| 【発明の名称】 |
油を含まないガスを供給するフェイルセーフ油潤滑式ヘリウムコンプレッサ |
| 【発明者】 |
【氏名】ラルフ シー. ロングスワース
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| 【要約】 |
【課題】油を含まないヘリウムガスが供給されるフェイルセーフの油潤滑式ヘリウムコンプレッサ【解決手段】 油潤滑式ヘリウムコンプレッサユニットにおいて、吸着器は、システムが停止する前にコンプレッサから吸着器に移送されるすべての油を吸着器によって保持することができる。コンプレッサ自体は、油がコンプレッサユニットの外部に移送される前に、保護スイッチのために停止するか、あるいは油の不足のために焼き付く。ユニットおよびそれに連結された冷蔵システムは、吸着器に移送できる油の限界に達したためにコンプレッサが停止する前に、選択された設計寿命よりも長い間動作することができる。吸着器は、システムの寿命の間にコンプレッサから出る油と同じ量に、少なくとも25%の安全マージンを加えた量を保持することができる。
【解決手段】油潤滑式ヘリウムコンプレッサユニットにおいて、吸着器は、システムが停止する前にコンプレッサから吸着器に移送されるすべての油を吸着器によって保持することができる。コンプレッサ自体は、油がコンプレッサユニットの外部に移送される前に、保護スイッチのために停止するか、あるいは油の不足のために焼き付く。ユニットおよびそれに連結された冷蔵システムは、吸着器に移送できる油の限界に達したためにコンプレッサが停止する前に、選択された設計寿命よりも長い間動作することができる。吸着器は、システムの寿命の間にコンプレッサから出る油と同じ量に、少なくとも25%の安全マージンを加えた量を保持することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油潤滑式コンプレッサユニットであって、油潤滑式ガスコンプレッサを動作させるために油だめ内で最小量Aの油が必要であり、前記コンプレッサ内の油の初期充填量が量Aを超え、前記コンプレッサが、前記潤滑油の第1の部分を油のキャリオーバとして含む圧縮ガスを出力する、油だめを有するハウジング内の前記油潤滑式ガスコンプレッサと、前記圧縮ガスおよび前記油キャリオーバの第1の部分を入力され、前記コンプレッサから移送されたときに停止を生じさせる量Bより少なくとも約25%多い油を含むようなサイズである吸着器とを有し、前記ユニットの動作時には、前記圧縮ガスが前記吸着器から出て、油が前記吸着器から出ることはない油潤滑式ガスコンプレッサユニット。 【請求項2】 前記油吸着器が油を吸着し保持することができる率は、前記コンプレッサからの前記第1の部分中の油出力の率に少なくとも等しい、請求項1に記載のコンプレッサユニット。 【請求項3】 Bは、前記初期充填量からAだけ減じた量以下である、請求項1に記載のコンプレッサユニット。 【請求項4】 油潤滑式コンプレッサユニットであって、油潤滑式ガスコンプレッサを動作させるために油だめ内で最小量Aの油が必要であり、前記コンプレッサ内の油の初期充填量が量Aを超え、前記コンプレッサが、前記潤滑油の第1の部分を油のキャリオーバとして含む圧縮ガスを出力する、油だめを有するハウジング内の前記油潤滑式ガスコンプレッサと、前記コンプレッサから前記圧縮ガスおよび前記油キャリオーバの第1の部分を入力され、前記圧縮ガスを前記潤滑油の第2の部分と共に出力し、前記第1の部分から分離された残りの部分が、油分離器から前記コンプレッサハウジングに戻される前記油分離器と、前記圧縮ガスおよび前記油キャリオーバの第2の部分を入力され、前記コンプレッサから移送されたときに停止を生じさせる量Bより少なくとも約25%多い油を含むようなサイズである吸着器とを有し、前記ユニットの動作時には、前記圧縮ガスが前記吸着器から出て、油が前記吸着器から出ることはない油潤滑式ガスコンプレッサユニット。 【請求項5】 前記分離器と前記吸着器の組合せは、前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットにおいて、前記量Bを前記油キャリオーバ第2の部分の率w2で除した商に等しい設計寿命を有する、請求項4に記載のコンプレッサユニット。 