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【発明の名称】 住宅設備機器及び住宅設備機器の運転許可システム
【発明者】 【氏名】坂口 正

【要約】 【課題】使用料制の住宅設備機器において、ユーザによる不正な利用を抑えることができる。

【解決手段】リモコン12は、運転制御を行う制御部20を備える。制御部20のRAM23は、電子チケットの有効限度値を記憶する。制御部20は、電子チケットの有効限度値に基づいて給湯システム10を運転可能状態と運転禁止状態とに切り替える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】住宅設備機器(10)であって、運転制御を行う制御部(20)と、記憶部(23)と、を備え、前記記憶部(23)は、有効限度値を含む運転許可情報を記憶し、前記制御部(20)は、前記運転許可情報の有効限度値に基づいて運転可能状態と運転禁止状態の切替を行う、住宅設備機器(10)。
【請求項2】前記運転許可情報の前記有効限度値は、日付、日数、運転時間、又は運転消費エネルギー量のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の住宅設備機器(10)。
【請求項3】前記記憶部(23)は、少なくとも試運転に必要な前記有効限度値を含んだ前記運転許可情報を出荷時に記憶している、請求項1または2に記載の住宅設備機器(10)。
【請求項4】前記住宅設備機器(10)は、通信部(24)をさらに有し、前記運転許可情報は、通信網(50)を介して配信される、請求項1から3のいずれかに記載の住宅設備機器(10)。
【請求項5】前記記憶部(23)は、前記住宅設備機器(10)自身を特定する自己特定情報を記憶し、前記運転許可情報は、前記住宅設備機器(10)を識別する識別情報を含んでおり、前記制御部(20)は、前記自己特定情報と前記識別情報との照合により前記運転許可情報が有効であると認証する、請求項1から4のいずれかに記載の住宅設備機器(10)。
【請求項6】前記運転許可情報の前記有効限度値を表示可能な表示部(40)をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の住宅設備機器(10)。
【請求項7】運営センター(60)のコンピュータサーバ(61)との通信が可能な住宅設備機器(10)の運転許可システムであって、前記運営センター(60)の前記コンピュータサーバ(61)は、複数の住宅設備機器(10)と通信可能であって、前記住宅設備機器(10)の所有者による使用代金の支払いにより、通信網(50)を介して所有者との契約に応じた有効期限を有する運転許可情報を送信し、前記住宅設備機器(10)は、運転制御を行う制御部(20)と、記憶部(23)と、通信部(24)と、を備えており、前記記憶部(23)は、前記通信部(24)により受信した前記運転許可情報を記憶し、前記制御部(20)は、前記記憶部(23)が記憶する前記運転許可情報に基づき前記住宅設備機器(10)を運転可能状態にする、住宅設備機器(10)の運転許可システム。
【請求項8】前記コンピュータサーバ(61)は、記憶装置(61a)を備え、複数の前記運転許可情報の複製を前記記憶装置(61a)に記憶する、請求項7に記載の住宅設備機器(10)の運転許可システム。
【請求項9】前記コンピュータサーバ(61)は、前記運転許可情報の送信時に、前記住宅設備機器(10)に制御変更を含んだ前記運転許可情報を送信し、前記制御部(20)は、前記運転許可情報に従い制御変更した運転制御を行う、請求項7又は8に記載の住宅設備機器(10)の運転許可システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅設備機器及び住宅設備機器の運転許可システム、特に使用料制の住宅設備機器及び住宅設備機器の運転許可システムに関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機、給湯器等の各種住宅設備機器は、一般に、各機器の有する機能に見合った価格で販売されている。そして、ユーザは、このような住宅設備機器を購入する場合、その機器の価格に、その機器の機能に見合った対価を感じ取り、これらの機器を購入しようと考える。
