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【発明の名称】 高温浄湯システム
【発明者】 【氏名】奥村 和晃

【氏名】谷口 康子

【要約】 【課題】浄水器内の浄水フィルタ材の実際の浄化機能が劣化状態に至ったことを的確に判定し、ユーザに対し交換が必要であることを案内報知し得る高温浄湯システムを提供する。

【解決手段】コントローラ6a内に弁作動制御部と劣化判定制御部とを設ける。入水流量センサ22からの流量検出に基づいて弁作動制御部により流量調整弁23のサーボ機構23aの作動制御を行い、出湯流量が設定流量で一定となるように弁位置のフィードバック制御に基づく定流量制御を行う。浄水器5の設置時に設定流量となるように弁作動制御部による定流量制御を行った際の弁制御値を初期値として記憶保持し、設定時間経過後に再度、同一の設定流量での定流量制御を行った際の弁制御値を今回値として取得する。初期値と今回値とを比較して両値に設定偏差以上の偏差が生じていれば、浄水器5内の浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至っていると判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、この給湯器による出湯流量を弁開度の変更により変更調整する流量調整手段と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記高温出湯カランに対し上記浄水器内の浄水フィルタ材を通過させた後の高温浄湯を出湯させるようにした高温浄湯システムにおいて、上記浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至ったか否かを判定する劣化判定手段を備え、上記劣化判定手段は、上記流量調整手段により出湯流量が一定流量となるように弁開度を制御した場合の弁制御値について、上記浄水フィルタ材の使用開始初期と、所定時間経過後とで偏差が生じているか否かを監視し、偏差が生じているときその偏差が設定偏差以上であれば上記浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定するように構成されていることを特徴とする高温浄湯システム。
【請求項2】 高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、この給湯器による出湯流量を弁開度の変更により変更調整する流量調整手段と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記高温出湯カランに対し上記浄水器内の浄水フィルタ材を通過させた後の高温浄湯を出湯させるようにした高温浄湯システムにおいて、出湯流量が一定流量になるように上記流量調整手段の弁を作動制御する弁作動制御手段と、上記浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至ったか否かを判定する劣化判定手段とを備え、上記劣化判定手段は、上記浄水フィルタ材の使用開始初期において上記弁作動制御手段により出湯流量が設定流量で一定流量になるように弁が作動制御されたときに上記弁作動制御手段から弁位置についての初期制御値を取得して記憶保持する初期値記憶部と、所定時間経過後において上記弁作動制御手段により出湯流量が上記設定流量で一定流量になるように弁が作動制御されたときに上記弁作動制御手段から弁位置についての今回制御値を取得する今回値取得部と、この今回値取得部により取得された今回制御値と上記初期制御値とを比較して両者間に設定偏差以上の偏差があるときに上記浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定する劣化判定部とを備えていることを特徴とする高温浄湯システム。
【請求項3】 高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、この給湯器による出湯流量を弁開度の変更設定により変更調整する流量調整手段と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記高温出湯カランに対し上記浄水器内の浄水フィルタ材を通過させた後の高温浄湯を出湯させるようにした高温浄湯システムにおいて、出湯流量を検出する流量検出手段と、上記浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至ったか否かを判定する劣化判定手段を備え、上記劣化判定手段は、上記流量調整手段により弁開度が同一の状態に設定された場合の上記流量検出手段により検出される出湯流量について、上記浄水フィルタ材の使用開始初期と、所定時間経過後とで偏差が生じているか否かを監視し、偏差が生じているときその偏差が設定偏差以上であれば上記浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定するように構成されていることを特徴とする高温浄湯システム。
