| 【発明の名称】 |
走査装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】名取 孝夫
【氏名】井上 武文
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| 【要約】 |
【課題】強磁性体からなる被検査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置(探傷用非破壊検査装置)において、コンパクトな構成で、作業性よく広域にわたる連続的な走査を可能とし、かつ被検査体の表面形状に対する汎用性を高める。
【解決手段】左右両端部にマグネットローラ16が固定された前後1対のシャフト14を、シャフト駆動手段18によって回転させるとともに、走査ヘッド12を支持した状態で両シャフト14に支持されたスライダ20を、スライダ駆動手段22によって両シャフト14の軸線Ax方向に移動させる構成とする。そして、走査装置10を被検査体2の所定位置にセットした後、両シャフト14を回転させることにより、各マグネットローラ16を被検査体2への吸着状態を維持させたままその表面を転動させ、これにより走査ヘッド12を前後方向へ移動させる。一方、スライダ20を軸線Ax方向に移動させることにより、走査ヘッド12を左右方向に移動させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置において、所定間隔をおいて互いに平行に配置された前後1対のシャフトと、これら各シャフトの左右略両端部に固定された前後2対のマグネットローラと、上記両シャフトのうち少なくとも一方を回転させるシャフト駆動手段と、上記走査ヘッドを支持した状態で上記両シャフトに支持され、該両シャフトの軸線方向に移動可能とされたスライダと、このスライダを上記軸線方向に移動させるスライダ駆動手段と、を備えてなることを特徴とする走査装置。 【請求項2】 上記各マグネットローラが、円筒状のマグネットと、このマグネットの両側に設けられた該マグネットよりも大径の1対の強磁性体リングとからなる、ことを特徴とする請求項1記載の走査装置。 【請求項3】 上記走査ヘッドが、上記両シャフトの間において上記被走査体と対向するように配置されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の走査装置。 【請求項4】 上記前後1対のシャフトの左右両端部近傍部位に、これらシャフトを支持するブラケットが各々設けられており、これらブラケットの各々に把持部が形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の走査装置。 【請求項5】 上記走査装置が、超音波探触子を備えた探傷用非破壊検査装置である、ことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の走査装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本願発明は、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、探傷用非破壊検査装置においては、超音波探触子を被検査体に近接するように配置し、この超音波探触子を有する走査ヘッドを被検査体の表面に沿って走査させるように構成されている。 【0003】その際、走査ヘッドの走査は2方向について行う必要があるが、これを実現するための具体的構成としては図14に示すようなものが知られている。 【0004】すなわち、図示の探傷用非破壊検査装置200は、被検査体2にマグネット202等により固定されたレール204と、このレール204に沿って走行可能とされた装置本体206と、レール204と直交する方向に延び、該直交方向に移動し得るようにして装置本体206に支持されたロッド208と、このロッド208に固定された走査ヘッド210とを備えてなっている。そして、この探傷用非破壊検査装置200においては、装置本体206をレール204に沿って走行させるとともに、この装置本体206に対してロッド208をその軸線方向に移動させることにより、走査ヘッド210を前後方向および左右方向に移動させ得るようになっている。 【0005】なお、図示の探傷用非破壊検査装置200においては、走査ヘッド210の支持を確実に行うため、補助レール212をレール204と平行に配置し、この補助レール212にロッド208を支持する支持ブロック214が移動可能に取り付けられている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の探傷用非破壊検査装置200は、被検査体2の表面にその検査対象領域に比してかなり大きな設置スペースを必要とする大掛かりな構成となってしまうという問題がある。 