| 【発明の名称】 |
超臨界蒸気圧縮システム、および超臨界蒸気圧縮システム内部を循環する冷媒の高圧成分における圧力を調整する装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】トビアス エイチ.シエネル
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| 【要約】 |
【課題】超臨界蒸気圧縮システムの高圧成分を調節するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】圧縮機、熱放出型熱交換器、膨脹装置、および熱吸収型熱交換器から構成された蒸気圧縮システムにおいて、熱放出型熱交換器つまり気体冷却器回路の1つもしくは複数の吐出口に配置されたバルブの動作を制御することによって、蒸気圧縮システムの高圧成分つまり気体冷却器内部の圧力を調節する。バルブを締めることによって、1つの回路の端部を閉塞し、これによって、冷媒を貯留して、有効伝熱面積を減少させるとともに、気体冷却器の圧力を増大させる。バルブを開くことによって、冷媒を放出し、気体冷却器の圧力を低下させる。このようにバルブの動作を制御することによって、蒸気圧縮システムの高圧成分を調整し、蒸気圧縮システムのエンタルピを制御して、効率および/または容量を最適化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超臨界蒸気圧縮システム内部を循環する冷媒の、高圧成分における圧力を調整する装置であって、少なくとも2つの回路を備えた、前記冷媒を冷却する熱放出型熱交換器と、少なくとも1つの前記回路に配置されているとともに前記の高圧成分における圧力を監視する制御装置により作動されるたバルブと、を備えていることを特徴とする装置。 【請求項2】 前記バルブが開かれることにより前記の少なくとも1つの回路を流れる前記冷媒の流量が調整され、これによって、前記冷媒の前記の高圧成分における圧力が低下することを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項3】 前記バルブが閉じられることにより前記の少なくとも1つの回路を流れる前記冷媒の流量が調整され、これによって、前記冷媒の前記の高圧成分における圧力が上昇することを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項4】 前記の高圧成分における圧力は、前記バルブを作動させることにより制御されることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項5】 前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の装置。 【請求項6】 超臨界蒸気圧縮システムであって、冷媒を圧縮して高圧状態にする圧縮装置と、少なくとも2つの回路を備えた、前記冷媒を冷却するための熱放出型熱交換器と、少なくとも1つの前記回路に配置され、前記熱放出型熱交換器を流れる前記冷媒の流量を調整するために作動されるバルブと、前記冷媒の圧力を低下させて低圧状態にする膨脹装置と、前記冷媒を蒸発させる熱吸収型熱交換器と、を備えていることを特徴とする超臨界蒸気圧縮システム。 【請求項7】 前記バルブが開かれることにより前記の少なくとも1つの回路を流れる前記冷媒の流量が調整され、これによって、前記冷媒の前記の高圧成分における圧力が低下することを特徴とする請求項6記載の超臨界蒸気圧縮システム。 【請求項8】 前記バルブが閉じられることにより前記の少なくとも1つの回路を流れる前記冷媒の流れが調整され、これによって、前記冷媒の前記の高圧成分における圧力が上昇することを特徴とする請求項6記載の超臨界蒸気圧縮システム。 【請求項9】 制御装置によって、前記熱放出型熱交換器の内部の圧力が好適な圧力と比較され、前記比較の結果に応じて前記バルブが制御されることを特徴とする請求項6記載の超臨界蒸気圧縮システム。 【請求項10】 前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の超臨界蒸気圧縮システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主に、超臨界蒸気圧縮システムの高圧成分を調整する手段に関する。 【0002】 【従来の技術】塩素を含有する冷媒は、オゾン破壊を発生させる可能性があることから、世の中の大部分の分野から徐々に除外されている。ハイドロフルオロカーボン(HFC)が代わりの冷媒として利用されてきているが、このような冷媒によっても、地球温暖化の問題が生じる可能性は高い。従って、二酸化炭素やプロパンといった「天然」冷媒を代わりの冷媒として利用することが、提案されている。しかし、残念ながら、このような冷媒の多くは、利用の際に問題が生じる。