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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】青木 均史

【氏名】久保田 順一

【氏名】茂木 淳一

【氏名】柿沼 裕貴

【氏名】松岡 雅也

【要約】 【課題】吸気した空気を棚ダクトと天井ダクトに分流させる際に発生する圧力損失を押える。

【解決手段】クロスフローファン75を当該クロスフローファン75より小さな棚ダクトに対応した棚ファン部76,78と天井ダクトに対応した天井ファン部77とに分ける。そして、棚ファン部76,78のブレード46を回転軸に対して傾斜させる。例えば、右側の棚ファン部76,78におけるブレード46は右下がりに傾斜し、左側の棚ファン部76,78におけるブレード46は左下がりに傾斜させる。これにより、当該クロスフローファン75から吹出される空気の風量分布を調整して圧力損失の発生を抑制する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のブレードが回転軸を取囲むようにして形成されたクロスフローファンから吹出された空気を複数のダクトに分流させて庫内に送風する送風装置を備える冷蔵庫において、前記クロスフローファンを当該クロスフローファンより小さな2以上の区画に分割し、かつ、当該分割の少なくとも1の前記ブレードが回転軸に対して所定のスキュー角度をなすように形成したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】 前記クロスフローファンが3つの区画で構成され、中央に位置する区画のブレードが回転軸に対して平行に形成され、右側の区画の前記ブレードが右下がりになるように前記回転軸に対してスキュー角度を持ち、左側の区画のブレードが左下がりになるように前記回転軸に対してスキュー角度を持つように形成したことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】 複数のブレードが回転軸を取囲むようにして形成されたクロスフローファンから吹出された空気を複数のダクトに分流させて庫内に送風する送風装置を備える冷蔵庫において、前記クロスフローファンの前記回転軸に当該回転軸と連動して回転するプロペラファンを固着して、該プロペラファンの回転で前記クロスフローファン内を横切る空気に該クロスフローファン内を平行に流動する成分を付与したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項4】 前記クロスフローファンが3の区画に分割して構成され、中央に位置する区画の両端部に前記プロペラファンが設けられ、かつ、右側の前記プロペラファンは前記クロスフローファン内の空気を右側に流動させる成分を付与し、左側の前記プロペラファンは前記クロスフローファン内の空気を左側に流動させる成分を付与するようにしたことを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫。
【請求項5】 前記クロスフローファンが少なくとも3の区画により形成されているときには、中央に位置する区画の長さを左右に位置する区画の長さより短くしたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の冷蔵庫。
【請求項6】 複数のブレードが回転軸を取囲むようにして形成されたクロスフローファンにより空気を吸気して、当該空気を複数のダクトに分流させて庫内に送風する送風装置を備えた冷蔵庫において、前記クロスフローファンの一端に、該クロスフローファンと共に回転する遠心ファンを設け、該遠心ファンに遠心ファン吹出口が設けられた遠心ファンケースを挿着して遠心送風機を形成したことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項7】 前記遠心ファンが、中央に位置するクロスフローファン内を流動する空気の一部を当該遠心ファン側に吸引するようにしたことを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
【請求項8】 前記遠心ファン吹出口と前記クロスフローファンからの空気流出方向とを異なる方向に形成したことを特徴とする請求項6又は7記載の冷蔵庫。
