| 【発明の名称】 |
電子写真の印写制御方法ならびにこれを用いた記録装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】三矢 輝章
【氏名】窪田 啓介
【氏名】馬淵 裕之
【氏名】石井 政義
【氏名】赤津 慎一
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| 【要約】 |
【課題】感光体の高精度な膜厚検出方法を提供する。また、感光体の劣化が発生しても全ての画像パターン対して経時的に安定な画質を保つ印写制御方法を提供する。さらに、感光体の劣化が発生しても全ての画像パターン対して経時的に安定な画質を保つ記録装置を提供する。
【解決手段】表面電位センサを現像機より感光体の回転方向の後方に配置し帯電領域の電位の変化から感光体膜厚を検出する。また、感光体表面の電位にフィードバック制御を加えることにより感光体表面の現像電位を経時的に安定に保ち、かつ感光体の膜厚を検出し帯電電位から放電電位に変化する領域にのみ補助的光量で露光を加える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】感光体と、該感光体の表面に施されている感光層に電荷を帯びさせる帯電器と、帯電した前記感光体に露光をあてて静電的な静電画像を形成する露光装置と、前記静電画像にトナー等の着色粒子を付着させるために供給する現像器とを有する電子写真の印写制御方法にあって、前記静電画像の領域である画像領域の電位を電位検出手段で検出し、この検知値に基づいて画像領域の電位が一定になるように制御し、かつ前記感光層の膜厚を検知するとともに画像領域の周辺電界を制御することを特徴とする電子写真の印写制御方法。 【請求項2】感光体と、該感光体の表面に施されている感光層に電荷を帯びさせる帯電器と、帯電した前記感光体に露光をあてて静電的な静電画像を形成する露光装置と、前記静電画像にトナー等の着色粒子を付着させるために供給する現像器とを有する電子写真の記録装置にあって、前記静電画像の領域である画像領域の電位を電位検出手段で検出し、この検知値に基づいて画像領域の電位が一定になるように制御し、かつ前記感光層の膜厚を検知するとともに画像領域の周辺電界を制御し、しかも電位検出手段は前記感光体の移動方向にしたがって前記現像器から前記帯電器に向かう範囲内に配置したことを特徴とする電子写真の記録装置。 【請求項3】請求項1に記載されたものにおいて、電位検出手段は電位センサであることを特徴とする電子写真の記録装置。 【請求項4】感光体と、該感光体の表面に施されている感光層に電荷を帯びさせる帯電器と、帯電した前記感光体に露光をあてて静電的な静電画像を形成する露光装置と、前記静電画像にトナー等の着色粒子を付着させるために供給する現像器とを有する電子写真の印写制御方法にあって、前記感光体の移動方向にしたがって前記現像器から前記帯電器に向かう範囲内に第1の電位センサを配置し、前記感光体の移動方向にしたがって前記帯電器から前記現像器に向かう範囲内に第2の電位センサを配置し、前記第2の電位センサの検知値に基づいて前記露光があたらない背景領域の電位を一定にするように制御し、前記感光層の膜厚の検知を前記第1の電位センサの検知値に基づいて行うことを特徴とする電子写真の印写制御方法。 【請求項5】請求項1に記載の電子写真の印写制御方法において、前記画像領域の周辺電界の制御に補助露光を用い、この補助露光を前記露光装置の露光があたらない背景領域の電位から画像領域の電位に変化する途中の位置に照射して、階段状の電位分布を形成させることを特徴とする電子写真の印写制御方法。 【請求項6】請求項5に記載の電子写真の印写制御方法において、前記階段状の電位分布を前記感光体に加える現像バイアス電圧の電位と前記背景領域の電位との間に少なくとも1つ形成することを特徴とする電子写真の印写制御方法。 