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【発明の名称】 バイオセンサ
【発明者】 【氏名】ラフバー シンフ ブラー

【氏名】ダグラス ポール ワリング

【要約】 【課題】少量の試料でも分析可能な利便性のある電気化学的バイオセンサの提供。

【解決手段】エッジ28,54と該エッジから延伸したフランジ30,56とを含む底部18と、前記底部上に支持されてエッジと該エッジから前記底部のフランジに沿って延伸したフランジとを含む頂部14と、前記頂部及び底部のフランジによって形成されるキャピラリーチャンネル20と、前記底部フランジのキャピラリーチャンネルに配置された第1の電極70と、前記頂部フランジのキャピラリーチャンネルに配置された第2の電極71とからなるバイオセンサ10。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エッジと該エッジから延伸したフランジとを含む底部と、前記底部上に支持されてエッジと該エッジから前記底部のフランジに沿って延伸したフランジとを含む頂部と、前記頂部及び底部のフランジによって形成されるキャピラリーチャンネルと、前記底部フランジのキャピラリーチャンネルに配置された第1の電極と、前記頂部フランジのキャピラリーチャンネルに配置された第2の電極とからなるバイオセンサ。
【請求項2】 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、前記頂部及び底部はリング状であり、隔置された内部エッジ及び外部エッジを有することを特徴とするバイオセンサ。
【請求項3】 請求項2に記載のバイオセンサにおいて、各フランジは頂部及び底部それぞれの外部エッジから延伸していることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項4】 請求項2に記載のバイオセンサにおいて、頂部及び底部はそれぞれそれぞれの外部エッジから延伸した複数個のフランジを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項5】 請求項2に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極は前記底部フランジから前記底部の内部エッジに向かって延伸していることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項6】 請求項4に記載のバイオセンサにおいて、前記第2の電極は前記頂部フランジから前記頂部の内部エッジに向かって延伸していることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項7】 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、前記底部は内部エッジ及び外部エッジと、該内部エッジに近接する歯とを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項8】 請求項7に記載のバイオセンサにおいて、前記底部は内部表面及び外部表面含み、前記歯は前記外部表面上に配置されていることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項9】 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、前記頂部及び底部は複数個のフランジを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項10】 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極は隔置されたトラックを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項11】 請求項10に記載のバイオセンサにおいて、前記第2の電極は隔置されたトラックを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項12】 請求項1に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極及び第2の電極のうち少なくとも1つに試薬が配置されていることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項13】 ベース及び外周部を含む第1の電極と、前記第1の電極のベース上に配置されたスペーサと、前記スペーサ及び前記外周部上に配置されたベースを含む第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極の外周部によって形成される片持ち梁状のキャピラリーチャンネルとからなるバイオセンサ。