【請求項9】 冷媒と冷蔵庫の庫内空気とを熱交換させて、当該庫内空気を冷却する蒸発器を備えた冷凍回路と、前記庫内空気を前記蒸発器を介して循環させる請求項1乃至8いずれか1項記載の送風装置とを備え、前記庫内空気を前記吸気ダクトを介して吸気して前記蒸発器で冷却させ、当該冷却された空気を分流して前記吹出ダクトを介して庫内に吹出すことを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気した空気を複数のダクトに分岐して送風する際の送風効率等を高めた送風装置及びそれを用いた冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、冷蔵庫(冷凍冷蔵庫を含む)等においては、空気を吸気してそれを複数の箇所から送風させる送風装置が設けられている。
【0003】図6はこのような送風装置を備えた冷蔵庫の斜視図であり、図7はその断面構造を示す図である。当該冷蔵庫の内部は冷蔵室側仕切壁15や冷凍室側仕切壁16により区画されて冷蔵室4、冷凍室5、野菜室6等が形成され、また冷蔵室4には棚19が複数設けられて、種々の食品が収納できるようになっている。
【0004】また、冷蔵庫は冷媒を圧縮する圧縮機22、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器、冷媒圧力を減圧する減圧装置、冷媒を蒸発させて冷熱を発生させる蒸発器25,26等からなる冷媒回路を有している。
【0005】近年、このような冷蔵庫は、冷蔵室4や野菜室6に冷気を供給するための冷蔵室側蒸発器25と冷凍室5やアイスルーム7に冷気を供給するための冷凍室側蒸発器26とにより構成される場合があり、図7等はかかる場合を示している。
【0006】このように蒸発器が2つ設けられる場合には、冷蔵室側蒸発器25が内設された冷蔵室側送風機139と、冷凍室側蒸発器26が内設された冷凍室側送風装置40とが設けられている。
【0007】冷蔵室4における吹出口は、開口部側天井に設けられて当該冷蔵室4の扉が開けられた際に冷気のエアーカーテンを形成する天井吹出口29、各棚19に対応して設けられて冷蔵室4の後部側(扉に対向する背面側の壁)に設けられた棚吹出口30等により構成されている。
【0008】野菜室6には、かかる吹出口は設けられておらず、冷蔵室側仕切壁15に設けられた冷蔵室側連通孔17から冷蔵室4の空気が野菜室6に流入することにより冷気が供給されるようになっている。
【0009】そして、当該野菜室6の空気は、野菜室吸気口32から冷蔵室側送風機139に吸気されて、冷蔵室4及び野菜室6の空気が循環するようになっている。
【0010】一方、冷凍室5、アイスルーム7、セレクトルーム8にはそれぞれ冷凍室側吹出口31が設けられると共に、アイスルーム7やセレクトルーム8と冷凍室5とを仕切る冷凍室側仕切壁16に設けられた冷凍室側連通孔18を介して、当該アイスルーム7やセレクトルーム8の空気が冷凍室5に流入し、当該冷凍室5に設けられた冷凍室吸気口33から冷凍室側送風装置40に吸気される。
【0011】このような構成で、圧縮機22で圧縮された冷媒は凝縮器で放熱して凝縮し、減圧装置で減圧されて冷蔵室側蒸発器25及び冷凍室側蒸発器26に供給される。
【0012】そして、ここで冷蔵室側送風機139及び冷凍室側送風装置40により循環する空気と熱交換して蒸発して圧縮機に戻り、空気は冷却される。
【0013】冷却された空気は冷蔵室側送風機139により冷蔵室4に吹出され、また冷凍室側送風装置40により冷凍室5やアイスルーム7等に吹出される。
【0014】図8は冷蔵室側送風機139の概略構成を示す分解斜視図で、空気を流動させるクロスフローファン43及び当該空気の流路を形成するダクトにより構成されている。
【0015】ダクトは、天井吹出口29に連通する天井ダクト35、棚吹出口30に連通する棚ダクト36、野菜室6からの空気が冷蔵室側蒸発器25に戻るようにする吸気ダクト37により形成され、当該吸気ダクト37内に冷蔵室側蒸発器25が通路を塞ぐ形で設けられている。なお、クロスフローファン43は冷蔵室側蒸発器25の風下側に設けられている。
【0016】このような構成で、クロスフローファン43が回転すると、野菜室6の空気が野菜室吸気口32を介して吸気ダクト37に流入し、当該吸気ダクト37に内設された冷蔵室側蒸発器25を通過する。
【0017】そして、クロスフローファン43を横切り、ファンケース41内で天井ダクト35と棚ダクト36とに分流してそれぞれの吹出口から吹出される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロスフローファン43は長手方向に対して風量分布を有するため、天井ダクト35と棚ダクト36とに効率的分流を行うことが困難である問題があった。
【0019】このことを図9を参照して説明する。図9はクロスフローファン43の風量分布を模式的に示した図である。同図から解るようにクロスフローファン43は、その中央部分での風量が多く、左右端部で少なくる山形の風量分布を示す。
