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【発明の名称】 情報処理システム及び情報処理方法
【発明者】 【氏名】山田 紀一

【要約】 【課題】プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる情報処理システム及び情報処理方法を得る。

【解決手段】プログラマブル論理回路26に複数の回路モジュールを構成する際に、各回路モジュールにおける機能変更の際に再構成される回路が機能変更依存領域A1として示される当該回路モジュールの左端に位置するように各回路モジュールを構成すると共に、上記機能変更依存領域A1がプログラマブル論理回路26の同一列に配列されるように各回路モジュールを構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路と、前記プログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報を記憶した記憶手段と、前記回路情報に基づいて、前記第1の情報に対応する回路を前記プログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成し、かつ前記第2の情報に対応する回路を前記第1の情報に対応する回路に隣接した領域に構成する構成手段と、を備えた情報処理システム。
【請求項2】 前記記憶手段に複数の前記回路情報を記憶し、前記構成手段は、前記複数の回路情報の各々の第1の情報に対応する回路を前記列領域にまとめて構成するときには前記第1の情報に対応する回路が構成された特定の列領域が同じ列に配列されるように構成し、前記複数の回路情報の各々の第1の情報に対応する回路を前記行領域にまとめて構成するときには前記第1の情報に対応する回路が構成された特定の行領域が同じ行に配列されるように構成する請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】 前記記憶手段を、ネットワークに接続した請求項1又は請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】 マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報を記憶しておき、前記回路情報に基づいて、前記第1の情報に対応する回路を前記プログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成し、かつ前記第2の情報に対応する回路を前記第1の情報に対応する回路に隣接した領域に構成する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に係り、より詳しくは、プログラマブル論理回路を用いて複数の機能を実現する情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル回路装置の分野において、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)やプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)等のプログラマブル論理回路が、特定用途向け集積回路(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を製作する際の試作デバイスとして、又は、数週間から数か月という長い製作期間を要するASICの代替デバイスとして広く用いられている。また、最近では、回路構成を変更できるというプログラマブル論理回路の特徴を生かして、回路装置作成後でも、仕様変更や、回路欠陥の修正等を可能とするためにプログラマブル論理回路が用いられている。
【0003】ところで、最近の論理回路は複雑さが増してきており、一つのプログラマブル論理回路では実現できない規模にまで回路規模が大きくなっている。この問題を解決するための一つの技術として、異なる時間に異なる論理回路を実現するために、プログラマブル論理回路を処理の途中で再構成する技術が提案されている。この技術を適用することにより、携帯情報端末のように装置が小型であるために、内蔵できる回路規模に制約がある場合でも、様々な処理を比較的高速に行うことができる。
【0004】しかしながら、この技術では、論理回路を再構成する際に回路全体の回路情報を再度読み込ませる必要があるため、再構成に時間がかかる、という問題点があった。更に、処理の途中で論理回路を再構成するためには、処理を一時中断し、その時点のデータをプログラマブル論理回路の外部の記憶装置に待避させ、新たな回路情報を読み込んで再構成した後に、再構成前のデータと再構成に伴う新しいデータを入力する、といった余分な処理が必要となる。
【0005】この問題を解決するために、米国アトメル社のデータブック「CONFIGURABLE LOGIC」に記載されているプログラマブル論理回路(ATシリーズ)、及び米国ザイリンクス社のデータブック「THE PROGRAMMABLE LOGIC」に記載されているプログラマブル論理回路(Virtexシリーズ)では、データを記憶するためのデータ記憶装置を備えておき、回路の動作中でも外部の記憶装置から回路情報の一部を読み込んで部分的に再構成することで、再構成するために要する時間を最小限に留めている。
