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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】鈴木 啓之

【要約】 【課題】画像形成における濃度ムラを改善すること。

【解決手段】少なくともアモルファスシリコンを含む感光体ドラム1と、感光体ドラム1に帯電をする帯電手段30と、感光体ドラム1に静電潜像を形成する露光手段2と、前記静電潜像を現像する現像器4とを有する画像形成装置において、現像器4により前記静電潜像を現像する際の現像条件を、感光体ドラム1の長手方向について変化させることを特徴とする画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくともアモルファスシリコンを含む感光体ドラムと、該感光体ドラムに帯電をする帯電手段と、該感光体ドラムに静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、前記現像手段により前記静電潜像を現像する際の現像条件を、前記感光体ドラムの長手方向について変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 請求項1記載の画像形成装置であって、前記現像条件は、感光体ドラムの長手方向の帯電特性及び暗減衰特性に応じて行なわれることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の画像形成装置であって、前記現像条件は、感光体ドラムの長手方向の帯電特性及び暗減衰特性を原因とした濃度ムラを抑制する方向に働かせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の画像形成装置であって、前記現像手段は、現像剤を担持する現像剤担持体を有し、前記現像条件を前記感光体ドラムの長手方向について変化させる方法は、前記現像剤担持体と感光体ドラムとの間隔を感光体ドラムの長手方向について変えることであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載の画像形成装置であって、前記現像剤担持体と前記感光体ドラムとの間隔を前記感光体ドラムの長手方向について変える方法は、前記現像剤担持体端部に設けられ前記感光体ドラムとの間隔を制御する制御部材によるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】 請求項1乃至請求項3記載の画像形成装置であって、前記現像手段は、現像剤を担持する現像剤担持体を有し、前記現像条件を前記感光体ドラムの長手方向について変化させる方法は、前記現像剤担持体上に担持される現像剤の量を感光体ドラムの長手方向について変えることであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】 請求項1乃至請求項6記載の画像形成装置であって、前記帯電手段は、前記感光体ドラムに接触し帯電を行なうことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】 請求項7記載の画像形成装置において、前記帯電手段は、磁性粒子が用いられた磁気ブラシ帯電器であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】 請求項7記載の画像形成装置であって、前記帯電手段は、導電性ローラが用いられた接触帯電器であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】 請求項9記載の画像形成装置であって、前記接触帯電器は、帯電促進粒子が被覆されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】 請求項10記載の画像形成装置であって、前記帯電促進粒子は、平均粒径が10nm以上50μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】 請求項10又は請求項11記載の画像形成装置であって、前記帯電促進粒子は、比抵抗が1010Ω・m以下であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録画像に対応して、感光体ドラムに形成された静電潜像を、現像剤により現像して転写材上に記録を行なう画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置は、数多く考案されているが、図11を用いて概略構成ならびに動作について簡単に説明する。
