| 【発明の名称】 |
制御システム |
| 【発明者】 |
【氏名】溝口 実徳
|
| 【要約】 |
【課題】通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することができる制御システムを提供する。
【解決手段】被制御対象31と、前記被制御対象を制御する制御部21とを備えた制御システムであって、前記制御部および前記被制御対象のそれぞれは、前記被制御対象の予想される将来の挙動を示す第1将来予測データを有し、前記制御部は、前記第1将来予測データに基づいて、前記被制御対象を制御し、前記被制御対象は、前記第1将来予測データに基づいて予想された前記被制御対象の挙動と、実際の前記被制御対象の挙動とを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、前記実際の被制御対象の挙動が反映された前記被制御対象の予想される将来の挙動を示す第2将来予測データを前記制御部に出力し、前記制御部は、前記第2将来予測データを入力したとき、前記第1将来予測データに代えて、前記第2将来予測データに基づいて、前記被制御対象を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被制御対象と、前記被制御対象を制御する制御部とを備えた制御システムであって、前記制御部および前記被制御対象のそれぞれは、前記被制御対象の予想される将来の挙動を示す第1将来予測データを有し、前記制御部は、前記第1将来予測データに基づいて、前記被制御対象を制御し、前記被制御対象は、前記第1将来予測データに基づいて予想された前記被制御対象の挙動と、実際の前記被制御対象の挙動とを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、前記実際の被制御対象の挙動が反映された前記被制御対象の予想される将来の挙動を示す第2将来予測データを前記制御部に出力し、前記制御部は、前記第2将来予測データを入力したとき、前記第1将来予測データに代えて、前記第2将来予測データに基づいて、前記被制御対象を制御する制御システム。 【請求項2】 請求項1記載の制御システムにおいて、前記被制御対象は、第1の時間間隔おきに、前記実際の被制御対象の挙動を示す現実データを前記制御部に出力し、前記制御部は、前記第1将来予測データおよび前記現実データに基づいて、前記被制御対象を制御し、前記被制御対象は、前記第1の時間間隔よりも短い時間間隔で、前記比較結果を生成する制御システム。 【請求項3】 請求項1または2に記載の制御システムにおいて、前記被制御対象は、前記第1将来予測データを前記制御部に出力する制御システム。 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御システムにおいて、前記制御システムは、分散型制御システムである制御システム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、制御システムに関し、特に、分散型制御システムにおいて、制御の精度を維持しつつ、通信頻度を低減させることが可能なものに関する。 【0002】 【従来の技術】分散型制御システムの応用には、トラックの運行管理、AGV(Auto Grounded Vehicle)運行管理、プラント分散型制御、ロボット制御、交通信号制御など様々なアプリケーションがある。 【0003】これらのシステムでは、各分散オブジェクト間で適切な情報交換を行うことにより、全体で協調した動作を実現している。分散システム全体を安定して動作させるためには、この情報交換を高い頻度で行う必要がある。 【0004】例えば、図5に示すように、トラックの運行管理では、各トラック61〜64が定期的に自車の位置を無線通信で配送センタ(運行管理センタ)51に伝えることで、配送センタ51は、各車61〜64がどこにいるかを把握することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では、通信周期に伴う時間遅れが発生し、前回の通信から時間が経過するに連れて、現在の位置とのずれが大きくなる。これに対し、従来において、各車61〜64の位置を精度良く把握するためには、通信頻度を高める手段がとられてきた。ところが、この方法では、通信コストや通信負荷が問題になる。 【0006】通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することが望まれている。特に、分散型制御システムにおいて、通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することが望まれている。各分散オブジェクト間で適切な情報交換を行うことにより、全体で協調した動作を実現するための分散型制御システムにおいて、通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することが望まれている。 