| 【発明の名称】 |
現像装置及びプロセスカートリッジ |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 秀明
|
| 【要約】 |
【課題】現像装置内の現像剤残量を検出できる画像形成装置において、現像剤量検知用の電極への水分の付着を最小限に抑え、使用環境の変化による誤検知を有効に防止でき、しかも、白抜け画像が発生し、カートリッジを交換する必要が生じた際の現像剤容器内の現像剤残量を極力少なく抑えることで現像剤の無駄をなくす信頼性・経済性に優れた現像装置、及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】電子写真画像形成装置本体に用いられる電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像装置において、上記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像部材と、現像剤残量検知用の電極とを有し、該現像剤残量検知用の電極のうち少なくとも一つが、水に対する接触角が90度以上の表面を有する現像装置、及びこれを用いたプロセスカートリッジ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子写真画像形成装置本体に用いられる電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像装置において、上記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像部材と、現像剤残量検知用の電極とを有し、該現像剤残量検知用の電極のうち少なくとも一つが、水に対する接触角が90度以上の表面を有することを特徴とする現像装置。 【請求項2】 前記現像剤残量検知用の電極の表面が、フッ素を含む潤滑性粉体を有する請求項1記載の現像装置。 【請求項3】 前記電子写真画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、少なくとも請求項1又は2に記載の現像装置を含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームプリンタや複写機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる現像装置、該現像装置を有する上記画像形成装置に着脱自在に装着可能に構成されたプロセスカートリッジに関する。更に詳しくは、特に、このプロセスカートリッジ内のトナー残量を正確に検知する手段を有する現像装置、該現像装置を有するプロセスカートリッジに関する。ここで、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つと、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能としたもの、或いは、少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能としたものをいう。 【0002】 【従来の技術】従来より、電子写真複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が広く用いられているが、かかる画像形成装置では、画像情報に対応した光を、均一に帯電された電子写真感光体に照射して静電潜像を形成し、この潜像に現像手段を用いて現像剤(トナー)を供給して顕像化し、更に、感光体から記録媒体へトナー画像を転写し、その後、定着することで記録媒体上に画像を形成している。上記現像手段には現像剤収納容器が連結されており、画像を形成することで現像剤は順次消費されるため、現像剤がなくなると上記容器内へ現像剤を補給する必要が生じている。 【0003】このため、上記画像形成装置においては、電子写真感光体、現像剤等の消耗品の交換、メンテナンスの簡便性を図る目的で、電子写真感光体と、電子写真感光体に作用するプロセス手段としての、現像手段、帯電手段、クリーニング手段、更には現像剤収納容器や廃現像剤容器等をプロセスカートリッジとして一体化し、画像形成装置本体に対して着脱可能としたプロセスカートリッジ方式がある。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスを、サービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。