【0003】図11に示した画像形成装置において、コピー開始信号が入力されると、感光体ドラム101が帯電部材103により所定の電位になるように帯電される。一方、原稿台110上に置かれた原稿Gに対し、原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサが一体のユニット109となって原稿を照射しながら走査することによって結像されて、CCDセンサに入射される。
【0004】CCDセンサは、受光部、転送部、出力部より構成されている。CCD受光部において光信号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。得られたアナログ信号は周知の画像処理を行なってデジタル信号に変換してプリンタ部に送られる。
【0005】プリンタ部においては、上記の画像信号を受けてON、OFF発光されるLED露光手段102により感光体ドラム101面上に、原稿画像に対応した静電潜像を形成する。次にこの静電潜像を、トナー粒子を収容した現像器104にて現像し、感光体ドラム101上にトナー像を得る。
【0006】このようにして、感光体ドラム101上に形成されたトナー像は、転写装置107によって転写材上に静電転写される。その後転写材は、静電分離されて定着器106へと搬送され、熱定着されて画像が出力される。
【0007】一方、トナー像転写後の感光体ドラム101の面は、クリーナ105によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去、必要に応じて像露光の光メモリを除去する前露光手段108による露光を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0008】上記のようにして画像形成され、電子写真画像形成装置に用いられる感光体ドラム1としては、有機感光体やアモルファスシリコン系感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)等がよく用いられているが、前記a−Si系感光体は、表面硬度が高く、半導体レーザ等に高い感度を示し、しかも繰り返し使用による劣化もほとんど認められないことから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)等の電子写真用感光体として用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、a−Si系感光体は、その製造方法でガスを高周波やマイクロ派でプラズマ化して固定化し、アルミシリンダー上に堆積させて成膜するため、プラズマが均一でないと周方向や長手方向に膜厚ムラや組成ムラができてしまう。
【0010】これにより従来から現像部において数10V程度の電位ムラが発生してしまっていた。これは膜厚ムラにより静電容量の違いができ、帯電能に差が生じる現象とともに、前周の光メモリーを消すために用いる前露光による帯電−現像間での暗状態での電位減衰(以降、「暗減衰」とよぶ。)が、膜厚や組成の違いによって差が生じ、現像部における濃度ムラをより増大させることで発生する。
【0011】前述の暗減衰は、a−Si系感光体を用いた場合、有機感光体に比べて暗状態でも非常に大きく、更に像露光の光メモリによる電位減衰が増大するため、前周の光メモリを消すための帯電前の前露光手段が必要となる。このため、帯電−現像間での暗減衰は非常に大きくなり、100〜200V程度の電位減衰が生じる。このとき前述の膜厚ムラにより、数10Vの電位ムラが発生していた。
【0012】このような電位ムラが生じると、静電容量の大きなa−Si系感光体は有機感光体に比べてコントラストも小さいため、影響をより受けてしまい、濃度ムラも顕著になってしまう。
【0013】そこで本発明の目的は、画像形成における濃度ムラを改善することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、少なくともアモルファスシリコンを含む感光体ドラムと、該感光体ドラムに帯電をする帯電手段と、該感光体ドラムに静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、前記現像手段により前記静電潜像を現像する際の現像条件を、前記感光体ドラムの長手方向について変化させることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明の第1実施形態の説明を図を用いて行なう。まず、図1を用いて概略構成ならびに動作について簡単に説明する。図1に示した画像形成装置において、コピー開始信号が入力されると、像担持体としての感光体ドラム1が帯電手段30により所定の電位になるように帯電される。一方、原稿台10上に置かれた原稿Gに対し、原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサが一体のユニット9となって原稿を照射しながら走査することによって結像されて、CCDセンサに入射される。