【0007】また、上記従来の探傷用非破壊検査装置200においては、被検査体2を広域にわたって検査する際には検査対象領域を順次移動させる必要があるが、その移動のたびに探傷用非破壊検査装置200を被検査体2に対して設置し直す必要があるので、作業性が非常に悪いという問題もある。 【0008】さらに、上記従来の探傷用非破壊検査装置200においては、被検査体2の表面形状が円筒形状である場合には、その円筒面の曲率に合致したレール204および補助レール212を準備する必要があり、極めて汎用性に乏しいという問題もある。 【0009】このような問題は、探傷用非破壊検査装置の場合のみならず、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置一般において同様に生じ得る問題である。 【0010】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置において、コンパクトな構成で、作業性よく広域にわたって連続的に走査を行うことができ、しかも被走査体の表面形状に対する汎用性が高い走査装置を提供することを目的とするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本願発明は、マグネットローラを用いた所定の自走式構造を採用することにより上記目的達成を図るようにしたものである。 【0012】すなわち、本願発明に係る走査装置は、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置において、所定間隔をおいて互いに平行に配置された前後1対のシャフトと、これら各シャフトの左右略両端部に固定された前後2対のマグネットローラと、上記両シャフトのうち少なくとも一方を回転させるシャフト駆動手段と、上記走査ヘッドを支持した状態で上記両シャフトに支持され、該両シャフトの軸線方向に移動可能とされたスライダと、このスライダを上記軸線方向に移動させるスライダ駆動手段と、を備えてなることを特徴とするものである。 【0013】上記「走査装置」は、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成されたものであれば、その用途は特に限定されるものではなく、例えば、探傷用非破壊検査装置、プロッタ、イメージスキャナ、レーザ加工装置等を用途とするものが採用可能である。 【0014】上記「前後」および「左右」の方向は、直交2方向を示すための便宜上の方向であって、走査装置の使用状態における方向とは全く無関係である。すなわち、例えば、上記「前後」方向および「左右」方向が、走査装置の使用状態においても前後方向および左右方向であってよいことはもちろんであるが、走査装置の使用状態において、上下方向および左右方向、左右方向および上下方向、あるいは円筒面における円周方向および軸線方向等であってもよい。 【0015】上記「マグネットローラ」とは、被走査体または該被走査体の表面に敷設された治具が強磁性体である場合において、磁力により該被走査体または治具に吸着するように構成されたローラを意味するものであって、その具体的構成は特に限定されるものではなく、永久磁石で構成されたものであってもよいし、電磁石で構成されたものであってもよい。 【0016】上記「走査ヘッド」の被走査体に対する対向位置は特に限定されるものではなく、両シャフトの間であってもよいし、両シャフトの前方あるいは後方であってもよい。 【0017】 【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る走査装置は、左右略両端部にマグネットローラが固定された前後1対のシャフトのうち少なくとも一方をシャフト駆動手段によって回転させるとともに、走査ヘッドを支持した状態で両シャフトに支持されたスライダをスライダ駆動手段によって両シャフトの軸線方向に移動させるように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。 【0018】すなわち、被走査体が鋼板等の強磁性体であれば、前後2対のマグネットローラを被走査体に吸着させることにより、走査ヘッドを被走査体の表面に対して所定位置に位置決めすることができる。そして、シャフト駆動手段によって両シャフトのうち少なくとも一方を回転させることにより、各マグネットローラを被走査体への吸着状態を維持させたままその表面を転動させ、これにより走査ヘッドを前後方向へ移動させることができる。一方、スライダ駆動手段によってスライダを両シャフトの軸線方向に移動させることにより、走査ヘッドを左右方向に移動させることができる。 