| 【発明の名称】 |
ガスセンサ |
| 【発明者】 |
【氏名】梅田 孝裕
【氏名】牧 正雄
【氏名】宇野 克彦
【氏名】丹羽 孝
【氏名】鶴田 邦弘
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| 【要約】 |
【課題】被毒物質に対して耐久性が高く、ヒートショックなどによる劣化をいち早く検知するガスセンサを提供する。
【解決手段】固体電解質1と、第一および第二電極2aおよび2bと、触媒3と、ガス選択透過体3と、加熱手段4と、電位差検出手段6と、ガス供給手段7と、電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段8と、傾きからガスセンサを診断する自己診断手段9を備え、被検出ガスがガス選択透過体5を介して電極と接触するので、被検出ガス中に被毒物質が含まれてもこれを除去し、自己診断手段9が、電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きからガスセンサを診断するので、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性および信頼性に優れたガスセンサを得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】酸素イオン導電性を有する固体電解質と、前記固体電解質の表面に形成した第一および第二電極と、前記第一電極を覆うように形成した触媒と、平均細孔径が1000Å以下の多孔性セラミックから成るガス選択透過体と、前記固体電解質を加熱する加熱手段と、前記第一および第二電極間の電位差を検出する電位差検出手段と、ガスセンサの配置された雰囲気に任意の濃度の可燃性ガスを供給するガス供給手段と、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、前記傾きからガスセンサの状態を診断する自己診断手段を備えたガスセンサ。 【請求項2】ガス供給手段は、第一および第二濃度の可燃性ガスを供給し、第一演算手段は、前記第一および第二濃度の濃度変化分に対する前記第一および第二濃度における電位差検出手段の検出するそれぞれ第一および第二電位差の電位差変化分の比から傾きを求める請求項1記載のガスセンサ。 【請求項3】ガス供給手段は、燃料の燃焼量および空気量を制御して任意の濃度の可燃性ガスを供給する請求項1または2記載のガスセンサ。 【請求項4】ガス供給手段は、燃料を供給する電磁弁と、空気を供給するファンを備え、前記電磁弁および前記ファンに供給するそれぞれの電圧を制御して任意の可燃性ガスを供給する請求項3記載のガスセンサ。 【請求項5】電磁弁およびファンに供給するそれぞれの電圧と、電位差検出手段で検出する電位差からガスセンサの配置された雰囲気の可燃性ガス濃度を算出する第二演算手段を備えた請求項4記載のガスセンサ。 【請求項6】第二演算手段で算出した可燃性ガス濃度が予め設定した閾値を超えた場合、ファンに供給する電圧を制御して空気量を増加させ、それでも前記閾値を超える場合、電磁弁および前記ファンの電圧の供給を停止する燃焼制御手段と、これを報知し、換気を促す第一警報手段と、自己診断手段が第一演算手段で演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、ガスセンサの異常を判定した場合、これを報知し、ガスセンサの交換を促す第二警報手段を備えた請求項5記載のガスセンサ。 【請求項7】ガス選択透過体は、多孔性セラミックの細孔表面に皮膜が形成され、平均細孔径が20から500Åに制御された請求項1記載のガスセンサ。 【請求項8】触媒は、ガス選択透過体を介して第一電極を覆うように形成された請求項1記載のガスセンサ。 【請求項9】加熱手段は、電気的絶縁性を有する絶縁体の表面にヒーター膜が形成され、前記ヒーター膜を覆うように電気的絶縁性を有する絶縁膜が形成される請求項1記載のガスセンサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は大気中あるいは燃焼機器や内燃機関の排ガス中に含まれる可燃性ガス、特に一酸化炭素を検出するガスセンサに関するものであり、被毒物質に対して耐久性が高く、ヒートショックなどによる劣化をいち早く検知するガスセンサを提供する。 【0002】 【従来の技術】従来この種のガスセンサは特開平10−31003号公報などに記載されているようなものが一般的であった。 【0003】このガスセンサは図5に示すようにイットリア安定化ジルコニアなどから成る酸素イオン導電性を有する固体電解質1の一方の表面に形成した白金などから成る面積の互いに等しい第一および第二電極2aおよび2bと、第一電極2aを覆うように形成した酸化触媒3と、固体電解質1を動作温度に加熱保持する加熱手段4を備えていた。 