トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 CADデータに対するコンサルティングサービスの提供方法、公差変換により生じる不適切な形状変化の検出方法、公差変換により生じる不適切な形状変化を検出するプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【発明者】 【氏名】城山 孝二

【氏名】南 俊介

【氏名】川島 泰正

【氏名】加葉田 究

【氏名】瀬谷 修久

【要約】 【課題】公差変換によって生じる加工に不適切な形状の検出技術を提供する。

【解決手段】公差変換前における形状データから図形要素の幾何関係と公差変換後における形状データから図形要素の幾何関係とを比較し、それらが一致しない場合に、不適切な形状を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】設計対象物の形状データ及び設計対象物の加工目標寸法データを、顧客システムから通信回線を介して受け取り、顧客から受け取った形状データ及び加工目標寸法データを基に、公差変換前における図形要素の幾何関係を求め、前記形状データと加工目標寸法データを用いて公差変換を行い、公差変換後の形状データを基に、公差変換後における該図形要素の幾何関係を求め、公差変換前における図形要素の幾何関係と、公差変換後における該図形要素の幾何関係とを基に、公差変換後における図形要素の幾何関係が公差変換前における該図形要素の幾何関係と同一であるか否かを判定し、判定結果が同一である場合に、通信回線を介して顧客に、公差変換により不適切な形状が生じたことを知らせることを特徴とするCADデータに対するコンサルティングサービスの提供方法。
【請求項2】請求項1において、前記判定結果とともに、公差変換前における図形要素の幾何関係と同一でない幾何関係を有する公差変換後における図形要素を特定可能な図を、顧客に通信回線を介して知らせることを特徴とするCADデータに対するコンサルティングサービスの提供方法。
【請求項3】請求項2において、前記設計対象物の図には、公差変換前における図形要素の幾何関係と同一でない幾何関係を有する公差変換後における図形要素を、公差変換前における幾何関係と同一である幾何関係を有する図形要素と異なる表示態様で表わした図が含まれることを特徴とするCADデータに対するコンサルティングサービスの提供方法。
【請求項4】請求項1から3のいずれかにおいて、図形要素とは、設計対象物の形状を構成する面,線,点,回転面の軸、又は円弧の中心点のことを意味し、図形要素の幾何関係とは、図形要素間の角度,図形要素が平行,図形要素の位置が同一、図形要素間の距離が同一又は図形要素を規定するパラメータが同一のことを意味することを特徴とするCADデータに対するコンサルティングサービスの提供方法。
【請求項5】設計対象物の形状データ及び設計対象物の加工目標寸法データを基に、公差変換前における図形要素の幾何関係を求め、前記形状データと加工目標寸法データを用いて公差変換を行い、公差変換後の形状データを基に、公差変換後における該図形要素の幾何関係を求め、公差変換前における図形要素の幾何関係と、公差変換後における該図形要素の幾何関係とを基に、公差変換後における図形要素の幾何関係が公差変換前における該図形要素の幾何関係と同一であるか否かを判定し、判定結果が同一である場合に、表示装置に公差変換により不適切な形状が生じたことを知らせることを表示させることを特徴とする公差変換により生じる不適切な形状変化の検出方法。
【請求項6】請求項5において、前記判定結果とともに、公差変換前における図形要素の幾何関係と同一でない幾何関係を有する公差変換後における図形要素を特定可能な図を、表示装置に表示させることを特徴とする公差変換により生じる不適切な形状変化の検出方法。
【請求項7】請求項6において、前記設計対象物の図には、公差変換前における図形要素の幾何関係と同一でない幾何関係を有する公差変換後における図形要素を、公差変換前における幾何関係と同一である幾何関係を有する図形要素と異なる表示態様で表わした図が含まれることを特徴とする公差変換により生じる不適切な形状変化の検出方法。
【請求項8】請求項5から7のいずれかにおいて、図形要素とは、設計対象物の形状を構成する面,線,点,回転面の軸、又は円弧の中心点のことを意味し、図形要素の幾何関係とは、図形要素間の角度,図形要素が平行,図形要素の位置が同一、図形要素間の距離が同一又は図形要素を規定するパラメータが同一のことを意味することを特徴とする公差変換により生じる不適切な形状変化の検出方法。