【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高温浄湯システムであって、ユーザに案内報知するための報知手段を備え、劣化判定手段により浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定されたとき上記報知手段により浄水フィルタ材が劣化状態に至った旨を報知させるように構成されている、高温浄湯システム。
【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高温浄湯システムであって、ユーザに案内報知するための報知手段を備え、劣化判定手段は、今回値取得部により今回制御値を取得するにあたり、劣化判定を開始するために高温出湯カランの全開状態への開操作要求を上記報知手段により報知するように構成されている、高温浄湯システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出湯配管の途中に浄水器を介装して浄化後の高温浄湯をカランから出湯させ得るようにした高温浄湯システムに係り、特に浄水器内に収容された浄水カートリッジの的確な交換時期をユーザに案内報知し得る高温浄湯システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、給湯器とカランとを結ぶ出湯配管の途中に浄水器を介装し、給湯器から出湯される高温水(例えば80℃以上の高温水)を上記浄水器内の浄水フィルタ材に通過させ、この通過により浄化された後の高温浄湯を上記カランから出湯させるようにした高温浄湯システムは知られている。
【0003】上記の浄水フィルタ材は浄水カートリッジ内に充填されており、通水により目詰まり等が生じて浄化機能が低下するため、浄水カートリッジごと新しいものに交換されるようになっている。
【0004】この浄水カートリッジは、通常の場合にはメーカー側が推奨する使用期間の経過毎に定期的にユーザにより自主的に交換される他、コントローラの内蔵時計により上記使用期間の経過を監視しその経過時点で警告灯を点灯させることによりユーザに交換時期の到来を知らせてその交換を促すようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記浄水カートリッジ内の浄水フィルタ材は、一般にはその目詰まり等による浄化機能の劣化と、通水量の積算値との相関関係に基づいて平均的な使用期間が定められるものの、上記浄化機能の劣化は通水される湯水によって大きなばらつきがある。このため、使用期間や通水量に基づいて画一的に交換を行うと、浄水カートリッジが実際には未だ浄化機能を十分に保有しているにも拘わらず交換されてしまったり、逆に既に浄化機能が劣化しているにも拘わらず使用が継続されてしまったりする事態が生じることになる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浄水器内の浄水フィルタ材の実際の浄化機能が劣化状態に至ったことを的確に判定し得るようにすることにあり、併せて浄化機能が劣化状態に至っていると判定された場合にはユーザに対し交換が必要であることを案内報知し得る高温浄湯システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、この給湯器による出湯流量を弁開度の変更により変更調整する流量調整手段と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記高温出湯カランに対し上記浄水器内の浄水フィルタ材を通過させた後の高温浄湯を出湯させるようにした高温浄湯システムを対象として以下の特定事項を備えるものである。すなわち、上記浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至ったか否かを判定する劣化判定手段を備え、この劣化判定手段として、上記流量調整手段により出湯流量が一定流量となるように弁開度を制御した場合の弁制御値について、上記浄水フィルタ材の使用開始初期と、所定時間経過後とで偏差が生じているか否かを監視し、偏差が生じているときその偏差が設定偏差以上であれば上記浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定する構成とする。