【0003】しかし、住宅設備機器は、高価なものが多く、購入、設置等に要する初期費用が大きくなる。このため、ユーザは、購入をためらう傾向が強くなる。そこで、ローン返済等の方法により初期費用をユーザに少額ずつ支払わせる方法がある。
【0004】しかし、ローン返済等により事後的に初期費用を支払う方法であっても、ユーザは、毎回支払う額は初期費用を単に事後的に分割して支払うに過ぎないという意識を持って支払いを続けることになるため、機器の購入自体をためらったり、購入後であっても毎回の支払いに対し嫌気を感じたりする場合がある。
【0005】また、ローン返済等では毎回の支払額が定額であるため、その機器をあまり使用していない場合、故障した場合等でも毎回定額を支払わなければならないため、顧客に支払いに対する抵抗感を与えることがある。
【0006】以上のような課題に対して、出願人は、特願2000−304583において次のような発明を行っている。これは、無料で機器を設置した後、ユーザにローン返済等のような毎回一定の支払いを行わせるのではなく、ユーザが実際に得たサービスの対価として機器の使用量に応じた料金の支払いを行わせるものである。これにより、ユーザの機器の導入を促進させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このとき、機器の使用料金の支払いを確実に受けるためには、ユーザの住宅設備機器使用量を確認する必要がある。もしくは、使用料金を前払制にして、それに応じた機器の使用を許可することが考えられる。
【0008】しかしこのとき、住宅設備機器の使用量を確認できない場合に、前払の料金分以上に使用されてしまったり、不正に使用されてしまったりすることもあり得る。これを避けるため、住宅設備機器にタイマーやメーターなどの制限機器を設置して、使用を制限することが考えられる。
【0009】タイマーは、例えば、ユーザの住宅設備機器に前払した料金分の使用許可を与え、前払した料金以上を使用しようとした際に住宅設備機器の使用を禁止する機構を有するものである。タイマーとして、例えば前払するためのコイン投入口が備えられ、その前払分の使用を許可するコインタイマーなどが挙げられる。また、メーターは、ユーザの機器使用量を供給側に連絡し、ユーザの機器使用量が前払した料金以上になる際に使用を禁止する指標とするものである。
【0010】しかし、住宅設備機器の外部に備え付ける上記のような制限機器を用いて制限を行う場合には、制限機器の取り外しが可能である。すなわち、制限機器の取り外しにより、住宅設備機器を不正に利用することが可能となってしまう。
【0011】本発明の課題は、使用料制の住宅設備機器において、ユーザによる不正な利用を抑えることができる住宅設備機器及び住宅設備機器の運転許可システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の住宅設備機器は、運転制御を行う制御部と、記憶部とを備えている。記憶部は、有効限度値を含む運転許可情報を記憶する。制御部は、運転許可情報の有効限度値に基づいて運転可能状態と運転禁止状態の切替を行う。
【0013】住宅設備機器の運転の制限機器を住宅設備機器の外部に取り付けた際には、制限機器を取り外すことにより、不正に住宅設備機器を利用することが可能な場合がある。これに対して、ここでは、運転制限の機能を住宅設備機器の制御部に内蔵させて、運転許可情報の有効限度値に基づいて運転の制限を行わせている。これにより、運転許可がない場合に、ユーザが住宅設備機器を不正利用することが抑えられる。
【0014】請求項2に記載の住宅設備機器は、請求項1に記載の住宅設備機器であって、運転許可情報の有効限度値は、日付、日数、運転時間、又は運転消費エネルギー量のうちの少なくとも一つである。
【0015】ここでは、運転許可情報により、住宅設備機器の運転を、有効限度値に含まれる日付まで、有効限度値に含まれる日数に達するまで、運転時間が有効限度値に含まれる運転時間に達するまで、運転時の運転消費エネルギーが有効限度値に含まれる運転消費エネルギーに達するまで、又はそれらの条件が組み合わされた条件を満足するまで可能としている。
【0016】なお、運転消費エネルギーは、住宅設備機器の運転時における消費電力量や消費ガス量などのエネルギー使用量を指す。請求項3に記載の住宅設備機器は、請求項1または2に記載の住宅設備機器であって、記憶部は、少なくとも試運転に必要な有効限度値を含んだ運転許可情報を出荷時に記憶している。
