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【発明の名称】 マルチ形空調装置
【発明者】 【氏名】岡 野 俊 也

【氏名】山 口 和 也

【要約】 【課題】マルチ形空調装置において、別駆動源としてのエンジンなどの配設や、あるいはガスエンジンなどによる自家発電設備を併設する場合に、その設備費用や設置スペースを低減し、また、暖房運転の効率化を図ること。

【解決手段】室外ユニット(U1、U2)を複数台設け、それらの室外ユニット(U1、U2)間を並列に接続した配管が室内ユニット(20)からの配管に接続され、室外ユニット(U1、U2)の運転台数を制御して空調負荷に対応するマルチ形空調装置において、少なくとも1台の室外ユニット(U1)を発電機(32)駆動用のエンジン(31)動力によって無段変速機(33)を介して駆動し、その他の室外ユニット(U2)を電動機動力駆動として、その電動機動力駆動の室外ユニット(U2)の少なくとも1台に冷媒と前記エンジン動力駆動室外ユニットの駆動エンジン(31)の排熱と熱交換を行う熱交換器(5)を設け、暖房時にその熱交換器(5)を低温側熱源としたヒートポンプとして作動するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室外ユニットを複数台設け、それらの室外ユニット間を並列に接続したラインが室内ユニットに連通しており、室外ユニットの運転台数を制御して空調負荷に対応するマルチ形空調装置において、少なくとも1台の室外ユニットは発電機駆動用燃焼機関の出力を変速手段を介して伝達されて駆動する様に構成されており、その他の室外ユニットを電動機動力駆動に構成して、電動機動力駆動の室外ユニットの少なくとも1台に、その内部を循環する冷媒と前記発電機駆動用燃焼機関の排熱と熱交換を行う熱交換器を設け、暖房運転に際しては前記熱交換器を低温側熱源とするヒートポンプとして作動する様に構成されていることを特徴とするマルチ形空調装置。
【請求項2】 前記熱交換器が室外ユニットのコンプレッサ吸入側に配設されている請求項1のマルチ形空調装置。
【請求項3】 前記電動機動力駆動の室外ユニットは、前記エンジンで駆動される発電機から供給される電力で駆動するか、或いは、前記エンジンで駆動される発電機から供給される電力と商用電源との併用で駆動される様に構成されている請求項1、2のいずれか1項のマルチ形空調装置。
【請求項4】 前記電動機動力駆動室外ユニットの少なくとも1台は、そのコンプレッサ容量が、機械的動力駆動室外ユニットのコンプレッサ容量の1/2以下である請求項1−3のいずれか1項のマルチ形空調装置。
【請求項5】 室外ユニットを複数台設け、それらの室外ユニット間を並列に接続したラインが室内ユニットに連通しており、室外ユニットの運転台数を制御して空調負荷に対応するマルチ形空調装置において、少なくとも1台の室外ユニットは発電機駆動用燃焼機関の出力を伝達されて駆動する様に構成されており、該発電機駆動用燃焼機関の出力側と発電設備とは変速手段を介して連結されており、前記室外ユニット以外の室外ユニットを電動機動力駆動に構成して、電動機動力駆動の室外ユニットの少なくとも1台に、その内部を循環する冷媒と前記発電機駆動用燃焼機関の排熱と熱交換を行う熱交換器を設け、暖房運転に際しては前記熱交換器を低温側熱源とするヒートポンプとして作動する様に構成されていることを特徴とするマルチ形空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室外ユニットを複数台設け、それらの室外ユニット間を並列に接続したラインが室内ユニットに連通しており、室外ユニットの運転台数を制御して空調負荷に対応するマルチ形空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この様なマルチ形空調装置は、例えばビル、集合住宅、工場用として、従来から知られている。この装置は、室外ユニットの増設が容易なことから、簡単に装置の大容量化が図れるという利点がある。しかし、大容量化に伴って電源容量が足りなくなる場合があること、実質的な室外ユニットの増設が困難なこと等の理由から、室外ユニットの一方を電源からの電力で駆動し、他方を電力とは別駆動源で駆動する空調装置が提案されている(例えば、特開平5−340624号公報参照)。
