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【発明の名称】 換気システム
【発明者】 【氏名】加藤 愛一郎

【要約】 【課題】従来の換気は各部屋の各部位で捉えるとその給気、排気位置は1ヶ所固定されていた。このため、換気効率は汚濁発生位置や部屋の広さや形状に左右され、排気口に近いところの汚気は排気しやすいが、換気の空気経路から外れた場所の空気の入れ替えは、排気量に対する部屋全体の空気入れ替えの効率が悪かった。

【解決手段】住宅内の一つの部屋を換気する排気送風手段を備えた換気システムであって、前記部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する直径30mm〜50mm程度の貫通口が複数分散して設けられ、前記排気送風手段は複数存在し、前記貫通口のいくつかに装着されるとともに、前記排気送風手段が装着されていない貫通口には、蓋または前記部屋に給気するための給気グリル又は給気送風手段が装着されて構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】住宅内の一つの部屋を換気する排気送風手段を備えた換気システムであって、前記部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する直径30mm〜50mm程度の貫通口が複数分散して設けられ、前記排気送風手段は複数存在し、前記貫通口のいくつかに装着されるとともに、前記排気送風手段が装着されていない貫通口には、蓋または前記部屋に給気するための給気グリル又は給気送風手段が装着されたことを特徴とする換気システム。
【請求項2】住宅内の部屋を換気する複数の排気送風手段を備えた換気システムであって、前記部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する貫通口が複数分散して設けられ、前記排気送風手段は運転時における個々の処理風量の最低値が2〜4m3/hであるとともに、前記最低値で個々の排気送風手段を運転したときに前記部屋の半分の容積に相当する空気を一時間で換気できるだけの個数が前記貫通口のいくつかに装着されたことを特徴とする換気システム。
【請求項3】排気送風手段は貫通口から着脱可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の換気システム。
【請求項4】2つの壁のうち、第1の壁に設けられた複数の貫通口のいくつかには排気送風手段が装着され、第1の壁とは異なる第2の壁に設けられた複数の貫通口のいくつかには部屋に給気する給気送風手段が装着された事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の換気システム。
【請求項5】複数の排気送風手段を給気、排気の切替が可能な給排気送風手段としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の換気システム。
【請求項6】複数の給排気送風手段の給気、排気の切り替えを制御する運転制御手段と、この運転制御手段を操作する操作手段とを備えた集中制御装置を設けたことを特徴とする請求項5に記載の換気システム。
【請求項7】複数の排気送風手段または給気送風手段または給排気送風手段の風量を制御する運転制御手段とこの運転制御手段を操作する操作手段とを備えた集中制御装置を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の換気システム。
【請求項8】貫通口に排気送風手段または給気送風手段または給排気送風手段に電源の供給を行う給電配線手段を設け、この給電配線手段への給電を一ヶ所から行う集中給電手段を集中制御装置に設けたことを特徴とする請求項7に記載の換気システム。
【請求項9】貫通口はその内側に給排気送風手段に給電を行うための電極接点を有し、前記給排気送風手段は前記電極接点から受電する受電電極を有するとともに、前記給排気送風手段の給気・排気の切り換えは、前記電極接点と前記受電電極の接触の切り換えによって行われることを特徴とする請求項5に記載の換気システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は住宅等における各部屋や小空間の換気を行う換気システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の住宅における各部屋の換気は、建物自体のある程度の隙間か、自然換気孔を設けたもの程度で換気していた。