| 【発明の名称】 |
ガスセンサ |
| 【発明者】 |
【氏名】松尾 康司
【氏名】石川 聡
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| 【要約】 |
【課題】排気ガス中の被検出成分を検出するのに用いられるガスセンサにおいて、主体金具内に充填された充填粉末が流出しないようにする。
【解決手段】酸素センサ2では、検出素子4を把持するセラミックホルダ6と、セラミックスリーブ8との間に充填粉末208が加圧充填された状態で、主体金具202内にそれぞれ配置され、しかも、セラミックスリーブ8は、充填粉末208側の端面において検出素子4側の部分が突出した突出部18を有している。この突出部18により、充填粉末208の内部では、主体金具202とセラミックホルダ6との境界付近に向かう応力が発生し、その境界付近では、充填粉末208が固化した状態となる。このため、主体金具202とセラミックホルダ6との間に隙間を生じても、充填粉末がその隙間を介して流出するのを防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セラミックス製の積層基板からなり、測定対象となるガスに晒される検出部が一端側に形成された長尺状の検出素子と、前記検出素子の前記検出部が該ガスに晒されるように、該ガスが流通する取付対象物の内側に該検出部を突出させた状態で、該取付対象物に該検出素子を固定するための筒状の主体金具と、前記検出素子を前記取付対象物に固定するために、該検出素子を把持すると共に、前記主体金具の筒内で該検出素子の前記検出部側に形成された段部に当接するよう、該主体金具の筒内に配置される第1の保持部材と、前記第1の保持部材を挟んで前記検出部の反対側に配置される充填部材と、前記充填部材を挟んで、前記第1の保持部材の反対側に配置される第2の保持部材とを備えたガスセンサであって、前記第2の保持部材の前記充填粉末に対向する端面における前記検出素子近傍の部分を、前記主体金具近傍の部分よりも前記第1の保持部材に向けて突出させたことを特徴とするガスセンサ。 【請求項2】 前記第1の保持部材における前記充填粉末に対向する端面の前記検出素子近傍の部分を、前記主体金具近傍の部分よりも前記第2の保持部材に向けて突出させたことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 【請求項3】 前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材の内で少なくともいずれか一方は、セラミックス製であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。 【請求項4】 前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材の内で少なくともいずれか一方は、金属製であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。 【請求項5】 前記第1の保持部材及び前記第2の保持部材の内で金属製のものは、金属材料を金型内に射出して成形する金属射出成形法が用いられて形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内燃機関等の排気管に取り付けられて、排気管中を流通する排気ガス中の被検出成分を検出するのに用いられるガスセンサに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、上記ガスセンサとしては、例えば、図4に示すような酸素センサ200が知られている。即ち、酸素センサ200は、排気管に固定するためのねじ部202aが外表面に形成された筒状でステンレス製の主体金具202と、主体金具202の筒内に挿入され、酸素イオン伝導性固体電解質体からなる電池素子を備えた長板状の検出素子204と、検出素子204を保持するために主体金具202の筒内下方から順に積層されるセラミックホルダ206、充填粉末208、セラミックスリーブ210とを備えている。 【0003】この内、検出素子204を実際に保持するためのセラミックホルダ206及びセラミックスリーブ210は、外観が略円筒状を呈し、検出素子204の断面形状に沿った略長方形状の挿通孔が中心軸に沿って穿設されており、検出素子204はこれら挿通孔を介して保持される。 【0004】そして、セラミックホルダ206は、主体金具202の先端側筒内(図中下方)に形成された段部202bに当接するようにして配置される。