【0004】上記構成のガスセンサを一酸化炭素などの可燃性ガスを含まない被検出ガス中に保持し、加熱手段4により固体電解質1を所定の動作温度に加熱したとき、第一および第二電極2aおよび2bに到達する酸素の量は等しいので、第一および第二電極2a−2b間に電位差は生じない。このとき第一および第二電極2aおよび2b上ではそれぞれ式(1)で示した電極反応が生じ、平衡を保つ。 【0005】Oad+2e−←→O2−・・・(1) ここでOadは第一および第二電極2aおよび2bの表面に吸着した酸素原子を示す。 【0006】次に、被検出ガス中に可燃性ガスである一酸化炭素を導入すると、触媒3の形成されていない第二電極2b上では式(1)で示した電極反応に加え、式(2)で示した電極反応が生じる。 【0007】CO+Oad→CO2・・・(2) 一方、触媒3の形成された第一電極2a上では、触媒3で一酸化炭素が二酸化炭素に酸化され、第一電極2aの表面まで到達することができず、式(1)で示した電極反応のみが生じる。したがって第一および第二電極2aおよび2bの間で吸着する酸素量のバランスが崩れ、酸素濃度に濃淡差が生じ、第一電極2aから第二電極2bへ吸着酸素が酸素イオンとなり酸素イオン導電体である固体電解質1中を移動し、第一および第二電極2a−2b間に電位差が発生する。この電位差と一酸化炭素の濃度の関係はネルンストの式に従い、濃度が増加すれば電位差も増加する。したがって、この第一および第二電極2a−2b間の電位差を測定することにより被検出ガス中の一酸化炭素の濃度を求めていた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼機器や内燃機関などの排ガス中には白金などの触媒作用を被毒する物質である二酸化硫黄が僅かに含まれている場合があり、従来の構成のガスセンサでは第一および第二電極2aおよび2bが直接被検出ガスと接触する。従って、被検出ガス中に二酸化硫黄などの被毒物質が含まれた場合、被毒物質が第一および第二電極2aおよび2bに含まれる白金と強く吸着し、検出に必要な一酸化炭素や酸素が第一および第二電極2aおよび2bに吸着しにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出できなくなるという課題があった。 【0009】また、酸素イオン導電性の得られる固体電解質1の動作温度は少なくとも300℃以上であり、また被検出ガスは大気から燃焼排ガスなど、室温から高温まで広い温度範囲にわたり使用されることが多く、ガスセンサにかかるヒートショックなどによりガスセンサが劣化したとき、正確な一酸化炭素濃度を検出できないという課題があった。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、固体電解質と、第一および第二電極と、触媒と、ガス選択透過体と、加熱手段と、電位差検出手段と、ガス供給手段と、電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、前記傾きからガスセンサを診断する自己診断手段を備えたものである。 【0011】上記構成によれば、被検出ガスがガス選択透過体を介して電極と接触するので、被検出ガス中に二酸化硫黄などの被毒物質が含まれた場合でもこれを除去し、検出に必要な一酸化炭素などの可燃性ガスや酸素を選択的に透過させるので、電極が被毒されにくくなり、正確な濃度を検出する耐久性に優れたガスセンサを得ることができる。 【0012】また、第一および第二電極間の電位差を検出する電位差検出手段と、ガスセンサの配置された雰囲気に任意の濃度の可燃性ガスを供給するガス供給手段と、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、前記傾きからガスセンサを診断する自己診断手段を備えているので、ヒートショックなどによりガスセンサが劣化しても、電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きからこれを診断することができるので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明は、請求項1記載の発明のように酸素イオン導電性を有する固体電解質と、前記固体電解質の表面に形成した第一および第二電極と、前記第一電極を覆うように形成した触媒と、平均細孔径が1000Å以下の多孔性セラミックから成るガス選択透過体と、前記固体電解質を加熱する加熱手段と、前記第一および第二電極間の電位差を検出する電位差検出手段と、ガスセンサの配置された雰囲気に任意の濃度の可燃性ガスを供給するガス供給手段と、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、前記傾きからガスセンサの状態を診断する自己診断手段を備えたものである。 