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【発明の名称】 高温浄湯システム
【発明者】 【氏名】奥村 和晃

【氏名】大林 利彦

【氏名】川口 哲

【氏名】谷口 康子

【要約】 【課題】浄水フィルタ材の寿命の短縮化を招くことなくカランからの高温浄湯の即時出湯を可能にし、併せて、循環加熱の間は塩素含有状態にしてカランから出湯段階で塩素が除去されるようにする。

【解決手段】入水管11からの入水を給湯器2により加熱して高温水を出湯管12に出湯させる。入湯口33から浄水器3aの空隙部36に入湯させた高温水を循環ポンプ142の作動により第2の出湯口35から戻し配管14に流し、入水管を経て給湯器に戻して再加熱する。このような循環加熱中は高温水が浄水フィルタ材32を通過しないようにする一方、空隙部内の高温水により浄水フィルタ材を加温する。循環加熱の途中で高温出湯カラン4が開操作されると空隙部内の高温水が浄水フィルタ材を通過して初めて含有塩素が除去されて浄化され、浄化後の高温浄湯が第1の出湯口34及び出湯接続管13を経て高温出湯カランから出湯される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記出湯配管から供給される高温水が上記浄水器内の浄水フィルタ材に通されることにより浄化された高温浄湯を上記高温出湯カランから出湯可能に構成された高温浄湯システムにおいて、上記浄水器は、上記浄水フィルタ材を通過した後の高温浄湯が出湯される第1の出湯口に加え、上記浄水器内に供給された高温水が上記浄水フィルタ材を未通過のまま出湯される第2の出湯口を有し、上記第1の出湯口は上記高温出湯カランに接続される一方、上記第2の出湯口は循環ポンプを介して上記給湯器の入水側に接続されており、上記循環ポンプの作動により上記第2の出湯口から出湯される高温水が上記給湯器に戻されて循環加熱されるように構成されていることを特徴とする高温浄湯システム。
【請求項2】 請求項1記載の高温浄湯システムであって、浄水器は、浄水フィルタ材と、この浄水フィルタ材を内部に収容するケーシングと、このケーシング内に上記浄水フィルタ材に臨んで形成された空隙部と、この空隙部の一側に臨んで開口し給湯器からの高温水が供給される入湯口と、上記浄水フィルタ材に連通する第1の出湯口と、上記空隙部の他側に臨んで開口する第2の出湯口とを備え、上記第2の出湯口と給湯器の入水側との間には循環ポンプを介装した戻し配管が付設されている、高温浄湯システム。
【請求項3】 請求項2記載の高温浄湯システムであって、入湯口からの高温水を第2の出湯口に導く導湯配管を備え、上記導湯配管は浄水器の空隙部に対し露出した状態で配設されかつその空隙部に開口する連通孔を備えている、高温浄湯システム。
【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の高温浄湯システムであって、浄水器内の浄水フィルタ材を熱伝導により加温する加温配管を備え、上記加温配管は、その上流端が浄水器の手前位置の出湯配管から分岐され、中間部位が浄水フィルタ材内に挿通され、下流端が第2出湯口から給湯器の入水側に延びる戻し配管に対し合流するよう接続されている、高温浄湯システム。
【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の高温浄湯システムであって、第1の出湯口から高温出湯カランに延びる出湯配管内の湯温を検出する湯温検出手段と、上記高温出湯カランから所定温度の高温浄湯を即時出湯させる即時出湯制御手段とを備え、上記即時出湯制御手段は、上記高温出湯カランが閉状態のときには上記湯温検出手段による検出湯温が所定湯温以上になるよう循環ポンプ及び給湯器を作動制御するように構成されている、高温浄湯システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出湯配管の途中に浄水器を介装して浄化後の高温浄湯をカランから出湯させ得るようにした高温浄湯システムに係り、特に