【0017】ここでは、住宅設備機器は、出荷時に最低限の運転が可能な状態にある。住宅設備機器は、調整などを行うために試運転を要するが、この際の運転は、利用とは異なるので、試運転用の運転許可情報が必要となる。
【0018】請求項4に記載の住宅設備機器は、請求項1から3のいずれかに記載の住宅設備機器である。住宅設備機器は、通信部をさらに有する。運転許可情報は、通信網を介して配信される。
【0019】ここでは、住宅設備機器の通信部を用いることにより、通信網を介して運転許可情報を受けることができる。これにより、有人で運転許可の手続きをしてもらう場合に比べて、住宅設備機器の運転許可を受けることが容易になる。
【0020】請求項5に記載の住宅設備機器は、請求項1から4のいずれかに記載の住宅設備機器であって、記憶部は、住宅設備機器自身を特定する自己特定情報を記憶する。運転許可情報は、住宅設備機器を識別する識別情報を含んでいる。制御部は、自己特定情報と識別情報との照合により運転許可情報が有効であると認証する。
【0021】住宅設備機器の運転許可情報に唯一性が無く、他の住宅設備機器に流用が可能であれば、運転許可情報の不正利用を妨げることができない。ここでは、住宅設備機器ごとに運転許可情報が異なるため、流用などの不正利用を妨げられている。
【0022】請求項6に記載の住宅設備機器は、請求項1から5のいずれかに記載の住宅設備機器であって、運転許可情報の有効限度値を表示可能な表示部をさらに備える。
【0023】ここでは、有効限度値を住宅設備機器の表示部に表示する事が可能である。これにより、現時点における住宅設備機器の使用可能時間などの有効限度を知ることができる。
【0024】請求項7に記載の住宅設備機器の運転許可システムは、運営センターのコンピュータサーバとの通信が可能な住宅設備機器の運転許可システムである。運営センターのコンピュータサーバは、複数の住宅設備機器と通信可能であって、住宅設備機器の所有者による使用代金の支払いにより、通信網を介して所有者との契約に応じた有効期限を有する運転許可情報を送信する。また、住宅設備機器は、運転制御を行う制御部と、記憶部と、通信部とを備えている。記憶部は、通信部により受信した運転許可情報を記憶する。制御部は、記憶部が記憶する運転許可情報に基づき住宅設備機器を運転可能状態にする。
【0025】住宅設備機器の運転の制限機器を住宅設備機器の外部に取り付けた際には、制限機器を取り外すことにより、不正に住宅設備機器を利用することが可能な場合がある。これに対して、ここでは、運転制限の機能を住宅設備機器の制御部に内蔵させて、運転許可情報の有効限度値に基づいて運転の制限を行わせている。これにより、運転許可がない場合に、ユーザが住宅設備機器を不正利用することが抑えられる。
【0026】また、運転許可情報は、コンピュータサーバにより住宅設備機器に送られる。これにより、住宅設備機器の所有者にとっては、住宅設備機器の運転許可を受ける手続きが少なくなる。また、運営センターは、通信を介して複数の住宅設備機器をコンピュータサーバにより運営及び管理する事が可能となり、複数の住宅設備機器を一元管理できる。
【0027】請求項8に記載の住宅設備機器の運転許可システムは、請求項7に記載の住宅設備機器の運転許可システムであって、コンピュータサーバは、記憶装置を備え、複数の運転許可情報の複製を記憶装置に記憶する。
【0028】ここでは、何らかのトラブルによって住宅設備機器の記憶部から運転許可情報が失われた際にも、コンピュータサーバに記憶されている運転許可情報の複製を用いることが可能となる。
【0029】請求項9に記載の住宅設備機器の運転許可システムは、請求項7又は8に記載の住宅設備機器の運転許可システムである。コンピュータサーバは、運転許可情報の送信時に住宅設備機器に制御変更を含んだ運転許可情報を送信する。制御部は、運転許可情報に従い制御変更した運転制御を行う。
【0030】ここでは、コンピュータサーバから住宅設備機器へ制御変更の指示が可能である。住宅設備機器の使用契約は、その運転能力に応じて異なる場合が多い。所有者の利用状況に応じて住宅設備機器の運転能力を設定することにより、無駄の少ない適切な利用を行うことが可能となる。運転能力を変更する手段として、住宅設備機器を取り替えることが一般に行われる。それに代えて、運転能力が大きい住宅設備機器を用いて、運転能力の制御を変更することにより適切な利用をすることも可能である。
