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【発明の名称】 蓄冷式保冷庫
【発明者】 【氏名】中島 栄

【要約】 【課題】冷蔵物品を保冷する際に冷蔵物品が過剰に冷却されることがなく、かつ、省エネの点でも優れた蓄冷式保冷庫を提供する。

【解決手段】冷却機器により蓄冷ユニットの蓄冷剤を凍結する蓄冷運転モードと、蓄冷剤に庫内空気を循環して物品収納室を保冷する保冷運転モードとを有し、保冷運転モードの冷凍運転と冷蔵運転を選択的に切り替える蓄冷切替スイッチ25を有する蓄冷式保冷庫において、蓄冷運転モードにおける蓄冷剤の凍結量を可変、例えば外気温度センサ22や外気温度情報入力スイッチ24からの外気温度情報に基づき可変することができる。これにより、冷凍運転或いは冷蔵運転に合わせて蓄冷剤を凍結することができ、蓄冷剤から供給される冷熱量を冷凍物品又は冷蔵物品の保冷に適切に対応させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却機器により蓄冷ユニットの蓄冷剤を凍結する蓄冷運転モードと、該蓄冷剤に庫内空気を循環して物品収納室を保冷する保冷運転モードとを有し、該保冷運転モードの冷凍運転と冷蔵運転を選択的に切り替える切替スイッチを有する蓄冷式保冷庫において、前記蓄冷運転モードにおける蓄冷剤の凍結量を可変できる凍結量可変手段を有することを特徴とする蓄冷式保冷庫。
【請求項2】 前記凍結量可変手段は、蓄冷剤温度を検知する蓄冷剤温度センサと、該蓄冷剤温度センサの検知温度と変更可能な蓄冷剤設定温度とに基づき冷却機器を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項3】 前記蓄冷剤設定温度を前記切替スイッチからの冷凍運転信号又は冷蔵運転信号に基づき設定することを特徴とする請求項2記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項4】 前記蓄冷剤設定温度を前記切替スイッチからの冷蔵運転信号と、外気の温度を検知する外気温度センサの検知温度又は強制入力した外気温度情報に基づき設定することを特徴とする請求項2記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項5】 前記凍結量可変手段は、前記蓄冷ユニットを複数有するとともに、該各蓄冷ユニットの冷却数を可変する制御手段を有することを特徴とする請求項1記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項6】 前記制御手段は、前記切替スイッチからの冷凍運転信号又は冷蔵運転信号に基づき設定することを特徴とする請求項5記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項7】 前記制御手段は、前記切替スイッチからの冷蔵運転信号と、外気の温度を検知する外気温度センサの検知温度又は強制入力した外気温度情報に基づき制御することを特徴とする請求項8記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項8】 蓄冷剤を解凍する加温装置を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の蓄冷式保冷庫。
【請求項9】 蓄冷剤温度を検知する蓄冷剤温度センサの検知温度に基づき、加温装置を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項8記載の蓄冷式保冷庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄冷剤で保冷された物品を車載にて運搬する蓄冷式保冷庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の蓄冷式保冷庫として、特開平11−108525号公報など多数提案されている。