このため、近年では、電子写真画像形成装置において、このプロセスカートリッジ方式が広く用いられている。 【0004】又、例えば、複数色の現像剤による現像手段を有するカラー画像形成装置においては、現像手段における現像剤の消耗具合が色によって違う場合等に鑑み、特定の色についての現像手段と現像剤収納容器とをカートリッジ化し、各色毎に構成した現像カートリッジを画像形成装置に対して着脱可能とすることで、個別に交換できるようにしたものもある。このような構成のカートリッジ方式の画像形成装置では、使用者は、例えば、ある色の現像剤がなくなった時点で、該当する色に対応したカートリッジを交換することで、再び画像を形成することが可能となる。そのため、このような画像形成装置には、現像剤が消費され、現像剤がなくなった場合にそれを検知し、使用者に報知する手段、即ち、現像剤量検出装置を備えることがある。現像剤量検出装置は、カートリッジ内に、画像形成に供することができる現像剤がどのくらい残っているかを随時知ることを可能とするために、現像剤の残量レベルを検知できる現像剤残量検知手段を、カートリッジ又は画像形成装置本体に備えている。 【0005】特に、現像剤がなくなったことを使用者に報知するだけではなく、現像剤の量を逐次に検知して報知することによって、使用者の利便性を更に向上したものもある。このような画像形成装置では、現像剤が未使用時の何%だけ残っているかを算出して使用者に逐次報知したり、又、所定品位の画像形成が行えない程に現像剤が減っていることを示す「現像剤なし」表示を行い、画像不良が起こる前に現像剤が残り少なくなったことを使用者に警告したりする方式のものがある。 【0006】この現像剤量を検知する手段として、電極となる板金を、現像剤担持体に対向する箇所、若しくはその他の複数の箇所に設けて、この板金と現像剤担持体との間、及びこれら板金と板金との間の静電容量が、絶縁性トナー等で構成されている現像剤の量に応じて変化することを利用したものがある。即ち、この板金と現像剤担持体との間、若しくは板金と板金との間の空間が現像剤で埋まっていれば、その間の静電容量は大きくなり、現像剤が減るにつれて両者の間の空間を空気が占める率が増え、静電容量は小さくなっていく。従って、この板金と現像剤担持体との間の静電容量や、板金間の静電容量と現像剤量の関係を予め求めておけば、静電容量を測定することによって現像剤量を検知することができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のように現像剤残量レベルを検知できる現像剤残量検知手段が備えられていても、現像剤残量検知手段によって検出した現像剤残量の値と、実際に現像装置内に残っている現像剤量が一致しない、即ち、正確に現像剤の残量を検出できないことがあり、現像剤が少なくなって画像全域を可視化できず、画像不良が発生してしまう状態(以下、白抜け)が、「現像剤なし」の警告を発する前に発生してしまう場合がある。 【0008】又、上述のような電極を設けた現像剤量検出装置の場合、現像剤担持体と電極の間の静電容量、又は電極間の静電容量は、夫々の取り付け位置公差や、使用環境、及び現像装置内に収容される現像剤の種類等のばらつきによって、現像剤量検出値にばらつきを生じることがある。そのなかでも特に、使用環境による現像剤量検出値のばらつきは大きく、例えば、高温高湿環境では、低温低湿環境に比べて現像剤担持体と電極との間、或いは電極間に存在する水分が多くなるため、現像剤量が同じでも測定される静電容量は大きくなってしまうことが起こる。更に、実際には、プロセスカートリッジに記憶手段が搭載されている場合もあり、画像形成装置に着装して使用を開始する際に、画像形成装置本体との通信によってカートリッジの個体差及び使用環境による静電容量の差を補正し、書き込みがなされることがある。 【0009】しかしながら、例えば、使用途中で使用環境が低温低湿環境から高温高湿環境に変化した場合、電極表面への水分の付着或いは現像剤への水分付着よって静電容量が現像剤量の変化に伴わずに大きく変化してしまい、現像剤量検知の結果が、実際に現像装置内に残っている現像剤量とかけ離れてしまうという問題が発生することがある。このような、使用途中での環境変化に対して、使用環境を逐次検知する別の手段を設けて、随時その情報を記憶手段に書き込んで補正を行う方法が有効であるが、コスト面から考えると、更に安価な手段が望まれる。 【0010】又、高温高湿環境では電極の表面に水分が付着することによって、現像剤も電極表面に付着するため、測定される静電容量に誤差が発生してしまい、正確な現像剤量を検知することが困難な場合がある。