【請求項7】感光体と、該感光体の表面に施されている感光層に電荷を帯びさせる帯電器と、帯電した前記感光体に露光をあてて静電的な静電画像を形成する露光装置と、前記静電画像にトナー等の着色粒子を付着させるために供給する現像器とを有する電子写真の印写制御方法にあって、前記静電画像の領域である画像領域の電位を電位検出手段で検出し、この検知値に基づいて前記画像領域のうちソリッド画像領域以外の画像領域の電位が一定になるように制御し、かつ前記感光層の膜厚を検知するとともにソリッド画像領域を含む画像領域の周辺電界を制御したことを特徴とする電子写真の印写制御方法。 【請求項8】感光体と、該感光体の表面に施されている感光層に電荷を帯びさせる帯電器と、帯電した前記感光体に露光をあてて静電的な静電画像を形成する露光装置と、前記静電画像にトナー等の着色粒子を付着させるために供給する現像器とを有する電子写真の記録装置において、前記静電画像の領域である画像領域の電位を電位検出手段で検出し、この検知値に基づいて画像領域の電位が一定になるように制御し、かつ前記感光層の膜厚を検知するとともに画像領域の周辺電界を制御することを特徴とする電子写真の記録装置。 【請求項9】該記録装置は請求項2から請求項7に記載のいずれか1つを用いたことを特徴とする請求項8記載の電子写真の記録装置。 【請求項10】 請求項9に記載のものにおいて、前記現像器に噴水型のものを用いたことを特徴とする請求項9に記載の電子写真の記録装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等のトナ−等の着色粒子を用いて画像を顕像化させる電子写真方式の記録装置に係り、特に感光体および記録紙の表面にトナ−画像を形成する帯電、露光、現像、転写から成る印写工程における印写制御方法およびこれを用いた記録装置に関する。 【0002】 【従来の技術】以下、従来の印写方法について説明する。電子写真方式を用いた記録装置は、着色粒子を記録体表面に画像として顕像化させる印写工程と顕像化された着色粒子画像を記録体に固着させる定着工程から成る。着色粒子には電子写真専用のトナーと呼ばれる粉末が用いられる。 【0003】帯電工程において感光体はその表面の全面が一旦帯電され、続いて露光工程において光を照射することにより部分的な電荷放電が行われる。ここに、感光体表面には帯電領域と放電領域による電位コントラストが形成され、これを静電潜像と呼ぶ。 【0004】次の現像工程では、まず、着色粒子であるトナー粒子を帯電させる。トナーの帯電方法にはキャリアビーズを用いる二成分現像方法やトナーと部材などとの摩擦により帯電を行う一成分現像方法がある。 一方、静電潜像の顕像化の方式として、バイアス現像と呼ばれる方法がよく用いられる。バイアス現像では、現像ローラにバイアス電圧を印加し、感光体表面に形成された潜像電位と現像ローラとの間に発生する電界の作用により帯電されたトナー粒子を現像ローラ表面の現像剤から分離して感光体表面に移動させ、作像が行われる。 【0005】潜像電位(すなわち感光体の像形成部分の電位)として、前述の帯電電位を用いてもよいし、放電電位を用いてもよい。一般に、潜像電位として帯電電位を用いる方法を正規現像法、放電電位を用いる方法を反転現像法と呼ぶ。帯電電位と放電電位のうち潜像電位として用いられない側の電位を背景電位と呼ぶ。現像ローラのバイアス電圧は帯電電位と放電電位の中間に設定され、潜像電位との差を現像電位差と呼ぶ。同様に、背景電位との差を背景電位差と呼ぶ。通常、背景電位差より現像性能そのものを左右する現像電位差の方を大きく設定する。 【0006】現像電位差が大きければ形成される電界(現像電界と呼ぶ)が強くなるので現像性能が高くなることは言うまでもない。一方、背景電位差は画像の背景部の画質に影響し、背景電位差が少ないと背景部へのかぶりが増える。また、背景電位差が大きすぎると現像ローラの回転方向に対する画像の後端部に欠けが発生しやすくなる。現像ローラと感光体の相対的な移動方向は同方向の場合と逆方向の場合がある。 