【請求項14】 請求項13に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極及び第2の電極の間に試薬が配置されていることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項15】 請求項13に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極のベースは隔置されたトラックを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項16】 請求項15に記載のバイオセンサにおいて、前記第2の電極のベースは隔置されたトラックを含むことを特徴とするバイオセンサ。
【請求項17】 請求項13に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極及び第2の電極のベースはそれぞれリング状であることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項18】 底部と、ベース及び外周部を含み前記底部上に配置された第1の電極と、前記第1の電極のベースに近接するスペーサと、前記スペーサに近接するベース並びに外周部を含む第2の電極と、前記第1の電極及び第2の電極の外周部によって形成されるキャピラリーチャンネルとからなるバイオセンサ。
【請求項19】 請求項18に記載のバイオセンサにおいて、前記第1の電極及び第2の電極のベースはそれぞれ隔置されたトラックを含み、前記トラックは互いに揃って配置されていることを特徴とするバイオセンサ。
【請求項20】 請求項19に記載のバイオセンサにおいて、前記スペーサは前記第1の電極及び第2の電極のトラックの間に配置されていることを特徴とするバイオセンサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバイオセンサに関し、特に電気化学的バイオセンサに関する。
【0002】
【従来技術】生物学的検体、特に血液から得られる様々な検体の濃度を決定するために使用する電気化学的バイオセンサが知られている。このようなバイオセンサは、米国特許第5,413,690号、第5,762,770号、第57,980,031号及び第5,997,817号に記載されており、これらによる開示はそれぞれ本明細書中に含まれている。
【0003】
【発明の要旨】本発明によれば、エッジ及びエッジから延伸したフランジを有する底部と、エッジ及びエッジから底部フランジに沿って延伸したフランジを有し底部上に支持された頂部と、第1の電極及び第2の電極とからなるバイオセンサが提供される。このバイオセンサにおいて、頂部及び底部のフランジは共にキャピラリーチャンネルを形成する。さらに、第1の電極は底部フランジのキャピラリーチャンネル内に配置され、第2の電極は頂部フランジのキャピラリーチャンネル内に配置される。
【0004】また本発明によれば、ベース及び外周部を有する第1の電極と、第1の電極のベース上に配置されたスペーサと、スペーサ及び外周部に配置されたベースを有する第2の電極とからなるバイオセンサが提供される。第1の電極及び第2の電極の外周部は共に片持ち梁状のキャピラリーチャンネルを形成する。
【0005】さらに本発明によれば、底部と、底部上に配置された第1の電極と、スペーサと、第2の電極とからなるバイオセンサが提供される。第1の電極及び第2の電極はそれぞれベース及び外周部を有する。スペーサは第1の電極及び第2の電極のベースに近接して配置される。さらに、第1の電極及び第2の電極の外周部は共にキャピラリーチャンネルを形成する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しながら以下に詳細に記載する。これによって本発明のさらなる特徴が当業者に明らかとなるであろう。本発明の様々な特徴を図1〜図14に示しているが、本発明のバイオセンサ及びメータの寸法を規定するものではない。複数の図面において共通する部材には同一の参照番号を付してある。
【0007】本発明のバイオセンサ10をメータ12内で使用する際の外観を図1に示す。バイオセンサ10は、片持ち梁状のキャピラリー設計のため、少量の試料でも扱うことができる。図2に示すようにバイオセンサ10は、リング状の頂部14、スペーサ16及び底部18からなる。スペーサ16は頂部14及び底部18を隔離し、頂部14及び底部18によって複数個の隔離されたキャピラリーチャンネル20が形成される。バイオセンサ10は、使用者に個々のチャンネルが見えるように軸22の周囲を所定距離ずつ回転できるようディスク状であるのが好ましい。しかしながら、本発明のバイオセンサ10はどのような形状でもよく、少なくとも1つの片持ち梁状キャピラリーチャンネルを有していればよい。
