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【発明の名称】 冷蔵ショーケース扉構造
【発明者】 【氏名】関 和芳

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】複層扉内に発熱フィルムを備える冷蔵ショーケースにおいて、該発熱フィルムの厚みを該複層扉上部より該複層扉下部を薄くしたことを特徴とする冷蔵ショーケース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵ショーケースなどに用いられる複層ガラス等の扉構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷蔵ショーケースの複層扉は、例えば実公昭60−38860号公報、および図4に示すように、発熱フィルム31を備えた二枚の透明ガラス板を乾燥剤18を内包したスペーサ17(間隔保持部材)とシール材19を介して積層した複層ガラス12の周囲を枠材13によって構成されている。この発熱フィルム31は、特開平4−289685号公報のように、接着層、透明基板、透明導電性薄膜、透明絶縁層、接着層及び透明フィルムの順に積層されている構造で、厚みが約40〜500μmであり、扉11の複層ガラス12の一方の外側にあるガラス表板14の内側に貼着されると共に、その両端縁には図示しない電極がそれぞれ形成されている。冷蔵ショーケース1の貯蔵室4内から冷却作用を受けて、複層扉11のガラス表板14の外側に結露を発生させるが、発熱フィルム31に通電されて、その全面において発熱されるため、ガラス表板14の外側への結露(曇り)は解消される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の構造では前述のように冷蔵ショーケース1等の複層扉11として用いる場合には、複層扉11内に発熱フィルム31をガラス表板14のほぼ全体に施してあり、すべての部分で発熱を生じさせている。この発熱により、密閉状態の複層ガラス12内の空気温度がA矢印のように上昇すると、冷却された貯蔵室4に接しているガラス裏板15の面で冷却され、B矢印のように下降する対流が発生する。この対流により、複層扉11上部の温度が上昇し易く、下部の温度は余り暖まらない、温度の偏りが生じる状態になる。したがって、複層扉11上部に発生する結露は解消されたが、複層扉11下部に発生する結露を解消するのが困難であった。
【0004】また、複層扉11下部に発生する結露を解消するためには、発熱フィルムの熱容量を増やすことも考えられるが、複層扉下部の結露を解消するまで熱容量が上げると、複層扉上部の結露が解消され易い部分の温度が上昇し過ぎて、この部分から庫内の温度に影響を与えて、庫内温度の上昇を招いて、冷却不良、消費電力の増加を招くことになった。
【0005】本発明は係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、結露が発生し易い部分に貼る発熱フィルムの厚さ寸法を薄くすることにより、結露の発生を有効に解消することができる複層扉を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の冷蔵ショーケースは、複層扉内に発熱フィルムを備える冷蔵ショーケースにおいて、該発熱フィルムは複層扉上部より複層扉下部を薄くしたことを特徴とする冷蔵ショーケース。
【0007】
【発明の効果】以上詳述した如く請求項1の発明によれば、複層扉内に備えた発熱フィルムは複層扉上部より複層扉下部を薄くしたことにより、複層扉内の空気温度の熱が上昇しても、複層扉下部に発生する結露を発熱フィルムの熱容量を増やすことなく、解消できるようになった。
【0008】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳述する。図1は複層ガラス扉を用いた冷蔵ショーケースの斜視図、図2〜4は本発明の複層ガラス扉の各実施例の側面から見た断面概要図である。
