| 【発明の名称】 |
光学機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】柏葉 聖一
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| 【要約】 |
【課題】素子保持部材間の相対位置決定後にこれらを押圧していた調整治具を取り除くと、素子保持部材の変形が解除され、光学素子の位置がずれる。
【解決手段】第1の素子保持部材109の光軸直交端面109dと第2の素子保持部材118の光軸直交端面118aとを当接させた状態でこれら素子保持部材を結合させる結合部材145と、この結合部材と第2の素子保持部材との間に配置され、少なくとも結合部材による不完全結合状態にて第2の素子保持部材を第1の素子保持部材に対して光軸方向に押圧するための付勢力を発生可能な付勢部材120と、第1および第2の素子保持部材間に配置され、上記不完全結合状態にてこれら第1および第2の素子保持部材を光軸直交端面に沿って相対的に位置調整するための調整機構146,109eとを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに光軸方向にて結合され、光学素子をそれぞれ保持する第1および第2の素子保持部材を含む光学機器において、前記第1の素子保持部材における光軸直交端面と前記第2の素子保持部材の光軸直交端面とを当接させた状態でこれら第1および第2の素子保持部材を結合させる結合部材と、この結合部材と前記第2の素子保持部材との間に配置され、少なくとも前記結合部材による未完全結合状態にて前記第2の素子保持部材を前記第1の素子保持部材に対して光軸方向に押圧するための付勢力を発生可能な付勢部材と、前記第1および第2の素子保持部材間に配置され、前記不完全結合状態にてこれら第1および第2の素子保持部材を前記光軸直交端面に沿って相対的に位置調整するための調整機構とを有することを特徴とする光学機器。 【請求項2】 前記調整機構が、前記第1および第2の素子保持部材のうち一方の素子保持部材に、光軸直交方向に延びる回転軸を中心に回転可能に取り付けられ、前記回転軸に対して偏芯した周面を有する偏芯部材と、他方の素子保持部材に形成され、前記偏芯部材の周面を挟む光軸方向に平行な2つの面とを有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。 【請求項3】 前記結合部材が、前記第1および第2の素子保持部材を締め付けにより結合させるビスであり、前記付勢部材が、前記ビスと前記第2の素子保持部材との間に挟まれるばね座金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。 【請求項4】 前記第1の素子保持部材における光学素子を保持する部分の周方向複数箇所に、光軸方向に延びてその先端に前記第2の素子保持部材を結合させる延出部分が形成されており、前記結合部材と前記第2の素子保持部材との間に、前記複数の延出部分の先端に係合して、これら延出部分の変形を防止するための変形防止部材を配置したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学機器。 【請求項5】 前記変形防止部材が前記付勢部材と前記第2の素子保持部材との間に配置されており、前記付勢部材は、前記変形防止部材を介して前記第2の素子保持部材を前記第1の素子保持部材に押圧することを特徴とする請求項4に記載の光学機器。 【請求項6】 前記変形防止部材は、前記結合部材による未完全結合状態にて前記第1の素子保持部材に対する光軸直交面内での移動が阻止されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学機器。 【請求項7】 前記結合部材と前記第2の素子保持部材との間に、前記結合部材による結合過程におけるこれら結合部材と第2の素子保持部材との間の摩擦を軽減するための摩擦軽減部材を配置したことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光学機器。 【請求項8】 請求項4から6のいずれかに記載の光学機器であって、前記変形防止部材が、前記結合部材による結合過程におけるこれら結合部材と第2の素子保持部材との間の摩擦を軽減するための摩擦軽減部材を兼ねていることを特徴とする光学機器。 【請求項9】 前記付勢部材は、前記摩擦軽減部材を介して前記第2の素子保持部材を前記第1の素子保持部材に押圧することを特徴とする請求項7又は8に記載の光学機器。 