【0006】このようなプログラマブル論理回路を用いることにより、大規模な処理回路を時分割し、回路規模の小さなプログラマブル論理回路に再構成しながら処理を行うことで、その回路規模以上の回路を実現でき、回路装置の小型化及び低コスト化が可能となる。しかしながら、動作中に部分的に再構成可能なプログラマブル論理回路においても、書き込む回路情報の規模や書き込み頻度によっては、処理全体の中の回路再構成時間が長くなり、処理性能が低下する、という問題点があった。
【0007】この問題点の解決手法の一例として、「スケルトン回路技術」と呼ばれる回路設計技術がある。「スケルトン回路」は、プログラマブル論理回路を再構成する際の、先に構成された回路と、後に構成する回路の共通部分である。すなわち、初めにスケルトン回路をプログラマブル論理回路上に構成しておき、このスケルトン回路に対して次に構成する回路との差分回路を構成することにより、最小の回路情報で新たな回路を構成することができ、回路の再構成時間を短縮することができる。
【0008】スケルトン回路技術の一例としては、FCCM'96で発表された“AssessingDocument Relevance with Run-time Reconfigurable Machines”で示されたテキスト検索装置が挙げられる。
【0009】このテキスト検索装置は、プログラマブル論理回路上において、図9に示すように、プリプロセッサ84と、8個の単語検出回路80A〜80Hと、4個のインクリメンター82A〜82Dと、文字キャラクタ入力バス86と、ストローブライン88と、デストリビューションバス90と、計数出力バス92とで構成される。8個の単語検出回路80A〜80Hは、各々回路情報により指定される単語の検出回路である。
【0010】同図においては、8ビットで符号化された文字キャラクタデータがプリプロセッサ84に入力されて、大文字と小文字を区別せずにAからZまでの文字が1から26までのトークンにマップされる。また、数字等の他の文字は0(零)のトークンにマップされ、文字区切りを表すトークンとして扱われる。大文字と小文字を区別しないことにより、データバス幅を5ビットに狭めることができる。
【0011】5ビットのバス90上を流れるトークンから、単語検出回路80A〜80Hが、各々指定された特定のトークンを検出し、特定のトークンの順列を検出することにより、単語を検索する。検出された単語数はインクリメンター82A〜82Dで計数される。図9に示した例では、4単語からなる2組の単語リストを検出する。
【0012】ここでは、単語検出回路80A〜80Hを除いたバス86、88、90、92と、プリプロセッサ84等の固定回路がスケルトン回路として構成される。
【0013】このテキスト検索回路では、電源投入時に上記スケルトン回路が構成され、引き続いて単語検出回路80A〜80Hが構成される。そして、異なる単語を検出するときは、単語検出回路80A〜80Hのうちの、その単語を構成する単語検出回路のみを再構成し、スケルトン回路は再利用される。
【0014】このようにして、スケルトン回路技術では、回路情報を減らして回路の再構成時間を短縮することが可能であり、再構成される回路間に共通部分が多く、しかも差分回路のみを効率よく再構成できる場合において特に有効である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来のスケルトン回路技術では、差分回路がプログラマブル論理回路上に2次元的に点在する場合は、論理回路の再構成に長時間を要する、という問題点があった。
【0016】一般に、プログラマブル論理回路における回路再構成単位は、列単位又は行単位とされており、この場合、差分回路がプログラマブル論理回路上に2次元的に点在する際には、回路再構成単位の中で回路を変更する論理セルの比率が低下すると共に、再構成単位数が多くなるため、再構成時間が長くなる。
【0017】例えば、米国ザイリンクス社のVirtexシリーズのFPGAでは、2次元に配列された論理セル(CLB、Configurable Logic Block;書き換え可能な論理ブロック最小単位)のうち、Column(列)単位で論理セルをまとめて再構成する仕様となっているため、上述のように、差分回路がプログラマブル論理回路上に2次元的に点在する場合は、回路再構成単位の中で回路を変更する論理セルの比率が低下すると共に、再構成単位数が多くなり、再構成時間が著しく長くなる。
【0018】本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の情報処理システムは、マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路と、前記プログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報を記憶した記憶手段と、前記回路情報に基づいて、前記第1の情報に対応する回路を前記プログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成し、かつ前記第2の情報に対応する回路を前記第1の情報に対応する回路に隣接した領域に構成する構成手段と、を備えている。