【0020】このため中央部分に対向して設けられている天井ダクト35に分流する空気が多くなり、棚ダクト36に分流する空気が少なくなる傾向が生じる。
【0021】そこで、天井ダクト側流入口55の開口面積を小さくし、棚ダクト側流入口56の開口面積を大きくすることが考えられる。
【0022】しかし、このような構成では天井ダクト側流入口55の周辺に吹き当る空気量が多くなり、当該吹き当りによる圧力損失が大きくなってしまう問題が生じる。
【0023】そこで、本発明は、このような圧力損失の増大を招くことなく棚ダクトや天井ダクトに所望量の空気を分流させることができるようにした送風装置及びそれを用いた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、複数のブレードが回転軸を取囲むようにして形成されたクロスフローファンから吹出された空気を複数のダクトに分流させて庫内に送風する送風装置を備える冷蔵庫において、クロスフローファンを当該クロスフローファンより小さな2以上の区画に分割し、かつ、当該分割の少なくとも1のブレードが回転軸に対して所定のスキュー角度をなすように形成して、大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0025】請求項2にかかる発明は、クロスフローファンが3つの区画で構成され、中央に位置する区画のブレードが回転軸に対して平行に形成され、右側の区画のブレードが右下がりになるように回転軸に対してスキュー角度を持ち、左側の区画のブレードが左下がりになるように回転軸に対してスキュー角度を持つように形成して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0026】請求項3にかかる発明は、複数のブレードが回転軸を取囲むようにして形成されたクロスフローファンから吹出された空気を複数のダクトに分流させて庫内に送風する送風装置を備える冷蔵庫において、クロスフローファンの回転軸に当該回転軸と連動して回転するプロペラファンを固着して、該プロペラファンの回転でクロスフローファン内を横切る空気に該クロスフローファン内を平行に流動する成分を付与して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0027】請求項4にかかる発明は、クロスフローファンが3の区画に分割して構成され、中央に位置する区画の両端部にプロペラファンが設けられ、かつ、右側のプロペラファンはクロスフローファン内の空気を右側に流動させる成分を付与し、左側のプロペラファンはクロスフローファン内の空気を左側に流動させる成分を付与して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0028】請求項5にかかる発明は、クロスフローファンが少なくとも3の区画により形成されているときには、中央に位置する区画の長さを左右に位置する区画の長さより短くして、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0029】請求項6にかかる発明は、複数のブレードが回転軸を取囲むようにして形成されたクロスフローファンにより空気を吸気して、当該空気を複数のダクトに分流させて庫内に送風する送風装置を備えた冷蔵庫において、クロスフローファンの一端に、該クロスフローファンと共に回転する遠心ファンを設け、該遠心ファンに遠心ファン吹出口が設けられた遠心ファンケースを挿着して遠心送風機を形成して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0030】請求項7にかかる発明は、遠心ファンが、中央に位置するクロスフローファン内を流動する空気の一部を当該遠心ファン側に吸引するようにして、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0031】請求項8にかかる発明は、遠心ファン吹出口とクロスフローファンからの空気流出方向とを異なる方向に形成して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させるようにしたことを特徴とする。
【0032】請求項9にかかる発明は、冷媒と冷蔵庫の庫内空気とを熱交換させて、当該庫内空気を冷却する蒸発器を備えた冷凍回路と、庫内空気を蒸発器を介して循環させる請求項1乃至8いずれか1項記載の送風装置とを備え、庫内空気を吸気ダクトを介して吸気して蒸発器で冷却させ、当該冷却された空気を分流して吹出ダクトを介して庫内に吹出すことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図を参照して説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0034】なお、以下の説明では送風装置を冷蔵庫に用いた場合について説明するが、本発明は係る適用対象により限定を受けるものではなく、吸気した空気を分流させて吹出す用途のある機器に広く適用できることは言うまでもない。