【0003】なお、複数台の室外ユニットで構成された空調装置においては、空調負荷の変動に対応するために少なくとも1台のユニットのコンプレッサ能力を可変にすることが望ましい。例えば、特許第2925715号公報には、インバータ圧縮機と定格圧縮機とを組み合わせて構成することが開示されている。
【0004】上述した従来技術、すなわち駆動に際して電力とは別の駆動源を併用した空調装置の一例を、図3に示す。図3において、1つの室外ユニットU1が機械的動力駆動であり、その他の複数(図3の例では2台)の室外ユニットU2およびU3が、電動機動力駆動である。これらの室外ユニットU1、U2、U3は並列に接続されて、1台の室内ユニット20にラインされている。ここで、図3においては単一の室内ユニット20に接続されているが、これは、理解し易くするために簡略化して表示したものに過ぎず、実際には室内ユニットも複数設けられている場合が多い。図3で示す様な構成においては、定速運転の電動機動力駆動ユニットU2、U3の運転/停止による段階的な出力変化と、機械的動力駆動ユニットU1の変速運転との組み合わせによって、空調負荷の変化に対応している。
【0005】さらに、図3において、第1の室外ユニットU1には、機械的動力としてエンジン(例えば、ガスエンジン)12により駆動されるコンプレッサ11が設けられている。冷媒ラインは、アキュムレータ18からコンプレッサ11に接続される。そして、コンプレッサ11で圧縮された高圧冷媒は、高圧ラインL1及びオイルセパレータ13を経由し、さらに、四方弁15(図3では暖房時が示されている)及びラインL2を介して、室内ユニット20の熱交換器21に連通されている。そして、室内ユニット20の熱交換器21により室内空気と熱交換を行なって、暖房運転時であれば熱を供給し、冷房運転時であれば熱を奪う。熱交換器21で熱交換を行った冷媒は、弁22を介装した中圧ラインL3を介してレシーバタンク17に連通され、膨脹弁16、室外ユニットの熱交換器19、四方弁15を介して、アキュムレータ18に戻される。
【0006】一方、第2、第3の室外ユニットU2、U3では、コンプレッサ11A、11Aはそれぞれ、図示しない電動機で駆動される。第2、第3の室外ユニットU2、U3におけるその他の構成機器は、容量の点を除けば、上記第1の室外ユニットU1と同様である。各ユニットからの高圧ラインは1つのラインL2にまとめられて、室内ユニット20に連通する。そして、室内ユニット20の熱交換器21で熱交換を行った後の冷媒が流れる中圧ラインL3は分岐され、ユニットU1、U2、U3のそれぞれのレシーバタンク17、17、17に連通する。
【0007】暖房時においては、アキュムレータ18からの冷媒は、コンプレッサ11で加圧されて高温になり、高圧ラインL1から四方弁15、高圧ラインL2を介して室内ユニット20に送られる。室内ユニットの熱交換器21で潜熱を放出して凝縮し、中圧ラインL3を流れ、レシーバタンク17を経由して、膨脹弁16で気化する。そして、室外ユニットの熱交換器19で外気と熱交換を行い、ラインL4、四方弁15を介してアキュムレータ18に戻される。そして、室外ユニットの熱交換器19を低温側熱源とし、室内ユニット20の熱交換器21を高温側熱源として、ヒートポンプとしての作動を行なう。
【0008】一方、冷房時(図2参照)には、四方弁15が切り換えられ、コンプレッサ11で高圧にされた冷媒は、オイルセパレータ13を通り、ラインL1、四方弁15を介してラインL4に送られる。そしてラインL4を流れる冷媒は、室外ユニット熱交換器(凝縮器)19、ラインL3を通り、膨脹弁22を介して、室内ユニット熱交換器21に送られる。室内ユニット熱交換器21において、冷媒は室内空気と熱交換して、気化熱を奪って気相冷媒となる。そして冷媒はラインL2を流れ、アキュムレータ18に戻される。なお、ラインL1、L2に介装された開閉弁V1〜V6は、空調負荷に対応して室外ユニットU1〜U3の運転台数を制御するために設けられている。