【請求項9】コンピュータに、設計対象物の形状データ及び設計対象物の加工目標寸法データを、顧客システムから通信回線を介して受け取る機能と、顧客から受け取った形状データ及び加工目標寸法データを基に、公差変換前における図形要素の幾何関係を求める機能と、前記形状データと加工目標寸法データを用いて公差変換を行う機能と、公差変換後の形状データを基に、公差変換後における該図形要素の幾何関係を求める機能と、公差変換前における図形要素の幾何関係と、公差変換後における該図形要素の幾何関係とを基に、公差変換後における図形要素の幾何関係が公差変換前における該図形要素の幾何関係と同一であるか否かを判定する機能と、判定結果が同一である場合に、通信回線を介して顧客に、公差変換により不適切な形状が生じたことを知らせる機能とを実現されるためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】請求項9において、前記判定結果とともに、公差変換前における図形要素の幾何関係と同一でない幾何関係を有する公差変換後における図形要素を特定可能な図を、顧客に通信回線を介して知らせる機能を実現されるためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】請求項10において、前記設計対象物の図には、公差変換前における図形要素の幾何関係と同一でない幾何関係を有する公差変換後における図形要素を、公差変換前における幾何関係と同一である幾何関係を有する図形要素と異なる表示態様で表わした図が含まれることを特徴とするプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】請求項9から11のいずれかにおいて、図形要素とは、設計対象物の形状を構成する面,線,点,回転面の軸、又は円弧の中心点のことを意味し、図形要素の幾何関係とは、図形要素間の角度,図形要素が平行,図形要素の位置が同一、図形要素間の距離が同一又は図形要素を規定するパラメータが同一のことを意味することを特徴とする実現されるためのプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CADデータを利用した公差変換技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平5−225290号には、パラメトリック機能により形状を変換する一般的な公差変換技術について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】設計で作成したCADデータから、加工機械をコントロールするNCデータを作成するCAD/CAM一貫化を実現するには、設計で指定した公称寸法を、公差を考慮した加工目標寸法にして形状を変形させる公差変換が必要であるにもかかわらず、パラメトリック機能は加工目標寸法の付け方に不備があると、公差変換により、ユーザーが意図しない、さらなる加工が必要で結局加工コストが大きくなってしまう形状(不適切な形状)が生じるケースがある。
【0004】このことを、不適切な形状が生じる例を示す図2及び図3を用いて説明する。
【0005】図2の場合、面201と面202との間の角度が公差変換により、直角から鋭角に変化している。このような面間の角度が直角から鋭角になる部品は、加工コストが大きくなるという問題がある上に、完成した形状が危険であるため、更なる加工が必要になるという問題がある。
【0006】図3の場合、同一平面上にあった面301と面302の高さがずれてしまっている。変形前の部品ならば面301と面302を一括して大きな工具で加工し、溝303をその後小さな工具で加工することも可能で、工具の選択といった加工の自由度を向上させることができるので、加工コストを抑えることができるはずであったが、変形後のように位置(位置)がずれてしまうと工具の選択等、加工の自由度が低下してしまい、加工コストが大きくなってしまっている。
【0007】このような公差変換により生じる加工に不適切な形状への変化は、微小な変化であるため目視で見つけるのは困難である。
【0008】また、検出の精度を(加工に不適切な図形要素間の変化数)/(検出される全図形要素間の変化数)として定義した場合、単に、図形要素を比較しただけでは、加工に不適切な図形要素間をも検出してしまうため、検出数が大きくなることがある。これは、公差変換による生ずる不適切な図形要素の変化が、特定の図形要素間に多く存在することが考慮されていないからである。
【0009】したがって、本発明の目的は、公差変換により生じる加工に不適切な図形要素間の変化を高い精度で検出することにある。
【0010】さらなる目的は、加工の自由度を向上させ、加工コストを低下させることにある。