【0035】冷蔵庫の概略構成は図6及び図7に示したと略同じ構成で、その筐体は鉄等の磁性金属からなる外箱1とABS等の合成樹脂からなる内箱2とが発泡ポリウレタン等の発砲断熱材3を介して一体に形成されている。
【0036】そして、内部空間には冷蔵室側仕切壁15及び冷凍室側仕切壁16が設けられて冷蔵室4、野菜室6、セレクトルーム8、アイスルーム7、冷凍室5等が形成されている。また、冷蔵室4には棚19が複数設けられている。
【0037】冷蔵室4の下端部には、氷を作るための水が貯留される給水タンク10が設けられ、またアイスルーム7には製氷装置11及び貯氷箱12が設けらている。
【0038】冷蔵室4は、冷凍しない温度での保存を目的とした食品が収納されるもので、当該冷蔵室4の下部に内氷温室13が設けられている。
【0039】野菜室6は果物や野菜等を保存するために用いられ、アイスルーム7は氷を貯氷したりアイスクリームを保存したりするために用いられる。また、冷凍室5は冷凍保存する食品の収納に用いられる。
【0040】セレクトルーム8は、例えば約3℃に設定されて冷蔵室、約1℃に設定されてチルド室、約−1℃に設定されて内氷温室、約−3℃に設定されてパーシャル室、約−7℃に設定されてやわらか冷凍室、約−18℃に設定されて冷凍室として切換えて利用されるものである。
【0041】当該冷蔵庫には図2に示すような冷凍回路が設けられ、冷媒を圧縮する圧縮機22、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器23、冷媒を減圧させる減圧装置24、冷媒を蒸発させて冷熱を発生する冷蔵室側蒸発器25及び冷凍室側蒸発器26等を有している。
【0042】なお、冷蔵室側蒸発器25は冷蔵室側送風装置39に内設され、また冷凍室側蒸発器26は冷凍室側送風装置40に内設されている。
【0043】この冷蔵室側蒸発器25と冷凍室側蒸発器26とは同時に運転されるとは限らず、どちらか一方が運転される場合には、その方の蒸発器に冷媒が循環するように3方弁27が制御され、同時運転する場合には両方の蒸発器に冷媒が循環するように制御される。
【0044】圧縮機22は、冷蔵庫の底部下側に配設され、また冷蔵室側蒸発器25は冷蔵室4の上部背面側に、冷凍室側蒸発器26は冷凍室5やアイスルーム7の背面側に設けられている。
【0045】冷凍室側送風装置40及び冷蔵室側送風装置39は、空気の流路を形成するダクト、該空気を流動させる送風機を備えて、冷凍室側送風装置40の送風機にはプロペラファン44が用いられ、冷蔵室側送風装置39の送風機にはクロスフローファン75が用いられている。
【0046】なお、後述するように、これらの送風装置は従来と略同じ構造であるが、クロスフローファン75の構造が異なっている。
【0047】また、冷蔵室4には開口部側天井に設けられて当該冷蔵室4の扉が開けられた際に冷気のエアーカーテンを形成する天井吹出口29、各棚19に対応して冷蔵室4の後部側(扉に対向する外面の壁)に棚吹出口30が設けられている。
【0048】図1(b)は、クロスフローファン75の概略構造を示す図であり、図1(a)はその風量分布を模式的に示した図である。
【0049】一般に、クロスフローファン75は、複数のブレード46を回転軸48の回りに円筒状に配設され、かつ、個々のブレード46は回転軸48に対して平行に配設された構造を有している。
【0050】このとき、クロスフローファン75が長いとブレード46に撓み等が発生する恐れがあるので、当該ブレード46を保持する目的等のために途中に保持部材47が設けられている。
【0051】このような構成に対して、本発明ではクロスフローファン75を天井ダクト35に対応する天井ファン部77、棚ダクト36に対応する棚ファン部76,78により構成し、かつ、棚ファン部76,78のブレード46を回転軸48に対して傾斜(スキュー角度を持つ)するようにしている。
【0052】このとき、図1(b)において右側の棚ファン部78におけるブレード46は右下がりに傾斜し(右下がりのスキュー角度を持つ)、左側の棚ファン部76におけるブレード46は左下がりに傾斜(左下がりのスキュー角度を持つ)している。
【0053】これにより、棚ファン部76,78から吹出される空気の吹出方向が外側(天井ファン部77から離れる方向)に向き、図1(a)に示すように天井ファン部77から吹出される風量は小さく鋭いピークで、棚ファン部76,78から吹出される風量は略均一な風量分布となる。
