| 【発明の名称】 |
画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】東 潤
【氏名】藤島 正之
【氏名】渡辺 征正
【氏名】屋島 亜矢子
【氏名】永島 高志
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| 【要約】 |
【課題】耐摩耗性良好な単層型感光体ドラムを備え、長期に渉り、表面電位低下や感度悪化による画像カブリ等の無い、長寿命な画像形成装置を提供する。
【解決手段】有機感光体ドラム表面を、+350V以上+550V以下に帯電を施し、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量を有する露光手段により前記有機感光体ドラム表面に静電潜像形成した後、画像形成を行なう画像形成装置であって、前記有機感光体ドラムが、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からなる感光層を備えた単層型感光体ドラムであり、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上で、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下である画像形成装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】有機感光体ドラムと、前記有機感光体ドラム周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の各プロセスを順次有し、前記有機感光体ドラムが、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からなる感光層を備えた単層型感光体ドラムであり、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上で、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下であり、前記帯電手段により前記有機感光体ドラム表面を、+350V以上+550V以下に帯電を施し、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量を有する前記露光手段により前記有機感光体ドラム表面に静電潜像形成した後、画像形成を行なうことを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】前記単層型感光体ドラムのバインダー樹脂が、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 一般式[1]; 【化1】
(一般式[1]中、R10、R11は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。R12、R13は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基を示し、R14、R15は、同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、または環を形成して置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を示す。ただし、0.05≦m/[m+n]≦0.4) 【請求項3】前記単層型感光体ドラムのバインダー樹脂として、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂に代えて、一般式[2]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。一般式[2]; 【化2】
(一般式[2]中、R20、R21は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。) 【請求項4】前記クリーニング手段が弾性ブレードを有することを特徴とする請求項1、2または3記載の画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関する。より詳細には、耐摩耗性が良好な単層型感光体ドラムを備えた長寿命な画像形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラム表面を一様に帯電し、画像露光することにより静電潜像を形成した後、微粒子状の粉体であるトナーで静電潜像を現像し、現像されたトナー像を転写用紙に転写し、熱定着するシステムが一般的に採用されている。 【0003】上記の画像形成装置においては、当該装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する種々の感光体が使用されている。その一つはセレンのような無機材料を感光層に用いた無機感光体であり、他は有機材料を感光層に用いた有機感光体(OPC)である。これらのうち、有機感光体は無機感光体に比べて製造が容易であるとともに、電荷輸送剤、電荷発生剤、バインダー樹脂等の感光体材料の選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いことから、近年、広範な研究が進められている。 