| 【発明の名称】 |
衝突音による非破壊検査装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 尚
【氏名】織田 光秋
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| 【要約】 |
【課題】従来のハンマー打音に替わる粒子による衝突音により、検査速度の早い方法で、コンクリート構体内部の異常診断をする非破壊検査装置を提供することを目的としている。
【解決手段】被検査体であるトンネル壁面1に向けて放出速度と放出方向を制御された複数の粒子11を放出し、前記粒子11が非検査体に衝突後回収する受け皿15を具備する粒子放出装置10と、前記粒子が被検査体であるトンネル壁面1に衝突する際に発する衝突音を収集するマイクロフォン21と増幅・記録する記録増幅装置からなる衝突音収録装置20と、前記衝突音収録装置20に収録された音を周波数分析するFFTアナライザと前記アナライザにより分析されたデータと異常音を判断するデータベースと比較して表示する比較器とからなる解析装置30から構成されることを特徴とし、車輪41を有する台車40に搭載され、軌条50上を走行中に作動することを特徴とする非破壊検査装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査体に向けて放出速度と放出方向を制御された複数の粒子を放出する粒子放出装置と、前記粒子が被検査体に衝突する際に発する衝突音を収録する収録装置と、前記収録装置に収録された音を周波数分析するアナライザと、前記アナライザにより分析されたデータと異常音を判断するデータベースとを比較して表示する比較器、からなることを特徴とする衝突音による非破壊検査装置。 【請求項2】 前記粒子放出装置は、被検査体に衝突し反射する粒子を収集する回収装置を具備することを特徴とする請求項1に記載の衝突音による非破壊検査装置。 【請求項3】 前記粒子放出装置において、放出される時には固体であるが、大気温、大気圧においては液化又は気化する粒子を用いることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の衝突音による非破壊検査装置。 【請求項4】 前記非破壊検査装置は、車輪を有する台車に搭載されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衝突音による非破壊検査装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルに代表されるコンクリート構体に内在する欠陥、劣化部位を見出すための非破壊検査装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】鉄道や道路のトンネル及び各種建造物のコンクリートの異常診断には、目視およびテストハンマによる打音検査方法が利用されている。しかし、これは人手に頼っているため判断基準が検査者により異なることおよび検査速度が遅いことが問題点となっている。これに対し、特開平07−20097号公報に記載されているように、テストハンマによる打音検査については、打撃力を一定にするためエアシリンダの先にハンマヘッドを取り付けたハンマー装置を利用する方法が検討されている。しかしながら、この方法では判定基準については定量化されているものの、その検査速度については殆ど改善されていない。 【0003】また、最近開発された赤外線カメラを用いた検査方法では、判断基準は定量化されているが、表面に欠陥が現出した場合だけ有効であり、またその検査速度は早くなったといっても最大2km/hr程度であり、特にトンネル、橋梁などの交通施設コンクリート構体の検査ではより検査速度の早い方法が望まれている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】コンクリート構体の異常診断の検査装置は、その正確性と共に検査速度の迅速性が求められる。特に鉄道トンネル又は道路橋梁の如き交通施設用においては、夜間非運行時或いは一時交通遮断時に検査を終了するために、非破壊的な検査であり、且つその検査速度が早いことが要求される。 【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、従来のハンマー打音に替わり、粒子による衝突音により迅速な検査速度が得られる方法で、コンクリート構体内部の異常診断をする非破壊検査装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明による非破壊検査装置は、被検査体に向けて放出速度と放出方向を制御された粒子を放出する粒子放出装置と、前記粒子が被検査体に衝突する際に発する衝突音を収録する収録装置と、前記収録装置に収録された音を周波数分析するアナライザと、前記アナライザにより分析されたデータと異常音を判断するデータベースと比較して表示する比較器とからなることを特徴としている。 【0007】また、上記非破壊検査装置において、前記粒子放出装置は、被検査体に衝突し反射する粒子を収集する回収装置を具備することを特徴としている。 【0008】そして、前記粒子放出装置において、放出される時には固体であるが、大気温、大気圧においては液化又は気化する粒子を用いることを特徴としている。 【0009】更に、前記非破壊検査装置は、車輪を有する台車に搭載されていることを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明による鉄道トンネルのコンクリート構体の内部異常診断に適用した場合の説明図である。図において、40は台車であり車輪41を有し、トンネル中の軌条50の上を走行することができる。前記台車40上に、粒子放出装置10、衝突音収録装置20、解析装置30が搭載されている。 【0011】前記粒子放出装置10は、金属製の球形粒子11をトンネル壁面1に対応するように配置された複数の粒子放出孔12より粒子加速器(図示せず)により、金属製の球形の粒子11をあらかじめ定めた速度と方向に順番に放出する。