【0007】本発明の目的は、通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することができる制御システムを提供することである。本発明の他の目的は、分散型制御システムにおいて、通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することができる制御システムを提供することである。本発明の更に他の目的は、各分散オブジェクト間で適切な情報交換を行うことにより、全体で協調した動作を実現するための分散型制御システムにおいて、通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することができる制御システムを提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中の請求項対応の技術的事項には、括弧()つき、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、請求項対応の技術的事項と実施の複数・形態のうちの少なくとも一つの形態の技術的事項との一致・対応関係を明白にしているが、その請求項対応の技術的事項が実施の形態の技術的事項に限定されることを示されるためのものではない。 【0009】本発明の制御システムは、被制御対象(31)と、前記被制御対象(31)を制御する制御部(21)とを備えた制御システムであって、前記制御部(21)および前記被制御対象(31)のそれぞれは、前記被制御対象(31)の予想される将来の挙動を示す第1将来予測データを有し、前記制御部(21)は、前記第1将来予測データに基づいて、前記被制御対象(31)を制御し、前記被制御対象(31)は、前記第1将来予測データに基づいて予想された前記被制御対象(31)の挙動と、実際の前記被制御対象(31)の挙動とを比較して比較結果を生成し、前記比較結果に基づいて、前記実際の被制御対象(31)の挙動が反映された前記被制御対象(31)の予想される将来の挙動を示す第2将来予測データを前記制御部(21)に出力し、前記制御部(21)は、前記第2将来予測データを入力したとき、前記第1将来予測データに代えて、前記第2将来予測データに基づいて、前記被制御対象(31)を制御する。 【0010】本発明の制御システムにおいて、前記被制御対象(31)は、第1の時間間隔おきに、前記実際の被制御対象(31)の挙動を示す現実データを前記制御部(21)に出力し、前記制御部(21)は、前記第1将来予測データおよび前記現実データに基づいて、前記被制御対象(31)を制御し、前記被制御対象(31)は、前記第1の時間間隔よりも短い時間間隔で、前記比較結果を生成する。 【0011】本発明の制御システムにおいて、前記被制御対象(31)は、前記第1将来予測データを前記制御部(21)に出力する。 【0012】本発明の制御システムにおいて、前記制御システムは、分散型制御システムである。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の制御システムの一実施形態について説明する。 【0014】まず、図1から図3を参照して、第1実施形態の制御システムについて説明する。第1実施形態は、トラックの運行管理システムに関するものである。 【0015】図1は、本実施形態の制御システムの全体構成を示すブロック図である。運行管理センタ21は、各トラック31〜34のその時々の位置等の状況を把握する必要がある。運行管理センタ21は、各トラック31〜34のその時々の位置等の状況に基づいて、トラック31〜34の全体で協調した運行がなされるように制御する。 【0016】本実施形態は、トラック31〜34の運行管理などの分散系のシステムにおいて、各トラック31〜34などの分散オブジェクトは、制御系(分散オブジェクト)21に対して、各通信周期(この通信周期をTとする)毎に現在の状況を通信するだけでなく、以下の動作を行う。 【0017】各トラック31〜34は、あらかじめ、自分31〜34の将来の挙動を表す、数式、アルゴリズム(プログラム)、プランなどを通信する。ここで、プランの通信には、例えば、Javaプログラム(Javaの言語で作成されたプログラム)をネットワーク上で送信することが含まれる。 【0018】各トラック31〜34から、上記の数式、アルゴリズム(プログラム)、プランなど(以下、これらを総称して、単にプランという)を受け取った制御系21は、そのプランに基づき、時々刻々と変化する各トラック31〜34の行動を予測して様々な制御を行う。 【0019】一方、各トラック31〜34では、様々な理由により、あらかじめ計画して送った上記プランとの「ずれ」を生じる。この「ずれ」が許容できない値(閾値)に達した場合、初めて通信を行い現在の状況を通知すると共に、新しいプランを制御系21に送信する。 