循環配管を付加して上記カランから高温浄湯が即時に出湯可能とした高温浄湯システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、給湯器とカランとを結ぶ出湯配管の途中に浄水器を介装し、給湯器から出湯される高温水を上記浄水器の浄水フィルタ材に通過させ、この浄水フィルタ材に通過させることにより浄化された後の高温浄湯を上記カランから出湯させるようにしたものは知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のものではユーザが上記カランを開いて例えば最低出湯流量以上の流量検出が行われることにより初めて上記給湯器による加熱作動が開始されることになるため、カランを開いた後に所定の高温浄湯がそのカランから出湯されるまで一定の時間経過が必要となり、カランの開操作から所定温度の高温浄湯が実際に出湯されるまで出湯遅れが生じることになる。このため、カランの開操作から一定量の捨て水が生じることになる。この捨て水の量は給湯器からカランまでの出湯配管内に残留する水の量に、給湯器の加熱作動の開始から所定温度の高温水が出湯されるまでに流される水の量を加えたものとなる。
【0004】そこで、例えば図10に示すように浄水器300の出湯口34からカラン40に延びる出湯配管の途中から給湯器2の入水側に戻す戻り配管140を付設し、循環ポンプ142の作動により給湯器2から出湯された高温水を出湯配管100、浄水器300及び戻り配管140を通して給湯器2の入水側に戻し、この給湯器2にて再加熱後の高温水を上記出湯配管100に出湯するという循環加熱回路を形成することが考えられる。すなわち、カラン40が閉状態であっても上記循環加熱回路により循環加熱させておき、上記カラン40が開操作されるとほぼ即時に所定温度の高温浄湯がカラン40から出湯されるようにするものである。
【0005】しかしながら、上記の如き循環加熱回路を形成すると、循環ポンプ142を作動させている間中、循環される高温水の全てが浄水器300の浄水フィルタ材32を通過し続けることになる。上記浄水フィルタ材32の寿命は積算通水量により定まるため、即時出湯のために循環加熱を行うが故に浄水フィルタ材32の交換時期がより早く到来してしまい、その浄水フィルタ材32の交換を頻繁に行う必要が生じてしまうことになる。つまり、浄水フィルタ材32の寿命の短縮化を招くことになる。また、上記浄水フィルタ材32は給湯器2に入水される水道水に含有する殺菌用の塩素をも除去するものであるため、上記循環加熱を持続させると、塩素が除去された状態の高温水が循環され続けることになってしまうことになる。そして、カラン40が開操作されると、上記の塩素除去状態で循環されていた高温水が上記カラン40から出湯されてしまうことになる。
【0006】ここで、戻し配管として、浄水器300の出湯口34側からではなくて、浄水器300の入湯口33よりも上流側位置の出湯配管100から給湯器2に戻すように配管することにより循環される高温水が浄水器300を通過しないようにすることも考えられる。ところが、このようにすると、浄水器300自体の熱容量が比較的大きいため、カラン40が開かれても循環加熱されていた高温水の熱が浄水器300及び浄水フィルタ材32により奪われてしまい、結局、出湯遅れによる捨て水が発生してしまうことになる。このため、即時出湯を可能にするには、循環加熱回路として浄水器を含めたものに構成する必要がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浄水フィルタ材の寿命の短縮化を招くことなくカランからの高温浄湯の即時出湯を可能にし得る高温浄湯システムを提供することにある。