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【発明の名称】 ガスセンサ
【発明者】 【氏名】松尾 康司

【氏名】石川 聡

【要約】 【課題】排気ガス中の被検出成分を検出するのに用いられるガスセンサにおいて、外部から衝撃を受けても検出素子が破損しにくくする。

【解決手段】酸素センサ2は、絶縁保護体104の先端側にフレーム付きパッキン10を備える。フレーム付きパッキン10は、パッキン本体12と、波状のフレーム14からなり、パッキン本体12は、絶縁保護体104と碍管116との間に配置され、フレーム14が、絶縁保護体104と検出素子106の突出部分106cとの間に配置される。このように構成された酸素センサ2では、外部から振動等の衝撃を受けた際には、フレーム付きパッキン10のフレーム14が衝撃に応じて弾性変形して衝撃(振動)自体を吸収するように動作する。このため、検出素子106の突出部分106cに無理な力が加わるのが防止でき、突出部分106cが折れてしまうのを防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セラミックス製の積層基板からなり、測定対象となるガスに向けられる検出部が一端側に形成された長尺状の検出素子と、前記検出素子の前記検出部側を突出させた状態で該検出素子を筒内に保持する筒状の主体金具と、前記検出素子の前記検出部側を突出させると共に、該検出素子を位置決めして前記主体金具の筒内に保持するために、該主体金具の筒内に固定される固定具と、を備え、前記主体金具の筒内に、前記固定具から突出された前記検出素子の前記検出部側の外壁に当接して、該検出素子に加わる衝撃を吸収するための金属製の緩衝部材を配置したことを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】 前記固定具は、セラミックス製材料を所定形状に成形した後、焼結することにより形成される筒状のセラミックホルダであって、前記緩衝部材は、該セラミックホルダの開口部内壁と、前記検出素子の外壁との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】 前記緩衝部材は、前記主体金具の開口部内壁と、前記検出素子の外壁との間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】 前記緩衝部材は、前記検出素子の外壁の内、前記積層基板の積層面に平行な外壁に当接するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
【請求項5】 前記緩衝部材は、金属板にて波板状に形成され、波の振幅方向側の面が前記検出素子の外壁に当接するように配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
【請求項6】 前記緩衝部材は、円盤状の金属板から切り起こされた突片から形成されていることを特徴とする請求項5に記載のガスセンサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内燃機関等の排気管に取り付けられて、排気管中を流通する排気ガス中の被検出成分を検出するのに用いられるガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記ガスセンサとしては、例えば、図8に示すような酸素センサ100が知られている(特開平10−258203号公報等参照)。即ち、酸素センサ100は、排気管に固定するためのねじ部102aが外表面に形成された筒状の主体金具102と、主体金具102の筒内に配置された筒状の絶縁保護体104と、一端(図中下方)が突出した状態で絶縁保護体104の筒内に挿入され、酸素イオン伝導性固体電解質体からなる長板状の酸素濃淡電池素子106aを備えた断面長方形状の検出素子106とを備えている。尚、検出素子106には、酸素濃淡電池素子を活性化させるためのヒータ106bが積層されて形成されている。
【0003】そして、検出素子106は、絶縁保護体104から突出した突出部分106cには検出部106dが形成され、後端側には検出部106dにて生じた酸素濃淡電池起電力を外部から取り出すための複数(図中では、5本)の取り出し線108が取り付けられ、各取り出し線108は、それぞれリードフレーム110の一端に接続されている。また、リードフレーム110の他端は、接続端子112を介してリード線114に接続され、このリード線114を介して酸素濃淡電池起電力を外部から取り出すことができる。