【0020】請求項1に記載の情報処理システムによれば、マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報が記憶手段によって記憶される。ここで、上記記憶手段には、ハードディスク、フロッピィディスク、光磁気ディスク等の記録媒体や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体記憶素子が含まれる。また、上記プログラマブル論理回路には、FPGA、PLD等の全てのプログラマブルな論理回路が含まれる。
【0021】また、本発明では、構成手段により、上記記憶手段によって記憶された回路情報に基づいて、上記第1の情報に対応する回路がプログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成され、かつ上記第2の情報に対応する回路が上記第1の情報に対応する回路に隣接した領域に構成される。
【0022】この際の上記第1の情報に対応する回路を、上記列領域及び上記行領域の何れに構成するかは、プログラマブル論理回路のコンフィギュレーション・アーキテクチャに応じて決定される。すなわち、プログラマブル論理回路が論理ブロックを列単位にまとめて再構成することができるものである場合は、上記第1の情報に対応する回路を上記列領域に構成し、プログラマブル論理回路が論理ブロックを行単位にまとめて再構成することができるものである場合は、上記第1の情報に対応する回路を上記行領域に構成する。
【0023】このように、請求項1に記載の情報処理システムによれば、マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報を記憶しておき、上記回路情報に基づいて、第1の情報に対応する回路をプログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成しているので、回路再構成単位の中で回路を変更する論理ブロックの比率が向上すると共に、再構成単位数を少なくすることができ、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる。
【0024】なお、請求項1記載の発明は、請求項2記載の発明のように、前記記憶手段に複数の前記回路情報を記憶し、前記構成手段は、前記複数の回路情報の各々の第1の情報に対応する回路を前記列領域にまとめて構成するときには前記第1の情報に対応する回路が構成された特定の列領域が同じ列に配列されるように構成し、前記複数の回路情報の各々の第1の情報に対応する回路を前記行領域にまとめて構成するときには前記第1の情報に対応する回路が構成された特定の行領域が同じ行に配列されるように構成することが好ましい。
【0025】また、請求項3記載の発明のように、請求項1又は請求項2記載の発明の記憶手段を、ネットワークに接続する形態とすることもできる。
【0026】一方、上記目的を達成するために、請求項4記載の情報処理方法は、マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報を記憶しておき、前記回路情報に基づいて、前記第1の情報に対応する回路を前記プログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成し、かつ前記第2の情報に対応する回路を前記第1の情報に対応する回路に隣接した領域に構成するものである。
【0027】このように、請求項4に記載の情報処理方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、回路再構成単位の中で回路を変更する論理ブロックの比率が向上すると共に、再構成単位数を少なくすることができ、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1には、本実施の形態に係る情報処理システム10の構成が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る情報処理システム10は、情報処理システム10全体の動作を司るCPU(中央演算処理装置)12と、メモリコントローラやバスブリッジ等の機能を有するチップセット14と、アプリケーションプログラムや各種制御プログラム等を実行する際のワークエリア等として用いられるDRAM(Dynamic Random Access Memory)で構成されたメインメモリ16と、アプリケーションプログラムや回路モジュール情報等を記憶するためのハードディスクドライブ22と、プログラマブル論理回路26と、を含んで構成されている。
【0029】CPU12のホストバスには、チップセット14に含まれるメモリコントローラを介してメインメモリ16が接続されている。また、CPU12はチップセット14を介してPCIバス18に接続されている。
【0030】PCIバス18には、ハードディスクドライブ22とプログラマブル論理回路26が各々ハードディスクインターフェース20とプログラマブル論理回路インターフェース24を介して接続されている。
【0031】また、PCIバス18は、記憶装置32A、32B、32C等が接続されたネットワーク30に通信インターフェース28を介して接続されている。従って、CPU12は、ホストバス、チップセット14、PCIバス18、通信インターフェース28を介して、ネットワーク上に接続されている記憶装置32A、32B、32C等の各種装置との間で各種情報の授受を行うことができる。