【0019】したがって、左右方向に関してはスライダのストローク幅、前後方向に関しては長さの制約がない帯状の領域を走査可能領域として設定することができ、この走査可能領域に対して、従来のように走査装置を何回も設置し直す必要なく、連続的に走査ヘッドを走査させることができる。 【0020】しかも、走査装置が必要とする被走査体の表面における設置スペースは、左右方向に関しては左右のマグネット相互間の距離(すなわちスライダの最大ストローク幅と略同じ値)であり、前後方向に関しては前後1対のシャフト相互間の距離と略同じ値であるので、走査装置を極めてコンパクトに構成することができる。そして、この設置スペースに比して上記走査可能領域を非常に大きな面積に設定することができる。 【0021】また、被走査体の表面形状が円筒形状である場合においても、被走査体に対して走査装置をその前後2対のマグネットローラが円周方向に転動するように配置すれば、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを難なく走査させることができる。 【0022】このように本願発明によれば、被走査体の表面に沿って走査ヘッドを走査させるように構成された走査装置において、コンパクトな構成で、作業性よく広域にわたって連続的に走査を行うことができ、しかも被走査体の表面形状に対する汎用性を高めることができる。 【0023】なお、被走査体自体は強磁性体でなくても、被走査体の表面におけるマグネットローラが走行する部分に鋼帯等の強磁性体からなる治具を敷設するようにすれば、上記作用効果を得ることができる。 【0024】上記構成において、マグネットローラの具体的構成が特に限定されないことは上述したとおりであるが、これを、円筒状のマグネットと、このマグネットの両側に設けられた該マグネットよりも大径の1対の強磁性体リングとからなる構成とすれば、マグネットにより形成される磁力線の向きを強磁性体からなる被走査体または治具に対して垂直方向に設定することができるので、マグネットローラの被走査体に対する吸着力を高めることができる。 【0025】また上記構成において、走査ヘッドを両シャフトの間において被走査体と対向するように配置すれば、走査装置を一層コンパクトに構成することができ、また被走査体の表面形状が円筒形状である場合においても走査ヘッドを被走査体に対して略正対させることが容易に可能となる。 【0026】さらに上記構成において、前後1対のシャフトの左右両端部近傍部位に、これらシャフトを支持するブラケットを各々設け、これらブラケットの各々に把持部を形成しておけば、両把持部を両手で掴んだ状態で走査装置の被走査体に対する取付けおよび取外し作業を行うことが可能となるので、その作業性を高めることができる。特に、マグネットローラとして永久磁石を用いた場合には、マグネットローラの吸着力を考慮して上記取付けおよび取外し作業を行う必要があるので、各ブラケットに把持部を形成しておくことが特に効果的である。 【0027】本願発明に係る走査装置の用途が特に限定されないことは上述したとおりであるが、コンパクトな構成で、作業性よく広域にわたって連続的に走査を行うことができ、しかも被走査体の表面形状に対する汎用性を高めることができるという特性を有しているので、該走査装置が超音波探触子を備えた探傷用非破壊検査装置である場合には、従来の探傷用非破壊検査装置では検査不可能な狭いスペースでの検査であっても効率よく作業を行うことができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態について説明する。 【0029】図1は、本願発明の一実施形態に係る走査装置を示す正面図であり、図2は、その平面図である。また、図3および4は、図1および2のIII 部およびIV部詳細図であり、図5および6は、上記走査装置を示す左側面詳細図および右側面詳細図である。 【0030】これらの図に示すように、本実施形態に係る走査装置10は、鋼鈑等の強磁性体からなる被検査体2の表面や内部の傷あるいは肉厚等を検査する探傷用非破壊検査装置であって、超音波探触子(これについては後述する)を有する走査ヘッド12を被検査体2の表面に沿って走査させるように構成されている。 【0031】この走査装置10は、所定間隔をおいて互いに平行に配置された前後1対のシャフト14と、これら各シャフト14の左右両端部に固定された前後2対のマグネットローラ16と、両シャフト14を回転させるシャフト駆動手段18と、走査ヘッド12を支持した状態で両シャフト14に支持され、該両シャフト14の軸線Ax方向に移動可能とされたスライダ20と、このスライダ20を軸線Ax方向に移動させるスライダ駆動手段22とを備えてなっている。 【0032】上記前後1対のシャフト14の左右両端部近傍部位には、これらシャフト14を支持するブラケット24A、24Bが各々設けられており、これら各ブラケット24A、24Bの上部には、該ブラケット24A、24Bを手で掴むための把持部24Aa、24Baが形成されている。 