【0007】また、1つの現像機で複数本の現像ローラを用いることもある。複数の現像ローラが同一方向に回転する現像装置もあるし、回転方向が異なる現像装置もある。この場合、 隣り合った現像ローラの回転方向を各々現像ローラの対向位置から感光体に向かうように2つの現像ローラの回転方向を異ならせ、現像ローラの対抗位置から現像剤があたかも噴水のように感光体に向かって分岐して搬送される現像機も知られている。このような現像機を噴水型現像機と呼ぶ。以上、感光体表面への静電潜像とトナー像の形成について説明した。 【0008】次に、感光体表面の静電潜像の経時的変化について説明する。印刷量が進むにつれて感光体が劣化してくると、帯電領域の電位(帯電電位)が低下し帯電し難くなる、一方、放電領域の電位(放電電位)は上昇し放電し難くなる。この放電性能の低下は、露光での光量を十分に与えないようにして完全に放電しきっていない中間の電位領域を設けた場合などに著しい。ここで述べた中間の電位領域は細線や網点など電界の周辺効果が強くトナーが現像されすぎる画像領域に、太り防止などの目的でよく用いられる。以上述べた電位の変化は現像電位差を少なくするため、現像電界を低下させる方向に作用する。 【0009】一方この特性に加えて、印刷量が進むにつれて磨耗により感光体の感光層の厚みが減少する。この膜厚減少は現像電界を増加させる方向に作用する。この2つの相反する傾向のどちらが優勢かは印刷装置によって異なる。すなわち、経時的に現像性能の変化が発生し、それに伴って画質が変化するが、印刷装置によってその変化の仕方が異なることを意味する。経時的に画質を一定にするためには、上記現像電界の変化を少なくする必要があるが、そのためには感光体表面の電位だけでなく感光体膜厚の変化に伴う電界の変化も考慮する必要がある。電位センサにより感光体表面の電位を検出しかつ何らかの方法で感光体の膜厚を検出して、現像電界を一定にするよう感光体表面の電位を制御する方法が知られている。このような電界の影響をも考慮した感光体の表面電位制御の方法に関する従来の技術として、例えば特開平11−15214号公報に記載の方法が挙げられる。 【0010】しかし、上記従来の技術では現像電界を一定にするよう感光体表面の現像電位と背景電位を変化させるので、たとえば電界の周辺効果の影響が及ぶ範囲が主たる画像領域となる細線や網点では画質は安定する。しかし、平行電界と周辺電界が混在する広域のソリッド領域(ベタ画像)などでは、周辺部の周辺効果の影響による画質の安定性を確保した場合、中央部の平行電界によって現像される部分では濃度が下がるという問題がある。一方、特開平11−15214号において開示されている感光体膜厚の検出方法として感光体の使用履歴から推定する方法が記載されているが、あくまで推定であって正確に膜厚を把握することが出来ないという問題がある。 【0011】また、特開平11−15214号には感光体を露光した際の放電特性の変化を電位センサにより測定して感光体膜厚を検出する方法も記載されている。この場合、露光装置の変動特性の影響を受けるので正確な膜厚把握が難しいという問題がある。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来の印写方法では、感光体膜厚を把握する手段が、感光体の使用履歴からの推定、あるいは放電特性からの導出であるため検出した膜厚値の精度が十分でないという問題があった。 【0013】また、感光体膜厚の変化に伴う電界の変化の影響を、感光体の現像電位と背景電位だけで補正するので、周辺電界と平行電界が混在した広域のソリッド領域(ベタ画像)などでは経時的に濃度が低下し、画質の十分な安定性が確保できないという問題があった。 【0014】そこで、本発明の目的は、感光体の高精度な膜厚検出方法を提供し、かつ電子写真の記録装置において感光体膜厚の変化が発生しても全ての画像パターンに対して経時的に安定な画質を保つ印写制御方法を提供することにある。 