【0004】一方、絶縁保護体104の先端側筒内(図中下方)には、検出素子106を保持するための碍管116が配置され、更に、検出素子106と碍管116との間の上部に形成された空間に、接合セメント材118が充填されることにより、碍管116と検出素子106とが固定されている。
【0005】また、絶縁保護体104の後端側筒内において碍管116の上部には、滑石とガラス材との混合粉末を溶融・固化して形成された第1充填層120及び第2充填層122が下方から順に配置され、これにより、一部取り出し線108を含んだ状態で、絶縁保護体104と検出素子106とが固定されている。ここで、第1充填層120では、混合粉末全体の重量の内でガラス材の重量が占める割合が、例えば12%であり、第2充填層122では、例えば50%である。
【0006】更に、第2充填層122の上部には、ガラス粉末を溶融・固化して形成されたガラス層124が形成され、これにより、取り出し線108の一部及びリードフレーム110の一部(図中下端側)を含んだ状態で、絶縁保護体104の筒内後端側が封止されている。
【0007】また、主体金具102の先端側外周には、検出素子106の突出部分106cを覆うと共に、金属製で、複数の孔部を有する二重のプロテクタ126a,126bが溶接等によって取り付けられている。そして、主体金具102と絶縁保護体104とは板パッキン128及び滑石層130を介して嵌合している。更に、絶縁保護体104には、滑石層130を封止する加締リング132が外嵌され、この加締リング132には、絶縁保護体104を内挿する外筒134が外嵌している。そして、外筒134には、リング136が外嵌され、そのリング136を覆うようにして、主体金具102の先端側(図中下方)が加締られており、その結果、主体金具102と外筒134とが連結され、絶縁保護体104が主体金具102に固定されている。
【0008】一方、外筒134の後端側には、保護外筒138が加締によって連結され、その保護外筒138に内嵌されるグロメット140により、接続端子112及びリード線114が保持されている。このように、構成された酸素センサ100では、外部から振動等の衝撃を受けた場合には、主として第1充填層120及び第2充填層122にて、その衝撃をある程度吸収できるようになる。このため、外部から衝撃を受けても、少なくとも第1充填層120及び第2充填層122にて覆われている検出素子106の部分が、破損してしまうのを防止できるようになった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、検出素子106において、碍管116や接合セメント材118によって固定された部分では、外部から受けた衝撃が伝達されやすく、これによって、特に碍管116から突出した先端部分(即ち、検出部106dが形成された端部側の部分)全体が共振しやすくなる。
【0010】このため、検出素子106の先端部分の根本付近にひび割れが生じたり、或いは、根本付近から折れて破損してしまうおそれがあった。本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、排気ガス中の被検出成分を検出するのに用いられるガスセンサにおいて、外部から衝撃を受けても検出素子が破損しにくくすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段,発明の効果】かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、セラミックス製の積層基板からなり、測定対象となるガスに向けられる検出部が一端側に形成された長尺状の検出素子と、前記検出素子の前記検出部側を突出させた状態で該検出素子を筒内に保持する筒状の主体金具と、前記検出素子の前記検出部側を突出させると共に、該検出素子を位置決めして前記主体金具の筒内に保持するために、該主体金具の筒内に固定される固定具と、を備え、前記主体金具の筒内に、前記固定具から突出された前記検出素子の前記検出部側の外壁に当接して、該検出素子に加わる衝撃を吸収するための金属製の緩衝部材を配置したことを特徴とする。
