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【発明の名称】 冷凍サイクル装置
【発明者】 【氏名】須川 昌晃

【氏名】倉地 光教

【氏名】川▲崎▼ 雅夫

【氏名】佐多 裕士

【氏名】郡嶋 宗久

【氏名】山谷 貴宏

【要約】 【課題】冷媒回路における配管構造の簡素化を図るとともに配管材料やロー付け箇所を大幅に低減させることにより、コスト低減、高信頼性、軽量、小スペース、高サービス性を実現し得る冷凍サイクル装置を提供すること。

【解決手段】この冷凍サイクル装置は、制御機器と、制御機器周りの冷媒通路9d,9e,9f,9gと、接続ポート61,62,63をブロック体30に設けた装置であって、ブロック体30内に、冷媒通路9dを開閉する弁部15と、一端が弁部15の設置空間38aと連通し他端が外部に開口する穴部38bとを設け、弁部15と連結されるバルブ棒33を穴部38b内に収容し、穴部38bを密封する栓体35,36を穴部38bに着脱可能に設け、栓体36を外した穴部38bを通してバルブ棒33を外部から操作することにより弁部15を駆動して冷媒通路9dを開閉する構成にしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁弁等の冷媒回路の制御機器を塊状のブロック体に内蔵させるとともに、上記制御機器周りの冷媒通路を上記ブロック体内に形成し、さらに上記冷媒通路と、圧縮機、室内機側熱交換器、または室外機側熱交換器等の冷媒回路の主要機器とを接続する接続ポートを上記ブロック体に設けた冷凍サイクル装置において、上記ブロック体内に、上記冷媒通路を開閉する弁部と、一端が上記弁部の設置空間と連通し他端が外部に開口する穴部とを設け、上記弁部と連結されるバルブ棒を上記穴部内に収容し、上記穴部を密封する栓体を上記穴部に着脱可能に設け、上記栓体を外した上記穴部を通して上記バルブ棒を外部から操作することにより上記冷媒通路を開閉する構成にしたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項2】 ブロック体の穴部の内周面に周回溝を設け、上記周回溝にバルブ棒を位置規制するストッパーを挿入支持させるとともに、上記穴部における上記周回溝の配設位置を、上記周回溝に挿入された上記ストッパーの下端面位置と上記穴部に収容された上記バルブ棒の上端面位置との間に微小隙間を持たせる位置に設定したことを特徴とする請求項第1項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】 ストッパーを線材で形成したことを特徴とする請求項第2項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】 ストッパーを板材で形成したことを特徴とする請求項第2項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】 塑性変形可能なストッパーを折り曲げ形状に形成し、上記ストッパーの折り曲げ方向の外径をブロック体の穴部の内径よりも小さく設定したことを特徴とする請求項第2項ないし第4項のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調機や冷凍機等に代表される冷凍サイクル装置に係り、特に冷媒回路における冷媒配管構造の簡素化手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、冷凍サイクル装置の代表である冷凍機を用いて従来の技術を説明する。この種の冷凍機の冷媒回路は、図15に示すように、回路の主要機器である圧縮機1、室外機側熱交換器2、ショーケース等に取付けられる室内機側熱交換器3、および液だめレシーバー4と、回路の制御機器である減圧機構6、逆止弁7、およびキャピラリーチューブ8等を冷媒配管9で接続して構成されていて、ショーケース等を冷却するようになっている【0003】また、一般に冷凍機は、図示のように室外機側ユニットAと、室内機側(クーラ側)ユニットBとが分離した構成にされていて、室外機側ユニットAの冷媒配管9aと室内機側ユニットBの冷媒配管9bとが吸入操作弁10a、液操作弁10b等の接続具を介して接続されている。図中、実線の矢印は冷媒の流れを示している。