【0031】ここでは、所有者により運転能力の変更を行いたい場合に、コンピュータサーバから運転能力情報を含んだ運転許可情報を送ることにより行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]
<構成>〔全体構成〕本発明の第1実施形態に係る給湯システム10を図1に示す。
【0033】給湯システム10は、給湯器11、リモコン12、接続アダプタ13からなる。給湯器11は、熱湯を供給するための機器である。リモコン12は、給湯器11を制御するための制御機能を備えている。接続アダプタ13は、リモコン12の通信部24(後述、図2参照)と電話線とを接続するものである。この接続アダプタ13を経由して、リモコン12は、運営センター60のコンピュータサーバ61と通信を行う。
【0034】〔給湯器の構成〕給湯器11は、風呂などの家庭内給湯に用いる機器である。給湯器11は、給湯部30、タンク31を有している。給湯部30は、電気により水道水を加熱し、タンク31に熱湯を供給する加熱機器である。タンク31は、熱湯を蓄えて保温する貯蔵部である。
【0035】〔リモコンの構成〕リモコン12は、給湯器11の給湯部30を制御するための制御機能を備えた機器である。リモコン12は、制御部20を内蔵している。また、リモコン12は、その前面にタッチパネル式の液晶ディスプレイであるLCD40を有している。給湯システム10の制御ブロック図を図2に示す。
【0036】制御部20は、CPU21、ROM22、RAM23及び通信部24を有しており、それぞれバスラインを介して相互に接続されている。CPU21は、リモコン12及び給湯部30の制御を行う制御部本体である。ROM22は、リモコン12及び給湯部30の基本制御プログラムなどを記憶している。RAM23は、不揮発性メモリであり、リモコン12及び給湯部30の制御プログラム、給湯器11の自己特定番号、給湯器11の電子チケット(後述)の有効限度値などを記憶する。通信部24は、通信機能を有しており、前述したように、接続アダプタ13を経て電話回線網50を介して運営センター60のコンピュータサーバ61と通信を行う。
【0037】給湯器11の自己特定番号は、機器種別と機器番号とを組み合わせたものである。機器種別は、住宅設備機器の種類を表す番号である。また、機器番号は、機器の製造番号に相当する番号である。この2つの番号を組み合わせた自己特定番号は、給湯器11を特定することができる番号である。
【0038】LCD40は、表示及び入力を担う部材である。LCD40には、現在の湯温や湯量などの給湯器11に関する情報や、電子チケット(後述)の有効限度値などを表示する。また、LCD40は、ユーザによる給湯器11の制御指示を入力可能である。
【0039】〔コンピュータサーバの構成〕上記給湯システム10の接続先であるコンピュータサーバ61について示す。コンピュータサーバ61は、運営センター60にて運営するコンピュータであり、記憶部61aを有している。
【0040】コンピュータサーバ61は、給湯システム10など複数の住宅設備機器を管理運営するコンピュータであり、電話回線網50を介して通信を行う。記憶部61aには、複数の住宅設備機器の機器情報、ユーザ情報、サポート履歴情報などが記憶されている。また、住宅設備機器の電子チケットの情報をバックアップとして記憶保存している。
【0041】<電子チケット>〔概要〕給湯器11の電子チケットは、リモコン12において給湯器11を制御する際に運転可能か運転禁止かを判断するために必要な情報である。
【0042】電子チケットは、運転許可情報を含んでおり、給湯器11を利用する際にユーザが前払制で購入することにより、運営センター60のコンピュータサーバ61から送信される。
【0043】〔電子チケットの内容〕給湯器11の電子チケットは、運転許可情報を含んでいる。運転許可情報は、識別番号と有効限度値からなる。識別番号は、機器種別と機器番号とで表される。また、有効限度値は、有効期限を含み、さらに日数限度値、運転時間限度値、消費電力量限度値の3項目の少なくとも1つで表される。有効限度値のどの項目が有効であるかは、ユーザと運営センター60との契約に基づく。電子チケットの運転許可情報を図3に例示する。図3(a)は、有効限度値が有効期限と日数限度値とを含む場合、図3(b)は、有効限度値が有効期限と運転時間限度値とを含む場合、図3(c)は、有効限度値が有効期限と消費電力量限度値とを含む場合である。
