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【発明の名称】 外乱抑制装置及び光ディスク装置
【発明者】 【氏名】藤山 晃治

【要約】 【課題】処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約を受けない外乱抑制装置の提供。

【解決手段】外乱を受ける制御対象1の出力信号及び制御対象1が出力すべき目標信号の誤差信号を生成する誤差信号生成部3と、誤差信号に基づき制御対象1に与えられる操作信号を出力する制御部2と、誤差信号に基づき、外乱を抑制すべき第1外乱オブザーバ信号を出力する第1外乱オブザーバ4と、2次の伝達関数からなり、操作信号及び第1外乱オブザーバ信号に基づき、外乱を抑制し制御対象1を操作する第2外乱オブザーバ信号を制御対象1に与える第2外乱オブザーバ5aとを備える外乱抑制装置。第2外乱オブザーバ5aは、2次の伝達関数を分解して得た1次の積分要素を、2次の伝達関数と置換して構成し、積分要素により近似された第2外乱オブザーバ信号を制御対象1に与える構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外乱を受けるべき制御対象が出力した出力信号及び該制御対象が出力すべき目標信号の誤差信号を生成する誤差信号生成部と、前記誤差信号に基づき前記制御対象に与えられるべき操作信号を出力する制御部と、前記誤差信号に基づき、前記外乱を抑制すべき第1外乱オブザーバ信号を出力する第1外乱オブザーバと、2次の伝達関数からなり、前記操作信号及び第1外乱オブザーバ信号の加算信号に基づき、前記外乱を抑制し前記制御対象を操作すべき第2外乱オブザーバ信号を前記制御対象に与える第2外乱オブザーバとを備える外乱抑制装置において、前記第2外乱オブザーバは、前記2次の伝達関数を分解して得た1次の積分要素を、前記2次の伝達関数と置換して構成してあり、前記積分要素により近似された前記第2外乱オブザーバ信号を前記制御対象に与えるべくなしてあることを特徴とする外乱抑制装置。
【請求項2】 前記積分要素の減衰定数は2程度以上とする請求項1記載の外乱抑制装置。
【請求項3】 前記制御部、第1外乱オブザーバ及び第2外乱オブザーバは、ディジタル信号を処理すべくなしてある請求項1又は2記載の外乱抑制装置。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載された外乱抑制装置を備え、該外乱抑制装置により光ピックアップを駆動制御すべくなしてあることを特徴とする光ディスク装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外乱信号による制御対象の誤動作を抑制する外乱抑制装置、及びこの外乱抑制装置を備え、CD(Compact Disc),MD(Mini Disc )又はDVD(Digital Video Disc)等の光(磁気)ディスクの再生及び/又は記録を行う光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外乱オブザーバは、制御系内の信号状態を観測して外乱の影響を予測し、予測した外乱の影響を打ち消す為の信号を出力する機構である。図9は、本出願人が、特開平11−353004号公報において提案した、外乱オブザーバを使用した「外乱抑制装置」の構成を示すブロック図である。この外乱抑制装置は、制御対象1が出力した出力信号y及び制御対象1が出力すべき目標信号rの誤差信号eを生成する誤差信号生成部3と、誤差信号eをA/D(アナログ/ディジタル)変換するA/D変換器6と、A/D変換された誤差信号eに基づき、PID制御により、制御対象1に与えられるべき操作信号を出力する制御部2とを備えている。
【0003】この外乱抑制装置は、また、A/D変換された誤差信号eに基づき、外乱を抑制すべき第1外乱オブザーバ信号を出力する第1外乱オブザーバ4と、操作信号及び第1外乱オブザーバ信号を加算器7が演算した加算信号に基づき、外乱を抑制し制御対象1を操作すべき第2外乱オブザーバ信号を出力する第2外乱オブザーバ5と、第2外乱オブザーバ信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換して制御対象1に与えるD/A変換器8とを備え、外乱を示す外乱信号dは、D/A変換された第2外乱オブザーバ信号cに加わる。
【0004】第1外乱オブザーバ4は、伝達関数Q/Pn を有し、第2外乱オブザーバ5は伝達関数1/(1−Q)を有する。但し、Pn は制御対象1の理想的なモデルである伝達関数、Qは2次以上の自由パラメータであり、Pn (s)=K/(ms2 +Ds+k) (2次遅れ)
Q(s)=a0 /(sn +an-1 n-1 +・・・+a1 s+a0
で表される。
