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【発明の名称】 空気調和機
【発明者】 【氏名】奥田 健志
【氏名】大畑 洋三
【氏名】山本 和男
【氏名】鈴木 敏裕
【氏名】海野 英晴
【氏名】山根 宏昌
【氏名】小谷 浩一
【氏名】長田 稔
【課題】室外機の送風機騒音を確実に低減することができる空気調和機を提供する。

【解決手段】上側の室外送風機5の回転数を少なくとも回転数の高い領域において下側の室外送風機6の回転数よりも低く設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の送風機を上下に並べて設けた室外機と、前記上側の送風機の回転数を少なくとも回転数の高い領域において前記下側の送風機の回転数よりも低く設定する制御手段、を備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】 複数の送風機を上下に並べて設けた室外機と、前記上側の送風機の回転数を少なくとも回転数の高い領域において前記下側の送風機の回転数よりも低く設定する第1制御手段と、前記上側の送風機の回転数を少なくとも回転数の高い領域において前記下側の送風機の回転数よりも高く設定する第2制御手段と、前記各制御手段による設定を切換える切換手段と、を備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】 複数の送風機を上下に並べて設け、かつ圧縮機および圧縮機駆動用のインバータを有し、上側の送風機をインバータの冷却用として兼用する室外機と、前記各送風機に対する要求送風量が所定値以上のとき、前記上側の送風機の回転数を前記下側の送風機の回転数よりも低く設定する第1制御手段と、前記各送風機に対する要求送風量が所定値未満のとき、前記上側の送風機の回転数を前記下側の送風機の回転数よりも高く設定する第2制御手段と、を備えたことを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の送風機を上下に並べて設けた室外機を有する空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】1つの熱交換器に対し複数たとえば2つの送風機を並べて設けた空気調和機では、2つの送風機の回転数が同一に設定されると、例えば特開2000-356362号公報に示されているように、空気吸込口の付近に風速分布が生じ、それが原因となって大きないわゆる周期的騒音が発生することが知られている。上記公報の例では、2つの送風機の回転数を互いに異ならせることで騒音を低減している。
【0003】また、上記公報では2つの送風機を室内機に設けているが、2つの送風機を上下に並べて室外機に設けた空気調和機もある。このような空気調和機でも、2つの送風機の回転数が同一に設定されると、大きな周期的騒音が発生してしまう。
【0004】対策として、2つの送風機の回転数を互いに異ならせることが考えられるが、その際、熱交換器の熱交換効率等の関係から、上側の送風機の回転数を下側の送風機の回転数よりも大きく設定するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2つの送風機を上下に並べて設けた室外機の場合、その高さ寸法が人の身長とほぼ同じとなるため、上側の送風機から生じる音が人体にとって大きな騒音となって聴こえてしまうという問題がある。
【0006】この発明は、上記の事情を考慮したもので、その目的とするところは、室外機の送風機騒音を確実に低減することができる空気調和機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の空気調和機は、複数の送風機を上下に並べて設けた室外機を備え、上側の送風機の回転数を少なくとも回転数の高い領域において下側の送風機の回転数よりも低く設定する。
【0008】請求項2に係る発明の空気調和機は、複数の送風機を上下に並べて設けた室外機を備え、上側の送風機の回転数を少なくとも回転数の高い領域において下側の送風機の回転数よりも低く設定するか、あるいは高く設定するか、その切換えを可能としている。
【0009】請求項3に係る発明の空気調和機は、複数の送風機を上下に並べて設け、かつ圧縮機および圧縮機駆動用のインバータを有し、上側の送風機をインバータの冷却用として兼用する室外機を備えている。そして、各送風機に対する要求送風量が所定値以上の場合に、上側の送風機の回転数を下側の送風機の回転数よりも低く設定する。各送風機に対する要求送風量が所定値未満の場合は、上側の送風機の回転数を下側の送風機の回転数よりも高く設定する。
【0010】
