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【発明の名称】 車載用冷蔵庫の電源装置
【発明者】 【氏名】舟迫 秀男

【要約】 【課題】アイドリングストップ搭載用車両あるいは宅配・配送業務車両において、簡素な構成で安定した庫内温度を維持しつつ、荷物の積み下ろし時や、積載物搬入出業務時に車両のキーを抜いて作業が可能な車載用冷蔵庫の電源装置を提供する。

【解決手段】メインバッテリ1とアイソレータ6を介して接続されたサブバッテリ2から、常閉接点と常開接点の2回路の独立した接点を有する電磁リレー13を介して電源回路部12bに接続する。電源回路部12bは、常開接点から直接電圧が印加する回路と、常閉接点からタイマー回路部12cを介して一定時間電流を通過させる回路を併設してキースイッチ5がオフしてから所定時間の間、車載用冷蔵庫8の駆動回路部12aに電力を供給して振動型圧縮機11を駆動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン始動時に該エンジンを回転駆動するスタータに電力を供給するメインバッテリと、車載用冷蔵庫に電力を供給するサブバッテリと、前記エンジンに駆動され前記メインバッテリおよび前記サブバッテリに充電するオルタネータと、前記スタータを起動する位置と前記エンジンが停止中でも閉成せしめられるアクセサリー位置を有するキースイッチと、前記車載用冷蔵庫のコンプレッサを駆動する駆動回路部と該駆動回路部に商用交流電源とバッテリ電源とを選択的に供給する電源回路部とを備えた車載用冷蔵庫の電源装置において、前記オルタネータと前記メインバッテリとの接続点と、前記サブバッテリとの間にアイソレータを設けて前記スタータの始動時に前記サブバッテリからの電流を阻止せしめると共に、前記電源回路部の入力段に設けられるタイマー手段と、励磁コイルの通電に対して連動し常閉接点と常開接点の2回路の独立した接点を有する電磁リレーとを備えて前記電磁リレーの常閉接点の一端を前記サブバッテリに他端を前記タイマー手段にそれぞれ接続し、前記電磁リレーの常開接点の一端は前記サブバッテリに他端は前記タイマー手段をバイパスして直接前記電源回路部にそれぞれ接続し、前記キースイッチが少なくともアクセサリー位置にある時は前記電磁リレーの励磁コイルに通電されると共に、前記キースイッチがオフされて励磁コイルの通電が遮断されてから所定の時間内は前記電源回路部に継続して前記サブバッテリから電力が供給されることを特徴とする車載用冷蔵庫の電源装置。
【請求項2】 前記冷蔵庫のコンプレッサは振動型圧縮機であることを特徴とする請求項1に記載の車載用冷蔵庫の電源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車載用冷蔵庫の電源装置に係り、特に宅配用車両や配送用車両等において、停車中あるいは荷物の搬入出時に一旦エンジンを止める車両に搭載される車載用冷蔵庫の電源装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では宅配や配送業務において、冷蔵食品や冷凍食品を輸送する需要が高まり、冷蔵庫を搭載する宅配便や配送車が増加しつつある。この車載用冷蔵庫のコンプレッサは車両のエンジンに直結されるエンジン直結型コンプレッサ方式、又は電気式冷蔵庫の場合、車両のキースイッチのACC端子からバッテリの電力によってコンプレッサを駆動するバッテリ駆動冷蔵庫方式、あるいは特開平9−46919、特開平9−107639号公報等に開示されているチャージングコントローラを用いてサブバッテリから電源を供給する方式等が用いられている。
【0003】また近年、エンジンの排気ガスの地球環境への配慮等で赤信号や積載物の積み下ろし時にエンジンを停止させ、発進時にエンジンを再始動するアイドリングストップを採用する車両が増加しつつあり、このアイドリングストップ装置は特開昭59−39967号公報等で公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エンジン直結型コンプレッサ方式では、アイドリングストップ装置を搭載した車両においては、エンジンが停止する毎に車載冷蔵庫のコンプレッサが停止し、冷蔵庫内部の温度維持が困難となる。電気式冷蔵庫を車両に搭載した場合は荷物の積み下ろし中にキースイッチを抜くと、車載冷蔵庫のコンプレッサが停止し冷蔵庫内部の温度維持が困難となるためキースイッチを常にACCの位置で保持させる必要があるが、安全面を考慮すると車両のキーは抜いて宅配荷物の積み下ろしあるいは配送品の搬入出業務を行うことが原則となっており相反する事情がある。