【0011】また、さらなる本発明の目的は、CADによる部品モデリングとCAMによるNCプログラミングを一貫して行なうことができるCAD/CAM一貫化システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様では、設計対象物の形状データ及び設計対象物の加工目標寸法データを、顧客システムから通信回線を介して受け取り、顧客から受け取った形状データ及び加工目標寸法データを基に、公差変換前における図形要素の幾何関係を求め、前記形状データと加工目標寸法データを用いて公差変換を行い、公差変換後の形状データを基に、公差変換後における該図形要素の幾何関係を求め、公差変換前における図形要素の幾何関係と、公差変換後における該図形要素の幾何関係とを基に、公差変換後における図形要素の幾何関係が公差変換前における該図形要素の幾何関係と同一であるか否かを判定し、判定結果が同一である場合に、通信回線を介して顧客に、公差変換により不適切な形状が生じたことを知らせるものがある。
【0013】本発明によれば、作成したCADデータを、公差変換をした場合に不適切な形状を生ずるか否かを、顧客が容易に知ることができるので、加工のコストの低減,加工時間の削減,加工の自由度の向上といった利益を顧客に提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図37は、本発明の一態様であるCADデータに対するコンサルティングサービスを提供する際のコンサルティングシステムの概要図である。
【0015】このコンサルティングシステムは、コンサルティング会社用システム,CAD/CAMデータ作成会社用システム及びCAMデータ作成会社用システムから構成されている。
【0016】コンサルティング会社用システムは、顧客となるCAD/CAMデータ作成会社用及びCAMデータ作成会社と通信する通信装置と、コンサルティングシステムが備えられている。
【0017】CAD/CAMデータ作成会社用システムは、コンサルティング会社と通信を行なう通信装置と、その通信装置を介してCADデータ及びCAMデータを作成するCADシステム及びCAMシステムを有している。
【0018】CAMデータ作成会社は、CADデータ作成会社と契約した会社であり、この契約関係はコンサルティング会社に伝えておき、CAMデータ作成会社用システムとコンサルティング会社用システムとの間を通信回線で接続することで、コンサルティング結果をCAMデータ作成会社にも提供できる。この以下、CAD/CAMデータ作成会社とコンサルティング会社との間のサービス(コンサルティング結果をCAD/CAMデータ作成会社に戻すサービス)に関し説明するが、出力する先が異なるだけで基本的な処理は同一である。また、CAD/CAMデータ作成会社やCAMデータ作成会社は、それらのデータを作成するだけなく、それらのデータを使った製造を行なう製造業者も含むものとする。
【0019】本発明に係るコンサルティングシステムでは、まず、顧客であるCAD/CAMデータ作成会社用システムから、通信装置を介して、図面,形状データと加工目標寸法データを含むCADデータ,CADシステムとCAMシステムの環境(各システムの機種やCADデータのフォーマットとCAMデータのフォーマット等),生産方式等を受け取る。このように、システムの環境を受け取るのは、システム毎にデータ形式やパラメトリック変換の仕方が異なり、公差変換の仕方が多少異なってくるからである。また、CAD/CAMデータ作成会社がCADデータのみの作成を請け負っていて、CAMデータの作成をCAMデータ作成会社に依頼しているような場合、CAMデータ作成会社又はCAD/CAMデータ作成会社からCADデータを受け取り、CAMデータ作成会社からCAMデータのフォーマットやCAMシステムの環境を受け取る。
【0020】受け取ったCADデータをもとに公差変換する際に発生するリスクの種類とその発生可能性のある箇所を図面に付加してレポートする。そのレポートには、不適切な形状変化が公差変換の際に発生するかどうかの検出結果も含める。
【0021】また、このコンサルティングシステムでは不適切な形状変化を検出した場合、CAD/CAMデータ作成会社又はCAMデータ作成会社に対して、不適切な形状変化を避けるモデリング方法(不適切な形状変化が生じないような図形要素間の寸法の取り方)や不適切な形状変化を生じないようなCADデータを作成し、通信回線を介して送信する。このようなコンサルティングをCAD/CAMデータ作成会社やCAMデータ作成会社が受けることができると、これらの会社は不適切な形状変化が生じないCADデータ若しくはCAMデータを作成することができるようになる。また、加工の自由度の低減防止,加工の失敗等による加工コストの上昇を防止することもできる。また、CADデータを一貫してCAMデータに変換することができるようになります。
