回路SWとからなる。そして、ここでは、接続切換回路14と、差電流発生回路15、スイッチ回路16a,16b、16cとが電荷電流検出回路を構成している。スイッチ回路16a,16bは、マルチプレクサ12と接続切換回路14との間に設けられていて、スイッチ回路16a,16bから接続切換回路14、そしてこれ以降の回路が一点鎖線で示すようにIC化されている。そのうちスイッチ回路16cは、差電流発生回路15と積分回路16との間に設けられている。 【0005】静電センサ部11は、平板状のものであって、X方向に所定の間隔で多数配列されたストライプ電極(X電極)とY方向に所定の間隔で多数配列されたストライプ電極(Y電極)とを有していて、これら電極が誘電体樹脂のスペーサを介して所定間隔で積層されている。各ストライプ電極Xと各ストライプ電極Yとは、いずれか一方の隣接する電極2本が順次一対のものとしてマルチプレクサ12により選択されパルス駆動回路13によりパルス駆動される。このとき、他方の電極は、一定レベルの電圧が与えられている。選択される2本の電極は、選択されたときに、他方の電極との関係において図2に示す2つのコンデンサCaとCbとに対応する。そして、一方のコンデンサの容量に対して他方のコンデンサの容量の差が差電流発生回路15により電流値として検出されて出力される。 【0006】パルス駆動回路13により各ストライプ電極Xあるいは各ストライプ電極Yをパルス駆動をした場合には、駆動パルスの立上がりに応じて正極の微分パルス(充電電流パルス)が発生し、駆動パルスの立下がりに応じて負極の微分パルス(放電電流パルス)が発生する。接続切換回路14は、これら2つの微分パルス(電荷電流)の極性を揃えるものであり、駆動パルスの立上がり、立下がりの手前で差電流発生回路15の+位相の入力端子への接続と−位相の入力端子への接続を相互に入れ換える。これにより接続切換回路14は、これらの電流の極性を一方向に切換えて(放電側電流を反転させて正極側とする)差電流発生回路15に出力する。その切換タイミング信号は、コントローラ18からタイミング信号Tを受けて行われる。マルチプレクサ12により選択された隣接するY方向の2つの電極に駆動パルスPが入力されると、共通に接続されたコンデンサCa,Cbの一端N(例えば、最初はX側の電極)に駆動パルスPが加えられる。選択されたコンデンサCa,Cbの他端Na,Nb(最初はY側の電極)は、マルチプレクサ12,接続切換回路14を介して差電流発生回路15の(+)位相入力と(−)位相入力とにそれぞれ入力される。差電流発生回路15は、Gmアンプ(トランス・コンダクタンス・アンプ)で構成され、その+位相端子(正相入力端子)と−位相端子(逆相入力端子)とにコンデンサCa,Cbの他端Na,Nbに発生する電圧信号(電荷電流の電圧信号)を受ける。そして、その出力には、これら入力信号の電位差に応じた電流が差電流値として出力される。なお、この電荷電流検出回路の技術は、この出願人の米国特許第6075520号として登録されている。 【0007】オフセットキャンセル回路19は、コントロール回路18の制御により動作して静電センサ部11のスキャン開始前に差電流発生回路15の無信号入力時においてその出力レベルを基準レベルに設定してそのときの出力電流値を“0”に合わせるオフセットキャンセル処理をする。これにより差電流発生回路15の出力レベルが基準レベルに設定されるので、スキャン方向に沿っての変化が所定の基準レベルに対して上下に振れるタッチ検出信号を高い精度で得ることができる。また、製品ごとの基準レベルのばらつきを吸収するためにもこのオフセットキャンセル回路19が設けらている。オフセットキャンセル回路19は、ここでは、例えば、出力電圧を電圧Vcc/2(ただし、Vccは電源電圧)に設定してかつ出力電流値を0にして差電流発生回路15の無信号入力時のオフセットをキャンセルする。なお、このオフセットをキャンセルするときにはコントロール回路18は、スイッチ回路16cをONにする。そしてオフセットキャンセル回路19は、差電流発生回路15の出力信号を受けてその動作電流等を調整して出力電圧が電圧Vcc/2になるようにしかつ出力電流値が0になるようにする。このとき、スイッチ回路16a,16bは初期状態でOFFになっているのでOFFのままであり、これにより差電流発生回路15の入力側は、静電センサ部11に接続されずに無信号状態にされる。 【0008】ところで、電流出力のGmアンプは、通常、プッシュ回路側の上流側に電流吐出しの電流源を持ち、プル回路側の下流側に電流シンクの電流源をもつプッシュプル型の回路である。そこで、差電流発生回路15は、図2に示すように、上流側の電流吐き出しの電流源を可変電流源15aとし、下流側の電流シンクの電流源を可変電流源15bとして構成し、オフセットキャンセル処理は、それぞれ可変電流源の電流値を調整することで行われる。