【0004】ところで、前述した冷凍機の室外機側ユニットAでは、図15に示したように、冷媒回路の主要機器である圧縮機1、室外機側熱交換器2、逆止弁7、キャピラリーチューブ8等を接続する多数の冷媒配管9が様々な方向に折り曲げられて配設されている。これらの主要機器と冷媒配管9とはロー付け等により相互に接続されている。
【0005】また、特に冷凍機の運転は、低圧側の冷媒からの熱伝達で物を冷却して冷凍させるため、冷媒温度を氷点下付近または氷点下以下にして運転される。従って、低圧側運転圧力は低くなり高圧縮比運転となる。そのため、運転条件によっては冷媒特性上、高圧側の冷媒温度が上昇して圧縮機1の許容吐出温度よりも高くなる場合がある。そこで、吐出温度上昇防止等のために、室外機側熱交換器2から減圧機構6へ至る冷媒配管(高圧側の液ライン)9cや液だめレシーバー4から液冷媒の一部を取り出して、圧縮機1の吸込側等の低温低圧ガス回路または圧縮機1内の中間圧部へバイパスさせるインジェクション回路12を有している。このインジェクション回路12は、インジェクション量調整用の電磁弁14、キャピラリー8、ボールバルブ15a等で構成されている。
【0006】このような冷凍機は、サービスやメンテナンスの際に圧縮機1内の冷凍機油交換等が行われる。その場合、冷凍機をポンプダウン運転することで冷媒回路中の大部分の冷媒を液だめレシーバー4等に溜め、吸入操作弁10a、吐出操作弁10c、インジェクション回路12のボールバルブ15aを閉じることにより、圧縮機1近傍で冷媒回路を遮断し、圧縮機1の近傍回路中の微少冷媒のみを放出させるだけで、サービスやメンテナンス作業を行えるようになっている。そのため、作業前後で冷媒回路内の冷媒量の変動がほとんどなく、冷媒回路全体におよぶ長時間の真空引きや、大量の冷媒追加チャージを防止するようになっている。圧縮機の交換時も同様である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の冷凍機は主要機器間、制御機器間、および主要機器と制御機器の間がすべて冷媒配管によって接続されているので、組立に必要な冷媒配管部品の種類や使用量が多く、コストアップの原因になっていた。また、ロー付け箇所が非常に多く、かつ、冷媒配管の形状が複雑になるため、ロー付け作業が面倒であり、組立作業が複雑、かつ、困難であった。さらには、各機器間を複雑な配置にした冷媒配管で接続するため、配管接続に必要なスペースも大きくなり、室外機側ユニット全体が大型化するという問題点もあった。
【0008】また、サービス等の観点から圧縮機の近傍回路をバルブ等により冷媒回路から遮断する機構が必要であった。特に、冷凍機等でインジェクション機能が必要な場合は、インジェクション回路にも回路遮断用のボールバルブ等の追加が必要で、コストアップにつながるとともに配管構造がさらに複雑となり、組立性の悪化や大型化を招いていた。
【0009】かかる配管形状および組立の複雑化改善、省スペース化の方法として、特公平7−37866号公報に開示された従来例を図16に示す。この場合は、吐出ラインの高温冷媒を流す冷媒通路と吸入ラインの低温冷媒を流す冷媒通路が形成された配管ユニットを用いる構造を示す。図16において、配管ユニット11は冷媒回路の制御機器である四方弁13、二方弁18と他の機器との接続ポート19a,19b,19c,19d,20,21,22a,22b,23a,23bを形成したブロック体として構成されている。この配管ユニット11を用いて冷媒回路を構成する場合に、配管ユニット11の吐出用接続ポート19a、吸入用接続ポート19bに、圧縮機の吐出配管、吸入配管(ともに図示せず)をそれぞれ接続させる。また、室外機側熱交換器(図示せず)は配管ユニット11の室外用接続ポート19c,20に接続配管(図示せず)を介してそれぞれ接続される。また、室内機側熱交換器等を有する室内機側ユニット(図示せず)は、配管ユニット11の接続ポート19d,21に接続配管(図示せず)を介してそれぞれ接続される。