併せて、循環加熱の間は塩素を含有した状態のままにしておくことができる一方、カランから出湯する段階では上記塩素が除去されるようにすることも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、高温水を開閉可能に出湯させる高温出湯カランと、この高温出湯カランに対し接続された出湯配管と、入水を受けて加熱後の高温水を上記出湯配管に出湯する給湯器と、上記出湯配管の途中に介装された浄水器とを備え、上記出湯配管から供給される高温水が上記浄水器内の浄水フィルタ材に通されることにより浄化された高温浄湯を上記高温出湯カランから出湯可能に構成された高温浄湯システムを対象として以下の特定事項を備えたものである。すなわち、上記浄水器として、上記浄水フィルタ材を通過した後の高温浄湯が出湯される第1の出湯口に加え、上記浄水器内に供給された高温水が上記浄水フィルタ材を未通過のまま出湯される第2の出湯口を有するものとする。そして、上記第1の出湯口を上記高温出湯カランに接続する一方、上記第2の出湯口を循環ポンプを介して上記給湯器の入水側に接続し、上記循環ポンプの作動により上記第2の出湯口から出湯される高温水が上記給湯器に戻されて循環加熱されるように構成することを特定事項とするものである(請求項1)。
【0009】本発明によれば、高温出湯カランが閉状態の場合には、循環ポンプを作動させることにより、給湯器から出湯配管を通して浄水器内に高温水が供給され、この供給された高温水が浄水フィルタ材を通らずに第2の出湯口から給湯器の入水側に戻され、給湯器で再加熱された高温水が上記出湯配管を通して浄水器内に供給されるという循環加熱が行われる。この循環加熱の際に、高温水が浄水フィルタ材には通過しないものの浄水器内には供給されて第2の出湯口から戻されるため、浄水器内や浄水フィルタ材内に充満している湯水が上記高温水から伝熱を受けて対流を生じる結果、上記浄水フィルタ材も所定温度に加温した状態に維持される。加えて、上記の循環加熱される高温水は浄水フィルタ材を通過しないため、含有する塩素も除去されない状態で循環加熱されることになる。そして、高温出湯カランが開操作されれば、浄水器内から浄水フィルタ材を経て第1の出湯口に至る流れが生じるため、既に所定温度に加温された状態の浄水器内の高温水が浄水フィルタ材を通過して浄化され、浄化後の高温浄湯が第1の出湯口を経て高温出湯カランから即時に出湯されることになる。以上により、浄水フィルタ材の寿命の短縮化を招くことなく高温出湯カランからの高温浄湯の即時出湯が可能になる上に、循環加熱の間は塩素を含有した状態のままにして高温出湯カランから出湯する段階で上記塩素が除去されるようにすることが可能になる。
【0010】上記の本発明をさらに具体化させた一例としては次のようにすればよい。すなわち、上記発明における「浄水器」として、浄水フィルタ材と、この浄水フィルタ材を内部に収容するケーシングと、このケーシング内に上記浄水フィルタ材に臨んで形成された空隙部と、この空隙部の一側に臨んで開口し給湯器からの高温水が供給される入湯口と、上記浄水フィルタ材に連通する第1の出湯口と、上記空隙部の他側に臨んで開口する第2の出湯口とを備えたものとし、上記第2の出湯口と給湯器の入水側との間に循環ポンプを介装した戻し配管を付設するようにすればよい(請求項2)。この場合、循環加熱の際には、循環ポンプの作動により入湯口から浄水器内に供給された高温水が空隙部を通して第2の出湯口から浄水器から出され、この浄水器から出された高温水が戻し配管を通して給湯器の入水側に戻される。一方、高温出湯カランが開操作されると、上記空隙部に供給されていた高温水が浄水フィルタ材を通過して高温浄湯となり、この高温浄湯が第1の出湯口を通して高温出湯カランから即時出湯されることになる。
【0011】この請求項2の場合には、入湯口からの高温水を第2の出湯口に導く導湯配管を備え、この導湯配管を浄水器の空隙部に対し露出した状態で配設しかつその空隙部に開口する連通孔を備えたものとすることにより(請求項3)、循環加熱される高温水と浄水フィルタ材との接触を確実に遮断することが可能になる。これにより、循環加熱される高温水中の塩素の含有量を確実に維持した状態で高温水の循環加熱を持続させることが可能になる。しかも、上記導湯配管が空隙部に露出しているため、その導湯配管から空隙部に充満している湯水への伝熱により浄水器内及び浄水フィルタ材の加温も可能になる。そして、高温出湯カランの開操作により上記連通孔から空隙部に高温水が流出し、この高温水が浄水フィルタを通過して高温浄湯となって第1の出湯口から高温出湯カランに供給されることになる。