このオフセットキャンセル処理後にコントローラ18がスイッチ回路16a,16bをONにしてコントローラ18の制御によりX電極あるいはY電極がスキャンされてスキャン方向に応じて変化するタッチ検出信号が差電流発生回路15に発生する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような回路にあっては、静電センサ部11をマルチプレクサ12でスキャンするときには、コントロール回路18によりスイッチ回路16a、16bをONにして静電センサ部11と接続しなければならなず、スキャンして得られるそれぞれの電荷電流はそれぞれグランドGNDに対して流れる電流値になる。一方、差電流発生回路15の入力の対接地容量とICの外部にある静電センサ部11が接続されたときの差電流発生回路15の入力の対接地容量とが異なるために、このときスキャン前にオフセットキャンセルしたオフセット量に影響を与えてオフセットが十分にキャンセルされなくなる。それは、後者では静電センサ部11が接続されたときに静電センサ部11の接続により対接地浮遊容量が入力側に加わるからである。前者の容量が1pF以下であるのに対して後者の容量は30pF〜50pFと大きい。これによりオフセットキャンセル回路19でキャンセルしたオフセット量に狂いが生じ、せっかく基準レベルに設定しても精度の高いタッチ検出信号を得ることが難しくなる。しかも、差電流発生回路15のオフセットは、基準レベルを上下いずれかに変化させるので、差電流発生回路15から得られる、上下にピークを持つ検出信号のダイナミックレンジを低下させる。その結果、タ ッチしているか否かの判別が難しくなり、タッチしていないのにタッチしているという誤検出がされたり、タッチしているのにそれが検出できない問題も生じる。また、タッチ位置も正確でなくなる。この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、タッチ検出信号を発生する電流出力回路の電流オフセットの変動を低減しあるいは抑制してタッチの誤検出を防止することができるタッチ検出信号発生回路および座標入力装置を提供することにある。この発明の他の目的は、タッチ検出信号を発生する電流出力回路の電流オフセットの変動を低減しあるいは抑制してタッチの誤検出を防止することができるタッチ検出信号発生方法を提供することにある。 【0010】このような目的を達成するためのこの発明のタッチ検出信号発生回路および座標入力装置の特徴は、所定の方向に配列された多数の電極を有する静電センサ部の前記電極をスキャンして電極対応に得られる電荷電流を受けて所定の電極にタッチしたことを示す検出信号を発生するタッチ検出信号発生回路において、静電センサ部に第1のスイッチ回路を介して接続され電荷電流を入力端子に受けてタッチの検出信号を出力電流として発生するアンプと、無信号入力時のこのアンプの出力端子を所定の基準レベルにしかつ実質的に出力電流がゼロになるようにしてこのアンプ出力のオフセットをキャンセルするオフセットキャンセル回路と、第1のスイッチ回路とアンプの入力端子との間に設けられ第1のスイッチ回路により静電センサ部が接続されたときのアンプの入力端子の入力容量に相当する容量を第2のスイッチ回路を介してアンプの入力端子に付加する容量付加回路とを備え、第1のスイッチ回路により静電センサ部とアンプとの接続が遮断されかつ第2のスイッチ回路によりアンプの入力端子に入力容量に相当する容量が付加された状態でオフセットキャンセル回路がアンプ出力のオフセットをキャンセルするものである。また、この発明のタッチ検出信号発生方法の特徴は、前記静電センサ部と前記アンプの前記入力端子との接続を遮断した後に、前記静電センサ部を前記入力端子に接続したときの前記アンプの入力側容量に相当する容量を前記入力端子に付加して前記オフセットキャンセル回路により前記アンプ出力のオフセットをキャンセルし、この後に前記付加した容量を前記入力端子から切離して前記電極スキャンを行い前記の検出信号を得るものである。 【0011】 【発明の実施の形態】このように、この発明は、静電センサ部を電流出力アンプに接続したときの電流出力アンプの入力側容量をあらかじめ考慮してその分の容量を付加した上でオフセットキャンセル回路を動作させて電流出力アンプ出力のオフセットをキャンセルする処理をする。これにより、その後に付加した容量を切離して同様な対接地容量を持つ静電センサ部を接続してもオフセットキャンセル回路でキャンセルしたオフセットの狂いが抑制される。この状態で電極スキャンを行うことで、電流出力アンプの出力に精度の高いタッチ検出信号を得ることができる。さらに、電極スキャンに伴って電流出力アンプから得られるタッチ検出信号の基準レベルの変動が低減しあるいは抑制されるので、ダイナミックレンジが向上する。その結果、この発明を適用した座標入力装置等では、タッチしているか否かの判別が容易となり、タッチの誤検出が減少し、さらに高い精度でタッチした電極の座標位置を検出することができる。 【0012】 【実施例】図1は、この発明の一実施例の座標入力装置のタッチ検出信号発生回路を中心とするブロック図である。なお、図2と同一の構成要素は同一の符号で示し、その説明を割愛する。