| 【発明の名称】 |
溶存ガス濃度計、洗浄装置及び洗浄方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松嶋 大輔
【氏名】速水 直哉
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| 【要約】 |
【課題】窒素や炭酸ガス等反応性の乏しいガス種の溶存量を測定することができる溶存ガス濃度計とそれを用いた洗浄装置を提供すること。
【解決手段】水密に形成された被測定流体の流路2を挟んで一対の振動板を4、5対向して配置し、一方の振動板4には超音波発振用の圧電素子6を設け、また、他方の振動板5には超音波の強度を測定するための圧電素子7を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水密に形成された被測定流体の流路を挟んで一対の振動板が封向して配置され、前記振動板の一方には超音波発振源から照射され前記流路を介して伝播してきた超音波の強度を測定する超音波強度測定手段が設けられていることを特徴とする溶存ガス濃度計。 【請求項2】 前記振動板は、石英又はサファイアで形成されていることを特徴とする請求項1記載の溶存ガス濃度計。 【請求項3】 被洗浄物が収納される容器と、前記被洗浄物に対して洗浄液を供給する供給管と、前記供給管に設けられ、洗浄液の流路を挟んで一対の振動板が対向して配置され、一方の振動板に超音波発振源を有し、他方の振動板に超音波強度測定手段が設けられた洗浄液の濃度を測定する濃度計とを有することを特徴とする洗浄装置。 【請求項4】 被洗浄物に洗浄液を供給する工程と、該洗浄液の流路を挟んで一対の振動板が対向して配置され、一方の振動板に超音波発振源を有し、他方の振動板に超音波強度測定手段が設けられた濃度計により前記洗浄液に溶存する気体の濃度を測定する工程とを有することを特徴とする洗浄方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、超音波式の液体濃度の測定とそれを用いた洗浄装置に関するもので、特に、液体中に溶存しているガス量を測定するガス濃度計とそれを用いた洗浄装置に関する。 【0002】 【従来の技術】混合気体の濃度を測定する方法としては、特開平2−198357号公報に開示されているように、超音波気体濃度計が用いられている。この超音波気体濃度計は、超音波の伝搬速度が、気体の種類や、濃度や、温度によって変化することを利用して混合気体の濃度を測定している。 【0003】また、液体中に溶存している気体であるガス量の測定は、通常、隔膜ポーラログラフ方式を用いて測定を行っている。 【0004】この方式は、測定対象ガスが溶存する溶液Aと測定対象ガスに反応する薬液Bを隔膜で隔てて電解槽の内部に配置し、薬液Bの側に設けられた金属電極で、薬液の化学反応量から濃度を計算する方式である。 【0005】そのために、洗浄液に洗浄機能ガス溶存させて用いる方法、例えば、超純水にオゾンガスを溶解させた正の酸化還元電位の洗浄液によって洗浄する方法、超純水に水素を溶解して負の酸化還元電位の洗浄液によって洗浄する方法等が提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液体中に溶存しているガス量の測定を、隔膜ポーラログラフ方式で行なう場合は、溶存ガスが窒素や炭酸ガスのように反応性の乏しいガス種の際は、測定が出来ないという問題があった。 【0007】また、洗浄装置で、洗浄液に洗浄機能ガス溶存させて用いる方法では、超純水に洗浄機能ガスを溶解した洗浄液を用いて洗浄を行う際に、超音波照射を行なった際に、超音波照射量が多すぎると洗浄液中に溶解している洗浄機能ガスが発泡化(ガス化して気泡を生じる。)し、洗浄液中の洗浄機能ガスの溶解量が滅少すると洗浄効果が低下してくるという問題を生じる。これについては、超音波照射量は超音波発生装置の出力と、照射時間とによって決定しているだけであり、洗浄液中の洗浄機能ガスの溶解量に応じた超音波照射量の管理や、超純水中への洗浄機能ガスの溶解量の制御は、通常行われていない。 【0008】また、脱気処理により酸素や炭酸ガス等の不純物ガスを除去した超純水を超音波洗浄槽に導き、該洗浄槽内でシリコンウエハ等の洗浄(例えば、シリコンウエハ表面に付着している微粒子の除去のための洗浄や、すすぎのための洗浄)を行う場合、超純水の脱気度が不充分であると、超音波洗浄の際にキャビテーションが生じ、このキャビテーシヨンに起因して洗浄効果の低下を招くという問題がある。 