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【発明の名称】 冷却装置
【発明者】 【氏名】太田 正明

【要約】 【課題】経済性及び省資源性を高め、高精度で安定性の高い温度制御を実現するとともに、装置自身のコストダウンを図る。

【解決手段】サーモモジュール2の放熱面2hに一面が当接するベースプレート5を備え、当該一面の反対側となるベースプレート5の放熱部位5rに、長方形状に形成した多数の放熱プレート6…の一方の長辺部を固定して突出させるとともに、この放熱プレート6…に対して平行に送風する送風機7を付設して放熱側熱交換器4を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サーモモジュールの冷却面に、被冷却部に循環させる冷却側冷却液を冷却する冷却側熱交換器を付設し、かつ前記サーモモジュールの放熱面に、当該放熱面を冷却する放熱側熱交換器を付設した冷却ユニットを備える冷却装置において、前記放熱面に一面が当接するベースプレートを備え、当該一面の反対面となる前記ベースプレートの放熱部位に、長方形状に形成した多数の放熱プレートの一方の長辺部を固定して突出させるとともに、この放熱プレートに対して平行に送風する送風機を付設して前記放熱側熱交換器を構成したことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】 前記送風機は、前記放熱プレートの短辺部に付設し、当該放熱プレートの長辺部に対して平行に送風することを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】 前記送風機は、前記放熱プレートの長辺部に付設し、前記放熱プレートの短辺部に対して平行に送風することを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーモモジュールを用いた冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サーモモジュール(熱電変換素子)の冷却面に、被冷却部に循環させる冷却側冷却液を冷却する冷却側熱交換器を付設し、かつ前記サーモモジュールの放熱面に、当該放熱面を冷却する放熱側熱交換器を付設した冷却ユニットを備える冷却装置は、既に、本出願人が提案した特開平8−193766号公報で開示される冷却装置(熱交換器)が知られている。
【0003】ところで、この種の冷却装置における冷却側熱交換器の冷却性能は、放熱側熱交換器の冷却能力に大きく左右されるため、通常、放熱側熱交換器には水冷式の熱交換器を使用することにより冷却能力を確保している。なお、熱交換器の冷却媒体には水道水が用いられ、この水道水は垂れ流しとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の冷却装置は、次のような改善すべき課題も残されていた。
【0005】第一に、水道水を垂れ流すため、ランニングコストが大きくなり経済性に劣るとともに、水道水(資源)の浪費を招く。
【0006】第二に、水道水の水温に依存するため、高精度で安定性の高い温度制御を実現しにくい。
【0007】第三に、放熱側熱交換器の構成素材として、水道水に対する耐食性の素材を使用する必要があり、装置自身のコストアップを招く。
【0008】本発明は、このような従来の技術に存在する課題を解決したものであり、経済性及び省資源性に優れ、高精度で安定性の高い温度制御を実現するとともに、装置自身のコストダウンを図ることができる冷却装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明は、サーモモジュール2の冷却面2cに、被冷却部Mに循環させる冷却側冷却液Lmを冷却する冷却側熱交換器3を付設し、かつサーモモジュール2の放熱面2hに、当該放熱面2hを冷却する放熱側熱交換器4を付設した冷却ユニットC1…を備える冷却装置1a,1bを構成するに際して、放熱面2hに一面が当接するベースプレート5を備え、当該一面の反対側となるベースプレート5の放熱部位5rに、長方形状に形成した多数の放熱プレート6…の一方の長辺部を固定して突出させるとともに、この放熱プレート6…に対して平行に送風する送風機7を付設して放熱側熱交換器4を構成したことを特徴とする。
【0010】これにより、放熱側熱交換器4のベースプレート5には、比較的面積の大きい長方形状に形成した多数の放熱プレート6…の長辺部が固定されるとともに、ベースプレート5及び各放熱プレート6…による送風路が形成されるため、空冷式であっても放熱側熱交換器4における十分な冷却能力が確保されるとともに、送風機7に対するインバータ制御等により放熱側熱交換器4の冷却能力が安定化される。
【0011】この場合、好適な実施の形態により、送風機7を放熱プレート6…の短辺部に付設し、当該放熱プレート6…の長辺部に対して平行に送風してもよいし、送風機7を放熱プレート6…の長辺部に付設し、放熱プレート6…の短辺部に対して平行に送風してもよい。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0013】まず、第一実施例に係る冷却装置1aについて、図1〜図6を参照して説明する。