【0008】上記請求項1の場合、浄水器に対し高温水を通過させて使用を開始させると、その通水により浄水フィルタ材に徐々に目詰まりが生じて浄化機能が低下する一方、その目詰まりにより通水抵抗が生じることになる。このため、出湯流量が一定流量となるように弁開度を制御したとしても、その弁制御値が使用開始初期から通水使用を継続させると上記弁制御値が上記通水抵抗の増大に伴い徐々に増大側(弁開度の増大側)に変化することになる。この変化が所定以上になると上記の浄化機能はもはや発揮されずに浄水フィルタ材は劣化状態に至ることになる。従って、使用開始初期と所定時間経過後との両弁制御値間に設定偏差以上の偏差が生じていれば、浄水フィルタ材の実際の浄化機能が既に劣化状態に至っていることを的確に判定し得ることになる。
【0009】請求項2は上記請求項1をより具体化したものであり、この請求項2に係る発明は、高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、この給湯器による出湯流量を弁開度の変更により変更調整する流量調整手段と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記高温出湯カランに対し上記浄水器内の浄水フィルタ材を通過させた後の高温浄湯を出湯させるようにした高温浄湯システムを対象として以下の特定事項を備えるのものである。すなわち、出湯流量が一定流量になるように上記流量調整手段の弁を作動制御する弁作動制御手段と、上記浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至ったか否かを判定する劣化判定手段とを備えるようにする。そして、上記劣化判定手段として、上記浄水フィルタ材の使用開始初期において上記弁作動制御手段により出湯流量が設定流量で一定流量になるように弁が作動制御されたときに上記弁作動制御手段から弁位置についての初期制御値(初期の弁制御値)を取得して記憶保持する初期値記憶部と、所定時間経過後において上記弁作動制御手段により出湯流量が上記設定流量で一定流量になるように弁が作動制御されたときに上記弁作動制御手段から弁位置についての今回制御値(今回の弁制御値)を取得する今回値取得部と、この今回値取得部により取得された今回制御値と上記初期制御値とを比較して両者間に設定偏差以上の偏差があるときに上記浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定する劣化判定部とを備える構成とする。
【0010】この請求項2によれば、出湯流量が一定流量になるように流量調整手段の弁を弁作動制御手段により作動制御した場合の弁制御値について、浄水フィルタ材の使用開始初期における初期制御値が初期値記憶部により記憶される一方、設定時間経過後における今回制御値が今回値取得部により取得される。そして、劣化判定部において、上記今回制御値と初期制御値とが比較されて両者間に設定偏差以上の偏差があれば浄水フィルタ材が劣化状態に至っていると判定されることになる。このため、請求項1をより具体化させて請求項1による作用を具体的に得ることが可能になる。
【0011】請求項3は請求項1もしくは請求項2とは異なる解決手段を提供するものであり、この請求項3に係る発明は、高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、この給湯器による出湯流量を弁開度の変更設定により変更調整する流量調整手段と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記高温出湯カランに対し上記浄水器内の浄水フィルタ材を通過させた後の高温浄湯を出湯させるようにした高温浄湯システムを対象として以下の特定事項を備えるものである。すなわち、出湯流量を検出する流量検出手段と、上記浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至ったか否かを判定する劣化判定手段を備え、上記劣化判定手段として、上記流量調整手段により弁開度が同一の状態に設定された場合の上記流量検出手段により検出される出湯流量について、上記浄水フィルタ材の使用開始初期と、所定時間経過後とで偏差が生じているか否かを監視し、偏差が生じているときその偏差が設定偏差以上であれば上記浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定する構成とする。