【0054】なお、図1(a)においては、比較のため図9に示す従来構成の風量分布を点線で示している。
【0055】このような構成にすることにより、例えば天井ダクト側流入口55の開口面積を小さくし棚ダクト側流入口56を大きくしても、天井ファン部77及び棚ファン部76,78の長さを天井ダクト側流入口55や棚ダクト側流入口56に合わせることが可能になる。
【0056】従って、風量が大きい(即ち、流速が大きい)天井ファン部77からの空気は殆どファンケース41に吹き当ることなく天井ダクト側流入口55から天井ダクト35に流入するようになり大きな圧力損失の発生が防止できるようになる。
【0057】このような構成で、圧縮機22で圧縮された冷媒は凝縮器23により放熱されて凝縮し、減圧装置24で減圧される。その後冷媒は、冷蔵室側蒸発器25及び冷凍室側蒸発器26に供給されて、ここで庫内空気と熱交換して蒸発し圧縮機22に戻る。庫内空気は冷媒と熱交換して冷媒に蒸発熱を与えるために冷却される。
【0058】冷凍室側蒸発器26で冷却された空気は、冷凍室5、アイスルーム7、セレクトルーム8等に設けられた冷凍室側吹出口31からこれらの部屋に吹出され、アイスルーム7、セレクトルーム8の空気は冷凍室側仕切壁16に設けられた冷凍室側連通孔18を介して冷凍室5に流入する。
【0059】そして冷凍室5の空気は、冷凍室吸気口33から冷凍室側送風装置40に流入する循環路を流動する。
【0060】一方、冷蔵室側蒸発器25で冷却された空気は、上述したように分流されて天井ダクト35と棚ダクト36とに分流する。
【0061】天井ダクト35を流動する空気は、天井吹出口29から庫内に吹出されてエアーカーテンを形成し、また棚ダクト36を流動する空気は棚吹出口30から庫内に吹出される。これによって、扉が開閉された場合でも外気が庫内に入りにくくなって保冷効果が高まると共に、冷蔵室4内が均一に冷却されるようになる。
【0062】冷蔵室4に吹出された空気は、冷蔵室側仕切壁15に設けられた冷蔵室側連通孔17を経て野菜室6に流入し、野菜室吸気口32から冷蔵室側送風装置39に戻る。
【0063】なお、野菜室6の天井部分には邪魔板20が設けられおり、当該冷蔵室側連通孔17を介して流入する空気が野菜室6に収納されている野菜等に直接吹当り、当該野菜等の乾燥や凍結を防止するようになっている。
【0064】以上説明したように、クロスフローファンから吹出される風量分布を調整できるようにしたので、送風装置での圧力損失が低減できて経済性が向上すると共に、このような送風装置を冷蔵室側送風装置として冷蔵庫に用いた場合には当該冷蔵庫の消費電力の低減が可能になって経済性が増す。
【0065】次に、本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0066】先の実施の形態では、棚ファン部におけるブレードを回転軸に対して傾斜するようにし、天井ファン部等の長さを調整することにより、風量がシャープなピークを持つ分布として圧力損失が発生しないようにした。
【0067】これに対して、本実施の形態にかかる発明では、天井ファン部等の長さは従来と同様であるが、内部にプロペラファンを設けて風量分布を調整するようにしたものである。
【0068】図3(a)は、このようなクロスフローファン70の概略構造を示す分解斜視図であり、図3(b)は当該クロスフローファン70による風量分布を示す模式図である。
【0069】クロスフローファン70は、天井ダクト35に対応する天井ファン部72、棚ダクト36に対応する棚ファン部71,73により構成されて、天井ファン部72の両側に棚ファン部71,73が設けられたサンドイッチ構造となっている。
【0070】そして、天井ファン部72と棚ファン部71,73との接続部(保持部材47が設けられている所)にプロペラファン74が設けられて、これらが同時に回転するようになっている。
【0071】但し、図3において右側の天井ファン部72と棚ファン部73との間に設けられたプロペラファン74における羽根の傾斜方向は、左側の天井ファン部72と棚ファン部71との間に設けられたプロペラファン74における羽根の傾斜方向と逆向きになっている。
【0072】このような構成でクロスフローファン70が回転すると、吸気された空気は当該クロスフローファン70を横切り吹出される。
【0073】このとき、プロペラファン74がクロスフローファン70内を横切る空気を吸引するようになり、天井ファン部72から吐出される空気量が少なく、棚ファン部71,73から吐出される空気量が増大するようになる。
【0074】図3(b)はこのような方法により、風量分布が均一になるようにした場合を示している。
【0075】無論、このように均一風量にせず、例えば端部側の棚ファン部71,73から吹出される風量が中央部分の天井ファン部72から吹出される風量より多くすることも可能であり、このような場合にはプロペラファン74の傾斜角を大きくすることにより対応できる。