【0032】図2には本実施の形態に係るプログラマブル論理回路26の平面構造が、図3には本実施の形態に係るプログラマブル論理回路26の内部構造のブロック図が、各々示されている。図2及び図3に示すように、本実施の形態に係るプログラマブル論理回路26は、回路モジュール情報を格納するためのコンフィギュレーションメモリ58(図2では図示省略)と、マトリクス配列された論理セル50や配線領域52等からなる回路素子56と、入出力端子54とを含んで構成されている。
【0033】本実施の形態に係るコンフィギュレーションメモリ58は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の書き換え可能なメモリ素子で構成されている。
【0034】一方、回路モジュール情報は、アドレスとデータの対で構成された複数の回路情報によって構成される。プログラマブル論理回路26のコンフィギュレーションメモリ58に上記アドレスを与えて、そのアドレスに対応するメモリセルに当該アドレスと対になったデータが格納されると、このデータに従って、論理セル50内の回路構成や、論理セル50と入出力端子54を相互に接続する配線領域52の接続状態が再構成される。
【0035】プログラマブル論理回路26の回路再構成情報の単位は、2次元に配置された論理セル50のうち、列方向にまとめた論理セル単位で一つの再構成回路情報を構成しており、全ての列に対して回路モジュール情報をコンフィギュレーションメモリ58に書き込むことで、プログラマブル論理回路26の全面を再構成することができると共に、一部の列に対してのみ回路モジュール情報をコンフィギュレーションメモリ58に書き込むことで、プログラマブル論理回路26が動作中であっても、回路を部分的に再構成することができる。
【0036】このようにしてプログラマブル論理回路26に再構成された回路素子56に対し、入出力端子54を介して処理すべきデータが入力されると共に、その処理結果が入出力端子54を介して出力される。
【0037】一方、ハードディスクドライブ22に記憶されているアプリケーションプログラムは、メインメモリ16にロードされた後、CPU12によって実行される。上述の回路モジュール情報は、実行中のアプリケーションプログラムにおけるコマンドに応じて呼び出され、必要に応じてプログラマブル論理回路26のコンフィギュレーションメモリ58にロードされて、ハードウェア処理が行われる。
【0038】図4には、本実施の形態に係る回路モジュール情報の構成が示されている。同図に示すように、この回路モジュール情報は、予めプログラマブル論理回路26に構成すべき先行ベース回路の回路情報と、該先行ベース回路に付加することによって各々異なる各種機能を実現することができる差分回路A、B、Cの各々の回路情報と、により構成されている。
【0039】ハードディスクドライブ22が本発明の記憶手段に、CPU12が本発明の構成手段に、論理セル50が本発明の論理ブロックに、先行ベース回路の回路情報が本発明の第2の情報に、差分回路の回路情報が本発明の第1の情報に、回路モジュール情報が本発明の回路情報に、各々相当する。
【0040】次に、図5を参照して、本実施の形態に係る情報処理システム10の作用を説明する。なお、図5は、ハードディスクドライブ22に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する際に、CPU12によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、アプリケーションプログラムで使用される回路モジュール毎の回路モジュール情報(図4も参照)がハードディスクドライブ22の所定領域に予め記憶されていることを前提に説明する。
【0041】同図のステップ100では、ハードディスクドライブ22からアプリケーションプログラムで使用される全ての回路モジュールに対応する回路モジュール情報を読み出す。
【0042】次のステップ102では、上記ステップ100で読み出した各回路モジュール情報における先行ベース回路の回路情報に対応する先行ベース回路と、差分回路の回路情報のうちの何れか1つの回路情報に対応する差分回路と、のプログラマブル論理回路26上の配置位置を導出する。
【0043】なお、本実施の形態では、各回路モジュール情報の各々について、差分回路の回路情報の何れか1つに対応する差分回路をプログラマブル論理回路26の1以上の論理セル列で構成された機能変更依存領域A1に配置し、先行ベース回路の回路情報に対応する先行ベース回路を上記機能変更依存領域A1以外の領域である機能変更非依存領域A2に配置するように配置位置を導出する。また、このとき、各回路モジュール情報の各々の差分回路を配置する機能変更依存領域A1のうちの複数がプログラマブル論理回路26の同一列に配列されるように各回路の配置位置を導出する。
【0044】次のステップ104では、上記ステップ102で導出した配置位置となるようにプログラマブル論理回路26に対して各回路モジュール情報毎に先行ベース回路の回路情報と何れかの差分回路の回路情報を出力することにより、プログラマブル論理回路26に各回路モジュール情報が示す先行ベース回路と何れかの差分回路とを構成する。
【0045】図6には、本ステップ104においてプログラマブル論理回路26上に構成された複数(同図では4個)の回路モジュールの配置例が示されている。