【0012】この請求項3の場合、請求項1で説明したと同様に、浄水器に対し高温水を通過させて使用を開始させると、その通水により浄水フィルタ材に徐々に目詰まりが生じて浄化機能が低下する一方、その目詰まりにより通水抵抗が生じることになる。このため、弁開度を同一の状態に設定したとしても、使用開始初期から通水使用を継続させると、上記同一の弁開度下で流れる出湯流量が上記通水抵抗の増大に伴い徐々に低減側に変化することになる。この変化が所定以上になると上記の浄化機能はもはや発揮されずに浄水フィルタ材は劣化状態に至ることになる。従って、同一の弁開度状態での使用開始初期と所定時間経過後との両出湯流量間に設定偏差以上の偏差が生じていれば、浄水フィルタ材の実際の浄化機能が既に劣化状態に至っていることを的確に判定し得ることになる。
【0013】ここで、上記請求項1〜請求項3のいずれかにおける「所定時間」は、浄水フィルタ材の使用開始(浄水器の設置時)からの単なる経過時間に基づいた固定時間値、高温浄湯システムの運転積算時間が所定時間値に到達するまでの変動時間値、あるいは、高温出湯カランからの高温浄湯の積算出湯量(浄水器への積算通水量)が所定量に到達するまでの変動時間値等に基づいて設定するようにすればよい。
【0014】上記請求項1〜請求項3のいずれかの高温浄湯システムにおいては、ユーザに案内報知するための報知手段を備え、劣化判定手段により浄水フィルタ材が劣化状態に至ったと判定されたとき上記報知手段により浄水フィルタ材が劣化状態に至った旨を報知させる構成としてもよい(請求項4)。このようにすることにより、ユーザに対し浄水フィルタ材が劣化状態に至ったという的確な判定結果が報知手段により案内報知されるため、ユーザに対し浄水フィルタ材の交換作業を促すことが可能になる。
【0015】また、上記請求項1〜請求項4のいずれかの高温浄湯システムにおいては、ユーザに案内報知するための報知手段を備え、劣化判定手段として、今回値取得部により今回制御値を取得するにあたり、劣化判定を開始するために高温出湯カランの全開状態への開操作要求を上記報知手段により報知する構成とするようにしてもよい(請求項5)。このようにすることにより、高温出湯カランが特に手動カランである場合に上記請求項1〜請求項4のいずれかに係る発明を好適に適用することが可能になる。すなわち、手動カランにより構成された高温出湯カランにおいてはカラン開度の如何によってカラン側からも通水抵抗を受けることになるため、的確な劣化判定を行うにはこのように通水抵抗を排除する必要がある。このため、上記報知手段によりユーザによる全開状態への開操作要求を報知することにより、上記通水抵抗の排除を促進して的確な劣化判定を行うことが可能になる。従って、上記報知手段による開操作要求としては、劣化判定を開始する旨及び的確な劣化判定を行う上で高温出湯カランを全開状態にする必要がある旨を報知するようにすればよい。なお、高温出湯カランが上記の如く手動カランであるか、あるいは、いわゆる電子カラン(スイッチのON・OFF操作により開閉駆動される自動カラン)であるかを検知して、手動カランであることが検知された場合に上記の開操作要求の報知を行うようにしてもよい。
【0016】ここで、上記の請求項4もしくは請求項5における「報知手段」としては、音声による報知及び文字等の表示による報知のいずれか一方もしくは双方を行う構成とすればよく、さらに注意を喚起するための警告灯の点灯・点滅等を組み合わせるようにしてもよい。このような報知手段は例えば給湯器のリモコン(リモートコントローラ)に組み込むようにすればよい。
【0017】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかに係る高温浄湯システムによれば、浄水器内の浄水フィルタ材の実際の浄化機能が劣化状態に至っているか否かの判定を的確に行うことができ、劣化状態に至っていればそれを的確に判定することができる。
【0018】特に請求項1によれば、同一流量条件下における流量調整手段の弁制御値の変動に基づいて上記の劣化判定を的確に行うことができる。
【0019】請求項2によれば、流量調整手段の弁制御値の変動に基づく請求項1による劣化判定を具体的に実施することができ、上記の効果を具体的に得ることができる。
【0020】請求項3によれば、流量調整手段の同一弁開度条件下における検出出湯流量の変動に基づいて上記の劣化判定を的確に行うことができる。
【0021】請求項4によれば、請求項1〜請求項3のいずれかにおいて浄化機能が劣化状態に至っていると判定された場合にはユーザに対しその旨を報知することができ、浄水フィルタ材の交換を促すことができる。