【0014】そして、被検出ガスが平均細孔径が1000Å以下の多孔性セラミックから成るガス選択透過体を介して電極と接触するので、被検出ガス中に含まれる分子径が1000Å以上の被毒物質を除去し、検出に必要な一酸化炭素や酸素を選択的に透過させるので、電極が被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性に優れたガスセンサを得ることができる。 【0015】そして、第一および第二電極間の電位差を検出する電位差検出手段と、ガスセンサの配置された雰囲気に任意の濃度の可燃性ガスを供給するガス供給手段と、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段と、前記傾きからガスセンサを診断する自己診断手段を備えているので、ヒートショックなどによりガスセンサが劣化しても、電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きからこれを診断することができるので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。 【0016】また、請求項2記載の発明のようにガス供給手段は、第一および第二濃度の可燃性ガスを供給し、第一演算手段は、前記第一および第二濃度の濃度変化分に対する前記第一および第二濃度における電位差検出手段の検出するそれぞれ第一および第二電位差の電位差変化分の比から傾きを求めるものである。 【0017】そして、二点の濃度および電位差だけから傾きを求めるので、第一演算手段が簡略化され、経済性のよいガスセンサを得ることができる。 【0018】また、請求項3記載の発明のようにガス供給手段は、燃料の燃焼量および空気量を制御して任意の濃度の可燃性ガスを供給するものである。 【0019】そして、ガスセンサを取り付ける燃焼機器の燃焼量および空気量を制御し、ガスセンサで検出する任意の濃度の可燃性ガスを供給するので、標準ガスボンベなどを用いることなくガスセンサの診断をすることができ、経済性に優れたガスセンサを得ることができる。 【0020】また、請求項4記載の発明のようにガス供給手段は、燃料を供給する電磁弁と、空気を供給するファンを備え、前記電磁弁および前記ファンに供給するそれぞれの電圧を制御して任意の可燃性ガスを供給するものである。 【0021】そして、燃焼量および空気量の調製を電圧で制御するので、安定した濃度の可燃性ガスを再現性よく供給することができる。 【0022】また、請求項5記載の発明のように電磁弁およびファンに供給するそれぞれの電圧と、電位差検出手段で検出する電位差からガスセンサの配置された雰囲気の可燃性ガス濃度を算出する第二演算手段を備えたものである。 【0023】そして、電磁弁およびファンに供給する電圧から可燃性ガス濃度あるいは燃焼機器の燃焼状態を判別し、電位差検出手段で検出する電位差からその状態における可燃性ガス濃度を検出するので、信頼性のあるガスセンサを得ることができる。 【0024】また、請求項6記載の発明のように第二演算手段で算出した可燃性ガス濃度が予め設定した閾値を超えた場合、ファンに供給する電圧を制御して空気量を増加させ、それでも前記閾値を超える場合、電磁弁および前記ファンの電圧の供給を停止する燃焼制御手段と、これを報知し、換気を促す第一警報手段と、自己診断手段が第一演算手段で演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、ガスセンサの異常を判定した場合、これを報知し、ガスセンサの交換を促す第二警報手段を備えたものである。 【0025】そして、ガスセンサで検出する可燃性ガス濃度が閾値を超えた場合、燃焼制御手段が供給する空気量が不足していると判断し、ファンに供給する電圧を制御してファンの回転数をあげ空気量を増加させるので、不完全燃焼による事故などを未然に防止することができる。 【0026】そして、空気量を増加させてもガスセンサで検出する可燃性ガス濃度が閾値を超える場合、燃焼制御手段が強制的に燃焼を停止し、第一警報手段がこれを報知し、換気を促すので、不完全燃焼による事故などを未然に確実に防止することができる。 【0027】そして、第二警報手段が、第一演算手段で演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、自己診断手段がガスセンサの異常を判定した場合、これを報知し、ガスセンサの交換を促すので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。 【0028】また、請求項7記載の発明のようにガス選択透過体は、多孔性セラミックの細孔表面に皮膜が形成され、平均細孔径が20から500Åに制御されたものである。 