【0022】次に、このコンサルティングサービスで使用する不適切な形状変化を検出するコンサルティングシステムを、図25を用いて説明する。
【0023】図25にあるように、このシステムは、記録装置付きサーバー(情報処理装置)2502,表示装置2503、及び入力装置2501を有する構成である。図26のフロッピー(登録商標)ディスクや図27のCD−ROM等の記録媒体から不適切な形状変化を検出する機能が付いたプログラム(以下、形状変化検出プログラム)をサーバー2502の記録装置にインストールし、その記録装置にインストールされたプログラムがサーバー内の主メモリ上で演算装置により実行されることにより、このシステムの機能が生じる。
【0024】図1に、この形状変化検出プログラムが演算装置に供給されることによって生じる機能ブロック図を示す。
【0025】記録装置101には、公差データを含む加工目標寸法データと形状データとが含まれたCADデータが記録されている。これは、CAD/CAMデータ作成会社から受け取ったものである。
【0026】公差変換手段(処理部)102は、記録装置101に記録している公差変換前における加工目標寸法データと形状データから公差変換後における形状データを作成する。また、その作成した公差変換後における形状データを記録装置101に記録する。
【0027】要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103は、記録装置101に記録されている公差変換前における形状データと加工目標寸法(寸法+公差)データから公差変換前における図形要素の幾何関係を求める。その際、以下に定義する図形要素の幾何関係の項目を記録装置101に保持しておき、その項目を満たす図形要素の幾何関係があるかどうかで取り出す。また、公差変換後の形状データから図形要素の幾何関係を求める。さらにそれらを比較し、一致する場合又は加工目標寸法の公差の範囲におさまる場合、公差変換前後における図形要素の幾何関係に変化があったと判断し、その変化があった図形要素とその発生箇所を検出する。
【0028】その後、検出結果を表示装置に表示させるとともに、顧客であるCAD/CAMデータ作成会社システムの通信装置へ送信する。
【0029】次に、以後用いる用語の定義について説明する。
【0030】「加工目標寸法」とは、寸法に公差の中間値,上限値,下限値又は上限値と下限値の間でユーザの設定した任意の値を加えたもの又は寸法に公差の範囲を加えた数値範囲とする。
【0031】「図形要素」とは、設計対象物の形状を構成する面,線,点,回転面の軸,円弧の中心点等のことをいう。
【0032】「図形要素の幾何関係」とは、図形要素間の角度,図形要素が平行,図形要素の位置が同一,図形要素間の距離が同一,図形要素を規定するパラメータが同一等のこという。又、「同一」には、寸法に公差を加えた数値範囲内におさまることも含めるものとする。
【0033】なお、ここでいう「図形要素間の角度」の変化は、例えば図2で示すような隣接する面間の角度の変化を含むものとし、「面間の角度」は例えば境界線上でのなす角で表すものも含み、「平行な図形要素」の変化には、例えば図4の平面401と平面402のような平面の組み合わせの平行の変化,図5の円筒面の軸501と円筒面の軸502のような回転面の軸の組み合わせの平行の変化,円筒面の軸502と平面503のような回転面の軸と平面の組み合わせの平行の変化を含む。なお、図5の点線は回転面の軸を表している。
【0034】また、「位置の図形要素が同一」であるの変化には、例えば図3のような同一平面上の平面の組み合わせの変化,図6の円筒面の軸601と円筒面の軸602のような軸が同一線上にある回転面の組み合わせの変化を含むものとする。
【0035】また、「図形要素間の距離が同一」である変化には、例えば図7のように平行な平面間の距離が同一な組み合わせも対象に含む。つまり、変換前の平面701と平面702間の距離および平面702と平面703間の距離はそれぞれ10で同一である。それに対して変換後の平面701と平面702間の距離および平面702と平面703間の距離はそれぞれ12と8で同一ではなくなっている。
【0036】さらに、「図形要素を規定するパラメータが同一」の変化は、例えば同一のタイプの面のパラメータの値が同じ要素の組み合わせの変化も含む。例えば図8では円筒面801と円筒面802の直径は、変換前は等しかったのに、変換後は等しくなくなっている。
