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【発明の名称】 ワイヤレスペンシステム
【発明者】 【氏名】村川 智彦

【要約】 【課題】大型表示器を必要としないワイヤレスペンシステムを提供する。

【解決手段】複数のワイヤレスペン10と複数のワイヤレスペン用表示器20とから構成されるワイヤレスペンシステムにおいて、各ワイヤレスペンは、他のワイヤレスペン及び全ての表示器に対してアクセス権要求信号を送信し、前記他のワイヤレスペン及び前記全ての表示器からアクセス許可信号を受信してアクセス権を入手したとき、ペン入力情報を前記全ての表示器に対して配信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のワイヤレスペンと複数のワイヤレスペン用表示器とから構成されるワイヤレスペンシステムにおいて、各ワイヤレスペンは、他のワイヤレスペン及び全ての表示器に対してアクセス権要求信号を送信し、前記他のワイヤレスペン及び前記全ての表示器からアクセス許可信号を受信してアクセス権を入手したとき、ペン入力情報を前記全ての表示器に対して配信することを特徴とするワイヤレスペンシステム。
【請求項2】 請求項1に記載のワイヤレスペンシステムにおいて、前記アクセス権を入手したワイヤレスペンは、周期的に他のワイヤレスペンからのアクセス権要求信号を受信し、所望のタイミングでアクセス許可信号を送信して前記アクセス権を他のワイヤレスペンへ譲り渡すことを特徴とするワイヤレスペンシステム。
【請求項3】 請求項1に記載のワイヤレスペンシステムにおいて、前記表示器は、前記ペン入力情報を描画情報に変換する制御部と、前記描画情報を格納するメモリ部とを備えることを特徴とするワイヤレスペンシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤレスペンを用いてペン入力情報を表示器に表示させることのできるワイヤレスペンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報端末への通信媒体としてワイヤレス通信が注目されている。ワイヤレス通信を利用した各種のシステムは携帯機と共に移動可能なため、人の行動を制限しない通信が可能となる。
【0003】図5はこのようなワイヤレス通信システムの一つであるワイヤレスペンシステムの一例を示した図である。複数のワイヤレスペン1a,1b,1cと、このワイヤレスペン1からのアクセス要求信号やワイヤレスペン1のペン入力情報を制御する近距離無線制御装置3と、ワイヤレスペン1のペン入力情報を表示する表示器2とから構成されている。ワイヤレスペン1からのペン入力情報は近距離無線制御装置3を介して表示器に表示される。このような従来のワイヤレスペンシステムは例えば特開平8−166843号公報にも記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図5や、前述した公報に記載されている従来のワイヤレスペンシステムでは、ワイヤレスペンからの入力情報は単一の近距離無線制御装置で管理され、それを介して一つの表示器に表示していた。従って、多くの人数で行うグループミーティング等の場合には、全員が表示情報を見るために大型の表示器を必要としていた。更に小規模なグループミーティングの場合でも、近距離無線制御装置を必要とするため、近距離無線制御装置と表示器とが置いてある特定の場所でしか利用できず不便であった。本発明は、複数のワイヤレスペンを統一的に制御するための近距離無線制御装置を必要とせず、しかも複数の携帯表示器に表示が可能となるワイヤレスペンシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のワイヤレスペンと複数のワイヤレスペン用表示器とから構成されるワイヤレスペンシステムにおいて、各ワイヤレスペンは、他のワイヤレスペン及び全ての表示器に対してアクセス権要求信号を送信し、前記他のワイヤレスペン及び前記全ての表示器からアクセス許可信号を受信してアクセス権を入手したとき、ペン入力情報を前記全ての表示器に対して配信することを特徴とする。