また空気の汚濁しやすい台所やトイレ、浴室などでは排気用換気扇を設置し、建物の隙間や他室からの換気孔から給気し排気するものであった。近年においては住宅の気密化が進み、建物の隙間での換気が期待できなくなり、各部屋毎に専用の換気経路を確保することが必要となってきた。換気量は必要換気量として1時間当り室内容積の1/2確保を目安とされ、大よそ10〜20m3/hの換気が行われている。一般的には図9に示すように部屋毎に開口約φ100mm程度以上の給気孔120をひとつ設けトイレ等の排気用換気扇121への排気経路を確保するため扉部にアンダーカットを施して排気孔を確保することが知られている。この給気孔120の大きさが、前述の必要な換気量、この場合では給気風量に対しての圧力損失が小さく、ひとつの設置にてその部屋に給気される給気量は換気風量を満足するものとなっている。また居室において煙草臭等の排気のため排気用換気扇や熱交換型換気扇を設けるケースもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の換気は以上のように構成されているので、換気量(外気導入風量と部屋から排出される風量)と換気の経路は確保されている。しかし、各部屋の各部位で捉えるとその給気、排気位置は1ヶ所固定のため換気効率(外気と入れ替わる率)は汚濁発生位置や部屋の広さや形状に左右されることになる。たとえば図9に示すような部屋では排気口に近いところの汚気は排気しやすいが、換気の空気経路から外れた場所(図中×印)の空気の入れ替えはその換気気流が非常に弱く汚気が滞りやすく、排気量に対する部屋全体の空気入れ替えの効率が悪いという問題があった。また、部屋の換気口や換気扇の配置は建築時に設置した状態から変えることができず、家具の配置や生活シーンにて汚気の発生位置が変わることに対して柔軟に対応できないという問題点があった。
【0004】この発明は上記のような問題を解消するためになされたもので、第1の目的は、各室内に複数箇所の換気の経路を形成し、排気量に対する部屋全体の空気入れ替えの効率を向上させることである。また、第2の目的はシステムの既設後も、換気の流れを柔軟に変更できるシステムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる換気システムは、住宅内の部屋を換気する排気送風手段を備えたものであり、部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する直径30mm〜50mm程度の貫通口が複数分散して設けられ、排気送風手段は複数存在し、貫通口のいくつかに装着されるとともに、排気送風手段が装着されていない貫通口には、蓋または前記部屋に給気するための給気グリル又は給気送風手段が装着されて構成されたものである。
【0006】また、この発明にかかる換気システムは、住宅内の部屋を換気する複数の排気送風手段を備えたものであり、部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する貫通口が複数分散して設けられ、排気送風手段は運転時における個々の処理風量の最低値が2〜4m3/hであるとともに、最低値で個々の排気送風手段を運転したときに部屋の半分の容積に相当する空気を一時間で換気できるだけの個数が貫通口のいくつかに装着されて構成されたものである。
【0007】また、この発明にかかる換気システムの排気送風手段は貫通口から着脱可能として構成されたものである。
【0008】また、この発明にかかる換気システムは、2つの壁のうち、第1の壁に設けられた複数の貫通口のいくつかには排気送風手段が装着され、第1の壁とは異なる第2の壁に設けられた複数の貫通口のいくつかには部屋に給気する給気送風手段が装着されて構成されたものである。
【0009】また、この発明にかかる換気システムにおける複数の排気送風手段は給気、排気の切替が可能な給排気送風手段として構成されたものである。
【0010】また、この発明にかかる換気システムは、複数の給排気送風手段の給気、排気の切り替えを制御する運転制御手段と、この運転制御手段を操作する操作手段とを備えた集中制御装置を設けて構成されたものである。
【0011】また、この発明にかかる換気システムは、複数の排気送風手段または給気送風手段または給排気送風手段の風量を制御する運転制御手段とこの運転制御手段を操作する操作手段とを備えた集中制御装置を設けて構成されたものである。
