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【発明の名称】 横型冷蔵庫
【発明者】 【氏名】小池 泰英

【氏名】石原 寿伸

【氏名】陶山 富夫

【氏名】山本 剛一

【要約】 【課題】冷蔵室および収納室の冷却効率を向上すると共に、冷却能力が低下するのを抑制する。

【解決手段】横型冷蔵庫10は、下側に配置される冷蔵庫本体部11と、上側に配置されるショーケース12とから構成される。冷蔵庫本体部11の断熱箱体16の上面に配置されるショーケース12は、外箱37と、この外箱37の内部に所要の空間を存して設けられた内箱38と、両箱37,38間に充填した断熱材39とから構成され、その上部にのみ開口部12aが設けられる。この開口部12aは、複数のスライド扉45により開閉される。内箱38の底面部および後面部における断熱材側の外面には、冷凍機構に接続する冷却パイプ47が接触する状態で蛇行状に配設され、冷凍機構から供給される冷媒の循環により内箱38の全体を冷却するよう構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断熱箱体(16)に内部画成した冷蔵室(17)を、冷凍機構(24)の冷却器(27)により冷却すると共に、前記断熱箱体(16)の上面にショーケース(12)が配置された横型冷蔵庫において、前記ショーケース(12)は、外箱(37)と、この外箱(37)の内部に所要の空間を存して設けられた内箱(38)と、両箱(37,38)間に充填した断熱材(39)とから構成されると共に、その上部にのみ開口部(12a)が設けられ、前記冷凍機構(24)に接続する冷却パイプ(47)が前記内箱(38)の断熱材(39)側の外面に接触するよう配設され、該冷却パイプ(47)を介してショーケース(12)に内部画成した収納室(40)を冷却するよう構成したことを特徴とする横型冷蔵庫。
【請求項2】 前記ショーケース(12)の開口部(12a)には、該開口部(12a)を開閉する扉(45)が着脱可能に配設されている請求項1記載のショーケース付き冷蔵庫。
【請求項3】 前記冷却器(27)による冷蔵室(17)の冷却を継続したまま、前記冷却パイプ(47)による収納室(40)の冷却を停止させる停止手段(64)を備える請求項1または2記載のショーケース付き冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、断熱箱体の上面にショーケースを設置した横型冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲食店等の厨房で使用される横型冷蔵庫の上面に、寿司ネタや野菜等の食材を保冷するショーケースを設置したものとして、例えば特開平11−294925号公報に記載のものが存在する。この公報に記載の横型冷蔵庫は、該冷蔵庫の本体をなす断熱箱体の内部に冷蔵室が画成され、圧縮機や凝縮器と共に冷凍機構を構成する冷却器により冷却された冷気を、冷蔵室内に庫内ファンによって送り込むことで、該冷蔵室を冷却するよう構成されている。また、断熱箱体の上面に配置される断熱構造のショーケースの底部には、断熱箱体の天井部に開設された開口部に対応する位置に開口部が設けられ、冷蔵室内の冷気を両開口部を介してショーケース内に画成した収納室に導入することにより、該収納室を冷却するようになっている。なおショーケースには、上部から前部に亘って取出口が形成されると共に、該取出口はスライド扉によって開閉されるよう構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した横型冷蔵庫では、予め下ごしらえされた多数の食材等をショーケースの収納室に収納しておき、調理時には収納室から取出してショーケースより手前側の断熱箱体上面で調理等を行なっている。この場合において、冷蔵庫の冷却方式が、前記冷蔵室および収納室に冷気を庫内ファンを用いて強制的に対流させる方式であるため、収納室に収納されている食材等は冷気の流れによって乾燥し、鮮度が低下し易くなる難点が指摘される。なお、冷蔵室から導入される冷気により冷却される伝熱パネルをショーケースに配設し、該伝熱パネルにより冷却された冷気の自然対流によって、収納室を冷却する方式が提案されている。この自然対流方式の冷却では、収納室内の食材等の乾燥は抑制されるが、該ショーケースに開設される取出口には伝熱パネルを配設できないため、該パネルによる冷却面積は少なく、冷却効率が低い問題がある。