【0022】請求項5によれば、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて高温出湯カランがたとえ手動カランにより構成されている場合であっても、劣化判定を確実に実行させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】<第1実施形態>図1は、本発明の第1実施形態に係る高温浄湯システムを示す。この高温浄湯システムは、給湯器2からの出湯経路を低温域及び高温域の2系統とし、例えば洗面所等の1又は2箇所以上に設置された一般出湯カラン3(図例では1つのみ示す)に対し低温水(例えば32〜60℃)を出湯させる一方、例えば台所等に設置された高温出湯カラン4aに対し高温水(例えば80℃以上)を出湯させるようにしたものである。加えて、上記高温出湯カラン4aに対しては途中に浄水器5を介装させて浄化後の高温水(高温浄湯)を出湯させるようにしている。そして、本第1実施形態は上記高温出湯カラン4aをいわゆる電子カランにより構成した場合を示している。
【0025】上記給湯器2は、燃焼缶体10と、この燃焼缶体10内において燃焼バーナ11の燃焼熱により加熱される熱交換器12とを備え、この熱交換器12において入水管13を通して入水される例えば水道水を所定の高温域まで加熱して出湯管14に出湯させるようになっている。この出湯管14は分岐部15で低温出湯管16と高温出湯管17とに分岐されており、低温出湯管16の下流接続端に対し一般出湯カラン3まで延ばされた低温接続管31が接続され、上記高温出湯管17の下流接続端に対し上記高温出湯カラン4aまで延ばされた高温接続管41が接続されている。上記の出湯管14と、高温出湯管17と、高温接続管41とによって本発明の出湯配管が構成されている。
【0026】上記入水管13と出湯管14との間には上記燃焼缶体10をバイパスする第1バイパス管18が掛け渡され、さらにこの第1バイパス管18には途中に介装された三方切換弁19から上記分岐部15をバイパスして低温出湯管16の下流側に延びる第2バイパス管20が接続されている。
【0027】上記入水管13には入水温度を検出する入水温度センサ21が介装され、また、上記第1バイパス管18の分岐位置よりも熱交換器12側位置に熱交換器12により加熱される入水の流量を検出する流量検出手段としての入水流量センサ22が介装されている。上記出湯管14には上記第1バイパス管18の合流位置と分岐部15との間に流量調整手段としての流量調整弁23と、上記熱交換器12から出湯される湯水温度を検出する湯温検出手段としての給湯器側湯温検出センサ24とが介装されている。上記低温出湯管16には第2バイパス管20からの逆流を阻止する逆止弁25が介装され、上記高温出湯管17には高温出湯管17を開閉する給湯器側電磁弁26と、高温出湯カラン4側から給湯器2内への逆流を阻止する逆止弁27とが介装されている。また、上記第2バイパス管20には水流スイッチ28が介装されている。
【0028】上記流量調整弁23は図示省略の弁がサーボ機構(例えばステップサーボモータ)23aにより作動されて弁開度を変更調整し得るように構成されている。そして、上記サーボ機構23aが後述のコントローラ6aの弁作動制御部67により作動制御されるようになっている。
【0029】上記高温出湯カラン4aは、全開・全閉の切換えにより出湯もしくは出湯停止を行うカラン側電磁弁42と、カラン側での湯水温度を検出するカラン側湯温検出センサ43と、開閉操作スイッチとしての吐水スイッチ44とを備えたものである。
【0030】また、上記浄水器5は上記出湯接続管41の高温出湯カラン4a側位置に介装されたものである。上記浄水器5はその一例を図2に示すように内部に浄水カートリッジ51が着脱可能に装着され、この浄水カートリッジ51内に活性炭52と中空糸膜53とからなる浄水フィルタ材が充填されたものである。特に中空糸膜53に目詰まりが蓄積することにより、浄化機能が劣化することになる。そして、上記出湯接続管41により供給される高温水が上記浄水カートリッジ51内部の浄水フィルタ材に通過されて浄化され、浄化後の高温浄湯が上記高温出湯カラン4aに供給されるようになっている。
【0031】以上の高温浄湯システムは給湯器2に内蔵されたコントローラ6aにより運転制御が行われるようになっている。このコントローラ6aには例えば高温出湯カラン4aの近傍位置に設置されたリモコン60が接続され、このリモコン60に対しユーザが設定入力した各種情報等に基づいて給湯器2の燃焼バーナ11の燃焼制御、一般出湯カラン3に対する一般給湯制御、高温出湯カラン4aに対する高温給湯制御、並びに、浄水カートリッジ51内の浄水フィルタ材の劣化判定及び報知制御等の各種制御を運転制御として行うようになっている。
【0032】上記リモコン60は運転スイッチ、ユーザが出湯を希望する出湯温度を入力設定するための各種スイッチ61及び高温出湯カラン4aからの高温浄湯の出湯を希望するときにON操作される高温設定スイッチ62の他に、報知手段63としての液晶表示部63aやスピーカ63bを備えている。