【0037】次に、図9から図17を用いて,図1の機能ブロック図であらわした機能が働いた際の表示装置に表示される操作画面を説明する。
【0038】図9には、公差の設定されている部品を対象とした表示画面である。
【0039】この画面には、公差と寸法を含む図形とメニュー901が表示され、そのメニュー中で「形状変化検出」を選択すると、不適切な形状変化の検出、つまり図形要素の幾何関係が変化した(一致しない)場合の結果を示す図10の画面が表示される。不適切な形状変化を検出した場合、その事実を不適な形状変化の種類の一覧表1001と、その変化の種類に対応する検出箇所1002を図形に対応させて表示する。なお、変化の種類は、面間の角度の変化や同一距離の変化のように、変化する図形要素の幾何関係の種類で表す。
【0040】図11は、図9における部品の公差変換前後の断面図である。この図は他のメニューを選択することで表示される。なお、断面の線が面に対応しており、1101で示した面を面1,1102で示した面を面2,1103で示した面を面3,1104で示した面を面4,1105で示した面を面5と呼ぶことにする。さらに、断面の点が線に対応しており、1111で示した線を線1,1112で示した線を線2,1113で示した線を線3,1114で示した線を線4と呼ぶことにする。この図に示す通り、不適切な形状変化の検出を行なうことにより、面3と面5間の寸法が5から5.01 に変化していることを検出したことがわかる。同様に、面4と面5の間の角度,面1と面3の距離と面3と面5の間との同一距離が変化していることを検出したこともわかる。
【0041】この一覧表1001から表示したい変化を選択すると、選択された変化の図形要素が強調表示される。強調表示の方法としては、色を変える、線ならば太線で表示する。面ならばシェーディングして表示する等がある。図10では太線1002で表示している。
【0042】また、別のメニューを選択することにより図12の表示をさせることもできる。
【0043】この図は、どのように変化したかが分かるように、公差変換前の形状のみの画面1201,公差変換後の形状のみの画面1202および公差変換前後の形状を重ねた画面1203を一画面に同時に表示されるようにしている。
【0044】また、他の表示形態として、検出された変化をユーザに認識しやすいように変化をグループ化して表示させる。その表示態様が図13〜図17で、これらも他のメニューを選択することで表示される。グループ化の方法としては、例えば変化の種類によるグループ化や変化の原因となる寸法でのグループ化とする。
【0045】図13から図17はグループ化した表示態様である。
【0046】まず、図13は、グループ化の方法の一覧表1301を表示してユーザに選択させる表示態様である。
【0047】図14は、「種類毎」を選択した場合に、変化の種類の一覧表1401を表示させ、ユーザに選択を促す表示態様である。
【0048】図15は、「角度の変化」を選択した場合に、角度の変化の一覧表1501を表示させ、ユーザが選択した変化の要素を強調して表示させる表示態様である。
【0049】図16は、図13のグループを選択する画面で「原因寸法毎」を選択した場合、変化の原因となった寸法の一覧表1601を表示させ、ユーザに選択させる表示態様である。
【0050】図17は、寸法4を選択した場合に、寸法4の変化が原因となって生じた変化を一覧表1701に表示させ、ユーザが選択した変化の要素を強調して表示させる表示態様である。
【0051】これらの表示態様により、システム使用者は表示部に表示された変化を見て、それぞれの変化が加工に不適切な形状への変化かどうかさらに詳細な判定ができる。
【0052】なお、これらの原因寸法の特定は、以下の手順で処理を行う。
【0053】まず、寸法が付されている図形の形状データを一つずつ公差変換し、要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103で検出した変化が不適切な形状変化であるかチェックする。不適切な形状変化であることがチェックできれば、その形状変化の原因となった寸法を原因寸法として処理を終了する。なお、変化が生じなかった場合には、寸法二つの組み合わせを作成して組み合わせごとに変換して、不適切な形状変化が生じるているかチェックする。
【0054】変化が生じれば組み合わせの寸法を原因寸法として処理を終了する。寸法二つのすべての組み合わせでも変化が生じない場合には、寸法三つの組み合わせでチェックを行う。この処理を変化が生じるまで繰り返して行うことにより原因寸法を特定する。
【0055】次に、図18の断面を持つ部品の公差変換例を用いて、その原因特定の処理を説明する。
