| 【発明の名称】 |
画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石原 徹
【氏名】小井土 健二
|
| 【要約】 |
【課題】ワックスが現像ローラ、現像ブレードに付着するフィルミング現象を防止する画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤として常温で固体を維持し、定着時に溶融するワックスを含むトナー5dを用い、現像装置5の現像ローラ5a又はトナー搬送ローラ5cの少なくとも一方がシロキサンからなるオリゴマーを析出するシリコーンローラからなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 現像装置により感光体上に現像したトナー像を印刷媒体上に転写し、該トナー像を印刷媒体に加熱定着させる画像形成装置において、現像剤として常温で固体を維持し、定着時に溶融するワックスを含むトナーを用い、現像装置の現像ローラ又はトナー搬送ローラの少なくとも一方がシロキサンからなるオリゴマーを析出するシリコーンローラからなることを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】 シリコーンローラは、未硬化シロキサンを10〜8000ppm含有する請求項1記載の画像形成装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式の画像形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置は、帯電装置による感光体表面への一様な帯電、LED(発光ダイオード)ヘッド、あるいはレーザーヘッドを用いた露光装置による感光体表面への静電潜像の形成、現像装置による静電効果を用いたトナーによる静電潜像の現像化、転写装置によるトナー像の印刷媒体への転写、定着装置による印刷媒体へのトナー像の定着を経て、印刷を行う。 【0003】このような印刷プロセスにおいて、定着装置へのトナーの付着、所謂、ホットオフセットを防止するため定着装置の表面にオイルを補給している。また、オイルレス方式の場合には、トナーの中にワックスを大量に添加している。 【0004】特に、カラー印刷の場合には、OHP用紙に対する透過性を確保するために極めて粘性の低い熱溶融性を与える必要があり、定着装置の表面へのオイルの補給、あるいはトナーの中へのワックスの添加は必要である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来の画像形成装置にあっては、トナーの中にワックスを大量に添加した場合、たとえ定着時にはワックスが溶融して定着装置へのホットオフセットを防止し得ても、ワックスは常温で固体であり、オフセット防止能力が小さくなって、現像ローラ、現像ブレードあるいはこれに代わるトナー層厚調整部材表面に付着する、所謂、フィルミング現象を発生し、印刷品質を低下させるという問題点があった。 【0006】本発明は、ワックスが現像ローラ、現像ブレードに付着するフィルミング現象を防止する画像形成装置を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の画像形成装置においては、現像剤として常温で固体を維持し、定着時に溶融するワックスを含むトナーを用い、現像装置の現像ローラ又はトナー搬送ローラの少なくとも一方がシロキサンからなるオリゴマーを析出するシリコーンローラからなるようにしたものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、各図面に共通な要素には同一符号を付す。 【0009】図1は実施の形態による画像形成装置の模式図である。画像形成装置1は、感光体ドラム2の周囲に帯電装置3、露光装置4、現像装置5、転写装置6を配置し、感光体ドラム2と転写装置6との当接部を通る媒体搬送路7の下流に定着装置8を配置している。 【0010】帯電装置3は帯電ローラ3aにマイナスの高電圧を印加して感光体ドラム2の表面に一様な負の電荷を帯電させ、露光装置4は印刷データに応じて発光素子を点灯させ、一様に帯電された感光体ドラム2の表面の電圧を略0V近傍まで降下させて静電潜像を形成する。 【0011】現像装置5は現像ローラ5aと現像ブレード5bとトナー搬送ローラ5cと現像剤としてのトナー5dを有し、感光体ドラム2の表面の電圧より低いマイナスの高電圧を現像ローラ5a及び現像ブレード5bに印加してトナーに負電荷を帯電させ、現像ブレード5bにより現像ローラ5aの表面に薄層化する。 【0012】現像ローラ5aは感光体ドラム2に対して接触型の場合には、ローラ表面が滑らかなゴムローラから構成され、非接触型、例えば磁性現像方式の場合には、ローラ表面がゴム層である必要はない。トナー搬送ローラ5cはスポンジ状のローラから構成される。 【0013】転写装置6は転写ローラ6aにプラスの高電圧を印加して媒体搬送路7に沿って搬送される印刷媒体9に正の電荷を帯電させる。 【0014】定着装置8は加熱ローラ8aと加圧ローラ8bとを有し、トナー5dを転写された印刷媒体9がローラ圧接部を通過する際にトナー5dを印刷媒体9に融着する。 【0015】感光体ドラム2、帯電ローラ3a、現像ローラ5a、トナー搬送ローラ5c、加熱ローラ8a、加圧ローラ8bは図示せぬ制御部により制御される図示せぬモータにより矢印方向に回転駆動される。 【0016】次に動作について説明する。制御部が図示せぬ上位装置から印刷コマンドと印刷データとを入力すると、感光体ドラム2、帯電ローラ3a、現像ローラ5a、トナー搬送ローラ5c、加熱ローラ8a、加圧ローラ8bをそれぞれ矢印方向に回転させる。 【0017】ついで、制御部は帯電装置3を通じて帯電ローラ3aにマイナスの高電圧を印加して感光体ドラム2の表面に一様な負の電荷を帯電させ、露光装置4を通じて発光素子を点灯させ、一様に帯電された感光体ドラム2の表面に静電潜像を形成する。 【0018】ついで、制御部は現像装置5を通じて現像ローラ5a、トナー搬送ローラ5cにマイナスの高電圧を印加してトナー5dに負電荷を帯電させ、静電効果によりトナー5dを静電潜像に付着させて現像化する。 【0019】ついで、制御部は転写装置6を通じて転写ローラ6aにプラスの高電圧を印加して、媒体搬送路7に沿って搬送される印刷媒体9に正の電荷を帯電させ、現像化されたトナー像を感光体ドラム2の表面から印刷媒体9に転写させる。