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【発明の名称】 処理装置の電極用冷却装置
【発明者】 【氏名】廣岡 隆明

【氏名】古屋 正男

【要約】 【課題】処理装置の電極を冷却するための冷媒を冷凍回路で直接的に温調することなく,省エネルギ化を図ることの可能な,処理装置の電極用冷却装置を提供する。

【解決手段】冷却装置110は,熱交換器138により温調された一次冷媒CW1を電極内を循環させて電極を温調する一次冷媒循環回路と,熱交換器に二次冷媒CW2を供給して一次冷媒を温調する二次冷媒循環回路と,第1熱交換器141が二次冷媒循環回路に介装されて,三次冷媒により二次冷媒を温調する冷凍回路140とを備える。一次冷媒を冷凍回路で温調することなく,二次冷媒で温調している。一次冷媒を二次冷媒の温度よりも高温設定する場合には,二次冷媒のみで一次冷媒の温調を行うことができる。一次冷媒を二次冷媒の温度よりも低温設定する場合にのみ,冷凍回路により二次冷媒を温調するので,省エネルギ化を図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理装置の電極用冷却装置において,熱交換器とポンプとから成り,前記熱交換器により温調された一次冷媒を前記電極内を循環させて電極を温調する一次冷媒循環回路と,前記熱交換器に二次冷媒を供給して前記一次冷媒を温調する二次冷媒循環回路と,圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とから成り,三次冷媒が循環する冷凍回路であって,前記蒸発器が前記二次冷媒循環回路に介装されて,前記三次冷媒により前記二次冷媒を温調する冷凍回路と,を備えたことを特徴とする,処理装置の電極用冷却装置。
【請求項2】 前記一次冷媒循環回路の前記電極の上流側温度を検出する第1温度検出器と,前記第1温度検出器による温度検出値に応じて前記二次冷媒循環回路の駆動制御を行う第1制御系を備えたことを特徴とする,請求項1に記載の処理装置の電極用冷却装置。
【請求項3】 前記二次冷媒循環回路の前記蒸発器の下流側温度を検出する第2温度検出器と,前記第2温度検出器による温度検出値に応じて前記冷凍回路の駆動制御を行う第2制御系を備えたことを特徴とする,請求項1または2に記載の処理装置の電極用冷却装置。
【請求項4】 前記一次冷媒循環回路には,前記電極への前記一次冷媒の流入を許可する第1チェック弁と,前記電極からの前記一次冷媒の流出を許可する第2チェック弁と,前記第1チェック弁の下流側に接続されて前記一時冷媒循環回路をパージガス径路に連通させることが可能なパージ弁を備えたことを特徴とする,請求項1,2または3のいずれかに記載の処理装置の電極用冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,処理装置の電極用冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,半導体装置やLCD基板などの製造工程においては,プラズマエッチング装置などの各種処理装置が使用されている。例えば,プラズマエッチング装置は,真空処理室内において所定の処理ガスをプラズマ化し,載置台上に載置された半導体ウェハやガラス基板などの被処理体に対してエッチング処理を施すものである。そして,処理にあたっては,プラズマによる被処理体の温度上昇を抑えたり,あるいは,エッチングのアスペクト比を高めたり,エッチング形状を整えたりするために,被処理体を所定温度に維持している。
【0003】被処理体の温度管理は,一般に,載置台に設けられた冷却機構により行われている。かかる冷却機構は,冷媒(例えば,ガルデン:商品名)を載置台内に巡らされた冷媒循環路に送り込み,その冷媒が熱を吸収することにより被処理体を冷却する構成を採用している。そして,冷凍回路により温調された冷媒タンク内の冷媒はポンプにより冷媒循環路に送り込まれ,冷媒循環路から戻された冷媒は冷凍回路により温調され冷媒タンクに送り込まれる。そして,冷媒タンク内あるいは冷媒タンクから冷媒循環路に送り込まれる冷媒の温度を監視して,その温度が所定温度になるように温度制御を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで,処理装置の電極を冷却するための冷媒を冷凍回路で温調する場合,冷凍回路は温度制御にリンクして稼働し,温度設定を変えない限り負荷の有無にかかわらず稼働を続けることになる。
【0005】また,被処理体の温度は,処理工程に応じて,低温設定(例えば,−10℃から+60℃の範囲に設定)することや,高温設定(例えば,+30℃から+100℃の範囲に設定)することが行われる。例えば,低温設定後に高温設定する場合などのように冷媒が過冷却されている場合,冷凍回路で冷却された冷媒をさらにヒータで再熱して温調することが起こりうる。かかる場合,冷凍回路とヒータの電力が二重に消費されることになり,省エネルギ化の妨げとなっていた。