【0076】これにより、風速の大きな空気がファンケース41に吹き当る量を減少させることが可能になり圧力損失の発生を抑制することができるようになる。
【0077】なお、図3に示すように、上記説明ではプロペラファン74をクロスフローファン70に内設した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該プロペラファン74の外形をクロスフローファン70より大きくしても同様の効果を得ることが可能である。
【0078】また、当該プロペラファン74は、保持部材47の所に設けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の場所に設けることができる。この場合には、プロペラファン74により挟まれる部分が天井ファン部72として作用し、その両端側が棚ファン部71,73として作用する。
【0079】さらに、上記説明では、天井ファン部72及び棚ファン部71,73のブレード46は共に回転軸48に対して平行に延設されている場合について説明したが、第1の実施の形態において説明したように棚ファン部71,73のブレード46を回転軸48に対して傾斜させるようにしても良い。
【0080】この場合には、第1の実施例において説明した効果に加えて本実施の形態の効果も共に得られて風量分布の設定がより効果的に行えるようになる。
【0081】以上により、送風装置での圧力損失が低減できて経済性が向上すると共に、このような送風装置を冷蔵室側送風装置として冷蔵庫に用いた場合でも当該冷蔵庫の消費電力を低減できて経済性が増す。
【0082】次に、本発明の第3の実施の形態を図を参照して説明する。なお、上述した実施の形態と同一構成に関しては同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0083】これまで説明した実施の形態では、ブレード46の回転軸48に対する角度を変えたり、内部にプロペラファン74を設けることにより風量分布を調整して圧力損失を抑制するようにした。この場合、棚ファン部及び天井ファン部は基本的にクロスフローファンとして作用していた。
【0084】これに対して本実施の形態では、棚ファン部に遠心ファンケースを設けて遠心送風機として作用するようにしたものである。
【0085】図4(a)はこのようなクロスフローファン80における遠心ファンケース83を取外した際の説明図であり、図4(b)はクロスフローファン80の分解図で、図4(c)はこの空気の流れを示した図である。また、図5はこのようなクロスフローファン80を用いた場合の冷蔵室側送風装置39の概略構成を示す部分破断図である。
【0086】図5に示す冷蔵室側送風装置39はクロスフローファン80がファンケース41に内設され、当該ファンケース41に吸気ダクト37及び天井ダクト35が接続されている。
【0087】そして、先に述べたように棚ファン部82にファン吹出口84が設けられた遠心ファンケース83を挿着するようになっている。なお、この遠心ファンケース83に棚ダクト36が接続されている。
【0088】ファン吹出口84は、下方に向って(吸気ダクト37の延設方向)形成され、そこに当該棚ダクト36が接続されている。従って、吸気ダクト37と棚ダクト36は略並設された状態になっている。
【0089】遠心送風機における空気の流れは、その回転軸方向から空気が吸気され、ブレードを横切って当該回転軸に対して直角方向に吐出される。
【0090】そして、当該吐出方向は遠心ファンケース83により規制されているのでファン吹出口84からのみ吐出されるようになる。
【0091】棚ファン部82に吸引される空気は、天井ファン部81が吸気した空気であるので、当該天井ファン部81から吐出される空気量はその分少なくなる。
【0092】従って、棚ダクト36及び天井ダクト35に流入する空気量の調整が容易に行え、また天井ファン部81の長さが調整可能になるので、理想的な分流が行えるようになって圧力損失の発生を抑制することが可能になる。
【0093】特に、棚ファン部82から吐出される空気の吐出方向は、ファン吹出口84の形成位置により設定されるため、棚ダクト36が吸気ダクト37と並設されている場合でも圧力損失の発生を低減できる。
【0094】即ち、例えば図8に示すような構成の場合にはクロスフローファン43からの空気の吹出方向が一様であるため、棚ダクト36に流入した空気は当該棚ダクト36の壁に吹き当り方向を変える必要が生じ、その際に圧力損失が発生してしまう。
【0095】しかし、上記構成では、かかる空気の流れを曲げる必要がないので、その分圧力損失の発生をさらに少なくすることが可能になる。