【0014】冷却装置1aは、図4に示すように二台の冷却ユニットC1,C2を備える。冷却ユニットC1は、図1に示すように、ペルチェ素子を用いたサーモモジュール2…の冷却面2c…に、被冷却部Mに循環させる冷却側冷却液Lmを冷却する冷却側熱交換器3を付設するとともに、サーモモジュール2…の放熱面2h…に、当該放熱面2h…を冷却する放熱側熱交換器4(ヒートシンク)を付設して構成する。この場合、冷却側熱交換器3は、内部に冷却側冷却液Lmを通す液路21…を有する。
【0015】他方、放熱側熱交換器4はベースプレート5を備える。ベースプレート5の一面はサーモモジュール2…の放熱面2h…に当接させるとともに、当該一面の反対面となるベースプレート5の放熱部位5rには、長方形状に形成した多数の放熱プレート6…の一方の長辺部を固定する。この場合、各放熱プレート6…は一定間隔おきに配し、かつ放熱部位5rから直角に突出させる。これにより各放熱プレート6…は相互に平行となる。また、ベースプレート5と同一の形状を有する支持プレート22を備え、この支持プレート22の一面における支持部位22sにより、ベースプレート5から突出した放熱プレート6…の先端、即ち、他方の長辺部を固定して支持する。
【0016】支持プレート22に放熱プレート6を固定するに際しては、図1に一部を抽出して示す拡大図のように、支持プレート22の支持部位22sに、平行に突出した一対の突起条23と24を形成し、この突起条23と24の間に放熱プレート6の他方の長辺部を差込んだ後、突起条23と24をかしめることにより固定する。なお、上述したベースプレート5に放熱プレート6の一方の長辺部を固定する場合も、支持プレート22に放熱プレート6を固定する場合と同様に行う。さらに、放熱プレート6…に対して平行に送風する送風機7を付設する。この場合、図3に示すように、送風機7は、放熱プレート6…の一方の短辺部に付設、即ち、ベースプレート5と支持プレート22の端面に取付ける。したがって、放熱プレート6…の短辺部の長さは、送風機7の直径(横幅)と同程度の長さを選定することが望ましい。これにより、ベースプレート5及び各放熱プレート6…による直線の送風路が形成され、送風機7からの送風Wは、放熱プレート6…の長辺部に対して平行となる。なお、25及び26は、ベースプレート5と支持プレート22の上面同士及び下面同士をそれぞれ連結する連結プレートを示す。
【0017】そして、冷却側熱交換器3,サーモモジュール2及び放熱側熱交換器4は、複数の取付ボルト27…を用いて取付板28へ一体に取付ける。なお、取付ボルト27…と取付板28間には、スプリング29…を介在させ、冷却側熱交換器3,サーモモジュール2及び放熱側熱交換器4を、相互に圧接した状態に保持する。これにより、図2に示すように、一体化された冷却ユニットC1を得ることができる。また、他方の冷却ユニットC2も冷却ユニットC1と同一に構成する。したがって、同一の冷却ユニットC1…を任意の数量だけ組合わせることにより実施できる。
【0018】一方、冷却ユニットC1,C2における各冷却側熱交換器3…の液路21…は直列に接続し、冷却ユニットC1側の液路21は、被冷却部M、例えば、レーザ加工機Moにおける放熱部Mhの給液口に接続するとともに、冷却ユニットC2側の液路21は、循環ポンプ31を介して冷却側冷却液Lmを貯留する液槽32に接続し、さらに、この液槽32は放熱部Mhの排液口に接続する。なお、33は液槽32に設けたドレンバルブである。また、34は制御部であり、この制御部34には、インバータ35を介して送風機7…を接続するとともに、各冷却ユニットC1…におけるサーモモジュール2…及び冷却ユニットC1の冷却側熱交換器3と放熱部Mhを接続する配管に付設した温度センサ36をそれぞれ接続する。
【0019】他方、図5及び図6は、冷却装置1における各部のレイアウトを示す。41はケーシングを示す。上述した冷却ユニットC1とC2は二段重ねとし、各送風機7…の送風方向後方、即ち、ケーシング41の左側面41pには、空気取込部37を設けるとともに、送風方向前方、即ち、ケーシング41の右側面41qには、空気排出部38を設ける。その他、図5及び図6において、図4と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0020】このように構成される冷却装置1aは次のように動作する。まず、制御部34の制御により、サーモモジュール2…に給電すれば、サーモモジュール2…の冷却面2c…により冷却側熱交換器3が冷却されるとともに、サーモモジュール2…の放熱面2h…により放熱側熱交換器4が加熱される。また、循環ポンプ31の作動により冷却側冷却液Lmが循環し、冷却側熱交換器3により冷却された冷却側冷却液Lmは、レーザ加工機Moの放熱部Mhに供給され、放熱部Mhの冷却が行われる。なお、制御部34により、温度センサ36の温度検出結果に基づいて送風機7の回転数(送風量)を可変制御したりサーモモジュール2…の給電量を可変制御するなどの冷却装置1に対する全体的な制御が行われる。
【0021】また、送風機7により放熱側熱交換器4の冷却(空冷)が行われる。この場合、送風機7の作動により、外部の空気は、ケーシング41の左側面41pに設けた空気取込部37から取入れられる。そして、送風Wは、送風機7を通って放熱側熱交換器4の放熱プレート6…に進入する。この際、ベースプレート5及び各放熱プレート6…による直線の送風路が形成されているため、送風Wは、図3に示すように放熱プレート6…の長辺部に対して平行となる。即ち、送風Wは、ベースプレート5及び放熱プレート6…によりガイドされ、ケーシング41の右側面41qに設けた空気排出部38から外部に排出される。