【請求項10】 前記摩擦軽減部材は、前記結合部材による未完全結合状態にて前記第1の素子保持部材に対する光軸直交面内での移動が阻止されていることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の光学機器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子を保持する素子保持部材を含むレンズ鏡筒等の光学機器に関し、さらに詳しくは、第1および第2の素子保持部材を光軸方向にて結合させて組み立てる光学機器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上記のような光学機器における光学素子の保持構造として、例えば特開平11−211959号公報にて提案されているものがある。 【0003】この保持構造では、それぞれ光学素子(レンズ等)を保持する複数の素子保持部材を光軸方向にて結合させて組み立てる際に、製造誤差に起因する各光学素子の光軸ずれを修正するために、これら素子保持部材を光軸方向にて当接させた状態で光軸直交方向での相対位置を調整できるように、各素子保持部材を専用の調整治具で保持し、この調整治具による外部からの付勢力を直接利用して素子保持部材同士の相対位置を決定するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報にて提案の光学機器では、素子保持部材同士の相対位置を決定した後に調整治具を取り除くと、位置調整中に素子保持部材に生じていた変形による応力を緩和する方向に素子保持部材の変形が解除されるともに光学素子の位置が移動してしまい、光軸ずれを精度良く修正することが困難である。 【0005】そこで、本発明は、簡単な構成で、光軸ずれ修正を精度良く行うことができるようにした光学機器を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明では、互いに光軸方向にて結合され、光学素子をそれぞれ保持する第1および第2の素子保持部材を含む光学機器において、第1の素子保持部材の光軸直交端面と第2の素子保持部材の光軸直交端面とを当接させた状態でこれら第1および第2の素子保持部材を結合させる結合部材と、この結合部材と第2の素子保持部材との間に配置され、少なくとも結合部材による不完全結合状態にて第2の素子保持部材を第1の素子保持部材に対して光軸方向に押圧するための付勢力を発生可能な付勢部材と、第1および第2の素子保持部材間に配置され、上記不完全結合状態においてこれら第1および第2の素子保持部材を光軸直交端面に沿って相対的に位置調整するための調整機構とを設けている。 【0007】すなわち、結合部材による不完全結合状態で付勢部材の付勢力によって第2の素子保持部材を第1の素子保持部材に対して押圧し、これらの光軸方向での相対位置決めを行うとともに、上記不完全結合状態において第1および第2の素子保持部材間に構成された調整機構によって第1および第2の素子保持部材の光軸直交方向における相対位置決めを行う。 【0008】これにより、従来のように装置外部から付勢力を加える調整治具を用いた場合のような部品変形に起因した不具合なく、各素子保持部材の相対位置調整(すなわち、精度の良い光軸ずれ修正)を行うことが可能となるとともに、そのまま結合部材による結合を進めることで上記相対位置関係を維持したまま第1および第2の素子保持部材を一体的に組み立てることが可能となる。 【0009】なお、上記調整機構としては、例えば、第1および第2の素子保持部材のうち一方の素子保持部材に、光軸直交方向に延びる回転軸を中心に回転可能に取り付けられ、この回転軸に対して偏芯した周面を有する偏芯部材と、他方の素子保持部材に形成され、上記偏芯部材の周面を挟む光軸方向に平行な2つの面とを有して構成してもよい。 【0010】また、結合部材としては、第1および第2の素子保持部材を締め付けにより結合させるビスを用い、付勢部材としては、上記ビスと第2の素子保持部材との間に挟まれるばね座金を用いるようにしてもよい。 【0011】さらに、第1の素子保持部材における光学素子を保持する部分の周方向複数箇所に、光軸方向に延びてその先端に第2の素子保持部材を結合させる延出部分が形成されている場合には、結合部材と第2の素子保持部材との間に、上記複数の延出部分の先端に係合して、これら延出部分の変形を防止するための変形防止部材を配置してもよい。 【0012】これにより、第1の素子保持部材の変形による光軸ずれ修正精度の悪化を防止することが可能となる。 【0013】また、結合部材と第2の素子保持部材との間に、結合部材の結合過程におけるこれら結合部材と第2の素子保持部材との間での摩擦の発生を軽減する摩擦軽減部材を配置して、第2の素子保持部材の変形によって光軸ずれ修正精度が悪化することを防止するのが望ましい。 