【0033】上記コントローラ6aは、図3に示すように上記燃焼制御を実行するための燃焼制御部64と、上記一般給湯制御を行うための一般給湯制御部65と、上記高温給湯制御を行うための高温給湯制御部66aと、上記流量調整弁23のサーボ機構23aを作動制御することにより弁開度の変更制御を行う弁作動制御部67と、上記浄水カートリッジ51内の浄水フィルタ材の実際の浄化機能が劣化状態にあるか否かの判定制御を行う劣化判定手段としての劣化判定制御部68aとを備えている。
【0034】上記燃焼制御部64は、入水流量センサ22が所定の最低作動流量(例えば2リットル/分)を超える入水流量を検出すると燃焼バーナ11の燃焼作動を開始させ、入水流量が上記最低作動流量よりも少なくなると上記燃焼作動を停止させることを基本制御内容とするものである。そして、上記燃焼作動中においては、上記高温設定スイッチ62がOFF状態のときには一般給湯制御部65に従い、上記高温設定スイッチ62がON操作されたときには高温給湯制御部66に従いそれぞれ燃焼量が定められるようになっている。
【0035】上記一般給湯制御部65は、上記高温設定スイッチ62がOFF状態のときに一般出湯カラン3が開かれると、燃焼バーナ11により加熱されて熱交換器12から出湯される所定の高温水に対し三方切換弁19の切換えにより第1バイパス管18を通して水を供給して混合し、これにより、リモコン60にユーザにより設定された目標出湯温度になるように温調する。一方、上記高温設定スイッチ62がON操作されているときに一般出湯カラン3が開かれると、上記三方切換弁19の切換えにより第1バイパス管18及び第2バイパス管20を通して水を低温出湯管16に対し供給し、この低温出湯管16において熱交換器12から出湯される高温水と混合し、これにより、上記目標出湯温度になるように温調する。そして、いずれの場合も、温調後の所定の低温水が低温出湯管16及び低温接続管31を通して一般出湯カラン3から出湯される。
【0036】上記高温給湯制御部66aは、高温設定スイッチ62がON操作されていることを前提として、カラン側湯温検出センサ43の検出湯温が所定の高温域であるときに実行される高温時出湯制御モードと、上記検出湯温が所定の低温域であるときに実行される低温時出湯制御モードとを備えている。
【0037】上記高温時出湯制御モードにおいては、出湯流量が所定の設定小流量となるように弁作動制御部67を介して流量調整弁23を設定小開度に変更設定しておき、この状態で吐水スイッチ44がON操作(全開操作)されると、まず先にカラン側電磁弁42を開いて内圧解放を行った後に給湯器側電磁弁26を開くようになっている。また、低温時出湯制御モードにおいては、出湯流量が所定の設定大流量となるように弁作動制御部67を介して上記流量調整弁23を所定の設定大開度に変更設定して給湯器側電磁弁26を開いておく。この状態で吐水スイッチ44がON操作されるとカラン側電磁弁42を開き低温状態の捨て水を早期に排出し、上記検出湯温が徐々に上昇して高温域に近づくと上記流量調整弁23の作動制御により上記の設定小流量に変更するようになっている。
【0038】上記弁作動制御部67は、設定小流量もしくは設定大流量等の設定流量の指令信号を受けてサーボ機構23aを作動させることにより流量調整弁23の弁位置を変更させ、これにより、弁開度制御を行うものである。そして、入水流量検出センサ22による検出流量が上記の設定流量を維持するように上記サーボ機構23aによる弁作動をフィードバック制御することにより、出湯流量を上記の設定流量で一定とする定流量制御を行うようにしている。
【0039】上記劣化判定制御部68aは、初期値記憶部681と、取得時期設定部682と、今回値取得部683と、劣化判定部684と、報知制御部685aとを備えている。
【0040】上記初期値記憶部681は、例えば高温浄湯システムの施行後に行われる試運転時、(浄水器5の設置時もしくは使用開始初期)において施工者によるスイッチ操作(例えばリモコン60等)に基づく信号を受けて所定の設定流量で弁作動制御部67による定流量制御を行った際の流量調整弁23の弁制御値を弁作動制御部67から取得してそれを初期制御値として記憶保持するようになっている。
【0041】上記取得時期設定部682は、上記今回値取得部683による取得時期(取得タイミング)が設定されてその取得タイミングを今回値取得部683に出力するものである。この取得時期としては、同じ浄水カートリッジ51に対し上記の初期値記憶部681への初期制御値の記憶保持から所定の積算使用時間(設定時間)の経過時点が設定され、劣化判定部684で劣化状態には至っていないと判定された場合には、以後、所定の短時間の経過毎に取得時期の再設定が繰り返されるようになっている。そして、浄水カートリッジ51が新しいものに交換された場合には、例えばリモコン60のリセットスイッチのON操作信号を受けて上記の取得時期もリセットされてゼロから上記設定時間がカウントされることになるように構成されている。