【0004】また、前記冷蔵室と収納室とは開口部で連通しているため、両室を冷却する1基の冷却器には、両室内の空気中の水分が該冷却器に霜として付着することになる。しかも、スライド扉の開閉が多いショーケースの収納室からは水分を含んだ暖かい空気が多量に室内に流入するため、冷却器には短時間で多量の霜が付着し、該冷却器での冷却不足を来たして冷却能力が低下する問題を招く。更に、ショーケースの取出口は上部から前部に亘って形成されているため、スライド扉を開放した際には底部近傍の冷気が流出すると共に、暖かい空気が収納室および冷蔵室に流入し、両室の温度が上昇し易い難点も指摘される。
【0005】前記横型冷蔵庫では、断熱箱体からショーケースを取外して冷蔵部のみ(断熱箱体側のみ)を使用し得るように、該断熱箱体の天井部に開設された開口部を蓋で閉じる構成になっている。しかし、蓋で閉じた開口部の部分での断熱性能は低く、断熱箱体の上部に開口部を設けない製品に比べ、冷却能力が低下する問題がある。また開口部を蓋で開じた部分は、断熱箱体の上部に開口部を設けない製品に比べて強度が弱く、箱体上面のたわみ、蓋およびその周辺の沈み込み等が発生し易く、断熱箱体上での調理作業に不具合を来たすおそれがある。
【0006】前記ショーケースでの食材等の保冷は、一般的に店舗営業時間内であり、営業時間外には使用されない。しかし、従来の横型冷蔵庫では、ショーケースを使用しない場合であっても、冷蔵室の冷気が断熱箱体の開口部から収納室に流出するため、冷蔵室側の冷却効率が低下し、これに伴って圧縮機負荷が大きくなり、消費電力も大きくなってランニングコストが嵩む難点が指摘される。なお、前述したように開口部を蓋で閉じることが可能な構造では、冷蔵室から収納室への冷気の流出をある程度は防ぐことができる。しかし、蓋と断熱箱体との隙間からの冷気の流出を完全に抑えることは困難であり、また蓋を断熱構造としたとしても、その断熱材の厚みは断熱箱体の断熱材の厚みよりは薄く、従って収納室側への熱交換が生じ、圧縮機負荷の大増によってランニングコストが嵩むのを抑制することはできなかった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、前述した欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、冷蔵室および収納室の冷却効率を向上すると共に、冷却能力が低下するのを抑制し得、併せてショーケースを使用しない場合の冷蔵室側の冷却効率の低下を防止し得る横型冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明は、断熱箱体に内部画成した冷蔵室を、冷凍機構の冷却器により冷却すると共に、前記断熱箱体の上面にショーケースが配置された横型冷蔵庫において、前記ショーケースは、外箱と、この外箱の内部に所要の空間を存して設けられた内箱と、両箱間に充填した断熱材とから構成されると共に、その上部にのみ開口部が設けられ、前記冷凍機構に接続する冷却パイプが前記内箱の断熱材側の外面に接触するよう配設され、該冷却パイプを介してショーケースに内部画成した収納室を冷却するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る横型冷蔵庫につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。図1〜図3は、実施例に係る横型冷蔵庫10を示すものであって、該冷蔵庫10は、下側に配置される冷蔵庫本体部11と、上側に配置されるショーケース12とから基本的に構成される。
【0010】前記冷蔵庫本体部11では、図3に示す如く、外箱13と、この外箱13の内部に所要の空間を存して設けられた内箱14と、両箱13,14間に充填したウレタン等の断熱材15とから断熱箱体16が構成され、該箱体16内に食品や飲料品等の冷蔵品を収納する冷蔵室17が画成される。この断熱箱体16の前部には、前方に開放する取出口として用いられる矩形状の開口部16aが形成され、該開口部16aは断熱扉18によって開閉されるようになっている。また、断熱箱体16における外箱13の上面に天板19が配設され、該天板19上が調理台として使用可能に構成される。