【0015】また、本発明の他の目的はこの制御方法を用いて良好な画像を経時的に安定して印刷する電子写真の記録装置を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明は、帯電した感光体に露光をあてて静電的な静電画像を形成し、該静電画像にトナー等の現像用着色粒子を付着させる電子写真の印写制御方法にあって、前記静電画像の領域である画像領域の電位を電位検出手段で検出し、この検知値に基づいて画像領域の電位が一定になるように制御し、かつ前記感光層の膜厚を検知するとともに画像領域の周辺電界を制御することを特徴とするものである。 【0017】更に具体的に述べると、本発明は感光体膜厚の正確な検出のため、表面電位センサを現像機より感光体の回転方向の後方に配置し帯電領域の電位の変化から感光体膜厚を検出するようにしたものである。さらに、経時的に安定な画像の提供を達成するため、感光体表面の電位を検出し、フィードバック制御を加えることにより感光体表面の現像電位を経時的に安定に保ち、かつ感光体の膜厚を上記検出手段により検出し、検出された情報に基づいて感光体の電位分布において帯電電位から放電電位に変化する領域にのみ補助的光量で露光を加えることにより、画像の周辺電界のみを安定にしたものである。 【0018】 【発明の実施の形態】(実施例1)以下、本発明の一実施例について図1〜図8を用いて説明する。 【0019】図1は本実施例の記録装置の断面を模式的に表した図である。1は感光体ドラム、2は帯電器、3は現像機、4は記録紙、5は転写機、6は定着器、7はクリーナ、8は露光装置、9は露光制御手段、10は電位センサである。帯電器2により一様に帯電された感光体ドラム1表面に、レーザドライバ等から成る露光制御手段9により発光を制御された半導体レーザおよびその光学系から成る露光装置8によって静電潜像が形成される。この後、現像機3によりトナーを現像する。 【0020】感光体ドラム1の表面に現像されたトナーは、転写機5によって記録紙4に転写される。この後、転写されたトナー画像は定着器6で加熱融解され記録紙4に定着する。また、転写されずに感光体ドラム1表面に残存したトナーはクリーナ7により回収され、一連のプロセスを終了する。帯電にはスコロトロン方式の帯電器2が用いられている。帯電器にはコロトロン方式とスコロトロン方式があるが、スコロトロン方式はグリッドを用いるため感光体の劣化や膜厚が変化しても、帯電電位が一定になるように自動的に感光体表面に供給する電荷密度が変化するので、帯電器直下における帯電電位は比較的安定となるという利点がある。 【0021】本実施例では、感光体ドラム1表面の電位は電位センサ10で検出され、その検出値に基づいて露光制御手段9により露光装置8の露光量を調節することが出来る。また、感光体ドラム1表面の電荷密度も電荷密度カウンタ11で計数でき、その計数値に基づいて露光制御手段9により露光装置8の露光量を調節することが出来る。 【0022】図2は感光体ドラム1の光応答特性を示す図である。横軸Eは露光量であり、感光体ドラム1に投入された光エネルギにて示してある。縦軸は露光後一定時間における感光体ドラム1の電位である。この露光後の時間は本記録装置の露光から現像までに要する時間と等しく設定されている。縦軸のV0は現像における背景電位を示す。本記録装置では、露光制御手段9により露光量はE1、E2の2段階設けている。縦軸のVr1は露光量E1に対応した感光体1での電位、Vr2は露光量E2に対応した感光体1での電位である。Vbは現像機のバイアス電圧であり、Vb−Vr1、Vb−Vr2がそれぞれ現像電位差である。広域のソリッド領域(ベタ画像)に対しては現像電位にVb−Vr1を用い、電界周辺効果が強く作用する線画像や網点に対しては現像電位にVb−Vr2を用いるよう、露光制御手段9によりコントロールされる。 【0023】ここで、感光体表面の静電潜像の経時的変化について説明する。