| 【発明の名称】 |
ヒートポンプ |
| 【発明者】 |
【氏名】石井 徹哉
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| 【要約】 |
【課題】冷媒の臨界温度が低くても成績係数を向上させることができるヒートポンプを提供する。
【解決手段】ヒートポンプ10の冷媒回路20には、3つの凝縮器26〜28が直列に設けられている。流通路30には、これら凝縮器26〜28と熱交換を行う第1〜第3加温部31〜33が設けられている。流通路30には、水(流体)を中間の第3加温部33の下流端から上流端に戻す還流路36が設けられている。還流路36には、授熱部36が設けられている。この授熱部36から、冷媒回路20の蒸発器24と圧縮機21との間に設けられた採熱部25に熱が渡される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を順次環状に接続してなる冷媒回路を備え、この冷媒回路を循環する冷媒が、上記蒸発器で採熱し、上記凝縮器で放熱するヒートポンプにおいて、上記蒸発器と圧縮機との間の冷媒回路に、上記凝縮器の中途部からの放熱を採取する採熱部を設けたことを特徴とするヒートポンプ。 【請求項2】 上記凝縮器の中途部より膨張弁側と熱交換する第1加温部と、上記凝縮器の中途部より圧縮機側と熱交換する第2加温部とを有し、加温されるべき流体が、上記凝縮器の冷媒と向流するようにして上記第1加温部、上記第2加温部の順に流れる流通路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ。 【請求項3】 上記流通路の第1、第2加温部の間に、上記凝縮器の中途部から熱を受け取るとともに上記採熱部に熱を渡す熱中継部が設けられており、これにより、上記採熱部による上記採熱がなされることを特徴とする請求項2に記載のヒートポンプ。 【請求項4】 上記熱中継部が、上記凝縮器の中途部と熱交換する第3加温部と、この第3加温部から出て上記第2加温部に向かう流体の一部を上記第1加温部と第3加温部との間の流通路に戻す還流路と、この還流路に介在され、上記採熱部と熱交換する授熱部とを有していることを特徴とする請求項3に記載のヒートポンプ。 【請求項5】 上記第1加温部の出口温度を検出する温度検出手段と、上記授熱部の出口温度を検出する他の温度検出手段と、これら2つの温度検出手段による検出温度の差がゼロになるように上記還流路の流量を調節する流量調節手段とを備えたことを特徴とする請求項4に記載のヒートポンプ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ヒートポンプに関し、特に、臨界温度が低い(例えば90℃以下の)冷媒に適したヒートポンプに関する。 【0002】 【従来の技術】ヒートポンプは、冷媒を、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器の順に循環させる冷媒回路を有している。冷媒は、蒸発器を通過する過程で採熱し、凝縮器を通過する過程で放熱する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】近年、ヒートポンプの冷媒として、オゾン層を破壊することがない物質を採用することが望まれている。そのような物質の代表的なものに、R410A(ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンを50wt%ずつ混合したもの)や二酸化炭素が挙げられる。これらの臨界温度は、R410Aが約75℃、二酸化炭素が約30℃であり、比較的低温である。そのため、成績係数が十分でない。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その第1の特徴は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を順次環状に接続してなる冷媒回路を備え、この冷媒回路を循環する冷媒が、上記蒸発器で採熱し、上記凝縮器で放熱するヒートポンプにおいて、上記蒸発器と圧縮機との間の冷媒回路に、上記凝縮器の中途部からの放熱を採取する採熱部を設けたことにある。 【0005】本発明の第2の特徴は、上記第1の特徴において、上記凝縮器の中途部より膨張弁側と熱交換する第1加温部と、上記凝縮器の中途部より圧縮機側と熱交換する第2加温部とを有し、加温されるべき流体が、上記凝縮器の冷媒と向流するようにして上記第1加温部、上記第2加温部の順に流れる流通路を備えたことにある。 【0006】本発明の第3の特徴は、上記第2の特徴において、上記流通路の第1、第2加温部の間に、上記凝縮器の中途部から熱を受け取るとともに上記採熱部に熱を渡す熱中継部が設けられており、これにより、上記採熱部による上記採熱がなされることにある。 【0007】本発明の第4の特徴は、上記第3の特徴において、上記熱中継部が、上記凝縮器の中途部と熱交換する第3加温部と、この第3加温部から出て上記第2加温部に向かう流体の一部を上記第1加温部と第3加温部との間の流通路に戻す還流路と、この還流路に介在され、上記採熱部と熱交換する授熱部とを有していることにある。 【0008】本発明の第5の特徴は、上記第4の特徴において、上記第1加温部の出口温度を検出する温度検出手段と、上記授熱部の出口温度を検出する他の温度検出手段と、これら2つの温度検出手段による検出温度の差がゼロになるように上記還流路の流量を調節する流量調節手段とを備えたことにある。