【0009】上述した従来のマルチ形空調装置は、それなりに有用なものであるが、近年の省エネルギ、高効率化の動向に応えるため、さらに効率を向上する事が要請されている。しかし、高効率化のために工夫すると、構造の複雑化、室外ユニットの巨大化、維持コストの高騰化を惹起してしまう。また、ユニットU1の機械的動力としてガスエンジンを採用し、且つ、当該ガスエンジンが自家発電設備の駆動源として使用されている場合等には、ユニットU1側で要求される空調能力により当該ガスエンジンの回転数を変動しなければならない場合がある。しかし、ガスエンジンの回転数が変動すれば発電設備で発生する電力が不安定な質の悪いものとなり、不都合である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、室外ユニットの増設が容易なマルチ形空調装置に対し、特に暖房時の高効率化を図り、低ランニングコストで運転でき、しかも、機械的動力源が発電機駆動にも利用されている場合に機械的動力源の回転数を変動させない様なマルチ形空調装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のマルチ形空調装置は、室外ユニットを複数台設け、それらの室外ユニット間を並列に接続したラインが室内ユニットに連通しており、室外ユニットの運転台数を制御して空調負荷に対応するマルチ形空調装置において、少なくとも1台の室外ユニットは発電機駆動用燃焼機関の出力を変速手段を介して伝達されて駆動する様に構成されており、その他の室外ユニットを電動機動力駆動に構成して、電動機動力駆動の室外ユニットの少なくとも1台に、その内部を循環する冷媒と前記発電機駆動用燃焼機関の排熱と熱交換を行う熱交換器を設け、暖房運転に際しては前記熱交換器を低温側熱源とするヒートポンプとして作動する様に構成されている(請求項1)。
【0012】ここで、前記発電機駆動用燃焼機関とは、ガスエンジン等の内燃機関や、外燃機関、その他を包含するものである。但し、電動モータ等の様に電気で駆動する駆動源は包含しない。また、前記室外ユニットの電動機動力駆動は、電源からの電力により駆動されるものに限定する訳ではなく、ガスエンジン等の自家発電装置により発電される電力をも包含する。そして、前記冷媒と熱交換する発電機駆動用燃焼機関の排熱は、例えばガスエンジンの様な燃焼機関の冷却水による排熱、燃焼機関の排気による排熱、あるいはその両方のいずれであってもよい。
【0013】また、本発明では、前記熱交換器が室外ユニットのコンプレッサ吸入側に配設されているのが好ましい(請求項2)。
【0014】そして本発明において、前記電動機動力駆動の室外ユニットは、前記エンジンで駆動される発電機から供給される電力で駆動するか、或いは、前記エンジンで駆動される発電機から供給される電力と商用電源との併用で駆動される様に構成されているのが好ましい(請求項3)。
【0015】さらに、本発明では、前記電動機動力駆動室外ユニットの少なくとも1台は、そのコンプレッサ容量が機械的動力駆動室外ユニットのコンプレッサ容量の1/2以下であるのが好ましい(請求項4)。この様なコンプレッサ容量で構成すれば、機械的動力駆動室外ユニットから回収される排熱の熱量との関係上、好都合である。電動機動力駆動ユニットで利用可能な(或いは、回収可能な)排熱は、機械的動力駆動室外ユニットの定格の1/2しか利用出来ないからである。また、この様に構成すれば、空調負荷の変動に対する電動機動力駆動ユニットの運転/停止制御と、機械的動力駆動ユニットの変速制御とのマッチングで、大変好都合だからである。
【0016】上述した構成を具備する本発明によれば、暖房時に室内ユニットから戻ってきた冷媒は各室外ユニットに分流され、そのうち電動機動力駆動ユニットに戻った冷媒は、上述した「内部を循環する冷媒と前記機械的動力駆動室外ユニットの排熱と熱交換を行う熱交換器」において、機械的動力駆動室外ユニットの排熱と熱交換して加熱されるので、減圧する必要がなく、コンプレッサ出入口の差圧が小さくなり、高効率の運転が実現できる。