更に、高温高湿環境では、電極の表面に水分が付着することによって、現像剤が電極表面に付着することが起こり、白抜け画像が発生する時の現像剤残量が多くなってしまい、現像剤が有効に使用されずに無駄が生じることが起こる場合がある。 【0011】従って、本発明の主たる目的は、現像装置内の現像剤の残量を検出することのできる画像形成装置において、現像剤量検知用の電極への水分の付着を最小限に抑え、使用環境の変化による誤検知を有効に防止できる信頼性の高い現像装置、及びプロセスカートリッジを提供することにある。又、本発明の他の目的は、現像装置内の現像剤の残量を検出することのできる画像形成装置において、白抜け画像が発生し、カートリッジを交換する必要が生じた際における現像剤容器内の現像剤残量を極力少なく抑えることで、現像剤の無駄をなくすことができる経済性に優れた現像装置、及びプロセスカートリッジを提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明に係る第一の形態は、電子写真画像形成装置本体に用いられる電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像装置において、上記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像部材と、現像剤残量検知用の電極とを有し、該現像剤残量検知用の電極のうち少なくとも一つが、水に対する接触角が90度以上の表面を有することを特徴とする現像装置である。かかる構成にすることにより、現像剤量検知用の電極表面への水分の付着が最小限に抑えられ、使用環境の変化による誤検知を有効に防止することが可能となる。 【0013】又、本発明に係る第二の形態は、上記現像剤残量検知用の電極の表面が、フッ素を含む潤滑性粉体を有するものとした現像装置である。かかる構成にすることにより、現像剤量検知用の電極表面への水分の付着が最小限に抑えられ、使用環境の変化による誤検知を有効に防止することが可能となる。 【0014】又、本発明に係る第三の形態は、電子写真画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、少なくとも上記形態の現像装置を含むことを特徴とするプロセスカートリッジである。かかる構成にすることにより、現像剤量検知用の電極表面への水分の付着が最小限に抑えられ、使用環境の変化による誤検知を有効に防止することが可能となる。 【0015】 【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明で使用する水に対する接触角が90度以上の表面を有する現像剤残量検知用の電極は、具体的には、SUS等の金属からなる電極の表面が、フッ素を含む潤滑性粉体を有するように構成することで容易に得られる。フッ素を含む潤滑性粉体としては、高い離形性を有する材料であるフッ素原子を含む化合物、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化カーボン等が挙げられる。水に対する接触角が90度以上の表面を有する電極表面は、粉体状にしたこれらの化合物を、電極表面に均一に分散させた状態で存在させることで容易に得られる。 【0016】このような状態となるように、電極表面に上記に列挙した潤滑性粉体を均一に存在させるためには、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等のバインダー樹脂中に、上記に挙げた粉体を均一に分散させた塗工液を調製し、得られた塗工液を電極表面に塗工して表面層を設けることが好ましい。良好な表面層の形成のためには、上記塗工液を、スプレーコーティングや、浸透コーティング方法によって塗工することが好ましい。 【0017】本発明において、電極表面の水に対する接触角θの測定には、純水を用いて、共和界面科学(株)製の接触角度計CA−DS型で測定した。図11に、接触角に関する説明図を示したが、電極表面の水に対する接触角とは、θで表される角度のことである。 【0018】 【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。 (実施例1〜4及び比較例)本実施例の画像形成装置は、ホストコンピューターからの画像情報を受け取り、画像出力するレーザービームプリンタであり、感光体ドラムやトナー等の消耗品をプロセスカートリッジCとして本体から着脱自在とし、交換可能に構成された画像形成装置である。 【0019】本実施例の構成について、図1、図2を用いて説明する。