【請求項6】 Bは、前記初期充填量からAだけ減じた量以下である、請求項5に記載のコンプレッサユニット。 【請求項7】 前記吸着器が油を吸着し保持することができる率は、前記コンプレッサからの前記第1の部分中の油出力の率w1の約10%に少なくとも等しい、請求項4に記載のコンプレッサユニット。 【請求項8】 前記油分離器と前記吸着器は単一のエンクロージャとして一体化される、請求項4に記載のコンプレッサユニット。 【請求項9】 前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットは、最初、前記コンプレッサユニットの事前に選択された最小設計寿命に、前記油キャリオーバの第2の部分B1の単位時間当たり油量を乗じた積に、安全係数として量B2を加えた値に等しい前記油量Bを含む、請求項4に記載のコンプレッサユニット。 【請求項10】 各量は、重量単位と体積単位のうちの一方で測定される、請求項4に記載のコンプレッサユニット。 【請求項11】 前記油分離器と前記吸着器は単一のエンクロージャとして一体化される、請求項9に記載のコンプレッサユニット。 【請求項12】 前記分離器と前記吸着器の組合せは、前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットにおいて、前記量Bを前記油キャリオーバ第2の部分の率w2で除した商に等しい設計寿命を有する、請求項11に記載のコンプレッサユニット。 【請求項13】 前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットは最初、前記コンプレッサユニットの事前に選択された最小設計寿命に、前記油キャリオーバの第2の部分B1の単位時間当たり量を乗じた積に、安全係数として量B2を加えた値に等しい前記油量Bを含む、請求項11に記載のコンプレッサユニット。 【請求項14】 前記吸着器が油を吸着し保持することができる率は、前記コンプレッサからの前記第1の部分中の油出力の率w1の約10%に少なくとも等しい、請求項11に記載のコンプレッサユニット。 【請求項15】 油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法であって、油潤滑式ガスコンプレッサの潤滑油入口に油を供給するために油だめで最小量Aの油が必要とされる、油だめを有するハウジング内の前記油潤滑式ガスコンプレッサを設けるステップと、前記量Aを超える初期充填量の油を前記コンプレッサに加えるステップと、前記潤滑油の第1の部分を油キャリオーバとして含む圧縮ガスを出力するように前記コンプレッサを動作させるステップと、前記コンプレッサから移送されたときに停止を生じさせる量Bより少なくとも約25%多い油を含むようなサイズである吸着器に、前記圧縮ガスおよび前記油キャリオーバの第1の部分を入力するステップとを含む、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項16】 前記コンプレッサからの前記第1の部分中の油出力の率に少なくとも等し率に、前記吸着器が油を吸着し保持することができる率を選択するステップをさらに含む、請求項15に記載の、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項17】 油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法であって、油潤滑式ガスコンプレッサの潤滑油入口に油を供給するために油だめで最小量Aの油が必要とされる、油だめを有するハウジング内の前記油潤滑式ガスコンプレッサを設けるステップと、前記量Aを超える初期充填量の油を前記コンプレッサに加えるステップと、前記潤滑油の第1の部分を油キャリオーバとして含む圧縮ガスを出力するように前記コンプレッサを動作させるステップと、前記コンプレッサからの前記圧縮ガスおよび前記油キャリオーバの第1の部分を油分離器に入力し、前記分離器から前記圧縮ガスを前記潤滑油の第2の部分と共に出力するステップと、前記第1の部分から分離された残りの部分を前記油分離器から前記コンプレッサハウジングに戻すステップと、前記コンプレッサから移送されたときに停止を生じさせる量Bより少なくとも約25%多い油を含むようなサイズである吸着器に、前記分離器からの前記圧縮ガスおよび前記第2の油部分を入力するステップとを含む、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項18】 