【0009】本発明はこれらの事情に基づきなされたもので、窒素や炭酸ガス等反応性の乏しいガス種の溶存量を測定することができる溶存ガス濃度計とそれを用いた洗浄装置を提供することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明による手段によれば、水密に形成された被測定流体の流路を挟んで一対の振動板が封向して配置され、前記振動板の一方には超音波発振源から照射され前記流路を介して伝播してきた超音波の強度を測定する超音波強度測定手段が設けられていることを特徴とする溶存ガス濃度計である。 【0011】また請求項2の発明による手段によれば、前記振動板は、石英又はサファイアで形成されていることを特徴とする溶存ガス濃度計である。 【0012】また請求項3の発明による手段によれば、被洗浄物が収納される容器と、前記被洗浄物に対して洗浄液を供給する供給管と、前記供給管に設けられ、洗浄液の流路を挟んで一対の振動板が対向して配置され、一方の振動板に超音波発振源を有し、他方の振動板に超音波強度測定手段が設けられた洗浄液の濃度を測定する濃度計とを有することを特徴とする洗浄装置である。 【0013】また請求項4の発明による手段によれば、被洗浄物に洗浄液を供給する工程と、該洗浄液の流路を挟んで一対の振動板が対向して配置され、一方の振動板に超音波発振源を有し、他方の振動板に超音波強度測定手段が設けられた濃度計により前記洗浄液に溶存する気体の濃度を測定する工程とを有することを特徴とする洗浄方法である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の溶存ガス濃度計及びそれを用いた洗浄装置について、図面を参照して説明する。 【0015】まず、本発明の基本になっている実験の結果を図1に示すグラフにより説明する。この実験では、純水を溶媒としたときの、溶存ガス量(窒素ガス)と音圧相当値の相関についての実験を行なった。なお、音圧相当値とは、音圧の強度を測定する圧電センサの出力を電圧で示した数値である。 【0016】純水中の窒素ガスの溶存量を、17ppmから21ppm程度まで順次増加させ、そのうちの7点において、本発明の溶存ガス濃度計で音圧相当値に基づき濃度を測定した。なお、溶存ガス濃度計の超音波発振素子と圧電センサとの距離は約50mmで、超音波発振周波数は約1.6MHzである。 【0017】その結果、音圧相当値と窒素ガスの溶存量とが一次近似直線の関係になることを確認した。このときの一次近似直線の方程式はy=−43.033x+925.91、相関係数はRz=0.9247であった。 【0018】つまり、本発明の溶存ガス濃度計により、音圧相当値を測定することにより、上述の一次近似直線の式により換算することで、液中の溶存ガスの濃度を測定することができることを確認した。 【0019】次に本発明の溶存ガス濃度計について、図2に示した断面構成図を参照して説明する。溶存ガス濃度計1の筐体2は、中央部の紙面の垂直方向に被測定流体(洗浄液等)の流路3が形成されている。この流路3を挟んで振動板4、5が対向して設けられており、一方の振動板4には発振用圧電素子6が、また、他方の振動板5には強度測定用圧電素子7がそれぞれ、対向面の裏面に設けられている。両振動板4、5は、対向面側が筐体2に形成された凸部8にシール材9を介して、押さえねじ10a、10bの螺合により水密に固定されている。シール材9はテフロン(登録商標)を被覆したOリング用いている。また、流路3の内壁の対向する振動板4、5間を避けた位置に、被測定流体の温度を検出するための温度センサ11が設けられている。 【0020】なお、両振動板4、5は、サファイアの単結晶を用い、対向面間の距離は50mmである。また、発振用圧電素子6は図示しない発振源に接続されており、発振周波数は1.6MHzである。筐体2は、PTFE樹脂で形成している。なお、振動板4、5にはサファイアの他に石英を用いることもできる。 【0021】これら構成により、溶存ガス濃度計1の流路3を通過する溶存ガスが含まれた洗浄液は、対向する振動板4、5の間において、超音波が照射される。照射された超音波は、対向する振動板5を介して強度測定用圧電素子7を作動させて、振動板音圧相当値(mV)を検出することができる。この音圧相当値から、図1に示した関係により被測定流体である洗浄液中のガスの溶存量を知ることができる。 【0022】次に、上述の溶存ガス濃度計を用いた洗浄装置の一例について説明する。 【0023】図3は洗浄装置の構成を示す模式図である。半導体ウエハ23を洗浄するための石英製の洗浄槽21の底部には、洗浄液として用いられる超純水26の供給口22が設けられており、超純水供給管28から供給された超純水26は、供給口22より洗浄槽21内に下方から上方へ供給される。また、超純水供給管28の内壁には溶存ガス濃度計37が設けられている。 