【0004】有機感光体には、電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層との積層構造からなる、いわゆる積層型感光体と、電荷発生剤と電荷輸送剤とを単一の感光層中に分散させた、いわゆる単層型感光体とがある。積層型感光体は導電性基体上に電荷発生層、電荷輸送層を順に積層させる負帯電型で、単層型感光体は正帯電型で使用されるのが一般的であり、広い市場規模を占めているのは積層型感光体である。 【0005】しかしながら、単層型感光体は、優れた電子輸送剤の出現により感度が向上してきており、層構成が簡単で生産性に優れている、感光層の皮膜欠陥が発生するのを抑制できる、層間の界面が少ないので光学的特性を向上できるため高解像度が可能、正帯電で使用する場合が多く画像形成装置内でのオゾンの発生が少ない、といった利点を有するため脚光を浴びつつある。 【0006】感光体は、その画像形成プロセスにおいて、前述のように帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電の繰り返し工程の中で使用される。帯電露光により形成された静電潜像は、トナーにより現像される。更に現像されたトナーは転写プロセスにおいて紙などの転写材に転写されるが、100%のトナーが転写されるのではなく一部が感光体上に残留する。この残留するトナーを除去しないと繰り返しプロセスにおいて汚れなどのない高品位な画像は得られない。そのため、残留トナーのクリーニングが必要となる。 【0007】クリーニングプロセスとしては、ファーブラシ、磁気ブラシ、ブレード等を用いたものが代表的であるが、クリーニング精度、装置構成の合理化などの点から、ブレード状樹脂板が直接感光体に接することによりクリーニングを行う弾性ブレードを有するクリーニング手段が選択されるのが一般的である。弾性ブレードによるクリーニングは、精度が高い一方で、感光体への機械的負荷を上昇させ、その結果、感光層の摩耗量が増加する傾向にある。 【0008】有機感光体の光減衰特性には膜厚依存性が認められ、摩耗量の増加に伴って感光層が薄膜化し、薄膜化によって露光後電位が変化し、特に単層型感光体の場合、一般的に露光後電位が増大する(感度が悪化する)傾向にある。そして、長期にわたって使用を続けると、遂には適正な画像が得られない程度まで露光後電位が変化し、いわゆる「長寿命」な画像形成装置が得られない。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述のように、弾性ブレードによるクリーニングは、精度が高い一方で、感光体への機械的負荷を上昇させ、その結果、感光層の摩耗量が増加する傾向にあり、光減衰特性の膜厚依存性により露光後電位が変化し、長寿命な画像形成装置が得られ難い。 【0010】そこで、感光体への機械的負荷を軽減させ、感光層の摩耗量を減少させるために、例えば、感光体表面に対する弾性ブレードの圧接力を弱める対策を実施すると、残留トナーが弾性ブレードと感光体表面の間の微小な隙間を押圧された状態で潜り抜け、感光体表面に、トナー粒子が潰れた状態で強固に融着し、トナーフィルミング等の不具合が発生し易くなる。 【0011】一方、感光体は、その画像形成プロセスにおいて、前述のように帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電の繰り返し工程の中で使用される。例えば、正帯電単層型感光体の場合、帯電手段により感光層表面が均一にプラス帯電される。そして露光手段により感光層の表面近傍に発生したホール及び電子が、ホール輸送剤及び電子輸送剤により、各々、導電性基体及び感光層表面に向かって移動する。感光層表面に移動した電子はプラスの電荷を打ち消して静電潜像が形成される。 【0012】しかしながら現状において、高性能な電子輸送剤、すなわち移動度が大きく、速やかに電子を輸送することができる電子輸送剤の種類は少ない。電子輸送剤の移動度が小さいと、電子の発生に比べて、電子の輸送が律速となり、感光層表面近傍の電子密度が過剰となって、プラスの表面電位を打ち消し、結果的に表面電位の低下が起こり易い。 【0013】そこで本発明の目的は、耐摩耗性が良好な単層型感光体ドラムを備え、長期に至って、表面電位低下や感度悪化による画像カブリ等の不具合の無い、長寿命な画像形成装置を提供することである。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機感光体ドラムと、前記有機感光体ドラム周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の各プロセスを順次有し、前記有機感光体ドラムが、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電送子輸剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からなる感光層を備えた単層型感光体ドラムであり、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上で、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下であり、前記帯電手段により前記有機感光体ドラム表面を、+350V以上+550V以下に帯電を施し、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量を有する前記露光手段により前記有機感光体ドラム表面に静電潜像形成した後、画像形成を行なうことを特徴とする画像形成装置が、前記単層型感光体の耐摩耗性が良好で、長期に至り、表面電位低下や感度悪化による画像カブリ等の不具合が無く長寿命であることを見出した。 