【0016】CCDセンサは、受光部、転送部、出力部より構成されている。CCD受光部において光信号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。得られたアナログ信号は周知の画像処理を行なってデジタル信号に変換してプリンタ部に送られる。
【0017】プリンタ部においては、上記の画像信号を受けてON、OFF発光されるLED等の露光手段2により感光体ドラム1面上に、原稿画像に対応した静電潜像を形成する。次にこの静電潜像を、トナー粒子を収容した現像手段としての現像器4にて現像し、感光体ドラム1上にトナー像を得る。
【0018】このようにして、感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置7によって転写材上に静電転写される。その後転写材は、静電分離されて定着器6へと搬送され、熱定着されて画像が出力される。
【0019】一方、トナー像転写後の感光体ドラム1の面は、クリーナ5によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去、必要に応じて像露光の光メモリ(ゴースト)を除去する前露光手段8による露光を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0020】次に感光体ドラム1の感光体の構造を示す。図2は本実施形態において用いた感光体ドラム1における、ポジ帯電性のa−Si系感光体の構造を示す模式的な断面図である。
【0021】図2に示すアモルファスシリコン系感光体(a−Si系感光体)は、Al(アルミニウム)等からなる導電性支持体11と、導電性支持体11の表面上に順次堆積された感光層15(電荷注入阻止層12、光導電性を示す光導電層13)と、表面層14とからなる。
【0022】ここで、電荷注入阻止層12は、導電性支持体11から光導電層13への電荷の注入を阻止するためのものであり、必要に応じて設けられる。また、光導電層13は少なくともシリコン原子を含む非晶質材料で構成され、光導電性を示すものである。さらに、表面層14はシリコン原子と炭素原子(さらに、必要により水素原子あるいはハロゲン原子又はその両方の原子)を含み、電子写真装置における潜像を保持する能力をもつものである。
【0023】また、前記a−Si系感光体の帯電手段30としては、従来からコロナ帯電を用いた装置が実用化されている。しかし、a−Siは比誘電率が11〜12と有機感光体に比べ大きいため、静電容量が大きくなり、それに伴い帯電能の低下、放電による潜像の流れにより、画像流れ等が発生しやすくなる。
【0024】これに対して、帯電手段30の帯電部材として導電性ローラやファーブラシローラ、磁性粒子を担持したマグネットローラ等を用いた接触帯電部材を用い、感光体に対して十分な接触状態を保つ条件で、a−Si系感光体を帯電する方法がある。これによるとa−Si系感光体表面が109〜1014Ω・cmの材質からなる層により形成されていることにより、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分とほぼ同等の帯電電位を感光体ドラム1表面に得ることが可能である。
【0025】このような帯電方法は、放電を用いずに、電荷を直接感光体に注入し帯電を行なうため、注入帯電と称する。この注入帯電を用いれば、感光体ドラム1への帯電がコロナ帯電器を用いて行なわれるような放電現象を利用しないので、完全なオゾンレス、かつ低電力消費型の帯電が可能となり注目されている。また、帯電能の低下や画像乱れが防止できると共に、印加した電圧近傍に帯電されるため、電位の制御を行なうことも容易となる。そこで、本実施形態においては、磁気ブラシ方式の接触帯電装置を用いている。
【0026】磁気ブラシ方式の接触帯電装置は、導電性の磁性粒子を直接マグネット、あるいはマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させ、停止、あるいは回転しながら感光体ドラム1に接触させ、これに電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0027】図3は帯電手段としての磁気ブラシ帯電器30aの構成を示した概略図である。磁気ブラシ帯電器30aは、内部に固定マグネット32が設けられ、回転自在の非磁性の帯電スリーブ33上に磁性粒子規制手段31によって規制された帯電用磁性粒子34が磁界によってブラシ状に形成されて、帯電スリーブ33の回転に伴い帯電用磁性粒子34が搬送される。