印刷量が進むにつれて感光体が劣化してくると、帯電領域の電位(帯電電位)が低下し帯電し難くなる、したがって、背景電位V0の低下が発生するが、本実施例では帯電器2にスコロトロン方式を用いているので僅かな低下でおさまる。一方、放電領域の電位(放電電位)は上昇し放電し難くなる。この放電性能の低下は、露光での光量を十分に与えないようにして完全に放電しきっていない中間の電位領域を設けた場合などに著しい。本実施例では、中間の電位はVr2にあたる。以上述べた電位の変化は現像電位差を少なくするため、現像電界を低下させる方向に作用する。一方この特性に加えて、印刷量が進むにつれて磨耗により感光体の感光層の厚みが減少する。この膜厚減少は現像電界を増加させる方向に作用する。ここで現像電位差の減少による現像電界の減少は、周辺電界と内部の平行電界部分の両者について言える。 【0024】しかし、後者の膜厚減少による現像電界の増加は周辺電界についてのみのことである。この2つの相反する傾向を問題にすべき画像は、周辺効果によって現像電界が影響される線画像や網点あるいはソリッド領域の端部である。この2つの相反する傾向のどちらが優勢かは印刷装置や印刷の履歴などによって異なる。すなわち、経時的に現像性能の変化が発生し、それに伴って画質が変化するが、印刷装置によってあるいは同じ構成の装置でもその印刷の履歴などによってその変化の仕方が異なることを意味する。 【0025】図3は図2と同様、感光体ドラム1の光応答特性を示す図であるが、初期の状態と劣化が進み寿命に近い状態の2つの状態を示してある。12が初期状態、13が劣化状態である。劣化によりV0は低下するが、画質への影響が少ない範囲におさまっている。E1に対応した電位(Vr1)に比較してE2に対応した電位(Vr2)の方が劣化の影響を多く受けることが判る。したがって、本実施例の記録装置では露光量E2を可変にし感光体ドラム1の表面電位Vr2を一定に保つよう露光量E2に制御を加えている。 【0026】図4は感光体ドラム1の潜像の電位および電界分布の一例である。図4(a)が電位の分布、図4(b)が電界の分布である。感光体ドラム1の状態について、12が感光体の初期状態で露光量E2に制御を加えない場合、13が感光体の劣化状態で露光量E2に制御を加えない場合ある。図3で説明したように、感光体ドラム1が劣化するとV0は低下し、Vr2は上昇して現像電位は低下するが、逆に感光体ドラム1の感光体膜厚の低下によって現像電位に対応した現像電界は増加することがわかる。図4(b)の14はVr2を一定に制御を行った場合の電界分布を示す。現像電界の増加がより著しいものとなることが判る。また、図4ではVr2を一定にする制御を加えない場合、現像電界が増加する場合を示したが、感光体ドラム1の劣化状態が異なる場合には、逆に現像電界が低下する場合もある。いずれの場合もVr2を一定にする制御を加えた場合には、膜厚の減少による影響のみを受けるので現像電界は増加する。 【0027】これは上述したように、電位差と膜厚という独立した2つの因子により電界が影響を受けるからである。したがって、画質を経時的に安定に保つには電位と電界の両者を一定に制御することが必要になる。電位を一定に制御することは電位センサ10の検出値から現像機3での電位を算出し、この算出値に基づいて露光制御手段9により露光装置8の露光量を調節することにより行われる。一方、電界を制御するためには、先ず電界の強度を知る必要がある。電界の強度は上述のように感光体膜厚によって決まる。したがって、感光体膜厚を精度良く検出できれば電界の制御が可能になる。 【0028】図5は感光体ドラム1の表面電位の帯電後変化を示す。縦軸は感光体の表面電位、横軸は帯電後の経過時間である。teは露光装置8による露光時点、tdは現像機3による現像時点、tsは電位センサ10による電位検出時点を示す。感光体ドラム1の状態について、12が初期状態、13が劣化状態である。露光時点teからの急激な表面電位の低下は感光体表面の光照射部のうち現像時点tdでVr2となる細線または網点画像領域での電位の変化を示す。