【0003】この蓄冷式保冷庫は、物品収納室に収納された物品を保冷するもので、物品を保冷する際は、予め蓄冷ユニットの蓄冷剤を冷却機器により凍結しておき、物品収納室の物品を運搬する際に庫内循環用ファンを駆動して、蓄冷剤と庫内空気との間で熱交換し物品収納室を保冷する。
【0004】また、物品収納室は庫内温度センサにより温度検知されており、冷蔵物品或いは冷凍物品に対応するよう庫内循環用ファンを駆動し、これにより、物品収納室への冷気循環量を制御し、物品収納室を収納物品に対応する温度で保冷するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、冷凍物品と冷蔵物品の両者が保冷可能な蓄冷式保冷庫を実現するためには、両者の保冷に対応し得る蓄冷剤を選定する必要がある。通常、冷凍物品の保冷温度がー18℃であり、また、冷蔵物品の保冷温度が3℃であるとすれば、蓄冷剤の蓄冷(凍結)温度はー25℃となり、この温度に対応する蓄冷剤が選定される。
【0006】しかしながら、冷凍物品を保冷する場合はさほど問題とはならないが、冷蔵物品を保冷するときは、蓄冷剤温度(ー25℃)と冷蔵温度(3℃)との差が非常に大きくなっているため、物品収納室の冷蔵温度保持が非常に難しくなっているし、また、蓄冷剤からの伝導熱が物品収納室に伝導し、蓄冷室と近接する箇所、即ち物品収納室の下部が過剰に冷却されるという問題点を有していた。更に、外気温度が比較的低い季節に冷蔵保冷するときは、蓄冷剤の伝導熱の影響が大きくなり、たとえ庫内循環用ファンを駆動しないときでも、物品収納室の温度が冷蔵設定温度よりも著しく低下するという問題点を有していた。更にまた、冷蔵物品を保冷するときでも、冷凍物品を保冷する場合と同様に蓄冷剤を凍結するよう構成されているため、蓄冷エネルギーが過剰であり、省エネの点でも不利なものとなっていた。
【0007】本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、冷蔵物品を保冷する際に冷蔵物品が過剰に冷却されることがなく、かつ、省エネの点でも優れた蓄冷式保冷庫を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決するため、請求項1の発明は、冷却機器により蓄冷ユニットの蓄冷剤を凍結する蓄冷運転モードと、蓄冷剤に庫内空気を循環して物品収納室を保冷する保冷運転モードとを有し、保冷運転モードの冷凍運転と冷蔵運転を選択的に切り替える切替スイッチを有する蓄冷式保冷庫において、蓄冷運転モードにおける蓄冷剤の凍結量を可変できる凍結量可変手段を有する構造となっている。
【0009】この発明によれば、冷凍運転或いは冷蔵運転に合わせて蓄冷剤を凍結することができ、蓄冷剤から供給される冷熱量を冷凍物品又は冷蔵物品の保冷に対応させることができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に係る蓄冷式保冷庫において、凍結量可変手段は、蓄冷剤温度を検知する蓄冷剤温度センサと、蓄冷剤温度センサの検知温度と変更可能な蓄冷剤設定温度とに基づき冷却機器を制御する制御手段とを有する構造となっている。これにより、蓄冷剤設定温度を適宜変更することにより、冷蔵物品或いは冷凍物品を適切な温度に保冷することができる。
【0011】請求項3の発明は請求項2に係る蓄冷式保冷庫において、蓄冷剤設定温度を切替スイッチからの冷凍運転信号又は冷蔵運転信号に基づき設定する構造となっており、冷蔵運転するときは蓄冷剤設定温度を冷凍運転のときよりも高く設定する。
【0012】請求項4の発明は請求項2に係る蓄冷式保冷庫において、蓄冷剤設定温度を切替スイッチからの冷蔵運転信号と、外気の温度を検知する外気温度センサの検知温度又は強制入力した外気温度情報に基づき設定する。これにより、外気温度が低く蓄冷剤の冷熱が冷蔵保冷に過剰な影響をあたえるおそれがあるときは、蓄冷剤設定温度を高く設定できるため、冬期など外気温度が低いときでも、適切な冷蔵保冷を行うことができる。
【0013】請求項5の発明は請求項1に係る蓄冷式保冷庫において、凍結量可変手段は蓄冷ユニットを複数有するとともに、各蓄冷ユニットの冷却数を可変する制御手段を有する構造となっている。