【0044】給湯器11の電子チケットに含まれる識別番号は、RAM23に記憶されている自己特定番号に対応し、他の住宅設備機器で給湯器11の電子チケットを流用できないために付けられている。また、有効限度値は、給湯器11の電子チケットが有効である限度値が示されている。有効期限は、電子チケットが有効である期限であり、電子チケットの再利用を防止するためのものである。日数限度値は、電子チケットが何日間有効であるかを示すものである。運転時間限度値は、給湯器11の運転時間に対して電子チケットが何時間有効であるかを示すものである。消費電力量限度値は、給湯器11が消費する電力量に対して電子チケットの有効限度を示すものである。
【0045】〔初期運転〕ユーザが給湯器11を導入した直後は、電話回線網50と接続されていない。このため、給湯器11は、コンピュータサーバ61と通信できず、電子チケットを受信できない。しかし、ユーザ宅に給湯器11を設置した際には、給湯器11の動作確認をする必要がある。さらに、動作確認は、ユーザの利用とは異なるため、動作確認によりユーザの運転許可情報が使用されるのは不合理である。
【0046】動作確認の運転のために、導入直後の給湯器11のRAM23には、少なくとも動作確認を行うことが可能な運転許可情報を記憶している。これにより、給湯器11の動作確認を行い、さらに電話回線網50に接続して、電子チケットを受信する準備をすることができる。
【0047】〔電子チケットの受信処理〕ユーザが給湯器11の電子チケットを購入すると、運営センター60のコンピュータサーバ61は、給湯器11の電子チケットをリモコン12の通信部24に送信する。RAM23は、通信部24に送られた電子チケットに含まれる運転許可情報を記憶する。
【0048】現在の給湯器11の有効限度値と現在の日付とは、RAM23に例えば図4のように記憶されている。有効限度値のどの項目が有効であるかは、ユーザと運営センター60との契約に基づくため、有効な項目のみを記憶している。図4(a)は、日数に基づく契約の場合、図4(b)は、運転時間に基づく契約の場合、図4(c)は、使用電力量に基づく契約の場合である。
【0049】なお、有効限度値は、給湯器11の運転に応じて減算される。リモコン12における電子チケットの受信処理を図5のフローチャートに従って説明する。
【0050】ステップS11で、リモコン12は、コンピュータサーバ61から電子チケットを受信する。続いて電子チケットの有効性についてステップS12、S13で判断する。これは、電子チケットが真のコンピュータサーバ61から送信された電子チケットであるか確認し、電子チケットの有効性を確認する必要があるからである。
【0051】ステップS12では、電子チケットの運転許可情報に含まれている有効期限と、現在の日付とを比較する。現在の日付が大きい場合には、電子チケットが期限切れであるとして、ステップS15に移る。有効期限が大きい場合には、電子チケットの有効期限内であると解釈し、ステップS13に移行する。
【0052】ステップS13では、電子チケットの運転許可情報に含まれている識別番号と、RAM23に記憶する給湯器11の自己特定番号とを照らし合わせる。識別番号と自己特定番号とが異なる場合には、給湯器11の電子チケットではないとしてステップS15に移る。一致した場合は、流用されていない正しい電子チケットであると認識して、電子チケットの有効限度値を受け入れる処理に移る。
【0053】ステップS14で、CPU21は、電子チケットの有効限度値をRAM23に記憶する。その際に新しい電子チケットの有効限度値を現在RAM23に記憶されている有効限度値に加算し、その結果を再度RAM23に記憶する。これにより、現時点で残っている有効限度値を引き継ぐことになる。
【0054】ステップS15は、コンピュータサーバ60から無効な電子チケットを受けた際の処理である。電子チケットを破棄して、受信した電子チケットが無効である旨をLCD40に表示する。
【0055】以上の処理により、リモコン12は、電子チケットの受信処理を行う。
〔電子チケットの有効確認〕ユーザにより給湯器11の使用指示がリモコン12のLCD40に入力されたときには、RAM23に記憶されている電子チケットの有効限度値が現在も有効であるか確認する必要がある。この有効確認処理を図6に示すフローチャートにより解説する。