また、セラミックスリーブ210は上部中央が上方に突出することにより突出部210aが形成され、検出素子204は、この突出部210aの上端から更に上方に突出した状態で保持される。そして、セラミックスリーブ210の突出部210a周囲の端面上には、加締リング212が配置され、主体金具202の後端部を、加締リング212を介してセラミックスリーブ210側に加締めることにより、充填粉末208が加圧充填される。 【0005】この結果、検出素子204、セラミックホルダ206、セラミックスリーブ210と主体金具202とが固定されると共に、主体金具202とセラミックスリーブ210との間が密閉された状態となり、気密性が確保される。一方、検出素子204は、先端側(図中下方)には検出部204aが形成され、後端側には検出部204aにて生じた酸素濃淡電池起電力を外部から取り出すための複数の電極端子204bが形成されている。そして、各電極端子204bには、コネクタ部214を介してリード線216が電気的に接続されている。 【0006】また、主体金具202の先端側外周には、検出素子204の検出部204a側を覆うと共に、金属製で、複数の孔部を有する二重のプロテクタ218a,218bが溶接等によって取り付けられている。そして、主体金具202の後端側外周には、外筒220が溶接等により固定されており、リード線216は、この外筒220の末端内側に配置されたグロメット222を貫通して外部に引き出されている。そして、酸素センサ200では、このリード線216を介して、外部から上記起電力を取り出すことができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した酸素センサ200を実際に排気管に取り付けて使用した際には、排気管から伝達される熱を受けて主体金具202が膨張することにより、主体金具202とセラミックホルダ206との間に隙間が生じてしまうことがあった。 【0008】このため、検出素子204の検出部204a側を下方に向けた状態(図4中下方)で排気管に固定した場合には、酸素センサ200を排気管に対して更に排気管から伝達される振動等の衝撃が加わった際には、加圧充填された充填粉末208が、この隙間(例えば、主体金具202の段部202bとセラミックホルダ206の外壁との間の部分)を介して、主体金具202の先端開口部(図中下方)側に徐々に流出していくおそれがあった。 【0009】本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、排気ガス中の被検出成分を検出するのに用いられるガスセンサにおいて、主体金具内に充填された充填粉末が流出しないようにすることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段,発明の効果】かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、セラミックス製の積層基板からなり、測定対象となるガスに晒される検出部が一端側に形成された長尺状の検出素子と、前記検出素子の前記検出部が該ガスに晒されるように、該ガスが流通する取付対象物の内側に該検出部を突出させた状態で、該取付対象物に該検出素子を固定するための筒状の主体金具と、前記検出素子を前記取付対象物に固定するために、該検出素子を把持すると共に、前記主体金具の筒内で該検出素子の前記検出部側に形成された段部に当接するよう、該主体金具の筒内に配置される第1の保持部材と、前記第1の保持部材を挟んで前記検出部の反対側に配置される充填部材と、前記充填部材を挟んで、前記第1の保持部材の反対側に配置される第2の保持部材とを備えたガスセンサであって、前記第2の保持部材の前記充填粉末に対向する端面における前記検出素子近傍の部分を、前記主体金具近傍の部分よりも前記第1の保持部材に向けて突出させたことを特徴とする。 【0011】即ち、本発明(請求項1)のガスセンサは、第2の保持部材の充填粉末に対向する端面における検出素子近傍の部分を、主体金具近傍の部分よりも第1の保持部材に向けて突出させることにより、第2の保持部材にて充填粉末を加圧した際には、この突出した部分からの圧力を受けて、充填粉末の内部では第1の保持部材の周囲の主体金具側に向けて応力がより集中するようになる。この結果、充填粉末の内、第1の保持部材と主体金具との境界付近のものは、より強く加圧されるようになり、あたかも固化した状態となる。 【0012】このように構成されたガスセンサでは、例えば、主体金具が加熱されて膨張し、当該主体金具と第1の保持部材との間(境界)に隙間を生じたとしても、固化した状態の充填粉末により、その隙間が塞がれた状態となる。