前記分離器と前記吸着器の組合せは、前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットにおいて、前記量Bを前記油キャリオーバの第2の部分の率w2で除した商に等しい設計寿命を有する、請求項17に記載の、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項19】 前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットは、最初、前記コンプレッサユニットの事前に選択された最小設計寿命に、前記油キャリオーバの第2の部分B1の単位時間当たり量を乗じた積に、安全係数として量B2を加えた値に等しい前記油量Bを含む、請求項18に記載の、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項20】 前記吸着器が油を吸着し保持することができる率は、前記コンプレッサからの前記第1の部分中の油出力の率w1の約10%に少なくとも等しい、請求項17に記載の、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項21】 前記油分離器と前記吸着器は単一のエンクロージャとして一体化される、請求項17に記載の、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。 【請求項22】 前記コンプレッサユニットの事前に選択された設計寿命に、前記油キャリオーバの第2の部分B1の単位時間当たり量を乗じた積に、安全係数として量B2を加えた値に等しい前記油量Bを用いて前記油潤滑式ガスコンプレッサユニットを初期充填するステップをさらに含む、請求項17に記載の、油を含まない圧縮された冷蔵ガスを供給する方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の背景】本発明は、全般的には、低温冷蔵システムに使用するヘリウムコンプレッサユニットに関し、特に、ユニットのより長い寿命の間、油を含まない加圧されたヘリウムガスが供給される点でフェイルセーフの油潤滑式ヘリウムコンプレッサに関する。油潤滑式空気調和コンプレッサは、GM型低温冷蔵庫への加圧されたヘリウムの供給に関する標準になっている。このような比較的廉価であるが信頼できるコンプレッサを使用できるのは、数年にわたってGM型冷蔵システムの低温膨張器への油の進入を確実に防止する油分離器および吸着器の開発による。 【0002】現在の所、GM冷蔵庫製造業者は、吸着器を10,000時間から30,000時間の間隔で交換することを推奨している。この時間間隔は、油潤滑式コンプレッサから高圧ガス排出を受ける油分離器から油が持ち越される率に依存する。分離器からの冷媒ガス内の油キャリオーバは吸着器に向かう。油を保持する吸着器の容量と、ユーザが吸着器を交換する前に許容する危険の程度とによって、障害のない時間間隔が決定される。吸着器からの油キャリオーバは、冷媒ガスに同伴する油がシステムの低温側に入り、この油がGM型膨張器の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。油がGM冷蔵ユニットの低温側に入った後で油を除去するための費用はかなり高額である。 【0003】油のキャリオーバの危険を回避するために、製造業者およびユーザは、吸着器の寿命を予測する際の適切な不確実性マージンについて慎重に考慮する傾向がある。コンプレッサ製造業者も、十分な油を保持するようにコンプレッサの油だめを慎重に設計しているので、軸受から油がなくなり軸受が焼付けの危険にさらされる前にコンプレッサからかなりの量の油をなくすことになる。 【0004】本発明の譲受人によって製造されたコンプレッサユニットのデータ分析を行ったところ、ヘリウムガスを使用する低温システム用のこのようなコンプレッサユニットは、吸着器が物理的に保持できる油の2倍から3倍の量の油を通常保持することがわかった。