【発明の実施の形態】[1]以下、この発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1において、1は空気調和機の室外機で、人の身長とほぼ同じ高さ寸法を有し、前面に2つの空気吸込口2,3を上下に並べて有している。この室外機1の一方の側面および背面は開放され、その側面および背面の内側にL字形状の室内熱交換器4が配設されている。
【0011】また、室外機1内には、図2に示すように、室内熱交換器4の内側に室外送風機5,6が上下に並べて設けられている。上側の室外送風機5は、空気吸込口2と対応する位置に設けられ、その空気吸込口2から外気を吸込み、その吸込み空気を室外熱交換器4に供給する。下側の室外送風機6は、空気吸込口3と対応する位置に設けられ、その空気吸込口3から外気を吸込み、その吸込み空気を室外熱交換器4に供給する。
【0012】本体1の内部空間は、仕切壁7により、室外熱交換器4および室外送風機5,6が存する空間と、圧縮機8および回路基板9が存する空間とに分けられている。回路基板9には、後述するインバータ11の構成部品および制御部30などが搭載されている。また、回路基板9は仕切壁7に装着されており、その装着箇所から仕切壁7を貫通し且つ上記通風空間に臨む状態に放熱板いわゆるヒートシンク10が設けられている。ヒートシンク10は、インバータ11の構成部品のうち発熱量が大きい部品であるスイッチング素子の放熱用であり、室外送風機5の送風を受け易い位置に臨んでいる。つまり、上側の室外送風機5を、室外熱交換器4に対する送風だけでなく、インバータ11の冷却用としても兼用するようにしている。
【0013】空気調和機の冷凍サイクルおよび制御回路を図3に示す。上記圧縮機8の吐出口に四方弁21を介して上記室外熱交換器4が接続され、その室外熱交換器4に電子膨張弁22を介して室内熱交換器23が接続されている。そして、室内熱交換器23に上記四方弁21を介して圧縮機8の吸込口が接続されている。すなわち、冷房時は図示破線矢印の方向に冷媒が流れ、室外熱交換器4が凝縮器、室内熱交換器23が蒸発器として機能する。暖房時は四方弁21が切換わることにより図示実線矢印の方向に冷媒が流れ、室内熱交換器23が凝縮器、室外熱交換器4が蒸発器として機能する。
【0014】室内熱交換器23の近傍には、その室内熱交換器23を通して室内空気を循環させるための室内送風機24、および室内温度センサ25が設けられている。室外熱交換器4の近傍には上記室外送風機5,6および外気温度センサ26が設けられている。
【0015】30は制御部で、空気調和機の全体を制御する。この制御部30に、四方弁21、電子膨張弁22、室内送風機24のモータ24M、室内温度センサ25、室外送風機5,6のモータ5M,6M、外気温度センサ26、インバータ11、および操作表示部31が接続されている。
【0016】インバータ11は、商用交流電源12の電圧を整流し、その整流した電圧をスイッチング素子のオン,オフにより所定周波数の電圧に変換し、出力する。この出力が圧縮機8に駆動電力として供給される。
【0017】制御部30は、主要な機能として次の(1)〜(4)を備える。
(1)室内温度センサ25の検知温度Taと操作表示部31の操作による設定室内温度Tsとの差ΔTを求め、その温度差ΔTおよび外気温度センサ26の検知温度Toをパラメータとして空調負荷を求める手段。
(2)求めた空調負荷に応じてインバータ11の出力周波数(つまり圧縮機8の容量)を制御する制御手段。
(3)求めた空調負荷に応じて室外送風機5,6に対する要求送風量を決定する手段。
(4)上側の室外送風機5の回転数を少なくとも回転数の高い領域において下側の室外送風機6の回転数よりも低く設定する制御手段。
【0018】つぎに、作用を説明する。室外送風機5,6に対して決定される要求送風量として、多い方から順に、H(高),M(中),L(低),UL(極低)がある。これら要求送風量ごとに、図4に示すように、室外送風機5の回転数a1,a2,a3,a4が設定され、室外送風機6の回転数b1,b2,b3,b4が設定される。
【0019】これら設定回転数には、a1<b1、a2<b2、a3<b3、a4<b4の条件が含まれている。a1,b1の差、a2,b2の差、a3,b3の差、a4,b4の差については、30rpm程度から、できれば100rpm以上が望ましい。
【0020】ここでは、高回転域から低回転域までの全域にわたって回転数差を持たせたが、送風機騒音が回転数に比例し、回転数が高いほど送風機騒音が大きくなることから、高回転域の設定回転数a1,b1についてだけ差を持たせるようにしてもよい。
【0021】室外送風機5,6の回転数を変化させる手段としては、リレーによるモータ巻線切替、モータに対する駆動電圧の位相制御、DCモータの採用およびその駆動電圧レベル制御など、種々があるが、回転数を変化できればいずれの方法でもよい。
【0022】このように、上側の室外送風機5の回転数と下側の室外送風機6の回転数とを異ならせることにより、室外送風機5,6の運転に基づく周期的騒音を低減することが可能である。