このため、例えば、検出素子の検出部を下方に向けた状態で取付対象物に取り付けた場合には、上記のような隙間が生じたとしても、その隙間に充填粉末が入り込むのを阻止することができる。その結果、主体金具(主体金具の段部)と第1の保持部材との間を介して、外部に充填粉末が流出してしまうのを防止することができる。 【0013】また、主体金具と第1の保持部材との境界付近を押圧するように充填粉末が配置されるため、主体金具と第1の保持部材との間の気密性が向上し、排気ガスが主体金具内に流入するのを防止することができる。更に、請求項2に記載のように、第1の保持部材の充填粉末に対向する端面における検出素子近傍の部分を、主体金具近傍の部分よりも第2の保持部材に向けて突出させてもよい。 【0014】このようにすれば、第2の保持部材にて充填粉末を加圧した際には、充填粉末の内部では、上記したように第1の保持部材の周囲の主体金具側に向けて応力がより集中するだけでなく、第1の保持部材の突出した部分からの圧力を受けて、第2の保持部材の周囲の主体金具側に向けて同様に応力が集中するようになる。 【0015】この結果、充填粉末の内、第2の保持部材と主体金具との境界付近のものについても、より強く加圧されるようになり、その部分もあたかも固化した状態となる。このように構成されたガスセンサでは、上記のように主体金具と第1の保持部材や第2の保持部材との間(境界)に隙間を生じたとしても、固化した状態の充填粉末により、隙間が塞がれた状態となる。このため、例えば、検出素子の検出部を下方や上方等あらゆる方向に向けた状態で取付対象物に取り付けた場合であっても、その隙間に充填粉末が入り込むのを阻止することができる。その結果、主体金具(主体金具の段部)と第1の保持部材との間を介して、外部に充填粉末が流出してしまうのを防止することができるだけでなく、主体金具と第2の保持部材との間を介して、外部に充填粉末が流出してしまうのを防止することができる。 【0016】また、主体金具と第2の保持部材との境界付近を押圧するように充填粉末が配置されるため、主体金具と第2の保持部材との間についても気密性が向上し、排気ガスが主体金具内に流入するのを防止することができる。ここで、第1の保持部材や第2の保持部材としては、検出素子をしっかりと把持しておく必要があるため、例えば耐熱性に優れ、外部から衝撃を受けても破損しにくい材質もので形成(製造)しておくことが望ましい。 【0017】そこで、例えば、請求項3に記載のように、第1の保持部材及び第2の保持部材の内、少なくともいずれか一方をセラミックス製としてもよく、または、請求項4に記載のように、第1の保持部材及び第2の保持部材の内、少なくともいずれか一方を金属製としてもよい。 【0018】このようなセラミックスや金属を形成材料とすることにより、耐熱性に優れると共に、破損しにくい第1の保持部材や第2の保持部材を得ることができる。しかも、特に、第1の保持部材や第2の保持部材を金属製としておけば、主体金具との熱膨張率を同様にすることも可能であり、ガスセンサを加熱した場合に、主体金具と第1の保持部材(金属製の第1の保持部材)との間、或いは、主体金具と第2の保持部材(金属製の第2の保持部材)との間に隙間が生じにくくなる。 【0019】また、第1の保持部材や第2の保持部材を、金属材料を用いて形成するには、例えば、金属塊を機械的に鍛造して形成するようにしてもよいが、その場合には複数の金型が必要であり、その分製造コストが上昇するおそれがある。そこで、請求項5に記載のように、第1の保持部材及び第2の保持部材の内で金属製のものを、金属材料を金型内に射出して成形する金属射出成形法を用いて形成するようにしてもよく、そうすれば、金型内に金属材料を射出するだけでよいため、簡単に、しかも、低コストで所定形状の第1の保持部材や第2の保持部材を形成することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下に本発明を具体化した実施例を図面と共に説明する。尚、本実施例では本発明をガスセンサの一種である酸素センサに適用した。図1は、本実施例の酸素センサ2の全体構成を表し、(a)は酸素センサ2の縦断面図、(b)は酸素センサ2が備えるセラミックホルダ6の底面図(図1(a)中に示したセラミックホルダ6の下面側)を示し、(c)は酸素センサ2が備えるセラミックスリーブ8の平面図(図1(a)中に示したセラミックスリーブ8の上面側)を示す。 【0021】尚、酸素センサ2は、図4に示した酸素センサ200とは、検出素子の形状、検出素子からの信号(酸素濃淡電池起電力)の取り出し部分の構造、及び、酸素センサ自体の後端側の構造等が異なり、その他の部分は同様に構成されている。