【0009】実施例の冷蔵ショーケース1は、図1に示すように、例えばコンビニエンスストアなどに設置されるデザート菓子用の冷蔵ショーケース1であり、断熱壁にて構成された本体2と、この本体2の前面には貯蔵物を出し入れする開口部3を備え、この開口部3には開口部3を開閉自在にする扉11を備えている。この扉11には周囲を枠材13を取り付けられた複層ガラス12により構成されている。また、冷蔵ショーケース1の本体2内は貯蔵室4とされ、この貯蔵室4内には複数段の棚5・・が架設されており、機械室6に内蔵されている図示しない圧縮機等による冷凍装置により所定の温度に冷却されている。
【0010】本発明の複層ガラス12は、図2に示すように、厚さ3mm程の二枚の透明ガラス板であるガラス外板14、ガラス内板15と、スペーサ17、17・・・、乾燥剤18及び発熱フィルム16などから構成されている。この発熱フィルム16は、同様に一方のガラス外板14内側に貼着されると共に、その上下または左右両端縁には図示しない電極がそれぞれ備わっている。
【0011】そして、係るスペーサ17、17・・・は一面に設けられた両面テープなどの粘着剤により、発熱フィルム16の周囲に位置して前記一方のガラス外板14内側の周縁部(四辺)に貼着される。
【0012】この発熱フィルム16は、透明導電性の薄膜を含んで構成されており、この薄膜の厚みを薄くすることにより、電気抵抗が増し、発熱量が増すことになる。また、発熱フィルム16に導電性の金属の薄膜を使用せず、フィルム自体が電気を通す樹脂の場合は、このフィルム自体の厚みを薄くすれば、発熱量が増すことになる。なお、この発熱フィルム16の熱容量は、W(発熱量)=I2/A・t(Iは電流値、Aはフィルムの幅、tはフィルムの厚み)で表され、幅が一定の場合には、厚みが薄い程、発熱量が多く、発熱フィルム16の厚みを変えると、同一幅の発熱フィルム16を使用して、発熱量を変化させることができる。
【0013】従って、冷蔵ショーケース1内が冷却されると、冷蔵ショーケース1の庫内温度と設置雰囲気の湿度等により、複層ガラス12のガラス表板14の外面に結露が発生させるが、特に扉下部の複層ガラス12には、熱が上部に移動し易いことにより、扉下部の方が上部より暖まり難いことから、ガラス表板14の外面上部20よりも外面下部21に結露が多く発生する。
【0014】しかし、本発明の発熱フィルム16は、下部(約20μm以上40μm未満)が上部(約40μm以上60μm以下)より薄くなっているので、結露が多い下部の発熱量が多く、結露が少ない上部の発熱量が少ない構造となり、密閉状態の複層ガラス内の空気温度が上昇し対流による温度の偏りがあっても、ガラス表板14に発熱フィルム16からの多く発生する熱が伝導し、結露の解消が難しい冷蔵ショーケース1の扉の下部、つまり、ガラス表板14の外面下部21でも、結露を解消できる。
【0015】また、二枚のガラス表板14、とガラス裏板15間の湿気はスペーサ17に一部切り欠かれて内包されている乾燥剤18により吸着されるため、ガラス表板14の内側とガラス裏板15の外側の面(複層ガラス12内の空間にある面)への結露(曇り)も解消される。
【0016】なお、本発明の第1実施例の発熱フィルム16は、上記のように下部に従い徐々に薄くした構造であるが、第3図に示すように、下部のみ薄くした構造でもよい。
【0017】また、発熱フィルム16をガラス表板14の内側に備える構造としては、第4図に示すように、発熱フィルム16の最上部と最下部をスペーサ17とガラス表板14とで挟み込む構造にすると、たとえ粘着剤等の粘着力が経年変化しても、発熱フィルム16が剥がれ難くなる。
【0018】尚、実施例では二枚のガラス板にて複層ガラスを構成したが、更に多数枚のガラス板を積層しても良い。本発明の発熱フィルム16は継ぎ目がなく一体に構成されており、製造コストがかからないうえに、継ぎ目に露やゴミ等が入り込むことがない。また、本発明の発熱フィルム16を冷却ダクトからの冷気が直接当たる部分に貼っても、結露を解消できる。また、本発明の発熱フィルムを冷蔵ショーケース以外にも、プレハブ冷蔵庫、建物、車両等の窓部分での結露が発生し易い部分に貼っても、同様に、結露を解消できる。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【出願日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−162155(P2002−162155A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−358424(P2000−358424)