トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 シートキーボード
【発明者】 【氏名】中山 秀樹

【要約】 【課題】表面シートの交換が容易に行え、オイルミストの進入を防止でき、誤押圧を阻止して誤動作を防止し、小形化ができるシートキーボードを提供する。

【解決手段】複数の開口を設けたキーボード表板3と、この複数の開口内にそれぞれ配置されるキートップ13を備えてキーボード表板3の下方に設けられる押釦スイッチ1と、キーボード表板3とキートップ13とが連続して覆われる表面シート41と、を有するシートキーボードにおいて、誤操作すると危険な特定のキートップ13の上面をキーボード表板3の上面と同一面上もしくはこれより下に配置し、さらに、表面シート41は特定のキートップ13の中心にあたる箇所に半円状の凸状小突起14及びキートップ13の外周あたる箇所に凸状壁15を成形した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の開口を設けたキーボード表板と、該複数の開口内にそれぞれ配置されるキートップを備えて前記キーボード表板の下方に設けられる押釦スイッチと、前記キーボード表板と前記キートップとが連続して覆われる表面シートと、を有するシートキーボードにおいて、特定のキートップの上面と前記キーボード表板の上面とを同一面上もしくは前記キートップの上面を前記キーボード表板の上面より下位の位置に配置してなることを特徴とするシートキーボード。
【請求項2】 複数の開口を設けたキーボード表板と、該複数の開口内にそれぞれ配置されるキートップを備えて前記キーボード表板の下方に設けられる押釦スイッチと、前記キーボード表板と前記キートップとが連続して覆われる表面シートと、を有するシートキーボードにおいて、前記表面シートには特定のキートップの中心にあたる箇所に断面半円状の凸状小突起及び/又は該キートップの外周にあたる箇所に断面凸状の壁が成形されてなることを特徴とするシートキーボード。
【請求項3】 請求項2記載のシートキーボードにおいて、前記表面シートが、1個又は複数の押釦スイッチの機能別エリアの区分けとして、該押釦スイッチの該当するキートップの周囲を断面凸状の壁でその長さ方向の形状が直線又は曲線若しくはこれらの組み合わせで成形されてなることを特徴とするシートキーボード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートキーボードに適用し、特に機械の始動用押釦スイッチ等誤って押すと危険を招くおそれのある押釦を不用意に押すことを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】押釦スイッチが設けられているキーボードが、工作機械や産業用機械等粉塵やオイルミスト等が浮遊する領域で使用される場合、粉塵やオイルミストが押釦スイッチ内部に進入することを防止するために、シートキーボードの表面が軟質の耐油性を持ったシートにてカバーされている。そこで、押釦スイッチの視認性や操作性の向上のため、押釦スイッチのキートップをキーボード表板に設けられた開口を貫通しキーボード表板より突き出させ、キートップを取り囲んで前記表面シートを凸状に成形したシートキーボードが使用されている。このシートキーボードに機械の始動用押釦スイッチが使用されていて、それが誤って操作されてしまうと、機械が動作して、重大な結果を招くおそれがある。そこで、誤って操作すると重大な結果を招くおそれのあるキートップなど不所望の押釦スイッチのキートップの周囲を取り囲むか又はU字形に樹脂成形した別部品や凹凸状に表面シートを成形して凸状の防護壁を設け、表面に軽く触れただけでは簡単に押釦スイッチが押されないようにしている。
【0003】この点について、従来技術に係るシートキーボードについて、図面を参照し説明する。図3および図4は従来のシートキーボードに関するものである。図3は防護壁に樹脂成形品を用いた従来の例で、図3(a)がその平面図、図3(b)が図3(a)のA−A断面図である。また、図4は成形加工にて防護壁を形成した例を断面図で示す。図3(a)において、6は樹脂製の凸状防護壁であり、特定の押釦スイッチ(前述の誤って操作すると重大な結果を招くおそれのある押釦スイッチ)のキートップ13の周囲に設けられている。7は凸状防護壁6の取り付けのための突起であり、8は突起をカシメた状態である。