ここでは、図4に示した酸素センサ200と共通する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。 【0022】即ち、酸素センサ2は、筒状の主体金具202と、主体金具202の筒内に挿入される長板状の検出素子4と、検出素子4を保持するために主体金具202の筒内下方から積層されるセラミックホルダ6、充填粉末208、及び、セラミックスリーブ8と、検出素子4にて検出された信号(即ち、酸素濃淡電池起電力)を取り出すため等に用いる複数(本実施例では4本)の長尺状のリードフレーム10とを備えている。また、本実施例では、酸素センサ2の取付対象物は内燃機関における排気ガスが流通する排気管(図示略)である。そして、本実施例では、充填粉末208としてタルク粉末を用いた。 【0023】この内、検出素子4は、それぞれ長板状に形成された酸素濃淡電池素子4aと、酸素濃淡電池素子を活性化させるためのヒータ4bとが積層されて形成された公知のものである。尚、酸素濃淡電池素子4aは、例えば、ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質体により形成されている。また、ヒータ4bは、例えば、導電性セラミックからなる抵抗発熱体パターンをセラミック基体中に埋設したものである。そして、酸素濃淡電池素子4aの先端側(図中下方)には、検出部4cが形成されている。 【0024】また、酸素濃淡電池素子4aの長手方向に沿った後端側の板面(図中右上方)には、検出部4cにて検出された酸素濃淡電池起電力を外部から取り出すための二つの電極端子12が間隔を空けて配置され、一方、ヒータ4bの長手方向に沿った後端側の板面(図中左上方)には、抵抗発熱体パターンに電力を供給するための二つの電極端子14が間隔を空けて配置されている。尚、酸素濃淡電池素子4aとヒータ4bとは、セラミック(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)層を介して互いに接合される。 【0025】このように構成された検出素子4は、図1(a)中に示すように、先端側の検出部4cが下方(図中下方)に向けられると共に、排気管に固定される主体金具202の先端より突出した状態で、この主体金具202内に固定される。また、セラミックホルダ6は、主体金具202の段部202bに当接するように配置され、略円柱状のホルダ本体16と、ホルダ本体16の後端(図1(a)中上方)面中央部に形成され、略円錐台状の突出部18と、ホルダ本体16及び突出部18の軸中心を連通すると共に、断面長方形状を呈し、検出素子4を挿通するための挿通孔20とを備える。 【0026】一方、主体金具202の後端側に配置されるセラミックスリーブ8は、略円柱状のスリーブ本体22と、スリーブ本体22の後端面中央部に形成され、スリーブ本体22よりも小径で略円柱状の突出部24と、スリーブ本体22の先端側に形成され、検出素子4の検出部4c側に向かって徐々に径が小さくなる略円錐状の突出部26と、スリーブ本体22,突出部24,突出部26をそれぞれ連通すると共に、断面長方形状を呈し、検出素子4を挿通するための挿通孔28とを備える。 【0027】ところで、検出素子4の後端側周囲には、リードフレーム10が配置される。このリードフレーム10は、外観が「レ」字状を呈するように形成されている。即ち、リードフレーム10は、フレーム本体30と、フレーム本体30の一端側が折り曲げられて形成された折曲部32と、フレーム本体30の折曲部32側に形成された波状部分34とを備える。また、リードフレーム10は、例えば、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を保持可能な周知のインコネル等のステンレス鋼にて形成されている。 【0028】このように構成されたリードフレーム10は、セラミックスリーブ8の挿通孔28に、そのフレーム本体30と波状部分34とが配置され、この状態の挿通孔28に検出素子4が挿通される。ここで、リードフレーム10を配置する際には、検出素子4の電極端子12,14に、波状部分34を当接させると共に、折曲部32をセラミックスリーブ8の突出部26の側面に当接させるようにする。また更に、フレーム本体30において折曲部32とは反対側の端部(図中上方)をセラミックスリーブ8から突出させた状態で配置する。 【0029】つまり、検出素子4は、図1(a)中に示すように、セラミックホルダ6、充填粉末208、セラミックスリーブ8と、セラミックスリーブ8との間に配置されるリードフレーム10とを介して主体金具202に固定され、しかも、検出素子4の電極端子(電極端子12,14)が形成された側の端部側の周囲が、セラミックスリーブ8に覆われた状態で固定される。 