【0024】なお、この洗浄装置は、オーバーフローリンス方式による洗浄を前提とした構成であるが、洗浄方式はこれに限らず、クイックダンプリンス方式であっても可能である。ただし、オーバーフローリンス方式にすれば、洗浄液中に混在する脱離後のパーティクルを洗浄槽21の上部からオーバーフローさせて排出し、常に新たな洗浄液により半導体ウエハ23の洗浄を行うことができ、脱離後のパーティクルによる半導体ウエハ23の再汚染の防止を図ることができる。 【0025】洗浄槽21の周辺には、超音波を洗浄槽21内部に伝達するための超音波伝達槽24が設けられており、また、超音波伝達槽24の下部には、500キロへルツ以上の超音波を発生させ、前記洗浄槽21内に伝達する超音波振動子25が設置されている。 【0026】なお、洗浄槽21を超音波伝達槽24の内槽として別個に構成する、いわゆる間接方式となっているが、両者の構成はこれに限らず、例えば、両者を一体化した、いわゆる直接方式とすることも可能である。その場合は、より大きな超音波強度を得ることができる。 【0027】また、洗浄液として用いられる超純水26には、窒素又は、アルゴン、へリウムおよび水素等の希ガスが添加されており、超純水の比抵抗を劣化させることなく、より多くのキャビテーションを発生させ、パーティクル除去率をさらに向上させることが可能になっている。 【0028】洗浄槽21及び超音波伝達槽24の上部には、両者を包囲するように減圧シールド31が設けられている。減圧シールド31と、超音波伝達槽24との間隔は、洗浄槽21上部から超音波伝達槽24上部を経由して流出するオーバーフロー流水27により、その間隔を埋めて減圧状態を維持可能な程度に設定されている。 【0029】減圧シールド31は、ダクト33により、減圧装置32に接続されており、減圧装置32は、インバータ装置39と、インバータ装置39により駆動されるモータ(図示省略)と、モータにより回転される回転翼40とを有している。インバータ装置39は、回転翼40を回転させるためのモータの回転数を制御するために用いられる。回転翼40は、減圧装置32の内部に、回転可能な状態で軸止されている。 【0030】引上げ装置(不図示)は、減圧シールド31の上部に固着されており、減圧シールドと共に上下動可能な構成となっている。 【0031】減圧シールド31内壁には、圧力センサ36が着設され、超純水供給管28には超純水中の溶存ガス濃度を測定するインラインタイプの溶存ガス濃度計37が設けられている。そして、これら圧力センサ36が溶存ガス濃度計37とは、それぞれ別個に、信号線38により圧力制御装置35と接続されている。また、圧力制御装置35と、減圧装置32との間もやはり、減圧装置32に対して、圧力制御情報を伝達するための信号線38により接続されている。 【0032】これらの構成により、超音波洗浄を行なう際に、洗浄液面の領域を減圧することによって、大気中の溶解ガスの溶解を防止することができ、低い溶存ガスの濃度が維持され、洗浄液の比抵抗の劣化が防止できる。それにより、長時間の超音波洗浄においても、被洗浄体である半導体ウエハ23への自然酸化膜の発生を防止することができる。 【0033】なお、上述の洗浄装置は、半導体ウエハの洗浄について説明したが、液晶表示装置用のガラス基板や露光用マスク基板等の洗浄でも同様に用いることができる。 【0034】上述の洗浄装置では、洗浄液を汚染することなく、インラインで溶存ガス量の測定を行い、それにもとづいて、洗浄液の中の溶存ガス量の制御を行なうことができる。 【0035】 【発明の効果】本発明の溶存ガス濃度計によれば、被測定流体の中に溶解している反応性の乏しいガス種であっても、ガス溶存量を正確に測定することができる。 【0036】また、本発明の溶存ガス濃度計を装着した洗浄装置は、洗浄液中の溶存ガス濃度を正確に把握することができるので、常に良好な洗浄を行なうことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成12年9月5日(2000.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081732 【弁理士】 【氏名又は名称】大胡 典夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−71647(P2002−71647A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−268707(P2000−268707) |
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