【0042】上記今回値取得部683は、上記取得時期設定部682から出力される取得時期において上記設定流量と同一の設定流量で弁作動制御部67による定流量制御を行った際の流量調整弁23の弁制御値(今回制御値)を弁作動制御部67から取得するようになっている。
【0043】上記劣化判定部684は、上記今回値取得部683により取得された今回制御値と、上記初期値記憶部681により記憶された初期制御値とを比較することにより、浄水カートリッジ51内の浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至っているか否かの判定を行うようになっている。すなわち、上記今回制御値と初期制御値との両制御値間に設定偏差以上の偏差が生じていれば浄水フィルタ材は劣化状態に至っていると判定し、報知制御部685aに対し報知指令を出力する。一方、たとえ偏差が生じていてもそれが設定偏差よりも小さいときには未だ劣化状態には至ってはおらず浄化機能が発揮されていると判定し、次回に上記今回値取得部683で取得される今回制御値に基づく判定を繰り返すようになっている。
【0044】そして、上記報知制御部685aは、上記劣化判定部684により浄水フィルタ材が劣化状態に至っていると判定されたときに、リモコン60の報知手段63により浄水フィルタ材が劣化状態に至っており浄水カートリッジ51を交換する必要がある旨を報知するようになっている。この報知は、液晶表示部63aに対し例えば「浄水カートリッジを交換して下さい。」というような文字表示を行う一方、スピーカ63bに対し音声回路を介して例えば「浄水カートリッジが寿命に来ています。新しい浄水カートリッジと交換して下さい。」というような詳細案内を音声報知により行うようにすればよい。
【0045】以上により、使用継続中の浄水フィルタ材の実際の浄化機能を的確に判定することができ、その浄化機能が劣化状態に至っている場合にはユーザに対しその旨を確実に案内報知して浄水カートリッジ51の交換を促すことができる。これにより、未だ浄化機能を発揮しているにも拘わらずに浄水カートリッジが交換されてしまう無駄を防止し得る一方、既に浄化機能を発揮しない浄水カートリッジが継続使用される不都合を解消することができる。
【0046】なお、本第1実施形態では報知手段としてリモコン60に組み込んだ報知手段63を用いているが、これに限らず、高温出湯カラン4aに対しスピーカ45(図1及び図3参照)や表示部等を付設し、これを報知制御部685aの制御対象としての報知手段として用いるようにしてもよい。
【0047】<第2実施形態>図4は、第2実施形態における高温浄湯システムを示す。この第2実施形態はは図1の高温出湯カラン4bとして手動カランを用いたものである。このため、第1実施形態におけるカラン側電磁弁42、カラン側湯温検出センサ43、吐水スイッチ44及び給湯器側電磁弁26が省略された構成となっている(図4参照)。なお、以下では、第1実施形態と同じ構成要素には第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略している。
【0048】本第2実施形態におけるコントローラ6bは、図5に示すように第1実施形態と同様な燃焼制御部64、一般給湯制御部65及び弁作動制御部67と、第1実施形態とは異なる構成の高温給湯制御部66bと、劣化判定制御部68bとを備えたものである。
【0049】上記高温給湯制御部66bは、高温設定スイッチ62がON操作されていることを前提として、カラン側湯温検出センサ43の検出湯温が所定の高温域であるときに実行される高温時出湯制御モードと、上記検出湯温が所定の低温域であるときに実行される低温時出湯制御モードとを備えている。高温時出湯制御モードにおいては、出湯流量が所定の設定小流量となるように弁作動制御部67を介して流量調整弁23を設定小開度に変更設定しておき、高温出湯カラン4bが開操作された場合にはその高温出湯カラン4bから水跳ね等が生じない程度の流量で出湯させるようになっている。また、低温時出湯制御モードにおいては、出湯流量が所定の設定大流量となるように弁作動制御部67を介して上記流量調整弁23を所定の設定大開度に変更設定して高温出湯カラン4bが開かれた際には低温状態の捨て水を大流量で早期に排出させ、加えて、上記検出湯温が徐々に上昇して高温域に近づくと上記流量調整弁23の作動制御により上記の設定小流量に変更するようになっている。