【0017】ここで、図4の圧力−エンタルピー図を参照して、本発明のマルチ形空調装置の効率が向上する理由を説明する。図4において、従来のマルチ形空調装置において、外気からのヒートポンプ(例えば、ガスヒートポンプ)GHPとして作動する室外ユニットの圧力−エンタルピー図のサイクルは、A−B−C−Dで示される。ここで、サイクルA−B−C−Dにおいて、コンプレッサの仕事量は符号Dから符号Aで示す領域が対応する。そして、DA間のエンタルピーの変化量「h」とし、コンプレッサの吐出量量を「G」とすれば、コンプレッサの仕事量は、エンタルピの変化量とコンプレッサ流量との積「h・G」で示される。なお、サイクルA−B−C−Dは、外気温が0℃で設定したものである。
【0018】これに対して、例えば20℃−30℃の低温熱源で熱交換する様に構成された電動機動力駆動ユニットEHPのサイクルは、図4では、A−B−E−Fで示される。そして、コンプレッサが為すべき仕事に対応するのは、符号Fから符号Aまでの領域である。ここで、領域FAで示される仕事の内、エンタルピの変化量は「h/2」で表現される。A−B−E−Fで示すサイクルを行うユニットのコンプレッサの仕事量と、A−B−C−Dで示されるサイクルにおけるコンプレッサの仕事量とが等しいのであれば、A−B−E−Fで示すサイクルを行うユニットのコンプレッサの吐出流量は、 h・G/(h/2)=2G となる。すなわち、同一の仕事量であれば、A−B−E−Fで示すサイクルを行うユニットのコンプレッサの吐出流量は2倍となるのである。そして、コンプレッサの吐出流量が大きい程、空調装置の冷房効率は高くなる。なお、上述した20℃−30℃の低温熱源として、本発明の「内部を循環する冷媒と前記機械的動力駆動室外ユニットの排熱と熱交換を行う熱交換器」は、その条件を充足している。
【0019】さらに本発明によれば、上述した少なくとも1台の室外ユニット、すなわち発電機駆動用燃焼機関の出力を変速手段を介して伝達されて駆動する様に構成された室外ユニットは、変速手段を介して発電機駆動用燃焼機関から回転を伝達される。換言すれば、当該室外ユニットは、発電機駆動用燃焼機関の出力軸とは直結されていないので、室外ユニットに要求される空調負荷が変動した場合には変速手段の変速比を適宜調節することにより、空調負荷の変動に対応しつつ発電機駆動用燃焼機関の出力を一定に制御することが可能となる。その結果、発電機駆動用燃焼機関で駆動される発電機で発生する電流の周波数も一定となり、所謂「良質な」電流が得られる。これに加えて、発電機駆動用燃焼機関の回転数を一定に維持できるので、当該燃焼機関の熱効率が低下することを防止出来る。
【0020】ここで、変速手段については、所謂「CVT」の様な無段変速機を採用しても良いし、各種歯車伝達機構の様に段付の変速機を採用することも出来る。また、発電機駆動用燃焼機関の出力を前記室外ユニットの圧縮機に伝達するための機構には、前記変速手段に加えて、クラッチを介装させても良い。さらに、上述した構成では、前記変速手段は、発電機駆動用燃焼機関の出力側と前記室外ユニットとの回転伝達機構に介装されているが、発電機駆動用燃焼機関の出力側と発電設備との回転伝達機構に介装することが可能である。
【0021】すなわち、本発明は、室外ユニットを複数台設け、それらの室外ユニット間を並列に接続したラインが室内ユニットに連通しており、室外ユニットの運転台数を制御して空調負荷に対応するマルチ形空調装置において、少なくとも1台の室外ユニットは発電機駆動用燃焼機関の出力を伝達されて駆動する様に構成されており、該発電機駆動用燃焼機関の出力側と発電設備とは変速手段を介して連結されており、前記室外ユニット以外の室外ユニットを電動機動力駆動に構成して、電動機動力駆動の室外ユニットの少なくとも1台に、その内部を循環する冷媒と前記発電機駆動用燃焼機関の排熱と熱交換を行う熱交換器を設け、暖房運転に際しては前記熱交換器を低温側熱源とするヒートポンプとして作動する様に構成されていても良い(請求項5)。