露光時点teの前後によらず一定に低下する感光体表面電位は光が照射されていない背景部の電位変化を示す。この一定な電位低下は表面電位の暗減衰によるものである。スコロトロン帯電器2を用いているため、帯電時(時間0)の感光体表面電位は感光体ドラムの初期状態の方が劣化状態と比べて若干高い値となるが、その差は僅かであり無視できる。本実施例ではこの僅かな差を問題にせず帯電時(時間0)の感光体表面電位は劣化状態によらずほぼ一定と考えるものとする。また、電位センサ10の検出値に基づいてVr2が一定になるよう露光量が調節されているので、細線または網点画像領域での電位の変化は感光体ドラムの劣化状態によらずほぼ一定である。一方、暗減衰速度は感光体ドラムの初期に比べて劣化状態の方が早い。この減衰速度差は帯電時点での電位をほぼ等しくしているので、感光体膜厚の差に起因したものである。感光体の劣化状態の差による帯電電位の差を暗減衰電位差ΔVdとして示した。 【0029】図6は暗減衰電位差ΔVdの感光体膜厚減少分に対する変化を電位センサ10による電位検出時点tsの場合と現像機3による現像時点tdの場合について示した図である。暗減衰電位差ΔVdを検出すれば、感光体膜厚の減少が判る。ただし、現像時点tdでは、背景電位の低下が画像に影響が出ないほど暗減衰電位差ΔVdは僅かであり、この差を検出するには電位センサの出力の分解能(精度)が十分に確保できない。したがって、転写機5の後に電位センサ10を設置した本実施例では暗減衰電位差ΔVdが大きく現れるので、背景部電位を測定すれば十分に精度の高い暗減衰電位差ΔVdが得られその時の感光体膜厚減少分が明らかになる。以上述べた方法により帯電電位のみを測定する方法により感光体膜厚減少分を検出すれば露光による影響を受けないので、高精度な感光体膜厚の検出が可能になる。 【0030】電位センサ10の出力から感光体膜厚減少分への変換は、予め初期の電位センサ10位置での背景電位がインプットされている露光制御手段9において計算される。また、膜厚減少量と周辺電界の拡大分は予め把握されており、露光制御手段9の内部にテーブル化されている。検出された膜厚減少量からこの内部テーブルに基づいて周辺電界の拡大分に対応した値が決定され、この値に基づいてその時々の膜厚減少量に応じて周辺電界を弱めるように露光による制御が施される。図7は上述の周辺電界を弱める制御(以後電界制御と呼ぶ)を行った際の、現像時の感光体ドラム1表面の電位分布を示す図である。図中(a)で示した僅かな階段状電位分布を帯電電位から放電電位への変化の途中に形成する。この位置は画像周囲位置に対応しており、露光量を落とすことにより形成される。なお、階段状分布を作るための露光を補助露光と呼ぶ。補助露光には専用の露光装置を新たに用いても良いが、単に露光装置8の露光量を多値化するだけで可能である。 【0031】補助露光により、画像周辺の急激な電位の変化が妨げられ、その結果周辺電界が弱められる。また、階段状分布の階段部分はバイアス電圧Vbから背景電位V0の間に設けられる。もし、バイアス電圧Vbから放電電位Vr2の間に設けられると、階段部が画像領域内に入るため階段部に対応した位置で濃度が変化し、階段部より画像領域外側に向かって濃度が低い領域が出来る恐れがある。 したがって、階段部を画像領域の外のバイアス電圧Vbから背景電位V0の間に設けることによって階段部の存在が画像に現れるという問題を防ぐことが出来る。本記録装置のドット密度は600Dots/inchである。画像信号を露光前にメモリに取り込み、パターンマッチング手法により、すべての画像の周辺が検出され、画像周辺2ドットに補助露光が加えられる。上述の露光制御手段9の内部テーブルは検出された感光層の膜厚と補助露光量との関係で作成されており、感光体膜厚により補助露光の強さが決まる。 