【0046】同図に示すように、各回路モジュールは各々、機能変更依存領域A1と、機能変更非依存領域A2とに2分されている。そして、各回路モジュールの中の回路素子のうち、機能変更に関わる回路素子(機能変更の際に再構成される回路、すなわち差分回路に含まれる回路素子)は全て機能変更依存領域A1に配置されている。この例では、回路モジュールの形状は矩形であり、機能変更依存領域A1は、該矩形の左端側の規定列分と定められる。また、各回路モジュールの原点座標は対応する矩形領域の左下隅と定められる。
【0047】更に、同図に示す例では、各々2個ずつの回路モジュール群に分けられ、各回路モジュール群に含まれる機能変更依存領域A1が同一列に位置するように各回路モジュールが配置されている。
【0048】一方、図5のステップ106では、実行中のアプリケーションプログラムの次に実行すべきコマンドがハード処理コマンド、すなわち、プログラマブル論理回路26を用いたハード処理によって実行されるコマンドであるか否かを判定し、ハード処理コマンドでない場合(否定判定の場合)はソフト処理コマンドであるものと見なしてステップ108へ移行して、当該コマンドをソフトウェアで実行した後にステップ118へ移行する。
【0049】一方、上記ステップ106でハード処理コマンドであると判定された場合(肯定判定された場合)にはステップ110へ移行して、上記ハード処理コマンドによる処理がプログラマブル論理回路26の処理機能を変更する必要がある処理か否かを判定し、処理機能を変更する必要がある処理である場合(肯定判定の場合)はステップ112へ移行して、処理機能の変更に対応する回路モジュール情報の差分回路の回路情報をプログラマブル論理回路26に出力することによって対応する機能変更依存領域A1の回路を再構成した後にステップ114へ移行する。
【0050】一方、上記ステップ110において、上記ハード処理コマンドによる処理がプログラマブル論理回路26の処理機能を変更する必要がない処理であると判定された場合(否定判定された場合)には、上記ステップ112の処理を実行することなくステップ114へ移行する。
【0051】ステップ114では、処理すべきデータをプログラマブル論理回路26に入出力端子54を介して出力する。すると、プログラマブル論理回路26は入力された処理すべきデータに対してプログラマブル論理回路26に構成された回路による処理を実施し、これによって得られたデータを入出力端子54を介して出力する。
【0052】そこで、次のステップ116では、プログラマブル論理回路26から出力されるデータの入力待ちを行い、次のステップ118では、当該アプリケーションプログラムの全てのコマンドの処理が終了したか否かを判定し、終了していない場合(否定判定の場合)は上記ステップ106へ戻り、終了した時点(肯定判定となった時点)で本処理を終了する。
【0053】次に、本実施の形態に係る情報処理システム10によるプログラマブル論理回路26に対する回路モジュールの構成手順を具体的な回路を例示して説明する。なお、ここでは、従来より各種演算や信号処理に多用されている、加算回路、減算回路、及びアキュムレータの3つの機能を実現する場合について説明する。
【0054】図7には、加算回路、減算回路、及びアキュムレータの3つの機能を有する回路の構成例が示されている。同図に示すように、この回路は、加算器60、2の補数生成ルックアップテーブル(以下、「補数LUT」という)62、2入力のセレクタ64、ラッチ66、ラッチ68、及びセレクタ設定セル70を含んで構成されている。
【0055】この回路を加算回路として構成する場合は、補数LUT62を入力信号を変換せずにそのまま出力するテーブルデータとして設定する。また、セレクタ64から入力Bが出力されるようにセレクタ設定セル70を設定する。この設定により、入力A及び入力Bはそのまま加算器60に入力され、加算が実行される。
【0056】次に、この回路を減算回路として構成する場合は、補数LUT62を入力信号に対して常に2の補数を出力するテーブルデータとして設定する。また、セレクタ64から入力Bが出力されるようにセレクタ設定セル70を設定する。この設定により、加算器60には入力Aと、入力Bの2の補数が入力されて加算されるので、実質的に減算が実行されることになる。
【0057】次に、この回路をアキュムレータとして構成する場合は、補数LUT62を入力信号を変換せずにそのまま出力するテーブルデータとして設定し、セレクタからラッチ66からの入力が出力されるようにセレクタ設定セル70を設定する。この設定により、入力Aが入力されるたびに、過去の入力Aの累積との加算が繰り返えされ、アキュムレータ動作が行われることになる。
【0058】図8には、図7で示した回路構成を本実施の形態に基づいて配置した場合の配置例が示されている。図7の回路構成において、再構成の対象となる回路素子は補数LUT62及びセレクタ設定セル70の2つであり、図8に示す例では、補数LUT62及びセレクタ設定セル70の双方とも当該回路領域内の左端の一列に配置される。
【0059】このように、本実施の形態に係る情報処理システム10では、予め配置配線された回路モジュールを、さらに大規模な処理回路の中で再利用する場合に、各回路モジュールの機能変更依存領域を列で揃えて配置する。これによって、その処理回路で定まった任意の複数列のみを部分的に再構成するだけで、複数回路モジュールの機能変更が同時に行われ、効率のよい部分的再構成可能なプログラマブル論理回路上の処理回路が実現できる。