【0012】また、この発明にかかる換気システムは、貫通口に排気送風手段または給気送風手段または給排気送風手段に電源の供給を行う給電配線手段を設け、この給電配線手段への給電を一ヶ所から行う集中給電手段を集中制御装置に設けて構成されたものである。
【0013】また、この発明にかかる換気システムの貫通口はその内側に給排気送風手段に給電を行うための電極接点を有し、給排気送風手段は電極接点から受電する受電電極を有するとともに、給排気送風手段の給気・排気の切り換えは、電極接点と受電電極の接触の切り換えによって行われるようにして構成されたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1図1〜3はこの発明の実施の形態1である換気システムを示すものであり、図1は、住宅において2面が屋外に面した6畳相当の一室の斜視図を、図2は図1に示す一室の室内を上部から見た図である。
【0015】図において1aは気密住宅における部屋を囲う第1の壁であり、1bはこの第1の壁1aとほぼ直角に交差する第1の壁とは異なる第2の壁である。この第1の壁1a及び第2の壁1bはそれぞれその外面において屋外に面している。2aは第1の壁1aの上方及び下方に窓100をはさんで複数(本実施の形態では6ケ)がほぼ等間隔に分散して設けられた貫通口である。同様に2bは第2の壁1bの上方及び下方に窓100をはさんで複数(本実施の形態では8ケ)がほぼ等間隔に分散して設けられた貫通口である。即ちこの実施の形態では部屋を囲う異なる2つの壁である第1の壁1aと、第2の壁1bに貫通口2a、2bが複数(この実施の形態では合計14ケ)分散して設けられる。
【0016】貫通口2a、2bはそれぞれ約30〜50mm程度、より好ましくは40〜50mm程度の直径を有する。この実施の形態においては、この貫通口2a、2bの直径は上記範囲内の一定値である40mmで統一されている。また、横方向には6〜700mm程度の間隔で、また上方の貫通口2a、2bは天上から500mm程度以内、下方の貫通口2a、2bは床から500mm程度以内の距離に設けられる。
【0017】3aは排気送風手段であり、上記第1の壁1aの6ケの貫通口2aに装着される。即ち、この排気送風手段3aは、複数の貫通口2a、2bのうちのいくつか(この実施の形態では6ケ)に装着される。3bは給気グリルであり、排気送風手段3aを設置していない第2の壁1bに設けられた貫通口2bに設けられる。この給気グリル3bは、貫通口2bの開度を調節できるようにして構成される。
【0018】図3は、貫通口2aに装着されたときの排気送風手段3aの構造図である。図において、5はファン、6はこのファン5を回転させるファンモータ、7はこのファンモータ6に接続された電源部、9は上記ファン5、ファンモータ6、電源部7を内部に収納した筒状のケーシング本体、8はこのケーシング本体9を貫通口2aに挿入後、部屋側から取付けられる排気グリルである。ケーシング本体9が貫通口2aに挿入されることにより、部屋と屋外を結ぶ風路が確保される。貫通口2aの屋外側にはフード10が設けられ雨水の侵入が防止されている。
【0019】排気送風手段3aの大きさはケーシング本体9が貫通口2aに装着できる大きさとし、断面の直径がφ40mm〜50mm程度以内と小型なものである。
【0020】次に動作について説明する。排気送風手段3aは、電源部7、ファンモータ6に通電するとファン5を回転して排気ができる。例えば6つすべての排気送風手段3aを運転させ、給気のための給気グリル3bをすべて全開とすると、図2の矢印に示す換気流が形成できる。この換気流は面から面への押し出し気流となり効率の高い換気が行える。また外気を取り込むことで涼を取りたいときや、空気の流れを室内に形成し体感的に涼を取りたいときや、暖房時など室内上部への熱の滞留を拡散して省エネを図りたいときなど、室内の空気の流れをシーンによって変えたいことに対して、給気グリル3bの開閉や排気送風手段3aの運転/停止の選択により実現できる。
【0021】またこの実施の形態では貫通口2a、2bが複数設けられており、そのうちのいくつかを選択して排気送風手段3aや、給気グリル3bを装着することができる。このため、家具などの障害物の配置により従来であれば貫通口2a、2bが塞がれてしまい換気が不足するという問題も、そのような障害物を避けて貫通口2a、2bを選択し、排気送風手段3a等を装着することにより回避できる。
【0022】換気量は、基本換気量として1時間当り室内容積の約1/2確保を目安といわれている。表1は基本換気量に対して貫通口2a1ヶ当りの処理風量の最低値を2m3/hとした場合に、排気送風手段3aを装着することが必要な貫通口2aの数を示す。