【0005】ここで、この外乱抑制装置の制御部2、第1外乱オブザーバ4及び第2外乱オブザーバ5の関係を実現する為に重要なのは、「Q(s)/Pn (s)というブロックを実現可能(分母の次数が分子の次数と同じかより大きい)」にしなければならない点である。光ディスク装置の制御系の場合、Pn (s)は「2次遅れ系」で表されるので、Q(s)の次数は2以上でなければならない。これにより、光ディスク装置用の外乱オブザーバには、2次のQフィルタが使用される。Qフィルタは、LPF(Low Pass Filter )に設計すること、及び次数は2以上であることを除けば、自由パラメータであるので、設計者が自由にカットオフ周波数等を設定することが出来る。
【0006】第2外乱オブザーバ5が有する2次の伝達関数1/(1−Q)は、双1次変換(Bilinear Transformation )によって、以下のようなディジタルの伝達関数に変換され、 1/(1−Q(z-1))=BL[1/(1−Q(s))]
=(a0 +a1 -1+a2 -2)/(1−b1 -1+b2 -2
ディジタルの2次の伝達関数となる。この伝達関数の係数は、そのまま図10に示すようなIIRフィルタの係数になっており、実際のIIRフィルタも、遅延素子z-1が二段に配置され、各係数が増幅器のゲインとなる2次フィルタになっている。
【0007】ここで、2次、3次といった高次のIIRフィルタの特徴を列挙する。長所は、1.フィルタの周波数特性が急峻になり、より理想的な遮断特性を備える。短所は、1.次数が高くなるにつれ、演算の遅延時間が大きくなる。2.演算処理が増加する。3.必要な係数(a0 ,a1 ・・・)及びバッファ用メモリ(z-1で表される遅延素子)の個数が増加する。固定小数点演算する場合に影響する短所として、4.次数が上がると、係数の中に絶対値が1を超える係数が出て来る。5.分解能によっては、アンダーフローが発生することがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の長所及び短所の内、短所1〜3は、DSP(Digital Signal Processor)の処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約がない場合には、問題とならないが、実際には、ハードウェアの制約を受けることが多く、このような制約が原因となって、本来のフィルタの特性が実現できないことがある。光ディスク装置の制御系においても、同様の問題に直面していた。
【0009】また、短所5について、光ディスク装置用の外乱オブザーバは、固定小数点演算DSPを用いて実現される場合が多く、この場合、浮動小数点による演算結果と異なり、A/D変換のビット長によってその特性が大きく影響を受けることがある。ここで、固定小数点による演算に関して考察すると、伝達関数は、G=N/Dのように2つの部分で構成されており、図10に示したようなIIRフィルタでは、(1);N、(2);1/Dという順序で信号は処理されることになる。
【0010】ここで、A/D変換器の分解能が16ビットであれば、最小で実現出来るレベルは、2-16 =3.0518×10-5となる。従って、2次フィルタの場合、(3.0518×10-5)/(2.5148×10-4)=0.1214以下の入力が、A/D変換器に加わった場合には、Nの出力が0になり、アンダーフローを起こしてしまうことになる。
【0011】例えば、振幅が0.1の正弦波が入力されたとして、固定小数点演算結果及び浮動小数点演算結果による周波数応答を比較すると、図11に示すように、低域において大きくゲインが不足している。実際、20Hz辺りで、図12に示すように、浮動小数点演算結果に比較して固定小数点演算結果の振幅が大きく不足する時間応答になっている。
【0012】上述したように、高次のディジタルフィルタを用いて伝達関数を実現する場合、演算処理量や遅延時間の増加というアルゴリズム上の問題や、フィルタ係数及び遅延素子の増加というハードウェア的な問題が浮上する。光ディスク装置のサーボ制御用の外乱オブザーバ(Disturbance Observer)に関しても、制御ループ内に2次のIIRフィルタが2つ存在し、1サンプリング時間内に処理出来る演算量の限界という制約が、その適用を難しくしていた。更に、固定小数点DSPで外乱オブザーバを実現する場合には、A/D変換器の分解能と、外乱オブザーバのパラメータによっては、アンダーフローが発生し、演算精度が著しく損なわれることがあるという問題もあった。