【0030】一方、セラミックスリーブ8のスリーブ本体22の後端面上には、加締リング212が配置され、主体金具202の後端部を、この加締リング212を介してセラミックスリーブ8側に加締めることにより、充填粉末208が加圧充填され、この結果、検出素子4、セラミックホルダ6、セラミックスリーブ8と主体金具202とが固定される。 【0031】そして、主体金具202の後端側外周には、外筒36が溶接等により固定されている。また、外筒36の後端開口部(図中上方)には、検出素子4にて生じた酸素濃淡電池起電力を外部に取り出すためのリード線38が挿通されるリード線挿通孔が形成されたセラミックセパレータ40とグロメット42とが配置されている。更にまた、主体金具202の先端側外周には、検出素子4の検出部4c側を覆うプロテクタ218a,218bが取り付けられている。 【0032】さて、充填粉末208は、セラミックホルダ6とセラミックスリーブ8との間に配置されるものであるが、詳細には、セラミックホルダ6のホルダ本体16の後端面並びに突出部18の外周面と、セラミックスリーブ8の突出部26の外周面とに押圧された状態で配置される。 【0033】そして、セラミックホルダ6の突出部18の斜面は、セラミックスリーブ8における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近に向けられ、一方、セラミックスリーブ8の突出部26の斜面は、セラミックホルダ6における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近に向けられる。このため、充填粉末208を加圧充填する際には、当該充填粉末208は、まず主体金具202側に押圧された後に、主体金具202、セラミックホルダ6及びセラミックスリーブ8によって更に全体が押圧されるようになる。 【0034】この結果、充填粉末208と、セラミックホルダ6やセラミックスリーブ8とが接する部分において、主体金具202側の部分に、押圧した際の応力が集中するようになる(即ち、図1(a)中に示した矢印方向に力が集中)。このため、充填粉末208は、主体金具202と、セラミックホルダ6やセラミックスリーブ8との境界を塞ぐように、その部分ではあたかも固化した状態となる。 【0035】このように構成された酸素センサ2では、例えば、主体金具202が加熱されて膨張し、主体金具202とセラミックホルダ6との間(境界)に隙間を生じたとしても、固化した状態の充填粉末208がこの隙間を塞いでいるため、この隙間を介して充填粉末208が、隙間に入り込むことがない。従って、主体金具202(主体金具202の段部202b)とセラミックホルダ6との間を介して、充填粉末208が、酸素センサ2の先端側に流出するのを防止することができる。 【0036】また、主体金具202と、各セラミックホルダ6,セラミックスリーブ8との境界付近を押圧するように充填粉末208が配置されるため、主体金具202と、各セラミックホルダ6,セラミックスリーブ8との間の気密性が向上し、排気ガスが主体金具202内に流入するのを防止することができる。 【0037】更にまた、充填粉末208の押圧方向が主体金具202側に向けられるために、検出素子4に加わる応力が低減される。この結果、検出素子4が破損するのを防止する効果も奏する。ところで、酸素センサ2では、上記したように検出部4cを下方に向けた状態で排気管に取り付けるようにしたが、これとは逆に、例えば、検出部4cを上方に向けた状態では、主体金具202の後端部がセラミックスリーブ8側に加締められているために、充填粉末208は外部に流出しない。 【0038】一方、セラミックスリーブ8の挿通孔28と検出素子4との間には、リードフレーム10の波状部分34が配置されており、この波状部分34は検出素子4やセラミックスリーブ8からの圧力を受けて弾性変形するようになる。このため、セラミックスリーブ8と、検出素子4(検出素子4の電極端子)との間の隙間が無くなるように密着し、検出素子4がセラミックスリーブ8にしっかりと固定される。しかも、外部から衝撃を受けても、この波状部分34が衝撃に応じて弾性変形してその衝撃を吸収できる。この結果、検出素子4の後端部分に無理な力が加わるのを防止でき、従って、後端部分が割れるなど、破損してしまうのを防止できる。 【0039】以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記したセラミックスリーブ8に換えて、図2に示すセラミックスリーブ60,70,80を用いるようにしてもよい。