また、図4(b)において、1は押釦スイッチであり、11、12は押釦スイッチ1に接続された端子であり、2は押釦スイッチ本体1を支持する支持板である。この押釦スイッチ1は、キートップ13によって駆動される駆動バネ(図示せず)によって開閉される。すなわち、押釦スイッチを閉路する時はキートップ13を図示矢印Aの方向に押下げて駆動バネを駆動し、押釦スイッチ内の接点を接触させる。また、押釦スイッチを開路する時は、キートップに加えられていた力を除去し駆動バネの復帰によってキートップ13を矢印A方向と逆方向に戻し、押釦スイッチ内の接点を開路する。3はキーボード表板であり、4が表面シートである。表面シート4は耐油性の皮膜を持った例えばウレタンシートをエンボス加工して、図示5のような凸部を形成している。なお、13’は押圧されても問題ないようなキートップであり、そこには凸状防護壁6は設けられていない。このような特定のキートップ13は凸状防護壁6でその周囲を270°囲われているため、身体・衣服の一部がキートップ13に触れようとしても、凸状防護壁6が先に当たって、ガードするので、簡単にキートップ13が押圧されることはない。
【0004】図4は従来のシートキーボードの他の例で、表面シートを凹凸状に成形加工して防護壁を形成したものである。図4において1は押釦スイッチであり、11、12は端子である。この押釦スイッチは、キートップ13によって駆動される駆動バネ(図示せず)によって開閉される。押釦スイッチを閉路する時はキートップ13を図示矢印Aの方向に押下げて駆動バネを駆動し、押釦スイッチ内の接点(図示せず)を接触させる。押釦スイッチを開路する時は、キートップに加えられていた力を除去し駆動バネの復帰によってキートップ13を矢印A方向と逆方向に戻し、押釦スイッチ内の接点を開路する。2は押釦スイッチ本体1を支持する支持板であり、3はキーボード表板であり、4が表面シートである。表面シート4は耐油性の皮膜を持った例えばウレタンシートをエンボス加工して、図示するような5の凸部を形成している。9は表面シートを凹凸成形した凸状の防護壁であり、特定の押釦スイッチのキートップ13の周囲に設けられている。10は凸状防護壁凸空間内部の補強である。このような特定のキートップ13は凸状防護壁9,10で周囲を囲われているため、身体・衣服の一部がキートップ13に触れようとしても、凸状防護壁9,10が先に当たって、ガードするので、簡単にキートップ13が押圧されることはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のシートキーボードは、防護壁が凸状の樹脂成形品の場合、シートキーボードに固定するためには樹脂成形品の取り付け面から出た複数の突起を、表面シートとキーボード表板に設けられた開口穴に挿入し、キーボード表板の裏からカシメやネジによって固定する等のため、表面シートの交換が容易にできないし、凸状防護壁が再利用できない。また、表面からの固定のため、オイルミストの進入等の欠点が有る。一方、防護壁を表面シートに凹凸状に成形して形成した場合、防護壁としての機能を果たすためには凸状壁先端とキートップの上面迄の高さが高い程防護壁としての機能を十分に果たすことになる。しかし、従来の方法では、表面シートを成形する場合、高さは凸状壁の凸幅とに関連し制約が有り、キートップの上面と凸状壁先端との高さを十分に確保しようとすると凸幅を大きくする必要があるが、反面必要とする剛性が得られず凸状壁凸空間内部に補強を介入させないと、キーを不用意に操作した場合、凸状壁が誤押圧を阻止できない。また、近年の小形化要求により、複数の押釦スイッチが近接して配置された場合等、凸幅の広い凸状壁が形成できず、小形化を阻害する等の欠点が有る。そこで、本発明の課題は、これらの欠点を解消することにあり、不所望の押釦スイッチを誤って操作することのないように改良されているシートキーボードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1記載のシートキーボードの発明は、複数の開口を設けたキーボード表板と、該複数の開口内にそれぞれ配置されるキートップを備えて前記キーボード表板の下方に設けられる押釦スイッチと、前記キーボード表板と前記キートップとが連続して覆われる表面シートと、を有するシートキーボードにおいて、特定のキートップの上面と前記キーボード表板の上面とを同一面上もしくはキートップの上面をキーボード表板上面より下位位置に配置してなることを特徴とする。