【0014】この発明によれば、冷凍運転或いは冷蔵運転に合わせて蓄冷ユニットの冷却数を変更できるため、蓄冷剤から供給される冷熱量を冷凍物品又は冷蔵物品の保冷に適切に対応させることができる。
【0015】請求項6の発明は請求項5に係る蓄冷式保冷庫において、制御手段は切替スイッチからの冷凍運転信号又は冷蔵運転信号に基づき設定する構造となっており、冷蔵運転するときは蓄冷ユニットの冷却数を冷凍運転のときよりも少なく設定する。
【0016】請求項7の発明は請求項5に係る蓄冷式保冷庫において、制御手段は切替スイッチからの冷蔵運転信号と、外気の温度を検知する外気温度センサの検知温度又は強制入力した外気温度情報に基づき制御する構造となっている。これにより、外気温度が低く蓄冷剤の冷熱が冷蔵保冷に過剰な影響をあたえるおそれがあるときは、蓄冷ユニットの冷却数を少なくできるため、冬期など外気温度が低いときでも、適切な冷蔵保冷を行うことができる。
【0017】請求項8の発明は請求項1〜7に係る蓄冷式保冷庫において、蓄冷剤を解凍する加温装置を有するので、加熱装置で各蓄冷ユニットの蓄冷剤を予め完全に解凍し、その後に蓄冷剤を冷却機器で蓄冷でき、蓄冷剤の凍結量を所望値にできる。
【0018】請求項9の発明は請求項8に係る蓄冷式保冷庫において、蓄冷剤温度を検知する蓄冷剤温度センサの検知温度に基づき、加温装置を制御する制御手段を有する構造となっており、蓄冷剤温度が蓄冷剤の解凍温度となったとき、加温装置の駆動を停止する。
【0019】
【発明の実施の形態】図1乃至図9は本発明に係る蓄冷式保冷庫の第1実施形態を示すもので、図1は蓄冷式保冷庫の斜視図、図2は蓄冷式保冷庫の断面図、図3は蓄冷ユニットの構造を示す組み付け斜視図、図4は蒸発器パイプと蓄冷剤との接合状態を示す断面図、図5は蓄冷式保冷庫の冷媒回路図、図6は蓄冷式保冷庫の駆動制御回路図、図7は蓄冷運転制御の一例を示すフローチャート、図8は蓄冷運転制御の他の例を示すフローチャート、図9は蓄冷剤の解凍制御を示すフローチャートである。
【0020】まず、本実施形態に係る蓄冷式保冷庫の用途を説明する。この蓄冷式保冷庫は、冷凍物品や冷蔵物品をトラック輸送等する際に使用されるもので、これらの物品を保冷された蓄冷式保冷庫に収納し、この蓄冷式保冷庫をトラック等に積載して、物品を所定箇所に宅配する宅配システムに使用されている。
【0021】このような宅配システムで使用される蓄冷式保冷庫は、図1及び図2に示すように、内箱1aと外箱1bとを所定間隔をおいて配置し、各箱1a,1b間に発泡ウレタン等の断熱材1cを充填した外形直方体形状の保冷庫本体1を有する。この保冷庫本体1の上面には機械室2を有しており、この機械室2に圧縮機2a、凝縮器2b、凝縮器用ファン2c等で構成される冷却機器を設置する一方、保冷庫本体1の前面には開閉扉3が設置されている。
【0022】また、この保冷庫本体1の内部はその下部を断熱性の仕切板4で上下に仕切り、この仕切板4の上方には冷凍物品或いは冷蔵物品を収納する物品収納室5を形成する一方、仕切板4の下方には蓄冷室6を形成し、この蓄冷室6に蓄冷ユニット7を配置している。
【0023】この蓄冷ユニット7は、図3及び図4に示すように、2枚重ねの偏平方形状の伝熱ケース7aを風の流れ方向に沿うように多数配置したもので、この伝熱ケース7aの中には、その中央に冷媒パイプで構成される蒸発器2dが巻回された熱交換板7bを配置するとともに、この熱交換板7bを挟んで袋体に入った蓄冷剤7cが収容されている。また、左右に隣接する各伝熱ケース7aは上下の支持板7dにより互いに間隔をおいて配置されており、各伝熱ケース7aの間に庫内空気が通るようにしている。更に、蓄冷ユニット7には図2に示すように加温装置、例えば電熱ヒータ7eを設置しており、この電熱ヒータ7eに通電することにより蓄冷剤7cを解凍するようになっている。