図1においては、10aは、IC化された電荷電流検出回路10aであって、図示するように、これの差電流検出回路15の+位相入力端子側に接続される接続切換回路14の入力にはそれぞれスイッチ回路16d,16fを介してコンデンサC1,C3が接続され、差電流検出回路15の−位相入力端子側に接続される接続切換回路14の入力にはそれぞれスイッチ回路16e,16gを介してコンデンサC2,C4が接続されている。これらそれぞれのコンデンサは、各スイッチ回路を介して それぞれの入力とグランドGND間に設けられている。そして、この発明の構成要素である容量負荷回路がこれらスイッチ回路16d〜16gとコンデンサC1〜C4とにより構成されている。なお、図1においては、図2と同一の構成要素は同一の符号で示し、その説明を割愛する。20は、検出信号判定部であって、アンプ21と、サンプルホールド回路(S/H)22、A/D変換回路(A/D)23、そして、データ処理装置24とからなる。データ処理装置24は、内部にMPUとメモリとを有し、プログラム処理によりタッチされたか否かの判定と、タッチされているときにタッチ位置の検出を行い、その結果得られたタッチ位置の座標データを座標入力装置が接続された外部装置あるいは外部回路に出力する。ここで、コンデンサC1,C2は、40pF、コンデンサC3,C4は20pFである。 【0013】ここでのコンデンサC1,C2は、静電センサ部11に接続されたときの差電流発生回路15の各入力の対接地浮遊容量に対応させた平均的な容量であり、40pFが選択されている。そこで、スイッチ回路16d,16eがONしてこれら2つのコンデンサが並列に差電流検出回路15の+,−の入力側に接続されたときには、全体としては80pFになる。コンデンサC3,C4を含めて、このように小さい容量のコンデンサは、ICの中に集積回路の一部として形成され、形成することができる。ここでは、オフセットキャンセル回路19で差電流発生回路15の出力を基準レベル(電圧Vcc/2で電流値=0)に設定してオフセットをキャンセルする処理をするときには、コントロール回路18からの制御信号S1,S2によりスイッチ回路16d,16eをONにして、あるいはスイッチ回路16f,16gをONにして、あるいは両者をONにした状態でオフセットキャンセル回路19が差電流発生回路15の出力のオフセットをキャンセル処理をする。その後に、コントロール回路18がこれらスイッチ回路をOFFにし、スイッチ回路16a,16bをONにして静電センサ部11を差電流検出回路15の入力に接続切換回路14を介して接続してスキャン動作に入り、差電流検出回路15の出力にタッチの検出信号を得る。 【0014】次にその動作を説明する。まず、静電センサ部11のスキャンに入る前には、スイッチ回路16aとスイッチ回路16bは、OFF(初期状態でOFF)となっている。コントロール回路18は、制御信号S0,S1を発生してスイッチ回路16cをONにするとともにスイッチ回路16d,16eをON(スイッチ回路16f,16gはOFF)にして制御信号Ofを発生してオフセットキャンセル回路19を起動する。これによりコンデンサC1,C2の40pFが接続切換回路14の入力に付加され、言い換えれば、差電流発生回路15の+,−の各位相入力端子に付加され、この状態でオフセットキャンセル回路19は、差電流発生回路15の可変電流源15aと15bの電流を調整して差電流発生回路15の出力のオフセットをキャンセルする処理を行う。その結果、差電流発生回路15の出力電圧がVcc/2(基準レベル)でその出力電流値が“0”に設定される。 【0015】次に、このオフセットをキャンセルする処理が終了すると、コントロール回路18は、制御信号S1と制御信号Ofとを停止してスイッチ回路16d,16eをOFFにし(スイッチ回路16 f,16gはOFF)、静電センサ部11のスキャン開始前に、制御信号S,S0を発生してスイッチ回路16a,16b、16cをONにして、静電センサ部11のスキャンを開始する。このとき、スキャンされる各一対の電極に対してスイッチ回路16cは、コントロール回路18により駆動パルスPの16個分の期間の間ONにされる。したがって、積分回路17のコンデンサCSには、立上がり、立下がり合わせて、ほぼ32回分のパルス電流が加えられ、これによりコンデンサCSの充電が行われる。この充電によるコンデンサCSの端子電圧値が検出信号判定部20のアンプ21により増幅されて、サンプルホールド回路(S/H)22に加えられる。ここで、コントロール回路18からのサンプリング信号SPによりサンプリングされ、そのサンプリング値が(A/D)23に入力されて、スキャン位置に応じた各一対の電極の検出信号がデジタル値に変換される。そして、それがA/D23からデータ処理装置24に入力される。なお、スイッチ回路16a,16b、16cのON期間に対応する前記の駆動パルスの数は、さらに多くてもよく、例えば、30個程度の範囲のうちから適切な個数に対応する期間とすることができる。次にスイッチ回路16cがOFF(このときスイッチ回路16a,16bはONのまま)になり、スイッチ回路SWがONになって積分コンデンサCsがリセットされる。