【0028】また、帯電スリーブ33は感光体ドラム1に対しカウンター方向(互いの当接部において、反対方向)に回転している。感光体ドラム1の回転速度は200mm/secであり、帯電スリーブ33の回転速度は250mm/secである。帯電スリーブ33に帯電電圧を印加することにより、帯電用磁性粒子34から電荷が感光体ドラム1上に与えられ、帯電電圧に対応した電位に近い値に帯電される。また、磁気ブラシ帯電器30aは、感光体ドラム1に対して帯電用磁性粒子34を供給する帯電スリーブ33の接触ニップ幅が6mmになるように調整されている。
【0029】次に静電潜像を顕像化させる現像工程について説明する。本実施形態においては、二成分接触現像を用いて行なった。図4は二成分磁気ブラシ現像用の現像器4の概略図である。
【0030】現像器4は、現像剤担持体としての現像スリーブ41と、現像スリーブ41内に固定配置されたマグネットローラ42と、トナー粒子及び磁性粒子を攪拌する攪拌スクリュー43、44と、現像剤を現像スリーブ41表面に薄層形成するために配置された規制ブレード45と、現像剤を収納するための現像容器46とを有する。現像スリーブ41の端部には、感光体ドラム1に対し最近接領域になる距離を制御するために、回転軸を現像スリーブ41と同軸に取り、感光体ドラム1に対して突き当てた状態で制御する不図示の制御部材としてのコロが設けられている。このとき、本実施形態においては、現像剤が感光体ドラム1に対して接触する状態で現像できるように設定されている。
【0031】本実施形態において用いた二成分現像剤は、体積平均粒径約8μmの粉砕法によって作成されたトナー粒子と、体積平均粒径約45μmの磁性粒子とを、重量比7:93(トナー粒子:磁性粒子)に混合したのもを用いている。また、現像スリーブ41には、交番電圧が印加される。本実施形態においては、直流成分300Vに対して、周波数6000Hz、振幅2000Vの交番電圧を重畳したものを現像バイアスとして用いた。
【0032】ここで、本実施形態において解決した問題点について説明する。a−Si系感光体はその製造方法が、ガスを高周波やマイクロ波でプラズマ化して固体化し、アルミシリンダー上に堆積させて成膜するため、プラズマが均一でないと膜厚ムラや組成ムラができてしまう。これにより、従来から現像部において、数10V程度の電位ムラが発生してしまっていた。これは、膜厚ムラにより静電容量の違いができ、帯電能の差が生じる現象とともに、前周の光メモリ(ゴースト)を消すために用いる前露光による帯電−現像間での電位減衰が、膜厚や組成によって差が生じ、現像部における濃度ムラをより増大させることにより発生する。
【0033】前記光メモリについて説明すると、a−Si系感光体を帯電し像露光を行なうと光キャリアを生成し電位が減衰する。しかしこのとき、a−Si系感光体は多くのタングリングボンド(末結合手)を有しており、これが局在準位となって光キャリアの一部を捕捉してその走行性を低下させ、あるいは光生成キャリアの再結合確率を低下させる。
【0034】したがって、画像形成プロセスにおいて露光によって生成された光キャリアの一部は、次工程の帯電時にa−Si系感光体に電解がかかると同時に局在準位から開放され、露光部と非露光部とでa−Si系感光体の表面電位に差が生じて、これが最終的に光メモリとなる。
【0035】そこで、前露光工程において均一露光を行なうことによりa−Si系感光体内部に潜在する光キャリアを過多にし前面で均一になるようにして、光メモリを消去することが一般的である。このとき、前露光手段8から発する前露光の光量を増やしたり、前露光の波長をa−Si系感光体の分光感度ピーク(約680〜700nm)に近づけることにより、より効果的に光メモリを消去することが可能である。
【0036】しかしながら、上記のようにa−Si系感光体に例えば膜厚ムラが存在すると、光導電層間にかかる電解が異なる。このため、前記局在準位からの光キャリアの開放に差が生じ、膜圧が薄い部分ほど電位減衰が大きく、感光体ドラム1の帯電部でたとえ均一に帯電できたとしても、感光体ドラム1の現像部では濃度ムラが生じてしまう。
【0037】また、帯電能についても、膜厚が薄い部分ほど静電容量が大きくなるため不利となり、帯電能が低下してくると上記の現像部での濃度ムラはより顕著となってしまう。この濃度ムラは、画像露光を行った場合にも残り、現像を行なうと特に目に認識されやすい低濃度領域で顕著な濃度ムラとして現れる。
【0038】また、濃度ムラの原因となる膜厚ムラや組成ムラによる電位ムラは、感光体ドラム1の長手方向及び周方向について発生するが、不規則なムラではなく、周方向のムラの周期性は長手方向について同様であり、長手方向の電位ムラは周方向についても同様の傾向をもつ。それらの例を次に説明する。
【0039】図5は感光体ドラム1の現像部における長手方向の電位ムラを示し、図6は感光体ドラム1の現像部における周方向の電位ムラを示した図である。このときの帯電条件としては、帯電スリーブ33に550V印加されており、帯電行程前に光メモリを消去するための前露光ランプを照射することにより、帯電から現像領域に達する間に暗減衰が大きくなり、現像部では150V程度の電位減衰を引き起こしている。