【0011】前記断熱箱体16における天板19が張出す長手方向の一側部(図3の左側部)には、該天板19の張出し部の下方に、複数のパネル20,21およびベース22を介して機械室23が画成され、この機械室23に冷凍機構24(後述)が収納されるようになっている。また機械室23の上部を画成する天板19には、その下面から機械室23の中間位置程度の高さまで垂下する冷却器用収納部25が配設される。この冷却器用収納部25の内部には、前記冷蔵室17と連通する冷却器室26が画成され、該冷却器室26に、冷凍機構24の冷却器27および庫内ファン28が収納されており、該冷却器27に冷媒を循環供給することにより冷却された冷気を、庫内ファン28の運転によって冷蔵室17に強制的に対流させることで該冷蔵室17を冷却するよう構成してある。
【0012】前記断熱箱体16の機械室23と対向する左側壁には、冷却器室26と対応する位置に冷気吹出口29が開設され、冷却器室26で冷却された冷気は、庫内ファン28の運転により冷気吹出口29を介して冷蔵室17に吹出されるようになっている。また断熱箱体16の左側壁には、冷気吹出口29の下方に冷気吸込み用ダクト30が配設され、該ダクト30を介して冷蔵室17の空気が冷却器室26に吸込まれるよう構成される。なお、冷気吹出口29には、冷気を冷蔵室17の上部側へ案内する冷気案内板31が配設されている。また前記冷却器27に近接して、冷蔵室17の温度を検知するための第1温度センサ32が配設され、該センサ32の検知温度に基づいて、後述する冷蔵室用電磁弁54が開閉制御されるよう設定してある。
【0013】前記機械室23に収納されて前側からの出し入れが可能に構成されたベース板33に、冷凍機構24を構成する凝縮器34、凝縮器用ファン35(図4参照)、圧縮機36等の部品が、前面側からこの順で取付けられている。なお、機械室23を画成するフロントパネル20に外部空気の吸込口20aが多数開設されると共に、サイドパネル21に内部空気の吹出口(図示せず)が多数開設され、凝縮器用ファン35の運転により外部から吸込んだ空気によって凝縮器34を空冷するよう構成される。
【0014】前記断熱箱体16の上面における後部側に配置されるショーケース12は、図1に示す如く、外箱37と、この外箱37の内部に所要の空間を存して設けられた内箱38と、両箱37,38間に充填したウレタン等の断熱材39とから構成され、その上部にのみ取出口として機能する開口部12aが設けられている。すなわち、外箱37および内箱38は、何れも底面部、前面部、後面部および両側面部から上方に開放する箱状に形成され、外箱37の内部に収納された内箱38の上部開口が開口部12aになると共に、該内箱38内に食材等を収納する収納室40が画成されるようになっている。また内箱38の底面部は、後端から前端に向けて下方傾斜するよう設定されると共に、寿司ネタ等の食材が入ったトレー等の容器41が、スノコ42を介して前方傾斜した状態で載置されるよう構成される。
【0015】前記外箱37と内箱38との前後の上端部間にレール部材43,44が長手方向(図3の左右方向)の全長に亘って配設され、両レール部材43,44間には、ガラスや樹脂等の透明な材料で断面略コ字状に形成された複数のスライド扉(扉)45の夫々が、着脱可能でかつ長手方向にスライド可能に配設されている。図1に示す如く、前レール部材43に対して後レール部材44は所定寸法だけ高くなるよう位置決めされ、両レール部材43,44間に載置されるスライド扉45は、その平坦面が前方傾斜するよう設定される。これにより、前記収納室40に収納されている食材等は、該スライド扉45を介して横型冷蔵庫10の前側から容易に視認し得るようになっている。なお、図2において符号46は、外箱37の長手方向両端部に配設されるサイドカバーを示す。
【0016】図1に示す如く、前記内箱38の底面部および後面部における断熱材側の外面には、前記冷凍機構24に接続する冷却パイプ47が接触する状態で蛇行状に配設され、冷凍機構24から供給される冷媒の循環により内箱38の全体を冷却するよう構成される。すなわち、前記収納室40は、内箱38により冷却された冷気の自然対流により冷却されるようになっている。なお内箱38は、熱伝導性の良好な材料で形成され、収納室40の効率的な冷却を行ない得るよう構成してある。
【0017】前記内箱38の外面には、収納室40の温度を検知するための第2温度センサ48が配設され、該センサ48の検知温度に基づいて、後述する収納室用電磁弁56が開閉制御されるよう設定してある。この場合、内箱38自体は前述したように、熱伝導性の良好な材料で形成されているが、第2温度センサ48は収納室40内の温度を直接検知するものではないので、収納室40の室内温度と第2温度センサ48での検知温度とに差異を生ずるため、この温度差を電子制御で補正することが推奨される。なお、第2温度センサ48を収納室40の内部に配設し、室内温度を直接検知して収納室用電磁弁56の開閉制御を行なうようにすることも可能である。