【0015】特に、前記単層型感光体のバインダー樹脂として、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂、または一般式[2]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有する場合、単層型感光体の耐摩耗性が向上し、画像形成装置のより一層の長寿命化がはかれることを見出した。 【0016】一般式[1]; 【化3】
(一般式[1]中、R10、R11は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。R12、R13は、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基を示し、R14、R15は、同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、または環を形成して置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を示す。ただし、0.05≦m/[m+n]≦0.4) 【0017】一般式[2]; 【化4】
(一般式[2]中、R20、R21は、同一または異なって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。) 【0018】 【本発明の作用】本発明の画像形成装置に使用される有機感光体ドラムは、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からなる単層型の感光層を備え、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上であり、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下であることを特徴とする。 【0019】まず、本発明者らは、感光体の耐摩耗性に影響を与える因子を種々検討の結果、バインダー樹脂の固形分濃度が耐摩耗性に及ぼす影響が非常に大きく、バインダー樹脂の固形分濃度を全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下にすることにより、実使用上問題の無い感度を有し、耐摩耗性が非常に良好な単層型感光体が得られることを見出した。 【0020】バインダー樹脂の固形分濃度が大きいほど電荷輸送剤の固形分濃度が小さく、バインダー樹脂中で分子分散している電荷輸送剤の可塑剤的な作用が弱まり耐摩耗性が向上すると考えられる。また、バインダー樹脂中の電荷輸送剤濃度が減少するため感度が悪化するように作用するが、むしろ、バインダー樹脂中での電荷輸送剤分子がより高分散化しトラップが少なくなるため感度悪化は少なく、また、下記の移動度の大きい電子輸送剤を使用することにより感度悪化を更に少なくすることができる。 【0021】次に、本発明者らは、電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上である場合、露光前表面電位の低下が少ないことも見出した。 【0022】前述のように、例えば正帯電単層型感光体の場合、電子輸送剤の移動度が小さいと、電子の発生に比べて電子の移動が律速となり、感光層表面近傍の電子密度が過剰となって、プラスの露光前表面電位の低下が大きい。すなわち、電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上の場合、発生した電子が速やかに輸送され、プラスの露光前表面電位低下が少ないのである。 【0023】一方、本発明の画像形成装置は、有機感光体ドラムと、前記有機感光体ドラム周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の各プロセスを順次有し、前記帯電手段により前記有機感光体ドラム表面を、+350V以上+550V以下に帯電を施し、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量を有する前記露光手段により前記有機感光体ドラム表面に静電潜像形成した後、画像形成を行なうことを特徴とする。 【0024】後述の実施例、比較例の図2に示すように、露光前表面電位を+350〜+800Vまで変化させた場合(露光量1.0μJ/cm2設定)の薄膜化(40μm→10μm)による露光後電位(感度)変化率は、露光前表面電位が小さいほど減少した。 【0025】すなわち、感光体の露光前表面電位は、感度膜厚依存性に大きな影響を及ぼし、露光前表面電位を低く設定(低電位設定)することにより感度膜厚依存性が小さく抑制できるのが明確である。そして、薄膜化(40μm→10μm)による露光後電位(感度)変化率は35%以下が好ましく、露光前表面電位を+350V以上+550V以下に設定することで実現可能である。換言すれば、初期の感光層膜厚40μmの有機感光体ドラムを膜厚10μmになるまで使用しても感度変化率が小さく、長期に至って画像かぶりの無い長寿命な画像形成装置が得られるのである。 