さらに、配管ユニット11の接続ポート22a,22b,23a,23bにはキャピラリーチューブおよび膨張弁等の減圧機構(ともに図示せず)を接続させている。以上のように、複雑な配管形状をひとつのブロック体内に形成し、そこに各部配管を接続することで、配管形状および組立の複雑化を改善して省スペース化を図るようになっている。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、冷媒回路における配管構造の簡素化を図るとともに配管材料やロー付け箇所を大幅に低減させることにより、コスト低減、高信頼性、軽量、小スペース、高サービス性を実現し得る冷凍サイクル装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、この発明に係る冷凍サイクル装置は、電磁弁等の冷媒回路の制御機器を塊状のブロック体に内蔵させるとともに、制御機器周りの冷媒通路をブロック体内に形成し、さらに冷媒通路と、圧縮機、室内機側熱交換器、または室外機側熱交換器等の冷媒回路の主要機器とを接続する接続ポートをブロック体に設けた冷凍サイクル装置において、ブロック体内に、冷媒通路を開閉する弁部と、一端が弁部の設置空間と連通し他端が外部に開口する穴部とを設け、弁部と連結されるバルブ棒を穴部内に収容し、穴部を密封する栓体を穴部に着脱可能に設け、栓体を外した穴部を通してバルブ棒を外部から操作することにより冷媒通路を開閉する構成にしたものである。
【0012】また、前記の構成において、ブロック体の穴部の内周面に周回溝を設け、周回溝にバルブ棒を位置規制するストッパーを挿入支持させるとともに、穴部における周回溝の配設位置を、周回溝に挿入されたストッパーの下端面位置と穴部に収容されたバルブ棒の上端面位置との間に微小隙間を持たせる位置に設定したものである。
【0013】そして、請求項2の構成において、ストッパーを線材で形成したものである。
【0014】さらに、請求項2の構成において、上記ストッパーを板材で形成したものである。
【0015】また、請求項2〜4の各構成において、ストッパーを折り曲げ形状に形成し、ストッパーの折り曲げ方向の外径をブロック体の穴部の内径よりも小さく設定したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】発明の実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置として冷凍機を示す概略構成図である。図1において、冷媒回路の主要機器として、1は圧縮機、2は室外機側熱交換器、3はショーケース等に取付けられる室内機側熱交換器、4は液だめレシーバーである。また、冷媒回路の制御機器として、6は減圧機構、7は逆止弁である。これらは冷媒配管9により接続されて冷媒回路を構成し、ショーケース等を冷却するようになっている。また、冷凍機は室外機側ユニットAと室内機側(クーラ側)ユニットBとに分離していて、室外機側ユニットAの冷媒配管9aと室内機側ユニットBの冷媒配管9bとが吸入操作弁10a、液操作弁10b等の接続具を介して接続されている。図中、実線の矢印は冷媒の流れを示している。20は冷媒回路中に構成されたインジェクション回路であり、液ライン9cまたは液だめレシーバー4からの液冷媒の一部を圧縮機1の吸入管または圧縮機1の機内に導入するようになっている。このインジェクション回路20において、前記液冷媒の一部は弁部15を経たのち任意の流量が流れるよう設定したキャピラリー8a、キャピラリー8bを通して圧縮機1の吸入管または圧縮機1の機内に導入される。14a,14bはそれぞれのキャピラリー8a,8bへの冷媒通路9f,9gを開閉することで必要インジェクション流量を切り替える電磁弁である。