【0005】また、チャージングコントローラを用いてサブバッテリから電源を供給する電気式冷蔵庫を車両に搭載した場合は、サブバッテリの電圧が下限規定値になるまで冷蔵庫のコンプレッサを駆動し続けるので、長時間の荷物の積み下ろしを行うとサブバッテリの消耗を招き、コンプレッサ再始動電圧までバッテリが復帰するまで待たねばならず宅配便や配送車には適さない。
【0006】本発明は、簡素な構成をとりつつ、アイドリングストップ搭載用車両においても安定した内部温度が維持でき、宅配業務における荷物の積み下ろし時や、配送車両の積載物搬入出業務時に車両のキーを抜いて作業が可能な車載用冷蔵庫の電源装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、エンジン始動時にエンジンを回転駆動するスタータに電力を供給するメインバッテリと、車載用冷蔵庫に電力を供給するサブバッテリと、エンジンに駆動されメインバッテリおよびサブバッテリに充電するオルタネータと、スタータを起動する位置とエンジンが停止中でも閉成せしめられるアクセサリー位置を有するキースイッチと、車載用冷蔵庫のコンプレッサを駆動する駆動回路部とこの駆動回路部に商用交流電源とバッテリ電源とを選択的に供給する電源回路部とを備えた車載用冷蔵庫の電源装置において、オルタネータとメインバッテリとの接続点と、サブバッテリとの間にアイソレータを設けて、スタータの始動時にサブバッテリからの電流を阻止すると共に、電源回路部の入力段に設けられるタイマー手段と、励磁コイルの通電に対して連動し常閉接点と常開接点の2回路の独立した接点を有する電磁リレーを備え、電磁リレーの常閉接点の一端をサブバッテリに他端をタイマー手段にそれぞれ接続すると共に、電磁リレーの常開接点の一端はサブバッテリに他端はタイマー手段をバイパスして直接電源回路部にそれぞれ接続されることを特徴とする。また、コンプレッサは振動型圧縮機であることが望ましい。
【0008】本発明によれば、キースイッチが少なくともアクセサリー位置にある時は電磁リレーの励磁コイルに通電されて、サブバッテリから電源回路部に電力供給されて駆動回路部によりコンプレッサを作動させ車載用冷蔵庫の庫内の冷却が可能になると共に、キースイッチがオフされて励磁コイルの通電が遮断されてから所定の時間内はサブバッテリから電源回路部に継続して電力の供給がが可能になる。さらに、コンプレッサは振動型圧縮機であれば低電流での駆動が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】図1は本発明の車載用冷蔵庫の電源装置の構成を示すブロック図であり、エンジンを備えた宅配業務車両に適用した場合を例示している。この車両は、メインバッテリ1、サブバッテリ2、オルタネータ3、スタータ4、運転席にあるキースイッチ5、アイソレータ6、アイドルストップ装置7、車載用冷蔵庫8が搭載されている。
【0011】メインバッテリ1は内部抵抗が小さい鉛蓄電池であって、その定格電圧は12Vである。メインバッテリ1は、主にエンジン始動時に大電流を必要とするスタータ4の電力供給源として、また、車両負荷の電源として装備される。メインバッテリ1のマイナス端子はアースされ、プラス端子はオルタネータ3の直流出力端子3Bと始動用キースイッチ5の入力端子5a、アイソレータ6の入力端子6a及びスタータ4の固定接点端子(B)に接続される。
【0012】サブバッテリ2は通常の鉛蓄電池であって、その定格電圧は12Vである。サブバッテリ2は、本車両に搭載している車載用冷蔵庫8に電力を供給する。サブバッテリ2のマイナス端子はアースされ、プラス端子はアイソレータ6の出力端子6b、アイドルストップ装置7のプラス側電源端子7B、及び後述する電磁リレー13に接続される。