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るヒートポンプ10を示したものである。ヒートポンプ10は、冷媒回路20と給湯用の水(流体)の流通路30とを備えている。流通路30の両端は、ヒートポンプ10から延び出て、上流端は貯湯タンク(図示せず)の下側部に連なり、下流端は上記貯湯タンクの上側部に連なっている。ヒートポンプ10は、貯湯タンクの下側部から送られて来た水を冷媒回路20で熱湯にし、貯湯タンクの上側部に戻す。 【0010】さらに詳述する。冷媒回路20には、圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23、及び蒸発器24が順次設けられている。冷媒回路20を循環する冷媒には、オゾン層を破壊するおそれのない物質として二酸化炭素が用いられている。冷媒は、圧縮機21によって断熱圧縮されて凝縮器22へ送り出される。そして、凝縮器22を通過する過程で放熱する。その後、膨張弁23で断熱膨張される。そして、蒸発器24を通過する過程で気化し、外気から採熱する。 【0011】蒸発器24の下流側であって、蒸発器24と圧縮機21との間の冷媒回路20には、伝熱管からなる採熱部25が設けられている。 【0012】上記凝縮器22は、直列に並んだ3つの凝縮器26〜28に分かれている。 【0013】一方、流通路30には、伝熱管からなる3つの加温部31〜33が直列に並んで設けられている。第1加温部31は、凝縮器28(凝縮器22の中途部より膨張弁23側)と共に第1熱交換器11を構成している。第2加温部32は、流通路30において第1加温部31より下流に配され、凝縮器26(凝縮器22の中途部より圧縮機21側)と共に第2熱交換器12を構成している。第3加温部33は、第1、第2加温部31,32の間に配され、凝縮器27(凝縮器22の中途部)と共に第3熱交換器13を構成している。 【0014】流通路30には、還流路34が設けられている。還流路34の上流端は、第3、第2加温部33,32の間に接続され、下流端は、第1、第3加温部31,33の間に接続されている。還流路34には、ポンプ35と、伝熱管からなる授熱部36とが設けられている。授熱部36は、上記冷媒回路20の採熱部25と共に第4熱交換器14を構成している。 【0015】第1〜第4熱交換器11〜14は、何れも向流型の熱交換器である。すなわち、凝縮器22での冷媒と第1〜第3加温部31〜33での水は、互いに向流するようになっている。また、採熱部25での冷媒と授熱部36での水も、互いに向流するようになっている。 【0016】第3加温部33と還流路34と授熱部36とにより、特許請求の範囲の「熱中継部」が構成されている。 【0017】第1加温部31と還流路34の下流端との間の流通路30には、水温センサ37(温度検出手段)が設けられている。授熱部36より下流の還流路34には、他の水温センサ38(他の温度検出手段)が設けられている。これら2つの水温センサ38による検出水温に基づき、図示しないコントローラがポンプ35を制御するようになっている。コントローラ及びポンプ35により、特許請求の範囲の「流量調節手段」が構成されている。 【0018】上記のように構成されたヒートポンプ10の作用を、図1〜図3を参照して説明する。なお、図2は、冷媒回路20を循環する冷媒についてエンタルピーと温度の変化の様子を示したものである。図3は、熱交換器11〜13の長手方向の位置に対する冷媒と水の温度変化の様子を示したものである。 【0019】ヒートポンプ10の冷媒(二酸化炭素)は、臨界温度が低い(約30℃)ので、超臨界状態で凝縮器26に入り、さらに凝縮器27、凝縮器28の順に流れる。この過程で、第2加温部32、第3加温部33、及び第1加温部31の水と順次熱交換を行い、温度を下げながら凝縮する(図2及び図3の点A〜点D)。その後、膨張弁23を経て(図2の点D〜点E)、蒸発器24で気化された後(図2の点E〜点F)、採熱部25に送られる。 【0020】一方、水は、第1加温部31、第3加温部33、及び第2加温部32の順に流れる。この過程で、上記冷媒との熱交換により温度上昇する(図3の破線)。ここで、第3加温部33から出た水の一部は、還流路34に流入する。この水は、既に第1加温部31及び第3加温部33を経て来ており、ある程度の高温(温水)になっている。この温水が授熱部36を通過する過程で上記採熱部25の冷媒に熱を与える。 【0021】これによって、冷媒は、採熱部25で温度を高められたうえで(図2の点F〜点G)、圧縮機21に送られる。したがって、圧縮機21の仕事量が小さくても冷媒を十分に高温にすることができ(図2の点G〜点A)、ヒートポンプ10の成績係数を向上させることができる。これによって、凝縮器22において超臨界状態になっていても水に十分な熱を与えることができ、第2加温部32からの出湯温度t0(図3)を十分に高くすることができる。 【0022】上記還流路34の授熱部36を通った後の水は、第1加温部31と第3加温部33との間の流通路30に戻される。これによって、第3加温部33での水温の上昇勾配(図3の点P〜点Q)が、第1、第2加温部31,32でのものと比べて緩やかになる。一方、冷媒については、中間の凝縮器27での温度の低下勾配(図3の点B〜点C)が、両端の凝縮器26,28でのものと比べて緩やかになる傾向がある。