図1に示したように、プロセスカートリッジCは、感光体1と、該感光体1を均一に帯電するための帯電手段7と、感光体1に対向配置された現像手段としての現像ローラ2を含む現像装置4と、クリーニング手段8と、クリーニング手段8によって感光体1から除去された残留トナーを収容するクリーナである廃トナー容器9とが、一体的に構成されている。 【0020】又、図2に示したように、画像形成装置であるレーザープリンター14には、上記構成のプロセスカートリッジCの上方に、画像情報に対応してレーザー光10を照射するレーザースキャナー11が、又、下方には感光体1に対向して転写手段12が配設されている。上記構成において、先ず、帯電手段7によって感光体1が均一に帯電され、該感光体1の表面に、レーザースキャナー11から照射されるレーザー光10によって走査露光がなされて、目的とする画像情報の静電潜像が形成される。次に、感光体1上の静電潜像は、現像ローラ2等の作用によって、トナー容器4内のトナーTが付着することでトナー像として可視化される。本実施例においては、この際に絶縁性磁性1成分トナーを用いた。 【0021】上記のようにして形成される感光体1上のトナー画像は、転写手段12で記録紙Pへと転写される。記録紙Pに転写されたトナー画像は、記録紙Pが定着手段13を通る際に記録紙上に定着され、その後、本体外部へと排出される。トナー容器4内には、撹拌手段3が設けられており、この撹拌手段3が回転することでトナーTはほぐされたり、現像ローラ2へと供給される。 【0022】本実施例においては、現像装置4のトナー容器内に、図1に示したような、トナー残量検知手段である電極板金100及び101が、現像装置4内の長手方向に全域にわたって配設されている。電極板金100及び101の板金材料は、基本的に電流を流すことのできる材料であれば何でもよいが、本実施例では、板金材料として、サビに強いSUSを使用した。図1に示すように、通常の現像バイアスである、例えば、2kHz程度の交流バイアスと−400V程度の直流バイアスが、現像ローラ2及び電極板金100である板金に印加される構成となっている。このため、現像ローラ2と電極板金101の間、及び、電極板金100と101の間で交流電流が流れ、電流測定装置6によって両者の合成電流値が計測され、この電流値から静電容量が計測される。 【0023】このように、本実施例では、電極板金100及び101を現像装置4内に配設し、現像装置4内トナーTの減少に伴って、電極板金100と101の間と、電極板金101と現像ローラ2との間での静電容量を観測することで、随時現像装置4内のトナーT量を知ることができるように構成されている。本実施例では、プロセスカートリッジに記憶手段が搭載されているが、図1に示したように、記憶手段(メモリ)20は、クリーナ容器9側に設置されている。これは、本実施例のプロセスカートリッジCは、図2に示したように、クリーナ容器9側を先頭にして画像形成装置14内に挿入する構成となっているので、メモリ20と、画像形成装置14の本体側の制御部22とが位置合わせし易いように考慮したからである。 【0024】図3を参照しながら、本実施例におけるメモリ制御構成を説明する。本実施例のプロセスカートリッジCは、廃トナー容器9の上側面部に、メモリ20とメモリ20への情報の読み書きを制御するためのカートリッジ側の制御部(伝達部)21を有している。図2に示したように、これらは、カートリッジCが画像形成装置14本体に装着された場合に、メモリ20と、画像形成装置側の本体制御部22とが互いに対向して配置されるように構成されている。図3に示したように、本体側の制御部22は、制御部23と本体残留検知検出部26とで構成されている。 【0025】本実施例に使用されるメモリ20としては、通常の半導体による電子的なメモリを特に制限なく使用することができる。特に、メモリ伝達部21が、メモリ20と、読み出し/書き込みICとの間のデータ通信を電磁波によって行う非接触メモリである場合は、カートリッジC側の制御部(伝達部)21と、本体制御部22との間が非接触であってもよいため、カートリッジの装着状態によって生じる恐れのある接触不良の可能性がなくなり、信頼性の高い制御を行うことが可能となる。 【0026】以上の本体側及びカートリッジ側の二つの制御部によって、メモリ20内の情報の読み出し及び書き込みを行うための制御手段が構成される。本実施例で使用するメモリ20の容量については、カートリッジ内のトナーの使用量、及びカートリッジ特性値等の複数個の情報を記憶するのに十分な容量をもつものとする。