【0013】オルタネータ3は、IC型レギュレータ付オルタネータ(三相交流発電機)であって、エンジンによりロータ(図示せず)が駆動され、励磁巻線3aによって励磁された三相ステータ巻線3u、3v、3wに三相交流が誘起され、これを整流回路3eで整流してメインバッテリ1およびサブバッテリ2を充電するための直流を出力している。なお、スター結線された三相ステータ巻線3u、3v、3wに誘起される電圧は、レギュレータ3fが整流回路3eの出力電圧値を検出し、予め設定された閾値と比較して、一端が整流回路3eの出力に接続された励磁巻線3aの他端に接続されたレギュレータ内のトランジスタ3gをスイッチングして、励磁巻線3aの両端に接続されたフリーホイールダイオード3hと相まって、励磁巻線3aの励磁電流が制御されることによって、整流回路3eで三相全波整流されてオルタネータ3の直流出力端子3Bに適正な範囲の電圧が自動的に調整されて出力される。
【0014】スタータ4は、通常の自動車用エンジンスタータであって、スタータ4は、運転席にある始動用キースイッチ5が始動操作が行われている間(詳細は後述する)のみ直流電圧が印加される端子(c)、この端子(c)に接続され電磁スイッチの励磁コイルに相当するプルコイル(p)とホールドコイル(h)、このプルコイル(p)とホールドコイル(h)への通電によって機械的な動作をするロッド4a、ロッド4aの一端に形成される可動接点4b、可動接点4bによって橋絡される2個の固定接点端子(B)および(M)を備えるエンゲージスイッチ4cを含み、ロッド4aの他端に連動したレバー4dによって突出するピニオン4e、ピニオン4eを回転させる直流モータを構成する界磁巻線4fとアーマチュア4gを主構成要素とし、固定接点端子(B)はメインバッテリ1のプラス端子に接続され、固定接点端子(M)はプルコイル(p)の一端とアーマチュア4gの電機子巻線の一端に接続され、その他端は界磁巻線4fの一端に接続されると共にその他端はアースされる。
【0015】キースイッチ5は、車両の運転席付近に設けられ、通常は車両の扉のロックとエンジン起動および電気系統のオンオフを兼ねるキーを差し込んで、運転者が90°程回転させる間に数個の停止位置を持つものである。図1に示すキースイッチ5は、入力端子5aを共通端子として、OFF位置端子5b、アクセサリー(ACC)位置端子5c、ON位置端子5d、スタート位置端子5eを備えている。アクセサリー(ACC)位置端子5cは、キースイッチ5がアクセサリー位置にあるときに加えてON位置とスタート位置でも入力端子5aと接続されるようになっている。ON位置端子5dはキースイッチ5がON位置とスタート位置にあるときに入力端子5aと接続されるようになっている。
【0016】アイソレータ6は、メインバッテリ1とサブバッテリ2を分離する機能を有するものであって、アイソレータ6の入力側端子6aがメインバッテリ1のプラス側端子に接続されると共に、出力側端子6bはサブバッテリ2のプラス側端子に接続され、アース端子6cは車両にアースされている。アイソレータ6はメインバッテリ1からサブバッテリ2の方向には電流を通過させ、サブバッテリ2からメインバッテリ1への電流は阻止して、エンジンを始動する時にメインバッテリ1からスタータ4に大電流が供給され、メインバッテリ1の端子電圧が低下したときでもサブバッテリ2からは電流が供給されず、サブバッテリ2の端子電圧を安定化させる作用を有する。
【0017】アイドルストップ装置7は、エンジンの排気ガスによる地球環境への配慮から、車両が赤信号や積載物の積み下ろしのために停車する時にエンジンを停止させ、発進時にスタータでエンジンを再始動するものであり、入力端子7Iから各センサ(図示せず)の信号に基づいて内部で判断処理され、エンジンの電子ガバナ(図示せず)等へエンジン停止の制御出力をする出力端子7A、エンジン始動の制御に基づいてプラス側電源端子7Bの電圧を出力するスタータ端子7Cとアース端子7Eを有するものである。従って、スタータ4は始動用キースイッチ5のエンジン始動もしくはアイドルストップ装置7のスタータ端子7Cの出力によって、その動作が開始される。
【0018】車載用冷蔵庫8は断熱材で囲繞された庫体8aの内部にエバボレータ9が収納され、庫外にはコンデンサ10、コンプレッサとして振動型圧縮機11、電源装置12を主要な構成要素とし、振動型圧縮機11が冷媒を圧縮し、エバボレータ9とコンデンサ10と相まって冷凍サイクルを構成して、庫体8aの内部を冷却している。