【0013】本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1〜3発明では、処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約を受けない外乱抑制装置を提供することを目的とする。第4発明では、第1〜3発明に係る外乱抑制装置を備えた光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る外乱抑制装置は、外乱を受けるべき制御対象が出力した出力信号及び該制御対象が出力すべき目標信号の誤差信号を生成する誤差信号生成部と、前記誤差信号に基づき前記制御対象に与えられるべき操作信号を出力する制御部と、前記誤差信号に基づき、前記外乱を抑制すべき第1外乱オブザーバ信号を出力する第1外乱オブザーバと、2次の伝達関数からなり、前記操作信号及び第1外乱オブザーバ信号の加算信号に基づき、前記外乱を抑制し前記制御対象を操作すべき第2外乱オブザーバ信号を前記制御対象に与える第2外乱オブザーバとを備える外乱抑制装置において、前記第2外乱オブザーバは、前記2次の伝達関数を分解して得た1次の積分要素を、前記2次の伝達関数と置換して構成してあり、前記積分要素により近似された前記第2外乱オブザーバ信号を前記制御対象に与えるべくなしてあることを特徴とする。
【0015】この外乱抑制装置では、誤差信号生成部が、外乱を受けるべき制御対象が出力した出力信号及び該制御対象が出力すべき目標信号の誤差信号を生成し、制御部が、誤差信号に基づき制御対象に与えられるべき操作信号を出力し、第1外乱オブザーバが、誤差信号に基づき、外乱を抑制すべき第1外乱オブザーバ信号を出力し、第2外乱オブザーバが、操作信号及び第1外乱オブザーバ信号の加算信号に基づき、外乱を抑制し制御対象を操作すべき第2外乱オブザーバ信号を制御対象に与える。第2外乱オブザーバは、2次の伝達関数を分解して得た1次の積分要素を、2次の伝達関数と置換して構成してあり、置換した積分要素により近似された第2外乱オブザーバ信号を制御対象に与える。
【0016】これにより、第2外乱オブザーバが1次の伝達関数となるので、アルゴリズムの処理ステップ数が削減され、演算遅延時間も短縮される。また、必要な係数及びバッファ用メモリの数が削減されるだけでなく、DSP内部における演算に関しても、アンダーフローが発生する可能性が低くなり、演算精度が向上する。また、DSP処理能力により適用が困難であった光ディスク装置にも適用出来る可能性が広がる。
【0017】第2発明に係る外乱抑制装置は、前記積分要素の減衰定数は2程度以上とすることを特徴とする。この外乱抑制装置では、積分要素の減衰定数は2程度以上(好ましくは1.5以上)とするので、第2外乱オブザーバ信号は、2次の伝達関数の場合の特性により近似することが出来、処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約を受けない外乱抑制装置を実現することが出来る。
【0018】第3発明に係る外乱抑制装置は、前記制御部、第1外乱オブザーバ及び第2外乱オブザーバは、ディジタル信号を処理すべくなしてあることを特徴とする。この外乱抑制装置では、制御部、第1外乱オブザーバ及び第2外乱オブザーバは、ディジタル信号を処理するので、外乱の影響を受け難い外乱抑制装置を実現することが出来る。
【0019】第4発明に係る光ディスク装置は、請求項1〜3の何れかに記載された外乱抑制装置を備え、該外乱抑制装置により光ピックアップを駆動制御すべくなしてあることを特徴とする。この光ディスク装置では、請求項1〜3の何れかに記載された外乱抑制装置を備え、この外乱抑制装置により光ピックアップを駆動制御するので、処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約を受けずに、光ピックアップを駆動制御することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づき説明する。
実施の形態1.図1は、本発明に係る外乱抑制装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。この外乱抑制装置は、制御対象1が出力した出力信号y及び制御対象1が出力すべき目標信号rの誤差信号eを生成する誤差信号生成部3と、誤差信号eをA/D(アナログ/ディジタル)変換するA/D変換器6と、A/D変換された誤差信号eに基づき、PID制御により、制御対象1に与えられるべき操作信号を出力する制御部2とを備えている。尚、目標信号rがディジタルである場合は、A/D変換器6は、誤差信号生成部3に与えられる出力信号yをA/D変換する位置に設けられる。
【0021】この外乱抑制装置は、また、A/D変換された誤差信号eに基づき、外乱を抑制すべき第1外乱オブザーバ信号を出力する第1外乱オブザーバ4と、操作信号及び第1外乱オブザーバ信号を加算器7が演算した加算信号に基づき、外乱を抑制し制御対象1を操作すべき第2外乱オブザーバ信号を出力する第2外乱オブザーバ5aと、第2外乱オブザーバ信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換して制御対象1に与えるD/A変換器8とを備え、外乱を示す外乱信号dは、D/A変換された第2外乱オブザーバ信号cに加わる。