【0008】本発明のバイオセンサ10は熱可塑性樹脂から成形することができる。これに適した樹脂は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アセタール、アクリル、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル、ポリエチレン、フッ素プラスチック、ポリイミド、ナイロン、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレン(PP)、スチレン−アクリル共重合体、ポリスチレン、ポリスルホン、塩化ポリビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリルメタクリル酸メチル、又はこれらの混合物などの熱可塑性樹脂である。頂部14及び底部18は、コンパクトディスクに使用されるようなポリカーボネートからなるのが好ましく、さらに、補強材を含まず、ポリカーボネートのような熱可塑性材料のみを含んでいるのが好ましい。ポリカーボネートの具体例としては、Bayer AG社(ドイツ、レバークーゼン)のMAKROLON2400や、三菱化学株式会社(旧三菱化成株式会社)市販のポリカーボネート樹脂NOVAREX(登録商標)などが挙げられる。スペーサ16は厚さ約3〜7milの熱安定化ポリエステルフィルムから形成するのが好ましい。そのようなフィルムの例として、E.I. DuPont de Nemours and Company社(ドイツ、ウイルミントン)からMELINEX ST-505又はST-454として市販されている透明ポリエステルフィルムがあるが、これに限定されるものではない。スペーサ16は厚さ約75〜125μmとし、好ましくは約75μmとする。スペーサ16の厚さは変更してもよい。また、スペーサ16は孔66を有する。
【0009】図2〜図5に示すように、バイオセンサ10の底部18は、外部側面24、スペーサ16に面する内部側面26、円周状の外部エッジ28、該外部エッジ28から放射方向外側に延伸した一連の外部フランジ30、円周状の内部エッジ32及び該内部エッジ32から放射方向内側に延伸した一連の内部フランジ34、を有する。図5に示すように、各外部フランジ30と内部側面26の間には凹部38が存在し、また各外部フランジ30は内部側面26とほぼ並列した内部表面36を有する。
【0010】図4及び図5に示すように、底部18の外部側面24は内部エッジ32の付近に隆起部40を有する。隆起部40は円周状の内部エッジ42を有し、内部エッジ42の放射方向内側には一連の歯44が延伸している。外部側面24上の歯44はメータ12の歯車と噛み合うような形状及び寸法を有し、これにより底部18は軸22の周囲を回転できるようになっている。さらに、底部18には外部表面24の隆起部40から内部表面26まで貫通した8つの孔46が形成されている。本発明では、孔46の数は8つより多くとも少なくともよい。
【0011】図2及び図3において、バイオセンサ10の底部18上には頂部14が支持されている。ここで、頂部14及び底部18の位置関係に関して、「底部18上に頂部14が支持される」とは、頂部14が底部18上に近接して位置することを示す。頂部14及び底部18の間にはスペーサ16が配置できるようになっており、または、後述のように頂部14又は底部18のいずれかにスペーサ16が一体形成されていてもよい。図5及び図6に示すように、頂部14は外部側面48及びスペーサ16と面する内部側面50を有する。頂部14には外部側面48から内部側面50まで貫通した8つの孔52が形成されており、バイオセンサ10を組み立てたときには孔52と孔46はほぼ一列になるように配置されている。本発明では、頂部14の孔52の数は8つより多くとも少なくともよい。図6に示すように、頂部14はまた円周状の外部エッジ54及び内部エッジ58を有し、外部エッジ54には放射方向外側に延伸した一連の外部フランジ56が形成され、内部エッジ58には放射方向内側に延伸した一連の内部フランジ60が形成されている。各外部フランジ56の内部表面62は頂部14の内部側面50とほぼ並列しており、内部表面62と内部側面50との間には凹部64が形成されている。バイオセンサ10を組み立てると、頂部14の外部フランジ56の内部表面62と底部18の外部フランジ30の内部表面36に面とが対面して、キャピラリーチャンネル20が形成される。
【0012】頂部14の内部側面50と底部18の内部側面26の間には、スペーサ16が配置されている。スペーサ16には8つの孔66が形成されており、これらの孔66は底部18の孔46及び頂部14の孔52と一列になるよう配置される。スペーサ16により底部18の内部側面26と頂部14の内部側面50とが隔離されているので、内部側面26での電気化学的活動が内部側面50での電気化学的活動を誘発するのが妨げられる。
【0013】頂部14及び底部18はコネクタピン68によってスペーサ16に取り付けられる。図1に示すように、バイオセンサ10は、一列に並んだ孔52、66及び46を貫通できる寸法の8つのコネクタピン68を有している。コネクタピン68は頂部14及び底部18と同じような材料からなっている。本発明によれば、コネクタピン68の数は8つより多くても少なくてもよく、また様々な形状及び寸法のコネクタピンを使用することができる。また、ステープル、接着剤、超音波接合などの方法により、頂部14及び底部18をスペーサ16に取り付けることもできる。