また、本発明は、複数のワイヤレスペンと複数のワイヤレスペン用表示器とから構成されるワイヤレスペンシステムにおいて、前記アクセス権を入手したワイヤレスペンは、周期的に他のワイヤレスペンからのアクセス権要求信号を受信し、所望のタイミングでアクセス許可信号を送信して前記アクセス権と他のワイヤレスペンへ譲り渡すことを特徴とする。さらに、本発明は、複数のワイヤレスペンと複数のワイヤレスペン用表示器とから構成されるワイヤレスペンシステムにおいて、前記表示器は、前記ペン入力情報を描画情報に変換する制御部と、前記描画情報を格納するメモリ部とを備えることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、ワイヤレスペンと表示器とに省電力近距離無線通信を行うことのできる機能を搭載し、従来必要とされていた近距離無線制御装置を用いる必要をなくしている。なお、ここで用いる小電力近距離無線通信はブルートゥース(Bluetooth)と呼ばれており、本発明の実施の形態の説明に先だってこのブルートゥースの説明を行う。
【0007】まず、ブルートゥースとはマスタ(サーバ)とスレーブ(クライアント)との間で近距離の双方向無線通信を行うシステムを言う。周波数帯域は、特別な免許を必要とせず、ほぼ全世界で共通に使用できるISM(2.4GHz帯)を利用する。この無線通信システムでは、特定の端末を識別できるようにID番号がそれぞれ個別に割り当てられる。ID番号は書き換えが出来ないように、不揮発性メモリにストアされる。また、データの通信を行う前に、通信相手が通信エリア内に入ったことを検出する機能を持つ。そして通信相手を検出した後、接続相手を選択あるいは接続相手として適しているか否かを判断し、データの通信を行うために接続処理(呼び出し)を行う。
【0008】次に、マスタとスレーブとの接続方法について説明する。図3は同一機能を持った不特定の端末を自動的に検出して接続する場合のフローチャートを示したものである。検出する側をマスタとすると、マスタは予め同一機能を持った端末の機能をメモリに登録しておき、動作を開始すると(ステップ301)、マスタ側は周期的に検出信号を送信し(ステップ302)、スレーブ側からの応答信号の受信を待つ。検出される側(スレーブ)は検出信号を受信するために、周期的に受信動作を行い、検出信号を受信したら自分のID番号と機能等を応答信号として送り返す。そしてマスタ側は応答信号の受信に成功したら(ステップ303)、予め登録した機能とスレーブの機能とを比較する(ステップ304)。比較結果が一致した場合のみ、同一機能を持つ端末と判断し、自動的に接続処理に入ることで同一機能を持った不特定の端末とデータの通信を開始する(ステップ305〜307)。マスタとスレーブとはピコネットと呼ばれるマスタを中心としたリンクを構成することにより、ポイント−マルチポイント通信が可能となる。
【0009】図4はピコネットの構成を示す図である。通信接続を開始すると、マスタはスレーブに対して一時的にアドレスを割り当てる。マスタは一時的なアドレスとしてブロードキャスト用のアドレスをスレーブアドレスとは別に用意する。スレーブは受信したアドレスからブロードキャストであるかどうかを判断し、ブロードキャストの場合にはデータを取込み、ブロードキャストでない場合には破棄する。マスタとスレーブとの通信が行われている場合でも、通信エリア内の端末検出や接続手順を実行することによりスレーブを随時追加することができる。
【0010】また、データ通信終了時にはスレーブに割当てた一時的なアドレスを放棄することができる。このように時分割にスレーブの追加や放出を繰り返すことによって、数多くの端末とブロードキャスト通信が可能となる。さらにセキュリティ機能も備わっており、パスワードを入力する入力装置と入力されたキャラクタを表示する表示器とを有している。端末は通信接続を開始する際、互いに同一のパスワードを入力した場合だけ接続を許可するセキュリティ機能を持つ。通信相手が通信エリア内に入ったことを検出し接続を行った後、通常は通信状態にいて周期的にデータのやりとりを行う。データのやりとりが行われる際に、相手から送信されるデータを受信できない状態がある一定時間継続する場合、通信相手がエリア外に離れたと判断することで、両方の端末においてエリア外検出ができる。