【0040】図5に示す長手方向の電位ムラは、例えば本体手前側の部位aが電位が低く本体奥側の部位a″が高い場合、他の周方向の部位についても傾向は同じであり、本体手前側の部位b、c、dの電位が低く本体奥側の部位b″、c″、d″の電位が高い。また図6に示す周方向の電位ムラも同様に、例えば部位bの電位が高く部位dの電位が低い場合、他の長手方向の部位についても傾向は同じであり、部位b′、b″の電位が高く部位d′、d″の電位が低い。以上のような電位ムラの傾向から、本実施形態においては、図5のような長手方向の電位ムラを改善し現像部における濃度ムラを改善することを目的としている。
【0041】本実施形態においては、現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を長手方向で変えることによって実現している。具体的には、電位が低くなる部位a、b、c、dの方がコントラストが小さくなるので、現像効率を高くするために現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を若干狭くし、電位が高くなる部位a″、b″、c″、d″の方がコントラストが大きくなるので逆に現像効率を落とすために現像スリーブと感光体ドラム1との間隔を若干広くしている。このとき、現像スリーブ41上にコートされる現像剤の量は、長手方向に均一に約45mg/cm2に制御されている。
【0042】図7に感光体ドラムと現像スリーブとの間隔と濃度ムラとの関係を示す図表を示す。部位a、b、c、dの現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔L1と、部位a″、b″、c″、d″の現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔L2とを様々な値に変えた。この結果、間隔L1が500μmで間隔L2が600μmの時、また、間隔L1が600μmで間隔L2が700μmの時といったように、間隔L1が間隔L2よりも間隔を若干狭くした場合、長手方向の濃度ムラが改善することがわかった。
【0043】ここで本実施形態の場合には、現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を拡げた場合に現像効率が低下し、狭めた場合に現像効率が向上したため、上記のような条件となったが、現像方式や現像剤の条件等によっては、例えば現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を拡げた方が現像効率が向上するような場合もあり、必ずしも上記のような条件になるとは限らない。本発明において重要な点は、長手方向の電位ムラがある場合、電位が低くコントラストの小さくなる部分の現像効率を、電位が高くコントラストの大きくなる部分の現像効率よりも高くするようにすることである。このため、画像形成における濃度ムラを改善することができる。
【0044】(第2実施形態)本発明の第2実施形態の説明を図を用いて行なう。本実施形態において前述した実施形態と同様の構成には、同符号を付し、説明を省略する。第1実施形態においては、図5及び図6に示すような電位ムラを有する感光体ドラム1の長手方向の電位ムラを改善する方法の一例を示したが、本実施形態においては、図8及び図9に示すような電位ムラを有する感光体ドラム1の、現像部における長手方向の濃度ムラを改善する方法の一例を示す。
【0045】図8に示すように、例えば長手方向中央部の電位が高く、両端部が低い場合、第1実施形態のような現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を両端部で変えるという方法では濃度ムラの改善ができない。
【0046】そこで、本実施形態においては、現像スリーブ41に担持される現像剤の量を長手方向について差を持たせることにより濃度ムラの改善を行なった。また、第1実施形態と同様のポジ帯電性のa−Si系感光体を用い、現像器4以外の構成は第1実施形態と同様とした。
【0047】本実施形態において用いた現像器4は、基本的には第1実施形態と同様であるが、現像剤を現像スリーブ41表面に薄層形成するために配置された規制ブレード45が、現像スリーブ41中央部と端部で規制ギャップ間が変わるように曲率をもたせて設定されている。尚、本実施形態においては、中央部が700μm、端部が800μmになるように設定されている。このように設定することにより、中央部の現像剤量が45mg/cm2、端部の現像剤量が52mg/cm2に制御された。