【0029】そして、被検出ガスはクヌーセン拡散により平均細孔径が20から500Åのガス選択透過体内の細孔内部表面を吸着しながら通過し、ガスの透過係数比は分子量と絶対温度の積の平方根に反比例し、検出に必要な一酸化炭素や酸素はガス選択透過体を透過するが、これらに比べて分子量が大きい被毒物質もである二酸化硫黄は電極に到達しないので、電極が被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素などの可燃性ガス濃度を検出する耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。 【0030】そして、多孔性セラミックの細孔表面にゾルゲル法などを用いて皮膜を形成するので、ガス分子と皮膜ゲル分子の間に相互力が働き、ガス選択透過性が向上し、電極がより被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。 【0031】また、請求項8記載の発明のように触媒は、ガス選択透過体を介して第一電極を覆うように形成されたものである。 【0032】そして、ガス選択透過体を介して触媒を形成するので、第一および第二電極がガス選択透過体に密着し、空隙におけるガス拡散の影響がなくなり、第一および第二電極の耐久性を向上させることができる。 【0033】そして、ガス選択透過体の表面に多量の触媒を担持することができるので、触媒の寿命を延命することができ、より耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。 【0034】また、請求項9記載の発明のように加熱手段は、電気的絶縁性を有する絶縁体の表面にヒーター膜が形成され、前記ヒーター膜を覆うように電気的絶縁性を有する絶縁膜が形成されるものである。 【0035】そして、絶縁体の表面にヒーター膜と絶縁膜を積層して形成するので、加熱手段の製造工程が簡便化されるだけでなく、加熱手段が薄膜化され、熱容量が大幅に低減するので、ガスセンサ全体の小型化と低消費電力化が図れ、経済的なガスセンサを得ることができる。 【0036】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、従来例と同一符号のものは同一構造を有し、一部説明を省略する。 【0037】(実施例1)図1は本発明の実施例1におけるガスセンサの構成図である。 【0038】最初に、実施例1のガスセンサの製造工程について簡単に説明する。 【0039】まず、表面を研磨したアルミナ基板から成る絶縁体4aを十分に脱脂した後、白金から成るヒーター膜4bをスクリーン印刷し、乾燥後、電気炉で焼成した。ヒーター膜4bはスクリーン印刷以外にスパッタリングや真空蒸着などの方法でも同様に形成することができ、また、ヒーター膜4bを形成した後、フォトリソグラフやエッチングを用いてトリミングし、細密なヒーターパターンを形成することができる。 【0040】そして、ヒーター膜4bのリード部以外の部分を覆うようにメタルマスクを当てアルミナから成る絶縁膜4cをスパッタリングにより形成した。絶縁膜4cはスパッタリング以外に絶縁ペーストをスクリーン印刷する方法や、真空蒸着、めっきなどの方法でも同様に形成することができる。 【0041】そして、絶縁膜4cの表面にイットリアを8モル%添加した安定化ジルコニアから成る固体電解質1をメタルマスクを用いてスパッタリングにより形成し、酸素イオン導電性が得られるように高温で焼結した。 【0042】そして、固体電解質1の表面に白金から成る第一および第二電極2aおよび2bをメタルマスクを用いてスパッタリングにより形成した。第一および第二電極膜2aおよび2bはスパッタリング以外にスクリーン印刷、真空蒸着、めっき、CVDなどの方法を用いても同様にして形成することができる。 【0043】そして、さらに、第一電極2aの表面にアルミナと白金をベースとする触媒ペーストを塗布し、乾燥後、電気炉で焼成し、触媒3を形成した。また、ヒーター膜4bおよび各電極2aおよび2bには白金リード線を白金ペーストにより取り付け、乾燥後、さらに焼成した。 【0044】そして、第一および第二電極2aおよび2bおよび触媒3を覆うように固体電解質1の表面にガス選択透過体5を無機系接着剤により絶縁体4aに接合した。 【0045】また、ガス選択透過体5には安定化ジルコニアから成る平均細孔径が1000Å以下である多孔性セラミック基板を用い、これをゾルゲル法によりジルコニアゾル液に浸責し、引き揚げ、乾燥後、電気炉で焼成することにより細孔内部に皮膜を形成し、この作業を数回繰り返すことにより、平均細孔径が20から500Åとなるように制御した。被検出ガスはクヌーセン拡散により平均細孔径が20から500Åのガス選択透過体5内の細孔内部表面を吸着しながら通過し、ガスの透過係数比は分子量と絶対温度の積の平方根に反比例し、検出に必要な一酸化炭素や酸素はガス選択透過体5を透過できるが、これらに比べて分子量が大きい被毒物質もである二酸化硫黄は第一および第二電極2aおよび2bに到達しないので、第一および第二電極2aおよび2bが被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。