【0006】本発明は,従来の処理装置の電極用冷却装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,処理装置の電極を冷却するための冷媒(例えば,ガルデン:商品名)を冷凍回路で直接的に温調することなく,省エネルギ化を図ることの可能な,新規かつ改良された処理装置の電極用冷却装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため,本発明によれば,請求項1に記載のように,処理装置の電極用冷却装置において,熱交換器とポンプとから成り,熱交換器により温調された一次冷媒を電極内を循環させて電極を温調する一次冷媒循環回路と,熱交換器に二次冷媒を供給して一次冷媒を温調する二次冷媒循環回路と,圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とから成り,三次冷媒が循環する冷凍回路であって,蒸発器が二次冷媒循環回路に介装されて,三次冷媒により二次冷媒を温調する冷凍回路とを備えたことを特徴とする処理装置の電極用冷却装置が提供される。
【0008】かかる構成によれば,処理装置の電極を冷却するための一次冷媒(例えば,ガルデン:商品名)を冷凍回路で温調することなく,二次冷媒(例えば,冷却水)で温調している。このため,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも高温設定する場合には,二次冷媒のみで一次冷媒の温調を行うことができる。そして,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも低温設定する場合にのみ,冷凍回路により二次冷媒を温調するようにしている。このため,冷凍回路を常時稼働させ,さらにヒータで温調を行う従来技術に比べて格段の省エネルギ化を図ることが可能である。また,季節等の環境の変化によっても制御可能温度の範囲が変わることがない。
【0009】また,請求項2に記載のように,一次冷媒循環回路の電極の上流側温度を検出する第1温度検出器と,第1温度検出器による温度検出値に応じて二次冷媒循環回路の駆動制御を行う第1制御系を備えることが好ましい。目標温調温度に追従するようにフィードバックをかけながら一次冷媒あるいは二次冷媒の熱量あるいは流量制御を行うことができるので,被処理体の温度管理をより厳密に行うことができる。
【0010】同様に,請求項3に記載のように,二次冷媒循環回路の蒸発器の下流側温度を検出する第2温度検出器と,第2温度検出器による温度検出値に応じて冷凍回路の駆動制御を行う第2制御系を備えることが好ましい。目標温調温度に追従するようにフィードバックをかけながら二次冷媒あるいは三次冷媒の熱量あるいは流量制御を行うことができるので,被処理体の温度管理をより厳密に行うことができる。
【0011】また,請求項4に記載のように,一次冷媒循環回路には,電極への一次冷媒の流入を許可する第1チェック弁と,電極からの一次冷媒の流出を許可する第2チェック弁と,第1チェック弁の下流側に接続されて一時冷媒循環回路をパージガス径路に連通させることが可能なパージ弁を備えることが好ましい。一次冷媒のオーバロード時には,一次冷媒循環回路をパージガス経路に連通させることにより,一次冷媒の流量を容易に制御することができる。また,一次冷媒循環回路内の一次冷媒をパージガスで除去することにより,電極のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0012】以上のように,本発明は,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも高温設定する場合に特に有効である。すなわち,例えば,電極の目標温調温度が30℃〜100℃である場合には,二次冷媒のみで一次冷媒の温調を行うことができ,冷凍回路を稼働する必要がないため,省エネルギ化を図ることが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる処理装置の電極用冷却装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】(1)プラズマエッチング装置100の構成まず,処理装置の一例としてプラズマエッチング装置100を,図1を参照しながら概説する。気密な処理容器102内に形成された処理室104内には,半導体ウェハ(以下,単にウェハという。)Wを載置可能な下部電極106が配置されている。下部電極106には,下部電極106を介してウェハWを冷却して所定温度に維持するための冷媒循環路108が内装されている。冷却循環路108には冷却装置110が接続されている。冷却装置110は,温調された一次冷媒(例えば,ガルデン:商品名)CW1を冷媒循環路108内に供給するとともに,冷媒循環路108内を循環した一次冷媒CW1を回収して再び温調する。なお,冷却装置110の構成および一次冷媒CW1の温度制御については,後述する。