【0050】上記劣化判定制御部68bは、初期値記憶部681と、取得時期設定部682と、今回値取得部683と、劣化判定部684と、報知制御部685bとを備えている。これらの内、報知制御部685bのみが第1実施形態の劣化判定制御部68aにおける報知制御部685aと異なるのみであり、他の初期値記憶部等681〜684は第1実施形態の劣化判定制御部68aにおけるものと同様構成を有している。
【0051】上記報知制御部685bは2種類の報知制御を行うようになっている。すなわち、第1の報知制御は、上記取得時期設定部682からの出力を受けて今回値取得部683による今回制御値の取得にあたり、上記報知手段63によりユーザに対し劣化判定を開始する旨及び劣化判定を開始するために高温出湯カラン4bを全開状態への開操作を要求する旨の報知を行うようになっている。この報知は、液晶表示部63aに対し例えば「浄水カートリッジの判定を開始します。カランを全開にして下さい。」というような文字表示を行う一方、スピーカ63bに対し音声回路を介して例えば「浄水カートリッジの判定を開始します。正確な判定を行うためにカランを全開にして下さい。」というような詳細案内を音声報知により行うようにすればよい。この第1の報知制御は高温出湯カラン4bが手動カランであるために、全開状態にさせることによりカラン側での通水抵抗を排除した状態で劣化判定を行わせるようにするものである。
【0052】第2の報知制御は、劣化判定部684により浄水フィルタ材が劣化状態に至っていると判定されたときに、上記報知手段63により浄水フィルタ材が劣化状態に至っており浄水カートリッジ51を交換する必要がある旨を報知するようになっている。この報知は、第1実施形態の報知制御部685aで説明したと同様に行えばよい。
【0053】以上により、手動カランにより構成された高温出湯カラン4bを有する高温浄湯システムにおいても、第1実施形態と同様に、使用継続中の浄水フィルタ材の実際の浄化機能を的確に判定することができ、その浄化機能が劣化状態に至っている場合にはユーザに対しその旨を確実に案内報知して浄水カートリッジ51の交換を促すことができる。これにより、未だ浄化機能を発揮しているにも拘わらずに浄水カートリッジが交換されてしまう無駄を防止し得る一方、既に浄化機能を発揮しない浄水カートリッジが継続使用される不都合を解消することができるようになる。
【0054】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。
【0055】上記第1及び第2実施形態では、出湯流量が同一条件になるように流量調整弁23を制御した場合において浄水カートリッジ51の使用開始時と、設定時間経過後とで同一流量となる弁制御値(弁開度)に変動があるか否かを見て、その変動が設定偏差以上あれば浄水フィルタ材が劣化状態に至っていると判定するようにしているが、これに限らず、次のような他の判定制御を採用するようにしてもよい。
【0056】すなわち、劣化判定制御部の初期値記憶部に記憶する浄水カートリッジ51の使用開始時と、今回値取得部で取得する設定時間経過後とで、共に流量調整弁23の弁開度が同一となるように弁作動制御部によるサーボ機構23aの作動制御を行い、このときの入水流量センサ22による検出流量値を初期流量値及び今回流量値として取得する。そして、初期流量値を上記初期値記憶部に記憶保持させておき、今回値取得部により取得した今回流量値と、上記の記憶保持されていた初期流量値とを劣化判定部により比較させるようにする。そして、両流量値間に設定偏差以上の偏差が生じていれば浄水フィルタ材の浄化機能が劣化状態に至っていると判定する一方、偏差が生じていても設定偏差よりも小さい場合には浄化機能は未だ発揮されていると判定する。
【0057】このような判定制御を、高温出湯カラン4aが電子カランにより構成された第1実施形態もしくは高温出湯カラン4bが手動カランにより構成された第2実施形態に適用した場合においても、浄水フィルタ材の実際の浄化機能が劣化状態に至っているか否かの判定を的確にに行うことができ、かつ、その判定結果をユーザに報知することにより浄水カートリッジ51の交換を適切なタイミングで促すことができる。
【出願人】 【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
【出願日】 平成12年11月29日(2000.11.29)
【代理人】 【識別番号】100107445
【弁理士】
【氏名又は名称】小根田 一郎
【公開番号】 特開2002−168522(P2002−168522A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−362172(P2000−362172)