【0022】第1外乱オブザーバ4は、伝達関数Q/Pn を有し、第2外乱オブザーバ5aは、1次の伝達関数1+B1 (s)を有する。但し、Pn は制御対象1の理想的なモデルである伝達関数、Qは2次以上の自由パラメータであり、Pn (s)=K/(ms2 +Ds+k) (2次遅れ)
Q(s)=a0 /(sn +an-1 n-1 +・・・+a1 s+a0
1 (s)=(ωn /2ζ)(1/s)
で表される。
【0023】ここで、従来は、2次のLPF(Low Pass Filter ;Qフィルタ)を含む2次の伝達関数1/(1−Q)を有する第2外乱オブザーバ5を、1次の伝達関数1+B1 (s)を有する第2外乱オブザーバ5aにより置換した手順について説明する。2次のLPFのLPFは、一般的に次式で表される。
Q(s)=ωn 2 /(s2 +2ζωn s+ωn 2 ) (1)
ここで、ζ;減衰定数(Damping Factor)、ωn ;固有周波数(Natural Frequency )であり、減衰定数ζが小さいときは、図2に示すように、周波数応答はピークを持ち、減衰定数ζが大きくなるにつれて、周波数応答がなだらかになって来る。
【0024】このように、固有周波数ωn を変えずに、減衰定数ζのみを変化させると、カットオフ周波数付近の周波数応答のみが変化する。特に、ζ=0.707の場合は、「Butterworth フィルタ」と呼ばれ、フィルタの基本形となっている。伝達関数1/(1−Q)は(1)式から、1−Q(s)=(s2 +2ζωn s)/(s2 +2ζωn s+ωn 2
【0025】従って、 1/(1−Q(s))
=(s2 +2ζωn s+ωn 2 )/(s2 +2ζωn s)
=1+ωn 2 /(s2 +2ζωn s)
=1+ωn 2 /s(s+2ζωn
=1+(ωn /2ζ)(1/s)
−(ωn /2ζ)(1/(s+2ζωn ))
=1+B1 (s)−B2 (s)
1 (s)=(ωn /2ζ)(1/s)
2 (s)=(ωn /2ζ)(1/(s+2ζωn ))
と表される。
【0026】ここで、B1 (s)は純粋積分器であり、B2 (s)はLPFである。B2 (s)に関して低域ゲインは、sが0に近づくにつれ、dcg 2 =B2 (s)=1/4ζ2 (2)
となる。B1 (s)及びB2 (s)は、並列に接続されているので、dcg2 が小さくなる、即ち、減衰定数ζが大きくなる程、1/(1−Q(s))は、B2 (s)の影響を受けなくなり、1/(1−Q(s))≒1+(ωn /2ζ)(1/s)
のように近似出来るようになる。
【0027】減衰定数ζを大きくすると、(2)式の分母が大きくなり、B2 (s)項の影響が小さくなる。図3,4は、減衰定数ζ=0.707のバタワースフィルタ(a)、及び減衰定数ζ=2のフィルタ(b)について、伝達関数1/(1−Q(s))の周波数応答(次数2)との近似精度を比較した特性図である。減衰定数ζ=0.707の場合(a)は、次数2と次数1の近似とのずれが目立つが、減衰定数ζ=2の場合(b)は、殆ど同じ値となって、減衰定数ζ=2の場合は、2次の伝達関数の特性を、1次のIIRフィルタで実現出来ることを示している。
【0028】図5は、減衰定数ζの値に応じた、1次の伝達関数の周波数応答の、2次の伝達関数の周波数応答との近似誤差の絶対値の総和(ゲイン)(a)、及び近似誤差の絶対値の総和(位相)(b)を示す説明図である。減衰定数ζを2程度以上(好ましくは1.5以上)にすれば、近似誤差は殆ど無視出来ることを示している。
【0029】図6,7は、伝達関数が1次である(1次フィルタ)である場合の、振幅が0.1の正弦波が入力されたとして、固定小数点演算結果及び浮動小数点演算結果による周波数応答を比較した特性図である。図6に示すように、ゲインは両者殆ど同じであり、図7に示すように、振幅も殆ど同じであり、伝達関数が1次である場合は、アンダーフローを起こしていないことを示している。
【0030】実施の形態2.図8は、本発明に係る光ディスク装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。この光ディスク装置は、記録/再生可能なミニディスク装置であり、ミニディスク11を収納した方形平板状のカートリッジ12がミニディスク装置に装填された状態で、カートリッジ12の両面のシャッターが開き、ミニディスク11の一方の面から光ピックアップ15が対物レンズ14を通じて読取りを行い、記録するときには、ミニディスク11の他方の面に磁気ヘッド19による磁界が掛けられる。