【0014】頂部14及び底部18には、バイオセンサ10の電極としてそれぞれ導電体71及び70が備えられている。したがって、導電体70を電極とすれば導電体71は対電極となる。図2において、導電体70は底部18の内部側面26にわたったベース73と、外部フランジ30の外縁上の外周部75とを含んでおり、これにより外部フランジ30と内部フランジ34とが通電するようになっている。同様に、図6において、導電体71は頂部14の内部側面50にわたったベース77と、外部フランジ56の外縁上の外周部79とを含んでおり、これにより外部フランジ56と内部フランジ60とが通電するようになっている。導電体71の外周部75と導電体70の外周部79の間にはキャピラリーチャンネル20が形成される。外周部75及び外周部79間の距離はおよそ35〜125μmであり、75μmであるのが好ましい。
【0015】導電体70及び71の適した導電性材料としては、アルミニウム、炭素(グラファイトなど)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ノビウム、オスミアム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレニウム、シリコン(不純物を含むシリコン多結晶体など)、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、及びこれらの混合物、ならびにこれらの元素の合金又は金属化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。貴金属及びその合金は生物系内で反応しないので、導電体70及び71は金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、又はこれらの合金を含んでいるのが好ましい。導電体70は金でできた作用電極であり、導電体71は作用電極とほぼ同寸法の金からできた対電極であるのが最も好ましい。
【0016】図3及び図5に示すように、バイオセンサ10を組み立てると、スペーサ16は頂部14及び底部18の間に配置されて、外部フランジ56及び30が共に各キャピラリーチャンネル20を形成するようになっている。本発明の好ましい実施例において、頂部14及び底部18はそれぞれ60個の外部フランジを有する。さらに、本発明において、キャピラリーチャンネル20の配列は設計事項であるので、例えば普通の直線的配列、S字型の配列、及び楕円形の配列などを取ることができるが、これらの例に限られるものではない。
【0017】各キャピラリーチャンネル20は、外部フランジ30及び56の間に導電体70及び71の露出した部分を有し、そこに試料を置くことができるようになっている。導電体70及び71の露出の程度により、各電極の表面積が決定される。作用電極及び対電極の表面積はほぼ等しく、それぞれ約2mm2以下、好ましくは約1.25mm2である。本発明によれば、導電体70及び71の露出の程度は様々な値を取ることができる。
【0018】図5に示すように、内部フランジ60及び34は共にギャップ84を形成する。各ギャップ84には導電体71及び70の部分が露出されており、メータ12に接続して電気化学的測定ができるようになっている。本発明の好ましい実施例では、頂部14及び底部18はそれぞれ6つの隔離された内部フランジ60及び34を有する。本発明では、導電体70及び71がメータ12に接続可能である限り、頂部14及び底部18には内部フランジがいくつ形成されていてもよく、又は内部フランジが全く形成されていなくてもよい。さらに、ギャップ84の配列及び幅は設計事項であり、様々な値を取ることができる。例えば普通の直線的配列、S字型の配列、及び楕円形の配列などを取ることができるが、これらの例に限られるものではない。
【0019】各キャピラリーチャンネル20内には、特定の検体に対するプローブとなる試薬72を配置することができる。試薬72は、ほぼ均一な厚さを有するフィルムの形状で、各外部フランジ30上の導電体70の外周部75の少なくとも一部分の上に配置される。図2にその例を示す。特定の検体又は測定されるべき検体に応じて特定の試薬72が選択されるが、これらの試薬72は通常の知識を有する当業者にとって周知のものである。本発明では、例えば、全血試料からグルコースを測定するための試薬を試薬72として使用することができる。このような試薬の例として、62.2mgのポリエチレン酸化物(平均分子量100〜900キロダルトン)、3.3mgの250M NATROSOL、41.5mgのAVICEL RC-591F、89.4mgの第一リン酸カリウム、157.9mgの第二リン酸カリウム、437.3mgのフェリシアンカリウム、46.0mgのコハク酸ナトリウム、148.0mgのトレハロース、2.6mgの界面活性剤TRITON X-100、及び酵素活性度が2000〜9000ユニット/gの試薬を含む、ヒト血液中のグルコース測定用試薬を使用することができるが、この例に限られるものではない。酵素は12.5mgの補酵素PQQ及び121万ユニットのアポ酵素キノプロテイングルコースデヒドロゲナーゼからなる酵素溶液として調整される。この試薬はまた、米国特許第5,997,817号に記載されており、この特許による開示は参照資料として本明細書中に含まれている。