このカートリッジCに装着されたメモリ20には、現像装置4内における、使用されるに従って減少して行くトナーTの量が随時書き込み記憶されていく。 【0027】図4に、プロセスカートリッジC内のトナー量を検知するために使用できる回路構成を示した。図4において、現像バイアス印加手段としての現像バイアス回路104から所定のACバイアスを出力すると、その印加バイアスは、リファレンスコンデンサ105と現像ローラ106と、電極107に夫々印加される。これによって、リファレンス用コンデンサ105の両端には電圧V1が発生し、電極107及び108の電極間には静電容量C4に応じた電流が発生する。この電流を、演算式によって電圧V2に変換する。ここで、電極107及び108は、本実施例のプロセスカートリッジCにおける、現像装置4内に配置された電極板金100と、電極板金101とに対応する。 【0028】図4において、検出回路109では、入力されるリファレンス用コンデンサ105との両端に発生する電圧V1と、電極対間電圧V2の電圧差から電圧V3を生成し、AD変換部110に出力する。AD変換部110では、アナログ電圧V3をデジタル変換した結果を、本体制御部22に出力する。本体制御部22は、このデジタル値に変換された電圧値からプロセスカートリッジ内のトナー量を認識する。 【0029】以上のようにして本実施例では、トナー残量検出手段によって検出された静電容量値を、画像形成装置本体が電圧に変換し、図5に示したような電圧値で出力する。又、静電容量と電圧の関係は、画像形成装置の回路により様々であり、静電容量と電圧の関係が同じ減少関数であっても、増加関数であってもよい。上記のような制御方法によってトナーの逐次残量検知を行うプロセスカートリッジにおける現像装置は、図12に示したような構成をとっている。 【0030】以下、上記したようなプロセスカートリッジC内のトナー量を検知するための回路構成を用い、現像装置4内に配置させる電極についての検討を行った。先ず、比較例1として、その表面にいずれの処理も行っていないステンレス製の電極を用い、トナー量の残量の検知を行った。図6に、ステンレス製の電極を用い、その表面にいずれの処理も行わずに、現像装置内にトナーを200(g)を充填して画像形成を行い、白抜け画像が発生するまでの耐久を行ったときのトナー残量検知出力電圧の推移を示した。 【0031】この結果、図6に示したように、比較例1の場合は、現像ローラと電極の間、若しくは電極間での静電容量を測定してトナー残量を検知する場合、夫々の電極間に存在する水分の影響若しくは電極表面に付着する水分の影響によって、測定される静電容量の値が異なるため、実際のトナー残量が同じであっても出力されるトナー残量検知出力電圧に差が生じることがわかった。即ち、L/L環境(15℃、10%)、N/N環境(25℃、30%)、H/H環境(32℃、80%)の順で、湿度に反比例する形で検出電圧が低くなっており、L/L環境とH/H環境では0.3(V)の差が生じてしまうことが確認できた。このような状態で、例えば、使用途中で、使用環境をH/H環境からL/L環境に変化させた場合、全くトナーを消費していなくても、検出電圧が0.3(V)上昇してしまうことになり、その結果、実際のトナー残量よりも少ないトナー残量値を表示することが起こる。更に、その状態のまま使用を続けると、トナー残量表示が0%になったとき、即ち、カートリッジ交換時において、使われていないトナーがまだ十分残っているという状況が生じ、トナーの無駄に繋がることがわかった。 【0032】一方、逆に、使用途中で使用環境を、L/L環境からH/H環境に変化させた場合、全くトナーを消費していなくても、検出電圧が0.3(V)減少してしまい、その結果、実際のトナー残量よりも多いトナー残量値を表示してしまうことが起こる。更に、その状態のまま使用を続けると、トナー残量表示が0%になる前に、現像装置内のトナーはなくなり、白抜け等を生じた不良画像の発生が起こることがわかった。 【0033】図12は、本実施例で用いた現像装置であるが、現像剤と接触する電極100若しくは101の表面には、高い離形性を有する材料であるフッ素原子を含む潤滑性粉体が均一に分散している表面層を設けた。本実施例では、先ず、ポリテトラフルオロエチレンをポリアミド樹脂中に分散させて塗工液を作製し、得られた塗工液をスプレーコーティングによって電極表面に塗工することで表面層を設けた。このときに表面層の膜厚を変化させて、表面層に含有されているポリテトラフルオロエチレンの総固形分に対しての質量%と、電極表面の水に対する接触角θの関係を求めた。その結果を表1に示した。水に対する接触角の測定には、純水を用いて、共和界面科学(株)製の接触角度計CA−DS型で測定した。 【0034】