【0026】本発明において、低電位設定にするほど、感度膜厚依存性が減少し良好となるものの、+350Vより低く設定すると現像バイアス電位と感光体表面電位との電位差を確保できなくなり、画像濃度不足や、カブリ発生といった問題が発生する。 【0027】また、露光量については、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下に設定することで、図2と比較して、感度膜厚依存性及び感度変化率に大きな変化は無く、前記範囲を下回ると感度膜厚依存性及び感度変化率が図2の場合に比較して大きくなり、前記範囲を上回ると図2の場合に比較して感度膜厚依存性及び感度変化率は小さくなるが、感光体の光疲労が大きくなるという問題が発生する。 【0028】以上より、バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下で、且つ、電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上の電子輸送剤を含有した単層型感光体は、耐摩耗性が良好で、且つ、表面電位の低下が少ない傾向にあり、更に、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量で、+350V以上+550V以下の低電位設定との組み合わせで、相乗効果によって、長期に至って感光体の表面電位の低下、及び感度悪化が著しく少ない長寿命な画像形成装置を得ることができる。 【0029】 【発明の実施形態】<画像形成装置>本発明の画像形成装置は、前述のように、有機感光体ドラムと、前記有機感光体ドラム周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の各プロセスを順次有し、前記帯電手段により前記有機感光体ドラム表面を、+350V以上+550V以下に帯電を施し、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量を有する前記露光手段により前記有機感光体ドラム表面に静電潜像形成した後、画像形成を行なうことを特徴とする。 【0030】図1に、一例として、本発明を実施した画像形成装置(二成分現像剤を使用した反転現像方式)の概略図を示す。1はコピー開始キーの操作により定速度で矢印方向に回転する単層型感光体ドラムである。そして、この感光体ドラム1の周辺にはその回転方向に沿って順に、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、分離手段、クリーニング手段、除電手段が設けられる。 【0031】2は単層型感光体ドラム1表面をプラスに帯電するスコロトロン型の主帯電チャージャで、グリッド電極2Aと主帯電電圧印加用の高圧電極2Bを備えている。単層型感光体ドラム1の表面電位は、この主帯電チャージャ2により、+350〜+550Vの範囲に設定される。 【0032】3は、帯電された単層型感光体ドラム1表面を露光するレーザーユニットで、レーザーユニット3により露光を受けた部分の表面電位は、その露光量(0.75〜1.5μJ/cm2)に対応して低くなり、これによって静電潜像が形成される。4は、トナーホッパー5から補給ローラ6を介して補給される磁性一成分トナーを攪拌ローラ7で攪拌して、現像ローラ8の表面にトナーを付着させ、トナー層を形成させる現像装置で、このトナー層を現像ローラ8の回転によって感光体ドラム1表面に、トナーを静電潜像に応じて電着させることで顕像が形成される。この場合トナーの極性はプラスで反転現像方式となる。 【0033】9は、給紙ローラ10を通して給紙された用紙に顕像を形成したトナーを転写させる転写ローラである。そして11は、単層型感光体ドラム1表面に残留しているトナーをゴム材料よりなるブレード12により掻き落とすクリーニング装置、13は、単層型感光体ドラム1表面の電荷を除電ランプの光にて除去する除電器である。 【0034】<本発明の画像形成装置に使用される単層型感光体>本発明の画像形成装置に使用される単層型感光体は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からなる単層型感光体ドラムで、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上であり、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下であることを特徴とする。以下、本発明の画像形成装置に使用される単層型感光体の構成材料について詳細に説明する。 【0035】[バインダー樹脂]本発明の画像形成装置に使用される単層型感光体のバインダー樹脂の固形分濃度は、全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下であることを特徴とする。単層型感光体が、電荷発生剤、ホール輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂のみから構成されると仮定すれば、バインダー樹脂の固形分濃度は次式により計算される。 【0036】〔バインダー樹脂の固形分濃度(wt%)〕=〔バインダー樹脂含有量〕/〔(電荷発生剤含有量)+(ホール輸送剤含有量)+(電子輸送剤含有量)+(バインダー樹脂含有量)〕×100【0037】上記式中において、ホール輸送剤と電子輸送剤の含有量は感光層の耐摩耗性に大きな影響を及ぼす。