【0022】係る構成を具備する場合には、発電機駆動用燃焼機関の出力側と発電設備とは変速手段を介して連結されているので、室外ユニットに対する空調負荷が変動して、それに直結された発電機駆動用燃焼機関の回転数が変動しても、変速手段の変速比を適宜調節して、発電設備の回転数を一定にして、発生する電流の周波数を一定に維持することが可能である。この場合においても、発電機駆動用燃焼機関の出力側と発電設備との回転伝達機構に、クラッチを介装しても良い。なお、前記変速手段を、発電機駆動用燃焼機関の出力側と前記室外ユニットとの回転伝達機構と、発電機駆動用燃焼機関の出力側と発電設備との回転伝達機構の双方に介装することも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図1、図2を参照して、本発明の実施形態を説明する。ここで、図3で示す構成部品と同様な部材については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。図1および図2に示す実施形態では、室外ユニットは、発電用エンジン30で駆動される第1の室外ユニットU1と、電動機動力駆動の第2の室外ユニットU2とを備えて、構成されている。なお、図1には暖房作動時が、図2には冷房作動時が示されている。
【0024】図1において、発電用エンジン30は、エンジン31(例えば、ガスエンジン:発電機駆動用燃焼機関)と発電機32(発電設備)とから構成されている。第1の室外ユニットU1のコンプレッサ11は、エンジン31の出力を、無段変速機33を介して伝達することにより駆動される。ここで、エンジン31は一定速運転されており、その他端側からは、発電機32駆動用の出力が取り出されている。
【0025】コンプレッサ11からは、高圧ラインL1がオイルセパレータ13を介装して四方弁15に連通され、室内ユニット20の熱交換器21までラインL2が連通されている。室内ユニット20のの熱交換器21から、ラインL3を介して、膨脹弁22、レシーバタンク17を経由して、膨脹弁16へ連通している。ラインL3は室外ユニット熱交換器19に連通しており、室外ユニット熱交換器19から四方弁15まではラインL4が連通しており、四方弁15からはラインL5が、アキュムレータ18を経由してコンプレッサ11に連通している。
【0026】一方、電動機動力駆動(電動機は図示せず)の第2の室外ユニットU2では、コンプレッサ11Aの駆動には、電力供給ラインL10により発電機32から電力が供給されている。暖房時に四方弁15からアキュムレータ18に連通するラインL5には、熱交換器5(電動機動力駆動の室外ユニットの少なくとも1台の内部を循環する冷媒と、前記発電機駆動用燃焼機関の排熱との間で熱交換を行う熱交換器)を介装したバイパスラインL6が並列に設けられている。そして、ラインL5、L6には、それぞれ開閉弁4、6が介装されており、ラインL5とバイパスラインL6とを切り換え可能に構成されている。
【0027】熱交換器5には、第1の室外ユニットU1の駆動エンジン31から冷却水(発電機駆動用燃焼機関の排熱)がラインL7により導入されている。その結果、熱交換器5は、エンジン31の排熱(発電機駆動用燃焼機関の排熱)と、冷媒(電動機動力駆動の室外ユニットの少なくとも1台の内部を循環する冷媒)とが、熱交換する様に構成されている。なお、その他の構成は、前記図3に示した室外ユニットと同様であり、コンプレッサ11A、オイルセパレータ13、四方弁15、室内ユニット熱交換器21、膨脹弁22、レシーバタンク17、膨脹弁16、室外ユニット熱交換器、および四方弁15へと順次流れる管路が形成されている。
【0028】次に、第2の室外ユニットU2の暖房運転時における作動を説明する。開閉弁4、6は、熱交換器5側に切り換えられ、冷媒はアキュムレータ18から、コンプレッサ11A、オイルセパレータ13、四方弁15を通り、ラインL2を介して室内ユニット20に送られる。そして、室内ユニット20の熱交換器21で潜熱を放出して、室内空気を加熱・暖房する。室内空気に潜熱を投入した後、冷媒はラインL3を流れ、レシーバタンク17、室内ユニット熱交換器19、四方弁15を経由して、熱交換器5に流入する。熱交換器5に流入した冷媒は、エンジン31の排熱と熱交換して、アキュムレータ18に戻される。すなわち、この第2の室外ユニットU2は、熱交換器5を低温側熱源とし室内ユニット熱交換器21を高温側熱源としたヒートポンプとして作動する。明確には図示されてはいないが、ラインL4を流れる冷媒が熱交換器19に対してバイパスするバイパスラインを設けても良い。