【0035】表1に示した各表面層をもつ電極を有する現像装置が設けられた比較例2及び実施例1〜3のプロセスカートリッジ内に、トナーを200(g)充填して、L/L環境(15℃、10%)、N/N環境(25℃、30%)、及びH/H環境(32℃、80%)の各条件下で白抜け画像が発生するまで、耐久試験を行った。比較例2及び実施例1〜3のプロセスカートリッジを用いた場合におけるこのときのトナー残量と検出電圧値の関係を、図7〜10に夫々示した。 【0036】図7は、比較例2のポリテトラフルオロエチレンを5質量%含有した表面層を有し、水に対する接触角が85度である電極を用いたときのトナー残量検出電圧値の推移であるが、比較例1での結果(図6)ほどは環境による検出電圧の差は大きくなかったが、L/L環境とH/H環境では0.15(V)程度の差があり、誤検知を生じる恐れが高いことがわかった。 【0037】図8は、実施例1のポリテトラフルオロエチレンを10質量%含有した表面層を有し、水に対する接触角が92度である電極を用いたときのトナー残量検出電圧値の推移であるが、L/L環境とH/H環境での検出電圧の差は0.09(V)程度であり、表面層を形成したことによる効果が大きく表れている。 【0038】図9は、実施例2のポリテトラフルオロエチレンを20質量%含有した表面層を有し、水に対する接触角が98度である電極を用いたときのトナー残量検出電圧値の推移であるが、L/L環境とH/H環境での検出電圧の差は0.08(V)程度であり、表面層の効果が、実施例1の場合よりも更に大きく表れることがわかった。 【0039】図10は、実施例3のポリテトラフルオロエチレンを30質量%含有した表面層を有し、水に対する接触角が105度である電極を用いたときのトナー残量検出電圧値の推移であるが、L/L環境とH/H環境での検出電圧の差は0.09(V)程度であり、実施例2の場合と同様に表面層の効果が大きく表れることがわかった。 【0040】以上の結果から、電極表面の水に対する接触角を90度以上にすることによって、電極表面への水の付着を防止でき、環境によるトナー残量検知出力値の差を小さく抑えられることが確認できた。即ち、上記のように構成された電極を用いれば、使用途中での使用環境の変化による誤検知の発生を有効に防止でき、正確なトナー逐次残量検知を行うことができることがわかった。又、電極表面への水分の付着を抑えることにより、トナーの付着も防止することができるため、白抜け時のトナー残量を極力少なくすることができ、トナーを無駄なく有効利用できるという特長も有している。 【0041】本実施例では、電極表面にコーティングすることによって、水に対する接触角を90度以上に調整したが、本発明は、コーティングに限定するものではなく、水に対する接触角を90度以上にできれば、その方法は問わない。又、本実施例では、トナー残量のレベル検知手段として静電容量の変化を利用する方法を用いたが、本発明は、この方式のトナー残量レベル検知手段に限定されるものではなく、トナー残量レベルを検知できれば、その方式は問わない。 【0042】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、現像装置内の現像剤残検知用の電極表面を、水に対する接触角を90度以上にすることによって、水分の付着を防止でき、使用環境の変化による誤検知を防止することができ、且つ、白抜け時の現像剤残量を極力少なくできるため、現像剤の無駄が発生しない現像装置、及びこれを用いたプロセスカートリッジが提供される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年5月24日(2001.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077698 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 勝広 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−351206(P2002−351206A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月6日(2002.12.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−156105(P2001−156105) |
|