すなわち、これらの低分子量化合物はバインダー樹脂中において可塑剤的な作用を示し、その含有量が増大するほど感光層の耐摩耗性が悪化する。一例として、バインダー樹脂の含有量が100重量部、電荷発生剤の含有量が2.5重量部の場合、ホール輸送剤含有量と電子輸送剤含有量の和は、概ね、40重量部以上95重量部以下が好ましい。 【0038】特に、前記バインダー樹脂が、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂が好適に使用される。また、前記バインダー樹脂が、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を主成分とする場合、少なくとも一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂を主成分とすればよく、他に、従来から感光層に使用されている種々の樹脂を使用することができる。 【0039】例えば、他のポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂を始め、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。 【0040】バインダー樹脂として、前記一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂に代えて、一般式[2]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂も好適に使用される。 【0041】また、ブレード鳴き防止やブレード捲れ上がりの防止のために、例えば、以下の繰返し構造単位を有するバインダー樹脂を0.05〜10wt%の範囲で含有させてもよい。 【化5】
【0042】上記例示の全てのバインダー樹脂は、単独または2種以上をブレンドまたは共重合して使用できる。また、上記全てのバインダー樹脂の重量平均分子量は10,000〜400,000、更には30,000〜200,000が好ましい。 【0043】[電荷発生剤]電荷発生剤としては、例えば、無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電材料等の、従来公知の電荷発生剤が挙げられる。前記例示の電荷発生剤は、所望の領域に吸収波長を有するように、単独または2種以上をブレンドして使用できる。 【0044】上記例示の電荷発生剤のうち、特に半導体レーザー等の光源を使用したレーザービームプリンタやファクシミリ等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば無金属フタロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等のフタロシニン系顔料が好適に使用される。なお、上記フタロシアニン系顔料の結晶型については特に限定されず、種々のものを使用できる。 【0045】電荷発生剤は全バインダー樹脂重量に対して0.1〜50wt%以上70wt%以下、更には0.5〜10wt%含有させることが好ましい。 【0046】[電荷輸送剤]電荷輸送剤としては、電子輸送剤、ホール輸送剤を含有し、該電子輸送剤の、電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上であることが重要である。 【0047】〔ホール輸送剤〕従来公知のホール輸送剤が挙げられ、例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物や、縮合多環式化合物が挙げられる。 【0048】特に、ホール輸送剤が、一般式[3]、一般式[4]、一般式[5]または一般式[6]で示される化合物を含有することが好ましい。 【0049】一般式[3]; 【化6】
(一般式[3]中、R30、R31、R32及びR33は同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、またはハロゲン原子を示し、m、n、p及びqは同一または異なって0〜3の整数を示す。R34及びR35は同一または異なって、水素原子またはアルキル基を示す。また、−X−は【化7】
または【化8】
を示す。) 【0050】一般式[4]; 【化9】
(一般式[4]中、R40、R42は、同一または異なって置換基を有してもよいアルキル基を示し、R41、R43は、同一または異なって水素原子または、置換基を有してもよいアルキル基を示す。) 【0051】一般式[5]; 【化10】
(一般式[5]中、R50、R51、R52、R53及びR54は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアルコキシ基を示す。) 【0052】一般式[6]; 【化11】