【0024】一方、仕切板4はその前側に冷気吸込口8を開口するとともに、後側に冷気吹出口9を開口し、その他の部位は上下完全に仕切っている。この冷気吹出口9には物品収納室5に向かって延在された通風ダクト10が連通しており、この通風ダクト10の上方に庫内循環用ファン11を設置している。
【0025】このように構成された蓄冷式保冷庫の冷却機器を構成する冷媒回路を図5を参照して説明する。即ち、冷媒を、圧縮機2a→凝縮器2b→膨張弁2e→蒸発器2d→圧縮機2aと順次循環する。これにより、蓄冷剤7cは蒸発器2dに循環する冷媒により冷却され蓄冷される(蓄冷運転)。この蓄冷運転の後に、庫内循環用ファン11を駆動するときは、図2に矢印や図5の白抜き矢印に示すように蓄冷室6内に物品収納室5内の空気が循環し、蓄冷された蓄冷剤7cが伝熱ケース7a間を通る空気を冷却し、物品収納室5を保冷することとなる(冷凍運転或いは冷蔵運転)。
【0026】次に、本実施形態に係る蓄冷式保冷庫の電気回路を図6を参照して説明する。即ち、商用電源12には充電器13を通じてバッテリ14が接続し、商用電源12からの給電によりバッテリ14に充電するようになっている。また、商用電源12には直流電源装置15が接続しており、交流電流を直流電流に変換している。このバッテリ14及び直流電源装置15からの電力供給は、リレー内蔵の電源切替器16で択一に選択されるもので、リレーコイルに商用電源12が給電されているときは、直流電源装置15の電力が供給され、一方、商用電源12からの電力供給が遮断したときはバッテリ14の電力が供給されるようになっている。
【0027】また、商用電源12にはリレースイッチ17,18を介して圧縮機2a及び電熱ヒータ7eが並列に接続されており、それぞれ制御装置19からの制御信号に基づきオンオフ駆動する。
【0028】なお、庫内循環用ファン11及び凝縮器用ファン2cはそれぞれファン駆動回路20を通じて駆動される。ここで、このファン駆動回路20は制御装置19からの制御信号に基づき制御される。
【0029】以上のように構成された蓄冷式保冷庫において、制御装置19には物品収納室5内の温度を検知する庫内温度センサ21、外気温度を検知する外気温度センサ22及び蓄冷剤7cの温度を検知する蓄冷剤温度センサ23a,23b,23cからの検知温度が入力されている。ここで、蓄冷剤温度センサ23a,23b,23cを3個有しているが、蓄冷剤温度センサ23aは蓄冷ユニット7で最も蓄冷剤7cが解けやすい部位の温度を検知し、蓄冷剤温度センサ23bはこれとは逆に、最も蓄冷剤7cが解けにくい部位の温度を検知し、蓄冷剤温度センサ23cは中間の部位の温度を検知する。このように、3箇所から温度を検知することとしたのは、蓄冷室6内の風の通り方で蓄冷剤7cの解凍されやすい場所と解凍され難い場所とがあり、蓄冷剤7cの解凍状況を正確に判定するためである。
【0030】また、制御装置19には外気温度情報入力スイッチ24及び蓄冷切替スイッチ25からスイッチ信号が入力されている。ここで、外気温度情報入力スイッチ24は外気温度が取れない場所(外気温度センサ22が有効に機能しない場所)、例えば屋内に蓄冷式保冷庫を置き、蓄冷運転する際に外気温度を強制的に入力する。また、蓄冷切替スイッチ25は蓄冷運転の後に実施する物品収納室5の保冷運転において、この保冷運転が冷凍運転(冷凍物品の保冷)或いは冷蔵運転(冷蔵物品の保冷)の何れかが入力される。
【0031】以上のように構成された蓄冷式保冷庫において、次のような2種類の蓄冷運転制御を行うことができる。図7を参照して第1の蓄冷運転制御を説明するに、蓄冷運転を行う際は、まず、蓄冷切替スイッチ25により「冷凍運転」或いは「冷蔵運転」の何れが選択されているかを判定する(S1)。ここで、冷凍運転が選択されているときは、蓄冷剤温度をT1に設定する(T1;例えば蓄冷剤全体凍結温度である−25℃)(S2)。一方、冷蔵運転が選択されているときは、蓄冷剤温度をT2に設定する(T2;例えば蓄冷剤一部凍結温度である−4℃)(S3)。このような蓄冷運転制御において、蓄冷剤温度は蓄冷剤7cの凍結量及び蓄冷量に比例しており、冷凍運転する際は、冷凍物品の保冷に適切な例えばー18℃に物品収納室5を保冷でき、また、冷蔵運転する際は冷蔵物品の保冷に適切な例えば3℃に物品収納室5を保冷できる。