【0020】他の好適な試薬の例として、ヘマトクリット値を決定するための試薬がある。ヘマトクリット値を決定するための試薬は、例えば、可逆的電気活性化合物(ヘキサシアノ鉄III酸カリウム(フェリシアンカリウム)、ヘキサシアノ鉄II酸カリウム(フェロシアンカリウム)の混合物)の酸化体及び還元体と、電解質(リン酸カリウム緩衝溶液)と、及び微結晶性物質(Avicel RC-591F−FMC Corp.社販売の微結晶性セルロース88%とカルボキシメチルセルロースナトリウム12%の混合物)とを含む。乾燥前の試薬中の各成分濃度は、フェリシアン化合物400mM(ミリモル、以下同じ)、フェロシアン化合物55mM、リン酸カリウム400mM、及びAvicel 2.0重量%である。ヘモクリット値分析のための試薬についてのさらなる記述は、米国特許第5,385,846号に記載されており、この特許による開示は参照資料として本明細書中に含まれている。本発明のバイオセンサ10において特定の検体の測定に使用する他の酵素及び媒体の例を表1に示すが、これらの例に限られるものではない。
【0021】
【表1】

表1に示したいくつかの例では、少なくとも一つの追加酵素を反応触媒として使用している。また、表1に示したいくつかの例では追加媒体を使用して、媒体の酸化体に電子が移動しやすいようにしている。試薬に加える追加媒体は、媒体に含まれる酸化体よりも少量であってもよい。
【0022】上記の試薬については電流滴定を参照して記載したが、本発明のバイオセンサ10では、試料の電流、電荷、インピーダンス、コンダクタンス、ポテンシャル、又は他の電気化学的性質は、試料中の検体の濃度と精確な相関関係にある。
【0023】再び図1において、メータ12はバイオセンサ10を受け入れるのに適している。メータ12は、ベース76を備えたシェル74、ベース76から延伸した側壁78及びベース76の第1の部分を覆うカバー80を有する。また、メータ12の側壁78に取り付けられた蓋82は、ベース76の第2の部分からドア110にわたって旋回できるようになっている。本発明において、シェル74の形状は設計事項であり様々な形状を取ることができる。例として、長方形、楕円形及び三角形などが挙げられるが、これに限られるものではない。
【0024】シェル74のドア110はスクリーン112を有し、図8に示すように、ドア110が閉まった状態のとき、スクリーン112が側壁78の開口部124を覆うようになっている。図9Aに示すように、ドア110は、スクリーン112とベース76の間に延伸したピボットアーム126を有する。これにより、スクリーン112は開口部124から離れた位置に旋回して、図1及び図7に示す開いた位置を取ることができるようになっている。このとき使用者は、スクリーン112の隆起部142を持つことにより任意に旋回させることができる。ドア110のピボットアーム126は、ベース76の凹部128を軸に旋回できるようになっている。凹部128は、互いに隔離された2つのタブ150を有し、タブ150の間にピボットアーム126が保持されて旋回するようになっている。本発明では、ドア110は、側壁78の周囲を旋回するもの、側壁78から脱着自在のもの、又は折りたたみ式のものなどを使用できるが、メータ12にはドアが形成されていなくてもよい。
【0025】また図9Aに示すように、メータ12のシェル74は、上部キャビティ88及び下部キャビティ90を仕切るパーティション86を有する。パーティション86は、上部キャビティ88に延伸しバイオセンサ10の底部18の外部側面24を支持する支持部92及び93を有する。さらに、下部キャビティ90には、バイオセンサ駆動システム94が収納されている。バイオセンサ駆動システム94は、底部18に力を及ぼして、メータ12の上部キャビティ88内のバイオセンサ10を回動させることができる。
【0026】図9A、図9B及び図10に示すように、バイオセンサ駆動システム94は、モータ98により回転されるモータシャフト96と、モータシャフト96に固定又はキーイングされてモータシャフト96とともに回転する駆動ホイール100とを有する。駆動ホイール100は、底部18の歯44と係合する歯102を有する。このようにして、モータシャフト96及び駆動ホイール100の回転運動により、バイオセンサ10を軸22の周囲に回転させるようになっている。バイオセンサ駆動システム94はまた、動力供給用バッテリー130、クロック132、モータ駆動IC134、メータCPU136、シグナルインターフェース138及び近接センサ140を含む電気回路を備えたアクチュエータシステムを有する。IC134は、Advanced Micro Systems(米国ニューハンプシャー州Nashua)から市販されているSMC-C24/50 Intelligent MotionControl ICであるのが好ましい。IC134は、バッテリー130、クロック132、CPU136及びモータ98と接続されており、CPU136はIC134及びシグナルインターフェース138と接続されている。近接センサ140はバイオセンサ10に近接して配置され、シグナルインターフェース138に接続されており、また導電部材120が電極70及び71と係合するようになっているのが好ましい。