【0012】即ち、本発明(請求項1)のガスセンサでは、振動等の衝撃を外部から受けても、衝撃に応じて金属製の緩衝部材が検出素子の外壁に当接することにより、検出素子に加わる衝撃を吸収するようになるため、検出素子に衝撃が伝達されるのを防止することができる。これにより、当該ガスセンサが外部から衝撃を受けても、その衝撃により検出素子が破損するのを防止することができる。
【0013】そして、緩衝部材は、検出素子の外壁に当接させた状態で主体金具の筒内に配置することが重要であるが、具体的には、例えば、請求項2に記載のように、固定具を、セラミックス製材料を所定形状に成形した後、焼結することにより形成される筒状のセラミックホルダとし、このセラミックホルダの開口部内壁と、検出素子の外壁との間に緩衝部材を配置するようにしてもよく、または、請求項3に記載のように、主体金具の開口部内壁と、検出素子の外壁との間に緩衝部材を配置するようにしてもよい。
【0014】このようにすれば、外部から受けた衝撃が緩衝部材に吸収されるため、検出素子の検出部側に衝撃が伝達されるのを防止することができる。これにより、当該ガスセンサ(請求項2,3に記載のガスセンサ)が外部から衝撃を受けても、主体金具の筒内に検出部側が突出した状態で保持された検出素子における当該検出部側が、その衝撃により破損してしまうのを防止することができる。
【0015】また、緩衝部材を配置する際には、請求項4に記載のように、検出素子の外壁の内、積層基板の積層面に平行な外壁に当接するようにするとよい。即ち、検出素子では、積層基板の積層面に垂直な方向に沿って振動し易いことが知られている。そこで、本発明(請求項4)のようにすれば、外部から受けた衝撃に応じて上記のように緩衝部材が変形して、検出素子に衝撃が伝達されるのを防止することができるだけでなく、万が一、衝撃が検出素子に伝達したとしても、その衝撃力は、各積層基板の板面にて受け止められる結果、各積層基板同士を押さえ合うように働くことになる。
【0016】このため、外部からの衝撃を受けても、検出素子が振動(共振)するのを防止することができる。しかも、このように衝撃が吸収されるため、各積層基板が積層面に沿って剥がれたりするのを防止することも可能となる。ところで、金属製の緩衝部材としては、例えば、単に板状に形成し、端部等の一部を検出素子の外壁に当接させる等して、外部から衝撃を受けた際には、板自体を撓ませて弾性変形させることにより、その衝撃吸収させるようにしてもよい。或いは、長尺状で薄い金属片を複数からめ合わせるようにして、いわば市販の「マグネシウム製たわし」のような集合体を形成して、この集合体全体として弾性を持たせるようにしてもよい。しかしながら、このように緩衝部材を単に板状に形成した場合や集合体に形成した場合には、検出素子の外壁に当接した状態で主体金具の筒内に配置させるのが難しい。
【0017】そこで、緩衝部材を、請求項5に記載のように、金属板にて波板状に形成し、波の振幅方向側の面が検出素子の外壁に当接するように配置するのが好ましい。このようにすれば、緩衝部材を例えば波の振幅が小さくなるように弾性変形させることができ、その際の復元力を利用して検出素子の外壁にしっかりと当接させることができる。しかも、緩衝部材をこのように波の振幅方向に弾性変形させることにより、簡単に主体金具の筒内に配置させることができる。また、このように構成された緩衝部材は、外部から受けた衝撃に応じて、波の振幅が小さくなったり、或いは復元するように動作して変形できるようになるため、衝撃を確実に吸収させることができる。
【0018】そして、緩衝部材を特に板状に形成するには、例えば、請求項6に記載のように、円盤状の金属板から切り起こされた突片から形成するようにしてもよい。このようにすれば、緩衝部材を主体金具の筒内に配置するのと同時に、突片以外の円盤状の金属板の部分を、例えば、主体金具と固定具との間等に配置させることができる。また、緩衝部材を形成するには、金属板から突片を切り起こすだけでよいため、当該緩衝部材を形成するのが極めて簡単である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体化した各実施例(第1実施例,第2実施例)を図面と共に説明する。尚、各実施例では本発明をガスセンサの一種である酸素センサに適用した。