【表1】

1つ当りの処理風量を小さくすることによって貫通口2a、2b、送風手段3aは飛躍的に小型化できる。一方、φ40mm程度の貫通口2aであれば、10m3/hヶ程度の風量は確保できる。ひとつの排気送風手段3aの処理風量を2〜10m3/h程度に可変させることで、室内の総換気量を可変でき必要な基本換気から急速的な換気まで対応できるシステムが提供できる。
【0023】なお、この実施の形態では排気送風手段3a1ヶ当たりの処理風量の最低値を2m3/hとしたが、この発明はこれに限定することなく、排気送風手段3aの運転時における個々の処理風量の最低値が2〜4m3/hであればよい。また、この最低値で個々の排気送風手段3aを運転したときに部屋の半分の容積に相当する空気を一時間で換気できるだけの個数が貫通口2aのいくつかに装着されていればよい。
【0024】例えば、排気送風手段3a1ヶ当たりの処理風量の最低値が3m3/hである場合には、表1に示すように6畳相当の部屋の基本換気量は11.9m3/hであるから、4個の排気送風手段3aがあればよい。従って、この場合には図1、図2における第1の壁1aに設けられた貫通口2aのうち、4つのみに排気送風手段3aが装着され、残りの2つの貫通口2aには蓋等がされることとなる。
【0025】同様に、排気送風手段3a1ヶ当たりの処理風量の最低値が5m3/hである場合には、6畳相当の部屋の基本換気量は11.9m3/hであるから、2〜3個の排気送風手段3aがあればよい。従って、この場合には図1、図2における第1の壁1aに設けられた貫通口2aのうち、2ヶのみに排気送風手段3aが装着され、残りの4つの貫通口2aには蓋等がされることとなる。
【0026】この実施の形態にかかる換気システムは、部屋の換気を行うための開口部を1つではなく複数に分散させることによって、部屋の換気効率を高め、換気の利便性を高めることができる。また、換気量を分散して扱うことにより機器そのものが小型化でき、従来の換気扇のようにφ100mm以上の貫通穴を必要としない。また、貫通口2a、2bが小径であるので、その設置場所の制約も厳しくなく、設置の自由度を高められる。さらに、インテリア・エクステリア性も高く、施工も容易とし、屋外との遮音性確保が容易で、機器騒音も小さくすることができる等の効果がある。
【0027】加えて、排気送風手段3aをカートリッジ式にする等して着脱可能とし、給気グリルも取り外し可能とすれば、このシステムの使用者が必要な貫通口2a、2bを選択して使用することができる。このように構成することにより、従来できなかった換気経路つまり空気の流れを選択することができ、生活シーンに応じた快適な空間が形成できる。
【0028】また上記では、給気側を貫通口2bに設けられた給気グリル3bのみとしている。しかし、この発明はこれに限定するものではなく、部屋にファン等を用いて積極的に給気する給気送風手段を複数の貫通口2bから選択して設置し、機械的に給気することにより、より確実な換気流を形成でき換気量が確保することができる。
【0029】この実施の形態にかかる換気システムは上記のように構成されているため、換気の方向(空気の流れ方向)が固定されない。このため、部屋の用途やシーンが変わった場合、例えば介護室用途や一時的な宴会などでその部屋から他室への汚気拡散を防止したいなど要求に対して、柔軟に対応することができる。
【0030】実施の形態2.上記の排気送風手段3aや給気グリル3bまたは給気送風手段を貫通口2a、2bから使用者によって着脱できるものとすることによって、その換気流の形成や換気量の変更の自由度が高まり、より利便性の高い換気システムとなることは言うまでもない。図4に同一の部屋にて換気流を可変とした場合の換気流の様子を示す。図中aとbは換気の流れを逆にした場合を示している。例えば部屋の左側にベッドの枕側があるなど使用者が主に部屋の左側に居している場合はaの換気パターンを選択し新鮮な外気をより早く居住者側にすることができる。また外風の状態に応じて選択することにより、確実な換気をするとともに風の力を有効活用することもできる。また部屋内での調理や介護など臭気や空気汚染を発生するシーンでは、cのようにすべて排気運転させることにより、他室への汚染拡散を抑制することができる。またこの逆で他室の臭い等の影響を受けたくない客間や玄関などではdのように給気運転中心として汚気の侵入を抑制することができる。このa〜d以外にもその換気の向き、風量設定により様様な換気シーンを提供することが可能である。