そして、多孔性セラミック基板の細孔表面にゾルゲル法を用いて皮膜を形成するので、ガス分子と皮膜ゲル分子の間に相互力が働き、ガス選択透過性が向上し、第一および第二電極2aおよび2bがより被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。 【0046】さらに、第一および第二電極2a−2b間には電位差を検出する電位差検出手段6を接続した。そして、ガスセンサをガス供給手段7内に配置した。その雰囲気には任意の濃度の可燃性ガスを供給することのできる電磁弁7aおよびファン7bが備えられている。また、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段8と、傾きからガスセンサを診断する自己診断手段9と、電磁弁7aおよびファン7bに供給するそれぞれの電圧および電位差検出手段6で検出する電位差からガスセンサの配置された雰囲気の可燃性ガス濃度を算出する第二演算手段10と、第二演算手段10で算出した可燃性ガス濃度が予め設定した閾値を超えた場合、ファン7bに供給する電圧を制御して空気量を増加させ、それでも前記閾値を超える場合、電磁弁7aおよびファン7bの電圧の供給を停止する燃焼制御手段11と、これを報知し、換気を促す第一警報手段12と、自己診断手段9が第一演算手段8で演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、ガスセンサの異常を判定した場合、これを報知し、ガスセンサの交換を促す第二警報手段13を備えている。 【0047】本発明の実施例1のガスセンサによれば、複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求める第一演算手段8と、傾きからガスセンサを診断する自己診断手段9を備えているので、ヒートショックなどによりガスセンサが劣化しても、電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きからこれを診断することができるので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。 【0048】ここで、本発明の実施例1のガスセンサおよび比較例としてガス選択透過体5にクラックの入った同じ構成の劣化したガスセンサそれぞれの一酸化炭素検知特性について調べた。まず、各ガスセンサをガス供給手段7内に配置し、各加熱手段4に電圧を印加して、それぞれの固体電解質1が動作温度(350℃から450℃)になるよう加熱した。そして、一酸化炭素の濃度が変化するようにガス供給手段7である電磁弁7aおよびファン7bに印加する電圧を制御し、燃料の燃焼量および空気量を変化させ、10リットル毎分で各種濃度の可燃性ガスを供給した。可燃性ガス中の一酸化炭素濃度は出口側で一酸化炭素濃度分析計により測定した。このときの各電位差検出手段6により測定したそれぞれの電位差の一酸化炭素濃度特性を図2に示す。いずれもネルンストの式に従い、濃度の増加とともに電位差が増加し、応答性は90%応答で1分以内であったが、クラックの入った劣化したガスセンサは正常なガスセンサに比べて電位差の濃度に対する傾きが小さく、濃度が増加するにつれ電位差が飽和する傾向が見られた。これは劣化したガスセンサのガス選択透過体5に入ったクラックからガスが集中して流入し、クラックの大きさに従い、流入するガス量が制限され、ガス濃度に対する電位差の傾きが徐々に小さくなり、電位差が飽和してしまうためであり、一方、クラックのない正常なガスセンサはガス選択透過体5を介し、均等にガスが流入するので、濃度に対する電位差の傾きがほぼ一定となったと考えられる。 【0049】したがって、第一演算手段8により複数の可燃性ガス濃度のそれぞれにおける複数の電位差から電位差の可燃性ガス濃度に対する傾きを求め、その傾きが予め設定した閾値より小さくなった場合、ガス選択透過体5にクラックが入っている可能性があり、自己診断手段9がガスセンサが劣化したと診断し、測定を中断するので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。 【0050】また、ガス供給手段7により異なる二つの第一および第二濃度の可燃性ガスを供給し、第一演算手段8は、第一および第二濃度の濃度変化分に対する第一および第二濃度における電位差検出手段6の検出するそれぞれ第一および第二電位差の電位差変化分の比から傾きを求めれば、二点の濃度および電位差だけから傾きを求めるので、第一演算手段8が簡略化され、経済性のよいガスセンサを得ることができる。 