【0033】また、前方側(手前側)のシャフト14の上方近傍には、軸線Ax方向に延びるスライドガイド26が設けられている。このスライドガイド26は、その左端部においてガイドホルダ28Aを介してシャフト駆動手段18のギヤボックス40に固定されており、また右端部においてガイドホルダ28Bを介して右側のブラケット24Bに固定されている。一方、後方側(奥側)のシャフト14の上方近傍には、軸線Ax方向に延びるラックホルダ30が設けられている。このラックホルダ30は、その左右両端部においてブラケット24A、24Bに固定されている。そして、このラックホルダ30の前面には、軸線Ax方向に延びるラック32が固定されており、またラックホルダ30の左右両端部近傍部位には、近接ドグ70(これについては後述する)が各々取り付けられている。図7は、上記シャフト駆動手段18を詳細に示す、図5のVII-VII 線断面図である。 【0034】同図および図5に示すように、このシャフト駆動手段18は、パルスモータ34と、ギヤユニット36と、ロータリエンコーダ38とを備えてなり、左側のブラケット24Aに取り付けられている。 【0035】ギヤユニット36は、ギヤボックス40内に複数のギヤ42、44、46、48および50が収容されてなっている。そして、このシャフト駆動手段18においては、パルスモータ34の駆動力を、その出力軸34aに連結されたギヤ42、44、46および48からなる減速ギヤ列を介して両シャフト14に伝達するようになっている。 【0036】上記各シャフト14は、その左端部が小径部14aとして形成されており、該小径部14aの2箇所においてギヤボックス40およびブラケット24Aにベアリング52を介して回転可能に支持されている。そして、この小径部14aの先端部に上記マグネットローラ16がアルミニウム製のアウタシャフト54を介して固定されている。この固定は、アウタシャフト54と螺合するネジ56を小径部14aに形成された凹部平面に当接させて締め付けることにより行われており、これによりマグネットローラ16およびアウタシャフト54をユニットとして着脱交換し得るようになっている。 【0037】上記マグネットローラ16は、円筒状のマグネット(永久磁石)16Aと、このマグネット16Aの両側に設けられた該マグネット16Aよりも大径の1対の鋼製の強磁性体リング16Bとからなり、アウタシャフト54に圧入固定されている。なお、他の位置のマグネットローラ16も、同様にアウタシャフト54を介してシャフト14の端部の小径部14aにネジ締め固定されている。 【0038】上記パルスモータ34の回転量は、ギヤ50を介してロータリエンコーダ38により検出されるようになっており、その検出結果に応じてパルスモータ34の回転に伴う走査ヘッド12の前後方向の送りピッチが制御されるようになっている。図8および9は、上記スライダ20およびスライダ駆動手段22を詳細に示す正面図および平面図であり、図10は、図9のX-X 線断面図である。 【0039】これらの図に示すように、スライダ20およびスライダ駆動手段22は、前後1対のシャフト14の間に配置されている。 【0040】上記スライダ20は、スライドガイド26に対して軸線Ax方向にスライド可能に係合するボールスライダ58と、このボールスライダ58の後面部に固定されたスライダブロック60と、このスライダブロック60の右側面部に固定されたヘッドホルダ62とを備えてなり、ヘッドホルダ62において上記走査ヘッド12を支持するようになっている。 【0041】上記スライダブロック60の上端面部にはプランジャホルダ64が固定されており、このプランジャホルダ64には、ヘッドホルダ62を上方から弾性的に押圧して走査ヘッド12が不用意に浮き上がってしまうのを防止するプランジャ66が支持されている。 【0042】また、上記ヘッドホルダ62には、後方へ突出する近接スイッチ68が取り付けられている。この近接スイッチ68は、スライダ20が軸線Ax方向に近接ドグ70(図2および4参照)と対向する位置まで移動したとき、磁気的に位置検出を行ってスライダ駆動手段22の駆動を停止させ、これによりスライダ20が軸線Ax方向方向に必要以上に移動してしまうのを防止するようになっている。 【0043】一方、上記スライダ駆動手段22は、モータユニット72と、このモータユニット72を、その出力軸72aが下向きとなるように支持した状態で、スライダブロック60の左側面部に固定されたモータブラケット74と、モータユニット72の出力軸72aに取り付けられ、上記ラック32と噛合するピニオン76と、モータユニット72を電磁的にシールドするシールドカバー78およびシールドキャップ80とを備えてなっている。