【0031】このとき排気送風手段3a、給気送風手段等の電源を貫通口2a、2bから取り込める機構を持つことにより、あらかじめすべての貫通口2a、2bに対して電源線を敷設しておけば、各送風手段3a、3bの着脱だけで換気運転が可能となり、移動に伴う電源接続の手間がなくなりたいへん使いやすくなる。
【0032】例えばその電源を取り込む機構として、貫通口2a、2bの内側に給電側の接点を、各送風手段のケーシングの外側に受電側の接点を設けることで実現できる。
【0033】この実施の形態にかかる換気システムは上述のように、予め複数の貫通口2a、2bが存在するとともに、排気送風手段3aや給気グリル3bまたは給気送風手段が着脱可能とされるため、換気システムの既設後においても、生活シーンに応じて換気の流れや換気量を自在に設定できる。また、一時的な局所換気をしたいシーンが様様な部屋で発生したときにも、換気を必要としている他室へ排気送風手段3a等を移設し流用することが可能となる。
【0034】なお、この実施の形態の説明においては、上記実施の形態1と同一又は相当する部分は説明を省略し、相違する部分について説明した。
【0035】実施の形態3.図5を用いてこの発明の他の実施の形態について説明する。図5は、給排気送風手段の内部結線例を示す構成図である。この実施の形態は、上記複数の排気送風手段3a、給気送風手段を給気、排気の切替が可能な給排気送風手段として構成したものである。
【0036】図において3cは給排気送風手段である。構造は図3に示す上記排気送風手段3aとほぼ同じである。ここではファンモータ6にDCモータを用いた場合を示している。また、11は給排気切替のための極性切替スイッチを示す。DCモータ6はその電源極性を変えることにより反転することは周知である。この特性を利用して給排気送風手段3cを構成することにより、ひとつの送風手段で給排気が選択できるものが提供できる。これにより前記の換気システムにおいて、給気用送風手段と排気用送風手段3aを用意し使い分けるといった手間と設備費用をかけることなく、あらかじめ給排気送風手段を貫通口に設置しておくことにより、簡単に換気流の流れを逆転させるまで選択の範囲を広げることができ、使用者の負担を軽減させることができる非常に生活シーンに適合できる換気を提供できる。例えば部屋内に喫煙するなど一時的に汚染源発生箇所が特定できる場合などでは、その最も近い貫通口2a、2bの運転を送風手段の入れ替えをすることなく切り替えて排気することが可能となり、汚染の拡散をすばやく防ぐことができる。これは従来の換気方式では対応できなかった。
【0037】なお、この実施の形態の説明においては、上記実施の形態1と同一又は相当する部分は説明を省略し、相違する部分について説明した。
【0038】実施の形態4図6はこの発明の実施の形態4にかかる換気システムのブロック構成図である。図において、12は複数の排気送風手段3aまたは給気グリル3bまたは給気送風手段または給排気送風手段3c(以下送風手段3)を制御する運転制御手段、13はこの運転制御手段12を操作する操作手段、14はこの運転制御手段12と、操作手段13を備えた集中制御装置である。この集中制御装置14は、運転制御手段12を介して各送風手段3の制御線15を接続する。また各送風手段3には電源16が供給されている。前述のように各送風手段3の運転や風量によって部屋内の従来にない換気が実現できるが、個々の送風手段3において運転設定してすることはわずらわしく、また設定の確認も容易でない。そこで集中制御装置14にて部屋内のすべての送風手段3を制御することによってこの課題を解決する。集中制御装置14に設けられた操作手段13にて、各送風手段3の運転状態運転/停止、風量、給気・排気切替、グリル開度調整などを選択し、運転制御手段12にて各送風手段3にその指示を与える。操作手段13を確認することによって部屋内の送風手段3の動作、換気の状態が確認でき、より使い易い換気システムが提供できる。この操作手段13において、各送風手段3の運転状態や運転設定の表示を行うもの、また個別の送風手段3を意識せず天井から床へとか西から北へとか換気多め/少なめといった行いたい換気状態を指示・表示するものなど、ユーザーインターフェースの方法によってさらに使い易いものが提供できることは言うまでもない。また操作手段13においてその操作の一部をワイヤレスリモコンなど遠隔操作できるものとすることにより部屋内での操作性が向上することは言うまでもない。また運転制御手段12において、温度や湿度、煙、臭気やガス、埃、在人などのセンサを用いた自動運転制御機能を搭載することによって部屋内の空調や空気質をより最適に制御でき、使い易いシステムを提供することができる。