【0018】図2は図1に示したインジェクション回路20の一部を示す概略構成図である。図2において、30はインジェクション回路20の一部を形成する塊状のブロック体、31は冷媒通路9dを遮蔽または開通させるボールであり、中央に流路穴31bが設けられている。32はブロック体30とボール31を摺動自在にシールするバルブシートである。これらボール31、バルブシート32,32とから、弁部15が構成される。33はブロック体30内に挿入されて支持されるバルブ棒であり、その先端の平坦部をボール31に設けた切欠き溝31aに挿入することで、ボール31と同位相になるように連結されている。言いかえれば、バルブ棒33を回すとボール31が同じように同位相で回転するので、ボール31の回転位置(すなわち、バルブ棒33の回転位置)によってボール31の流路穴31bがバルブシート32の流路穴32aと連通あるいは閉鎖して冷媒通路9dが開閉される。34はバルブ棒33に挿入されたOリング、35は中央に貫通穴35aを有する栓であり、バルブ棒33の上端面との間に微小隙間を有してブロック体30に固定され、かつ、メタルシール等によって大気空間とブロック体30内の冷媒通路9dとを遮断することで冷媒漏れを防ぐように構成されている。36はパッキン36aとともに栓35の貫通穴35aを封止するためのサービス栓である。37はブロック体30にボール31とバルブシート32,32を挿入後、任意の押付け力でボール31とバルブシート32,32を密着させてシールするフタである。また、38aはブロック体30の側面から冷媒通路9dに連通して穿設された弁部15の設置空間であり、ボール31、バルブシート32,32、バルブ棒33の先端を収容し、フタ37で密封されるようになっている。38bは一端が弁部15の設置空間38aと連通し他端がブロック体30の上面で外部に開口する穴部であり、バルブ棒33を収容し、栓35、パッキン36a、およびサービス栓36で開閉可能に密封されるようになっている。以上、それぞれインジェクション回路20の一部を構成する弁部15、電磁弁14a,14bをひとつのブロック体30内に設けてある。
【0019】次に、ブロック体30の各接続ポート61,62,63への相関関係、および通常運転時の冷媒の流れについて説明する。液だめレシーバー4または液ライン9cから分岐した冷媒配管はブロック体30に組み込まれたフタ37の接続ポート61に接続されているので、液だめレシーバー4からの冷媒はバルブシート32の流路穴32aおよびボール31の流路穴31bを経て電磁弁14aに入る。ユニットの運転条件により、インジェクションが不要な場合(たとえば、圧縮機1の吐出温度が低い場合等)、電磁弁14aは開かれず冷媒通路9dを遮断しているので、電磁弁14aの下流側に冷媒が流れず、従ってインジェクションされない。運転条件によりインジェクションが必要な場合は、電磁弁14aを開、電磁弁14bを閉とすることで、冷媒は冷媒通路9fを通ってのキャピラリー8aに流れる。また、更に多量のインジェクション流量が必要な場合は電磁弁14a,14bをともに開にすることで冷媒通路9gにも冷媒が流れるので、必要に応じてインジェクション流量を調整できる。それぞれのキャピラリー8a,8bを通過した冷媒は合流したのち圧縮機1の吸入管または圧縮機1の機内に流入する。
【0020】次に弁部15の開閉時(サービス時)の機能、および組立性について説明する。ブロック体30の設置空間38a内に側面開口からバルブシート32、ボール31、バルブシート32を挿入し、任意の寸法設定にしたフタ37を締付けることで、バルブシート32、ボール31を設定荷重でブロック体30の内面に押付ける。これにより、ブロック体30〜バルブシート32、バルブシート32〜ボール31、バルブシート32〜フタ37間のシール性が確保され、ボール31に設けた流路穴31bが、バルブシート32の通路穴32aに開口していない時、冷媒通路9dと設置空間38aが気密にされる。設置空間38aと外部とは、フタ37とブロック体30のメタルシールによって気密にされる。設置空間38aと穴部38bとは、バルブ棒33の外周に装着されたOリング34により分離され気密にされている。また、穴部38bは、ブロック体30と栓35のメタルシール、並びに、栓35、パッキン36a、およびサービス栓36によって外気と気密にされている。