【0029】冷房運転時の作動状態は図2に示されている。図2において、開閉弁4、6は、熱交換器5をバイパスするラインL5側に切り換えられている。冷媒はアキュムレータ18から、コンプレッサ11Aで高圧にされ、オイルセパレータ13、四方弁15を通って室内ユニット熱交換器19で冷却されて液相になる。そして、膨脹弁22を介して室内ユニット熱交換器21に送られると、冷媒は室内空気から気加熱を奪って冷房する。室内機から気加熱を奪った冷媒はラインL2を流れ、四方弁15を通ってアキュムレータ18に戻される。
【0030】図示の実施形態では、冷暖房運転において、電動機動力駆動の第2の室外ユニットU2の運転/停止制御と、エンジン動力駆動の第1の室外ユニットU1の変速運転とで対応している。ここで、ユニットU1のコンプレッサ11はエンジン31により駆動されているが、コンプレッサ11の回転数は空調負荷に対応して変動させる必要がある。する。これに対して、図示の実施形態では、無段変速機33(例えばCVT:変速手段)が介装されている。そのため、コンプレッサ11の回転数が変動しても、それに対応して無段変速機33における変速比を変動し、以って、エンジン31の回転数が一定に維持される様に構成されている。エンジン31の回転数が一定に維持される結果、エンジン31の熱効率は悪化しない。そして、発電機32の回転数も一定に維持されるので、発生する電流の周波数も一定に維持される。
【0031】図1、図2の実施形態は、暖房運転時においては、エンジン31の排熱と熱交換する熱交換器5を低温側熱源(例えば20〜30°C)としたヒートポンプとして作動するので、減圧の必要がなくなり、コンプレサ11Aの出入口差圧が小さくなる。そして、従来の空調装置における外気(0°Cを設計点としている)と熱交換する室外ユニット熱交換器19を低温側熱源としたヒートポンプと比較して、熱効率を向上することが出来る。
【0032】また、空調負荷の変動が生じても、エンジン31の回転数を一定に維持できるので、エンジンの熱効率は悪化しない。そして、発電機32の回転数、そこで発生する電流の周波数も一定に維持できる。
【0033】なお、暖房の未使用時あるいは熱源に余裕がある場合には、エンジン31で発生した排熱を他の熱交換器に接続し、給湯需要などに利用することも可能である。そして、電力とは別個の駆動源(機械的な駆動源)或いは発電装置(コジェネレータ30)からの電力供給によって、電源容量の不足問題に対処できると共に、設置スペースも節減できる。また、暖房の未使用時や、熱源に余裕がある場合等では、エンジン32で発生した排熱を他の熱交換器に接続し、給湯需要等に利用することも可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明の作用効果を、以下に列挙する。
(1) 暖房時に発電用燃焼機関の排熱(或いは、該排熱と熱交換する熱交換器)を低温側熱源としたヒートポンプとして作動し、従来の外気と熱交換する室外ユニット熱交換器を低温側熱源としたヒートポンプに比較して、高効率で運転することができる。
(2) 空調負荷が変動しても、発電用燃焼機関及び発電設備の回転数を一定に維持して、発電用燃焼機関の熱効率と、発電設備で生じる電流の周波数を一定に維持できる。
(3) 暖房の未使用時あるいは熱源に余裕がある場合には、機械的動力駆動ユニットの排熱を他の熱交換器に接続し、給湯需要等に利用することも可能である。
(4) そして、ユニットの増設の場合に、スペースや電源容量の不足の問題に対応できる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成12年12月1日(2000.12.1)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開2002−168540(P2002−168540A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−367346(P2000−367346)