(一般式[6]中、R60、R61、R62及びR63は同一または異なって、ハロゲン原子、置換基を有してもよい、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を示す。a、b、c及びdは同一または異なって0〜5の整数を示す。なお、a、b、cまたはdが2以上のとき、各R60、R61、R62及びR63は異なっていてもよい。) 【0053】本発明において、上記例示の全てのホール輸送剤は1種のみを使用するほか、2種以上を混合して使用してもよい。 【0054】一般式[3]〜[6]で示されるホール輸送剤は、効率的にホールを輸送させるため、感光体の感度向上に有効であり、少ない含有量でも十分な実用感度を示し、本発明の画像形成装置に使用される単層型感光体に好適に使用される。 【0055】〔電子輸送剤〕電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上の電子輸送剤が使用可能である。 【0056】なお、電子輸送剤の移動度は常温下、通常のTOF(TimeOfFlight)法により測定した。電界強度は5×105V/cmとした。測定サンプルは、バインダー樹脂(重量平均分子量40,000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)固形分を含める全固形分濃度に対して、40wt%の電荷輸送剤濃度で溶解させ、基材上に塗布し80℃、30分間の熱処理を行い作製した。サンプル膜厚は7μmとした。 【0057】電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上の電子輸送剤としては、例えば、一般式[7]、一般式[8]、一般式[9]、一般式[10]、一般式[11]、一般式[12]、一般式[13]または一般式[14]で示される化合物が挙げられる。 【0058】一般式[7]; 【化12】
(一般式[7]中、R70、R71は、同一または異なって置換基を有してもよいアルキル基を示す。) 【0059】一般式[8]; 【化13】
(一般式[8]中、R80、R81は、同一または異なって置換基を有してもよい1価の炭化水素基を示す。) 【0060】一般式[9]; 【化14】
(一般式[9]中、R90はハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示し、R91は置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基、または基:−O−R91aを示す。R91aは置換基を有してもよいアルキル基またはアリール基を示す。) 【0061】一般式[10]; 【化15】
(一般式[10]中、R100、R101、R102、R103は、同一または異なって置換基を有してもよいアルキル基を示す。) 【0062】一般式[11]; 【化16】
(一般式[11]中、R110、R111は、同一または異なって置換基を有してもよいアルキル基を示す。) 【0063】一般式[12]; 【化17】
(一般式[12]中、R120〜R123は、同一または異なって水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す。置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。) 【0064】一般式[13]; 【化18】
(一般式[13]中、R130、R131は、同一または異なって水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す。R132〜R136は、同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、ハロゲン化アルキル基を示し、また、2つ以上の基が結合して環を形成してもよい。置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。) 【0065】一般式[14]; 【化19】
(一般式[14]中、R140〜R143は、同一または異なって水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す。R144、R145は、同一または異なって水素原子、炭素数1〜12のアルキル基を示す。R146〜R153は、同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン化アルキル基を示す。置換基は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。) 【0066】本発明において、上記例示の全ての電子輸送剤は1種のみを使用するほか、2種以上を混合して使用してもよい。 【0067】本発明の画像形成装置に使用される単層型感光体の初期の感光層膜厚は5〜100μm、更には20〜40μm程度が特に好ましい。 【0068】感光層には、前述の各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。 【0069】支持体と感光層間には、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。 【0070】感光層が形成される支持体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。 【0071】支持体の形状はドラム状でもシート状であってもよく、支持体自体が導電性を有するか、あるいは支持体の表面が導電性を有していればよい。また、支持体は使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。 