【0051】また、ガスセンサを取り付ける燃焼機器の燃焼量および空気量を制御し、ガスセンサで検出する任意の濃度の可燃性ガスを供給するので、標準ガスボンベなどを用いることなくガスセンサの診断をすることができ、経済性に優れたガスセンサを得ることができる。 【0052】また、第二演算手段10により、電磁弁7aおよびファン7bに供給するそれぞれの電圧から可燃性ガス濃度あるいは燃焼機器の燃焼状態を判別し、電位差検出手段6で検出する電位差から、ガスセンサの配置されたその燃焼状態における可燃性ガス濃度を算出するので、信頼性のあるガスセンサを得ることができる。 【0053】また、ガスセンサで検出する可燃性ガス濃度が閾値を超えた場合、燃焼制御手段11が供給する空気量が不足していると判断し、ファン7bに供給する電圧を制御してファン7bの回転数をあげ空気量を増加させるので、不完全燃焼による事故などを未然に防止することができる。 【0054】そして、空気量を増加させてもガスセンサで検出する可燃性ガス濃度が閾値を超える場合、燃焼制御手段11が強制的に燃焼を停止し、第一警報手段12がこれを報知し、換気を促すので、不完全燃焼による事故などを未然に確実に防止することができる。 【0055】また、第二警報手段13が、第一演算手段8で演算する傾きが予め設定した範囲から外れ、自己診断手段9がガスセンサの異常を判定した場合、これを報知し、ガスセンサの交換を促すので、信頼性の高いガスセンサを得ることができる。 【0056】また、絶縁体4aの表面にヒーター膜4bおよび絶縁膜4cを積層して形成するので、加熱手段4の製造工程が簡便化されるだけでなく、加熱手段4が薄膜化され、熱容量が大幅に低減するので、ガスセンサ全体の小型化と低消費電力化が図れ、経済的なガスセンサを得ることができる。 【0057】次に、実施例1のガスセンサの被毒物資である二酸化硫黄に対する耐久性について調べた。可燃性ガス中の一酸化炭素濃度が1000ppmとなるようにガスを供給したときの電位差と、これにさらに100ppmの二酸化硫黄を添加したときの電位差を測定した。このときの電位差の変化を図3に示す。図3から二酸化硫黄が共存しても電位差はほぼ一定であった。実際の排ガス中に含まれる二酸化硫黄の濃度はこれに比べて極めて低く、例えば天然ガスの産地にもよるがガス燃焼機器から発生する二酸化硫黄の濃度は2ppm以下であり、これに対しこの試験は約50倍の濃度の二酸化硫黄による加速耐久試験であることから実施例1のガスセンサは二酸化硫黄に対する耐久性が極めて優れていることが判った。 【0058】(実施例2)図4は本発明の実施例2におけるガスセンサの要部断面図である。図4において実施例1のガスセンサと異なる点は、触媒3をガス選択透過体5を介して第一電極2aを覆うように形成したところである。それ以外で同一符号のものは実施例1と同様の構成であり、説明を省略する。 【0059】次にガス選択透過体5の表面に形成する一酸化炭素を酸化する触媒3の製造工程について簡単に説明する。まず、繊維状のステンレスから成るシート状の担体を十分洗浄した後、アルミナゾルやコロイダルシリカなどの無機系結合剤を担持し、乾燥後、電気炉で焼成した。そして、さらに白金およびパラジウムの硝酸溶液に浸責し、同様に乾燥後、電気炉で焼成した。そして、第一電極2aを覆うことのできる寸法に切断し、無機系接着剤によりそれぞれガス選択透過体5に第一電極2aを覆うように積層して接合した。 【0060】本発明の実施例2のガスセンサによれば、ガス選択透過体5を介して触媒3を形成するので、第一および第二電極2aおよび2bがガス選択透過体5に密着し、空隙におけるガス拡散の影響がなくなり、第一および第二電極2aおよび2bの耐久性を向上させることができる。 【0061】また、ガス選択透過体5の表面に多量の触媒3を担持することができるので、触媒3の寿命を延命することができ、より耐久性の優れたガスセンサを得ることができる。 【0062】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明のガスセンサによれば、被検出ガス中に含まれる分子径が1000Å以上の被毒物質を除去し、検出に必要な一酸化炭素や酸素を選択的に透過させるので、電極が被毒されにくくなり、正確な一酸化炭素濃度を検出する耐久性に優れたガスセンサを得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月5日(2000.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−71630(P2002−71630A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−268246(P2000−268246) |
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