【0020】(第1実施例)図1は、本実施例の酸素センサ2の全体構成を示す断面図であり、図2は検出素子106の先端部分側の周囲の構造、及び、酸素センサ2が備えるフレーム付きパッキン10の概略構成を示す説明図である。尚、酸素センサ2は、図8に示した酸素センサ100とは、検出素子106の先端部分側周囲の構造が異なり、その他の部分は同様に構成されている。ここでは、図8に示した酸素センサ100と共通する部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0021】即ち、酸素センサ2は、絶縁保護体104の筒内先端側にフレーム付きパッキン10を備える。フレーム付きパッキン10は、図2(b)の側面図や、図2(b)中の矢印A方向から当該パッキン10を見た底面図である図2(c)に示すように、検出素子106を挿通するための略長方形状の挿通孔12aが中央部分に穿設され、上方に向けて外側に開くすり鉢状のパッキン本体12と、パッキン本体12の挿通孔12aの長手方向両端部から下方に突出した波状を呈するフレーム14とを備える。また、フレーム付きパッキン10は、例えば、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を保持可能な周知のインコネルやSUS310等のステンレス鋼にて全体が一体形成されている。
【0022】ここで、フレーム付きパッキン10を形成するには、例えば、まず、円盤状のステンレス板(インコネル製の板)10’の中央部分に、図2(d)に示すように、「エ」状の切り込み(実線部分)を入れて、図中左右側から延びる二枚の突片14’を形成し、その突片14’をそれぞれ円盤状のステンレス板10’の板面に対して垂直となるように、折り曲げ線に沿って下方に向けて折り曲げる。そして、突片14’を波状に変形させ、他方、円盤状のステンレス板10’の他の部分をすり鉢状となるように変形させる。これにより、二枚の突片14’が波状を呈するフレーム14となり、フレーム14を形成するために切り取られた部分が挿通孔12aとなり、すり鉢状に変形した部分がパッキン本体12となり、フレーム付きパッキン10が完成する。
【0023】そして、フレーム付きパッキン10は、図2(a)に示すように、まず、検出素子106において酸素濃淡電池素子106aとヒータ106bとが積層される積層面に平行な外壁面に、フレーム14が当接するようにして、挿通孔12aに検出素子106が挿通される。次いで、絶縁保護体104の開口部側(図中下方)内壁と、検出素子106の外壁との間に、フレーム14を配置した状態で、パッキン本体12の部分が絶縁保護体104の筒内先端側に配置される。このとき、フレーム14の波の振幅方向側の面が、検出素子106の外壁及び絶縁保護体104の内壁に当接するように配置される。ここで、絶縁保護体104は、請求項記載の「固定具」に相当する。
【0024】尚、パッキン本体12の上方には碍管4が配置され、検出素子106と碍管116との間の上部に形成された空間に、接合セメント材118が充填されることにより、碍管116と検出素子106とが固定されている。そして、このように構成された酸素センサ2では、外部から振動等の衝撃を受けた際には、その衝撃が主体金具102,絶縁保護体104,碍管116等を介して検出素子106の突出部分106cに伝達するようになるが、フレーム付きパッキン10のフレーム14がこの衝撃に応じて弾性変形して衝撃(振動)自体を吸収するように動作するため、検出素子106の突出部分106cが共振してしまうのを回避できる。
【0025】また、フレーム付きパッキン10のパッキン本体12が、絶縁保護体104と碍管116との間に配置されているため気密性が向上し、これら絶縁保護体104と碍管116との間を介して排気ガスが内部に流入するのを防止することができる。
【0026】更にまた、パッキン本体12を配置することにより、絶縁保護体104に伝達された衝撃を、このパッキン本体12にて一部吸収できるようになるため、碍管116に衝撃が伝達してしまうのを少しでも防止でき、ひいては、検出素子106の突出部分106cに衝撃が伝達するのを防止できる。
【0027】従って、本実施例の酸素センサ2では、外部から衝撃を受けても、フレーム付きパッキン10のフレーム14が衝撃に応じて弾性変形するため、受けた衝撃を吸収でき、この結果、検出素子106の突出部分106cに無理な力が加わるのが防止でき、突出部分106cが折れてしまうのを防止できる。
【0028】(第2実施例)図3は、本実施例の酸素センサ20の全体構成を示す断面図であり、図4は、酸素センサ20が備える検出素子24の突出部分24b側の周囲の構造、及び、酸素センサ20が備えるフレーム付きパッキン60の概略構成を示す説明図である。