【0039】さらに、例えば部屋の2〜3ヶ所にセンサを設置するとともに、このセンサにより部屋内における2〜3次元の位置の認識が可能な位置認識手段を上記ワイヤレスリモコンに付加することも可能である。このような位置認識手段を付加する結果、換気システムの使用者が臭いの発生源で上記位置認識手段を使用しつつ、上記ワイヤレスリモコンで換気システムを操作できる。その結果、認識された位置に最も近い貫通口2a、2bに装着された給排気送風手段3cの運転を排気に切り替えたり、排気送風手段3aの処理風量を増加させたりして、排気することが可能となる。これにより、部屋の局所換気が可能となるため、汚染の拡散をすばやく防ぐことができる。
【0040】また実施例では集中制御装置14と各送風手段3との制御線15を有線で接続しているが、無線とすることで配線が省略でき施工が簡易となることは言うまでもない。また各部屋毎に有る集中制御装置14を複数(例えば住宅内のすべての集中制御装置)を管理する装置としてコンピュータや専用装置などを用意することで、その操作性が向上し使用者にとって使い易く、機器管理も容易となることは言うまでもない。
【0041】なお、この実施の形態の説明においては、上記実施の形態1と同一又は相当する部分は説明を省略し、相違する部分について説明した。
【0042】実施の形態5.図7はこの発明の実施の形態5にかかる換気システムのブロック構成図である。図において15aは上述の制御線15と共有されるとともに、各貫通口2a、2bに送風手段3の駆動電源を供給する給電配線手段、17はこの給電配線手段15への給電を一ヶ所から行うための集中給電手段であり、集中制御装置14に設けられる。この集中給電手段17は、運転制御手段12、操作手段13と連動して各送風手段3の電源を供給し制御する。他は図6と同じである。各送風手段の電源を集中制御装置14から供給することによりその電源遮断などの操作が容易となり清掃や着脱時の安全性が確保できる。また制御線15を電源線15aと共有することで施工が簡易となり、安価なシステムが構築できる。さらに、送風手段3の電源の電圧や周波数によってその風量等の運転制御を行うように構成すれば、集中給電手段17を介して運転制御手段12によってシステムのコントロールができる。従って、システムの構成が簡易となり安価なシステムを提供できることは言うまでもない。また送風手段3においてファンモータ6にDCモータを用いた場合は、給電がDC電圧で行え、前述の給電配線手段15aと制御線15の共有がより容易となり、またDC電源を2次側として生成でき感電しない安全なシステムが構築できることは言うまでもない。
【0043】なお、この実施の形態の説明においては、上記実施の形態4と同一又は相当する部分は説明を省略し、相違する部分について説明した。
【0044】実施の形態6.図8はこの発明の実施形態6にかかる給排気送風手段3cの構成図である。ここではファンモータ6をDCモータとした場合について説明する。図において18は貫通口2a、2bの内側(内壁部)に突設され、給排気送風手段3cに給電を行うための電極接点である。この電極接点18は、貫通口2a、2b内部に対向して配置される正極・負極からなる。また、19は給排気送風手段3cのケーシング9に設けられ、上記電極接点18から受電する電源部7に接続された受電電極である。一方、上述のようにファンモータ6であるDCモータは電源極性を変えることにより反転することは周知である。従って、給排気送風手段3cを貫通口2a、2bに装着する際、あるいは装着した後における、給電電極18と受電電極19の組み合わせによってファンモータ6の回転方向は変化する。即ち、給排気送風手段3cの給気・排気・停止の切り換えは、上記電極接点18と受電電極19の接触の切り換えによって行われ、図8(A)、(B)、(C)に示すよう給気運転、排気運転、停止が設定できる。
【0045】この実施の形態では上記のように構成されるので、給排気や運転停止を切替するためのスイッチを設けなくても簡易な構成でその設定が行うことができ、またもともと必要であった給電部とその切替設定を共通化できるこにより簡易で安価なシステムが提供できる。また上記ではDCモータについて記したが、誘導モータなどでも同様な構成で実現でき効果があることは言うまでもない。