【0048】このように、現像剤量を現像器4の長手方向で変えて設定することにより、現像スリーブ41の長手方向中央部の電位が高く両端部が低い場合について、濃度ムラを改善することが可能となる。具体的には、感光体ドラム1の現像部において、図8のように、中央部の部位a´、b´、c´、d´の電位が、端部の部位a、b、c、d及び部位a″、b″、c″、d″の電位よりも高くなるような場合に、現像条件を同等に行なうと、中央部の方が端部よりもコントラストが取れなくなるため濃度が低くなってしまう。これに対して、上記のように現像剤量を中央部の方が多くなるようにしてやることにより現像効率が向上し、中央部と端部との濃度差が改善されるようになる。
【0049】本実施形態のように、長手方向で現像剤量を変えて、長手方向の濃度ムラを改善する方法の場合、第1実施形態のように、奥、手前といったような一方向的な長手方向の濃度ムラだけでなく、本実施形態のように中央部の電位が高い場合や低い場合等にも対応することが可能となる。
【0050】(第3実施形態)本発明の第3実施形態の説明を図を用いて行なう。本実施形態において前述した実施形態と同様の構成には、同符号を付し、説明を省略する。第1実施形態及び第2実施形態においては、帯電手段として磁性粒子を用いた接触帯電方式の磁気ブラシ帯電器30aを用いたが、本実施形態においては、帯電手段として図10に示すような構成の帯電ローラ36を有する接触帯電器30bを用いた。接触帯電器30bは、帯電ローラ36と、帯電ローラ36の帯電の促進を目的とした導電性粒子である帯電促進粒子37と、帯電促進粒子37を帯電ローラ36に供給するための帯電促進粒子塗布手段35とを有する。
【0051】本実施形態において用いた帯電ローラ36は芯金上にゴム或は発泡体の中抵抗層を形成することにより構成される。中抵抗層は樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラ状に形成した。その後、必要に応じて表面を研磨して直径12mmの弾性導電ローラを作成した。
【0052】本実施形態のローラ抵抗を測定したところ100kΩであった。これはローラの芯金に総圧1kgの荷重がかかるようφ30のアルミドラムに圧着した状態で、芯金とアルミドラムに100Vを印加し、計測した。ここで、弾性ローラは電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせ、十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。
【0053】一方では被帯電体にピンホール等の欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リーク性とを得るには104〜107Ωの抵抗が望ましい。
【0054】帯電ローラ36の材質としては、弾性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴム、IR等に、抵抗調整のためカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム剤やこれらを発泡させたものがあげられる。また、特に導電性物質を分散せずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0055】本発明のa−Si系感光体の感光体ドラム1を用いた画像形成装置においては、上記のような帯電ローラ36を当接し、電圧を印加することにより帯電をすることが可能であるが、より好ましくは接触性を向上させることと、摩擦力を低下させるため、本実施形態においては帯電ローラ36に対して、帯電促進を目的にした帯電促進粒子37を塗布する構成を採用している。
【0056】帯電ローラ36と感光体ドラム1との接触ニップには、帯電促進粒子37が塗布された状態で感光体ドラム1の帯電が行なわれる。これにより、帯電ローラ36は感光体ドラム1との速度差を持って接触できるとともに、帯電促進粒子37を介して密に感光体ドラム1に電荷を注入することができる。従って、帯電ローラ36のみの場合よりも高い帯電効率を得ることができ、帯電ローラ36に印加した電位とほぼ同等の電位を感光体ドラム1に与えることができる。
【0057】本実施形態では、帯電促進粒子37として、比抵抗が106Ω・cm、平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いた。粒子の材料としては、他の金属酸化物等の導電性無機粒子や有機物との混合物等、各種導電粒子が使用可能である。ここで、粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行なうため比抵抗としては1010Ω・cm以下が望ましい。
【0058】ここで抵抗測定の方法は、錠剤法により測定し正規化して求めた。底面積2.26cm2の円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ、上下電極に15kgの加圧を行なうと同時に100Vの電圧を印加して抵抗値を計測した。その後、正規化して比抵抗を算出した。また、粒径は良好な帯電均一性を得るために50μm以下が望ましい。粒径の下限値は、粒子が安定して得られるものとして10nmが限界である。