【0096】また、吸気ダクト37と棚ダクト36とが並設できるので、冷蔵室側送風装置39の厚みを薄くすることができて、冷蔵室の収納スペースを広くすることが可能になる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発明によれば、クロスフローファンを当該クロスフローファンより小さな2以上の区画に分割し、かつ、当該分割の少なくとも1のブレードが回転軸に対して所定のスキュー角度をなすように形成したので、大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0098】請求項2にかかる発明によれば、クロスフローファンが3つの区画で構成され、中央に位置する区画のブレードが回転軸に対して平行に形成され、右側の区画のブレードが右下がりになるように回転軸に対してスキュー角度を持ち、左側の区画のブレードが左下がりになるように回転軸に対してスキュー角度を持つように形成したので、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整し、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0099】請求項3にかかる発明によれば、クロスフローファンの回転軸に当該回転軸と連動して回転するプロペラファンを固着して、該プロペラファンの回転でクロスフローファン内を横切る空気に該クロスフローファン内を平行に流動する成分を付与して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整したので、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0100】請求項4にかかる発明によれば、クロスフローファンが3の区画に分割して構成され、中央に位置する区画の両端部にプロペラファンが設けられ、かつ、右側のプロペラファンはクロスフローファン内の空気を右側に流動させる成分を付与し、左側のプロペラファンはクロスフローファン内の空気を左側に流動させる成分を付与して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整したので、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0101】請求項5にかかる発明によれば、クロスフローファンが少なくとも3の区画により形成されているときには、中央に位置する区画の長さを左右に位置する区画の長さより短くして、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整したので、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0102】請求項6にかかる発明によれば、クロスフローファンの一端に、該クロスフローファンと共に回転する遠心ファンを設け、該遠心ファンに遠心ファン吹出口が設けられた遠心ファンケースを挿着して遠心送風機を形成して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整したので、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0103】請求項7にかかる発明によれば、遠心ファンが、中央に位置するクロスフローファン内を流動する空気の一部を当該遠心ファン側に吸引するようにして、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整したので、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0104】請求項8にかかる発明によれば、遠心ファン吹出口とクロスフローファンからの空気流出方向とを異なる方向に形成して、当該クロスフローファンから吹出される空気の風量分布を調整したので、これにより大きな圧力損失の発生を抑制しながら複数のダクトに所望量の空気を分流させることができるようになる。
【0105】請求項9にかかる発明によれば、冷媒と庫内空気とを熱交換させて、当該空気を冷却する蒸発器を備え、該蒸発器が吸気ダクト内に配設したので電力消費等の低減が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【代理人】 【識別番号】100083231
【弁理士】
【氏名又は名称】紋田 誠 (外1名)
【公開番号】 特開2002−168552(P2002−168552A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−364943(P2000−364943)