請求項2記載のシートキーボードの発明は、複数の開口を設けたキーボード表板と、該複数の開口内にそれぞれ配置されるキートップを備えて前記キーボード表板の下方に設けられる押釦スイッチと、前記キーボード表板と前記キートップとが連続して覆われる表面シートと、を有するシートキーボードにおいて、前記表面シートには特定のキートップの中心にあたる箇所に断面半円状の凸状小突起及び/又は該キートップの外周にあたる箇所に断面凸状の壁が成形されてなることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項2記載のシートキーボードにおいて、前記表面シートが、1個又は複数の押釦スイッチの機能別エリアの区分けとして、該押釦スイッチの該当するキートップの周囲を断面凸状の壁でその長さ方向の形状が直線又は曲線若しくはこれらの組み合わせで成形されてなることを特徴とする。以上のように構成することによって、カシメやネジによらないため表面シートの交換が容易に可能となり、表面からのオイルミストの進入も防止でき、また特定のキートップの上面を下げたので凸状壁を高くする必要が無く、したがって凸空間内部に補強を行わなくても剛性の十分にある凸状壁を有し、小形化の可能な、そして不所望の押釦スイッチを誤って操作することのないシートキーボードが得られる。
【0007】
【発明の実施形態】以下に本発明の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態で、図1(a)がその平面図、図1(b)が図1(a)のA−A断面図である。図1(b)において、1は押釦スイッチ本体であり、11、12は押釦スイッチ1に接続された端子である。2は押釦スイッチ本体1を支持する支持板で、3はキーボード表板である。この押釦スイッチ1は、キートップ13によって駆動される駆動バネ(図示せず)によって開閉される。すなわち、押釦スイッチを閉路する時はキートップ13を矢印Aの方向に押下げて駆動バネを駆動し、押釦スイッチ内の接点を接触させる。また、押釦スイッチを開路する時は、キートップに加えられていた力を除去し駆動バネの復帰によってキートップ13を矢印A方向と逆方向に戻し、押釦スイッチ内の接点を開路する。以上の構成は従来のものと同じである。そして、図1(a)および(b)において、誤って操作すると重大な結果を招くおそれのある押釦スイッチ(特定の押釦スイッチ)のキートップ13を本発明の実施の形態では、キーボード表面と同一平面ないしはこれより下げているのが特徴である。すなわち、特定の押釦スイッチ本体1のキートップ13(図1(b)左)と非特定の押釦スイッチ本体1’のキートップ13’(図1(b)右)のそれぞれの上面を比較すると分かるように、後者は従来同様、キーボード表面3より頭を出しているのに対して、前者はキーボード表面3より下位に位置している。これにより、障害物がキーボードに当たっても、キーボード表面3がガードをするので、誤押圧が起こらない。41が本発明に係る表面シートである。これは耐油性の皮膜を持った例えばウレタンシートを凹凸加工して製造することは従来と同一であるが、キートップ13の中心にあたる箇所に断面で半円状の凸状小突起14とキートップ13の外周にあたる箇所に凸状防護壁15とが成形されてなるものである。凸状小突起14の役割は、上記のように、誤操作で重大な結果を招くおそれのある押釦スイッチのキートップ13をキーボード表面3より下げたので、表面シートの表側からの視認性をよくするために設けたものである。また、凸状防護壁15は特定のキートップ13の周囲を270°囲っており、障害物がキートップ13に触れようとしても、ここでガードすることにより、簡単にキートップ13を押圧しないようにするためである。なお、13’は押圧されても問題ないようなキートップであり、そのキートップ13’の周囲には、従来通り、半円状の凸状小突起14も凸状防護壁13も設けられてはいない。以上のような構成により、特定のキートップ13は凸状防護壁15でその周囲を270°囲われているため、身体・衣服の一部がキートップ13に触れようとしても、凸状防護壁15が先に当たって、ガードするので、簡単にキートップ13が押圧されることはない。しかも、特定のキートップ13の上面がキーボード3の表板の上面と同一面上もしくそれより下の方に位置しているので、キーボード表板3の開口よりも大きなものが接触しても、キーボード表板3自身で阻止するので、キートップ13が押圧されることは起こらない。