【0027】モータ98は通常、一方向に角力積を生じ、バイオセンサ10を回転させて未使用の実験部位を開口部124に順次開放するようになっている。しかしながら、もしバイオセンサ10の回転により未使用の実験部位が開口部124を通過したのを近接センサ140が感知すると、モータ98はバイオセンサ10を逆方向に回転させて、未使用の実験部位を開口部124近辺の所望の位置に戻すようになっている。モータ98の作動時間はバイオセンサ10の軸22に対する回転位置によって制御される。特に、導電部材120が電極70及び71と係合したのを近接センサ140が感知するまでの間、接触モータ98は回転し、駆動ホイール100及びモータシャフト96を通じてバイオセンサ10にトルクが加えられる。モータ98の作動開始時間は、各回の実験の完了に伴い使用者が制御する。
【0028】使用の際には、メータ12のボタンを押すとモータ駆動IC134に電源が入り、電動モータ98が作動する。一旦バイオセンサ10が軸22に対して所定の回転位置に達し、未使用の実験部位が使用者に向けて開放されると、モータ98は作動停止する。さらに、ICにはトリップポイントが設計されており、トリップポイントにおいてあらかじめ設定した動作を起こすようにプログラムされている。例えばモータ98の位置がトリップポイントに一致したときにバイオセンサ10が使用済みとなったことを報知するようにすることができる。作動中にはIC134の位置カウンタが継続的に更新され、トリップポイントと比較されるようになっている。通常の知識を有する当業者にとって明らかなように、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な方法によりバイオセンサ駆動システム96をメータ12内で作動させることができる。
【0029】メータ12のコネクタアセンブリ114では、ポスト116が上部キャビティ88内をパーティション86から離れる方向に延伸しており、またタブ118がポスト116から側壁78に向けて延伸している。タブ118は6つの導電部材120を備えており、このうち3つの導電部材はタブ118の上部側面から、他の3つはタブ118の下部側面から延伸している。導電部材120は、それぞれメータ12の第1部分内に設けられたCPU136と通電している。タブ118は適度な柔軟性を有しており、バイオセンサ10をメータ12に取り付けた際に、導電部材120が内部フランジ34及び60と係合することができるようになっている。本発明では、導電部材120の数及び形状は様々に決定することができる。
【0030】メータ12の電子部材(図示していない)が導電部材120と通電している。通常、これらの電子部材において電流測定にアルゴリズムを適用することにより、検体の濃度が計測されてディスプレイ122に表示されるようになっている。米国特許第4,963,814号(1990年10月16日発行)、特許第4,999,632号(1991年3月12日発行)、特許第4,999,582号(1991年3月12日発行)、特許第5,243,516号(1993年7月7日発行)、特許第5,352,351号(1994年10月4日発行)、特許第5,366,609号(1994年11月22日発行)、特許第5,405,511号(1995年4月11日発行;White etal.)、及び特許第5,438,271号(1995年8月1日発行;White et al.)は、共通して各部材の改良を目的としているが、これらの特許による開示は参照資料として本明細書中に含まれている。
【0031】本発明のバイオセンサ10では、多くの液体試料を分析することができる。例えば、全血、血漿、血清、リンパ液、胆汁、尿、精液、脳脊髄液、脊髄液、涙液及び便などのヒトの体液、ならびに当業者にとって自明な他の生物学的液体を測定することができる。環境汚染を潜在的に含んだ細胞組織の液体試料、食物、発酵物及び環境物質なども分析可能である。
【0032】バイオセンサ10をメータ12に取り付けるには、図1に示すように、開口部124のドア110を開け、メータ12の蓋82を持ち上げて、上部キャビティ88及びパーティション86を開放する。次にバイオセンサ10を上部キャビティ88内に挿入して、底部18の外部側面24が支持部92及び93上に位置し、底部18の歯44は駆動ホイール100の歯102に係合し、またタブ118がギャップ84内に延伸して導電部材120と外部フランジ34及び60が係合するようにする。そして蓋82を閉じる。近接センサ140はバイオセンサ10の位置を感知し、その情報をシグナルインターフェース138及びメータCPU136を通じてIC134に伝達する。必要に応じてモータ98を駆動し、バイオセンサ10を所定の回転位置まで回転させて未使用の実験部位を開放させる。このまま実験を行ってもよいし、開口部124のドア110を閉じて、バイオセンサ10を上部キャビティ内に密閉してもよい。