【0056】ステップS20では、RAM23に図4のように記憶されている現在の有効限度値が0以下か否かを判断する。ただしここで有効限度値のうち、ユーザと運営センター60との契約により有効とされるものを判断対象とする。現在の有効限度値が0以下である場合は、電子チケットが無効であると認識し、ステップS30に移行する。現在の有効限度値が0を上回る場合には、ステップS21に移る。
【0057】ステップS21では、ステップS20と同様に現在の有効限度値が基準値以下か否かを判断する。例えば日数の基準値として7日間、運転時間の基準値として48時間、電力量の基準値として100kwh、といった基準値を既定しておく。現在の有効限度値が基準値を上回る場合には、運転許可情報が有効であると認識し、ステップS22に移る。現在の有効基準値が基準値以下の場合には、電子チケットの有効限度値が少ないと認識して、ステップS35に移り、LCD40に電子チケットの残量が少ない旨を表示する。
【0058】ステップS22では、今までのステップにより電子チケットが有効であることが確認されたので、LCD40に有効限度値を表示して給湯器11の運転を許可し、運転を行う。
【0059】ステップS30は、ステップS20において電子チケットの運転許可情報が無効であると認識したので、給湯器11の運転を禁止する。次にステップS31に移行し、LCD40に電子チケットが無効である旨を表示する。
【0060】以上の処理により、電子チケットの有効確認を行い、給湯器11の運転を可能若しくは禁止する。<バックアップ>コンピュータサーバ61は、電子チケットの購入時又は定期的に、例えば一週間に1回、リモコン12に通信を行い、RAM23に記憶されている有効限度値などの情報を記憶部61aにバックアップする。
【0061】RAM23は、コンピュータサーバ61から送られた電子チケットの有効限度値を記憶した後、給湯器11の使用に応じてその有効限度値が減算される。RAM23は、不揮発性メモリであるので停電による有効限度値の喪失はほとんど無い。
【0062】しかし、何らかのトラブルによりRAM23が有効限度値を失う可能性がある。また、リモコン12の制御部20において他の部分が故障し、制御部全てを交換修理することもある。この場合には、RAM23も交換することになるため、RAM23に記憶された情報が全て失われることになる。有効限度値が失われると、給湯器11の運転が禁止される。さらに、例えばユーザが電子チケットを購入した直後であった場合は、有効限度値が十分残っていたにもかかわらず、有効限度値が失われたことにより給湯器11を使用できない。これによりユーザが金銭的損失を被る可能性がある。
【0063】ユーザ保護のため、コンピュータサーバ61は、RAM23に記憶された情報を定期的にバックアップする。RAM23の記憶が失われた際には、コンピュータサーバ61に保存された情報のバックアップに基づいて、RAM23に情報を復元する。これにより、ユーザへの金銭的損失を抑えることが可能となる。
【0064】<給湯システムの特徴>(1)本実施形態の給湯システム10は、コンピュータサーバ61が送信する電子チケットの有効限度値に基づいて、リモコン12が運転制御を行う。外部に取り付けた機器で運転の制限を行わず、リモコン12により運転の制限を行うため、物理的に運転の制限を止めて不正利用することを抑えられる。
【0065】(2)本実施形態の給湯システム10の電子チケットは、日付を含み、日数、運転時間、消費電力のうち少なくとも一つを含む。これにより、ユーザと運営センター60との契約が日数、運転時間、消費電力のどれかから選択することが可能である。
【0066】(3)本実施形態の給湯システム10のRAM23には、少なくとも動作確認を行うことが可能な有効限度値を記憶している。これにより、試運転を行って動作確認を行え、さらに電話回線網50に接続して新規の電子チケットを受信する準備をすることが可能である。
【0067】(4)本実施形態の給湯システム10は、通信部24を有しており、電子チケットがコンピュータサーバ61から電話通信網50を介して通信部24に送信される。電子チケットがコンピュータサーバ61から送られてくるため、容易に有効限度値の更新を行える。
【0068】(5)本実施形態の給湯システム10は、RAM24が自己特定番号を記憶している。電子チケットは、識別番号を含んでいる。自己特定番号と識別番号を照合することにより、電子チケットが有効か否かを判断できる。