【0032】次に、図8を参照して第2の蓄冷運転制御を説明する。蓄冷運転を行う際は、まず、蓄冷切替スイッチ25により「冷凍運転」或いは「冷蔵運転」の何れが選択されているかを判定する(S11)。ここで、冷凍運転が選択されているときは、前述の第1の蓄冷運転制御と同様に蓄冷剤温度をT1(−25℃)に設定する(S12)。一方、冷蔵運転が選択されているときは、外気温度センサ22からの検知信号或いは外気温度情報入力スイッチ24からのスイッチ信号に基づき外気温度が10℃より低いか否かを判定する(S13)。ここで、外気温度が10℃より高いときは、前述の第1の蓄冷運転制御と同様に蓄冷剤温度をT2(−4℃)に設定する(S14)。他方、外気温度が冬期の如く低く10℃よりも低くなっているときは、蓄冷剤温度をT3(例えば、物品冷蔵温度より僅かに低い温度である1℃)に設定する(S15)。このように、冷蔵物品を保冷するために冷蔵運転する際は、外気温度に基づき冷蔵物品の保冷に適切な温度に物品収納室5を保冷できる。
【0033】また、本実施形態に係る蓄冷式保冷庫において、前述したように冷凍運転か或いは冷蔵運転かにより、蓄冷運転での蓄冷量(凍結量)が異なるが、例えば冷凍運転を行った後に(冷凍物品を運送した後に)、冷蔵運転を行うときは(冷蔵物品を運送するときは)、蓄冷剤7cに残存する蓄冷量が冷蔵運転に必要とする蓄冷量より多くなっている場合がある。このような過剰な蓄冷状態で冷蔵運転を行うときは、冷蔵物品が凍結する等の支障が生ずる。
【0034】このような問題点を解決するため、本実施形態に係る蓄冷式保冷庫においては、図9のフローチャートに示すような蓄冷剤7cの解凍制御を行う。即ち、蓄冷運転を行う際は、まず、蓄冷切替スイッチ25により「冷凍運転」或いは「冷蔵運転」の何れが選択されているかを判定する(S21)。ここで、冷凍運転が選択されているときは、直ちに蓄冷剤7cの蓄冷運転に移行する(S22)。一方、冷蔵運転が選択されたときは、各蓄冷剤温度センサ23a,23b,23cからの検知温度に基づき解凍不良となっているか否かを判定し(S23)、解凍不良となっていない、即ち蓄冷剤7cの温度が冷蔵運転に適する温度よりも高いときには、ステップ22の蓄冷運転に移行する。他方、解凍不良となっているときは、電熱ヒータ7eに通電する(S24)。この電熱ヒータ7eへの通電は蓄冷剤7cが完全に解凍されるまで、即ち、最も解凍し難い箇所の蓄冷剤温度センサ23bの検知温度が解凍温度に達するまで電熱ヒータ7eへの通電を継続し、この解凍温度に達したとき電熱ヒータ7eへの通電を終了する(S25)。その後、ステップ22の蓄冷運転に移行する。
【0035】本実施形態に係る蓄冷式保冷庫によれば、「冷凍運転」或いは「冷蔵運転」を行う際に、冷凍或いは冷蔵運転モードに対応する蓄冷剤7cの凍結量に変更できるし、また、これに外気温度或いは外気温度情報を加えて最適な凍結量に変更できる。
【0036】また、蓄冷運転を行う前に蓄冷剤7cを解凍することができるため、冷蔵運転の際に冷蔵物品が過剰に冷却されることがない。
【0037】図10乃至図13は本発明に係る蓄冷式保冷庫の第2実施形態を示すもので、図10は蓄冷式保冷庫の冷媒回路図、図11は蓄冷式保冷庫の駆動制御回路図、図12は蓄冷運転制御の一例を示すフローチャート、図13は蓄冷運転制御の他の例を示すフローチャートである。
【0038】この第2実施形態では、図10に示すように、蓄冷室6に3つの蓄冷ユニット70a,70b,70cを風の流れ方向に並列に配置しており、各蓄冷ユニット70a,70b,70cを膨張弁2eと圧縮機2aとの間に並列に配管接続している。また、各蓄冷ユニット70a,70b,70cのうち両端に配置された蓄冷ユニット70a,70cの接続配管には冷媒流通を制御する電磁弁71a,71cが配置されている。また、各蓄冷剤ユニット70a,70b,70cにはそれぞれ蓄冷剤温度センサ23a,23b,23cが設置されている。