【0046】なお、上述の各実施の形態では貫通口2a、2bを壁1a、1bに貫通させた場合について説明した。しかし、貫通口2a、2bを壁1a、1b内に設けられた外気と導通している通気層と室内を連通する構成としたり、天井や床下に設けられた外気と導通するチャンバーなどの空間と連通した構成としても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0047】また隣接する部屋など他の空間に対して導通する通気孔例えば間仕切り壁の貫通を貫通口2a、2bと同一形状なものとして複数設けることで、外壁面の少ない部屋など外気導通の貫通口位置には制約の多い部屋でも、各送風手段3、各装置を流用し隣接空間を利用した効率の良い換気が行え、より空気の流れを自在にでき様様な利用シーンに対応できるシステムが安価に構築することが可能である。
【0048】なお、この実施の形態の説明においては、上記実施の形態1と同一又は相当する部分は説明を省略し、相違する部分について説明した。
【発明の効果】この発明にかかる換気システムは、住宅内の部屋を換気する排気送風手段を備えたものであり、部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する直径30mm〜50mm程度の貫通口が複数分散して設けられ、排気送風手段は複数存在し、貫通口のいくつかに装着されるとともに、排気送風手段が装着されていない貫通口には、蓋または前記部屋に給気するための給気グリル又は給気送風手段が装着されて構成されたものであり、排気量に対する部屋全体の空気入れ替えの効率を向上させることができる。
【0049】また、この発明にかかる換気システムは、住宅内の部屋を換気する複数の排気送風手段を備えたものであり、部屋を囲う異なる2つの壁にはこの壁を貫通する貫通口が複数分散して設けられ、排気送風手段は運転時における個々の処理風量の最低値が2〜4m3/hであるとともに、最低値で個々の排気送風手段を運転したときに部屋の半分の容積に相当する空気を一時間で換気できるだけの個数が貫通口のいくつかに装着されて構成されたものであり、換気量を分散して扱うことにより機器そのものが小型化でき、設置の自由度を高められる。
【0050】また、この発明にかかる換気システムの排気送風手段は貫通口から着脱可能として構成されたものであり、一時的な局所換気をしたいシーンが様様な部屋で発生したときにも、換気を必要としている他室へ排気送風手段等を移設し流用することが可能となる。
【0051】また、この発明にかかる換気システムは、2つの壁のうち、第1の壁に設けられた複数の貫通口のいくつかには排気送風手段が装着され、第1の壁とは異なる第2の壁に設けられた複数の貫通口のいくつかには部屋に給気する給気送風手段が装着されて構成されたものであり、面から面への押し出し気流となり効率の高い換気を行うことができる。
【0052】また、この発明にかかる換気システムにおける複数の排気送風手段は給気、排気の切替が可能な給排気送風手段として構成されたものであり、換気流の形成や換気量の変更の自由度を高めることができる。
【0053】また、この発明にかかる換気システムは、複数の給排気送風手段の給気、排気の切り替えを制御する運転制御手段と、この運転制御手段を操作する操作手段とを備えた集中制御装置を設けて構成されたものであり、その操作性を向上することができる。
【0054】また、この発明にかかる換気システムは、複数の排気送風手段または給気送風手段または給排気送風手段の風量を制御する運転制御手段とこの運転制御手段を操作する操作手段とを備えた集中制御装置を設けて構成されたものであり、その操作性を向上させることができる。
【0055】また、この発明にかかる換気システムは、貫通口に排気送風手段または給気送風手段または給排気送風手段に電源の供給を行う給電配線手段を設け、この給電配線手段への給電を一ヶ所から行う集中給電手段を集中制御装置に設けて構成されたものであり、清掃や着脱時の操作が容易となる。
【0056】また、この発明にかかる換気システムの貫通口はその内側に給排気送風手段に給電を行うための電極接点を有し、給排気送風手段は電極接点から受電する受電電極を有するとともに、給排気送風手段の給気・排気の切り換えは、電極接点と受電電極の接触の切り換えによって行われるようにして構成されたものであり、構成を簡素化できる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年11月21日(2000.11.21)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2002−162084(P2002−162084A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−354420(P2000−354420)