【0014】そして、変形防止部材や摩擦軽減部材を、結合部材による未完全結合状態にて第1の素子保持部材に対する光軸直交面内での移動を阻止するように構成し、組み込み後には両素子保持部材と一体となって光学機器内で移動する可動部を構成することで、装置外部から力を作用させることなく、第1および第2の素子保持部材の変形防止を確実に行なうことが可能となる。 【0015】さらに、摩擦軽減部材を変形防止部材と兼用したり、付勢部材を結合部材と変形防止部材又は摩擦防止部材との間に配置したりして、簡単な構成で効率良く部品の変形を防止するのが望ましい。 【0016】 【発明の実施の形態】図1には、本発明の実施形態である一眼レフカメラ用の交換レンズ(光学機器)の内部構造を示している。 【0017】この交換レンズは、第1〜第6群レンズL1〜L6を有する6群構成のレンズであり、ズーム動作によって全てのレンズL1〜L6が光軸方向に移動し、フォーカス動作によって第2群レンズL2が光軸方向に移動する。このとき、第3群レンズL3と第6群レンズL6とが一体的に移動し、第5群レンズL5は光軸方向への移動とは別に、振れ補正動作を行うために光軸直交方向にも移動する。 【0018】101はマウントで、カメラ本体に取り付けるためのバヨネット部を有しており、固定筒102にビス止め固定されている。 【0019】103は外装環で、マウント101と固定筒102との間に挟み込まれて固定されている。外装環103には、目盛窓104、名称プレート105、SWパネル106が取り付けられている。SWパネル106に設けられたスイッチを切り換えることによって、オートフォーカスや振れ補正などの機能を選択して使用することができる。 【0020】107は案内筒で、固定筒102がビス止めされることでカメラ本体に対して固定部を構成している。案内筒107の外周には、バヨネット結合によって光軸回りの回転のみ可能となっているカム筒108が嵌合している。これにより、カム筒108を回転させると、案内筒107に設けられた光軸方向の案内溝とカム筒108に設けられたカム溝の交点の移動に従い、第3群レンズL3を保持する3群保持枠109、第4群レンズL4を保持する4群保持枠110、振れ補正ユニット111および直進筒112を、それぞれにビス止めされたコロ113〜116を介して光軸方向へ移動させることができる。 【0021】3群保持枠109には、絞り駆動部と絞り羽根部とから構成される電磁絞りユニット117がビス止めされている。また3群保持枠109の延出部109aの後端には、第6群レンズL6を保持する6群保持枠118が、補強板119およびばね座金120とともにビス145によってビス止めされている。 【0022】4群保持枠110の前端にはフック部が設けられており、このフック部には、開放口径の決定および有害光のカットを目的とする移動絞り121が前方より弾性結合されている。これにより、3群保持枠109を間に挟んだ状態での移動絞り121と4群保持枠110との結合を容易としている。 【0023】振れ補正ユニット111は、第5群レンズL5を光軸直交方向に駆動可能に保持しており、マグネットおよびコイルとから構成される駆動部によって第5群レンズL5を駆動する。直進筒112には、フィルター枠122がビス止めされている。 【0024】フィルター枠122の先端外周には、バヨネット部が、内周にはネジ部がそれぞれ設けられており、それぞれフード、フィルター等のアクセサリーが装着可能となっている。 【0025】また、フィルター枠122には、第1群レンズL1を保持する1群保持枠123がビス止めされている。フィルター枠122と1群保持枠123の当接部はそれぞれ周方向に延びる斜面形状に形成されており、1群保持枠123を回転させてフィルター枠122に取り付けることにより、1群保持枠123のフィルター枠122に対する光軸方向の取り付け位置を選択することができる。これにより、製造誤差による広角側と望遠側の焦点位置のずれを補正することができる。 【0026】124は化粧環で、前面にレンズ名称等の表示が印刷されている。125はフォーカスユニットで、案内筒107にビス止めされている。フォーカスユニット125は、主として振動型モータと差動機構とで構成されており、振動型モータのロータ回転量とマニュアルリング126の回転量に応じたフォーカスキー127の回転量を出力する。 【0027】フォーカスユニット125の前側には、水平および垂直方向の振れの角速度を検出する一対の振動ジャイロ128が半田付けされたジャイロ基板129が、ゴムダンパー(図示せず)を介してビス止めされている。 【0028】また、フォーカスユニット125から円弧状に延出した突出部の外周には、グレイコードパターンが形成されたエンコーダフレキシブル基板130が貼り付けられている。 