したがって、図3において水の温度変化を示す破線を、冷媒の温度変化を示す実線に対して大略並行するような折れ線にすることができる。これによって、冷媒と水の温度差Δtが、熱交換器11〜13の長手方向の位置によって大きく変動しないようにすることができる。(若しも、水を還流路34で戻すことをしなければ、温度差Δtが、中間の1点で極端に小さくなり、その1点から離れるにしたがって大きくなる。)これによって、向流型の熱交換器11〜13による熱交換効率を向上させることができる。 【0023】上記温度センサ37によって第1加温部31の出口での水温t31が検出される。また、温度センサ38によって授熱部36の出口での水温t36が検出される。これら検出水温t31,t36は、上記コントローラに入力される。コントローラは、これら2つの検出水温の差(t31−t36)がゼロになるようにポンプ35の出力すなわち還流路34の流量を調節する。これによって、第1加温部31の出口での水温と第3加温部33の入口での水温を一致させることができ、図3の点Pに段差が出来ないようにすることができる。この結果、点Pの前後での冷媒と水の温度差Δtが不連続的に変動しないようにすることができ、熱交換効率を確実に向上させることができる。 【0024】次に、本発明の他の実施形態を、図4及び図5を参照して説明する。これら実施形態において上記第1実施形態と共通する構成については、図面に同一符号を付して説明を省略する。 【0025】図4は、本発明の第2実施形態に係るヒートポンプ10Aを示したものである。ヒートポンプ10Aの流通路30には、上記還流路34が設けられていない。流通路30の第1、第2加温部31,32の間には、上記第3加温部33(凝縮器27から熱を受け取るためだけの伝熱管)に代えて、熱中継部39が設けられている。具体的構造の図示は省略するが、熱中継部39は、伝熱管からなり、その内部には、伝熱管からなる凝縮器27が通され、その外部には、伝熱管からなる採熱部25が通されている。これら凝縮器27、熱中継部39、及び採熱部25によって、三重管構造をなす複合熱交換器15が構成されている。 【0026】複合熱交換器15において、凝縮器27から熱中継部39に熱が受け渡されるともに、熱中継部39から採熱部25に熱が受け渡される。これによって、上記第1実施形態と同様に、冷媒の温度を高めたうえで圧縮機21で断熱圧縮することができ、成績係数を向上させることができる。また、熱中継部39での水温の上昇勾配が、第1、第2加温部31,32でのものより緩やかになり、冷媒との温度差が熱交換器11〜13全域にわたって大きく変動しないようにすることができ、熱交換効率を向上させることができる。 【0027】図5は、本発明の第3実施形態に係るヒートポンプ10Bを示したものである。ヒートポンプ10Bの流通路30には、第1、第2加温部31,32だけが設けられ、熱中継部が設けられていない。冷媒回路20には、採熱部25と中間の凝縮器27とによる内部熱交換器16が設けられている。 【0028】内部熱交換器16において、凝縮器27から採熱部25に熱が受け渡される。これによって、冷媒の温度を高めたうえで断熱圧縮でき、成績係数を向上させることができる。しかも、熱の受け渡しが凝縮器27から採熱部25へ直接(水を介在させることなく)なされるので、冷媒温度を十分に高めることができ、成績係数を一層向上させることができる。また、中間の凝縮器27では、冷媒がある程度高温であり、例えば膨張弁23側の凝縮器28より高温である。したがって、凝縮器28と採熱部25とで内部熱交換器を構成するよりも採熱部25での冷媒温度を高めて成績係数を大きくすることができる。 【0029】本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変を行うことが出きる。例えば、加温されるべき流体は、暖房用の熱媒等でもよい。凝縮器22は、3つの凝縮器26〜28に分離されていなくてもよい。図5の第3実施形態において、流通路30の第1、第2加温部31,32の間に、凝縮器27から熱を受け取る第3加温部33を設けてもよい。 【0030】 【発明の効果】本発明の第1の特徴によれば、採熱部で冷媒の温度を高めたうえで圧縮機に送ることができ、冷媒の臨界温度が低くても成績係数を向上させることができる。本発明の第2の特徴によれば、流体を十分に温めて出力することができる。本発明の第3の特徴によれば、冷媒と流体の熱交換効率を向上させることができる。本発明の第4の特徴によれば、冷媒と流体の熱交換効率を確実に向上させることができる。本発明の第5の特徴によれば、第1加温部の出口温度と第3加温部の入口温度が同じになるようにすることができ、冷媒と流体の熱交換効率をより確実に向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月21日(2000.11.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−162123(P2002−162123A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−354612(P2000−354612) |
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