【0033】バイオセンサ10を用いて実験を行う際には、必要に応じてドア110を開けてキャピラリーチャンネル20の少なくとも一つを開放する。液体試料(図示していない)を外部フランジ30及び56間のキャピラリーチャンネル20に配置する。検体を含む試料は毛管現象によりキャピラリーチャンネル20内に吸い込まれて試薬72を溶解する。吸い込まれた試料が凹部38及び64に達すると、チャンネルの寸法が大きくなるため、毛管現象の効果は大幅に減少する。上述の例ように、例えば電気滴定法によりヒトの血液内のグルコースを測定する目的で試薬72を調整した場合、試薬72が試料中に溶けるとともに検体は酸化され、媒体の酸化体の数は減少する。検体と試薬72の反応を完結させる。ここで、反応の完結とは、検体、酵素及び媒体(酸化体)を含む反応において、作用電極表面での媒体還元体の酸化により生じた拡散限界電流と検体の濃度とを相関させるのに十分な反応が行われたことを示す。
【0034】反応が完結すると、動力源(バッテリーなど)により導電体70及び71に電位差(ポテンシャル)を与える。このとき、対電極での媒体の酸化体の量及び電位差は、作用電極表面での媒体還元体の電子移動(拡散限界電流)による酸化を起こすのに十分な値でなくてはならない。メータ12は、作用電極表面での媒体還元体の酸化により生じた拡散限界電流を測定する。測定された電流は、以下の2つの条件が満たされているとき、試料中の検体の濃度と精確な相関関係を有する1.媒体還元体の酸化される速度が、作業電極表面における媒体還元体の拡散速度によって制御されている場合。
【0035】2.発生する電流が、作業電極表面における媒体還元体の酸化により制限されている場合。
【0036】再び、電気滴定法について述べる。本発明のバイオセンサ10及びメータ12を用いれば、電流、電荷、インピーダンス、コンダクタンス、コンダクタンス、ポテンシャル、その他試料の電気化学的性質を精確に測定することができ、またそれらの測定値は試料中の検体の濃度に相関している。
【0037】検体の濃度を決定し終わると、メータ12のボタンを押してモータ98を駆動し上部キャビティ88のバイオセンサ10を回転させて、新たなキャピラリーチャンネル20をメータ12の開口部124近辺に移動させる。このようにして、バイオセンサ10をセットし直し、次の実験を行うことができる。バイオセンサ10をメータ12内で回転させることにより、キャピラリーチャンネル20の数に基づいた所定回数の実験を行うことができるようになっている。全てのキャピラリーチャンネル20が開口部124に開放されると、メータ12はバイオセンサ10が使用され尽くし、交換が必要であることを報知できるようになっている。
【0038】バイオセンサ10を作製するには、まずNovarex(登録商標)などのポリカーボネートから頂部14及び底部18を射出形成する。次に、通常の知識を有する当業者に明らかな方法で、導電体71及び70を頂部14及び底部18にスパッタリングにより接合する。試薬72を外部フランジ30上の導電体70の上に配置する。さらに、スペーサ16をフィルムから所望の形状にパンチアウトし、これを導電体70の外部フランジ30と離れた部分上に配置する。頂部14をスペーサ16上に、孔52、66及び46が互いにほぼ一列になるようにして配置する。頂部14、スペーサ16及び底部18をコネクタピン68で一体に固定する。
【0039】シェル74、蓋82、パーティション86及びドア110を射出形成することによりメータ12を作製する。メータ12は、BASF株式会社(ルートヴィヒスハッフェン、ドイツ)から市販されているメチルメタクリラート/アクリルニトリル/ブタジエン/スチレンポリマー(MABS)からなるのが好ましい。図9Aに示すように、バイオセンサ駆動システム94をシェル74の凹部128に配置し、パーティション86をバイオセンサ駆動システム94上にスナップ嵌めする。駆動ホイール100は上部キャビティ88内に配置される。さらに、蓋82をシェル74の側壁78にスナップ嵌めし、ドア110を凹部128のタブ150の間にスナップ嵌めする。電子部品をメータ12のカバー80の下に設置する。通常の知識を有する当業者であれば、電子部品は様々な方法で作製することができる。
【0040】図11及び図12は、本発明により提供される別のバイオセンサ210を示す。バイオセンサ210は頂部214、底部218及びこれらを隔離するスペーサ216からなる。底部218及び頂部214はそれぞれ一連の隔置されたトラック270及び271を有する。図11に示すように、各トラック270は底部218の一つの外部フランジ30と内部フランジ34との間に延伸している。同様に、図12において、各トラック271は頂部214の一つの外部フランジ56と内部フランジ60との間に延伸している。さらに、底部218には、外部側面24の隆起部40から内部表面26まで貫通した6つの孔246が形成されている。頂部214にもまた、6つの孔252が形成されており、バイオセンサ210を組み立てたとき、孔252と孔246がほぼ一列になるように配置されている。スペーサ216は、孔246及び252とほぼ一列になるよう配置された6つの孔266を有する以外は、スペーサ16と同様に形成されている。本発明では、孔246、252及び266の数は6つより多くとも少なくともよい。