【0029】さらに、フォーカスユニット125の前側における振動ジャイロ128およびエンコーダフレキシブル基板130が設けられていない位相には、突出部が設けられており、この突出部にはコロ131がビス止めされている。 【0030】132はズーム操作環で、周方向に設けられている溝にコロ131が係合することで、光軸方向の移動が阻止された状態で光軸回りの回転のみが可能となっている。 【0031】ズーム操作環132の内周には、カム筒108にビス止めされたズームキー133が係合する凹部が形成されている。これにより、ズームキー133を介してズーム操作環132と一体的にカム筒108を回転させることができる。 【0032】134は中間筒で、その外周には、ズーム操作環132の内周に設けられた光軸方向に延びる溝に係合する突起部が、内周には、フィルター枠122の外周に設けられた突起部が係合するリード溝が形成されている。このため、中間筒134はズーム操作環132と一体的に回転し、ズーム操作環132の回転方向の位置とフィルター枠122の光軸方向の位置に応じて光軸方向に進退する。 【0033】本実施形態の交換レンズでは、振動ジャイロ128をカメラ本体から離れた位置(フォーカスユニット125の前)に配置することで、カメラ本体が発生する振動(シャッター幕走行やミラーアップ・ダウンの振動など)が振動ジャイロ128に伝わりにくい構造となっており、ケース内に収納するなど従来用いられてきた手法を必要としない。 【0034】また、ズーム操作環132の光軸方向の位置決め部を振動ジャイロ128が設けられていない位相に設けることで、レンズ外径を大きくせずに振動ジャイロを配置することができるようにしている。これらの手法により、本交換レンズの小型化が達成されている。 【0035】135はズーム操作環132の外周に巻き付けられたズームゴムで、136はズーム操作環132の前端部に弾性結合しているネームリングである。 【0036】137はズーム操作環132にビス止めされたズームブラシで、エンコーダフレキシブル基板130のグレイコードパターン上を摺動して、ズーム操作環132とエンコーダフレキシブル基板130の位置関係を検出するために用いられる。 【0037】138はインナーカム筒で、コロ139がコイルばねを介してビス止めされている。このコロ139は、案内筒107に設けられたカム溝およびカム筒108に設けられた光軸方向溝に係合する。このため、インナーカム筒138はカム筒108と一体的に回転しながら光軸方向に進退する。 【0038】140は第2群レンズL2を保持する2群保持枠で、外周に設けられた突起部がインナーカム筒138の内周に設けられたカム溝に係合している。また、2群保持枠140から延出したキー部は、フォーカスキー127と一体的に回転するよう係合している。このため、2群保持枠140は、カム筒108が回転する(フォーカスキー127は停止)と、インナーカム筒138の光軸方向進退量とインナーカム筒138のカム溝の回転に伴う係合点の光軸方向変化量の合計量だけ光軸方向に進退する。 【0039】また、フォーカスキー127が回転する(カム筒108は停止)と、回転しながらインナーカム筒138のカム溝との係合点の光軸方向変化量に応じて進退する。 【0040】本実施形態の交換レンズでは、これらの機構により、インナーフォーカスにおける焦点距離変化に伴なう焦点位置ずれをメカ的に補正して第2群レンズL2を光軸方向に進退させる。 【0041】141は目盛シートで、フォーカスユニット125の出力であるフォーカスキー127と一体的に回転し、目盛窓104と合わせて焦点位置の表示を行う。 【0042】142はメイン基板で、フォーカスユニット125、電磁絞りユニット117、振れ補正ユニット111、ジャイロ基板129およびエンコーダフレキシブル基板130と可撓性フレキシブル基板を介して又は直接、電気的に接続され、各種制御を行う。 【0043】143はマウント101にビス止めされ、メイン基板142とフレキシブル基板を介して接続された接点ブロックであり、カメラ本体との通信および電源の供給を行うために設けられている。144は裏蓋で、マウント101に弾性結合して有害光をカットしている。 【0044】146は、それぞれが偏芯した中心軸を有する回転軸部146aおよびコロ部146bとを有する偏芯コロである。この偏芯コロ146の軸部146aは6群保持枠118のコロ受け部118cに設けられたコロ軸穴部118dに圧入されて外れることなく回転可能に保持されているとともに、コロ部146bは3群保持枠109の延出部109aに設けられた光軸方向の長穴部109eに係合している。 