したがって、吸着器に油が満たされる前にコンプレッサの動作を停止するプログラムがないかぎり、吸着器から、連結されたシステムの冷却側への油のキャリオーバには本質的な危険が存在する。周囲温度の変化によるコンプレッサの油レベルの変動は小さいものであるが、それにもかかわらず、コンプレッサに油を充填する際に、この変動について考慮しておく必要がある場合がある。 【0005】油は通常、吸着器の交換回数が3回または4回になったときにコンプレッサに追加される。この油の追加は、吸着器によって除去される油を補うものである。しかし、コンプレッサに追加する油の量の判定にはかなりの不確実性が伴い、コンプレッサに過度の量の油が充填される場合もある。 【0006】油分離器の設計に対する最近の改良により、吸着器への油キャリオーバ率は、約6KWの電力を使用する毎分10立方フィートのヘリウムコンプレッサの場合、毎年20g未満になっている。このコンプレッサの油だめは約1500gの油を保持する。したがって、軸受が焼き付くほど油を失うには約75年(1500÷2)かかる。合理的なサイズの吸着器は約500gの油を保持することができるので、吸着器をシステムの通常の10年の寿命にわたって使用し続けることを推奨することが合理的である。稼動が10年を超える場合、吸着器を交換することが一般に推奨されるが、1500gの油から開始する際、実際には油を追加する必要はない。あらゆることが過剰に行われることにより、障害(吸着器から油が持ち越される)が回避されるという意味はある。 【0007】吸着器のサイズに基づく10年の交換間隔とすることによって、従来の補修コストが削減されるが、油分離器または油戻り循環路に障害が起こった場合に油が持ち越される可能性はなくならない。吸着器が、システムが停止する前にコンプレッサから出るすべての油を保持し、かつ油分離器で障害が起こったときに存在するかも知れない高い率で油が吸着器に入るときにすべての油を保持することができる場合、分離器の障害にもかかわらず、吸着器からの油キャリオーバの可能性は存在しない。上述の数値例で使用されている従来型のコンプレッサの油同伴率は、毎時120g程度になるであろう。したがって、吸着器は、低温側へのキャリオーバなしに、この例ではこの率(毎時120g)で油を収集できなければならない。 【0008】所望の寿命に対して十分であるが、通常のキャリオーバが吸着器の容量を超えないように制限され、油分離器に障害が起こった場合に膨張器に油をキャリオーバしないようにする油の充填量で、より長い寿命の間動作する油潤滑式ヘリウムコンプレッサが必要である。 【0009】 【発明の概要】全般的には、本発明によれば、圧縮されたヘリウムを油を含まない状態で供給する、より長い寿命を有するフェイルセーフ油潤滑式ヘリウムコンプレッサユニットが提供される。 【0010】本発明による油潤滑式ヘリウムコンプレッサユニットにおいて、吸着器は、システムが停止する前にコンプレッサから吸着器に移送されるすべての油を吸着器によって保持することができる。このユニットから、たとえばGM型冷蔵システムの膨張器に油が移送されることはなく、あるいは油を移送することはできない。したがって、コンプレッサ自体は、油がコンプレッサユニットの外部に移送される前に、保護スイッチのために停止するか、あるいは場合によっては油の不足のために焼き付く。各構成要素は、通常の環境において、吸着器に移送できる油の限界に達したためにコンプレッサが停止する前に、ユニットおよびそれに連結された冷蔵システムが、選択された設計寿命、たとえば10年を超える期間にわたって動作できるようなサイズにされている。 【0011】各構成要素のサイズを決定し各構成要素を装填する際に安全率を考慮しなければならないことを認識した場合、コンプレッサシステムが停止する前に所定の寿命の間動作する能力は以下のように解釈することができる。 【0012】(a)吸着器は、システムの寿命の間にコンプレッサから出る油と同じ量に、少なくとも約25%の安全マージンを加えた量を保持するようなサイズにされる。 【0013】(b)油分離器またはコンプレッサ油戻り機構に障害が起こった場合、吸着器は、障害の起こった油分離器から油が出る際の最高流出率、たとえば、コンプレッサから油が出るのと同じ率で流入する油を保持する。