【0041】上述のバイオセンサ10と同じ方法で、バイオセンサ210をメータ12内に設置する。使用時には、液体試料(図示していない)をキャピラリーチャンネル20の外部フランジ30及び56の間に配置する。検体を含んだ試料は毛管現象によりキャピラリーチャンネル20内に吸引されて試薬72を溶解する。動力源によりトラック270及び271の間に電位差が与えられており、上述のバイオセンサ10同様に、検体と試薬72の反応が起こる。メータ12によりトラック270及び271間の拡散限界電流を測定する。上述のとおり、測定された電流は試料中の検体の濃度と精確な相関関係を有する。
【0042】バイオセンサ210は、底部218の内部側面26及び頂部214の内部側面50それぞれの導電材料をストリップ状に除去することによりトラック270及び271を形成する以外、バイオセンサ10と同様の方法で作製される。導電材料の除去は機械加工により行う。また本発明では、トラック270及び271を選択的スパッタリング工程により形成することができることが、通常の知識を有する当業者に明らかである。頂部214、スペーサ216及び底部218をコネクタピン68で取り付ける。
【0043】図13及び図14は、本発明により提供されるさらに別のバイオセンサ310を示す。バイオセンサ310は、バイオセンサ10及びバイオセンサ210と同様の方法で、メータ12に取り付けられる。バイオセンサ310は頂部リング214及び底部318を有する。頂部214及び底部318はともに、複数個の隔離された片持ち梁状キャピラリーチャンネル320を形成する。
【0044】図14において、バイオセンサ310の底部318は、頂部214に面した内部側面326を有する。内部側面326は複数個の隔置された支持部316を有し、支持部316はキャピラリーチャンネル320を形成する。各支持部316は外部エッジ28と内部エッジ32の間に延伸しており、並列された各外部フランジ30及び内部フランジ34の間に配置される。支持部316は、底部318の内部側面326での電気化学反応が頂部214の内部側面50での電気化学反応を誘発しないように、内部側面326と内部側面50を隔離する。本発明では、支持部316の高さは様々な値にすることができ、また頂部214及び底部318のそれぞれには、6つ(又はそれより多くとも少なくともよい)の孔252及び366が形成されていてもよい。
【0045】各キャピラリーチャンネル320には、支持部316の壁面350に沿って導電体324が配置されている。バイオセンサ10の導電体70と同様に、導電体324はバイオセンサ310の1つの電極となる。導電体324は、外部フランジ30の外部エッジにおいて、キャピラリーチャンネル320内に延伸したベース328と外周部330とを有し、外部フランジ30と内部フランジ34が通電するようになっている。
【0046】バイオセンサ10と同様の方法で、バイオセンサ310をメータ12に取り付ける。使用時には、液体試料(図示していない)を外部フランジ30及び56間のキャピラリーチャンネル220に配置する。試料は、毛管現象によりキャピラリーチャンネル220内に吸引されて試薬72を溶解する。動力源により導電体324及び271の間に電位差が与えられており、上述のバイオセンサ10同様に、検体と試薬72の反応が起こる。メータ12により導電体324及び271間の拡散限界電流を測定する。上述のとおり、測定された電流は試料中の検体の濃度と精確な相関関係を有する。
【0047】バイオセンサ310は、支持部316と底部プレート318とを一体に成形する以外、バイオセンサ10と同様の方法で作製される。支持部316及びキャピラリーチャンネル320に導電体を塗布した後、図13に示すように、支持部316を面取りして、キャピラリーチャンネル320の導電体と支持部316上部表面の導電体との間にギャップができるようにする。次に、孔252及び366が一列になるようにして頂部214を底部318の上部表面上に配置する。コネクタピン68を孔252及び366内に通して頂部214及び底部318を取り付ける。
【0048】以上、好ましい実施例に基づいて本発明を詳細に説明したが、特許請求の範囲により定義した本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正を加えることができるであろう。
【出願人】 【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成13年6月15日(2001.6.15)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2002−71619(P2002−71619A)
【公開日】 平成14年3月12日(2002.3.12)
【出願番号】 特願2001−182551(P2001−182551)