【0018】図4は、実施例に係る横型冷蔵庫10における冷凍機構24の概略構成を示すものであって、該冷凍機構24では、圧縮機36の冷媒吐出側から導出した吐出管49が凝縮器34の冷媒入口側に接続され、圧縮機36で圧縮された高圧・高温の気化冷媒を凝縮器34に供給して凝縮するよう構成してある。この凝縮器34の冷媒出口側から導出した冷媒管50は、ドライヤ51およびストレーナ52を介して第1チーズ53の第1接続口53aに接続されている。この第1チーズ53の第2接続口53bに、冷蔵室用電磁弁54を介して第1キャピラリーチューブ55が接続され、該第1キャピラリーチューブ55は前記冷却器27の冷媒入口側に接続される。また第1チーズ53の第3接続口53cに、収納室用電磁弁(切換え手段)56を介して第2キャピラリーチューブ57が接続され、該第2キャピラリーチューブ57は前記冷却パイプ47の冷媒入口側に接続される。すなわち、凝縮器34で凝縮された液化冷媒の一部が第1キャピラリーチューブ55を介して冷却器27に分岐供給され、該冷却器27において第1キャピラリーチューブ55を経て減圧された液化冷媒が膨張気化することで熱交換がなされ、該冷却器27により冷却された冷気によって冷蔵室17を冷却するようになっている。また凝縮器34で凝縮された液化冷媒の一部が第2キャピラリーチューブ57を介して冷却パイプ47にも分岐供給され、該冷却パイプ47において第2キャピラリーチューブ57を経て減圧された液化冷媒が膨張気化することで熱交換がなされ、該冷却パイプ47により冷却される内箱38を介して収納室40を冷却するよう構成してある。
【0019】前記圧縮機36の冷媒吸入側に吸入管58が接続されており、該吸入管58に、冷却器27の冷媒出口側から導出した第1帰還管59および冷却パイプ47の冷媒出口側から導出した第2帰還管60が第2チーズ61を介して接続され、冷却器27および冷却パイプ47で熱交換して温度上昇した気化冷媒は、対応する第1帰還管59と第2帰還管60および吸入管58を介して圧縮機36に帰還するよう構成される。そして、圧縮機36に帰還した冷媒は、高圧・高温に圧縮した後に再循環に供される。
【0020】前記冷凍機構24では、図4に示すように、第1キャピラリーチューブ55の一部を、前記第1帰還管59と並列に沿うようハンダ等で接続した第1熱交換部62を設け、該交換部62において第1キャピラリーチューブ55を流通する液化冷媒と、冷却器27から導出する第1帰還管59を流通する気化冷媒とを熱交換して、該液化冷媒を過冷却するよう構成している。また、第2キャピラリーチューブ57の一部を、前記第2帰還管60と並列に沿うようハンダ等で接続した第2熱交換部63を設け、該交換部63において第2キャピラリーチューブ57を流通する液化冷媒と、冷却パイプ47から導出する第2帰還管60を流通する気化冷媒とを熱交換して、該液化冷媒を過冷却するよう構成している。
【0021】前記ショーケース12の前面には、図2および図3に示す如く、前記収納室用電磁弁56と電源とを遮断して、前記冷却パイプ47による収納室40の冷却を停止するための停止手段としての電源スイッチ64が配設されている。すなわち、電源スイッチ64をON状態とすることで、収納室用電磁弁56と電源とを継ぎ、この状態では該電磁弁56は前記第2温度センサ48の検知温度に基づいて開閉制御されるよう設定される。また電源スイッチ64をOFF状態に切換えることで、収納室用電磁弁56と電源とが遮断され、この状態では該電磁弁56は冷却パイプ47に冷媒が供給されるのを停止する閉状態に維持されるよう設定される。なお、電源スイッチ64がOFF状態となっても、前記冷却器27による冷蔵室17の冷却は継続されるようになっている。図2および図3において符号65は、電源スイッチ64のON状態を表示する運転ランプを示す。
【0022】
【実施例の作用】次に、実施例に係る横型冷蔵庫の作用につき、以下説明する。なお、前記電源スイッチ64はON状態となっており、前記ショーケース12の収納室40は冷却可能となっている。
【0023】前記横型冷蔵庫10の冷凍機構24では、前記圧縮機36で圧縮された気化冷媒は、吐出管49を経て凝縮器34で空冷されて凝縮し、この液化冷媒は前記冷媒管50が接続する第1チーズ53を介して第1キャピラリーチューブ55および第2キャピラリーチューブ57に分岐供給される。そして、第1キャピラリーチューブ55を流通する液化冷媒は、前記第1熱交換部62において前記冷却器27の第1帰還管59を流通する気化冷媒との間で熱交換して過冷却された後に、冷却器27中で一挙に膨張して蒸発することにより、該冷却器27に接触する冷却器室26内の空気と熱交換して冷却する。