【0023】とくに、人体の耳に近くなる上側の室外送風機5の回転数を下側の室外送風機6の回転数よりも低くするようにしているので、聴感面でも顕著な騒音低減効果が得られる。
【0024】[2]第2実施形態について説明する。図3に破線で示すように、制御部30にモード切換スイッチ32が接続されている。制御部30は、上記(4)の機能に代えて、次の(11)〜(13)の機能を備えている。
(11)上側の室外送風機5の回転数を少なくとも回転数の高い領域において下側の室外送風機6の回転数よりも低く設定する第1制御手段。
(12)上側の室外送風機5の回転数を少なくとも回転数の高い領域において下側の室外送風機6の回転数よりも高く設定する第2制御手段。
(13)第1制御手段による設定(第1モード運転)および第2制御手段による設定(第2モード運転)をモード切換スイッチ32の操作に応じて切換える切換手段。
他の構成は第1実施形態と同じである。
【0025】要するに、室外送風機5,6に対する要求送風量としてH(高),M(中),L(低),UL(極低)があり、これら要求送風量ごとに室外送風機5の回転数a1,a2,a3,a4および室外送風機6の回転数b1,b2,b3,b4が設定されるが、設定回転数には第1制御手段によるa1<b1、a2<b2、a3<b3、a4<b4の条件の第1モード運転と、第2制御手段によるa1>b1、a2>b2、a3>b3、a4>b4の条件の第2モード運転とがある。そして、図5のフローチャートに示すように、モード切換スイッチ32がオンされると、第1モード運転が選択される。モード切換スイッチ32がオフされると、第2モード運転が選択される。
【0026】たとえば、室外機1が通行人等の近くや他の建物の近くに設置され、騒音低減が重視される場合は、係員によってモード切換スイッチ32がオンされ、第1モード運転が選択される。これにより、人体の耳に近くなる上側の室外送風機5の回転数が下側の室外送風機6の回転数よりも低く設定され、周期的騒音が人体の聴感面を含めて大幅に低減される。
【0027】ビルの屋上など、騒音が問題とならない場所に室外機1が設置される場合は、係員によってモード切換スイッチ32がオフされ、第2モード運転が選択される。これにより、上側の室外送風機5の回転数が下側の室外送風機6の回転数よりも高く設定される。これは、周期的騒音の低減を図りながら、インバータ11に対する冷却風量を積極的に増大させること、ひいてはインバータ11の効率の良い安定運転につながる。
【0028】[3]第3実施形態について説明する。制御部30は、上記(4)の機能に代えて、次の(21)(22)の機能を備えている。
(21)室外送風機5,6に対する要求送風量が所定値以上(H,M)のとき、上側の室外送風機5の回転数を下側の室外送風機6の回転数よりも低く設定する第1制御手段。
(22)室外送風機5,6に対する要求送風量が所定値未満(L,UL)のとき、上側の室外送風機5の回転数を下側の室外送風機6の回転数よりも高く設定する第2制御手段。
他の構成は第1実施形態と同じである。
【0029】要するに、室外送風機5,6に対する要求送風量としてH(高),M(中),L(低),UL(極低)があり、これら要求送風量ごとに室外送風機5の回転数a1,a2,a3,a4および室外送風機6の回転数b1,b2,b3,b4が設定されるが、設定回転数には第1制御手段によるa1<b1、a2<b2の条件と、第2制御手段によるa3>b3、a4>b4の条件とが含まれている。
【0030】たとえば、騒音が問題となる高風量域(H,M)では、人体の耳に近くなる上側の室外送風機5の回転数が下側の室外送風機6の回転数よりも低く設定され、周期的騒音が人体の聴感面を含めて大幅に低減される。
【0031】騒音がもともと小さい低風量域(L,UL)では、上側の室外送風機5の回転数が下側の室外送風機6の回転数よりも高く設定される。これは、周期的騒音の低減を図りながら、インバータ11に対する冷却風量を積極的に増大させること、ひいてはインバータ11の効率の良い安定運転につながる。なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0032】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、室外機の送風機騒音を確実に低減することができる空気調和機を提供できる。
【出願人】 【識別番号】399023877
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
【出願日】 平成13年2月26日(2001.2.26)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2002−257382(P2002−257382A)
【公開日】 平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願番号】 特願2001−50780(P2001−50780)