上記モータユニット72は、DCモータ82と、減速歯車列84と、ロータリエンコーダ86とを備えてなっている。図11および12は、上記走査ヘッド12を詳細に示す正面一部断面図および平面図であり、図13は、その右側面図である。 【0044】これらの図に示すように、走査ヘッド12は、被検査体2の表面に近接配置された状態で該被検査体2に対して右斜め下方へ向けて超音波を送信する斜入射型の超音波探触子88と、この超音波探触子88を、その下端面88aが露出するようにして収容支持する探触子ハウジング90と、この探触子ハウジング90を固定支持する探触子ホルダ92と、この探触子ホルダ92を、回転子94および回転子ホルダ96を介して点P回りに全方向回動可能に支持する回転子取付板98と、超音波探触子88の下端面88aと被検査体2の表面との間隔を調整する間隔調整機構100とを備えてなり、回転子取付板98の左端部において上記スライダ20のヘッドホルダ62に固定されている。なお、上記超音波探触子88は、その下端面88aが探触子ハウジング90の下端面と面一となるようにして該探触子ハウジング90に組み込まれている。 【0045】上記探触子ハウジング90の前後両側には、探触子ホルダ92が被検査体2の表面の凹凸等によって不用意に損傷してしまうのを防止するための1対のガイドプレート102が取り付けられている。すなわち、これら各ガイドプレート102の右下端部には、下端面が斜め上向きに傾斜したウェッジ部102aが形成されており、走査ヘッド12が軸線Axに沿って右方向に移動する際、被検査体2の表面に万一凸部が存在していたような場合であっても、該凸部に上記ウェッジ部102aを乗り上げさせることにより超音波探触子88が損傷してしまうのを未然に防止するようになっている。 【0046】上記各ガイドプレート102の上部には、その左右方向3箇所に縦長の長孔102bが形成されており、これら3箇所の長孔102bにおいて各ガイドプレート102がボルト104により探触子ハウジング90に固定されている。そしてこれにより、各ガイドプレート102は、その下端面102cの上下位置および左右傾斜角が調整可能とされている。 【0047】上記探触子ハウジング90は、その上端面4箇所において探触子ホルダ92にネジ止め固定されており、また、この探触子ホルダ92は、ボルト106により回転子94に固定されている。 【0048】上記回転子取付板98は、右端部が前後2つのアーム部98aに分かれており、また回転子ホルダ96は、回転子94の球面形状に沿った前後2つの部材からなっている。そして、これら回転子ホルダ96は、回転子94を挟んだ状態で回転子取付板98の両アーム部98a間のスペースに上方から挿入され、該回転子取付板98にボルト締めにより固定されている。 【0049】上記回転子取付板98の右端部には、後方側のアーム部98aに後方から挿入されて前方側のアーム部98aと螺合するボルト108が設けられている。そして、このボルト108を緩めることにより、回転子取付板98に対する探触子ホルダ92の回動(すなわち回転子ホルダ96に対する回転子94の回動)を許容するとともに、上記ボルト108を締め付けることにより、回転子取付板98に対して探触子ホルダ92を固定するようになっている。 【0050】上記間隔調整機構100は、超音波探触子88の左方近傍において被検査体2の表面と当接するボール110と、このボール110を全方向回転可能に支持するフリーベアリング112と、このフリーベアリング112の上端部に固定されて上方へ延び、探触子ホルダ92と螺合する調整ネジ114と、この調整ネジ114を囲むようにしてフリーベアリング112と探触子ホルダ92との間に介装された複数の皿バネ116と、探触子ホルダ92と螺合するように設けられ、調整ネジ114に対して前方側から当接して該調整ネジ114の回転を阻止するストッパネジ118とからなっている。上記調整ネジ114の上端部には、マイナスドライバと係合するための係合溝114aが形成されている。 【0051】なお、上記回転子取付板98には、調整ネジ114の上端部を露出させるための調整用開口部98bが形成されており、また、該回転子取付板98および探触子ホルダ92には、超音波探触子88に接続されるコード(図示せず)を挿通させるためのコード挿通用開口部98cおよび92aが形成されている。 【0052】上記走査ヘッド12においては、超音波探触子88の下端面88aが被検査体2の表面に対して微小間隔(例えば0.15〜0.20mm程度)をおいて正対するようアライメントが行われるようになっている。 【0053】このアライメントは、超音波探触子88の下端面88aを被検査体2の表面に密着させた後、超音波探触子88を僅かに上方へ変位させることにより行われるようになっている。 