【0024】前記冷却器27により冷却された冷気は、前記庫内ファン28の運転により冷気吹出口29から冷蔵室17に向けて吹出され、この冷気が冷蔵室17を循環することにより該冷蔵室17が冷却される(図3参照)。そして、冷蔵室17で熱交換した冷気は、冷気吸込み用ダクト30を介して冷却器室26に吸込まれ、再び冷却器27との間で熱交換されて冷却された後に再び冷蔵室17に吹出される。すなわち、横型冷蔵庫10における冷蔵庫本体部11では、前記冷蔵室17は冷気の強制対流方式により効率的に冷却される。
【0025】また、前記第2キャピラリーチューブ57を流通する液化冷媒は、前記第2熱交換部63において前記冷却パイプ47の第2帰還管60との間で熱交換して過冷却された後に、冷却パイプ47中で一挙に膨張して蒸発することにより、前記内箱38と熱交換を行なって冷却させている。内箱38は熱伝導性の良好な材料で形成されているから、該内箱38の底面部、前面部、後面部および両側面部が効率的に冷却され、前記収納室40内において内箱38に接触する空気が冷却され、この冷気が自然対流することで収納室40が冷却される。すなわち、ショーケース12においては、収納室40は冷気の自然対流方向により冷却されているから、該収納室40に収納されている食材等が冷気の流れによって乾燥するおそれはない。
【0026】前記第1帰還管59、第2帰還管60および吸入管58を介して圧縮機36に帰還した冷媒は、高圧・高温に圧縮した後に再循環に供される。このような冷凍運転では、前記第1温度センサ32による冷蔵室17の検知温度に基づいて、前記冷蔵室用電磁弁54が開閉制御されることで、前記冷却器27への冷媒の供給と停止とが反復され、冷蔵室17は予め設定された温度に維持される。またショーケース12においても同様に、前記第2温度センサ48による収納室40の検知温度に基づいて、前記収納室用電磁弁56が開閉制御されることで、前記冷却パイプ47への冷媒の供給と停止とが反復され、収納室40は予め設定された温度に維持される。
【0027】前記食材等を収納室40に対して出し入れする前記開口部12aは、前述したように、前記ショーケース12の上部にのみ開設されているから、前記スライド扉45をスライドして開口部12aを開放しても、収納室40内で冷却された重い冷気は、上部の開口部12aを介して室外に殆ど流出しない。また冷気が室外に流出しないから、室外の湿った軽い暖気も開口部12aを介して室内に殆ど流入しなくなる結果として、収納室40の温度変化は殆どなく、食材の劣化を抑制して鮮度を維持することができる。しかも、ショーケース12は、その内箱38の底面部、前面部、後面部および両側面部の全てが断熱材39で覆われており、かつ冷却パイプ47が接触する内箱38を熱伝導性の良好な材料で形成しているから、断熱性能が良好で、内箱38の全体を均一かつ効率的に冷却し、これによって収納室40内で温度ムラが生ずるのを抑制し得る。
【0028】ここで、例えば回転寿司店では、ショーケース12のスライド扉45を開閉す頻度が高く、特に繁盛時には開口部12aを開け放した状態で使用する場合が多い。実施例のショーケース12は、スライド扉45を取外すことができるよう構成してあるから、繁盛時等には予めスライド扉45を取外しておくことで、いちいちスライド扉45をスライドさせる手間を省くことができる。また開口部12aを全開しておけば、冷蔵庫本体部11からショーケース12へ食材等を入れ換えるときの作業性も向上する。しかも、開口部12aは上部にのみあるので、開口部12aを全開しても冷気の損失を最小限に抑えることができ、食材等の鮮度を維持し得る。
【0029】また、ショーケース12と冷蔵庫本体部11の断熱箱体16とは連通していないから、断熱箱体16の冷蔵室17を冷却する前記冷却器27には、ショーケース12における収納室40内の空気および開口部12aを開放することで侵入する暖気が接触することはなく、短時間で多くの霜が付いて冷凍能力が低下するのは抑制される。更に、冷蔵庫本体部11からショーケース12を分離して該本体部11を単独で使用する場合において、断熱箱体16の天井部には冷気用の開口部は形成されていないから、該天井部の断熱性能の低下や強度低下を生ずることはない。すなわち、冷蔵庫本体部11における冷蔵室17の冷却能力が低下したり、前記天板19上での調理に際してたわみや沈み込み等が発生することはなく、調理を支障なく行ない得る。