【0021】圧縮機1のサービス時等は、通常、ポンプダウン運転で大部分の冷媒を液だめレシーバー4等に溜めた後、吸入操作弁10a、吐出操作弁10c、およびブロック体30の弁部15を閉じることで、圧縮機1の近傍回路を残りの冷媒回路から遮断する。この場合、まず、サービス栓36を栓35から取り外し、栓35の貫通穴35aを通してバルブ棒33を操作する。バルブ棒33の上端には操作溝33aを設けてあり、外部から貫通穴35aおよび穴部38bを通してマイナスドライバー等を操作溝33aに挿入して操作しボール31を回転させることで、ボール31の流路穴31bを閉じることができる。バルブ棒33には予め従来のボールバルブ15a(図15参照)と同じように90°の回転規制用ストッパー(図示せず)を設けてある。従って、たとえば右にストッパー位置まで回転させればバルブ開、逆に左にストッパー位置まで回転させればバルブ閉となるように設定されている。仮に、設置空間38aに冷媒通路9dから冷媒が洩れて圧力が上昇していた場合、サービス時はサービス栓36を外すため穴部38bが大気圧まで低下する。そのため、圧力は「穴部38b<設置空間38a」となり、バルブ棒33には外に押し出す向きの差圧が作用する。その場合でも、バルブ棒33は穴部38bの内面に固定支持された栓35の底面に当接して位置規制されるので、穴部38bから外部へ飛び出すことはない。
【0022】また、図3は、バルブ棒飛出し防止機能を有する栓35の替わりに、ブロック体30そのものにバルブ棒飛び出し防止用のストッパー43を一体形成した場合を示している。38cはブロック体30の上面から設置空間38aに連通して穿設された穴部であり、バルブ棒39を収容しサービス栓40で密封されるようになっている。但し、この構成における問題点も存在する。たとえば、組立時にバルブ棒39を設置空間38a側から挿入しなければならず作業性が悪いこと、またバルブ棒39の挿入時に付随するOリング34の断裂防止のために穴入口41に面取り加工またはテーパ加工を施す必要があること(実質不可能)、穴部38cの途中にバルブ棒飛出し防止用のストッパー43が突設されているために、バルブ棒挿入穴44の加工が中繰り加工にならざるを得ないこと、等の課題がある。しかしながら、これらの問題点は図2に示した実施例1で改善され、生産性(加工性、組立性)、信頼性も高められている。
【0023】従って、この冷凍サイクル装置によれば、ブロック体30自体に冷媒回路の制御機器周りの冷媒通路9d,9e,9f,9gおよび冷媒回路の主要機器との接続ポート61,62,63が形成され、かつ、弁部15が内蔵されているので、ロー付け箇所が大幅に減少し、冷媒配管構造が簡素化される。従って、室外機側ユニットAを小型化することができる。加えて、弁部15を外部からでも開閉操作できるので、サービス性を大幅に改善できる。なお、上記実施の形態ではブロック体30内に、冷媒回路の制御機器である電磁弁14a,14b、弁部15等を内蔵させるとともに、これらの制御機器周りの冷媒通路9d,9e,9f,9gおよび冷媒回路の主要機器との接続ポート61,62,63を形成した場合を示したが、これら以外で上記機構まわりの冷媒通路をブロック体30内に組込むようにしてもよい。
【0024】発明の実施の形態2.図4において、50はブロック体30の穴部38bの内周面に設けられた周回溝、51は周回溝50に挿入支持されるC型止め輪で代用したストッパー、52はブロック体30にネジ等により固定されてメタルシールされ、外気と穴部38bとを遮断するサービス栓である。以上、それぞれインジェクション回路20を構成する弁部15、電磁弁14a,14bをひとつのブロック体30内に設けてある。なお、穴部38bにおける周回溝50の配設位置は、周回溝50に挿入された状態のストッパー51の下端面51dの位置と穴部38bに収容されたバルブ棒33の上端面33uの位置との間に微小隙間dを持たせる位置に設定されている。そして、設置空間38aと穴部38bとは、Oリング34によって気密状に分離されている。また、穴部38bはブロック体30とサービス栓52とのメタルシールによって外気と気密にされている。