その後に、スイッチ回路SWがOFFになってスイッチ回路16cがONになり、次の対電極にスキャンが移り、一対の電極に対して同様な検出処理が行われる。 【0016】データ処理装置24においては、各電極対のスキャンにより得られたタッチ検出信号に基づいてタッチされたか否かの判定と、タッチされているときにタッチ位置の検出がMPUによる所定のプログラムの実行により行われる。このとき、データ処理装置24は、タッチされたか否かの判定がNOとなったとき、あるいはタッチ位置の検出ができないときにコントローラ18に静電センサ部11を再スキャンする制御信号Rを発生する。なお、データ処理装置24のタッチされたか否かの判定処理とタッチ位置の検出処理については、特開平10−233670号に記載され、すでに公知である。コントローラ18は、この再スキャンの信号Rを受けて、制御信号Sを停止してスイッチ回路16a,16bをOFFにし、制御信号S0,S1,S2を発生してスイッチ回路16d,16eと、さらにスイッチ回路16f,16gをともにONにしてオフセットキャンセル回路19を起動する。このときには、コンデンサC1〜C4が並列に接続されて差電流発生回路15の+,−の各位相入力に60pF(総計120pF)が接続切換回路14を介して接続される。そして、オフセットキャンセル回路19は、差電流発生回路15の各+,−位相の入力に60pFが挿入された状態で差電流発生回路15の出力のオフセットをキャンセルする処理を行う。このオフセットをキャンセルする処理の後に、コントローラ18は、スイッチ回路16d〜スイッチ回路16gをOFFにして、前記と同様に、静電センサ部11のスキャン開始前に、スイッチ回路16a,16b、16cをONにして、静電センサ部11のスキャンを開始する。その結果、前記と同様なタッチ検出信号が得られ、これがデータ処理装置24に入力されて同様な判定処理が行われる。 【0017】再び、タッチされたか否かの判定がNOとなったとき、あるいはタッチ位置の検出ができないときにデータ処理装置24は、コントローラ18に静電センサ部11を再スキャンする制御信号Rを発生する。このときには、スイッチ回路16f,16gがともにON(スイッチ回路16d,16eはOFF)にされて、入力に付加される容量は、各20pFにされて、上記と同様な処理が繰り返される。このようにすることで、オフセットキャンセル回路19は、静電センサ部11を差電流発生回路15に接続する前に、差電流発生回路15に静電センサ部11を接続した状態に近い入力容量の状態で差電流発生回路15の出力のオフセットキャンセル処理を行うことができる。これにより電極スキャン時に静電センサ部11に接続が切換えられても差電流発生回路15が出力するタッチ検出信号の基準レベルの変動はほとんどないか、小さいので、正確なタッチ検出信号を発生することができる。また、タッチ検出信号は、その基準レベルの変動が低減されあるいは抑制されることによりこの基準レベルから上下にピークが変化してもピークの振幅が正側と負側に大きく採れるのでピーク振幅のダイナミックレンジが大きくなる。 【0018】以上説明してきたが、実施例では、コンデンサC1〜C4の4個を設けているが、さらに、多数のコンデンサを並列に設けて選択できるようにしてもよい。また、実施例では4つのコンデンサの接続を切換えて入力に付加する付加容量を選択するようにしているが、コンデンサはC1,C2の2個のみであってもよいことはもちろんである。 【0019】 【発明の効果】以上のとおり、この発明にあっては、静電センサ部を電流出力アンプに接続したときの電流出力アンプの入力側容量をあらかじめ考慮してその分の容量を付加した上でオフセットキャンセルして付加した容量を切離して電極スキャンを行い、タッチ検出信号を得るようにしているので、オフセットキャンセル回路でキャンセルしたオフセットの狂いが抑制される。これにより、電極スキャンに伴って電流出力アンプから得られるタッチ検出信号の基準レベルの変動が抑制され、ダイナミックレンジが向上する。その結果、タッチしているか否かの判別が容易となり、タッチの誤検出が減少し、さらに高い精度でタッチ電極の座標位置を検出することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116024 【氏名又は名称】ローム株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079555 【弁理士】 【氏名又は名称】梶山 佶是 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−108553(P2002−108553A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−219010(P2001−219010) |
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