【0020】その新しいプランを受け取った制御系21は、その受け取った新しいプランに基づき、時々刻々と変化する各トラック31〜34の行動を予測して様々な制御を行う。 【0021】本実施形態によれば、制御系21は、受け取ったプランから各分散オブジェクト31〜34の将来の挙動を予測することができる。また、上記通信周期Tよりも短い間隔での制御を行うことができる。 【0022】上記のように、本実施形態は、分散制御系において、各オブジェクト31〜34は現在の情報だけでなく、将来の自分自身の挙動を示す情報も送付し、その情報と現実との乖離が甚だしくなった場合に初めて通信を行う。これにより、通信頻度を抑えつつ、各種制御を高い精度で実現することができる。 【0023】なお、最初に制御系21に渡されるプランは、必ずしも各トラック31〜34から送信される必要は無く、各トラック31〜34以外の外部から制御系21に供給されることができる。制御系21と各トラック31〜34とが同一内容のプランを持っていれば足りる。 【0024】次に、図2および図3を参照して、第1実施形態の動作について詳細に説明する。 【0025】図3に示すように、まず、各トラック31〜34は、予め、自分の将来の挙動を表すプランを運行管理センタ21に送信する(ステップS1)。ここで、トラック31から送信されたプランは、図2(a)に示すような運行経路を示しているとする。また、各トラック31〜34は、その送信した自分に関するプランを持っている。 【0026】次に、各トラック31〜34は、各通信周期T毎に、現在の位置等の状況を運行管理センタ21に送信する(ステップS2)。ここで、送信されたトラック31の時間t1での現在位置が、図2(c)の符号t1で示す位置であるとする。 【0027】運行管理センタ21は、ステップS2にて受信した各トラック31〜34の現在の状況とステップS1にて受信した各トラック31〜34のプランに基づいて、各トラック31〜34の将来の行動を予測し、全トラック31〜34の運行を制御する(ステップS3)。 【0028】ここで、運行管理センタ21は、ステップS1にて受信したトラック31のプラン(図2(a))と、ステップS2にて受信したトラック31の現在位置t1とに基づいて、トラック31の時間t2での現在位置は、図2(c)の符号t2で示す位置であると予測する。 【0029】各トラック31〜34は、上記ステップS2の実行時期と略同時期に、または、上記ステップS3の後に、上記通信周期Tよりも短い時間間隔で(上記通信周期Tとは無関係に)、各トラック31〜34の現在位置と、自分のプランに基づく予測位置とのずれ(誤差)を求める(ステップS4)。 【0030】ここで、トラック31は、ステップS1にて送信したトラック31のプラン(図2(a))によれば、時間tmのタイミングでのトラック31の予測位置が符号tqに示す位置であるのに対して、実際は時間tmのタイミングでのトラック31の現在位置が符号tpの位置であった場合には、位置tqと位置tpとの誤差Eを求める。 【0031】次いで、各トラック31〜34は、上記ステップS4にて求めた誤差Eが閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS5)。その判定の結果、誤差Eが閾値よりも小さいときには(ステップS5−Y)、ステップS2〜S5の動作を繰り返す。 【0032】一方、上記判定の結果、誤差Eが閾値よりも小さく無いときには(ステップS5−N)、各トラック31〜34は、直ちに(上記通信周期Tとは無関係に)、現在の位置(tp)等の状況と、新たなプランを運行管理センタ21に送信する(ステップS6)。その後は、ステップS2〜S5の動作が繰り返される。 【0033】上記のように、従来であれば、運行管理センタ21が各トラック31〜34の位置を精度良く把握するためには、各トラック31〜34からの自車の位置情報の運行管理センタ21への通信周期を小さく設定する(通信頻度を高める)方法が採られ、通信コストや通信負荷の問題を招いていた。 【0034】これに対して、本実施形態によれば、従来のように通信周期を小さく設定することなく、運行管理センタ21が各トラック31〜34の位置を高精度に把握することができる。すなわち、最初に、各トラック31〜34が運行管理センタ21にプランを送信した後は、そのプランに基づく予測位置と実際の位置との差が所定値以上になったときに、実際の位置と新しいプランを送信すればよい。その後は、その新しいプランに関して、上記動作が行われる。 【0035】本実施形態によれば、各トラック31〜34が、自分のプランに基づく予測位置と、実際の自車の位置との比較(ステップS4、S5)を、高い頻度で行うことにより、運行管理センタ21が各トラック31〜34の位置を高精度に把握することが可能となる(ステップS6)。