【0015】また,処理室104内には,下部電極106の載置面に対向して,上部電極112が配置されている。かかる構成により,高周波電源114から出力された高周波電力を整合器116を介して下部電極106に印加すると,処理ガス供給源G118から流量調整バルブMFC120と上部電極112に形成された多数のガス吐出孔112aとを介して処理室104内に導入された処理ガスがプラズマ化する。かかるプラズマにより,下部電極106上で所定温度に維持されたウェハWにエッチング処理が施される。処理室104内のガスは,排気系122から排気される。
【0016】(2)冷却装置110の構成次いで,プラズマエッチング装置100の下部電極106用冷却装置(以下,単に冷却装置という。)110の構成について説明する。冷却装置110は,下部電極106を温調する一次冷媒の循環回路と,一次冷媒を温調する二次冷媒の循環回路と,二次冷媒を温調する冷凍回路(三次冷媒の循環回路)の3つの回路部に大別される。
【0017】まず,一次冷媒の循環回路について説明する。冷媒タンク124内には,温調された一次冷媒(例えば,ガルデン:商品名)CW1が蓄えられている。冷媒タンク124内には,一次冷媒CW1を温調するためのヒータ126が設けられている。冷媒タンク124内の一次冷媒CW1はポンプ130により加圧され,冷媒供給管132を介して下部電極106内の冷媒循環路108に送り出される。冷媒供給管132には,冷媒タンク124により温調された一次冷媒CW1の温度を検出する第1温度検出器Th1と,冷却装置110から下部電極106への一次冷媒の流入を許可する第1チェック弁133が介装されている。
【0018】また,冷媒供給管132を流れる一次冷媒CW1の流量をモニタし,その値をポンプ130にフィードバックしてポンプ130をインバータ制御することによって,常に一定の一次冷媒CW1を冷媒供給路108に供給することができる。また,管接合部からの一次冷媒CW1の漏れ等によって,一次冷媒CW1の流量が低下した場合に,アラームを発するように構成することもできる。さらに,ポンプ130として,冷媒タンク124内にインペラ部を埋設させる浸漬型渦巻ポンプを用いれば,駆動部(モータ)のシールを不要として,信頼性を向上させることができる。
【0019】第1温度検出器Th1は,冷媒タンク124により温調された一次冷媒CW1の温度を検出する。第1温度検知器Th1で検出された温度検出値は,図示しない第1制御系に伝達される。第1制御系は,第1温度検出器Th1による温度検出値に応じて,一次冷媒CW1の温調を行うための二次冷媒循環回路の駆動制御を行う。このように,目標温調温度に追従するようにフィードバックをかけながら一次冷媒あるいは二次冷媒の熱量あるいは流量制御を行うことができるので,被処理体の温度管理をより厳密に行うことができる。
【0020】冷媒循環路108を循環した一次冷媒CW1は,冷媒排出管136を介して冷却装置110に戻される。冷媒排出管136には,下部電極106から冷却装置110への一次冷媒CW1の流入を許可する第2チェック弁137が介装されている。冷却装置110に戻された一次冷媒CW1は,熱交換器138で二次冷媒(例えば,冷却水)CW2と熱交換を行った後,再び冷媒タンク124内に蓄えられる。
【0021】また,冷却装置110とプラズマエッチング装置100とを接続する冷媒供給路132または冷媒排出管136の少なくとも一部には,導電性テフロン(登録商標)ホースが用いられることが好ましい。すなわち,ガルデンやフロリナート(商品名)などのパーフロロカーボン流体を案内するためのホース(管)としては,従来より,絶縁性テフロンホース,ゴムホース,ステンレスホースなどが用いられるが,絶縁性テフロンホースでは,テフロンとパーフロロカーボン流体との摩擦により静電気が生じ,ホースにピンホールを形成してしまうという問題がある。また,ゴムホースを使用した場合には,パーフロロカーボン流体によって,可塑剤がホースより析出し,ホースが硬化して,ホース抜けを生じるという問題があり,他方,ステンレスホースは,管摩擦係数が大きいという問題があった。そこで,本実施の形態では,ステンレスチューブにカーボンを含むテフロンを内設した導電性テフロンホース(例えば,東葛工業株式会社製型式:R276)を用い,パーフロロカーボン流体との摩擦による帯電を防止し,ホースにピンホールが形成される問題を解消している。このように,冷媒供給管132及び冷媒排出管136は,断熱係数に優れるテフロンによって,高断熱,かつフレキシブルに形成されている。
【0022】冷媒タンク124の上流側には,熱交換器138で二次冷媒CW2と熱交換を行った後の一次冷媒CW1の温度を検出する第2温度検出器Th2が介装されている。このように,目標温調温度に追従するようにフィードバックをかけながら一次冷媒あるいは二次冷媒の熱量あるいは流量制御を行うことができるので,被処理体の温度管理をより厳密に行うことができる。