【0056】(a)の部品を公差の中心に公差変換すると、(b)のような形状となり面1801と面1802の逆転が起こる。
【0057】まず、寸法を一つずつ変換して面1801と面1802の逆転が起こるかをチェックする。寸法1のみを変換すると面1803が消滅して面1801と面1802が一つの面になるが、面1801と面1802の逆転は起こらない。寸法2のみを変化させた場合も同様である。寸法3のみおよび寸法4のみの変換でも面1801と面1802の逆転は起こらない。
【0058】寸法一つずつの変換で面1801と面1802の逆転は起こらなかったので、次に二つの寸法の組み合わせを作成する。図18の部品では寸法の組み合わせは寸法1と寸法2,寸法1と寸法3,寸法1と寸法4,寸法2と寸法3,寸法2と寸法4,寸法3と寸法4の六つとなる。それそれの組み合わせの寸法だけを変換して面1801と面1802の逆転が起こるかをチェックする。寸法1と寸法2を変換すると面1801と面1802の逆転が起こる。よって寸法1と寸法2を原因寸法として処理を終了する。
【0059】図形要素の幾何関係の変化を検出する手順は以下の通りである。
【0060】まず、公差変換前の形状データ及び加工目標寸法データに含まれる公差データから公差変換前の図形要素の幾何関係を抽出する。
【0061】次に、公差変換後の形状データから公差変換後の図形要素の幾何関係を抽出する。
【0062】図19は公差変換前におけるCADデータを基にした図形要素の幾何関係を示すデータである。1901,1902,1903,1904,1905はそれぞれ図形要素の幾何関係の種類を示し、変化は対応する要素および値で表現する。例えば1906は面1と面2間の角度が90°であることを示している。
【0063】図20は公差変換後における図形要素の幾何関係のデータである。変化前後に対応する図形要素は同じ名称にする。なお、図形要素を対応づける方法は、ID比較,トポロジーの比較,位置の比較等の方法をとる。
【0064】そして、公差変換前における図形要素の幾何関係のデータと、公差変換後における図形要素の幾何関係のデータとの変化を検出する。
【0065】図21は、検出した変化のデータである。2101,2102は変化の種類を示している。変化は図形要素と値で表現する。例えば2103は面4と面5の値の角度が90°から89.88°に変化したことを示している。
【0066】図22は、本発明に係る他のコンサルティングシステム構成図である。
【0067】記録装置101は、公差変換前の形状データと公差変換後の形状データとを記録する。
【0068】要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103は、記録装置101に記録した公差変換前の形状データと公差変換後の形状データとから、図形要素の幾何関係の変化を検出する。表示装置104は要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103で検出した変化を表示する。
【0069】図23は要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103のフローを説明する図である。
【0070】まず、公差変換前の形状データと加工目標寸法データに含まれる公差データとを記録する(ステップ2301)。
【0071】次に、ステップ2301で記録した公差変換前の形状データと加工目標寸法に含まれる公差データとから、公差変換後の形状データを作成する(ステップ2302)。
【0072】さらに、ステップ2301で記録した公差変換前の形状データと、ステップ2302で作成した公差変換後の形状データとから図形要素の幾何関係の変化を検出する(ステップ2303)。
【0073】ステップ2303で検出した図形要素の幾何関係の変化を表示装置に表示させる(ステップ2304)。
【0074】図24は要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103の他のフローを説明する図である。
【0075】公差変換前後における形状データを記録する(ステップ2401)。
【0076】ステップ2401で記録した公差変換前の形状データと、公差変換後の形状データとから図形要素の幾何関係の変化を検出する(ステップ2403)。
【0077】ステップ2403で検出した図形要素の幾何関係の変化を表示装置に表示させる(ステップ2404)。
【0078】これまで公差変換前後の変化検出を例に説明したが、本発明は公差変換だけではなくパラメトリック変換全般の変化検出にも利用できる。