【0039】また、第2実施形態では、図11に示すように、各電磁弁71a,71cがリレースイッチ26を介して商用電源12に接続しており、それぞれ制御装置19からの制御信号に基づき両者連動してオンオフ駆動する構成となっている。
【0040】なお、その他の構成は前記第1実施形態に係る蓄冷式保冷庫の構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】以上のように構成された第2実施形態に係る蓄冷式保冷庫において、次のような2種類の蓄冷運転制御を行うことができる。図12を参照して第1の蓄冷運転制御を説明するに、蓄冷運転を行う際は、まず、蓄冷切替スイッチ25により「冷凍運転」或いは「冷蔵運転」の何れが選択されているかを判定する(S31)。ここで、冷凍運転が選択されたときは、電磁弁71a,71cを開の状態(オン状態)にして、蓄冷運転を行う。一方、冷蔵運転が選択されているときは、各電磁弁71a,71cをオフしたまま、各蓄冷ユニット70a,70cへの冷媒流通を規制して蓄冷ユニット70bにのみ冷媒を流す(S32)。
【0042】このような蓄冷運転制御により、冷凍運転を行うときは全蓄冷ユニット70a〜70cに蓄冷(全蓄冷凍結)され、また、冷蔵運転を行うときは蓄冷ユニット70bにのみ蓄冷(一部蓄冷凍結)される。従って、冷凍運転或いは冷蔵運転に適宜対応する蓄冷量となる。
【0043】次に、図13を参照して第2の蓄冷運転制御を説明するに、蓄冷運転を行う際は、まず、蓄冷切替スイッチ25により「冷凍運転」或いは「冷蔵運転」の何れが選択されているかを判定する(S41)。ここで、冷凍運転が選択されているときは、前述の第1の蓄冷運転制御と同様に電磁弁71a,71cを開の状態(オン状態)にして、蓄冷運転を行う(S42)。一方、冷蔵運転が選択されているときは、外気温度センサ22の検知温度或いは外気温度情報入力スイッチ24からの入力温度が10℃以下となっているか否かを判定する(S43)。ここで、10℃より高いときは、前記冷凍運転が選択されたときと同様に蓄冷運転を行うが、10℃以下となっているときは各電磁弁71a,71cをオフ状態にして、各蓄冷ユニット70a,70cへの冷媒流通を規制して蓄冷ユニット70bにのみ冷媒を流す。
【0044】このような蓄冷運転制御により、冷凍運転を行うとき又は冷蔵運転で外気温度が10℃より高いときは全蓄冷ユニット70a〜70cに蓄冷(全蓄冷凍結)され、また、冷蔵運転で外気温度が10℃以下のときは蓄冷ユニット70bにのみ蓄冷(一部蓄冷凍結)される。従って、冷蔵運転の際に外気温度に対応した蓄冷量となる。
【0045】なお、第2実施形態に係る蓄冷式保冷庫においても、前記第1実施形態に係る蓄冷式保冷庫と同様に、冷蔵運転の際に蓄冷剤70a,70b,70cに残存する蓄冷量が冷蔵運転に必要とする蓄冷量より多くなっている場合がある。このようなときは、前記第1実施形態と同様に図9の示す解凍制御を行うこととなる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項7の発明によれば、冷凍運転或いは冷蔵運転に合わせて蓄冷剤を凍結することができ、蓄冷剤から供給される冷熱量を冷凍物品又は冷蔵物品の保冷に適切に対応させることができ、冷蔵運転時に冷蔵物品が凍結する等の不具合を起こすことがないし、また、省エネの点でも優れたものとなっている。
【0047】請求項8及び請求項9の発明によれば、加熱装置で各蓄冷ユニットの蓄冷剤を予め完全に解凍し、その後に蓄冷剤を冷却機器で蓄冷でき、蓄冷剤の凍結量を所望値にできる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成12年11月27日(2000.11.27)
【代理人】 【識別番号】100069981
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 精孝
【公開番号】 特開2002−162148(P2002−162148A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−359791(P2000−359791)