【0032】図8(a−1)は本実施例の初期感光体のVr2画像領域を含む表面電位分布、図8(a−2)初期感光体の(a−1)に対応した電界分布、図8(b−1)は劣化状態の感光体にいかなる制御をも加えない場合のVr2画像領域を含む表面電位分布、図8(b−2)は(b−1)に対応した電界分布、図8(c−1)は劣化状態の感光体に電位のみを一定に制御した場合のVr2画像領域を含む表面電位分布、図8(c−2)は(c−1)に対応した電界分布、図8(d−1)は劣化状態の感光体に電位と電界を本実施例の方法に従って制御した場合のVr2画像領域を含む表面電位分布、図8(d−2)は(d−1)に対応した電界分布である。図8(a−1)(a−2)と図8(d−1)(d−2) を比較すると、以上述べた方法を用いて画像部電位を一定に制御し、帯電電位から放電電位への変化の途中に補助露光による階段状分布を形成して電界を制御することにより、画像部の電位と電界を劣化状態の感光体であっても初期と同じ状態に保つことができる。 【0033】本実施例では、平行電界と周辺電界が混在する広域のソリッド領域(ベタ画像)にはVr1の放電電位が用いられるが、Vr1は比較的電位が安定なので電位を一定にする制御は加えていない。しかし、この領域でも感光体膜厚の減少による電界の増加は発生するので、Vr2の放電電位領域と同様に補助露光による電界制御は加えられる。これにより、平行電界と周辺電界が混在する広域のソリッド領域(ベタ画像)でも感光体の劣化に対して画質を安定に保つことが出来る。 【0034】以上述べた実施例1によれば、現像位置より後ろの位置で、帯電電位のみを測定する方法により感光体膜厚減少分を検出するので露光による影響を受けず、高精度な感光体膜厚の検出が可能になる。また、補助露光による階段状分布を形成することにより電界を制御でき、画像部の電位と電界を劣化状態の感光体であっても初期と同じ状態に保つことができる。また、平行電界と周辺電界が混在する広域のソリッド領域(ベタ画像)についても画像周辺への補助露光を加えるので感光体の劣化に対して画質を安定に保つことが出来る。 【0035】さらに、上記補助露光により形成された階段部を画像領域の外のバイアス電圧Vbから背景電位V0の間に設けることによって階段部の存在が画像に現れるという問題を防ぐことが出来る。 【0036】(実施例2)以下、本発明の一実施例について図1および図9を用いて説明する。 【0037】図9は本実施例の記録装置の断面を模式的に表した図である。14は帯電制御装置、15は第2の電位センサである。本実施例の記録装置は帯電制御装置14、第2の電位センサ15が加わったこととそのために生じた作用、効果以外は図1と同じ作用、効果を有する。 【0038】実施例1の記録装置では感光体の劣化に伴い、若干ではあるが帯電時点での帯電電位(V0)の低下が発生する。この電位低下要因は純粋に感光体膜厚減少だけでなく他の特性劣化の影響をも受けているため、電位センサ10による暗減衰後の電位測定値は暗減衰による電位低下分としては若干の測定誤差を含む値となる。そのため経時的に背景部のかぶりが増加するという問題がある。本実施例の記録装置では電位センサ15で背景電位(V0)を検出し、帯電制御装置14において背景電位(V0)の低下を計数し、その値に応じて背景電位(V0)が厳密に一定になるよう、帯電器2のグリッド電圧を制御する。これにより、上記暗減衰後による電位低下分をより正確に測定できるので、感光体膜厚の減少分をより正確に検出することが出来る。 【0039】さらに、本実施例では電位センサ15でも放電電位Vr2を検出し、電位センサ10による検出値とから、現像機3での電位を算出する。現像機3は2つの電位センサ10、15に挟まれた位置にあるのでより正確に現像機3の位置における放電電位Vr2を算出することが出来る。 【0040】以上述べた、実施例2によれば、帯電器2と現像機3に挟まれた位置に電位センサ15を追加して、帯電電位(背景電位V0)を一定に制御するので、より正確に感光体膜厚の減少分を検出することが出来る。また、現像機3を挟む位置に設置された電位センサ10、15の2つの検出値から現像機3の位置における放電電位Vr2を算出するので、より正確に放電電位Vr2を制御できる。 