【0019】電源装置12は駆動回路部12a、電源回路部12b、タイマー手段たるタイマー回路部12c、電磁リレー13を備えている。駆動回路部12aは振動型圧縮機11専用の回路であり、最適な周期と波形を生成するインバータ回路を用いている。電源回路部12bは、駆動回路部12aに商用交流電源とバッテリ電源とを選択的に供給する役割を担っており、宅配ステーション等で予冷のためにAC100V等の商用交流電源からの接続を可能にする交流電源端子12dからの交流電力を内部のAC−DCコンバータと、後述する電磁リレー13を介してサブバッテリ2からの直流電力を切り換え、さらに振動型圧縮機11に最適な直流電圧に変換する。なお切り換えは商用交流電源が接続された場合には優先的に自動切換する機能を有している。
【0020】タイマー回路部12cは入力端子12ci、出力端子12co、アース端子12ceを有して、内部に時間を計測するタイマーを備えるものであり、入力端子12ciに電圧ゼロからバッテリ電圧に変化した時点から一定時間の間、出力端子12coに入力端子12ciに印加される電圧を出力するものである。
【0021】図2はタイマー回路部12cの内部構成を示すもので、リセット回路121、遅延回路122、リレー123、定電圧回路124を主要構成要素としている。リセット回路121は入力端子12ciに印加される電圧がゼロからバッテリ電圧付近に立ち上がったか、またバッテリ電圧付近からゼロへ立ち下がったかをラッチしておく機能を有し、遅延回路122の動作開始と停止を制御するものである。遅延回路122はリセット回路121から動作開始の信号を受けてから、予め設定された時間内において、リレー123をオンにしておく働きをするものである。リレー123は遅延回路122からの信号を受けてオンオフし、入力端子12ciに印加される電圧を出力端子12coに接続/非接続をさせるものである。
【0022】再び図1を参照して、電磁リレー13は、励磁コイル13aと二つの電気的に独立した第1と第2の可動/固定接点の組を有し、励磁コイル13aへの通電/非通電により可動接点13kと可動接点13xの動作が共通に行われる。励磁コイル13aの一端は、キースイッチ5のアクセサリー(ACC)位置端子5cに接続され、他端はアースされる。第1の可動/固定接点の組は可動接点13kと二つの固定接点13m,13nから構成されている。
【0023】第1の可動/固定接点の組は「常開」接点、すなわち励磁コイル13aが励磁されない時に可動接点13kが二つの固定接点13m,13n間を開放し、励磁コイル13aの通電時のみ固定接点13m,13n間を橋絡する通常のものである。固定接点13mはヒューズはF1を介してサブバッテリ2のプラス側端子に接続され、固定接点13nは電源回路部12bに接続される。
【0024】第2の可動/固定接点の組は二つの固定接点13y,13zが「常閉」接点、即ち励磁コイル13aが励磁されない時に可動接点13xが二つの固定接点13y,13zを短絡しているいわゆるノーマリーオンタイプのものである。固定接点13yはヒューズはF2を介してサブバッテリ2のプラス側端子に接続され、固定接点13zはタイマー回路部12cの入力端子12ciに接続される。
【0025】以上のように構成されている本実施例の作用を説明すると、エンジン始動時には、始動用キースイッチ5を運転者が操作してスタート位置にまで回転させて入力端子5aがスタート位置端子5eと接続されるか、もしくはアイドルストップ装置7のスタータ端子7Cの出力によってスタータ4が作動し、メインバッテリ1からのみスタータ4に電流が供給される。この時、メインバッテリ1の端子電圧が低下したときでも、アイソレータ6の逆方向電流阻止の働きによりサブバッテリ2からは電流が供給されない。従って、サブバッテリ2からは始動時の放電は無く、その端子電圧は安定している。
【0026】一方、走行時つまりエンジンが一定以上回転している時にはオルタネータ3が発電してメインバッテリ1の状態に応じて適正に充電を行う。その際、サブバッテリ2にはアイソレータ6を介して充電される。なお、この時の始動用キースイッチ5はON位置にあって、メインバッテリ1の電圧は入力端子5aを介してON位置端子5dとアクセサリー(ACC)位置端子5cに印加されている。
【0027】始動用キースイッチ5がON位置にある場合には、アクセサリー(ACC)位置端子5cにもメインバッテリ1の電圧が印加されるので、電磁リレー13の励磁コイル13aに電流が流れて、可動接点13kが二つの固定接点13m,13n間を橋絡するため、電源回路部12bにサブバッテリ2から電力が供給される。同時に電磁リレー13の固定接点13y,13z間を短絡していた可動接点13xが離間し、タイマー回路部12cの入力端子12ciはサブバッテリ2の電圧からゼロへ立ち下がる。