言い換えれば、吸着器から何らキャリオーバすることなく、コンプレッサの停止で動作が終わる。 【0014】(c)寿命がx年である場合、油分離器は、毎年通常の動作の下で、100/x%未満の油がコンプレッサから吸着器に移送されるように効率よく有効に動作する。また、このような条件下でx年の稼動期間にわたってコンプレッサから吸着器に移送できる十分な量の油が最初に存在しなければならない。言い換えれば、寿命が10年である場合、各年に、10%未満の油がコンプレッサから「失われ」、吸着器によって保持される。 【0015】(d)吸着器は、x年の期間にわたって補修を必要としない。したがって、分離器と吸着器を単一の容器において組み合わせることができる。 【0016】したがって、本発明の目的は、油潤滑式コンプレッサユニットの意図された寿命の間コンプレッサの予想される正味油出力全体を保持することのできる吸着器を有する改良された油潤滑式コンプレッサユニットを提供することである。 【0017】本発明の他の目的は、油が吸着器に入る際の最高流入率以上の率で油を吸収することのできる吸着器を有する改良された油潤滑式コンプレッサユニットを提供することである。 【0018】本発明の他の目的は、ユニットに結合された冷蔵システムへの油のキャリオーバによる障害の危険なしに少なくとも10年間動作することのできる改良された油潤滑式コンプレッサユニットを提供することである。 【0019】本発明の他の目的は、コンプレッサから汲み出され、吸着器によって保持することのできるすべての潤滑油を含むことのできる吸着器を有する改良された油潤滑式コンプレッサユニットを提供することである。 【0020】本発明の他の目的は、従来技術のユニットよりも経済的に製造できる改良された油潤滑式コンプレッサユニットを提供することである。 【0021】本発明の他の目的および利点は本明細書から明らかになろう。 【0022】したがって、本発明は、いくつかのステップと、このようなステップのうちの1つまたは複数の、他の各ステップとの関係と、このようなステップを実施するようになされた構造の特徴、各要素の組合せ、および各部品の配置を実現する装置とを含む。これらはすべて、以下の詳細な開示で例示されており、本発明の範囲は特許請求の範囲に示されている。 【0023】本発明をより完全に理解するには、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を参照されたい。 【0024】 【好ましい実施形態の説明】図1を参照するとわかるように、本発明による油潤滑式ヘリウムコンプレッサユニット10は、モータ14によって駆動されコンプレッサハウジング16に含まれるコンプレッサ12を備えている。冷却コイル18をコンプレッサハウジング16の周りに熱伝導関係に巻いて、冷却剤、たとえば水を冷却コイルに循環させ、コンプレッサモータからの熱を逃がす。 【0025】コンプレッサ12からの排出配管20は、冷却コイル18と熱伝導関係にある後置冷却器コイル22に高圧ガスを移送する。戻り配管または吸入配管24は、公知の方法でコンプレッサ12に低圧ガスを移送する。 【0026】ハウジング16の底部にある油だめ内の油26のプールは、コンプレッサの動作中にコンプレッサ12の潤滑油入口29に油が供給されるような液位である。油だめ内の高圧の油は、油冷却ループ39の入口37に流入する。油は、冷却剤、たとえば水が循環されている冷却循環路18と熱接触しながら流れる。油は、計量オリフィス35を通って低圧ガス戻り配管24に戻る。 【0027】油26はコンプレッサを潤滑するが、一部の油は排出配管20内の圧縮ガス、一般にはヘリウムと共にキャリオーバ(持越し)される。圧縮ガスが負荷を冷却する際に使用できるように冷蔵庫(図示せず)に供給される前にこのキャリオーバ油をなくす必要がある。 【0028】この目的のために、後置冷却器22から出た油およびガスは、頂部近傍の油分離器28に入る。油は、本発明の新規の部分ではなく、したがって、本明細書で詳しく説明することのない公知の技法によって分離器内で圧縮ガスから分離される。油分離器28内で分離された油は、配管30によって分離器から出て、コンプレッサ吸入配管24に入る。ガスと油の混合物は圧縮され、コンプレッサハウジングに排出され、そこで大部分の油がガスから分離され油だめ内に収集される。