また、従来のシートキーボードのような防護壁が凸状の樹脂成形品の場合のシートキーボードに固定する樹脂成形品の取り付け面から出た複数の突起も不要であり、したがってキーボード表板の裏からカシメやネジによって固定する等のための作業が要らず、表面シートの交換も容易である。表面シート41も再利用できる。また、表面シート41は表面全体を覆うためオイルミストの進入等がない。 一方、防護壁を表面シートに凸状に成形した従来のものと比べても、特定のキートップ13の上面がキーボード3の表板の上面と同一面上もしくそれより下の方に位置しているので、凸状壁先端をそれほど高くする必要はない。したがって必要な剛性が得られる。また、近年の小形化要求に応えられ、複数の押釦スイッチが近接して配置されても凸幅の狭いものとできるため、小形化が可能となる。
【0008】図2は本発明の第2の実施の形態を示している。図2において20はシートキーボード本体の一部であり、21、21’、21”が本発明の第2の実施の形態に係る凸状壁である。41がこのような凸状壁21、21’、21”を備えた本発明の第2の実施の形態の表面シートである。複数配列された押釦スイッチの機能別にエリアを区分するために、それぞれ凸状壁21、21’、21”を成形している。すなわち、図で左のエリアBは、特定のキートップ13群およびこれらと同じ機能を有する非特定のキートップ13aとが1纏めにされてその周囲を凸状壁21で囲って複数の押釦スイッチの機能別エリアの区分けをしている。もちろん、これらのキートップ群のうち、特定のキートップ13群は、第1の実施の形態によって、これらを覆う表面シート41に各キートップ13の中心にあたる箇所に断面で半円状の凸状小突起14と各キートップ13の外周にあたる箇所に凸状防護壁15とが成形されている。従来はこのような区分けをするためには、表面シートに複数の色で印刷をしていたが、本発明の第2の実施の形態に係る凸状壁で囲むことによりこの色数が削減できるため、コストダウンが図れる。また、この区分けは特定のキートップ13群に限られるものではなく、図で右のエリアCの、押圧されても問題ないようなキートップ13’群にも適用できる。例えば、図でエリアCのキートップ13’群を1纏めにして凸状防護壁21’で1つのグループ分けをしている。さらに、このグループ分け21’の中で所定のキートップ13”群をさらに1つにまとめて凸状防護壁21”で区分けすることも可能である。このように、第2の実施の形態に係るシートキーボードは、表面シートのキートップの外周に形成する凸状壁の形状を直線、曲線、直線と直線、あるいは、直線と曲線を組み合わせて区分けするものである。従来機能別のエリア分けを表面シートに複数の色で印刷にて行っていたが、この色数が削減できるため、コストダウンが図れ、印刷色と組み合わせることで、多彩なデザインが可能となる。
【0009】
【発明の効果】以上のように、第1の実施の形態に係るシートキーボードは、表面シートの交換が容易に行え、オイルミストの進入を防止でき、かつキートップの上面から凸状防護壁の先端迄の高さを十分確保でき、しかも前記凸状防護壁の凸空間内部に補強を介入させずとも誤押圧に耐えるため、始動用押釦スイッチ等誤って操作すると重大な結果を招く恐れのあるキーを不用意に操作した場合、凸状防護壁がこの誤押圧を阻止し、誤動作を防止する。また、複数の押釦スイッチが近接して配置された場合、凸状壁の凸幅が小さいため、シートキーボードの小形化ができる。第2の実施の形態に係るシートキーボードは、表面シートのキートップの外周に形成する凸状壁の形状を直線、曲線、直線と直線、あるいは、直線と曲線を組み合わせて複数配列された押釦スイッチの機能別のエリアの区分けとして成形されるシートキーボードなので、従来機能別のエリア分けを表面シートに複数の色で印刷にて行っていたが、この色数が削減できるため、コストダウンが図れる。又、印刷色と組み合わせることで、多彩なデザインが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
【出願日】 平成12年10月3日(2000.10.3)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平 (外4名)
【公開番号】 特開2002−108538(P2002−108538A)
【公開日】 平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願番号】 特願2000−303847(P2000−303847)