【0028】電源回路部12bは、電磁リレー13を介してサブバッテリ2から電力が供給されることによって、この電源が有効となるように選択し電圧値の変換をした後、駆動回路部12aに適正な電圧を印加する。駆動回路部12aは振動型圧縮機11を駆動しコンプレッサとしての機能を発揮させ、冷媒を圧縮してエバボレータ9に送り庫体8aの内部を冷却した後コンデンサ10に送って放熱させ再び振動型圧縮機11に戻す冷凍サイクル構成させることにより、車載用冷蔵庫8に収納された食品等の被冷蔵物を冷却・保冷する。
【0029】アイドルストップ装置7を搭載しているため、各センサ(図示せず)から信号待ち等の情報が入力端子7Iに入力されると、出力端子7Aからエンジンの電子ガバナ(図示せず)等へエンジン停止の制御出力を出してエンジンが停止すると共にアイドルストップ附加ユニット14が電磁リレー13の励磁コイル13aに流れる電流を遮断する。また、積載物の積み下ろしのために停車して、キースイッチ5をOFF位置にした後、キーを抜いた時にも電磁リレー13の励磁コイル13aに流れる電流は遮断される。
【0030】電磁リレー13の励磁コイル13aに流れる電流が遮断されると、可動接点13kが二つの固定接点13m,13n間を開放すると共に、可動接点13xが二つの固定接点13y,13zを橋絡するため、タイマー回路部12c内にあるリセット回路121の入力端子12ciに印加される電圧がゼロからバッテリ電圧付近に立ち上がり、遅延回路122が作動すると共にリレー123がオンして、出力端子12coには入力端子12ciに印加されている電圧が出力される。
【0031】従って、アイドルストップ装置7によってエンジンが停止した時、又は、キースイッチ5をOFF位置にしてキーを抜いた時から所定の時間、出力端子12coから電源回路部12bにサブバッテリ2からの電力供給が継続されるため、振動型圧縮機11の駆動が継続されコンプレッサとしての機能を維持するため車載用冷蔵庫8の庫内8aの温度は維持される。
【0032】タイマー回路部12cの遅延回路122によって所定の時間が経過すると、リレー123がオフに転ずるため電源回路部12bへの電力供給が停止され、駆動回路部12aと共に振動型圧縮機11が停止する。従って、長時間に亘ってエンジンの停止またはキースイッチ5のOFF位置並びにキーを抜いた時には、所定時間経過した後に自動的に車載用冷蔵庫8を停止させサブバッテリ2(メインバッテリ1も含む)の過放電を防ぐことができる。
【0033】図3はタイマー手段たるタイマー回路部12cの別な実施形態に係る内部構成ブロック図を示すもので、インターフェース125、CPU126、ドライバ127、トランジスタ128、定電圧回路129を主要構成要素としており、図4はCPU126の制御フローチャートを表している。インターフェース125は入力端子12ciに印加される電圧がゼロ若しくはバッテリ電圧付近かどうかを判定するための閾値を有する比較回路であり、CPU126はマイコン等で構成されるプロセッサであり制御の中枢をなすものである。また、ドライバ127はCPU126の出力を受けてトランジスタ128を駆動するものである。なお、定電圧回路129は各部に安定化した電圧を供給するものである。
【0034】図4は図3のCPU126の制御に係るフローチャートであり、これに基づいてその動作を説明する。タイマー回路部12cの入力端子12ciにバッテリ電圧が印加されている時には「入力電圧」が「H」レベルであるのでソフトウェア上で「フラグ」を見に行くとリセット状態であるため、ドライバ127をオフにすると共に、ソフトウェア上の「タイマ」をリセットする。この状況は初期状態に相当する。
【0035】運転者のキーの挿入からアクセサリー位置への転換により、電磁リレー13が作動するので、入力端子12ciはバッテリ電圧からゼロへ転移する。この時「入力電圧」は「L」レベルになるため、ソフトウェア上で「フラグ」「セット」し、引き続きドライバ127をオフに保持すると共に、ソフトウェア上の「タイマ」も「リセット」する。この状態はエンジンの起動および通常の走行時にも適用される。
【0036】アイドルストップ装置7からのエンジン停止状態、若しくはキースイッチ5をOFF位置にした後にキーを抜いた時には、電磁リレー13の励磁コイル13aに流れる電流は遮断されるため、可動接点13kが二つの固定接点13m,13n間を開放すると共に、可動接点13xが二つの固定接点13y,13zを橋絡するため、タイマー回路部12cの入力端子12ciは電圧がゼロからバッテリ電圧付近に立ち上がった信号がインターフェース125を介してCPU126に入力される。