尚、図2(a),(b),(c)中、上図は、各セラミックスリーブの縦断面図を示し、下図は、上図中に示した矢印方向から当該セラミックスリーブを見た底面図を示す。 【0040】即ち、セラミックスリーブ60は、円柱状のスリーブ本体62と、スリーブ本体62の後端面中央部に形成され、セラミックスリーブ8が備えるものと同様の突出部24と、スリーブ本体62の先端面中央部に形成され、図中下方に向かって徐々に径が小さくなる略円錐状の突出部64と、スリーブ本体62,突出部24,突出部64をそれぞれ連通する断面長方形状の挿通孔66とを備える。 【0041】このように構成されたセラミックスリーブ60では、突出部64の斜面がセラミックホルダ6における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近に向けられる。また、セラミックスリーブ70は、円柱状のスリーブ本体72と、スリーブ本体72の後端面中央部に形成された突出部24と、スリーブ本体72の先端面中央部に形成され、スリーブ本体72よりも小径の円柱部74a及び円柱部74aよりも小径の円柱部74bが順に積層された形状の突出部74と、スリーブ本体72,突出部24,突出部74をそれぞれ連通する断面長方形状の挿通孔76とを備える。ここで、突出部74では、図中下方に向かって、円柱部74a,74bが順に備わっている。 【0042】このように構成されたセラミックスリーブ70では、突出部74の円柱部74a,74bの径の違いによって段差が生じており、スリーブ本体72及び円柱部74a,74bの下端面はそれぞれ下方に向けられ、円柱部74a,74bの側面は主体金具202に向けられる。 【0043】この結果、充填粉末208がセラミックスリーブ70によって押圧される際には、スリーブ本体72及び円柱部74a,74bの下端面と、円柱部74a,74bの側面とによって押圧されることになり、セラミックホルダ6における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近にその押圧方向が向けられることになる。 【0044】そして、セラミックスリーブ80は、円柱状のスリーブ本体82と、スリーブ本体82の後端面中央部に形成された突出部24と、スリーブ本体82の先端面中央部に形成され、図中下方に向かって徐々に径が小さくなる略四角錐状の突出部84と、スリーブ本体82,突出部24,突出部84をそれぞれ連通する断面長方形状の挿通孔86とを備える。 【0045】このように構成されたセラミックスリーブ80では、突出部64の4つの斜面が、セラミックホルダ6における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近に向けられる。つまり、各セラミックスリーブ60,70,80を用いて充填粉末208を押圧した際には、セラミックホルダ6における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近の部分に押圧した力が集中することになり、上記したセラミックスリーブ8を用いた場合と同様の作用及び効果を得ることができる。 【0046】一方、上記したセラミックホルダ6に換えて、図3に示すセラミックホルダ90,100,110を用いるようにしてもよい。尚、図3(a),(b),(c)中、上図は、各セラミックホルダの縦断面図を示し、下図は、上図中に示した矢印方向から当該セラミックホルダを見た平面図を示す。 【0047】即ち、セラミックホルダ90は、略円柱状のホルダ本体92と、ホルダ本体92の後端(図中上方)側に形成された略円錐台状の突出部94と、ホルダ本体92及び突出部94の軸中心を連通する断面長方形状の挿通孔96とを備える。このように構成されたセラミックホルダ90では、突出部92の斜面がセラミックスリーブ8における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近に向けられる。 【0048】また、セラミックホルダ100は、略円柱状のホルダ本体102と、ホルダ本体102の後端(図中上方)側に形成され、ホルダ本体102よりも小径の円柱部104a及び円柱部104aよりも小径の円柱部104bが順に積層された形状の突出部104と、ホルダ本体102及び突出部104の軸中心を連通する断面長方形状の挿通孔106とを備える。ここで、突出部104では、図中上方に向かって、円柱部104a,104bが順に備わっている。 【0049】このように構成されたセラミックホルダ100では、突出部104の円柱部104a,104bの径の違いによって段差が生じており、ホルダ本体102及び円柱部104a,104bの上端面はそれぞれ上方に向けられ、円柱部104a,104bの側面は主体金具202に向けられる。 