【0023】また,第1チェック弁133の下流側には,冷媒供給管132をパージガス経路に連通させることが可能なパージ弁135が介装されている。パージガスとしてはエアやNガスが用いられる。冷媒供給管132をパージガス経路に連通させることにより,エアおよびNガスによるパージが行われる。かかる構成によれば,一次冷媒CW1のオーバロード時には,冷媒供給管132をパージガス経路に連通させることにより,一次冷媒CW1の流量を容易に制御することができる。また,冷媒供給管132,冷媒循環路108,冷媒排出管136内の一次冷媒CW1を一時的に除去することにより,下部電極106のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0024】図2は,下部電極106のメンテナンス時における,下部電極106の取り外し・取り付け作業の流れ図である。まず,パージ弁135を開放し,冷媒供給管132をパージガスに連通させる。(ステップS1)。そして,冷媒供給管132,冷媒排出管136,冷媒循環路108から一次冷媒CW1の大部分が除去されたかを判断し(ステップS2),大部分が排除された場合には,その後タイマによる一定時間のパージを実行する(ステップS3)。これにより,冷媒供給管132,冷媒排出管136,冷媒循環路108から一次冷媒CW1を完全に除去することができる。
【0025】一次冷媒循環経路から一次冷媒CW1が完全に除去されると,冷媒供給管132をパージガスへの連通を止める(ステップS4)。そしてその後,下部電極106を処理室104から取り外す(ステップS5)。下部電極106に所定のメンテナンス(あるいは交換)を行った(ステップS6)後,下部電極106を再び取り付ける(ステップS7)。このようにして,下部電極106のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0026】本実施の形態は,熱交換器138に二次冷媒CW2を供給して一次冷媒CW1を温調する二次冷媒循環回路を備えた点を特徴の一つとしている。以下に,一次冷媒CW1を温調する二次冷媒の循環回路について説明する。
【0027】二次冷媒(例えば,冷却水)CW2は,調整弁139により流量が制御されている。二次冷媒循環回路には,調整弁139の下流に,熱交換器138と,後述の冷凍回路140内の第1熱交換器(蒸発器)141が介装されている。二次冷媒CW2は,熱交換器138で一次冷媒CW1と熱交換を行った後,さらに,第1熱交換器141で三次冷媒と熱交換を行う。また,第1熱交換器141の下流側には,第1熱交換器141で三次冷媒CW3と熱交換を行った後の二次冷媒CW2の温度を検出する第3温度検出器Th3が介装されている。
【0028】熱交換器138では,二次冷媒CW2により一次冷媒CW1を温調する。すなわち,冷凍回路140で冷却された所定流量の二次冷媒CW2を二次冷媒循環回路内で循環させることにより,熱交換器138の通過時に一次冷媒CW1の熱が二次冷媒CW2に吸収されて,一次冷媒CW1が所定温度に温調される。一次冷媒CW1の温度は,二次冷媒循環回路に介装された調整弁139により二次冷媒CW2の循環量を調整すれば適宜変更可能であり,二次冷媒CW2の流量を増やせば一次冷媒CW1の温度が下がり,逆に二次冷媒CW2の流量を減らせば一次冷媒CW1の温度が上がる。
【0029】第3温度検出器Th3は,第1熱交換器141により温調された直後の二次冷媒CW2の温度を検出する。第3温度検出器Th3で検出された温度検出値は,図示しない第2制御系に伝達される。第2制御系は,第3温度検出器Th3による温度検出値に応じて冷凍回路140の駆動制御を行う。このように,目標温調温度に追従するようにフィードバックをかけながら二次冷媒CW2あるいは三次冷媒CW3の熱量あるいは流量制御を行うことができるので,被処理体の温度管理をより厳密に行うことができる。
【0030】次いで,二次冷媒CW2を温調する冷凍回路(三次冷媒循環回路)140について説明する。冷凍回路140は,二次冷媒CW2を温調するための第1熱交換器(蒸発器)141と,第2熱交換器(凝縮器)142と,第1および第2熱交換器141,142を通って第1および第2熱交換器141,142間で熱の受け渡しを行う三次冷媒(例えば,フロン)CW3を循環させる熱交換路144から構成されている。また,熱交換路144には,ポンプ(圧縮機)148と,開閉バルブ(膨張弁)150が介装されている。
【0031】また,ポンプ148の下流側に温度センサを設け,三次冷媒CW3の温度をモニタすることによって,第2熱交換器142の汚れや冷媒の漏れや過冷却を発見することができる。また三次冷媒としては,HFC−407CなどのGWP(Global Warming Potential)値の低い冷媒を用いることが好ましい。