二酸化炭素の臨界点は低いため、二酸化炭素を利用した空調システムの大部分は、殆どの状態で、超臨界領域で運転が行われる。 【0003】超臨界領域で蒸気圧縮システムを運転する場合、蒸気圧縮システムの高圧成分における圧力を調整することが効果的である。蒸気圧縮システムの高圧成分を調整することによって、蒸気圧縮システムの容量および/または効率を制御して、最適化することができる。蒸気圧縮システムの高圧成分における圧力(気体冷却器の圧力)を増大させることによって、蒸発器に流入する冷媒の比エンタルピが減少し、容量が増大する。しかし、圧縮機の仕事を増大させることが必要となるため、消費されるエネルギは増大する。従って、蒸気圧縮システムの好適な高圧成分(運転状態が変化するに従って変化する)を見つけることが望ましい。蒸気圧縮システムの高圧成分を調整することによって、蒸気圧縮システムの圧力を最適化することができる。 【0004】従って、超臨界蒸気圧縮システムの高圧成分を調整する手段が、当該技術分野で必要とされている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、超臨界蒸気圧縮システムの高圧成分における圧力を調整する手段に関する。 【0006】蒸気圧縮システムは、圧縮機、熱放出型熱交換器、膨脹装置、および熱吸収型熱交換器から構成される。蒸気圧縮システムの高圧成分における圧力は、1つもしくは複数の気体冷却器回路の吐出口に接続された可変バルブを調整することによって、制御される。本発明の好適な実施例では、冷媒として二酸化炭素が用いられる。 【0007】本発明は、1つもしくは複数の気体冷却器回路の吐出口に配置されたバルブの動作を制御することによって、蒸気圧縮システムの高圧成分における圧力(気体冷却器内部の圧力)を調節する。バルブを締めることによって、1つの回路の端部を閉塞し、これによって、冷媒を貯留および蓄積して、有効伝熱面積を減少させるとともに、気体冷却器の圧力を増大させる。バルブを開くことによって、内部の冷媒を放出し、気体冷却器の圧力を低下させる。 【0008】バルブの動作を制御することによって、蒸気圧縮システムの高圧成分における圧力を調整し、蒸気圧縮システムのエンタルピを制御して、効率および/または容量を最適化する。 【0009】従って、本発明は、超臨界蒸気圧縮システムの高圧成分の圧力を調節するための方法およびシステムを提供するものである。 【0010】本発明の上述した目的および特徴は、以下の詳細な説明および付随の図面によってより明確に理解することができるだろう。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明は、他の形態の実施例で実施することも可能であるが、特定の実施例が、図面および発明の詳細な説明に記載されている。従って、本発明に開示された実施例は、例示的なものにすぎず、本発明を制限するものではない。 【0012】図1には、従来技術の蒸気圧縮システム10が示されている。一般的な蒸気圧縮システム10は、圧縮機12、熱放出型熱交換器(蒸気圧縮サイクル10における気体冷却器)14、膨張装置16、および熱吸収型熱交換器(蒸発器)18からなる。 【0013】冷媒は、閉回路サイクル10を流れる。本発明の好適な実施例では、二酸化炭素を冷媒として用いる。二酸化炭素が例として記載されるが、他の冷媒を利用することも可能である。二酸化炭素の臨界点は低いため、二酸化炭素を冷媒として利用した蒸気圧縮システム10は、殆どの状態で、超臨界領域(transcritical)で運転する必要がある。 【0014】蒸気圧縮システム10を超臨界領域で運転する際には、蒸気圧縮システム10の高圧成分における圧力を調整することが効果的である。蒸気圧縮システム10の高圧成分を調整することによって、蒸気圧縮システム10の容量および/または効率を制御し、最適化することができる。気体冷却器14の圧力を増大させることによって、蒸発器18に入る冷媒のエンタルピが減少して容量が増大するが、圧縮機16の仕事量をより大きくしなければならないため、より多くのエネルギが必要となる。蒸気圧縮システム10の高圧成分を調整することによって、蒸気圧縮システム10の圧力を最適圧力(運転状態の変化とともに変化する)にすることができる。 【0015】図2には、2つの回路14a,14bを備えた気体冷却器14を有する蒸気冷却システム10が示されている。本発明では、気体冷却器14の少なくとも一方の回路14bを流れる冷媒の流路を閉塞することによって、蒸気圧縮システム10の高圧成分を調整する。可変バルブ20が、気体冷却器14の回路14bの吐出側に配置されており、これによって、回路14bから流出する冷媒の流量が調整される。回路14aの吐出側にはバルブが配置されていない。図2には、2つの回路14a,14bを備えた気体冷却器14が示されているが、気体冷却器14に含まれる回路の数はいかなるものとすることも可能である。気体冷却器14の全ての回路もしくは幾つかの回路の吐出側に可変バルブ20を配置することも可能である。