【0030】次に、営業時間の終了後、前記ショーケース12における収納室40の食材等を前記冷蔵室17に移し換え、該ショーケース12を使用しない場合は、前記電源スイッチ64をOFF状態に切換える。これにより、前記収納室用電磁弁56は電源から遮断され、該電磁弁56は冷却パイプ47に冷媒が供給されるのを停止する閉状態に維持される。すなわち、前記凝縮器34から第1チーズ53に供給された全ての冷媒が、前記第1キャピラリーチューブ55を介して冷却器27に供給され、前記冷蔵室17の効率的な冷却が達成される。しかも、前記冷蔵庫本体部11とショーケース12とは断熱的に完全に遮断されているから、圧縮機負荷を小さくすることができ、該圧縮機36の寿命を延ばし得ると共に、消費電力を小さくしてランニングコストを低廉に抑えることができる。
【0031】また、前記ショーケース12の収納室40を清掃する場合、前記冷蔵室17の冷却を継続した状態で、前記電源スイッチ64をOFF状態とすることで、該収納室40の除霜処置を行なってから清掃することができ、清掃性が良い。
【0032】なお、実施例におけるショーケースでは、開口部をスライド扉により開閉するよう構成したが、該開口部の上縁部に蝶番等を介して扉を回動可能に配設し、該扉の回動により開口部を開閉する構成を採用し得る。また停止手段としての電源スイッチは、ショーケースに限らず、横型冷蔵庫の全体を制御するコントロールパネル等、他の箇所に配設してもよい。なお停止手段は、前記収納室用電磁弁に対する電源の入・切を切換えるものでなく、冷凍機構における冷媒の回路系に設けられた切換え弁等の切換え手段を切換えることで、冷却パイプへの冷媒の供給を停止させるもの等を採用可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る横型冷蔵庫では、冷蔵室を画成する断熱箱体上に設置される断熱構造のショーケースには、その上部にのみ開口部が設けられるから、ショーケースに画成される収納室と前記冷蔵室とでの空気の流通はなく、冷蔵室を冷却する冷却器に短時間で多くの霜が付いて冷凍能力が低下するのは抑制される。しかも、ショーケースの収納室は、冷却パイプにより冷却される内箱に接触して冷却された冷気の自然対流方式であるから、収納されている食材等を乾燥させることなく長期に亘って鮮度を維持した状態で保冷することができる。また、開口部はショーケースの上部にのみ開設されているから、該開口部からの収納室内の冷気の流出を抑制し得ると共に、室外の湿った軽い暖気の開口部からの流入も抑制され、収納室の冷却能力が低下するのを抑えると共に収納室の温度変化を少なくして、食材等が劣化するのを防ぐことができる。
【0034】更に、断熱箱体からショーケースを分離して断熱箱体側のみを使用する場合に、該断熱箱体の天井部には冷気用の開口部は形成されていないから、該天井部の断熱性能の低下や強度低下を生ずることはない。すなわち、断熱箱体における冷蔵室の冷却能力が低下したり、断熱箱体上での調理に際してたわみや沈み込み等が発生することはない。またショーケースの開口部を開閉する扉は、該ショーケースから取外すことができるよう構成してあるから、開口部を全開状態で使用することができ、食材等の収納作業性も向上する。しかも、開口部は上部にのみあるので、開口部を全開としても冷気の損失を最小限に抑えることができ、食材等の鮮度を維持し得る利点がある。
【0035】また、ショーケースを使用しない場合は、停止手段によって冷蔵室の冷却を継続したまま収納室の冷却のみを停止することができ、省エネ効果を期待し得ると共に、冷蔵室の効率的な冷却を達成し得る。これにより、圧縮機負荷を小さくすることができ、該圧縮機の寿命を延ばし得ると共に、消費電力を小さくしてランニングコストを低廉に抑えることができる。なお、冷蔵室の冷却を継続した状態で、停止手段により収納室の冷却を停止することで、該収納室の除霜処置を行なってから清掃することが可能であり、清掃性が良いと云う利点を有する。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【出願日】 平成12年12月4日(2000.12.4)
【代理人】 【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
【公開番号】 特開2002−168549(P2002−168549A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−368949(P2000−368949)