【0025】そこで、圧縮機1のサービス時等は、サービス栓52をブロック体30から取り外し、バルブ棒33を外部から操作する。バルブ棒33の上端面33uには操作溝33aを設けてあるので、マイナスドライバー等を操作溝33aに挿入してバルブ棒33を回転させることでボールの流路穴31bを閉じることができる。バルブ棒33には予め従来のボールバルブと同じように90°の回転規制用ストッパー(図示せず)を設けてあり、たとえば右にストッパー位置まで回転させればバルブ開、逆に左にストッパー位置まで回転させればバルブ閉となるように設定されている。仮に、設置空間38aに冷媒通路9dからの冷媒が洩れて圧力が上昇していた場合、サービス時はサービス栓52が外されるので穴部38bは大気圧まで低下する。そのため、圧力は「穴部38b<設置空間38a」となり、バルブ棒33を外に押し出そうとする差圧が生じる。その場合でも、バルブ棒33は穴部38bの周回溝50に挿入されたストッパー51に当接して位置規制されるので、穴部38bから外へ飛び出さない。また、ストッパー51として標準品のC型止め輪を使ったことで、コスト低減が可能になる。
【0026】発明の実施の形態3.図5において、50はブロック体30の穴部38bの内周面に設けられた周回溝、54はバルブ棒33の上端面との間に微小隙間を有して周回溝50に挿入されたストッパーであり、バネ鋼等の線材を四葉状に曲げて成形されている。また、このストッパー54も、マイナスドライバー等によりバルブ棒33を開閉操作できるように、中央部が開放して形成されている。52はブロック体30の穴部38bにネジ等により固定され、かつ、メタルシール等によって外気と穴部38bとを気密遮断するサービス栓である。また、図6はバネ材(線材)で成形されたストッパーの平面図、図7は差圧が作用したときにストッパー54にかかる荷重分布を示す説明図である。
【0027】ストッパー54は、フリーの状態では穴部38bの周回溝50の外径と同等の外径に設定されている。そこで、ストッパー54を周回溝50に挿入する場合は、図6に示すように、ストッパー54のくびれ部54aを先細ペンチ等の治具で挟み込んで弾性変形させ、外径を小さくした状態で周回溝50に挿入する。その後、フリーにすると、ストッパー54は拡がって周回溝50内に収まるのである。仮に、設置空間38aに冷媒通路9dからの冷媒もれがあってバルブ棒33に外に押し出そうとする差圧が作用した場合、図7に示すように、バルブ棒33の底面全体に圧力が作用するため、ストッパー54には、せん断力が作用する。
【0028】したがって、作用する圧力に対して十分なせん断耐力を有するように、ストッパー54の線径、材料、周回溝50に入り込む湾曲部分の数を適切に選定すれば、ストッパー54が破壊すること無く確実にバルブ棒33の飛出しを防止できる。そのうえ、簡単な組立により組立性がよく、省コスト、省スペース、高サービス性の構造が得られる。また、ストッパー54の中央部が開放しているので、バルブ棒33の開閉操作に支障がないことは言うまでもない。
【0029】発明の実施の形態4.本発明の実施の形態4を図8および図9により説明する。図8において、55はバルブ棒33の上端面と微小隙間を有する位置で周回溝50に挿入されたストッパーであり、バネ板等の板材で成形されている。また、マイナスドライバー等によりバルブ棒33を開閉操作できるように、ストッパー55の中央部には貫通穴55aが設けられている。また、図9は板材で成形されたストッパーの構造図である。
【0030】ストッパー55は、フリーの状態では穴部38bの周回溝50の外径と同等の外径に設定されている。そこで、周回溝50に挿入する場合は、ストッパー55における長尺側の両端を先細ペンチ等の治具で挟み込んで弓形等に弾性変形させ、外径を小さくする。このように外径を小さくした状態で周回溝50に挿入する。その後、フリーにするとストッパー55は拡がって周回溝50内に収まるのである。仮に、設置空間38aに冷媒通路9dからの冷媒もれがありバルブ棒33に外に押し出そうとする差圧が作用した場合、図7と同様に、バルブ棒33の底面全体に圧力が作用するため、ストッパー55にせん断力が作用する。したがって、作用する圧力に対して十分なせん断耐力を有するように、ストッパー55の肉厚、材料、周回溝50に入り込む周方向長さを適切に選定すれば、ストッパー55が破壊すること無く、確実にバルブ棒33の飛出しを防止できる。かかるストッパー55の提供により、簡単で組立性がよく、省コスト、省スペース、高サービス性の構造が得られる。また、ストッパー55の中央部には貫通穴55aを有しているので、バルブ棒33の開閉操作に支障がないことは言うまでもない。