【0012】また、以上の請求項1又は請求項2において、浄水器内の浄水フィルタ材を熱伝導により加温する加温配管を備えるようにしてもよい。この場合には、上記加温配管として、その上流端を浄水器の手前位置の出湯配管から分岐し、中間部位を浄水フィルタ材内に挿通し、下流端を第2出湯口から給湯器の入水側に延びる戻し配管に対し合流するよう接続させるようにすればよい(請求項4)。このようにすることにより、加温配管に流される高温水からの熱伝導により浄水フィルタ材が積極的に加温されることになり、即時出湯の即時性をより向上させることが可能になる。しかも、浄水フィルタ材自体がより高温の加温状態に維持されることになるため、浄水フィルタ材に菌が繁殖する事態の発生をより確実に防止することが可能になり、衛生状態の維持をより高度に実現し得ることになる。
【0013】さらに、以上の請求項1〜請求項4のいずれかにおいては、循環ポンプや給湯器の作動制御による即時出湯制御を、第2の出湯口から給湯器の入水側に延びる戻し配管内の高温水の湯温もしくは給湯器から浄水器に延びる出湯配管内の高温水の湯温のいずれかが所定温度以上を維持することになるように行えばよいが、これ以外に浄水フィルタ材から高温出湯カランまでのいずれかの位置の温度検出値に基づいて上記の即時出湯制御を行うようにしてもよい。すなわち、第1の出湯口から高温出湯カランに延びる出湯配管内の湯温を検出する湯温検出手段と、上記高温出湯カランから所定温度の高温浄湯を即時出湯させる即時出湯制御手段とを備え、上記即時出湯制御手段として、上記高温出湯カランが閉状態のときには上記湯温検出手段による検出湯温が所定湯温以上になるよう循環ポンプ及び給湯器を作動制御する構成にすればよい(請求項5)。このような即時出湯制御を行うことにより、次のような作用が得られる。すなわち、循環ポンプ及び給湯器の作動により循環加熱が開始されると、浄水器内に高温水が供給され、この高温水から熱を受けて生じる対流により浄水器内、浄水フィルタ及び第1の出湯口から高温出湯カランまでの配管内に充満している湯水が加温される。この加温された湯水の湯温が湯温検出手段により検出され、この検出湯温が所定湯温以上を維持するように上記循環ポンプ及び給湯器の作動制御が継続される。このため、高温出湯カランが開操作された場合には所定温度の高温浄湯が高温出湯カランから即座に得られることになる。
【0014】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかに係る高温浄湯システムによれば、浄水フィルタ材の寿命の短縮化を招くことなく高温出湯カランから高温浄湯を即時出湯させることができるようになる上に、循環加熱の間は塩素を含有した状態のままにして高温出湯カランから出湯する段階で上記塩素が除去された高温浄湯を高温出湯から出湯させることができるようになる。
【0015】特に、請求項2によれば、具体的な構成を特定することができ、上記の効果を具体的に得ることができるようになる。
【0016】請求項3によれば、循環加熱される高温水と浄水フィルタ材との接触を確実に遮断することができ、循環加熱される高温水中の塩素の含有量を確実に維持した状態で高温水の循環加熱を持続させることができる。その一方、導湯配管から空隙部に充満している湯水への伝熱により浄水器内及び浄水フィルタ材を加温することができる上に、高温出湯カランの開操作により浄水フィルタを通過した高温浄湯を第1の出湯口から高温出湯カランに供給させることもできるようになる。
【0017】また、請求項4によれば、加温配管に流される高温水からの熱伝導により浄水フィルタ材を積極的に加温させることができ、これにより、即時出湯の即時性をより向上させることができる上に、浄水フィルタ材自体をより高温の加温状態に維持して衛生状態の維持をより高度に実現することができるようになる。