それによって、油はコンプレッサ油だめに再循環される。 【0029】しかし、圧縮ガスと共に油分離器に入った油のうちの僅かな部分が圧縮ガス中にあって配管32を介して油分離器28から出る。これがコンプレッサからの正味流出量である。このガス/油混合物は、圧縮ガスからすべての油を除去しその油を保持するようなサイズの吸着器34に入る。したがって、油を含まない圧縮ガス(ヘリウム)が、冷蔵庫と連結された吸着器34の排出配管36によって吸着器34から出る。ガスは、冷蔵庫内で冷却のために使用された後、低下した圧力で吸入配管24を通してコンプレッサに戻る。完全な冷蔵システム、たとえばGM型冷蔵庫は、本出願には示されていないが、本発明の新規の部分ではない。 【0030】図2は、吸着器34’と油分離器28’が、図1の個別の要素28、34の性能を併せ持つ一体化ユニット38であることを除いて、図1の実施形態とほぼ同様な本発明による油潤滑式ヘリウムコンプレッサの代替実施形態を示している。図1の相互に連結する油/ガス配管32は、一体化ユニット38の内部構造の一部(図示せず)である。 【0031】吸着器34’は補修なしでシステムの意図された寿命の間動作するようなサイズであるので、2つの機能を単一のハウジングにおいて一体化することが可能である。この結果、複雑さ、サイズ、コストが低減される。 【0032】図3は、排出配管20を介したコンプレッサ12からのガス/油の排出が、ファン42によって冷却される熱交換器40によって空冷される、本発明による油潤滑式ヘリウムコンプレッサの他の代替実施形態である。コンプレッサ12は、コンプレッサハウジング16から延びておりファンからの強制対流に依存するフィン44によって冷却される。その他の点で、ユニット10”は図2の実施形態と同様である。 【0033】図4は、油が所定の液位に存在することを検知するために吸着器に油液位検知スイッチ50が埋め込まれている、本発明による油潤滑式ヘリウムコンプレッサの他の代替実施形態である。「Ba」として指定されたある量の油がコンプレッサから吸着器に移送された場合にコンプレッサを停止するためにコンプレッサ制御回路にセンサ50が接続されている。吸着器は、油が吸着器から出ることのないように「C」として指定された追加量の油を安全マージンとして保持するように構成されている。 【0034】図5(a)、(b)は、ヘリウムを室温で100psigから320psig(0.8Mpaから2.3Mpa)に圧縮する排気量が10cfm(283L/m)である油潤滑式スクロールコンプレッサによって得られた実験データのグラフである。同伴する油を含む高圧ヘリウムは、コンプレッサから水冷後置冷却器を通り、次に図1に示されている構成と同様な油分離器および吸着器を通って流れる。この試験の場合、油分離器からの油戻り配管30に遮断弁が追加されており、主吸着器の下流側に小形の二次吸着器(図示せず)を設置した。油分離器28は、油液位を測定できるように外側に取り付けられたサイトチューブを有している。主吸着器と二次吸着器は共にセルフシール継手に接続され、取り外して計量することができるようにした。以前の試験では、このような動作圧油が約110g/時の率でコンプレッサから分離器に移送されることが示された。 【0035】時間0で、油戻り弁を閉じ、30分間隔でコンプレッサを停止させ、両方の吸着器を計量した。主吸着器34の重量と時間との関係は図5(a)にプロットされており、二次吸着器の重量と時間との関係は図5(b)にプロットされている。図5(a)を参照するとわかるように、8時間の間、分離器28から吸着器34に測定可能な油の移送が行われることはなかった。約880gの油が油分離器28の底部に収集され、垂直に向けられたカートリッジ型の分離器要素のほぼ中央に上昇した。次の5時間の間、油は100g/時を超える率で吸着器34に蓄積され、分離器28内の油液位は一定のままであった。 【0036】図5(b)を参照すると、測定可能な限界内では、12.5時間と13時間の間のあるときまで吸着器から油が出ることがないことがわかる。吸着器34によって保持される油の量、440gは、飽和されているすべての内側吸着器層に基づく計算上の設計値に近い。この層内のガス速度は約50ft/分(0.25m/秒)である。