【0060】以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る情報処理システムでは、マトリクス状に配置された複数の論理セルを有するプログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報(差分回路の回路情報)と再構成しない回路を構成するための第2の情報(先行ベース回路の回路情報)とを含んだ回路情報(回路モジュール情報)を記憶しておき、該回路情報に基づいて、第1の情報に対応する回路をプログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック(論理セル)列で構成された列領域(機能変更依存領域)にまとめて構成しているので、回路再構成単位の中で回路を変更する論理ブロックの比率が向上すると共に、再構成単位数を少なくすることができ、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる。
【0061】また、本実施の形態に係る情報処理システムでは、複数の回路モジュール情報の各々の第1の情報(差分回路の回路情報)に対応する回路を、該第1の情報に対応する回路が構成された特定の列領域(機能変更依存領域)が同じ列に配列されるように構成しているので、複数の回路モジュール情報の各々の第1の情報に対応する回路が互いに異なる列に配列されるように構成する場合に比較して、回路再構成単位の中で回路を変更する論理ブロックの比率を、より向上することができると共に、再構成単位数を、より少なくすることができ、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を、より短縮することができる。
【0062】なお、本実施の形態では、機能変更依存領域A1を矩形状の回路モジュール領域における左端に位置する領域とした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、回路モジュール領域における右端に位置する領域とする形態とすることもできるし、回路モジュール領域における左端及び右端の間の中央に位置する領域とする形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0063】また、本実施の形態では、本発明に係るプログラマブル論理回路として列毎に回路構成を変更することができるものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、行毎に回路構成を変更することができるプログラマブル論理回路を適用する形態とすることもできる。この場合は、機能変更依存領域A1に配置すべき複数の回路モジュールの回路情報の各々に対応する回路が当該プログラマブル論理回路の同一行に複数並ぶように配置すればよい。この場合の上記同一行も、矩形状の回路モジュールの上端、下端、及び上端及び下端に挟まれた中央の何れの行も適用可能である。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0064】また、本実施の形態では、本発明の記憶手段として、PCIバス18に接続されたハードディスクドライブ22を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図1におけるネットワーク30に接続された記憶装置32A、32B、32Cの何れかを本発明の記憶手段として適用する形態とすることもできる。この場合は、ネットワーク接続された記憶装置から回路モジュール情報を取得することができるので、情報処理システム10の融通性が向上する。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係る情報処理システムによれば、マトリクス状に配置された複数の論理ブロックを有するプログラマブル論理回路上に再構成する回路を構成するための第1の情報と再構成しない回路を構成するための第2の情報とを含んだ回路情報を記憶しておき、上記回路情報に基づいて、第1の情報に対応する回路をプログラマブル論理回路の1以上の論理ブロック列で構成された列領域又は1以上の論理ブロック行で構成された行領域にまとめて構成しているので、回路再構成単位の中で回路を変更する論理ブロックの比率が向上すると共に、再構成単位数を少なくすることができ、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる、という効果が得られる。
【0066】また、本発明に係る情報処理方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、回路再構成単位の中で回路を変更する論理ブロックの比率が向上すると共に、再構成単位数を少なくすることができ、プログラマブル論理回路に対する回路の再構成時間を短縮することができる、という効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成12年6月26日(2000.6.26)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2002−7161(P2002−7161A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−191544(P2000−191544)