【0059】本実施形態において、粒子が凝集体として構成されている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子顕微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を算出しその50%平均粒径を持って決定した。
【0060】また、帯電促進粒子37を帯電ローラ36と感光体ドラム1との接触ニップに均一に供給するために、図10のような構成により帯電促進粒子塗布手段35を供給手段として設けた。帯電促進粒子塗布手段35は帯電ローラ36に当接し、帯電ローラ36に対して帯電促進粒子37を供給する構成をとる。そして、帯電ローラ36の回転に伴い一定量の帯電促進粒子37が帯電ローラ36に塗布される。より簡易な構成としては、帯電促進粒子37を含ませた発泡体、あるいはファーブラシを感光体ドラム1に当接させる方法等があるが、本構成に限定するものではない。
【0061】本実施形態では、帯電ローラ36を感光体ドラム1に対して速度差を持って回転させている。そのために、弾性体より構成される帯電ローラ36の接触ニップ近傍は従動の場合に比べて大きく変形し、帯電ローラ36表面に付着している粒子は、感光体ドラム1上に移行しやすく、装置を使用するにつれて帯電ローラ36表面の粒子は減少してしまう。そこで、上記のように帯電促進粒子塗布手段35より帯電ローラ36に帯電促進粒子37を供給する構成をとる。
【0062】本実施形態の接触帯電器30bの動作について説明する。まず、帯電ローラ36の表面に、帯電促進粒子37が帯電促進粒子塗布手段35によって塗布される。その後、帯電ローラ36と感光体ドラム1との帯電部に到達する。帯電ローラ36は、ローラ表面が感光体ドラム1と互いに逆方向に等速度で駆動し、そのローラ芯金に帯電バイアスを印加した。これにより、感光体ドラム1の表面は印加電圧とほぼ等しい電位に帯電される。本実施形態において、帯電は帯電ローラ36と感光体ドラム1との接触ニップに存在する帯電促進粒子37が感光体ドラム1表面を隙間なく摺擦することで、直接帯電が行なわれる。
【0063】このような帯電方法で、感光体ドラム1上を帯電し、第1実施形態及び第2実施形態と同様の方法で、長手方向の濃度ムラの改善を試みた。現像器4としては、感光体ドラム1が図5及び図6のような電位ムラになる場合には、第1実施形態と同様に現像スリーブ41端部に感光体ドラム1に対し最近接領域になる距離を制御するためのコロを設け、電位が低くコントラストが小さくなる部分の現像効率を、電位が高くコントラストが大きくなる部分の現像効率よりも高くなるように、現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を制御した。
【0064】また、感光体ドラム1が図8及び図9のような電位ムラになる場合には、第2実施形態と同様に、現像剤を現像スリーブ41表面に薄層形成するために配置された規制ブレード45を、現像スリーブ41中央部と端部で規制ギャップ間が変わるように曲率をもたせて設定し、塗布される現像剤量を、電位が低くコントラストが小さくなる部分に対して、コントラストが大きくなる部分よりも多く塗布するようにした。
【0065】このように、第1実施形態及び第2実施形態と同様の方法を取ることにより、帯電方式が異なる場合でも、長手方向の電位ムラがある場合、電位が低くコントラストが小さくなる部分の現像効率を、電位が高くコントラストが大きくなる部分の現像効率よりも高くなるようにすることにより、長手方向の電位ムラによる濃度ムラを改善することができる。
【0066】(第4実施形態)本発明の第4実施形態の説明を図を用いて行なう。本実施形態において前述した実施形態と同様の構成には、同符号を付し、説明を省略する。
【0067】前述の実施形態においては、現像方式として磁性粒子と非磁性トナーを用いた二成分現像方式を用いたが、本実施形態においては、非磁性一成分非接触現像、非磁性一成分接触現像、磁性一成分非接触現像の場合について評価を行なった。
【0068】ここで、非磁性一成分非接触現像とは、非磁性のトナーを現像スリーブ上に、例えば弾性ブレード等でコーティングし、現像スリーブと感光体ドラム1とが非接触の状態で、交番電圧によってトナーを飛翔させて現像を行なう方式である。
【0069】また、非磁性一成分接触現像とは、非磁性のトナーを現像スリーブ上に、例えば弾性ブレード等でコーティングし、現像スリーブと感光体ドラム1とを接触の状態で、直流電圧によってトナーを感光体ドラム1上の静電潜像に転移させて現像を行なう方式である。