約12.5時間で吸着器34から出る乾性のガスから吸着器の設計容量での湿性のガスへの鋭い遷移は、吸着器に入ることのできる油の最大量を吸着器の容量の80%に制限する設計によって非常に良好な安全マージンがもたらされることを示している。 【0037】本発明の目標を満たし、すなわち、補修を必要とせず障害の恐れのないより長い寿命を実現するには、ある要件を満たさなければならない。この場合の「障害」が、ヘリウムコンプレッサユニット10の意図された動作寿命全体にわたって排出配管36で圧縮ガスと共に吸着器34から出る油のキャリオーバを表すことを理解されたい。本出願では、障害には、モータ/コンプレッサの機械的または電気的障害も、油分離器が圧縮ガスから油を適切に分離することに失敗することも含まれない。前述のように、障害は、圧縮ガスと共に吸着器34から出る油のキャリオーバである。このような障害によって、下流側冷却システムにかなりの損害が生じる。 【0038】図において、「A」で示されている最低油液位は、コンプレッサが停止しないようにするためにコンプレッサハウジング内で必要とされる油の量である。停止は、a)油液位スイッチ、b)油が冷却循環路37の入口よりも低くなり、過熱により停止が起こるか、あるいは油の循環の欠如を検知するスイッチ、c)油液位が循環ポンプ入口29よりも低くなり、軸受が焼き付く、ことなどいくつかの異なる要因で起こる。初期油液位は、「Bc」として指定された最低油液位を超える油の量を表す。動作中のコンプレッサ内の実際の油液位は、排出配管20を介してハウジングから出る油と吸入配管24を介してハウジングに戻る油との差(正味流出量)の結果として、初期油液位から最低油液位に向かって降下する。 【0039】したがって、初期液位から最低油液位への油液位の降下は、油/ガス配管32を介して油分離器28から出て吸着器34に入る油の量に対応する。吸着器34において、油が保持され、同時に、油を含まない高圧のガスがガス排出配管36によって流出する。 【0040】吸着器34は、最低油液位、すなわち量「Bc」よりも高い立上げ時のコンプレッサハウジング16内の油の量を完全に吸着器34に含めることができるようなサイズにすることができる。したがって、適切なサイズにされた吸着器34では、それに連結された冷蔵システムに配管36を介して油がキャリオーバ(持ち越し)されることがなくなる。コンプレッサは、連続的に動作する場合、最低油液位に達するが、吸着器からの油の流出はない。 【0041】あるいは、吸着器は、コンプレッサにある量の油「Ba」が移送されたときにコンプレッサを停止する油液位スイッチを内部に備えることができる。「Ba」は、「Bc」より多くても少なくてもよいが、停止を生じさせる、2つの値のうちのより小さい値が、「B」として指定される。 【0042】吸着器34のサイズを決定する際には、油分離器効率の予想される通常の変動、排出配管20においてコンプレッサからキャリオーバされる油の量の通常の変動、製造時にコンプレッサハウジング16に油を充填する際の通常の変動、温度の変化によって起こる油の体積の通常の変動などが考慮される。構成要素のサイズおよびコストを削減するために、吸着器のサイズを決める際には、これらの変数を考慮するのに適した安全係数を選択しなければならない。 【0043】上記で指摘したように、吸着器34は、最低油液位によって表される量を超える、少なくともある量「B」の油をシステム内に保持することができる。体積容量だけでなく、吸着器34は、排出配管20を介したコンプレッサからの油出力に対応する率で配管32から入る油を保持することができなければならない。何らかの理由で、油分離器28が完全な動作不良に陥り、油が配管30、24を介してコンプレッサハウジング16に戻ることがなくなった場合、コンプレッサによってくみ上げられたすべての油が吸着器に直接流入する。吸着器34は、すべての油を物理的に保持することができるが、コンプレッサ12が油を供給する率で油を受け取ることができなければならない。そうでない場合、油は出口配管36において圧縮ガスと共にキャリオーバされる。 【0044】図1から4に示されているシステムは単一の油分離器28を有している。したがって、障害が起こると、吸着器34に油がキャリオーバされる率が最大になり、すなわち、排出配管20を介したコンプレッサからの油出力と同じ率になる。