【0018】さらに、請求項5によれば、浄水器内、浄水フィルタ及び第1の出湯口から高温出湯カランまでの配管内に充満している湯水を確実に所定温度以上の高温状態に維持することができ、高温出湯カランが開操作された場合には所定温度の高温浄湯を高温出湯カランから即座に得られるようにすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】<第1実施形態>図1は本発明の第1実施形態に係る高温浄湯システムを示す。この高温浄湯システムは、入水管11から水道水等の入水を受けて加熱し加熱後の高温水を出湯管12に出湯する瞬間式給湯器2と、出湯管12を通して高温水の供給を受ける浄水器3aと、この浄水器3aにより浄化された後の高温浄湯が出湯接続管13を通して供給される高温出湯カラン4と、上記浄水器3aから上記入水管11に高温水を戻す戻し配管14とを備えている。上記の出湯管12及び出湯接続管13によって出湯配管10が構成され、上記出湯管12,戻し配管14及び入水管11によって循環加熱回路15が構成されている。
【0021】上記給湯器2は、例えばガスもしくは灯油等の燃料の燃焼により燃焼熱を発生させる燃焼バーナ21と、この燃焼バーナ21からの燃焼熱を受けて入水管11からの入水を加熱する熱交換器22とを備えており、この熱交換器22で所定の高温(例えば80℃)にまで加熱された高温水が上記出湯管12に出湯されるようになっている。
【0022】上記浄水器3aは、ケーシング31と、このケーシング31内に配設された浄水フィルタ材32と、上記出湯管12の下流端が接続された入湯口33と、上記出湯接続管13の上流端が接続された第1の出湯口34と、上記戻し配管14の上流端が接続された第2の出湯口35とを備えている。上記ケーシング31内には、その上部に上記浄水フィルタ材32が配設されており、この浄水フィルタ材32の側部及び下部には空隙部36が形成されている。そして、上記入湯口33がこの空隙部36の一側に開口するよう形成され、上記第2の出湯口35が空隙部36の他側に開口するよう形成されている。また、上記第1の出湯口34は上記浄水フィルタ材32の上端部に連通するように形成されている。
【0023】上記空隙部36は、例えば浄水フィルタ材32を挟んだ左右両側空間部分と、浄水フィルタ材32の下側空間部分とでUの字状に延びるように形成してもよいし、上記浄水フィルタ材32が略円柱形状に形成されたものである場合にはその外周面側に同心状に拡がる環状空間部分により形成してもよいし、あるいは、この環状空間部分に浄水フィルタ材32の下側空間部分を加えたものにより形成してもよい。
【0024】浄水フィルタ材32を略円柱形状に形成する場合には、その上半側位置の横断面図を図2に例示するように中心側位置に中空糸膜32aを、外周側位置に活性炭層32bをそれぞれ配置するようにすればよい。
【0025】上記高温出湯カラン4は高温浄湯を出湯させるための専用カランとされて一般カランとは区別されている。この高温出湯カラン4に下流端が接続された出湯接続管13には第1の出湯口34側から順に逆止弁131と、カラン用水流スイッチ132とが介装されている。なお、上記高温出湯カラン4としては例えば電子カランを用いて構成してもよく、この場合には図示省略の吐水スイッチのON操作(高温出湯カランの開操作)により内蔵の電動弁が全開となりOFF操作によりその電動弁が全閉状態となる。
【0026】上記戻し配管14には第2の出湯口35に接続された上流端側から順に湯温検出手段としての循環湯温検出センサ141と、循環ポンプ142と、循環用水流スイッチ143とが介装され、下流端が逆止弁144を介して入水管11に合流するように接続されている。
【0027】以上の高温浄湯システムにおいては、各管11〜14及び浄水器3a内に水が充満された状態でコントローラ5による運転制御が行われる。このコントローラ5は即時出湯制御手段が内蔵されており、リモコン(リモートコントローラ)51に対しユーザが設定した出湯湯温等の出力信号や、上記循環湯温検出センサ141及びカラン側水流スイッチ132等からの出力信号に基づいて各種制御が行われる。