【0029】即ち、酸素センサ20は、排気管に固定するためのねじ部22aが外表面に形成された筒状の主体金具22と、主体金具22の筒内に挿入される断面長方形状の検出素子24と、検出素子24を保持するために主体金具22の筒内に積層されるセラミックホルダ26、タルク粉末28、及び、セラミックスリーブ30と、検出素子24に接続された複数(本実施例では4本)の長板状のリードフレーム32とを備え、更に、主体金具22の先端側筒内(図中下方)には、後述するフレーム付きパッキン60が配置されている。この内、セラミックホルダ26及びセラミックスリーブ30は、検出素子24を挿通するための挿通孔が中央部分に穿設されている。
【0030】そして、検出素子24は、それぞれ長板状に形成された酸素濃淡電池素子34と、酸素濃淡電池素子を活性化させるためのヒータ36とが積層されて形成された公知のものである。尚、酸素濃淡電池素子34は、例えば、ジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質体により形成されている。また、ヒータ36は、例えば、導電性セラミックからなる抵抗発熱体パターンをセラミック基体中に埋設したものである。そして、酸素濃淡電池素子34の先端側(図中下方)には、検出部24aが形成されている。
【0031】また、酸素濃淡電池素子34の長手方向に沿った後端側の板面(図中右上方)には、検出部24aにて検出された酸素濃淡電池起電力を外部から取り出すための二つの電極端子38が間隔を空けて配置され、一方、ヒータ36の長手方向に沿った後端側の板面(図中左上方)には、抵抗発熱体パターンに電力を供給するための二つの電極端子40が間隔を空けて配置されている。尚、酸素濃淡電池素子34とヒータ36とは、セラミック(例えば、ジルコニア系セラミックやアルミナ系セラミック)層を介して互いに接合される。
【0032】そして、検出素子24は、フレーム付きパッキン60,セラミックホルダ26,タルク粉末28,セラミックスリーブ30等を介して主体金具22の筒内に固定され、しかも、タルク粉末28の下部中央から、セラミックホルダ26の筒内を介して、その検出部24a側を下方に突出させた状態で固定される。
【0033】ここで、フレーム付きパッキン60は、図4(b)の側面図や、図4(b)中の矢印B方向から当該パッキン60を見た底面図である図4(c)に示すように、検出素子24を挿通するための略長方形状の挿通孔62aが中央部分に穿設された円盤状のパッキン本体62と、パッキン本体62の挿通孔62aの長手方向両端部から上方に突出した波状のフレーム64とを備える。また、フレーム付きパッキン60は、例えば、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を保持可能な周知のインコネルやSUS310等のステンレス鋼にて全体が一体形成されている。
【0034】そして、フレーム付きパッキン60を形成するには、上記した第1実施例のフレーム付きパッキン10の場合と同様にして、例えば、まず、円盤状のステンレス板(インコネル製の板)60’の中央部分に、図4(d)に示すように、切り込み(実線部分)を入れて、図中左右側から延びる二枚の突片64’を形成し、その突片64’をそれぞれ円盤状のステンレス板60’の板面に対して垂直となるように上方に向けて折り曲げる。そして、突片64’を波状に変形させればよい。これにより、二枚の突片64’が波状のフレーム64となり、フレーム64を形成するために切り取られた部分が挿通孔62aとなり、その他の部分がパッキン本体12となり、フレーム付きパッキン60が形成される。
【0035】また、フレーム付きパッキン60は、図4(a)に示すように、そのフレーム64を上方に向けた状態で主体金具22の筒内下方の内面に配置される。更に、タルク粉末28から突出した検出素子24の突出部分24bにおいて、酸素濃淡電池素子34とヒータ36とが積層される積層面に平行な外壁面にフレーム64が当接するように、挿通孔62aに検出素子24が挿通され、パッキン本体62上にセラミックホルダ26が載置され、更にまた、セラミックホルダ26上に、タルク粉末28とセラミックスリーブ30等が順に配置される。そして、特に、検出素子24の電極端子(電極端子38,40)が形成された側の端部側の周囲が、セラミックスリーブ30に覆われる。