【0079】図1の構成でパラメトリック変換の場合には、公差データの代わりに変換後の寸法を示すデータが記憶装置に記録される。
【0080】以上、複数の機能について別々に説明したが、実際にはこれらの複数の機能を複合した形で実施することもできる。
【0081】図28にNCデータ作成処理について説明する。
【0082】まず、形状データを作成する(ステップ2801)。
【0083】次に、データ作成ステップ2801で作成した形状データの各寸法に公差を設定する(ステップ2802)。
【0084】ステップ2801で作成した形状データと公差データから公差変換後の形状データを作成する(ステップ2803)。
【0085】ステップ2801で作成した公差変換前の形状データとステップ2803で作成した公差変換後の形状データとから、加工に不適切な形状が生じていないか判定し、加工に不適切な形状が生じていたらステップ2801に戻って形状データを修正する(ステップ2804)。
【0086】この手順を加工に不適切な形状が生じなくなるまで続けて、全く生じなくなったらNCデータを作成する(ステップ2805)。
【0087】図29に本発明にかかるNCデータ作成処理の他の形態を示す。
【0088】ステップ2901〜2903までは、図28のステップ2801〜2803と同じである。但し、公差変換ステップ2903はデータ作成ステップ2801で作成した形状データの寸法を加工目標寸法に変換して公差変換後の形状データを作成している。
【0089】次に、データ作成ステップ2901で作成した公差変換前の形状データと公差変換ステップ2903で作成した公差変換後の形状データとから、図形要素の幾何関係の変化を検出する(ステップ2904)。
【0090】ステップ2904で検出した変化によって加工に不適切な形状が生じていないか判定し、加工に不適切な形状が生じていたらデータ作成ステップ2901に戻って形状データを修正する。この手順を加工に不適切な形状が生じなくなるまで続ける(ステップ2905)。
【0091】生じなくなったらNCプログラミングでNCデータを作成する(ステップ2906)。
【0092】図30にコンサルティングシステムにおけるシステム構成を示す。
【0093】CAD/CAMデータ作成会社用システムの記憶装置に蓄えられた形状データ及び公差データを同社用システムの形状・公差送信手段(処理部)3001が通信装置を用いてコンサルティング会社用システムに送る。
【0094】コンサルティング会社用システムの形状・公差受信手段(処理部)3002は通信装置が受信した形状データと公差データを受け取る。
【0095】同社用システムの公差変換手段(処理部)102は、形状・公差受信手段(処理部)3002で受信した形状データと公差データとから、公差変換後の形状データを作成する。
【0096】同社用システムの要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103は、形状・公差受信手段(処理部)3002で受信した形状データと、公差変換手段(処理部)102で作成した公差変換後の形状データとから図形要素の幾何関係の変化を検出する。
【0097】同社用システムの変化データ送信手段(処理部)3003は、要素間幾何関係検出手段(処理部)103で検出した変化のデータを、通信装置を用いてCAD/CAMデータ作成会社用システムに送る。
【0098】CAD/CAMデータ作成会社用システムの変化データ受信手段(処理部)3004は、コンサルティング会社用システムの変化データ送信手段(処理部)3003で送信した変化データを受信する。
【0099】表示装置104に、形状データと上記変化データ受信手段(処理部)3004で受信した変化のデータとから、要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103で検出した変化を表示装置に表示させる。
【0100】なお、通信装置はネットワークを介して接続されており、そのデータの通信は例えばインターネットを介して実現する。
【0101】また、最初の形状・公差送信手段(処理部)3001と変化データ受信手段(処理部)3004と表示装置104とを持つコンピュータシステムの操作手順例を図31から図33に示す。
【0102】形状・公差送信手段(処理部)3001は例えばWWWのホームページからデータを送信することにより実現する。
【0103】図31は形状・公差送信手段(処理部)の操作画面である。
【0104】ファイル名入力ダイアログ3101に形状データおよび公差データを、ファイル名を入力し、送信ボタン3102をピックする。なお、形状データと公差データは別々のファイルに保管されているケースと一つのファイルにまとまっているケースがある。図31は一つにまとまっているものとしている。変化データ受信手段(処理部)3004は例えば電子メールの受信により実現する。