【0041】(実施例3)以下、本発明の一実施例について図1、図8および図10を用いて説明する。 【0042】図10は本実施例の記録装置の断面を模式的に表した図である。図1に示した記録装置では現像機3の現像ローラは1本でその回転方向は感光体ドラム1と対向する位置で感光体ドラム1の回転方向と同じである。本実施例の現像機3は噴水型現像機が用いられている。本実施例の記録装置は現像機3が噴水型現像機であることとそのために生じた作用、効果以外は図1と同じ作用、効果を有する。噴水型現像機は隣り合った現像ローラの回転方向を各々現像ローラの対向位置から感光体に向かうように2つの現像ローラの回転方向を異ならせ、現像ローラの対抗位置から現像剤があたかも噴水のように感光体に向かって分岐して搬送される現像ローラ構成を有する現像機である。なお、本実施例では現像機3には二成分現像が用いられている。 【0043】実施例1の記録装置では図8(d−2)から判るように背景部に発生した周辺電界の大きさは感光体の初期状態と同程度に抑えられている。しかし、補助露光を加えたために、周辺電界は小さな2つの谷を有し、補助露光の幅の分だけ僅かではあるがその幅が大きくなっている。その場合、感光体ドラム1表面での現像ローラの回転方向に対する画像の後端部が現像されにくくなる端部欠けが発生しやすくなるという問題がある。端部欠けは、磁気ブラシが感光体表面を摺擦するという機械的要因と磁気ブラシが接する感光体の電位が背景電位(V0)から画像部の電位(Vr1、Vr2)へと急に変化するため、キャリアビーズとトナーとの混合体としての現像剤の電気的特性がこの変化に追従できないために発生する。噴水型現像機を用いれば、2本の現像ロールの回転方向が各々異なるので、現像ロールの回転方向に対する後端側が現像ロールによって異なる。それによって、現像ロールが相互に補完しあって、画像の端部が現像されにくくなるという問題は無くなる。 【0044】以上述べた本実施例3により、端部欠けが発生に対する懸念は無くなり、経時的に安定した画質が得られる。 【0045】なお、上述した感光体の膜厚検出は印刷と一緒に行うことができるが、検出精度をより高めるには印刷と別個に行うのが望ましい。印刷を始める前に行うことにより、画像領域と背景領域の電位をより正確に検知できるのである。 【0046】 【発明の効果】以上述べた本発明によれば、表面電位センサを現像機より感光体の回転方向の後方に配置し帯電領域の電位の変化から感光体膜厚を検出するようにしたので、感光体の高精度な膜厚検出方法を提供することが出来る。 【0047】また、感光体表面の電位を検出し、フィードバック制御を加えることにより感光体表面の現像電位を経時的に安定に保ち、かつ感光体の膜厚を上記検出手段により検出し、検出された情報に基づいて感光体の電位分布において帯電電位から放電電位に変化する領域にのみ補助的光量で露光を加えるので、感光体の劣化や膜厚の減少が発生しても全ての画像パターン対して経時的に安定な画質を保つ印写制御方法を提供することが出来る。 【0048】また、この制御方法を用いて良好な画像を経時的に安定して印刷する電子写真の記録装置を提供することにある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005094 【氏名又は名称】日立工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−341607(P2002−341607A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月29日(2002.11.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−148869(P2001−148869) |
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