【0028】すなわち、図3に例示するように上記循環湯温検出センサ141の検出湯温Thが設定出湯湯温A(℃)よりも低温の場合には、カラン側水流スイッチ132がOFF、つまり高温出湯カラン4が閉状態で流れが停止状態であることを確認して循環ポンプ142を作動させる(ステップS1及びS2が共にYES、ステップS3)。そして、給湯器2による燃焼加熱作動を所定の循環設定温度以上の出湯が維持されるように出湯制御して(ステップS4)、ステップS1に戻る。
【0029】以上の処理で上記検出湯温Thが設定出湯湯温A(℃)よりも高温になれば、上記循環ポンプ142の作動を停止し(ステップS1でNO、ステップS5)、カラン側水流スイッチ132がONになるまで、つまり、高温出湯カラン4の開操作により流れが検出されるまでステップS1での判定及びステップS5の作動停止を繰り返す(ステップS6でNO、ステップS1→S5→S6)。これにより、循環ポンプ142及び給湯器2が間欠的にもしくは連続的に作動されて循環加熱回路15を通して所定の高温の高温水が循環供給され、浄水器3aの空隙部36を通して循環される高温水の熱を受けて生じた対流により浄水フィルタ材32及び浄水器3a内が所定温度に加温されて維持される。
【0030】そして、循環ポンプ142が停止中の処理途中でカラン側水流スイッチ132がONに変換した場合(ステップS6でYES)、あるいは、上記循環ポンプ142が作動中の処理途中でカラン側スイッチ132がONに変換して循環ポンプ142を停止させた場合(ステップS2でNO、ステップS7)には、上記空隙部36に給湯器2から供給された高温水が浄水フィルタ材32を通過して浄化され、浄化後の高温浄湯が第1の出湯口34及び出湯接続管13を通して高温出湯カラン4から出湯される(ステップS8)。この出湯が上記カラン側水流スイッチ132がOFFに変わるまで継続され(ステップS9でNO)、OFFに変われば高温出湯カラン4からの出湯が停止されたため上記のステップS1に戻り、ステップS1〜S4による循環加熱あるいはステップS1,S5,S6の保温待機のいずれかの処理を繰り返す。
【0031】以上によれば、循環加熱回路15による循環加熱の際には循環される高温水が浄水フィルタ材32を通過することなく、その浄水フィルタ材32の寿命を短縮させることもない。その上に、上記高温水の循環加熱中はその高温水が浄水フィルタ材32を通過しないことから、循環される高温水から含有塩素が除去されることがなく、高温出湯カラン4から出湯される段階で初めて浄水フィルタ材32を通過することにより上記含有塩素の除去が行われることになる。さらに、浄水器3aの空隙部36を通る高温水の熱により浄水フィルタ材32を含む浄水器3a全体及び出湯接続管13を加温して一定の高温状態に維持させることができる。これにより、高温出湯カラン4が開操作された際には即時に所定湯温の高温浄湯を出湯させることができる。
【0032】<第1実施形態に属する他の形態−その1>図4に示すように、浄水器3bを構成するケーシング31b内に配設した浄水フィルタ材32の一側位置に、出湯管12の下流端に接続された入湯延長管37aを下向きに延ばして配設する。そして、この入湯延長管37aの下端を上記浄水フィルタ材32の下側空間により構成した空隙部36の一側に開口させ、この下端開口により入湯口33を構成する。また、下端が上記上記空隙部36の他側に開口する出湯延長管37bを上記浄水フィルタ材32の他側位置に上向きに延びるように配設し、上端を戻し配管14の上流端に接続する。この出湯延長管37bの下端開口により第2の出湯口35を構成する。
【0033】この場合には、出湯管12、空隙部36及び戻し配管14を通して循環される高温水が浄水器3b内の浄水フィルタ材32と接触するのをより抑制しつつ、図1の高温浄湯システムにおける浄水フィルタ材32の寿命短縮化の防止、浄水フィルタ材32を含む浄水器3bの加温及び高温出湯カラン4からの即時出湯等の種々の効果を共に実現することができる。