【0070】また、磁性一成分非接触現像とは、磁性のトナーを現像スリーブ上にスリーブ内部のマグネットローラの磁気力によって拘束されたトナーを、弾性ブレード等でスリーブ上の現像剤量を調整し、現像スリーブと感光体ドラム1とが非接触の状態で、交番電圧によってトナーを飛翔させて現像を行なう方式である。
【0071】まず、非磁性一成分非接触現像において、長手方向の濃度ムラの改善をする方法の一例としては、例えば図5及び図6のような電位ムラがある場合には、二成分現像装置の場合と同じように、現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔を現像スリーブ41端部に設けられたコロを用いて、電位が低くコントラストが小さくなる部分の現像効率を、電位が高くコントラストが大きくなる部分の現像効率よりも高くなるように、制御する。ここで、非接触現像の場合には二成分現像のように現像剤が接触する場合よりも、間隔を狭めた方が良好な画像を得ることができる。
【0072】本実施形態では、具体的には図5及び図6における部位a、b、c、dの現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔をL1、部位a″、b″、c″、d″の現像スリーブ41と感光体ドラム1との間隔をL2とすると、間隔L1が250μmの時で間隔L2が300μmといった条件下において長手方向の電位ムラによる、濃度ムラが改善することがわかった。
【0073】また、図8及び図9のような電位ムラがある場合には、例えばトナーをコーティングする弾性ブレードの規制圧や現像器4内で現像スリーブ41に当接した状態でトナーの供給や剥ぎ取りを行なう弾性ローラのローラ径を長手方向で変え、感光体ドラム1への加圧状態を変化させる等の方法により、現像スリーブ41上のトナー量を長手方向で適正状態に変えて制御し、トナー量を、電位が低くコントラストが小さくなる部分よりも、電位が高くコントラストが大きくなる部分に多くなるように設定することにより、長手方向の電位ムラによる、濃度ムラが改善できることが確認できた。
【0074】また、非磁性一成分接触現像の場合には、接触状態であることと接触ニップがあまり現像性に影響を及ぼさないため、第1実施形態の図8及び図9のような電位ムラの感光体ドラム1においても、第2実施形態のように現像スリーブ41上のトナーコーティング量を制御する方法の方が好ましい。
【0075】磁性一成分非接触現像の場合には、ほぼ非磁性一成分非接触現像と同等の方法で長手方向の濃度ムラを改善することができる。
【0076】このように、様々な現像方式についても特に制限はなく、長手方向の電位ムラがある場合、電位が低くコントラストが小さくなる部分の現像効率を、電位が高くコントラストが大きくなる部分の現像効率よりも高くなるようにすることにより、長手方向の電位ムラによる濃度ムラの改善ができることがわかった。
【0077】(他の実施形態)前述した実施形態においては、帯電手段30として注入帯電方式である磁性粒子を用いた磁気ブラシ帯電器30aと、帯電ローラに帯電促進粒子を塗布した接触帯電器30bとを例示して説明したが、これに限るものではなく、例えばコロナ帯電器、ファーブラシ帯電器、帯電促進粒子を塗布しないローラ帯電等としてもよい。
【0078】また、前述した実施形態においては、感光体ドラム1としてポジ帯電のa−Si系感光体を例示して説明したが、これに限るものではなく、ネガ帯電のa−Si系感光体でも同様の効果が得られることも確認している。即ち、感光体ドラムの帯電極性や層構成によらず、a−Si系の感光体ドラムで長手方向の電位ムラが発生する場合に、本発明は十分な効果を発揮する。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、少なくともアモルファスシリコンを含む感光体ドラムと、該感光体ドラムに帯電をする帯電手段と、該感光体ドラムに静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、前記現像手段により前記静電潜像を現像する際の現像条件を、前記感光体ドラムの長手方向について変化させたため、画像形成における濃度ムラを改善することができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成13年6月13日(2001.6.13)
【代理人】 【識別番号】100066784
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 周吉 (外1名)
【公開番号】 特開2002−365905(P2002−365905A)
【公開日】 平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願番号】 特願2001−178175(P2001−178175)