【0031】発明の実施の形態5.本発明の実施の形態5を図10〜13により説明する。図10において、56はバルブ棒33の上端面との間に微小隙間を有する位置で周回溝50に挿入されるストッパーであり、板材で成形されている。また、マイナスドライバー等によりバルブ棒33の開閉操作を行えるようにするため、ストッパー56の中央部に貫通穴56aを設けてある。図11〜13に示すように、ストッパー56は側面視への字状の折り曲げ形状に形成されており、折り曲げ方向の外径ΦD1が穴部38bの内径ΦDよりもわずかに小さく(ΦD≧ΦD1)なるように設定されている。すなわち、ストッパー56は穴部38bを通れるように形成されている。また、ストッパー56を周回溝50へ容易に挿入するため、周回溝50の下面位置はバルブ棒33の上端面位置と同等高さ以下に設定されている。
【0032】組立時には、折り曲げたストッパー56を穴部38bに挿入してバルブ棒33の上端面に載置する。その状態で外部からストッパー56を加圧し塑性変形させることで、ストッパー56を展開させ、両端を周回溝50内に挿入して支持させる。仮に、設置空間38aに冷媒通路9dからの冷媒もれがありバルブ棒33に外に押し出そうする差圧が作用した場合、図7と同様に、バルブ棒33の底面全体に圧力が作用するため、ストッパー56にせん断力が作用する。したがって、作用する圧力に対して十分なせん断耐力を持たせるよう、ストッパー56の肉厚、材料、周回溝50に入り込む周方向長さを適切に選定すれば、ストッパー56が破壊すること無く、確実にバルブ棒33の飛出しを防止できる。そのうえ、組立時にはバルブ棒33の上に置いたストッパー56をプラスチックハンマー等で軽くたたいて展開させるだけでよいので、簡単で作業性がよく、省コスト、省スペースの構造が得られる。また、ストッパー56の中央部に貫通穴55aを有しているので、バルブ棒33の開閉操作に支障はない。
【0033】更に、図14に示したストッパー56のように、長尺方向の両端56bをストッパー56中央部の折り曲げ方向とは逆向きに折り返した、いわば側面視逆テーパ状に成形したものも例示することができる。かかるストッパー56によれば、加圧によりストッパー56が展開されるに伴って逆テーパがついているので、周回溝50への挿入容易性が向上する。よって、組立性改善、バラツキ低減による信頼性向上につながることはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る冷凍サイクル装置は、ブロック体内における弁部の設置空間と連通する穴部内に、弁部と連結されるバルブ棒を収容するとともに、穴部を密封する栓体を着脱可能に穴部に設けてあるので、冷媒回路における配管構造の簡素化を図ることができ、配管材料やロー付け箇所を大幅に低減し得る。そのうえ、サービス時の作業性改善が図れるので、低コスト、高信頼性、軽量、小スペース、高サービス性、作業の高効率化といった効果を奏する冷凍サイクル装置を提供することができる。加えて、栓体を外した穴部を通してバルブ棒を外部から操作して弁部を作動させることができ、これによりブロック体内の冷媒通路を開閉することができるので、サービス性がさらに高まる。
【0035】そして、ストッパーを折り曲げ形状に形成し、ストッパーの折り曲げ方向の外径をブロック体の穴部の内径よりも小さく設定してあるので、折り曲げ状態のストッパーを穴部内の周回溝の位置まで容易に挿入することができる。続いて、ストッパーの折り曲げ部分を押圧したり叩いたりして展開させることにより、ストッパーを周回溝内に容易に挿入支持させることができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年12月1日(2000.12.1)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2002−168545(P2002−168545A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−367643(P2000−367643)