【0036】つまり、セラミックホルダ26の内壁と検出素子24の外壁との間には、フレーム付きパッキン60のフレーム64が配置され、主体金具22の筒内下方の内面とセラミックホルダ26の下端面との間には、パッキン本体62が配置される。また、このとき、フレーム64の波の振幅方向側の面が、検出素子24の外壁及び主体金具22のの内壁に当接するように配置される。
【0037】一方、図3に戻り、セラミックスリーブ30の後端側周囲の端面上には、加締リング42が配置され、主体金具22の後端部を、この加締リング42を介してセラミックスリーブ30側に加締めることにより、タルク粉末28が加圧充填され、この結果、検出素子24、セラミックホルダ26、セラミックスリーブ30と主体金具22とが固定される。
【0038】そして、主体金具22の後端側外周には、外筒44が溶接等により固定されている。また、外筒44の後端開口部(図中上方)には、検出素子24にて生じた酸素濃淡電池起電力を外部に取り出すためのリード線46が挿通されるリード線挿通孔が形成されたセラミックセパレータ48とグロメット50とが配置されている。更にまた、主体金具22の先端側外周には、検出素子24の突出部分24bを覆うと共に、金属製で、複数の孔部を有する二重のプロテクタ52a,52bが溶接等によって取り付けられている。
【0039】ところで、検出素子24の後端側周囲には、リードフレーム32が配置される。このリードフレーム32は、外観が略L字状を呈するように形成されている。即ち、リードフレーム32は、フレーム本体54と、フレーム本体54の一端側が折り曲げられて形成された折曲部56と、フレーム本体54の折曲部56側に形成された波状部分58とを備える。また、リードフレーム32は、例えば、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を保持可能な周知のインコネル等のステンレス鋼にて形成されている。
【0040】そして、このように構成されたリードフレーム32は、セラミックスリーブ30の挿通孔に、そのフレーム本体54と波状部分58の部分とが配置され、この状態の挿通孔に検出素子24が挿通される。ここで、リードフレーム32を配置する際には、検出素子24の電極端子38,40に、波状部分58を当接させると共に、折曲部56をセラミックスリーブ30の下端面に当接させるようにする。また更に、フレーム本体54の折曲部56とは反対側の端部(図中上方)をセラミックスリーブ30から突出させた状態で配置する。
【0041】このように構成された酸素センサ20では、セラミックスリーブ30から突出したリードフレーム32のフレーム本体54の端部(図中上方)に、リード線46が抵抗溶接により固定される。つまり、酸素センサ20では、リード線46及びリードフレーム32を介して、検出素子24にて生じた酸素濃淡電池起電力を外部に取り出すことができる。
【0042】また、外部から振動等の衝撃を受けた際には、その衝撃が主体金具22,セラミックホルダ26等を介して、検出素子24の突出部分24bに伝達するようになるが、フレーム付きパッキン60のフレーム64がこの衝撃に応じて弾性変形して衝撃(振動)自体を吸収するように動作するため、検出素子24の突出部分24bが共振してしまうのを回避できる。
【0043】また、フレーム付きパッキン60のパッキン本体62が、主体金具22とセラミックホルダ26との間に配置されているため気密性が向上し、これら主体金具22とセラミックホルダ26との間を介して排気ガスが内部に流入するのを防止することができる。更にまた、パッキン本体62を配置することにより、主体金具22に伝達された衝撃を、このパッキン本体62にて一部吸収できるため、セラミックホルダ26に衝撃が伝達してしまうのを少しでも低減でき、ひいては、検出素子24の突出部分24bに衝撃が伝達するのを少しでも低減できる。
【0044】このため、本実施例の酸素センサ20では、外部から衝撃を受けても、フレーム付きパッキン60のフレーム64が衝撃に応じて弾性変形するため、受けた衝撃を吸収できる。この結果、検出素子24の突出部分24bに無理な力が加わるのを防止でき、従って、突出部分24bが破損してしまうのを防止できる。
【0045】一方、セラミックスリーブ30の挿通孔の内壁と検出素子24との間には、リードフレーム32の波状部分58が配置されており、この波状部分58は検出素子24やセラミックスリーブ30からの圧力を受けて弾性変形するようになる。この結果、セラミックスリーブ30と、検出素子24(検出素子24の電極端子)との間の隙間が無くなるように密着して、検出素子24がセラミックスリーブ30にしっかりと固定される。しかも、外部から衝撃を受けても、この波状部分58が衝撃に応じて弾性変形してその衝撃を吸収できる。この結果、検出素子24の後端部分に無理な力が加わるのを防止でき、従って、後端部分が破損してしまうのを防止できる。