【0045】以上のように構成された交換レンズでは、ズーム操作環132を回転させると、ズームキー133を介してカム筒108が回転し、上記機構に従い全てのレンズL1〜L6が光軸方向に進退してズーミングが行われる。なお、この際、第3群レンズL3と第6群レンズL6とは一体的に進退する。 【0046】一方、オートフォーカス時には振動型モータの駆動により、マニュアルフォーカス時にはマニュアルリング126を回転させることにより、それぞれフォーカスキー127を回転させる。これにより、上記機構に従い、第2群レンズL2が進退し、フォーカシングを行うことができる。 【0047】また、振れ補正動作時には、振動ジャイロ128の出力およびエンコーダフレキシブル基板130の出力に応じて振れ補正ユニット111を制御し、第5群レンズL5を光軸直交面内で、発生している振れによるフィルム面での像の移動を打ち消す方向に駆動する。 【0048】次に、第3群および第6群レンズL3,L6を保持して一体的に連結するレンズ保持構造について図2を用いて詳しく説明する。 【0049】このレンズ保持構造では、図1で説明した構成部品のうち、マウント101、外装環103、マニュアルリング126、メイン基板142、裏蓋144およびこれらに固定された部品を組み込む前に、固定筒102を調整治具本体(不図示)に固定した状態で、第6群レンズL6を保持した6群保持枠(請求の範囲にいう第2の素子保持部材)118を、第3群レンズL3を保持した3群保持枠(同、第1の素子保持部材)109に対して光軸直交方向の位置を調整して取り付ける。 【0050】これにより、第1から第6群レンズL1〜L6およびこれらを保持する各部品の製造誤差によって生ずる光学性能の劣化を修正し、所望の光学性能を得ることができる。 【0051】3群保持枠109は、第3群レンズL3を保持する円筒部からフランジ部を介してレンズ後方へと延出する3本の延出部109aを有している。各延出部109aには前述した光軸方向に延びる長穴部109eが貫通形成されており、延出方向先端、すなわち後端には、光軸直交端面である6群保持枠118との当接面109bと、ビス下穴部109dと、一対の円柱状突起109cとが設けられている。 【0052】6群保持枠118における第6群レンズL6を保持する円筒部の外周のうち、3群保持枠109の当接面109bおよびビス下穴部109dに対応する位置の3箇所には、3群保持枠109との当接面とビス穴部118bとが設けられたフランジ部118aが形成されている。 【0053】また、3群保持枠109の各延出部109aの内径側に位置することになる各コロ受け部118cに形成されたコロ軸穴部118dには、偏芯コロ146の回転軸部146aが圧入されており、これによって偏芯コロ146は、3群保持枠109に外れることなく回転可能に保持される。また、回転軸部146aとは異なる中心軸を有するコロ部146bの周面が3群保持枠109の延出部109aに設けられた長穴部109eにおける光軸方向に平行な2つの内面に係合する。 【0054】補強板(請求の範囲にいう変形防止部材、摩擦軽減部材)119は、円環状の形状を有しており、3群保持枠109のビス下穴部109dおよび円筒状突起109cに対応する3箇所の位置には、ビス穴部119a、丸穴部119bおよび長穴部119cがそれぞれ形成されている。 【0055】これらの部品により構成されるレンズ保持構造は、以下のようにして組み立てられる。 【0056】まず、3群保持枠109の当接面109bに6群保持枠118のフランジ部118aの前端面(光軸直交端面)を突き当てる。 【0057】次に、補強板119を6群保持枠118のフランジ部118aの後端面に当接させた状態で、ネジ軸部回りにばね座金(請求の範囲にいう付勢部材)120を取り付けたセルフタップ用ビス(請求の範囲にいう結合部材)145によって、6群保持枠118の3箇所のフランジ部118aを3群保持枠109の3箇所の延出部109aにそれぞれビス止めする。 【0058】これにより、各構成部品が全て一体化され、交換レンズ内において1つの可動部を構成する。 【0059】次に、本レンズ保持構造における第3群レンズL3と第6群レンズL6との光軸ずれ修正について説明する。光軸ずれ修正は、ビス145を途中まで締め付けた状態、すなわち6群保持枠118を3群保持枠109に完全に固定できていないが、ばね座金120によるばね力(付勢力)によって補強板119を介して6群保持枠118を3群保持枠109に対して押圧した状態(請求の範囲にいう不完全結合状態)で行われる。 【0060】このとき、前述したように、6群保持枠118の各コロ受け部118cのコロ軸穴部118dには、偏芯コロ146の回転軸部146aが圧入固定され、コロ部146bの周面が3群保持枠109の長穴部109eにおける光軸方向に平行な2つの内面に係合している。 