【0050】この結果、充填粉末208がセラミックホルダ100によって押圧される際には、ホルダ本体102及び円柱部104a,104bの上端面と、円柱部104a,104bの側面とによって押圧されることになり、セラミックスリーブ8における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近にその押圧方向が向けられることになる。 【0051】そして、セラミックホルダ110は、略円柱状のホルダ本体112と、ホルダ本体112の後端(図中上方)側に形成された略四角錐状の突出部114と、ホルダ本体112及び突出部114の軸中心を連通する断面長方形状の挿通孔116とを備える。 【0052】このように構成されたセラミックホルダ90では、突出部92の四つの斜面が、セラミックスリーブ8における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近に向けられる。つまり、各セラミックホルダ90,100,110を用いて充填粉末208を押圧した際には、セラミックスリーブ8における充填粉末208と接する側と、主体金具202との間の境界付近の部分に押圧した力が集中することになり、上記したセラミックホルダ6を用いた場合と同様の作用及び効果を得ることができる。 【0053】また、セラミックスリーブ8,60,70,80の中からいずれか一つと、セラミックホルダ6,90,100,110の中からいずれか一つとをそれぞれ適宜選択することにより、組み合わせて使用するようにしてもよい。その場合であっても上記実施例の場合と同様の作用及び効果を得ることができる。 【0054】ここで、セラミックスリーブ8,60,70,80及びセラミックホルダ6,90,100,110は、セラミックス製材料を所定形状に成形した後、焼結することにより形成することができる。ところで、これらセラミックスリーブ8,60,70,80及びセラミックホルダ6,90,100,110と同様の形状を有するスリーブやホルダを、金属材料を用いて形成してもよい。金属材料としては、熱膨張率が小さく、かつ、耐熱性や耐腐食性に優れたもを用いるのが好ましい。このような金属材料としては、例えば、インコネルやSUS310等のステンレス鋼を用いることができる。 【0055】また、金属材料を用いて形成する場合には、金属材料を金型に射出して金属成形品を得る周知の金属射出成形法を用いるようにしてもよい。以下にその一例を図面と共に説明する。図4は、金属製スリーブを形成するために使用する金属射出成形機150の概略構成を表す断面図である。即ち、金属射出成形器150は、スクリュー式射出成形機160と、型締装置180とを備えている。 【0056】そして、射出成形機160は、シリンダ162と、シリンダ162内で回転駆動されると共に、軸方向(図中左右方向)にも駆動されるスクリュー164と、スクリュー164を駆動するための駆動装置166と、シリンダ162内に、後述する金属材料Kを供給するための供給装置168とからなる。 【0057】この内、シリンダ162の先端部(図中左方)には、溶融した状態の金属材料Kを射出するノズル170が設けられ、他方、ノズル170とは反対側の後端部は駆動装置166のケーシング166aに固定されている。また、シリンダ162の中間部上外壁には、供給装置168と接続して、シリンダ162内に金属材料Kを供給するための開口部162aが穿設されている。そして、シリンダ162には、金属材料Kを所定温度に加熱するための加熱装置172が外周に沿って複数設けられている。 【0058】また、スクリュー164は、金属材料Kを送り込むためのスクリュー溝164aを有し、当該スクリュー164を、図中左方に向かって反時計回りに回転させることにより、ノズル170側に金属材料Kを送り込むことができる。そして、駆動装置166は、電動モーター(図示略)を備え、スクリュー164は、この電動モーターにより回転駆動される。また、ケーシング166a内には、射出用ラムが設けられ、この射出用ラムによってスクリュー164は軸方向に駆動される。 【0059】また、供給装置168は、漏斗状のホッパー174と、ホッパー174の下部(図中下方)に設けられるフィーダ176と、供給路178とからなる。尚、供給装置168は、供給路178の下端がシリンダ162の開口部162aに接続され、ホッパー174内の金属材料Kは、フィーダ176が駆動することにより供給路178等に送り込まれる。 【0060】一方、型締装置180は、固定盤182と、可動盤184とを備えている。