【0046】以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記第1,第2実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記した第1実施例の酸素センサ2において、検出素子106の突出部分106cの周囲の構造を、図5に示すように変形してもよい。
【0047】即ち、主体金具102の筒内下方側の内面と、絶縁保護体104の先端側外壁との間に、フレーム付きパッキン10のパッキン本体12を配置し、検出素子106の外壁と、主体金具102の筒内先端側内壁との間に、フレーム14を配置するものである。
【0048】このように構成された酸素センサ2’では、外部から受けた衝撃をフレーム14にて吸収できるため、衝撃が検出素子106に伝達するのを防止でき、酸素センサ2の場合と同様の効果を得ることができる。また、これに限定されず、フレーム付きパッキンのフレームが、絶縁保護体104及び主体金具102の各筒内先端側内壁と、検出素子106の外壁との間に亘って配置するようにしてもよい。このようにすれば、結果としてフレームを大きく形成でき、その分外部から受けた衝撃をより多く吸収することができ、検出素子106の破損を一層防止できる。
【0049】ところで、主体金具22や絶縁保護体104の内部空間を広くすると、酸素センサ自体が大きくなるため、その広さには制限がある。また、外部から受けた衝撃をより吸収させるためには、フレーム付きパッキンのフレームをできるだけ大きく(長く)形成する必要がある。
【0050】そこで、フレーム付きパッキンを形成する際には、図6(a)上図に示すように、円盤状のステンレス板の中央部分に、長手方向の一端を残して、他の部分を「コ」の字状に切り取った長方形状の突片を複数設けるようにしてもよい。尚、残される一端側は、フレームを形成するために折り曲げ線に沿って折り曲げられる部分であり、この一端側の位置自体は、各実施例中に示したフレーム付きパッキン10,60のフレーム14,58を形成するために突片を折り曲げた部分と同じ箇所である。
【0051】そして、切り取る際には、ステンレス板の直径方向に対して、それぞれ平行となるように、かつ互い違いとなるように、外周方向に向かって切り取るようにする。このようにすれば、フレーム付きパッキン10,60のフレーム14,58を形成するための突片よりも、実質的に長い突片が得られるようになる。
【0052】この結果、図6(b)上図に示すように、より長いフレームを形成できるだけでなく、図6(c)下図に示すように、フレーム14,58と同じ長さであっても、より振幅の大きな「波」を有するフレームを形成することができる。このため、受けた衝撃に応じて種々の大きさに弾性変形できるようなり、種々の衝撃を吸収できるようになる。従って、検出素子が破損するのを一層防止することができる。
【0053】また、図6(a)中に示すように、突片の幅方向(図中上下方向の幅)をより細くすると共に、互い違いとなるように複数(図中では、左右から3本、合計6本)の突片を形成するようにしてもよい。このようにして得られたフレーム付きパッキンでは、上記したように、より長いフレームを有するように形成でき、或いは、より振幅の大きな「波」を有するフレームを形成することができるため、種々の衝撃を吸収できるようになるだけでなく、検出素子の両側から同数のフレームが当接するようになり、両当接方向からの衝撃をバランスよく吸収できるようになる。
【0054】ところで、フレーム付きパッキンのフレームは、上記したように「波」状に形成するのに限定されない。例えば、図7(a)の酸素センサ20’が備えるフレーム付きパッキン70のように形成してもよい。ここで、酸素センサ20’では、フレーム付きパッキン以外の構成が第2実施例の酸素センサ20と同様である。
【0055】フレーム付きパッキン70は、酸素センサ20が備えるフレーム付きパッキン60と同様の挿通孔62aが中央部分に穿設された円盤状のパッキン本体72と、パッキン本体72の挿通孔62aの長手方向両端部から、検出素子24に側壁の一部が当接するようにして、「弧」を描くように曲げられたフレーム74とを備える。