【0061】このため、6群保持枠118のコロ軸穴118dを中心として偏芯コロ146を回転させると、コロ部146bが3群保持枠109の長穴部109eの中を光軸方向に移動するとともに、軸部146aがコロ部146bを中心に偏芯回転し、ばね座金120のばね力によって3群保持枠109に対して押圧されている6群保持枠8が、3群保持枠109の当接面109bに沿って光軸直交方向に移動する。 【0062】そして、3箇所の偏芯コロ146の回転位置の組み合わせによって、6群保持枠118を光軸直交面内で所望の方向に移動させることができ、第3群レンズL3に対する第6群レンズL3の光軸ずれを修正することができる。 【0063】ここで、6群保持枠118のビス穴部118bの径は、想定される必要な光軸ずれ修正量分だけ6群保持枠118が移動できるように、ビス145のネジ軸部の外径に対して大きく設定されている。 【0064】また、3群保持枠109の延出部109eの後端のうち円筒状突起109cが形成された部分の、当接面109bに対する光軸方向後方への突出量t1と、6群保持枠118のフランジ部118aの厚みt2とは、t1<t2の関係にある。 【0065】このため、補強板119は6群保持枠118のフランジ部118aの後端面に当接するが、3群保持枠109の延出部109eにおける突出量t1の部分の後端面には当接しない。したがって、ばね座金120によって補強板119を介して6群保持枠118を確実に3群保持枠109に押し付けることができ、第3群レンズL3と第6群レンズL6との光軸方向間隔を決めることができる。 【0066】さらに、補強板119の丸穴部119bおよび長穴部119cに、3群保持枠109の3本の延出部109aに設けられた円筒状突起109cが嵌合することにより、補強板119は3群保持枠109に対して両保持枠109,118の光軸修正面(光軸直交面)内で位置決めされるとともに、3群保持枠109の延出部109aの変形もそれぞれ防止される。 【0067】このため、補強板119は光軸ずれ修正中に3群保持枠109と一体となり、修正完了後には6群保持枠118とも一体となって全体で可動部を構成することが可能であって、装置外部から作用する力に起因した不具合なく、両保持枠109,118の変形防止を確実に行なうことが可能となる。 【0068】以上説明したように、本実施形態では、6群保持枠118を3群保持枠109に結合させるためのビス145を締め付ける途中において、ばね座金120のばね力によって6群保持枠118と3群保持枠109の光軸方向間隔を決めた状態で光軸ずれ修正のために6群保持枠118を3群保持枠109に対して光軸直交方向に移動させることができるように構成されている。 【0069】また、ばね座金120のばね力によって6群保持枠118を3群保持枠109に押圧した状態で、偏芯コロ146の回転を6群保持枠118の光軸直交方向の移動に変換することができるように構成されている。 【0070】このため、従来のように最終的に取り除かれてしまう調整治具による外部からの力を必要としないため、各構成部品の変形に起因した不具合が発生せず、光軸ずれを精度良く修正することができる。 【0071】また、6群保持枠118の調整移動を外部からの力で直接行なわずに、偏芯コロ146の回転を変換して行うため、偏芯コロ146の回転量を適宜選択することによって6群保持枠109の3群保持枠118に対する微調整が簡単にでき、光軸ずれを精度良く修正することができる。 【0072】なお、本発明の具体的構成は、上記実施形態で説明したものに限られるものではない。 【0073】例えば、上記実施形態では、最終的な6群保持枠118の固定をビス145を締め付けることで行っているが、偏芯コロ146を3群保持枠109に接着することで偏芯コロ146の回転位置を固定するように構成してもよい。 【0074】また、スペース的に許されるのであれば、ばね座金120によるばね力を、ビス145の下とは別の位置で発生させることも可能であるし、ばね座金120と補強板119の位置を入れ換えて構成してもよい。 【0075】さらに、ばね座金120に代えて、皿ばね、波形座金、板ばね、コイルばねといったばね性を有する部品を用いることも可能である。 【0076】また、本実施形態では、ビス145を締め付ける際にビス145のネジ軸部と3群保持枠109のビス下穴部109dとの間やビス145の頭部と6群保持枠118のフランジ部118aとの間に発生する摩擦力、又は6群保持枠118を3群保持枠109に対して光軸直交方向に移動させる際に当接面109bに発生する摩擦力による3群保持枠109の延出部119aの変形・ねじれや6群保持枠118のフランジ部118aのねじれを、以下のように防止している。 