【0011】図1は本発明のワイヤレスペンシステムの一実施形態を示す図で、ワイヤレスペン10a,10b,10cと携帯表示器20a,20b,20cとから構成される。本発明においては、前述した数メートルから数十メートルの範囲内で双方向の小電力近距離無線通信を行うブルートゥース機能を、ワイヤレスペン10と携帯表示器20とに搭載してブルートゥース方式に基づく通信を行う。図1に示す構成において、例えばワイヤレスペン10aがアクセス権を要求している際には、ワイヤレスペン10aがマスタとなり、他のワイヤレスペン10b,10c及び全ての携帯表示器20a,20b,20cはスレーブとして動作する。従って、図1に示すシステムにおける動作は図3のフローチャートに従って行われる。
【0012】図2はワイヤレスペン10とワイヤレスペン用表示器20の詳細構成を示すブロック図である。図2(A)はワイヤレスペンのブロック図を示しており、アンテナ11、制御部12、センサ13、アクセス権要求ボタン14、ペン用表示器15及び近距離無線送受信部16から構成される。図2(B)は携帯表示器の構成を示すブロック図で、アンテナ21、制御部22、携帯用表示器23、メモリ及び近距離無線送受信部25から構成される。ワイヤレスペン用近距離無線送受信部16と携帯表示器用近距離無線送受信部25との間で小電力近距離無線通信(ブルートゥース)動作が行われる。
【0013】先ず、何れかのワイヤレスペンがマスタとなって、アクセス権要求ボタン14が押下されると、制御部12からアクセス権要求信号がワイヤレスペン用近距離無線送受信部16に送られ、アンテナ11を介して周辺の他のワイヤレスペン10に送信される。なおアクセス権要求信号は同時に複数の携帯表示器20に対しても送信される。アンテナ11を介して他のワイヤレスペンに送られたアクセス権要求信号は他のワイヤレスペンの近距離無線送受信部16において復調され、制御部12でアクセス許可と判断した場合、他のワイヤレスペン10はマスタとしてアクセス権要求信号を送信したワイヤレスペンに対して、アクセス権許可信号を送り返し、表示器15にはアクセス権許可の表示を行う。携帯表示器20についても同様の動作が行われる。
【0014】アンテナ21を介して近距離無線送受信部25に送られたアクセス権要求信号は復調され、制御部22でアクセス許可と判断した携帯表示器20はアクセス権許可信号を送り返し、表示器23にアクセス権許可の表示を行う。アクセス要求を行ったワイヤレスペン10aは全ての他のワイヤレスペン10b,10cと全ての携帯表示器20a,20b,20cからのアクセス許可信号を受信すると、センサを介して入力されるペン入力情報を全ての携帯表示器20a,20b,20cに配信する。現在アクセス権を持つワイヤレスペン10aは周期的に他のワイヤレスペン10b,10cからのアクセス権要求信号を受信して、所望のタイミングでアクセス許可信号を送信してアクセス権を他のワイヤレスペン10b,10cへ譲り渡すことができる。
【0015】これによりアクセス権の交替が可能となる。アクセス権が交替した時は、上述したアクセス権要求の手順が同様の手順で行われる。携帯表示器20はワイヤレスペン10から送信されたペン入力情報を制御部22を介して描画情報に変換し、携帯用表示器23に表示する。またメモリ24にはこの描画情報を保存することが出来る。このように表示器20内にメモリを搭載することにより会議において使用した場合、ペン入力と同時に自動的に議事録が作成できるため便利である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では複数のワイヤレスペン用携帯表示器を用意することにより、ワイヤレスペンからの同一情報が複数の携帯表示器に表示することができる。さらに大型の表示器や近距離無線制御装置を必要としないため、場所を選ばずグループミーティング等を行うことができる。また、携帯表示器内にメモリを内蔵しておけば議事録を取る必要がないため便利である。
【出願人】 【識別番号】000003595
【氏名又は名称】株式会社ケンウッド
【出願日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【代理人】 【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
【公開番号】 特開2002−108550(P2002−108550A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−292934(P2000−292934)