【0054】この超音波探触子88の下端面88aを被検査体2の表面に密着させる操作は、間隔調整機構100の調整ネジ114を回してボール110を十分上方へ移動させるとともに、回転子取付板98のボルト108を緩めた状態で、回転子取付板98に対して探触子ホルダ92を点P回りに回動させることにより行う。このとき、各ガイドプレート102を探触子ハウジング90に固定するボルト104は緩めておき、両ガイドプレート102の下端面102cも検査体2の表面に密着させるようにする。 【0055】そして、超音波探触子88の下端面88aを被検査体2の表面に密着させた後、ボルト104を締め付けて各ガイドプレート102を探触子ハウジング90に固定するとともに、ボルト108を締め付けて回転子取付板98に対して探触子ホルダ92を固定する。 【0056】その後、間隔調整機構100の調整ネジ114を回してボール110をフリーベアリング112と共に下降させ、ボール110を被検査体2の表面に当接させた後、さらに所定量調整ネジ114を回すことにより、超音波探触子88の下端面88aを被検査体2の表面から僅かに浮かせる。そしてこれにより、超音波探触子88の下端面88aを被検査体2の表面に対して微小間隔をおいて正対させた後、調整ネジ114にストッパネジ118を当接させて該調整ネジ114が不用意に回転するのを防止する。本実施形態においては、次のようにして走査ヘッド12の走査が行われるようになっている。 【0057】すなわち、図1および2に示すように、まず、被検査体2の表面に走査装置10をセットする。その際、被検査体2の表面における走査ヘッド12の走査対象領域に接触媒質を塗布しておき、被検査体2の表面と超音波探触子88の下端面88aとの間の微小空間が上記接触媒質で充填されるようにする。 【0058】そしてこの状態で、スライダ駆動手段22によりスライダ20を軸線Ax方向に所定ストロークで往復動させることにより左右方向の走査を行うとともに、シャフト駆動手段18により両シャフト14およびマグネットローラ16を間欠回転させることにより走査装置10を前方へ微小送りピッチ(例えば1mmピッチあるいは2mmピッチ)で移動させる。 【0059】上記スライダ駆動手段22およびシャフト駆動手段18の駆動は、これらに接続された制御手段(図示せず)により行う。なお、この制御手段によりシャフト駆動手段18を逆方向に駆動すれば、走査装置10を後方へ移動させることも可能である。 【0060】以上詳述したように、本実施形態に係る走査装置10は、超音波探触子88を有する走査ヘッド12を備えた探傷用非破壊検査装置であって、左右両端部にマグネットローラ16が固定された前後1対のシャフト14をシャフト駆動手段18によって回転させるとともに、走査ヘッド12を支持した状態で両シャフト14に支持されたスライダ20をスライダ駆動手段22によって両シャフト14の軸線Ax方向に移動させるように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。 【0061】すなわち、前後2対のマグネットローラ16を強磁性体からなる被検査体2に吸着させることにより、走査ヘッド12を被検査体2の表面に対して所定位置に位置決めすることができる。そして、シャフト駆動手段18によって両シャフト14を回転させることにより、各マグネットローラ16を被検査体2への吸着状態を維持させたままその表面を転動させ、これにより走査ヘッド12を前後方向へ移動させることができる。一方、スライダ駆動手段22によってスライダ20を軸線Ax方向に移動させることにより、走査ヘッド12を左右方向に移動させることができる。 【0062】したがって、左右方向に関してはスライダ20のストローク幅、前後方向に関しては長さの制約がない帯状の領域を走査可能領域として設定することができ、この走査可能領域に対して、従来のように走査装置を何回も設置し直す必要なく、連続的に走査ヘッド12を走査させることができる。 【0063】しかも、上記走査装置10が必要とする被検査体2の表面における設置スペースは、左右方向に関しては左右のマグネット16相互間の距離(すなわちスライダ20のストローク幅と略同じ値)であり、前後方向に関しては前後1対のシャフト14相互間の距離と略同じ値であるので、走査装置10を極めてコンパクトに構成することができる。そして、この設置スペースに比して上記走査可能領域を非常に大きな面積に設定することができる。 【0064】また、図5に2点鎖線で示すように、被検査体2の表面形状が円筒形状である場合においても、被検査体2に対して走査装置10をその前後2対のマグネットローラ16が円周方向に転動するように配置すれば、被検査体2の表面に沿って走査ヘッド12を難なく走査させることができる。 【0065】このように本実施形態によれば、被検査体2の表面に沿って走査ヘッド12を走査させるように構成された走査装置において、コンパクトな構成で、作業性よく広域にわたって連続的に走査を行うことができ、しかも被検査体2の表面形状に対する汎用性を高めることができる。 