膨脹前に気体冷却器14の高圧力を調整することによって、蒸発器の吸入口における冷媒のエンタルピを調整し、これによって、蒸気圧縮システム10の容量を制御することができる。 【0016】開示された実施例では、制御装置30によって、気体冷却器14内部の圧力が検出され、可変バルブ20が制御される。制御装置30として、蒸気圧縮サイクル10のメインコントローラを利用することが可能である。制御装置30は、蒸気圧縮サイクル10の状態を評価して気体冷却器14内部の好適な圧力を決定するものとして、プログラムされている。好適な圧力が決定されると、可変バルブ20が制御されることにより圧力が調整される。好適な圧力を決定する上で考慮すべき要素は、当業者であればわかるだろう。 【0017】蒸気圧縮システム10のサイクルにおいては、冷媒が、図3の点Aにより示される高圧力高エンタルピー状態で圧縮機12から放出される。冷媒は、高圧力状態で気体冷却器14を流れて熱およびエンタルピを失い、点Bで示される高圧力低エンタルピー状態で気体冷却器14から流出する。続いて、冷媒が膨張装置16を流れ、その圧力が点Cに示される点まで低下する。冷媒は、膨張した後で、蒸発器18に流入し、点Dにより示される低圧力高エンタルピー状態で蒸発器18から流出する。続いて、冷媒は、圧縮機12を通過して再び高圧力高エンタルピー状態になり、サイクルが完了する。 【0018】蒸気圧縮システム10の高圧成分、ひいては気体冷却器14内部の圧力は、気体冷却器14の1つもしくは複数の回路の吐出口に配置された可変バルブ20を調整することによって、調整される。可変バルブ20の動作は、蒸気圧縮システム10の高圧成分を監視する制御装置30によって調整される。 【0019】気体冷却器14内部の圧力が好適な圧力よりも低い場合は、冷媒が高エンタルピー状態で蒸発器18に流入するため、蒸気圧縮システム10が低容量および/または低効率の状態で運転される。気体冷却器14内部の圧力が好適な圧力よりも低いことが制御装置30により検出されると、可変バルブ20が閉じられ、これによって、冷媒が気体冷却器14における閉塞した回路14bに蓄えられることにより圧力が好適な圧力にまで上昇する。これによって、気体冷却器14内部の圧力がAからA’に上昇し、冷媒が、図3の点C’により示される低エンタルピー状態で蒸発器18に流入するようになる。 【0020】逆に、気体冷却器14内部の圧力が好適な圧力よりも高い場合は、過剰なエネルギが蒸気圧縮システム10により消費される。気体冷却器14内部の圧力が好適な圧力よりも高いことが制御装置30により検出されると、可変バルブ20が開かれ、これによって、過剰な冷媒が回路14bを通って気体冷却器14から蒸気圧縮システム10へと流れ、気体冷却器14内部の圧力がA’’にまで低下する。これによって、冷媒が、図3の点C’’により示される高エンタルピー状態で蒸発器18に流入するようになり、サイクルを運転するのに消費されるエネルギが減少する。可変バルブ20を調節して気体冷却器14内部の高圧力を好適な圧力に調整することにより、エンタルピを制御して容量を最適化することができる。 【0021】従って、本発明は、超臨界蒸気圧縮サイクルの高圧成分を制御するバルブを提供する。制御装置30としては、マイクロプロセッサ主体の制御装置、もしくは冷凍サイクルの技術分野で周知の他の制御装置を利用することができる。 【0022】以上の記載は、本発明の原理を例示するものである。以上の教示に照らして、多くの変更を本発明に加えることも可能である。本発明の好適な実施例が開示されたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなくある変更を加えることが可能なことは、理解できるだろう。従って、請求項の範囲内で、本発明を記載された形態以外の形態で実行することも可能である。このような理由により、請求項は、本発明の真の範囲および主旨を決定するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591003493 【氏名又は名称】キャリア コーポレイション 【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
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| 【出願日】 |
平成13年11月12日(2001.11.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−168532(P2002−168532A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月14日(2002.6.14) |
| 【出願番号】 |
特願2001−346144(P2001−346144) |
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