【0056】そして、フレーム付きパッキン70を形成するには、フレーム付きパッキン60の場合と同様にして、例えば、円盤状のステンレス板の中央部分に、二枚の突片を形成するための切り込みを入れ、次いで、この突片をステンレス板に対して垂直となるように折り曲げる。その後、これらの突片が互いに向き合う側に各側壁が凸となるように、折り曲げればよい。
【0057】このように形成されたフレーム付きパッキン70では、外部から受けた衝撃に応じてフレーム74が弾性変形するために、この衝撃自体を吸収するようになり、検出素子24の突出部分24bが共振してしまうのを回避できるといったように、フレーム付きパッキン60の場合と同様の効果が得られる。
【0058】そして、本発明者等が種々検討を行ったところ、図7(b)の酸素センサ20”が備えるフレーム付きパッキン80を用いた場合でも、外部から衝撃を受けた際の検出素子の破損が防止できることが分かった。ここで、酸素センサ20”は、酸素センサ20’では、フレーム付きパッキン以外の構成が第2実施例の酸素センサ20と同様である。
【0059】即ち、フレーム付きパッキン80は、挿通孔62aが中央部分に穿設された円盤状のパッキン本体82と、パッキン本体82の挿通孔62aの長手方向両端部から、タルク粉末28側に向けて、断面L字状に折り曲げられたフレーム84とを備える。
【0060】そして、フレーム付きパッキン80を形成するには、例えば、円盤状のステンレス板の中央部分に、二枚の突片を形成するための切り込みを入れ、次いで、この突片をステンレス板に対して垂直となるように折り曲げればよい。このように形成されたフレーム付きパッキン80は、フレーム84と検出素子24との間に隙間を設けた状態で、しかも、フレーム84におけるパッキン82側の側壁がセラミックホルダ26の挿通孔の内壁に密着するようにして配置される。
【0061】ここで、フレーム84と検出素子24との間に隙間を設ける目的は、検出素子24をフレーム付きパッキン80の挿通孔62aに挿入する際に検出素子24を、挿入が容易になる様にするためである。フレーム84がばね状や円弧状に変形されている場合は、検出素子24とフレーム付きパッキン80(フレーム84)が接触する寸法関係であっても、フレーム84が容易に変形するので、フレーム付きパッキン80内に検出素子24を挿入することが可能となるが、フレーム84が単に直線状に折り曲げただけの形状の場合には、挿入時にフレーム84の変形が少ないので、検出素子24を挿通孔62aに挿入するのが困難となり、若干の隙間を設けておくことが望ましい。
【0062】そして、フレーム付きパッキン80では、外部からの衝撃を受けて検出素子24の検出部24b側が共振した場合には、特に振幅が大きくなったときに、検出素子24がフレーム84に接触(或いは、衝突)するようになる。その際、検出素子24を構成するセラミックスに比べて柔らかい金属製のフレーム84に対して当該検出素子24が接触することにより、検出素子24は割れたりせず、振幅の大きさが制限された状態でその検出部24bが共振するようになる。つまり、フレーム付きパッキン80では、外部から衝撃を受けても、検出素子24の検出部24bを、破損する振幅にまで到達させることのない状態で共振させることができるのである。
【0063】一方、上記各実施例では、検出素子をジルコニア等を主体とする酸素イオン伝導性固体電解質体を用いて形成することにより、いわば、起電力変化型のガスセンサ(酸素センサ)となるように構成したものである。これに限定されず、検出素子をチタニア等の金属酸化物を用いて形成して、いわば、抵抗変化型のガスセンサ(酸素センサ)となるように構成してもよい。
【0064】また更に、検出素子の検出感度や検出精度を高めるために、複数の素子(例えば、酸素濃淡電池素子等)を積層したり、このような素子の両面にヒータ(例えば、セラミックヒータ)を配置するようにしてもよい。
【出願人】 【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
【出願日】 平成12年8月31日(2000.8.31)
【代理人】 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
【公開番号】 特開2002−71625(P2002−71625A)
【公開日】 平成14年3月12日(2002.3.12)
【出願番号】 特願2000−263193(P2000−263193)