【0066】特に、本実施形態に係る走査装置10は、超音波探触子88を有する走査ヘッド12を備えた探傷用非破壊検査装置であるので、上記作用効果により従来の探傷用非破壊検査装置では検査不可能な狭いスペースでの検査であっても効率よく作業を行うことができる。 【0067】しかも本実施形態においては、マグネットローラ16が、円筒状のマグネット16Aと、このマグネット16Aの両側に設けられた該マグネット16Aよりも大径の1対の強磁性体リング16Bとからなっているので、マグネット16Aにより形成される磁力線の向きを強磁性体からなる被検査体2に対して垂直方向に設定することができ、これによりマグネットローラ16の被検査体2に対する吸着力を高めることができる。 【0068】また本実施形態においては、走査ヘッド12が両シャフト14の間において被検査体2と対向するように配置されているので、走査装置10を一層コンパクトに構成することができ、また被検査体2の表面形状が円筒形状である場合においても走査ヘッド12を被検査体2に対して略正対させることが容易に可能となる。 【0069】さらに本実施形態においては、前後1対のシャフト14の左右両端部近傍部位に、これらシャフト14を支持するブラケット24A、24Bが各々設けられており、これら各ブラケット24A、24Bに把持部24Aa、24Baが形成されているので、両把持部24Aa、24Baを両手で掴んだ状態で走査装置10の被検査体2に対する取付けおよび取外し作業を行うことが可能となり、これにより取付けおよび取外しの作業性を高めることができる。特に、本実施形態のようにマグネットローラ16として永久磁石を用いている場合には、マグネットローラ16の吸着力を考慮して上記取付けおよび取外し作業を行う必要があるので、各ブラケット24A、24Bに把持部24Aa、24Baを形成しておくことが特に効果的である。 【0070】また本実施形態においては、シャフト駆動手段18により前後1対のシャフト14を回転させ、4つのマグネットローラ16をすべて駆動するようになっているので、走査装置10を、その被検査体2に対する配置姿勢にかかわらず前後方向にスムーズに移動させることができる。なお、被検査体2に対する走査装置10の配置姿勢によっては、本実施形態のような4輪駆動方式を採用する代わりに、前後いずれか一方のシャフト14のみを回転させる2輪駆動方式を採用した場合においても、走査装置10を前後方向にスムーズに移動させることができる。 【0071】ところで本実施形態においては、探触子ハウジング90の前後両側に1対のガイドプレート102が取り付けられており、これにより探触子ホルダ92が被検査体2の表面の凹凸等によって不用意に損傷してしまうのを防止する構成となっているが、これらガイドプレート102は、被検査体2の表面に有害な凹凸等が存在しないことが明らかな場合には必ずしも必要ではない。そして、これらガイドプレート102を廃止した場合には、走査ヘッド12の小型化を図ることができ、これにより走査装置10の一層の小型化を図ることができる。 【0072】上記走査装置10は、本実施形態のように単独で使用するようにしてよいことはもちろんであるが、該走査装置10を複数個連結して使用することも可能である。例えば、図1および2において走査装置10の右側に該走査装置10と左右対称の配置でもう1つ走査装置10を配置して両走査装置10を適当な連結具で連結し、この状態で走査を行うようにすることも可能である。このようにした場合には、直線状の溶接部を有する鋼板等の被検査体2に対して、その溶接部の両側近傍領域を同時に検査することが可能となり、これにより検査効率を一層高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】300057528 【氏名又は名称】株式会社ジャスト研究所
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| 【出願日】 |
平成12年8月29日(2000.8.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099999 【弁理士】 【氏名又は名称】森山 隆
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| 【公開番号】 |
特開2002−71656(P2002−71656A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−259233(P2000−259233) |
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