あるいは、油分離器は、2つの分離段を有し、コンプレッサ16と分離器28との間の流れの中に大形油分離器(図示せず)を配置するように構成することができる。経験によれば、典型的な大形油分離機は、コンプレッサから出力された油の75%から90%を除去する。分離された油は、配管30に類似しているが配管30から独立した配管を通してコンプレッサに戻される。大形油分離器に障害が起こった場合、主分離器28の、吸着器へのキャリオーバ率が高くなる可能性があるが、それにもかかわらず、この持越し率はコンプレッサからの供給率の10%よりもかなり低い。両方の油分離器に同時に障害が起こる確率は、吸着器34に移送できる油の推定最大量と油が移送される際の推定最高移送率とを低減させることが可能であり、それによって「フェイルセーフ」基準がおそらく満たされるほど低い。吸着器への最高移送率を、油がコンプレッサから出る際の率の10%に低下させるのは容易であることが、経験によってわかっている。したがって、油を吸着器に移送することのできる最高移送率を、油がコンプレッサから出る率、たとえば10%よりも小さいある値に低減させる手段を含めることが本発明の範囲内で考えられる。 【0045】上記で指摘したように、(a)油分離器が存在しないか、あるいは(b)油分離器が作動していないか、あるいは(c)戻り配管30が障害があると仮定した場合、吸着器34は、コンプレッサ12から放出できるすべての油を含めることができなければならない。 【0046】図1、2、および4のそれぞれにおいて、冷却剤、たとえば水が循環される冷却コイル18との熱交換によってコンプレッサハウジング16の底部で油を冷却するための循環ループ39が設けられている。 【0047】図3は、排出配管20を介したコンプレッサ12からのガス/油排出が、ファン42によって冷却される熱交換器40で空冷される、本発明による油潤滑式ヘリウムコンプレッサの他の代替実施形態である。コンプレッサ12は、コンプレッサハウジング16から延びておりファンからの強制対流に依存するフィン44によって冷却される。その他の点で、ユニット10”は図2の実施形態と同様である。 【0048】各構造(図2、3)は、油潤滑式ヘリウムコンプレッサユニットの意図された寿命の間のフェイルセーフ動作と、小型化およびコストの削減を可能にする分離器/吸着器の組合せとを実現するという利点を有する。ユニットの意図された寿命の間、吸着器を補修する必要はない。 【0049】したがって、前述の説明から明らかになった目的のうち、上記に記載された目的が、効率的に実現されることがわかる。本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに上記の方法の実施および上記の構造にある種の変更を加えることができるので、上記の説明に含まれかつ添付の図面に示されたすべての事項は、例示的な意味で解釈されるものであり、制限的な意味で解釈されるものではない。 【0050】請求の範囲が、本明細書で説明する本発明の一般的な特徴および特定の特徴のすべてをカバーするものであることも理解されたい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501356112 【氏名又は名称】アイジーシー−エーピーディー クライオジェニクス、 インコーポレイテッド 【氏名又は名称原語表記】IGC−APD Cryogenics, Inc.
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| 【出願日】 |
平成13年9月10日(2001.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088328 【弁理士】 【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−168535(P2002−168535A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月14日(2002.6.14) |
| 【出願番号】 |
特願2001−273685(P2001−273685) |
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