【0022】次に、第二実施例に係る冷却装置1bについて、図7〜図9を参照して説明する。
【0023】第二実施例は第一実施例に対して、送風機7の付設位置を異ならせた点が異なる。即ち、第一実施例に係る冷却装置1aは、送風機7を放熱プレート6…の短辺部に付設したが、第二実施例に係る冷却装置1bは、送風機7を放熱プレート6…の長辺部に付設した。したがって、第二実施例では、第一実施例の放熱側熱交換器4で使用した支持プレート22(図1)は使用せず、この支持プレート22の代わりに、図8に示す二つの送風機7…を付設して構成した。送風機7…の取付に際しては、図7に示すように連結プレート25,26の先端にブラケット51を取付け、このブラケット51に二つの送風機7…を取付けて固定する。なお、放熱プレート6…は、いわゆる片持式により先端を自由端としてもよいし、短辺部の先端側をブラケット51に固定してもよい。
【0024】これにより、外部の空気は、図9に示すように、ケーシング41の背面41rに設けた空気取込部52から取入れられる。そして、図8に示すように、送風Wは送風機7…を通って放熱側熱交換器4の放熱プレート6…に進入し、ベースプレート5の放熱部位5rに吹き付けられる。即ち、送風Wは、放熱プレート6…の短辺部に対して平行となる。一方、各放熱プレート6…による送風路が形成されているため、放熱部位5rに吹き付けられた送風Wは、図8に示すように左右両側に広がり、放熱プレート6…の両短辺部から排出されるとともに、図9に示すケーシング41の左右側面に設けた空気排出部53…から排出される。
【0025】なお、第二実施例における他の構成は第一実施例と同じである。したがって、図7〜図9において、図1〜図6と同一部分については同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0026】図10は、室温30〔℃〕,冷却側冷却水Lmの設定温度25〔℃〕の条件下におけるサーモモジュール2…の枚数に対する冷却熱量Q〔W〕の特性Aa,Abを示すとともに、サーモモジュール2…の枚数に対する放熱側熱交換器4の温度T〔℃〕の特性を示す。同図において、特性Aa,Baは第一実施例に係る冷却装置1aの実測結果を示し、特性Ab,Bbは第二実施例に係る冷却装置1bの実測結果を示す。
【0027】このように、本実施例に係る冷却装置1a,1bによれば、放熱側熱交換器4のベースプレート5には、比較的面積の大きい長方形状に形成した多数の放熱プレート6…の長辺部が固定されるとともに、この放熱プレート6…により送風路が形成されるため、空冷式であっても放熱側熱交換器4における十分な冷却能力が確保されるとともに、送風機7のインバータ制御等により放熱側熱交換器4の冷却能力が安定化される。
【0028】よって、従来のように水道水を使用しないで済むため、経済性及び省資源性に優れるとともに、放熱側熱交換器4における冷却能力の安定化により、高精度で安定性の高い温度制御を実現できる。しかも、放熱側熱交換器4は空冷式により実現できるため、構成の簡略化による装置自身のコストダウンを図ることができる。
【0029】以上、実施例について詳細に説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細部の構成,形状,数量,素材等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更,追加,削除することができる。例えば、実施例は、冷却ユニットC1…を二つ用いた場合を例示したが、冷却装置1の仕様に応じて、一つ又は三つ以上組合わせて使用できる。
【0030】
【発明の効果】このように、本発明に係る冷却装置は、サーモモジュールの放熱面に一面が当接するベースプレートを備え、当該一面の反対面となるベースプレートの放熱部位に、長方形状に形成した多数の放熱プレートの一方の長辺部を固定して突出させるとともに、この放熱プレートに対して平行に送風する送風機を付設して放熱側熱交換器を構成したため、次のような顕著な効果を奏する。
【0031】(1) 放熱側熱交換器のベースプレートには、比較的面積の大きい長方形状に形成した多数の放熱プレートの長辺部を固定するとともに、ベースプレート及び各放熱プレートによる送風路を形成するため、水道水を使用しない空冷式であっても放熱側熱交換器の十分な冷却能力を確保でき、経済性及び省資源性を高めることができる。
【0032】(2) 送風機をインバータ制御するなどにより、放熱側熱交換器の冷却能力を安定化できるため、高精度で安定性の高い温度制御を実現できる。
【0033】(3) 放熱側熱交換器は空冷式により実現できるため、装置自身のコストダウンを図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000103921
【氏名又は名称】オリオン機械株式会社
【出願日】 平成12年11月21日(2000.11.21)
【代理人】 【識別番号】100088579
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 茂
【公開番号】 特開2002−162142(P2002−162142A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−354795(P2000−354795)