【0037】「入力電圧」は「H」レベルを認識するので、ソフトウェア上で「フラグ」を見に行くと、前回から「フラグセット」の状態にあるため、CPU126はドライバ127をオンに転移すると共に、ソフトウェア上の「タイマ」をセットし、タイマをカウントアップしていく。「タイマ」がアップ即ち所定時間が経過するまで、ドライバ127によってトランジスタ128が駆動され、出力端子12coに入力端子12ciに印加される。
【0038】従って、アイドルストップ装置7によってエンジンが停止した時、又は、キースイッチ5をOFF位置にしてキーを抜いた時から所定の時間、出力端子12coから電源回路部12bにサブバッテリ2からの電力供給が継続されるため、振動型圧縮機11の駆動が継続されコンプレッサとしての機能を維持するため車載用冷蔵庫8の庫内8aの温度は維持される。
【0039】所定の時間が経過し「タイマ」がカウントアップすると、CPU126はドライバ127をオフに転移すると共に、ソフトウェア上の「タイマ」をリセットに戻す。従って、トランジスタ128は遮断され、出力端子12coは電圧は現れず、電源回路部12bへの電力供給が停止され、駆動回路部12aと共に振動型圧縮機11が停止する。この別な実施例においても、長時間に亘ってエンジンの停止またはキースイッチ5のOFF位置並びにキーを抜いた時には、所定時間経過した後に自動的に車載用冷蔵庫8を停止させサブバッテリ2(メインバッテリ1も含む)の過放電を防ぐことができる。
【0040】以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。例えば、アイドルストップ装置7を搭載していない車両の場合には、アイドルストップ附加ユニット14は取り付けずに、14a,14b両端子をオプションコードで短絡する接続をとることが可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明は、エンジン始動時にエンジンを回転駆動するスタータに電力を供給するメインバッテリと、車載用冷蔵庫に電力を供給するサブバッテリと、エンジンに駆動されメインバッテリおよびサブバッテリに充電するオルタネータと、スタータを起動する位置とエンジンが停止中でも閉成せしめられるアクセサリー位置を有するキースイッチと、車載用冷蔵庫のコンプレッサを駆動する駆動回路部とこの駆動回路部に商用交流電源とバッテリ電源とを選択的に供給する電源回路部とを備えた車載用冷蔵庫の電源装置において、オルタネータとメインバッテリとの接続点と、サブバッテリとの間にアイソレータを設けて、スタータの始動時にサブバッテリからの電流を阻止すると共に、電源回路部の入力段に設けられるタイマー手段と、励磁コイルの通電に対して連動し常閉接点と常開接点の2回路の独立した接点を有する電磁リレーを備え、電磁リレーの常閉接点の一端をサブバッテリに他端をタイマー手段にそれぞれ接続すると共に、電磁リレーの常開接点の一端はサブバッテリに他端はタイマー手段をバイパスして直接電源回路部にそれぞれ接続される技術手段を備えたので、簡素な構成をとりつつ、アイドリングストップ機能を搭載した車両並びに宅配業務における荷物の積み下ろし時又は配送車両の積載物搬入出業務時にキーを抜いて作業を行う車両においても、安定した内部温度が維持可能な車載用冷蔵庫の電源装置を提供することができる。また、長時間の停止作業においては自動的な電源遮断機能により、バッテリの過放電を防止することができる。
【0042】さらに、コンプレッサは振動型圧縮機であれば低電流での駆動が可能になり、省エネルギーを達成しつつ車両の振動にも強固な車載用冷蔵庫の電源装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000253075
【氏名又は名称】澤藤電機株式会社
【出願日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−162150(P2002−162150A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−357163(P2000−357163)