この場合、上記比較(ステップS4、S5)の動作は、各トラック31〜34内において行われ、各トラック31〜34と運行管理センタ21との間の通信を伴わないため、通信コスト等の問題を生じさせることがない。 【0036】本実施形態によれば、以下の(1)から(3)の効果を奏することができる。 【0037】(1)制御の精度向上上記ステップS4、S5の動作を行う頻度を適切な高い値に設定することにより、通信コスト等の問題を生じさせることなく、制御の精度が向上する。また、ステップS5における閾値を適切な値に設定することにより、低い情報交換の頻度で品質の高い制御が可能となる。 【0038】(2)通信負荷の低減一つの制御対象当たりの通信量が低減されるため、従来と同じ容量の通信インフラ上では、より多くの制御対象を扱うことが可能となる。 【0039】(3)通信コストの削減従来に比べて通信量が低減されるため、例えば、トラック運行管理の通信費が削減される。 【0040】次に、図4を参照して、本発明の制御システムの第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態のシステムの構成を示している。 【0041】図4に示すように、各構成要素A〜Dは、図において隣接する構成要素A〜Dと機械要素45〜47によって機械的に接続されている。センタ41は、これらの構成要素A〜Dのそれぞれの動作を制御する。 【0042】構成要素Aは、機械要素45によって機械的に機械要素Bに接続されている。構成要素Bは、機械要素46によって機械的に機械要素Cに接続されている。構成要素Cは、機械要素47によって機械的に機械要素Dに接続されている。 【0043】各構成要素A〜Dは、あらかじめ、自分の将来の挙動を表すプランを有している。構成要素Aは、さらに、あらかじめ、機械要素Bの将来の挙動を表すプランを有している。構成要素Bは、さらに、あらかじめ、機械要素Aの将来の挙動を表すプランと機械要素Cの将来の挙動を表すプランとを有している。構成要素Cは、さらに、あらかじめ、機械要素Bの将来の挙動を表すプランと機械要素Dの将来の挙動を表すプランを有している。構成要素Dは、さらに、あらかじめ、機械要素Cの将来の挙動を表すプランを有している。 【0044】このように、各構成要素A〜Dは、あらかじめ、自分の将来の挙動を表すプランに加えて、自分が機械的に接続された構成要素A〜Dの将来の挙動を表すプランを有している。機械的に接続されている相手との関係では、その相手の動作内容と協調を図りつつ自分の動作内容が制御されなければならないからである。 【0045】構成要素Aでは、センタ41または自分のプランに基づいて自律的に構成要素Aの動作が制御されるとともに、実際の構成要素Aの動作内容と、自分のプランに基づく予測動作内容との差を求める。その差が所定値以上になったときに、実際の構成要素Aの動作内容と構成要素Aの新たなプランが、センター41を介して機械要素Bに送信される。 【0046】機械要素Bは、センタ41または自分のプランに基づいて自律的に構成要素Bの動作が制御される。このとき、機械要素Bは、構成要素Aのプランを有しているため、構成要素Aの動き予測ができ、その構成要素Aの予測動作内容に基づいて、自律的に機械要素Bの動作内容を制御する。機械要素Bは、上記のように、構成要素Aの新たなプランと実際の構成要素Aの動作内容を受信すると、その新たなプランに基づいて構成要素Aの動き予測ができ、その構成要素Aの予測動作内容に基づいて、自律的に機械要素Bの動作内容を制御する。 【0047】上記においては、構成要素Aと機械要素Bの関係について説明したが、他の構成要素A〜D相互間についても同様である。 【0048】第2実施形態によれば、センタ41による全構成要素A〜Dの中央集権的制御ではなく、各構成要素A〜D同士が自分に関係のある構成要素A〜Dの動き予想を行うとともに、実際の動作内容との誤差が大きくなったときにセンタ41との通信を行うため、システム全体としての通信量が低減される。また、センタ41の演算量が削減される。 【0049】次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態および/または第2実施形態を、次に述べる協調機能に適用したものである。 【0050】協調機能(cooperational function)とは、複数のアームや指、ロボットなどが協力して共通の作業を行う機能のことである。独立したロボットが協調して作業をする場合には、個体が分散しているので、そのような制御を特に分散協調制御(distributive cooperational control)という。 【0051】例えば、大きな対象物や長いものを扱う場合には、2本の腕で作業を行った方がはるかに安定して、かつ容易に行うことができる。また、相対的に大きい対象物に対しては、人間がおみこしを担いだり何人かで協力して運ぶように、独立のロボットが、ある程度の情報交換を行いながら共通の作業を行うべきである。