【0077】第1に、ビス145のネジ軸部と3群保持枠109のビス下穴部109dとの間や6群保持枠118と3群保持枠109との当接面に発生する摩擦力による3群保持枠109の延出部109aの変形・ねじれに関しては、補強板119によって延出部109aの変形を阻止することでこれを防止している。 【0078】第2に、ビス145の頭部と6群保持枠118のフランジ部118aとの間に発生する摩擦力によるフランジ部118aのねじれに関しては、3群保持枠109との間の相対移動が阻止された補強板119を間に挟むことによって、上記摩擦力の発生を補強板119とビス145との間に限定することで防止している。 【0079】なお、本実施形態にて用いた補強板119は、他の部品強度が充分であれば省くことも可能であり、必要に応じて用いればよい。 【0080】また、それぞれの部品変形要因に対してそれぞれ別体の変形防止部材を設けても構わないし、テフロン(登録商標)シート等の摩擦係数の低い部品を変形防止部材とは別に挟み込むようにして摩擦力の発生・伝達を防止するようにしてもよい。 【0081】また、上記実施形態では、偏芯コロ146を6群保持枠118に固定し、偏芯コロ146に係合する長穴部109eを3群保持枠109に形成した場合について説明したが、偏芯コロを3群保持枠に固定し、長穴部を6群保持枠に形成してもよい。 【0082】さらに、上記実施形態では、一眼レフフィルムカメラに用いられる交換レンズについて説明したが、本発明は、レンズシャッタカメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の各種撮影装置(光学機器)のレンズ鏡筒部分に用いることができる。 【0083】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、結合部材による不完全結合状態において付勢部材の付勢力により第2の素子保持部材を第1の素子保持部材に対して押圧することにより、これらの光軸方向での相対位置決めを行うことができるとともに、上記不完全結合状態において第1および第2の素子保持部材間に構成された調整機構によって第1および第2の素子保持部材の光軸直交方向における相対位置決めを行うことができる。 【0084】したがって、従来のように装置外部から付勢力を加える調整治具を用いた場合のような部品変形に起因した不具合なく、各素子保持部材の相対位置調整(すなわち、精度の良い光軸ずれ修正)を行うことができるとともに、そのまま結合部材による結合を進めることで上記相対位置調整状態を維持したまま第1および第2の素子保持部材を一体的に組み立てることができる。 【0085】なお、第1の素子保持部材における光学素子を保持する部分の周方向複数箇所に、光軸方向に延びてその先端に第2の素子保持部材を結合させる延出部分が形成されている場合において、結合部材と第2の素子保持部材との間に、上記複数の延出部分の先端に係合して、これら延出部分の変形を防止するための変形防止部材を配置すれば、第1の素子保持部材の変形による光軸ずれ修正精度の悪化を防止することができる。 【0086】また、結合部材と第2の素子保持部材との間に、結合部材の結合過程におけるこれら結合部材と第2の素子保持部材との間での摩擦の発生を軽減する摩擦軽減部材を配置すれば、第2の素子保持部材の変形によって光軸ずれ修正精度が悪化することを防止することができる。 【0087】そして、変形防止部材や摩擦軽減部材の第1および第2の素子保持部材に対する光軸直交面内での移動を阻止するようにすれば、組み込み後も両素子保持部材と一体となって光軸方向に移動可能な可動部を構成することもできる。 【0088】さらに、摩擦軽減部材を変形防止部材と兼用したり、付勢部材を結合部材と変形防止部材又は摩擦防止部材との間に配置したりすれば、簡単な構成で効率良く部品の変形を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月26日(2000.12.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067541 【弁理士】 【氏名又は名称】岸田 正行 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−196205(P2002−196205A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月12日(2002.7.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−396213(P2000−396213) |
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