【0034】<第1実施形態に属する他の形態−その2>図5に示すように、浄水器3cのケーシング31c内の上部に浄水フィルタ材32を配設し、空隙部36をその浄水フィルタ材32の下部空間により主として構成する。そして、入湯口33を上記空隙部36の一側に開口するようケーシング31cの下部一側位置に形成し、第2の出湯口35を上記空隙部36の他側に開口するようケーシング31cの下部他側位置に形成する。
【0035】この場合には、図1に示す浄水器3aと比べ浄水器3c全体のコンパクト化を図ることができる。浄水フィルタ材32の外周面側の環状空間部分も上記空隙部36の一部に含まれるものの、その環状空間部分は対流による浄水フィルタ材32の加温効率を高めるためのものであり、浄水フィルタ材32の下端面からの伝熱による加温で十分である場合には上記環状空間部分を省略するようにしてもよい。この場合には、上記のコンパクト化をさらに増大させることができる。
【0036】<第2実施形態>図6は第2実施形態に係る高温浄湯システムを示す。この第2実施形態は、浄水器3dを構成するケーシング31d内に導湯配管38を付設した点を除き、他の構成要素は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0037】上記ケーシング31d内にはその上部位置に浄水フィルタ材32が第1の出湯口34に連通するように配設され、この浄水フィルタ材32の外周面側の環状空間部分と、下側空間部分とにより空隙部36が構成されている。
【0038】上記導湯配管38は、その一端に出湯管12の下流端が接続され、中間位置に熱交換部381が形成され、他端に戻し配管14の上流端が接続されたものである。上記一端により入湯口33を、上記他端により第2の出湯口35をそれぞれ構成したものである。
【0039】そして、上記導湯配管38は、上記一端から浄水フィルタ材32の一側方位置を下向きに延び、続いて浄水フィルタ材32の下側の空隙部36に上記熱交換部381が配設され、続いて上記浄水フィルタ材32の他側方位置を上向きに延びて上記他端に至るようにケーシング31dに対し取り付けられている。
【0040】上記熱交換部381は空隙部36に充満する湯水に対し放熱して加温するためのものであり、例えばコイル状に形成されている。また、上記熱交換部381には空隙部36と連通する連通孔382が形成されており、高温出湯カラン4が開操作された際にはこの連通孔382を通して給湯器2からの高温水が空隙部36に流入され、浄水フィルタ材32を通過した後に第1の出湯口34及び出湯接続管13を通して高温出湯カラン4から出湯されるようになっている。なお、この連通孔382は、上記の如く熱交換部381ではなくても空隙部36に連通する位置であれば導湯配管38のいずれの位置でもよい。
【0041】以上の第2実施形態によれば、循環ポンプ142及び給湯器2の作動により循環加熱回路15を通して循環加熱される場合には、高温水が導湯配管38を通して循環されることになる。これにより、上記高温水は浄水フィルタ材32とは完全に接触を断った状態で循環されることになり、塩素を含有した状態を確実に維持することになる。また、上記熱交換部381からの放熱により空隙部36内に充満する湯水が加温され、この加温に伴い浄水フィルタ材32も加温されることになる。一方、高温出湯カラン4が開操作された場合には、上記の如く上記連通孔382から空隙部36に流入する高温水が浄水フィルタ材32により浄化され、浄化された後の高温浄湯を上記高温出湯カラン4から即時出湯させることができる。
【0042】<第3実施形態>図7は第3実施形態に係る高温浄湯システムを示す。この第3実施形態は、浄水器3に対し浄水フィルタ材32内に挿通させた加温配管39を付設した点を除き、他の構成要素は第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0043】上記浄水フィルタ材32には上記加温配管39が予め付設されている。この加温配管39は、上流端391が入湯口33近傍位置の出湯管12から分岐するよう接続され、中間部392が浄水フィルタ材32の内部のほぼ全域に亘り分布するように折り返された状態で挿通され、下流端393が逆止弁394を介して第2の出湯口35近傍位置の戻し配管14に合流するよう接続されている。