【0105】図32は受信するメールの例である。本文に変化の件数が記載されていて、変化のデータが添付ファイルとして送信されている。表示装置104に、例えば図32のメールで添付ファイルをダブルクリックすることにより実行され表示される。添付ファイルである「part1_change」をダブルクリックすると図33のように変化一覧表と幾何関係が変化した図形要素が強調された形状がディスプレイに表示される。
【0106】図34は本発明に係るコンサルティングシステムの構成例である。
【0107】公差変換手段(処理部)102は、公差変換前における形状データと公差データとから公差変換後における形状データを作成する。要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103は公差変換前における形状データと公差変換手段(処理部)102で作成した公差変換後における形状データとから、公差変換前後における図形要素の幾何関係の変化を検出する。
【0108】チェックイン手段3401は、公差変化前形状データと要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103での検出結果のデータをチェックインさせる。なお、チェックインさせるデータは、例えば以下のようにする。
【0109】第一の方法は、上記要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103で検出した変化のデータとともに公差変化前形状データをチェックインする。
【0110】第二の方法は公差変化前形状データに要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103での検出結果によってフラグを付けてチェックインさせる。フラグは例えば「OK」か「NG」,「確認済」等にする。
【0111】第三の方法は、上記要素間幾何関係変化検出手段(処理部)103で変化が検出されなかった場合のみ公差変換前における形状データをチェックインさせるようにする。
【0112】図35に本発明にかかるコンサルティングシステムサービスのフロー図を示す。
【0113】形状データと公差データとをネットワークを介して形状・公差受信手段(処理部)3502で送信する(ステップ3501)。
【0114】ステップ3501で送信した形状データと公差データとを受信する(ステップ3502)。
【0115】ステップ3501で受信した形状データと公差データとから、公差変換後の形状データを作成する(ステップ3503)。
【0116】ステップ3501で受信した形状データと、ステップ3502で作成した公差変換後の形状データとから図形要素の幾何関係の変化を検出する(ステップ3504)。
【0117】ステップ2303で検出した変化のデータをネットワークを介して変化データ受信手段(処理部)に送信する(ステップ3505)。
【0118】変化データ送信ステップ3503で送信した変化データを受信する(ステップ3506)。
【0119】形状データとステップ3504で受信した変化のデータとから、ステップ2303で検出した変化を表示装置に表示させる(ステップ3507)。
【0120】図36は本発明に係るコンサルティングシステムのフロー図である。
【0121】公差変換前における形状データと公差データとから公差変換後における形状データを作成する(ステップ3601)。
【0122】公差変換前における形状データと公差変換ステップ2302で作成した公差変換後における形状データとから、公差変換前後における図形要素の幾何関係の変化を検出する(ステップ3602)。
【0123】公差変化前における形状データとステップ3601での検出結果のデータをチェックインさせる(ステップ3603)。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、公差変換による加工に不適切な形状の高精度な検出を可能にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年8月7日(2000.8.7)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2002−56035(P2002−56035A)
【公開日】 平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願番号】 特願2000−244001(P2000−244001)