【0031】ミニディスク11は、スピンドルモータ13により所定の一定線速度となるように回転駆動され、光ピックアップ15は、送りモータ16により駆動されミニディスク11の半径方向に移動する。磁気ヘッド19は、記録時にヘッド駆動部20により駆動されミニディスク11の半径方向に移動し、光ピックアップ15と共に同一のトラックを両面から挟み込むように位置制御される。スピンドルモータ13、光ピックアップ15及び送りモータ16は、サーボ制御部17によりそれぞれ駆動制御される。
【0032】光ピックアップ15が検出した信号は、RF(Radio Frequency )アンプ22へ送られ増幅される。RFアンプ22により増幅された信号の内、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は、サーボ制御部17に送られて光ピックアップ15のフォーカスサーボ及びトラッキングサーボに使用され、アドレス信号は、アドレスデコーダ21に送られて復号され、エンコーダ/デコーダ23に与えられる。
【0033】エンコーダ/デコーダ23へ送られ復号されたアドレス信号は、ヘッド駆動部20による磁気ヘッド19の位置制御に使用され、また、システムコントローラ18に送られ、サーボ制御部17によるスピンドルモータ13、光ピックアップ15及び送りモータ16の駆動制御等に使用される。サーボ制御部17は、実施の形態1で説明した外乱抑制装置(図1)を内蔵しており、この外乱抑制装置は、システムコントローラ18から与えられる目標信号rと、RFアンプ22から与えられるフォーカスエラー信号とに基づき、光ピックアップ15のフォーカスサーボを行う。尚、本発明に係る外乱抑制装置は、トラッキングサーボ系にも同様に適用出来ることは言う迄もない。
【0034】RFアンプ22により増幅された信号の内のデータ信号は、エンコーダ/デコーダ23に送られて復号され、耐振用メモリコントローラ24を通じてDRAM25(Dynamic Random Access Memory)に送られる。DRAM25に送られたデータは、一旦記憶された後、耐振用メモリコントローラ24を通じて、音声圧縮エンコーダ/デコーダ26に送られ、音声圧縮前の音声データに復号され、D/A変換器28を通じて出力される。
【0035】A/D変換器27を通じて入力された音声データは、音声圧縮エンコーダ/デコーダ26により音声圧縮されてコード化され、耐振用メモリコントローラ24を通じて、DRAM25に送られる。DRAM25に送られたデータは、一旦記憶された後、耐振用メモリコントローラ24を通じて、エンコーダ/デコーダ23に送られてコード化され、磁気ヘッド19及び光ピックアップ15によりミニディスク11に記録される。
【0036】耐振用メモリコントローラ24及びDRAM25は、DRAM25への記憶に要する時間及びDRAM25からの読出しに要する時間の差を利用して、振動等による音飛びを防止する。システムコントローラ18は、表示部29、時計回路30及び操作部31と接続され、サーボ制御部17、エンコーダ/デコーダ23及び耐振用メモリコントローラ24の動作制御を行うと共に、操作部31による操作等に応じて、指定された情報を表示部29に表示させる。
【0037】
【発明の効果】第1発明に係る外乱抑制装置によれば、第2外乱オブザーバが1次の伝達関数となるので、アルゴリズムの処理ステップ数が削減され、演算遅延時間も短縮される。また、必要な係数及びバッファ用メモリの数が削減されるだけでなく、DSP内部における演算に関しても、アンダーフローが発生する可能性が低くなり、演算精度が向上する。また、DSP処理能力により適用が困難であった光ディスク装置にも適用出来る可能性が広がる。
【0038】第2発明に係る外乱抑制装置によれば、第2外乱オブザーバ信号は、2次の伝達関数の場合の特性により近似することが出来、処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約を受けない外乱抑制装置を実現することが出来る。
【0039】第3発明に係る外乱抑制装置によれば、外乱の影響を受け難い外乱抑制装置を実現することが出来る。
【0040】第4発明に係る光ディスク装置によれば、処理速度及びメモリ量のようなハードウェアの制約を受けずに、光ピックアップを駆動制御することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成13年3月29日(2001.3.29)
【代理人】 【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
【公開番号】 特開2002−297202(P2002−297202A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2001−96171(P2001−96171)