【0032】かかる構成の冷凍回路140では,第1熱交換器141が二次冷媒循環回路に介装されて,三次冷媒CW3により二次冷媒CW2を温調する。すなわち,第2熱交換器142内で冷却された所定流量の三次冷媒CW3を熱交換路144内で循環させることにより,第1熱交換器141内の通過時に二次冷媒CW2の熱が三次冷媒CW3に吸収されて,二次冷媒CW2が所定温度に温調される。二次冷媒CW2の温度は,ポンプ148の揚水量を調整すれば適宜変更可能であり,三次冷媒CW3の流量を増やせば二次冷媒CW2の温度が下がり,逆に三次冷媒CW3の流量を減らせば二次冷媒CW2の温度が上がる。
【0033】図3は,以上説明した低温設定時,高温設定時における調整可能温度,一次冷媒CW1,二次冷媒CW2,冷凍回路140の作用をまとめたものである。
【0034】以上説明した本実施の形態によれば,下部電極106を冷却するための一次冷媒CW1を冷凍回路で直接的に温調することなく,二次冷媒CW2で温調している。このため,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも高温設定する場合,例えば,下部電極106の目標温調温度を30℃〜100℃にする場合には,二次冷媒のみで一次冷媒の温調を行うことができる。そして,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも低温設定する場合にのみ,冷凍回路140により二次冷媒を温調するようにしている。このため,必要時にのみ冷凍回路140を稼働すればよいため,省エネルギ化を図ることが可能である。また,季節等の環境の変化によっても制御可能温度の範囲が変わることがない。
【0035】また,温度検出器Th1〜Th3による温度検出値に応じて冷媒の熱量あるいは流量制御を行うようにしたので,ウェハWの温度管理をより厳密に行うことができる。
【0036】また,一次冷媒循環回路に,第1チェック弁133,第2チェック弁137,パージ弁135を備えたので,一次冷媒循環回路内の一次冷媒CW1の循環量を容易に制御でき,一次冷媒CW1のオーバロード時の制御や,下部電極106のメンテナンスなどを容易に行うことができる。
【0037】以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる処理装置の電極用冷却装置の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0038】例えば,上記実施の形態において,電極(下部電極106)の温度を基準にして一次冷媒の温度制御を行う構成を例に挙げて説明したが,本発明はかかる構成に限定されない。例えば,被処理体(ウェハW)の温度を基準にして一次冷媒の温度制御を行うようにしてもよい。
【0039】また,上記実施の形態では,調整可能温度範囲が−10℃〜+100℃の冷却装置を示したが,調整可能温度範囲が異なる冷却装置を複数配置するように構成してもよい。この際には,図4(A),(B)に示すように,冷却装置に供給する用力(電力及び冷却水)を処理室の数に応じて設定するのが好ましい。すなわち,1つの処理室(図示せず)を有する装置であれば,図4(A)に示すように,用力を1系統準備し,用力供給部160を介して,下段の(低温用)冷却装置110−1から上段の(高温用)冷却装置110−2へ用力を供給するようにする。また,2つの処理室(図示せず)を有する装置の場合には,図4(B)に示すように,下段の冷却装置110−1,上段の冷却装置110−2にそれぞれ対応する用力を2系統準備するようにすれば,処理室毎にメンテナンスを行うことができ,至便である。さらに,図4(A),(B)に示すように,冷却装置を上下段に配置することによって,配置スペースを小さくすることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,処理装置の電極を冷却するための一次冷媒(例えば,ガルデン:商品名)を冷凍回路で温調することなく,二次冷媒(例えば,冷却水)のみで温調している。このため,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも高温設定する場合には,二次冷媒のみで一次冷媒の温調を行うことができる。そして,一次冷媒を二次冷媒の温度よりも低温設定する場合にのみ,冷凍回路により二次冷媒を温調するようにしている。このため,冷凍回路を常時稼働させ,さらにヒータで温調を行う従来技術に比べて格段の省エネルギ化を図ることが可能である。また,季節等の環境の変化によっても制御可能温度の範囲が変わることがない。
【出願人】 【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
【出願日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【代理人】 【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明 (外2名)
【公開番号】 特開2002−168551(P2002−168551A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−364339(P2000−364339)