【0069】(6)本実施形態の給湯システム10のリモコン12は、LCD40を備えている。LCD40は、給湯器11の状態などを表示すると共に、電子チケットの有効限度値を表示するので、ユーザが電子チケットの残量を知ることができる。
【0070】(7)本実施形態の給湯システム10は、RAM23の記憶情報をコンピュータサーバ61にバックアップする。何らかのトラブルによりRAM23の記憶が失われた際にも情報を復旧することができる。これにより、ユーザが購入した電子チケットを保護することができる。
【0071】<他の実施例>(A)本実施形態の給湯システム10では、電話回線網50を介して運営センター60のコンピュータサーバ61と通信を行う。しかし、インターネットや専用通信回線などを介して通信を行ってもよい。
【0072】(B)本実施形態の給湯システム10では、1台のリモコン12が1台の給湯器11を制御している。しかし、リモコン12が制御するのは給湯器に限らず様々な住宅設備機器を制御してよく、また1台のリモコン12により複数の住宅設備機器を制御してもよい。その場合、RAM23には、住宅設備機器ごとに自己特定番号、電子チケットの有効限度値を記憶する。
【0073】(C)本実施形態の給湯システム10では、自己特定番号として機器種別と機器番号とを組み合わせたものを用いている。しかし、自己特定番号は、機器に固有の番号で有ればよく、自己特定番号として品番と電話番号を用いてもよい。
【0074】(D)本実施形態の給湯システム10において、ユーザーが給湯器11の電子チケットを購入する手段として、LCD40に購入手続部を設けてユーザーが購入意志を示すために入力することにより購入手続きを完了しても良い。
【0075】(E)本実施形態の給湯システム10において、電子チケットは、コンピュータサーバ61からリモコン12に送信される。しかし、通信により電子チケットを得る以外の手段を用いても良い。
【0076】例えば、暗号化された文字で表される電子チケットをリモコン12のLCD40を通じて入力することにより、電子チケットをリモコン12のRAM23に記憶させる手段を用いても良い。この場合、インターネット上のWebショップ、コンビニエンスストアの端末、電気店などにおいて電子チケットを購入する。
【0077】(F)本実施形態の給湯システム10において、電子チケットは、コンピュータサーバ61から送信され、リモコン12のRAM23に記憶される。しかし、リモコン12のRAM23の一部としてメモリカード27を有し、電子チケットの有効限度値がメモリカード27に記憶されても良い。
【0078】このとき、リモコン12にメモリカード27を接続する機構が必要になる。図7に示されるように、リモコン12は、さらに制御部にメモリカードインターフェース(メモリカードIF)25とカードスロット26を有する。メモリカードIF25は、カードスロット26と制御部20との接続を担っており、バスラインを介してCPU21、ROM22、RAM23及び通信部24と相互に接続されている。カードスロット26は、メモリカード27を挿入することにより、メモリカード27に記憶されている有効限度値を読み書き可能とする部材である。
【0079】メモリカード27は、電子チケットの有効限度値を記憶する。有効限度値は、コンピュータサーバ61と通信することにより書き換え可能であるが、他の手段を用いても良い。例えば、電子チケット更新サービス機を備えた電気店やコンビニエンスストアにユーザがメモリカード27を持参する。電子チケット更新サービス機にメモリカード27を挿入し、購入手続きを行うことにより、メモリカード27に記憶された電子チケットの有効限度値を書き換え、それをカードスロット26に挿入することにより給湯器11の使用が可能となる。または、電子チケットの有効限度値を記憶済みのメモリカード27を販売店で購入し、それをカードスロットに挿入することで給湯器11を使用しても良い。
【0080】[第2実施形態]第2実施形態に係る給湯システム10は、第1実施形態の給湯システム10と同様の構成である。第1実施形態と異なる点を示す。
【0081】<給湯器の能力変更>給湯器11の能力が大きい場合、その全能力を使用する必要がない場合がある。例えば、現在は少能力の給湯器でも良いが将来的に大能力の給湯器が必要になる可能性があるため、ユーザが大能力の給湯器を入手した場合である。このとき、ユーザと運営センター60との間で給湯器11の能力に応じて電子チケットの価格を定める契約を結んでいる場合、給湯器11の全能力を使わないユーザには、電子チケットの購入価格が高くなりうる。