【0072】感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダー樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシエーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。 【0073】上記分散液を作製するための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独で、または2種以上混合して用いられる。 【0074】さらに、電荷発生剤、電荷輸送剤等の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。 【0075】 【発明の実施形態】以下、実施例および比較例をあげて本発明を説明する。なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。 【0076】<単層型感光体の作製、及び感度膜厚依存性の評価>[実施例1〜4][比較例1、2] 電荷発生剤(X型無金属フタロシアニン)3.5重量部、ホール輸送剤(HTM−1)60重量部、電子輸送剤(ETM−3)30重量部、重量平均分子量100,000のバインダー樹脂(Resin−1)100重量部を、テトラヒドロフラン700重量部とともにボールミル中で30時間分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合した。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウム素管上にディップコート法にて塗布し、130℃、45分間の熱風乾燥を行い、感光層膜厚10〜40μmの単一感光層を有する単層型感光体を作製した。 【0077】そして、上記単層型感光体を京セラ(株)社製レーザプリンタFS−1000(露光量設定:1.0μJ/cm2)に搭載し、前記感光体の露光前表面電位を+350〜+800Vに設定し、現像部付近に取付けたプローブ(図1中の14)により露光後電位(Vr)を測定し、各露光前表面電位における感度膜厚依存性を評価した。露光後電位(露光量:1.0μJ/cm2、感光層膜厚:32μm)については、150V以下を可、150Vより大きい場合を不可とした。 【0078】なお、各露光前表面電位における感度変化率は、次式により算出した。感度変化率については、35%以下を可、35%より大きい場合を不可とした。 感度変化率(%)=(Vr10−Vr40)/Vr10×100Vr10:感光層膜厚10μmの単層型感光体の露光後電位Vr40:感光層膜厚40μmの単層型感光体の露光後電位【0079】<単層型感光体の作製、及び印写試験の実施>[実施例5〜12][比較例3〜5] 電子輸送剤として、移動度の異なるETM−1〜−11を使用した以外は、実施例1〜4または比較例1、2と同様にして、感光層膜厚32μmの単層型感光体を作製した。そして、京セラ(株)社製レーザプリンタFS−1000(感光体の初期露光前表面電位設定:+500V、露光量設定:1.0μJ/cm2)に搭載して5万枚の印写試験を実施し、電子輸送剤の移動度が、後述の表面電位変化率、耐摩耗性、及び前述の露光後電位に及ぼす影響を評価した。 【0080】[実施例13〜17][比較例6〜9] ホール輸送剤:HTM−1(15〜80重量部)と電子輸送剤:ETM−3(15〜40重量部)の含有量を変化させた以外は、実施例7と同様にして感光層膜厚32μmの単層型感光体を作製した。そして、京セラ(株)社製レーザプリンタFS−1000(感光体の初期露光前表面電位設定:+500V、露光量設定:1.0μJ/cm2)に搭載して5万枚の印写試験を実施し、バインダー樹脂固形分濃度が、後述の耐摩耗性、及び前述の露光後電位に及ぼす影響を評価した。 【0081】[実施例18、19]重量平均分子量100,000のバインダー樹脂(Resin−2、−3)100重量部を使用した以外は、実施例7と同様にして感光層膜厚32μmの単層型感光体を作製した。そして、京セラ(株)社製レーザプリンタFS−1000(感光体の初期露光前表面電位設定:+500V、露光量設定:1.0μJ/cm2)に搭載して5万枚の印写試験を実施し、バインダー樹脂の種類が後述の耐摩耗性、及び前述の露光後電位に及ぼす影響を評価した。 【0082】[HTM−1] 【化20】
【0083】[ETM−1](移動度:3.90×10-7cm2/V/sec) 【化21】
【0084】[ETM−2](移動度:6.20×10-7cm2/V/sec) 【化22】
【0085】[ETM−3](移動度:6.10×10-8cm2/V/sec) 【化23】
【0086】[ETM−4](移動度:3.20×10-7cm2/V/sec) 【化24】
【0087】[ETM−5](移動度:4.30×10-7cm2/V/sec) 【化25】
【0088】[ETM−6](移動度:5.80×10-7cm2/V/sec) 【化26】
【0089】[ETM−7](移動度:5.40×10-7cm2/V/sec) 【化27】
【0090】[ETM−8](移動度:5.70×10-8cm2/V/sec) 【化28】
【0091】[ETM−9](移動度:5.32×10-9cm2/V/sec) 【化29】
【0092】[ETM−10](移動度:1.75×10-9cm2/V/sec) 【化30】
【0093】[ETM−11](移動度:7.56×10-10cm2/V/sec) 【化31】
【0094】[Resin−1] 【化32】
【0095】[Resin−2] 【化33】