トナー像を転写した印刷媒体9は、加熱ローラ8aと加圧ローラ8bとの圧接部を通過する際にトナー5dを融着される。 【0020】ところで、本実施の形態では現像剤として、常温で固体を維持するとともに定着時に溶融する潤滑剤(以後ワックスと記する)を含むトナー5dを用い、現像装置5の現像ローラ5a又はトナー搬送ローラ5cの少なくとも一方がシロキサンからなるオリゴマーを析出するシリコーンローラからなる。 【0021】このことについて以下図2、図3をも参照して詳細に説明する。図2はワックス量と非オフセット温度範囲と透過率との関係を示す説明図、図3はシリコーンローラの未硬化シロキサン量とフィルミング、印字かすれの有無との関係を示す説明図である。 【0022】トナー5dの組成は、ポリエステル樹脂(数平均分子量Mn=3700、ガラス転移点Tg=62°C)100重量部、フタロシアニンブルー4.5重量部、帯電制御剤2.5重量部に対してカルナバワックス(融点80°C前後)の重量部を変える。例えば、図2に示すように、ワックス4の場合にはカルナバワックス4重量部加える。 【0023】この混合物をヘンシェルミキサーで攪拌したのち、ロールミルで120°C、時間凡そ30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混錬物を粉砕、分級し、平均粒径8μmのトナーにする。 【0024】シリコーンローラは、ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%とからなる平均重合度が約8000のメチルビニルポリシロキサン100部と、処理シリカR−972(日本エアロジル製)20部と、球状シリコーンエラストマー粒子(シリコーンパウダー)KMP594(粒径3〜10μm、信越化学工業社製)130部とを配合し、更にアセチレンブラックを13部添加して混錬し、次いで有機過酸化物2.5−ジメチルー2.5(t−ブチルパーオキサイド)へキサンを1.6部を混錬し、得られたコンパウンドを用いて成形条件(温度170°C、時間15分、圧力30Kg/平方cm)で成形し、2次加硫条件(温度200°C、時間2H)で加硫を行い、その後円筒研磨機で所要の直径に研磨する。 【0025】このシリコーンローラのゴム片をメチルエチルケトン(以後MIBKと記する)20mlで24時間抽出、遠心分離機にて上層MIBK溶液を分取し、ICP発光分析にて未硬化シロキサン量をSi量から定量したところ8000ppmであった。 【0026】上述したシリコーンローラを現像ローラ5aとして、また、上述したトナー5dを現像剤として現像装置5に組み込み、用紙(XEROX 4200)に印刷デューティ100%で印刷したところ、図2に示すように、非オフセット温度範囲は100°C〜200°C(目視確認)、OHP用紙に対する透過率は70%(3M製、OHP CG3300)を得た。プロジェクタを用いた透過光での目視でも極めて鮮やかな印刷であることが確認できた。 【0027】これは、定着装置8が140°C〜160°C程度で定着工程を行い、トナー5dを溶融させる。このときカルナバワックスは定着温度より低い80°C前後で溶融することにより、液体になってオイルとして作用し、ホットオフセットを防止する。 【0028】また、連続3万枚の印刷を行ったところ、初期と全く変わらない極めて高品位な印刷物が得られた。このとき現像ローラ5a、現像ブレード5bには、図3に示すように、トナー5dのフィルミングは見られなかった。これはシリコーンローラから析出される未硬化シロキサンなどからなるオリゴマーが、常温で固化したワックスが現像ローラ5a、現像ブレード5bに付着することを防止しているからである。 【0029】さらにワックス量を増量すると、図2に示すように、非オフセット温度範囲は90°C〜210°Cと広がり、透過率も72%に増大することがわかる。 【0030】次にトナー5dの組成を一定(上述したワックス4重量部)にして、シリコーンローラに含まれる未硬化シロキサン量を変えてみたのが図3である。 【0031】シリコーンローラの未硬化シロキサン量が10〜8000ppmの場合には現像ローラ5a、現像ブレード5bの表面にトナー5dが付着するフィルミング現象、印字かすれを発生せず、未硬化シロキサン量が5ppmの場合には印字かすれは発生しないが、フィルミング現象が発生する。 【0032】また、未硬化シロキサン量が10000ppmの場合にはフィルミング現象は発生しないが、印字かすれが発生する。 【0033】従って、本実施の形態ではシリコーンローラに含有される未硬化シロキサン量を10〜8000ppmとする。 【0034】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載される効果を奏する。 【0035】現像剤として常温で固体を維持し、定着時に溶融するワックスを含むトナーを用い、現像装置の現像ローラ又はトナー搬送ローラの少なくとも一方がシロキサンからなるオリゴマーを析出するシリコーンローラからなるようにしたことにより、定着時にはワックスが溶融して定着装置へのホットオフセットを防止し、現像時には、シリコーンローラから析出したシロキサンからなるオリゴマーの潤滑作用により、ワックスが現像ローラ、現像ブレードに付着するフィルミング現象を防止するので、印刷品質を向上させるという効果が期待できる。 【0036】更には、シリコーンローラからのオリゴマーの析出は、長期にわたって続くので、一般的な使用状態では現像装置の寿命を超える期間の析出が期待でき、現像装置寿命中のフィルミング現象を防止することが期待できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591044164 【氏名又は名称】株式会社沖データ
|
| 【出願日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089093 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 健治
|
| 【公開番号】 |
特開2002−351209(P2002−351209A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月6日(2002.12.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−160376(P2001−160376) |
|