【0082】また、ユーザが少能力の給湯器11を導入したが、給湯能力の大きい給湯器11が必要となる場合、ユーザーは、給湯器11を交換する必要が生じる。しかし、交換により生じる古い給湯器11が無駄になる。
【0083】これに代えて、大能力かつ能力変更可能な給湯器11を導入した後にその給湯器11の能力を制限して、その制限後の能力に応じた料金を電子チケットの価格とする。これにより、ユーザが購入する電子チケットの価格をより適切にすることができる。
【0084】能力変更を行える給湯器11において、能力の設定をユーザが自由に行うことができるとトラブルなどにより不適切なことが生じる可能性がある。このため、電子チケットに記録された能力設定の設定項目に従って、リモコン12が自動的に能力制御を行って変更する。能力設定の項目を設けた電子チケットの例を図8(a)に示す。
【0085】コンピュータサーバ61から電子チケットを受信したリモコン12は、電子チケットの有効性を確認した後、RAM23に有効限度値と共に能力設定の値を記憶する。RAM23に記録された能力設定の値に従って、給湯器11の能力制御を行う。これにより、適切な能力で給湯器11を運転することができ、さらに適切な料金体系で電子チケットを購入することが可能となる。
【0086】<給湯システムの特徴>本実施形態の給湯システム10は、コンピュータサーバ61から送られた電子チケットに含まれる能力設定の設定項目に従い運転能力の制御を行う。これにより、適切な能力で給湯器11を運転することができ、さらに適切な料金体系で電子チケットを購入することが可能となる。
【0087】
【発明の効果】請求項1に係る住宅設備機器では、運転許可が無い場合に住宅機器を不正に利用することを抑えられる。
【0088】請求項2に係る住宅設備機器では、運転許可情報により、住宅設備機器の運転を、有効限度値に含まれる日付まで、有効限度値に含まれる日数に達するまで、運転時間が有効限度値に含まれる運転時間に達するまで、運転時の運転消費エネルギーが有効限度値に含まれる運転消費エネルギーに達するまで、又はそれらの条件が組み合わされた条件を満足するまで可能としている。
【0089】請求項3に係る住宅設備機器では、出荷時に最低限の運転が可能な状態にあり、調整などのための試運転を行える。請求項4に係る住宅設備機器では、通信網を介して運転許可情報を受けることができるため、有人で運転許可の手続きをしてもらう場合に比べて、住宅設備機器の運転許可を受けることが容易になる。
【0090】請求項5に係る住宅設備機器では、住宅設備機器ごとに運転許可情報が異なるため、運転許可情報の識別情報を用いることにより流用などの不正利用を妨げられる。
【0091】請求項6に係る住宅設備機器では、有効限度値が住宅設備機器の表示部に表示する事が可能であるため、現時点における住宅設備機器の使用可能時間などの有効限度を知ることができる。
【0092】請求項7に係る住宅設備機器の運転許可システムでは、運営センターが通信を介して複数の住宅設備機器をコンピュータサーバにより運営及び管理する事が可能となり、複数の住宅設備機器を一元管理できる。運転許可が無い場合に住宅機器を不正に利用することを抑えられる。また、運転許可情報は、コンピュータサーバにより住宅設備機器に送られるため、住宅設備機器の所有者にとっては、住宅設備機器の運転許可を受ける手続きが少なくなる。
【0093】請求項8に係る住宅設備機器の運転許可システムでは、何らかのトラブルによって住宅設備機器の記憶部から運転許可情報が失われた際にも、コンピュータサーバに記憶されている運転許可情報の複製を用いることが可能となる。
【0094】請求項9に係る住宅設備機器の運転許可システムでは、運転能力の変更を行いたい場合に、コンピュータサーバから運転能力情報を含んだ運転許可情報を送ることにより行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男 (外1名)
【公開番号】 特開2002−168515(P2002−168515A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−365054(P2000−365054)