【0096】[Resin−3] 【化34】
【0097】耐摩耗性、表面電位変化率の評価を下記の試験により実施した。 【0098】[耐摩耗性評価]実施例5〜18、及び比較例3〜10の単層型感光体を、京セラ(株)社製レーザプリンタFS−1000(感光体の初期露光前表面電位設定:+500V、露光量設定:1.0μJ/cm2)に搭載し、5万枚(用紙:A4縦)の印写試験を実施した。そして、試験前後の感光層の膜厚を測定し、摩耗量を算出した。摩耗量が小さいほど耐摩耗性が良好で、3.0μm以下を可、3.0μmより大きい場合を不可とした。 【0099】[表面電位変化率評価]上記の5万枚の印写試験において、印写試験終了後の単層型感光体の表面電位を、現像部付近に取付けたプローブ(図1中の14)にて測定した。そして、表面電位変化率を次式により算出した。表面電位変化率については、20.0%以下を可、20.0%より大きい場合を不可とした(下記式のVsが、400V以上を可、400Vより小さい場合を不可とした)。 表面電位変化率(%)=(Vs0−Vs)/Vs0×100Vs0:初期露光前表面電位(=+500V) Vs:5万枚印写試験終了後の露光前表面電位【0100】表1、2、3、4に、上記評価試験結果を示した。また図2〜4は、表1〜3の結果をそれぞれグラフ化したものである。 【0101】 【表1】
【0102】 【表2】
【0103】 【表3】
【0104】 【表4】
【0105】図2には、露光前表面電位を+350〜+800Vに設定した場合(露光量1.0μJ/cm2設定)の感度膜厚依存性、及び薄膜化(40μm→10μm)による感度変化率と露光前表面電位との関係を示した。露光前表面電位を低く設定する程、感度膜厚依存性、及び感度変化率は小さくなった。露光前表面電位を+550Vより大きく設定すると感度変化率は35%より大きくなり不可となった。また、露光前表面電位を+350Vより小さく設定し、実際に印写試験を行うと目視により画像かぶりが確認でき不可と判明した。 【0106】図3には、電子輸送剤(ETM)移動度と、表面電位(初期及び5万枚印写試験後)、表面電位変化率、露光後電位との関係を示した。ETM移動度が小さいほど、印写試験後の表面電位は低下し、表面電位変化率も大きくなった。ETM移動度が1.0×10-8cm2/V/secより小さい場合、表面電位変化率が20.0%より大きくなり不可となった。 【0107】一方、ETM移動度が小さいほど露光後電位は低下し、感度は悪化した。ETM移動度が1.0×10-8cm2/V/secより小さい場合、露光後電位(露光量:1.0μJ/cm2、感光層膜厚:32μm)は150Vより大きくなり不可となった。 【0108】図4には、バインダー樹脂固形分濃度と、露光後電位及び摩耗量との関係を示した。バインダー樹脂固形分濃度の増加にともない、露光後電位は増大し、摩耗量は減少した。バインダー樹脂固形分濃度が70.0wt%より大きくなると露光後電位は150Vより大きくなり不可となった。また、バインダー樹脂固形分濃度が50.0wt%より小さくなると摩耗量は3.0μmより大きくなり不可となった。 【0109】表4より、本発明の画像形成装置に搭載される単層型感光体のバインダー樹脂として、一般式[1]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂に代えて、一般式[2]で示される繰返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂も使用可能であることが明確となった。 【0110】 【発明の効果】以上より、有機感光体ドラムと、前記有機感光体ドラム周囲に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の各プロセスを順次有し、前記有機感光体ドラムが、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、電送子輸剤、ホール輸送剤を含有するバインダー樹脂からなる感光層を備えた単層型感光体ドラムであり、前記電子輸送剤の電界強度5×105V/cmにおける移動度が1.0×10-8cm2/V/sec以上で、前記バインダー樹脂の固形分濃度が全固形分濃度の50wt%以上70wt%以下であり、前記帯電手段により前記有機感光体ドラム表面を、+350V以上+550V以下に帯電を施し、0.75μJ/cm2以上1.5μJ/cm2以下の露光量を有する前記露光手段により前記有機感光体ドラム表面に静電潜像形成した後、画像形成を行なうことを特徴とする画像形成装置が、前記単層型感光体の耐摩耗性が良好で、長期に至り、表面電位低下や感度悪化が無く、長寿命であることが明確となった。 【0111】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006150 【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−341603(P2002−341603A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月29日(2002.11.29) |
| 【出願番号】 |
特願2001−147848(P2001−147848) |
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