【0044】この第3実施形態によれば、循環ポンプ142及び給湯器2の作動により循環加熱回路15を通して循環加熱される場合には、高温水が入湯口33から空隙部36に流入されこの空隙部36を通過した後に第2の出湯口35から戻し配管14に流される一方、上流端391から導湯配管39に流入した高温水が中間部392内を通過した後に下流端393から上記戻し配管14に流されることになる。このため、浄水フィルタ材32は、空隙部36内の高温水からの加温と、導湯配管39の中間部392からの伝熱による加温とを受けることになる。これにより、上記浄水フィルタ材32自体をかなり高温度に加温された状態に確実に維持することができ、加温による浄水フィルタ材32内の菌繁殖防止をより高度に実現することができるようになる。加えて、上記の如き加温により高温出湯カラン4が開操作された場合の即時出湯性能を一段と向上させることができる。
【0045】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜第3実施形態では、コントローラ5の即時出湯制御手段による即時出湯制御(循環加熱制御)を戻し配管14に設けた循環湯温検出センサ141による検出湯温に基づいて行っているが、これに限らず、例えば図1に一点鎖線で示すように出湯接続管13にカラン側湯温検出センサ141aを設け、このカラン側湯温検出センサ141aからの検出湯温を上記循環湯温検出センサ141からの検出湯温の代わりに用いて図3に基づく即時出湯制御に適用するようにしてもよい。この場合には、循環加熱される高温水からの伝熱による対流に基づき加温される第1の出湯口34から高温出湯カラン4までの出湯接続管13内の湯水の湯温を基準として循環加熱させることができ、高温出湯カラン4の開操作により即座に所定湯温の高温浄湯を出湯させることができる。
【0046】上記第1実施形態の他の形態として、例えば図8に示す如き浄水器3eを用いて高温浄湯システムを構成してもよい。すなわち、この浄水器3eはケーシング31eの上半部に浄水フィルタ材32eを充填し、下半部を空隙部36eとしたものである。そして、出湯管12の下流端を二つに分岐させ、一方を上記浄水フィルタ材32eに連通された第1入湯口33aに接続し、他方を上記空隙部36eに連通された第2入湯口33bに接続している。また、第1の出湯口34は上記浄水フィルタ材32eに対し第1入湯口33aとは反対側で連通するようにされ、第2の出湯口35は上記空隙部36eに対し上記第2入湯口33bとは反対側で連通するようにされている。以上の構成の高温浄湯システムの場合でも第1実施形態と同様の作用・効果が得られることになる。
【0047】また、例えば図9に示す如き浄水器3fを用いて高温浄湯システムを構成してもよい。この浄水器3fはケーシング31f内の上下中間位置に隔壁311を設けこの隔壁311により浄水フィルタ材32fを保持させるようにしたものである。この場合は、図8の浄水フィルタ材32eがその下端面において空隙部36e内の高温水により加温されるのに対し、上記浄水フィルタ材32fはその前面側空間部分(空隙部36fの一部を構成)に充満する湯水の対流により、及び、空隙部36f内の高温水から隔壁311を介した伝熱によりそれぞれ加温されることになる。この図9の場合にも第1実施形態と同様の作用・効果が得られることになる。
【出願人】 【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
【出願日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【代理人】 【識別番号】100107445
【弁理士】
【氏名又は名称】小根田 一郎
【公開番号】 特開2002−162118(P2002−162118A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−357220(P2000−357220)