このような協調機能の技術的ポイントは、対象物を介して、あるいは環境から、お互いに力の拘束を受けることである。 【0052】すなわち、独立した個体が別々に作業を進めた結果が、たまたま1つの作業となるような動きではなく、お互いの動きが影響し合う中で、共通の作業を行うということであり、技術的にも大変高度な機能である。また、ロボット相互間の制御情報の伝達を行う通信も大問題であり、通信量の増大を防ぐ手段に新しいアイデアが必要とされている。 【0053】上記の要請に対して、第3実施形態では、上記の第1および/または第2実施形態の考え方を、以下の2つのケースに適用したものである。 【0054】(1)単一のロボットにおける複数のアームや指などの構成部材が協力して共通の作業を行う場合。そのロボットにおいて、アームや指などの各構成部材の動きを制御する制御部と、各構成部材間の通信頻度を低減する。または、複数の構成部材同士間の通信頻度を低減する。この場合、結果的に、制御部または各構成部材での処理量が低減することになり、その余ったパフォーマンスを処理の高速化等に向けることができる。また、通信量が減ることに伴い、情報伝達時間が短縮化される。 【0055】(2)複数のロボット同士が協力して共通の作業を行う場合。複数のロボット相互間の通信頻度を低減する。さらに、それら複数のロボットのそれぞれを制御する制御センターがある場合には、その制御センターと、それら複数のロボットのそれぞれとの間の通信頻度を低減する。この場合、結果的に、制御センターまたは各ロボットでの処理量が低減することになり、その余ったパフォーマンスを処理の高速化等に向けることができる。また、通信量が減ることに伴い、情報伝達時間が短縮化される。 【0056】さらに、第1および/または第2実施形態の分散型制御システムの通信頻度低減方法は、サブサンプション・アーキテクチャー(subsumption architecture)にも適用可能である。 【0057】ここで、サブサンプション・アーキテクチャーについて説明する。 【0058】従来の知能ロボットの処理系では、外界センサーによって得られた情報を基に外界モデルを構築し、それに基づいて作成した行動計画をそれぞれの駆動系へ分割して伝達し、制御するという、いわば直列的な制御の流れの構成が一般的であった。この方式では、センサーから得られた情報を基に、外界のモデルを構築し、それに基づいて行動を計画することが難しくボトルネックとなっていた。 【0059】これに対して、サブサンプション・アーキテクチャーでは、衝突回避などの下位の(本能レベルの)行動から、認識や行動計画などの上位の行動機能まで、それぞれの要素行動が積み木式に並列的に構成される。個々の要素行動は各瞬間にそれぞれ自分が認識した結果に対応した行動をとろうとする。これらは場合によっては競合することもあるので、最終的な行動はこれら要素行動間の協調と融合によって決定される。これに応じてコンピュータ制御系も多くのロボットで使われている中央集権的制御系ではなく、分散協調制御系となる。 【0060】本実施形態では、サブサンプション・アーキテクチャーにおいて、複数の要素行動間の協調と融合を図るために、個々の要素同士の通信頻度を低減することができる。 【0061】またさらに、第1および/または第2実施形態の分散型制御システムの通信頻度低減方法は、自律分散システム(autonomic dispersionsystem)にも適用可能である。 【0062】ここで、自律分散システムについて説明する。 【0063】システム全体を統合する管理機構をもたず、システムを構成する各要素が自律的に行動しながら協調・競合的に相互作用しあい、全体として任務を達成すること。群ロボットにおいても自律分散システムは重要な概念であり、各ロボットがそれぞれ独自の判断に基づいて行動し、互いに協力して仕事を行う。このシステムは、信頼性が高く柔軟性が極めて高いなどの特徴をもつ。 【0064】本実施形態では、自律分散システムにおいて、複数のロボットが互いに協力するときの各ロボット同士の通信頻度を低減することができる。 【0065】 【発明の効果】本発明の制御システムによれば、通信頻度を抑えつつ各種制御を高い精度で行うことができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102864 【弁理士】 【氏名又は名称】工藤 実 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−297204(P2002−297204A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月11日(2002.10.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−97928(P2001−97928) |
|