そして、これら固定盤182及び可動盤184には、それぞれ固定金型186及び可動金型188とが取り付けられている。固定金型186には、スプルー190が形成され、固定金型186と可動金型188との境界線に沿ってランナー192が形成されている。また、可動金型188には二つの金属製スリーブを同時に形成するためのキャビティ194が設けられている。ここで、この金属射出成形機150によって形成される金属製スリーブの形状としては、図1中に示したセラミックスリーブ8と同様のもの(金属製スリーブ8’)である。 【0061】そして、可動盤184は、固定盤182に対して型開き方向(図中左方)或いは型閉じ方向に駆動されるようになっている。次に、金属射出成形機150を用いて金属製スリーブを形成する手順について説明する。 【0062】まず、インコネル等のステンレス鋼の粉体に、アクリル樹脂等からなるバインダーを混練して生成した金属材料Kをホッパー174に収容する。そして、射出した際の金属材料Kの温度が100℃となるように、加熱装置172の温度を調整する。その後、電動モーターを起動してスクリュー164を駆動すると共に、フィーダ176を駆動する。すると、ホッパー174内の金属材料Kは、供給路178から開口部162aを介してシリンダ162内に供給される。 【0063】そして、供給された金属材料Kは、回転するスクリュー164により更に混練されつつ加熱装置172により加熱され、シリンダ162の先端部側(図中左方)に送り込まれて貯留される。尚、金属材料Kが貯留されるに従って、スクリュー164は後退(図中右方)する。 【0064】次いで、型締装置180の可動金型188を固定金型186に対して型閉じし、射出成形機160の射出ラムにより、貯留されていた金属材料Kをキャビティ194に射出する。これにより、キャビティ194内に金属材料Kが充填され、更に、冷却させることにより、金属製スリーブとなる射出成型品が形成される。 【0065】その後、可動金型188を型開きして射出成型品を取り出し、窒素雰囲気中で例えば温度300℃程度にまで加熱して脱バインダー処理を行い、更に、真空雰囲気中で例えば温度1350℃程度にまで加熱して焼結すれば金属製(ステンレス鋼製)スリーブ8’が得られる。 【0066】そして、このように形成された金属製スリーブ8’は、同じくステンレス鋼製の主体金具202と熱膨張率がほぼ同じであり、この結果、主体金具202と金属製スリーブ8’が同様に加熱されても、それぞれ同様に膨張するために互いが接触する部分では隙間が生じにくい。 【0067】このため、加圧充填された充填粉末は一層流出しにくく、しかも、高い気密性を確保することができるようになる。ところで、上記実施例では、充填粉末208を押圧するの力の方向を主体金具202側に向けるために、セラミックホルダ6の後端側に斜面を有する突出部18を設けるようにしたが、検出素子の検出部側を下方に向けた状態で排気管に取り付けて使用する場合では、セラミックスリーブと主体金具との間を介して充填粉末が流出するおそれが少ないので、必ずしもセラミックホルダに対してこのような斜面を形成する必要はない。 【0068】また、上記各実施例では、検出素子をジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質体を用いて形成することにより、いわば、起電力変化型のガスセンサ(酸素センサ)となるように構成したものである。これに限定されず、検出素子をチタニア等の金属酸化物を用いて形成して、いわば、抵抗変化型のガスセンサ(酸素センサ)となるように構成してもよい。 【0069】また更に、検出素子の検出感度や検出精度を高めるために、複数の素子(例えば、酸素濃淡電池素子等)を積層したり、このような素子の両面にヒータ(例えば、セラミックヒータ)を配置するようにしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004547 【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月31日(2000.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−71626(P2002−71626A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月12日(2002.3.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−263194(P2000−263194) |
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