粒子11の速度は、粒子の運動量、すなわち、粒子の質量×粒子の速度が、従来のハンマーによる打音検査におけるハンマー質量×ハンマー打撃速度とほぼ同程度に調整されている。また、複数の放出孔から放出される複数の粒子11は、そのトンネル内壁との衝突点2があらかじめ定めた円周方向ピッチでトンネル壁面1を走査するように一側面下部から上部、天井面、他側面上部、下部方向へと順次放出される。台車40の走行中にこれを繰り返すことにより、図3に示すようにトンネル壁面1にレール方向、円周方向にも適当なピッチで、粒子との衝突点2が生じ、断続的に衝突音が発せられることになる。 【0012】さらに、前記粒子放出装置10は、放出された粒子11が被検査面であるトンネル壁面1に衝突し反射して落下して来るのを受け止める回収装置の受け皿15と、前記受け皿15上に集められた粒子11を前記粒子加速器(図示せず)へ供給する供給器を有する回収装置(図示せず)を備えている。前記受け皿15の幅はトンネルの幅にほぼ等しく、放出される粒子11のほぼ全てが回収される。また、前記受け皿15の表面は緩衝材で被覆され、粒子11を受け止めるときに生じる衝撃音が低減され、異常診断の判断に大きな外乱にならないようにされる。 【0013】上述のように、前記粒子放出装置10から放出された粒子11のトンネル壁面1との衝突により次々に発せられる衝突音は、衝突音収録装置20及び解析装置30で収録・解析され、異常診断を行う。 【0014】図2は粒子の衝突音の収録、解析のフローチャート図を示したものである。図において、衝突音はマイクロフォン21と増幅・記録装置22からなる衝突音収録装置20によって収集・記録される。衝突音は被検査体のトンネル壁面1からほぼ等距離に配置された、複数のマイクロフォン21によって集められ、衝突音記録装置22により増幅・記録される。 【0015】衝突音は、増幅・記録装置22に記録されると同時に、断続的に次のFFTアナライザ31と比較器からなる解析装置30に送られる。衝突音は、FFTアナライザ31で高速の演算処理により周波数分析され、そのデータは比較器32に送られ、異常音を判断するデータベース33と比較され、欠陥及び劣化の有無をその衝突音の箇所と共に表示・記録する。一般に、内部欠陥などの異常が有れば、音圧が小さくなるとともに、低周波成分の比率が大きくなる。データベース33には台車40の走行音および粒子の回収装置への衝撃音を含めた健全な被検査体の衝突音の音圧、周波数解析データからあらかじめ閾値が定められており、比較器32で比較することにより判断することができる。 【0016】上述のように、本発明によれば、台車40を走行させながら、内壁の適当なピッチで衝突音をリアルタイムに解析し異常を判断することができる。一つの衝突音の周波数分析時間に比較して、粒子11の放出時間間隔は小さくできるから、この検査ピッチは衝突音のサンプリング時間と周波数分析時間の和に等しい時間間隔である0.2秒程度で行うことができ、5km/hr以上の検査速度が可能となる。このため、早い検査速度を要求される交通施設のコンクリート構体の異常診断検査には最適である。 【0017】上記実施形態における粒子放出装置10において、複数の粒子放出孔12から放出された粒子11がほぼ同時に被検査体の表面であるトンネル壁面1に到達するように調整することも可能である。これにより、検査速度は上記の実施形態よりも若干早く、且つ、トンネル一断面上の複数箇所の衝突点の衝突音がほぼ一斉に集中して発生し、粒子11が被検査体の表面から反射して回収装置で受ける際に発するノイズが遅れるので、異常診断にほとんど影響を与えず、より正確な診断を必要とする対象に適用される。但し異常が有った場合には、箇所を特定するため円周方向に順次放出し、1カ所ずつ再度判定を行う必要がある。 【0018】上記実施形態における粒子放出装置10において使用される粒子11は、氷の粒子或いはドライアイスのように、放出孔から放出される時点において固体であり、被検査体に衝突した後、大気温、大気圧で液化または気化し毒性の無い物質であることも可能である。これにより、放出される粒子11は使い捨てすることができるので、粒子放出装置10に付属する回収装置は不要となり、より簡便な装置となる。但し、氷の場合は金属製に比して比重が小さいので、粒子の運動量すなわち、粒子の質量×粒子の放出速度をハンマの運動量と同じ程度にするために、放出速度を大きくする必要がある。 【0019】上記実施形態における粒子放出装置10において、粒子放出孔12は、1個であって、粒子11の放出方向を非検査体であるトンネル内壁の形状に沿うようにほぼ180度走査することも可能である。これにより、比較的検査部位が局所的な車両の検査時のボルトの締結状態の検査に適用することが可能である。 【0020】上記実施形態における粒子放出装置10において、金属製粒子の場合には回収装置は受け皿を設けずに、衝突後散乱している粒子を磁気により収集することも可能である。粒子が被検査体に衝突後あまり広い範囲に散乱しない被検査体の形状の場合に適用できる。 【0021】 【発明の効果】本発明による粒子の衝突音による非破壊検査装置は、台車を走行させながら、粒子を放出させ、被検査体に適当なピッチで衝突させ、その衝突音をリアルタイムに解析し、ほぼ連続的に異常の有無を判断することができる。これにより検査速度の早い非破壊検査装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月25日(2000.8.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−71651(P2002−71651A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−255314(P2000−255314) |
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